小松久男
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人物情報 | |
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生誕 |
1951年2月(73歳) 日本東京都 |
出身校 | 東京教育大学・東京大学大学院 |
配偶者 | 小松香織 |
学問 | |
研究分野 | 東洋史(中央アジア史) |
研究機関 |
東海大学 東京外国語大学 東京大学 東洋文庫 |
主な受賞歴 | 毎日出版文化賞 |
小松 久男(こまつ ひさお、1951年2月[要出典] - )は、日本の歴史学者、中央アジア史学者、専門分野は中央アジア近現代史[1]。元東京外国語大学特任教授。東京大学名誉教授、公益財団法人 東洋文庫研究員・内陸アジア研究部門(中央アジア研究班 総括[2])。東京都出身。
主な役職として、東京大学大学院人文社会系研究科長(2009-10年度)、日本学術会議会員(第22-23期:2011年10月-2017年 9月)、公益財団法人 史学会理事長(2012-2013年度)、内陸アジア史学会[3]会長(2013-2016年度)などをつとめる[4]。
経歴
[編集]出典:略歴, p. 81
- 学歴
- 1974年3月 東京教育大学文学部史学科卒業(東洋史学専攻)
- 1974年4月 東京大学大学院人文科学研究科 修士課程(東洋史学)入学
- 1978年4月 東京大学大学院人文科学研究科 博士課程(東洋史学)入学
- 1978年11月 トルコ政府奨学金により、アンカラ大学 言語・歴史・地理学部に留学
- 1980年3月 東京大学大学院人文科学研究科博士課程(東洋史学)中退
- 職歴
- 1980年4月 東海大学文学部文明学科西アジア課程専任講師
- 1982年4月-1983年3月 梅村坦・護雅夫とアンカラでの「日本学術振興会 西アジア地域研究センター」の再建・設立に携わり、センターの業務を担当[5]。
- 1987年4月 同大学同学科 助教授
- 1992年4月 東京外国語大学外国語学部中東語学科(トルコ語)助教授
- 1995年4月 東京大学大学院人文社会系研究科 助教授
- 1996年4月 同研究科 教授
- 2009年4月 同研究科長・文学部長
- 2012年3月 東京大学退職、名誉教授
- 2012年4月 東京外国語大学大学院 総合国際学研究院特任教授
- 2017年4月 東京外国語大学 世界言語社会教育センター特別教授
- 2019年2月7日 最終講義「中央アジア史への道」[6]
- 2019年3月 同大学 退職
著書
[編集]単著
[編集]- (トルコ語) 20. Yüzyıl Başlarında Orta Asyada Türkçülük ve Devrim Hareketleri[7]、Turhan Kitabevi(Ankara)、1993年。NCID BB10918944
- 『革命の中央アジア:あるジャディードの肖像』東京大学出版会〈中東イスラム世界〉[8][9]、1996年。NCID BN13781308
- 『イブラヒム、日本への旅:ロシア・オスマン帝国・日本』刀水書房〈世界史の鏡 地域〉[10]、2008年。NCID BA87732238
- 『激動の中のイスラーム:中央アジア近現代史』山川出版社〈イスラームを知る 18〉、2014年。NCID BB15647651
- 『近代中央アジアの群像:革命の世代の軌跡』山川出版社〈世界史リブレット 人 80〉、2018年。NCID BB26854283
共著
[編集]- 『内陸アジア・西アジアの社会と文化』[11] 護雅夫編、山川出版社、1983年 NCID BN01452003
- 『イスラム都市研究:歴史と展望』羽田正・三浦徹編、東京大学出版会、1991年。NCID BN06555375
- 執筆:「中央アジア」265‒310頁
- 『内陸アジア』間野英二・中見立夫・堀直と共著、朝日新聞社〈地域からの世界史 6〉、1992年。NCID BN07917019
- 執筆:「II 19世紀から20世紀まで ロシア・ソ連と内陸アジア」179‒201頁
- 『スラブの民族』原暉之・山内昌之編集責任、弘文堂〈講座スラブの世界 2〉、1995年。NCID BN13058814
- 執筆:「二つの都市のタジク人 : 中央アジアの民族関係」250‒274頁
- 『イスラーム世界とアフリカ:18世紀末-20世紀初』岩波書店〈岩波講座世界歴史 21〉、1998年。NCID BA34399811
- 執筆:「危機と応戦のイスラーム世界」3‒78頁
- 『中央アジア史』間野英二編、同朋舎〈アジアの歴史と文化 8)、1999年。NCID BA40712281
- 執筆:「ロシアと中央アジア」184‒197頁、「現代の中央アジア」209‒221頁
