コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

相武台前駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
座間駅 (初代)から転送)
相武台前駅
北口(2017年5月)
そうぶだいまえ
Sobudai-mae
OH 29 小田急相模原 (2.2 km)
(2.3 km) 座間 OH 31
地図
所在地 神奈川県座間市相武台一丁目33番1号
北緯35度29分57秒 東経139度24分30秒 / 北緯35.49917度 東経139.40833度 / 35.49917; 139.40833座標: 北緯35度29分57秒 東経139度24分30秒 / 北緯35.49917度 東経139.40833度 / 35.49917; 139.40833
駅番号 OH30
所属事業者 小田急電鉄
所属路線 小田原線
キロ程 36.9 km(新宿起点)
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面4線
乗降人員
-統計年度-
[小田急 1]33,753人/日
-2022年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月1日*
備考 * 座間駅として開設。
1937年(昭和12年) 士官学校前駅に改称。
1941年(昭和16年) 相武台前駅に改称。
テンプレートを表示
南口(2015年8月)
ホーム(2017年6月)

相武台前駅(そうぶだいまええき)は、神奈川県座間市相武台一丁目にある、小田急電鉄小田原線である。駅番号OH 30

概要

[編集]

当駅開設エピソードとして、当初の開通ルートは町田(旧・新原町田駅)から広野台方面(現・座間温泉)付近を通り厚木方面に抜ける予定であったが、地域住民の要望もあり、開設時に小田原急行鉄道側より「7000坪を寄付すれば計画路線変更と駅設置に応じる」ということで村内(旧・座間村)から土地の寄付を募り、小田原急行鉄道も1500坪の土地を購入して現在地に鉄道敷設および駅新設が行われた[1]。そして変更に伴う海老名までのルートは当初旧市街(座間大通り)付近を考慮していたものの既に集落があったため反対運動が起こり、現行ルートとなった。また当初は江ノ島線の当駅からの分岐計画があったが、多くの農業地に計画路線が掛かることから、相模大野駅分岐ルートへ変更となった[2]

開設当初は、小田原急行鉄道貨車工場、検車設備(相武台工場)を備える駅であった。1962年(昭和37年)の相模大野駅への統廃合まで機能していた[3]

1950年代後半までは農村地域でかつ米軍キャンプ等の関係者が利用する程度の駅であったが、当時の町の誘致等により南口方面に工場を誘致し様相を変えて行く。1960年代からは日産自動車等の大企業進出等により工業都市かつ、人口増加に伴い近郊都市の駅として発展した。

歴史

[編集]

大日本帝国陸軍士官学校があった時代、駅舎内には、士官学校を視察する皇族のために貴賓室が設置されていた[4]。また、歴代士官学校長は小田急線新宿駅 - 当駅間を、来校時に利用したという[5]。その1人に、沖縄戦玉砕した陸軍中将牛島満がいた[6]

1935年(昭和10年)、関東大震災復興のための相模川砂利運搬用に小田急砂利軌道が敷設され、当駅は相模原市南区磯部と共に発着駅であったが、1941年(昭和16年)廃線となった[7]

年表

[編集]

駅名の由来

[編集]

所在地が「高座郡座間村」であったことから、「座間駅」として開設。その後、「陸軍士官学校本科」が座間村に移転されたのに伴い、「士官学校前」へ改称された(なお、「座間村」は士官学校移転で「座間町」へ町制施行した)。その後、昭和天皇が「士官学校」の別名として「相武台」と命名し、駅名も「相武台前」と改称された。駅名改称の真の理由は防諜上の問題であり[11]、「士官学校前」だと敵国が日本本土に攻撃を行う際、標的にされてしまうことから、士官学校の別名である「相武台」を名付けた[12][13]。帝国陸軍士官学校本科の跡地は、在日米軍キャンプ座間となっている。

「相武台」ではなく「相武台前」であるのは昭和天皇の命名した相武台をそのまま利用出来なかった(軍部より軍施設に関してのみ相武台とするという指示があった)ためである[14][15]。このため、士官学校が解体されると地名として広く用いられるようになり、駅周辺の座間市相模原市の地名は相武台となっている。

駅構造

[編集]
電留線

相武台前駅
配線図
小田急相模原駅
4 3 2 1


STRg STRf
KRW+l KRWgr KRWgl KRW+r
PSTR(L) PSTR(R) PSTR(L) PSTR(R)
PSTR(L) PSTR(R) PSTR(L) PSTR(R)
PSTR(L) PSTR(R) PSTR(L) PSTR(R)
STR STR STR KRWg+l
KRWl KRWg+r KRWg+l KRWr
KRWgl KRWg+r
KRWg+l KRWgr
STRg STRf

