室町無頼
室町無頼 | ||
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著者 | 垣根涼介 | |
発行日 | 2016年8月22日 | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル |
歴史小説 時代小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判変型 | |
ページ数 | 536 | |
公式サイト | 室町無頼 | 垣根涼介 Dawning day, Dawning life | |
コード |
ISBN 978-4-10-475006-1 ISBN 978-4-10-132978-9(上) ISBN 978-4-10-132979-6(下)(文庫本) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『室町無頼』(むろまちぶらい)は垣根涼介による歴史小説。および、それを原作とする日本映画。
概要
[編集]室町時代中期に起きた寛正の土一揆の首魁、徳政一揆の指導者として名が残る蓮田兵衛を主題とする。
垣根は、小説家デビュー10年後には歴史時代小説を書こうと決めていた[1]。歴史時代小説の執筆には時代考証や言葉遣いなどがありハードルが高く、デビュー当時は兼業作家であり、勤め人としても激務だったことから、勉強のための時間も取れずにいたためで、専業作家になってから10年計画で史料を集めて、歴史の見方や小説作法などを身に着けていった[1]。そうして執筆されたのが『光秀の定理』であり、本作は垣根の歴史小説第2弾ということになる[1]。
室町時代中期を選んだ理由として、垣根はこの時代と現代(バブル景気が崩壊し、20年以上経った2010年代の日本)社会の様相が酷似しているたためと挙げている[1]。室町時代中期は、為替や信用取引が登場し、馬借といった輸送機関が誕生し、農業生産高は飛躍的に上昇し、人と物と銭がめまぐるしく回り始めた時代であり、日明貿易といった日本と日本国外との交易が盛んでグローバリズムの波が起きており、現代の日本人の生活空間の原型となる床の間、茶の湯やわび・さびなどが誕生し、経済的にも文化面でも国力が増していた時期であるにもかかわらず、公家、武家、神社仏閣は好き勝手に利益を吸い上げる仕組みを築き上げており、国民の間にかつてないほどの格差が生まれていたが、室町幕府は格差是正にまったくの無策だった[1]。
現代も室町時代中期も社会や国が庶民を守ってくれることを完全に期待していていい時代ではないという共通点があり、そんな時代の中でどうやっていくのかというのが、作中の主人公たちと、現在に生きる人たちとの共通とテーマではないかと垣根は語っている[2]。
あらすじ
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
天涯孤独の才蔵は独学で学んだ棒術の腕を買われて、金貸し業の法妙坊暁信に用心棒として雇われる。ある時、骨皮道賢が法妙坊暁信を襲撃し、才蔵は孤軍奮闘したことで、道賢に拾われる。しかし、才蔵は腕は立つが道賢が率いる足軽には向いていなかったことから、蓮田兵衛に預けられることになった。
兵衛は、才蔵に兵法者として生きる道を与えるために唐崎の老人に預ける。血のにじむような修行を終えた才蔵は、一介の兵法者となって兵衛の元に帰ってくる。
兵衛の扇動によって土一揆が発生。道賢には一揆の鎮圧が命じられる。
兵衛は、才蔵、七尾ノ源三、赤間誠四郎、馬切衛門太郎らを従え奮戦するが、兵衛も道賢も戦場に倒れてしまう。土一揆は生き残った才蔵によって引き継がれていく。才蔵は応仁の乱の後も、民衆を味方にして幕府相手に一揆を成功させていった。
兵衛が死んで16年が経った。才蔵は高級遊女・芳王子であった尼僧を訪ねた。芳王子は才蔵が生きていたこと、立派な男に成長したことを喜ぶのだった。
登場人物
[編集]- 才蔵
- 元は武家ではあるが、父は浪人であり、その父も幼い頃に亡くしている。
- 蓮田兵衛
- 牢人と洛外の村落をまとめあげ、一揆を画策する。
- 骨皮道賢
- 傭兵、足軽大将。兵衛とは悪友。
- 300人の極道者を集めて足軽集団を組織し、それを幕府に見込まれて治安維持を任される。権力の内部から体制を突き崩そうとする[1]。
- 芳王子(ほおうじ)
- 高級遊女。以前には道賢を愛しており、その後は兵衛の情婦となる。
- 唐埼の老人
- 棒術の達人で兵衛の師匠。才蔵にも棒術を叩き込む。
- 足利義政
- 室町幕府の第8代将軍。東山文化を築きあげるのだが、国家は大混乱することになる。
- 名和好臣
- 義政に仕える有力大名。