- 『アフガニスタン:南西アジア情勢を読み解く』広瀬崇子・堀本武功編著、明石書店、2002年。NCID BA55364258
- 執筆:第7章「中央アジアのイスラーム復興とアフガニスタン」125-143頁
- 『中央アジアを知るための60章』宇山智彦編著、明石書店〈エリア・スタディーズ〉、2003年。2010年 第2版[12]。NCID BB01243734
- 『イスラーム世界』片倉もとこ・梅村坦・清水芳見編、岩波書店、2004年。NCID BA66155555
- 執筆:「中央アジアにおけるイスラーム復興」72‒97頁
- 『ウズベキスタンを知るための60章』帯谷知可編著、明石書店〈エリア・スタディーズ164〉[13]、2018年。NCID BB26084073
- 『歴史の蹊、史料の杜 : 史資料体験が開く日本史・世界史の扉』成蹊大学文学部学会編・佐々木紳責任編集、風間書房〈成蹊大学人文叢書 20〉[15]、2023年。NCID BD01636731
- 執筆:第10章「中央ユーラシアの新聞・雑誌史料:時代の思潮を読む」197-217頁
- 『東大塾 現代イスラーム講義』長沢栄治・後藤絵美編、東京大学出版会[16]、2023年。NCID BD04227422
- 執筆:第4講「宗教復興のダイナミズム:近現代中央アジアの政治と宗教」101-130頁
- 『世界の転換期(ターニングポイント)を知る11章』山川出版社[17]、2024年4月。NCID BD06549419
- 執筆:第9章「1861年 改革と試練の時代」、第10章「1905年 革命のうねりと連帯の夢」
編著
[編集]- 『中央ユーラシア史』山川出版社〈新版世界各国史 4〉、2000年。NCID BA48941307
- 『テュルクを知るための61章』明石書店〈エリア・スタディーズ148〉[18]、2016年。NCID BB2188501X
- 〈歴史の転換期〉シリーズ 全11巻、監修:木村靖二・ 岸本美緒・小松、山川出版社[19]、2018-2023年。NCID BB26041274
- ※歴史の転換期シリーズ 完結記念座談会 歴史の転換期を考える4 <9・10・11巻> 2024/03/18 - YouTube (9・10巻 小松、11巻 木村靖二)
- ※各巻の序章をベースに、その内容を地図やイラストも多用し、コンパクトにわかりやすく掲載したものが2024年刊行の『世界の転換期を知る11章』[17]
共編・共編著
[編集]- 『世界民族事典』綾部恒雄監修、編集委員:小松・大塚和夫・木村秀雄・黒田悦子・小西正捷・須藤健一・谷泰・日野舜也・横山廣子共編、弘文堂、2000年。NCID BA47196566
- Islam in Politics in Russia and Central Asia(ロシアと中央アジアの政治におけるイスラーム): Early Eighteenth Century to Late Twentieth Centuries)、Stéphane A.Dudoignon(ステファン・ドゥドワニョン)共編、Kegan Paul International、2001年。NCID BA56040885
- 『岩波イスラーム辞典』大塚和夫・小杉泰・東長靖・羽田正・山内昌之共編、岩波書店、2002年。NCID BA55679372。〈CD-ROM版〉2009年。
- 『イスラーム地域研究の可能性』佐藤次高編、東京大学出版会〈イスラーム地域研究叢書 1〉2003年。NCID BA64340807
- 担当:「地域間比較の試み:中央アジアと中東」49‒76頁
- 『現代イスラーム思想と政治運動』小杉泰共編、東京大学出版会〈イスラーム地域研究叢書 2〉2003年。NCID BA64807065
- 担当:「序章 激動の時代:20世紀のイスラーム世界」1‒36頁、B. ババジャノフ※著・小松訳「6章 ソ連解体後の中央アジア:再イスラーム化の波動」167‒193頁(原文:ロシア語)※Bakhtiyar Babadjanov AUSTRIAN ACADEMY OF SCIENCES
- 『現代中央アジア論:変貌する政治・経済の深層』岩﨑一郎・宇山智彦共編著、日本評論社[24]、2004年。NCID BA68453951
- 担当:「中央アジアの眺望」
- 『中央ユーラシアを知る事典』梅村坦・宇山智彦・帯谷知可・堀川徹共編、平凡社、2005年。NCID BA71544410
- Intellectuals in the Modern Islamic World: Transmission, Transformation, Communication、Stéphane A.Dudoignon, Kosugi Yasushi(小杉泰)共編、Routledge、2006年。NCID BA78062779