座間駅/→電留線

島式ホーム2面4線を有する地上駅橋上駅舎を備え、駅舎南側に電留線がある。

1999年(平成11年)7月ダイヤ改正までは朝・夕方に旧・日産座間工場の通勤客を目的とした一部急行が停車したため、下りホームには分割案内板Aが存在していたが、2008年(平成20年)時点では撤去されている。

駅舎南側にある留置線は、小田急電鉄の電気機関車・貨車基地であった相武台工場跡地である。同工場の大野工場への統合・廃止後も電気機関車貨車は引続き工場跡の留置線を基地として運用(月検査は海老名検車区が担当)され[16]、本線用電気機関車・貨車全廃まで継続した。

上下線共に、ラッシュ時は当駅で快速急行通過待ちをする各停通勤準急が多い。日中時間帯の下り各駅停車は、一部が当駅で特急ロマンスカー(※土曜・休日ダイヤは、特急ロマンスカーに加えて急行もしくは快速急行)通過待ち合わせを行なう。

当駅始発上り列車が平日朝2本設定されている。以前は当駅止まりの終電間際列車が平日・土休日2本設定されていたが、2018年(平成30年)3月ダイヤ改正で海老名行に延長される形で廃止された。なお、輸送障害発生時には当駅で折返しが行われる場合がある。

のりば

[編集]
ホーム 路線 方向 行先[17]
1・2 OH 小田原線 下り 小田原箱根湯本方面
3・4 上り 相模大野新宿C 千代田線方面

内側2線(2・3番ホーム)が主本線、外側2線(1・4番ホーム)が待避線である。

電留線には10両編成1本・8両編成3本・6両編成3本、それ以外に1・4番ホームに10両編成の夜間留置がある。

駅構内設備

[編集]

利用状況

[編集]

2022年度(令和4年度)の1日平均乗降人員33,753人である[小田急 1](小田急線全70駅中29位)。座間市相模原市の市境付近に位置するため、両市の市民が利用する。

近年の乗降乗車人員の推移は以下の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[* 1]
年度 1日平均
乗降人員[* 2]
1日平均
乗車人員[* 3]
出典
1975年(昭和50年) 32,405
1980年(昭和55年) 36,235
1985年(昭和60年) 39,880
1989年(平成元年) 44,960
1993年(平成05年) [注釈 1]47,728
1995年(平成07年) 23,092 [神奈川県統計 1]
1998年(平成10年) 44,228 21,709 [神奈川県統計 2]
1999年(平成11年) 21,037 [神奈川県統計 3]
2000年(平成12年) 20,728 [神奈川県統計 3]
2001年(平成13年) 20,554 [神奈川県統計 4]
2002年(平成14年) 41,829 20,760 [神奈川県統計 5]
2003年(平成15年) 41,987 20,872 [神奈川県統計 6]
2004年(平成16年) 41,317 20,730 [神奈川県統計 7]
2005年(平成17年) 40,814 20,457 [神奈川県統計 8]
2006年(平成18年) 40,357 20,230 [神奈川県統計 9]
2007年(平成19年) 40,302 20,202 [神奈川県統計 10]
2008年(平成20年) 39,977 20,047 [神奈川県統計 11]
2009年(平成21年) 39,301 19,697 [神奈川県統計 12]
2010年(平成22年) 39,160 19,597 [神奈川県統計 13]
2011年(平成23年) 37,931 18,987 [神奈川県統計 14]
2012年(平成24年) 38,110 19,075 [神奈川県統計 15]
2013年(平成25年) 38,869 19,440 [神奈川県統計 16]
2014年(平成26年) 38,430 19,198 [神奈川県統計 17]
2015年(平成27年) 38,851 19,406 [神奈川県統計 18]
2016年(平成28年) 39,399 19,680 [神奈川県統計 19]
2017年(平成29年) 40,359 20,179 [神奈川県統計 20]
2018年(平成30年) 40,372 20,190 [神奈川県統計 21]
2019年(令和元年) 40,324 20,171 [神奈川県統計 22]
2020年(令和02年) 29,688
2021年(令和03年) [小田急 2]31,215
2022年(令和04年) [小田急 1]33,753