- 伊勢貞親
- 政所執事。道賢に一揆鎮圧を命じる。
- 法妙坊暁信
- 比叡山の僧兵の首領であり、銭貸し業を営む。
- 赤間誠四郎
- 抜刀術の使い手。修行中の才蔵に命を助けられ、共に戦うことになる。
- 七尾ノ源三
- 九尺槍の使い手。赤間と同様に修行中の才蔵に挑むが、兵衛の人となりに惚れて共に戦うことになる。
- 馬切衛門太郎
- 実在の人物[3]。
- 十尺の金棒を振り回す巨漢。赤間、七尾と同様に兵衛と才蔵に出会って、志を共にする。
書誌情報
[編集]- 垣根涼介(著)『室町無頼』新潮社
- 2016年8月22日発売[4]、ISBN 978-4-10-475006-1
- 垣根涼介(著)『室町無頼』新潮社〈新潮文庫〉、上下巻
- 上巻 2019年1月29日発売[5]、ISBN 978-4-10-132978-9
- 下巻 2019年1月29日発売[6]、ISBN 978-4-10-132979-6
賞歴
[編集]- 2016年 第6回本屋が選ぶ時代小説大賞
映画
[編集]この記事には公開前の映画に関する記述があります。 |
室町無頼 | |
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監督 | 入江悠 |
脚本 | 入江悠 |
原作 | 垣根涼介 |
製作 |
須藤泰司 栗生一馬 北岡睦己 |
出演者 |
大泉洋 長尾謙杜 松本若菜 遠藤雄弥 前野朋哉 阿見201 般若 武田梨奈 水澤紳吾 岩永丞威 吉本実憂 ドンペイ 川床明日香 稲荷卓央 芹澤興人 中村蒼 矢島健一 三宅弘城 柄本明 北村一輝 堤真一 |
音楽 | 池頼広 |
撮影 | 大塚亮 |
編集 | 佐藤崇 |
制作会社 | 東映京都撮影所 |
製作会社 | 『室町無頼』製作委員会 |
配給 | 東映 |
公開 | 2025年1月17日(予定) |
上映時間 | 135分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
2025年1月17日に公開予定[7]。監督は入江悠、主演は大泉洋[7]。PG12指定[8]。また、東映が制作した映画作品では初となるIMAX上映が同年1月10日から先行して行われる予定[9][10]。
映画化の企画は2017年頃に動き出しており、企画プロデュースの須藤泰司は「史上最高にかっこいい大泉洋」を口説き文句に大泉に主演を依頼し、堤真一の起用も決定していた[11]。しかしながら、コロナ禍の影響で製作が延期され、監督の入江のスケジュールもあって、撮影は2023年になってからとなった[11]。
キャスト
[編集]- 蓮田兵衛:大泉洋[11][8][12]
- 才蔵:長尾謙杜[11][8][12]
- 芳王子:松本若菜[11][8][12]
- 赤間誠四郎:遠藤雄弥[13][12]
- 七尾ノ源三:前野朋哉[14][12]
- 馬切衛門太郎:阿見201[15][12]
- 小吉(こきち):般若[16][12]
- 超煕(ちょひ):武田梨奈[17][12]
- 伝助:水澤紳吾[18][12]
- 鎖鎌の斬ノ助:岩永丞威[19][12]
- 伏士のお千(おせん):吉本実憂[20][12]
- 孫八:ドンペイ[21][12]
- 小萩:川床明日香[22][12]
- 伏士頭の彦次郎(ひこじろう):稲荷卓央[23][12]
- 蔵人(くらんど):芹澤興人[24][12]
- 足利義政:中村蒼[25][12]
- 伊勢貞親:矢島健一[26][12]
- 法妙坊暁信:三宅弘城[27][12]
- 唐埼の老人:柄本明[11][8][12]
- 名和好臣:北村一輝[11][8][12]
- 骨皮道賢:堤真一[11][8][12]
スタッフ
[編集]- 原作:垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊)[8][12]
- 監督・脚本:入江悠[7][8][12]
- 音楽:池頼広[8][12]
- 企画プロデュース:須藤泰司[8][12]
- プロデューサー:栗生一馬、北岡睦己[8][12]
- キャスティングプロデューサー:福岡康裕[8][12]
- 音楽プロデューサー:津島玄一[8][12]
- ラインプロデューサー:中森幸介、福居雅之[8][12]
- 宣伝プロデューサー:蓬田智[8]
- 撮影:大塚亮[8][12]
- 照明:杉本崇[8][12]
- 録音:古谷正志[8][12]
- 美術:松﨑宙人[8][12]
- 装飾:極並浩史[8][12]
- 編集:佐藤崇[8][12]
- アクション監督:川澄朋章[8][12]
- 殺陣:清家一斗[8][12]
- キャラクターデザイン:荒木里江、秋月洋子[8][12]