- 担当:“Muslim Intellectuals and Japan: a Pan-Islamist Mediator, Abdurreshid Ibrahim”, pp.273–288。[25]
- 『ユーラシア世界』全5巻、 編集委員:小松・塩川伸明・沼野充義、東京大学出版会[26]、2012年。
- 1.『<東>と<西>』宇山智彦も共編
- 2.『ディアスポラ論』
- 担当:原文トルコ語翻訳、205‒228頁:メルトハン・デュンダル(A. Merthan Dündar)[27]著. “私は夢も日本語で見ていた―トルコ・タタール移民の活動”. Academia.edu. 2022年8月20日閲覧。[28]
- 3.『記憶とユートピア』
- 担当 :「総論 記憶とユートピア」1‒15頁、「汎イスラーム主義再考:ロシアとイスラーム世界」19‒50頁。[28]
- 4.『公共圏と親密圏』松井康浩も共編
- 5.『国家と国際関係』
- Kazakhstan, Kyrgyzstan, and Uzbekistan: Life and Politics during the Soviet Era Palgrave Macmillan、2017年。Timur Dadabaev共編[29][30]。NCID BB23319614
- 担当:“Collective Memory, Oral History and Central Eurasian Studies in Japan”, pp.1–19。
- 『中央ユーラシア史研究入門』荒川正晴・岡洋樹共編、山川出版社、2018年。NCID BB25984410
- 『近代中央ユーラシアの眺望』野田仁共編、山川出版社[31]、2019年。NCID BB29022006
- 担当:第12章「言説空間のひろがり:アブデュルレシト・イブラヒムの足跡をたどって」267-286頁
- 『アジア人物史』全12巻+索引巻 (2025年刊行予定)、総監修:姜尚中、編集委員:小松ほか9名のアジア史研究者、集英社[32]、2022年12月-2024年4月 。NCID BC18657954
- 執筆担当巻:
- 『中央ユーラシア文化事典』小松(編者代表)・梅村坦・坂井弘紀・林俊雄・前田弘毅・松田孝一共編、丸善出版、2023年7月。NCID BD02794079
翻訳
[編集]- 『ジャポンヤ:イスラム系ロシア人の見た明治日本』アブデュルレシト・イブラヒム著[35]、小松香織と共訳(原文:オスマン語[36])、第三書館、1991年[37] 。
- 増補・改訂版『ジャポンヤ:イブラヒムの明治日本探訪記』岩波書店〈イスラーム原典叢書〉、2013年[38]。 NCID BB13035814
- 『タイムズ ヨーロッパ民族事典』フェリペ・フェルナンデス-アルメスト編、木畑洋一らと共訳(原文:英語[25])、東洋書林、2005年。NCID BA72415209
- 『トルキスタン文化史』全2巻、V.V.バルトリド著、小松監訳(原文:ロシア語[28])、平凡社東洋文庫、2011年2・3月刊。NCID BB04836958
- ※植田暁[39]「【新刊紹介】V・V・バルトリド著/小松久男監訳『トルキスタン文化史』1、2(東洋文庫805、806) 平凡社」『史学雑誌』第120巻第9号、史学会、2011年、1594-1596頁、doi:10.24471/shigaku.120.9_1594
- 『テュルクの歴史:古代から近現代まで』カーター・V・フィンドリー著[40]、小松監訳(原文:英語[41])、佐々木紳訳、明石書店〈世界歴史叢書〉[42]、2017年 。NCID BB24274373
監修
[編集]- 『世界の歴史』まんが:高田靖彦、小学館〈小学館版学習まんが世界の歴史〉[43]。
- 別巻1-2 『イスラム世界』I-II、監修、2021年。
- 別巻3-4 『オスマン帝国』I-II、監修、2021年。
- 8巻『モンゴルと中国:大モンゴル国・元・明・清』岸本美緒と共監修、2018年。
論文
[編集]家族・親族
[編集]脚注・出典
[編集]- ^ 教育研究年報, 各教員の活動.
- ^ 研究テーマ:中央ユーラシア近現代史資料の収集と研究 東洋文庫 - 研究活動. 2024年10月8日閲覧。
- ^ 公式ウェブサイト
- ^ a b 略歴, p. 82.
- ^ 堀川徹※「センターに関わる覚え書き:アンカラ・センター」(PDF:18.8MB)『カイロ研究連絡センター三十周年記念』、日本学術振興会、2016年1月16日、104頁(英語 118頁),129頁、2023年1月10日閲覧。※堀川徹 - researchmap
- ^ “過去の最終講義 2018(平成30)年度”. 東京外国語大学. 2022年8月20日閲覧。
- ^ トルコ語論文『20世紀初頭の中央アジアにおけるトルコ主義と革命運動』(中央アジアからの眺望, p. 84)
- ^ 中央アジアからの眺望, pp. 84–85.