駅周辺

[編集]
かつての小田急ジョイフル相武台

駅前北側を東西に行幸道路神奈川県道51号町田厚木線)が通っており、北側は座間市との市境が入り組んでいるが大半が相模原市南区相武台地域、南側が座間市相武台地域となる。西方面には米軍施設(キャンプ座間)と陸上自衛隊座間駐屯地があり、住宅地と並存している。

駅舎北側には駅ビル小田急マルシェ相武台(Odakyu OXなどが入居。鉄筋5階建て)を備える。南口にも以前は大型店(イトーヨーカドー相武台店)が出店していたが撤退。商業施設は数えるほどしかなく、住宅施設が大半を占め、東京、横浜方面からのベッドタウンとしての色が強い。1995年(平成7年)に座間市役所が移転し、最寄り駅となるが、駅前再開発や大々的な整備が行われることもなく昭和40年代半ばに駅前整備を行った状態をほぼ維持している。

1971年(昭和46年)4月16日竣工の駅ビルは鉄筋10階建てで、下層階の1 - 3FはOdakyu OXなどの店舗が入居する小田急ジョイフル相武台、上層階は小田急相武台アパートであったが、2011年(平成23年)6月末で1F部分のOdakyu OXを除く全店舗が駅ビル建替えのため全閉鎖となり(箱根そばは一旦閉鎖したものの、後に再オープンしている)、同年11月に1階部分のOdakyu OXも駅前駐車場がある場所に建設された仮店舗へと一時移転した。現駅ビルは、2013年(平成25年)7月3日にオープンしている。相武台下駅とは約3km離れている。

北口

[編集]
最寄の公共機関

駅設備

[編集]
  • エレベーターは改札階と北口間を連絡する。
  • エスカレーターは北口側のみ設置されている。
  • 横浜銀行ATMコーナー(座間支店相武台前駅出張所)
  • 箱根そば
  • 売店(セブン-イレブン小田急相武台前店)

南口

[編集]

駅設備

[編集]
  • エレベーターは改札階と南口間を連絡する。
  • エスカレーターはない。

バス路線

[編集]

神奈川中央交通東大和営業所相模原営業所)により、以下の路線が運行されている。綾76はかつて相鉄バスが開設した名残で「綾」系統が採用されている(2006年(平成18年)に神奈中へ全面移管)

相武台前駅
1番のりば
台04 立野台 座間四ツ谷
海10 立野台 海老名駅東口
台12 ひばりが丘一丁目 南林間駅
綾76 北向庚申前 さがみ野駅北口
2番のりば
台01 相武台団地循環
深夜バス 保育園前
台13 北里大学病院北里大学
相27 北里大学病院・北里大学 相模原駅南口
3番のりば
台02 相武台グリーンパーク
4番のりば
台06 相武台下駅 磯部
台14 原当麻駅
相武台前駅南口

停留所名は同一であるものの、綾76とザマフレンド号の乗り場は場所が全く異なり、綾76はきらぼし銀行付近、ザマフレンド号はローソン・スリーエフ付近にある。

急行停車要望

[編集]

当駅は1999年(平成11年)7月ダイヤ改正以降、全急行が通過しているが、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議は2006年度(平成18年度)より、小田急電鉄向け要望書で当駅への急行停車を要望している。これに対し、小田急は、「乗降人員および急行利用人員の減少」を理由に、停車させる計画はないとしている[19]。但し、早朝・深夜帯は一部の急行が新百合ヶ丘あるいは相模大野以西において各停となり、当駅へ停車している。

隣の駅

[編集]
小田急電鉄
OH 小田原線
快速急行・急行
通過
通勤準急・準急・各駅停車(通勤準急は平日朝上り、準急は平日夜下りのみ)
小田急相模原駅 (OH 29) - 相武台前駅 (OH 30) - 座間駅 (OH 31)

作品

[編集]