- ^ 内容紹介・著者紹介 東京大学出版会
- ^ 主要目次・書評一部 刀水書房
- ^ 小松ほか38名の論文収録。900頁を超える歴史学論集
- ^ 紹介・目次・前書きなど カーリル
- ^ 内容紹介・目次 明石書店. 2024年7月6日閲覧。
- ^ 執筆者のコメント 東京外国語大学. 2024年7月6日閲覧。
- ^ 執筆者・目次 風間書房
- ^ 内容紹介・目次 カーリル
- ^ a b 解説・著者・目次 山川出版社. 2024年10月19日閲覧。
- ^ 内容紹介・目次 明石書店. 2024年7月6日閲覧。
- ^ 山川出版社 [@yamakawapub] (2024年3月19日). "「歴史の転換期シリーズ完結記念座談会」". X(旧Twitter)より2024年7月6日閲覧。
- ^ 解説・目次 山川出版社
- ^ 解説・目次 山川出版社
- ^ 中央アジアからの眺望, pp. 91–92.
- ^ 業績, p. 102.
- ^ 内容紹介・目次・著者 日本評論社
- ^ a b 業績, p. 104.
- ^ 内容紹介・目次・著者紹介 東京大学出版会、2024年7月4日閲覧。
- ^ 令和4年度(2022年度)外務大臣表彰を受賞
- ^ a b c 業績, p. 105.
- ^ 「ソ連時代の記憶」プロジェクト…の調査を始めたときに共同研究者となってくれた(中央アジアからの眺望, p. 93)
- ^ 質疑応答, p. 96.
- ^ 解説・目次・著者 山川出版社
- ^ 集英社創業95周年記念企画 東洋史研究 集大成 / 【執筆陣】記載あり. 2023年6月12日閲覧
- ^ 山根聡 - researchmap
- ^ 現代中央アジアの指導的なイスラーム学者(中央アジアからの眺望, p. 92)
- ^ イブラヒムが1909年春、東京帝国大学附属図書館を訪問した際、和服ばかりの学生のなか一人だけ洋服姿の人物が「目をそらすことなく私をみていた」(p.106)。「ロシアからはただ一人」の留学生とだけ記されているこの無名の人物はセルゲイ・エリセーエフであろう:小松久男 (2010年9月). “出会いの一瞬”. 「ひらけ!ゴマ!!」東京大学文学部・大学院人文社会系研究科. 2023年9月6日閲覧。
- ^ 業績, p. 100.
- ^ 中央アジアからの眺望, p. 90.
- ^ 「本書で特筆すべきは、旧版ですでに訳されていた事柄に加え、当時日本の新聞・雑誌などに掲載されたイブラヒム関係の記事が「日本側資料」として本文中に適宜挿入されていることである」: 海野典子「書評:『ジャポンヤ―イブラヒムの明治日本探訪記』」『イスラーム地域研究ジャーナル』第7巻、早稲田大学イスラーム地域研究機構、2015年、97-100頁、ISSN 1883-597X。
- ^ 植田暁 - researchmap
- ^ "1941年生まれ。オハイオ州立大学人文学卓越名誉教授。トルコ研究協会(Turkish Studies Association)会長および世界史協会(World History Association)会長を歴任"(内容紹介・目次 2017, 著者紹介)
- ^ 業績, p. 106.
- ^ “内容紹介・目次”. 明石書店. 2024年3月4日閲覧。
- ^ 全巻リスト 小学館
参考文献
[編集]- “教育研究年報 9-11”. 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部. 2024年11月25日閲覧。
- 各教員の活動 / 教育研究年報 9 (2006-2007年度) 12 東洋史学
- 各教員の活動/教育研究年報 10 (2008-2009年度) pp.216-217
- 各教員の活動/教育研究年報 11 (2010-2011年度) pp.225-226
- 「知の先達たちに聞く(14): 小松久男先生をお迎えして」『イスラーム世界研究』第13巻、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター、2020年、81-107頁、NCID AA12218121。
- pp.81-82「小松久男先生:略歴」、doi:10.14989/250325。
- pp.82-96「中央アジアからの眺望」、doi:10.14989/250326。
- pp.96-98「質疑応答」、doi:10.14989/250327。
- pp.99-107「小松久男先生:業績(1975~2019年間の著書・翻訳・論文 その他)」、doi:10.14989/250328。
外部リンク
[編集]- 小松久男 - researchmap
- 小松久男 - J-GLOBAL
- 小松久男 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 第10回 イブラヒムの旅-境界を越えて- 2009年度開講 - 歴史とは何か(学術俯瞰講義)/ UTokyo OCW