音楽

[編集]
  • Jam9『相武台前』

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 当駅の乗降人員最高値年度

出典

[編集]
  1. ^ 引用元:『座間の語り伝え 7 村制編 1 村の起こり84頁』
  2. ^ 引用元:『座間の語り伝え 7 村制編 1 村の起こり85頁』
  3. ^ 引用元:『座間の語り伝え 7 村制編 1 村の起こり84頁』
  4. ^ 引用元:「相模原開拓の人々・金井利平著 古文書室紀要6号」「郷土史としての相武台陸軍士官学校 涌田佑/著 平成18年11月1日発行 ●四章:最盛期の相武台陸士歴代校長 54頁」旧相武台工場”. 鉄道チャンネル. 2024年12月21日閲覧。
  5. ^ 引用元:「郷土史としての相武台陸軍士官学校 涌田佑/著 平成18年11月1日発行 ●四章:「最盛期の相武台陸士」歴代校長 54頁・55頁
  6. ^ 引用元:「郷土史としての相武台陸軍士官学校 涌田佑/著 平成18年11月1日発行 ●四章:「最盛期の相武台陸士」歴代校長 54頁・55頁
  7. ^ 相模川新磯鉱区から相武台地区に至るナベトロ軌道・小田急砂利軌道運搬についての協働調査から”. 相武台のナベトロ遺跡をたどる会. 2016年5月19日閲覧。
  8. ^ 鉄道省監督局「地方鉄道、軌道事業の現況並に異動」『電気協会雑誌』第182号、日本電気協会、1937年2月、105頁。(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 鉄道省監督局「地方鉄道・軌道異動並に現況表」『電気協会雑誌』第231号、日本電気協会、1941年3月、附録2頁。(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 小田急線・箱根登山線・箱根ロープウェイ・箱根海賊船にて 2014年1月から駅ナンバリングを順次導入します! 新宿駅から箱根・芦ノ湖まで通しのナンバリングにより、わかりやすくご利用いただけます』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄/箱根登山鉄道、2013年12月24日。オリジナルの2021年5月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210509093516/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8052_1284200_.pdf2021年5月9日閲覧 
  11. ^ 旧相武台工場”. 鉄道チャンネル. 2024年12月21日閲覧。陸軍士官学校本科”. 用例,jp. 2024年12月19日閲覧。
  12. ^ 同様の理由による駅名改称としては、同じく昭和15年の湘南電気鉄道軍需部前駅⇒安針塚駅などがある。
  13. ^ 陸軍士官学校本科”. 用例,jp. 2024年12月19日閲覧。
  14. ^ 小田急の相武台前駅と座間駅のややこしすぎる関係とは”. Odapedia. 2024年12月19日閲覧。陸軍士官学校本科”. 用例,jp. 2024年12月19日閲覧。
  15. ^ 引用元:『座間の語り伝え 7 村制編 1 村の起こり91頁』
  16. ^ 生方良雄諸河久 『カラーブックス530 日本の私鉄5 小田急』 保育社、1981年、85ページ
  17. ^ 相武台前駅のご案内 駅立体図”. 小田急電鉄. 2023年6月3日閲覧。
  18. ^ 小田急電鉄 2008年度の鉄道事業設備投資計画(3)行先案内表示器の新設・更新 (PDF)
  19. ^ 神奈川県鉄道輸送力増強促進会議. “平成25年度の要望及び鉄道事業者の回答 小田急電鉄” (PDF). p. 6. 2014年4月16日閲覧。
小田急電鉄の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月3日閲覧。
  2. ^ 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月3日閲覧。
小田急電鉄の統計データ
  1. ^ 統計要覧 - 座間市
  2. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  3. ^ 神奈川県県勢要覧
神奈川県県勢要覧
  1. ^ {{URL|1=example.com|2=リンクの表示名(省略可)}} - 21ページ
  2. ^ 平成12年 - 223ページ
  3. ^ a b 平成13年 (PDF) - 225ページ
  4. ^ 平成14年 (PDF) - 223ページ
  5. ^ 平成15年 (PDF) - 223ページ
  6. ^ 平成16年 (PDF) - 223ページ
  7. ^ 平成17年 (PDF) - 225ページ
  8. ^ 平成18年 (PDF) - 225ページ
  9. ^ 平成19年 (PDF) - 227ページ
  10. ^ 平成20年 (PDF) - 231ページ
  11. ^ 平成21年 (PDF) - 241ページ
  12. ^ 平成22年 (PDF) - 239ページ
  13. ^ 平成23年 (PDF) - 239ページ
  14. ^ 平成24年 (PDF) - 235ページ
  15. ^ 平成25年 (PDF) - 237ページ
  16. ^ 平成26年 (PDF) - 239ページ
  17. ^ 平成27年 (PDF) - 239ページ
  18. ^ 平成28年 (PDF) - 247ページ
  19. ^ 平成29年 (PDF) - 239ページ
  20. ^ 平成30年 (PDF) - 223ページ
  21. ^ 令和元年 (PDF) - 223ページ
  22. ^ 令和2年 (PDF) - 223ページ

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]