- 衣装:古賀博隆[8][12]
- ヘアメイクディレクター:酒井啓介[8][12]
- 美粧:大村弘二[8][12]
- スケジューラー:西山太郎[8][12]
- 助監督:西片友樹[8][12]
- VFXスーパーバイザー:野口光一[8][12]
- スーパーヴァイジングサウンドエディター:勝俣まさとし[8][12]
- スクリプター:山下佳菜[8][12]
- プロダクションマネージャー:森洋亮[8][12]
- 製作管理:福島一貴[8][12]
- プロダクション統括:小嶋雄嗣[8][12]
- 製作プロダクション:東映京都撮影所[8]
- 製作幹事・配給:東映[7][8][12]
- 製作:『室町無頼』製作委員会(東映、東映アニメーション、テレビ朝日、アミューズクリエイティブスタジオ、東映ビデオ、コーエーテクモゲームス、読売新聞社、クリエイティブオフィスキュー、LINEヤフー、日本出版販売、北海道テレビ放送)[8]
出典
[編集]- ^ a b c d e f 垣根涼介「無頼でなければ、この世は変えられない」『波』2016年9月号、新潮社、2016年、2024年11月20日閲覧。
- ^ “今なぜブーム? 応仁の乱”. NHK (2017年3月6日). 2024年11月20日閲覧。
- ^ 早島大祐「室町小説の誕生」『波』2016年9月号、新潮社、2016年、2024年11月20日閲覧。
- ^ “『室町無頼』垣根涼介”. 新潮社. 2024年12月27日閲覧。
- ^ “『室町無頼〔上〕』垣根涼介”. 新潮社. 2024年12月27日閲覧。
- ^ “『室町無頼〔下〕』垣根涼介”. 新潮社. 2024年12月27日閲覧。
- ^ a b c d "大泉洋主演×入江悠監督『室町無頼』2025年1月17日公開決定 共演になにわ男子 長尾謙杜ら". リアルサウンド映画部. blueprint. 13 February 2024. 2024年12月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am “室町無頼:映画作品情報・あらすじ・評価”. MOVIE WALKER PRESS. ムービーウォーカー. 2024年12月27日閲覧。
- ^ "大泉洋主演『室町無頼』東映制作映画として初のIMAX上映決定 2025年1月10日より先行で". リアルサウンド映画部. blueprint. 18 December 2024. 2024年12月27日閲覧。
- ^ "東映制作映画として初『室町無頼』IMAX上映決定!歴史を揺るがす戦いが予感させる新ビジュアル". MOVIE WALKER PRESS. ムービーウォーカー. 18 February 2024. 2024年12月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “大泉洋が“史上最高にかっこいい”を体現した「室町無頼」京都での撮影に密着”. 映画ナタリー (2024年11月1日). 2024年11月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax “室町無頼:作品情報”. 映画.com. エイガ・ドット・コム. 2024年12月27日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月10日). "赤間誠四郎(あかませいしろう)/#遠藤雄弥". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月11日). "七尾ノ源三(ななおのげんぞう)/#前野朋哉". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年7月22日). "演じるのは十尺の金棒を振り回す巨漢の男、馬切衛門太郎!". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月13日). "小吉(こきち)/#般若 刀鍛冶を営む、筋骨隆々の男。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年6月15日). "短弓の使い手、超煕(ちょひ)を演じる武田さん。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年9月2日). "度重なる徴税に耐えかね、兵衛(#大泉洋)と共に戦うことを決意する伝助。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年6月5日). "骨皮一党の幹部、鎖鎌の斬ノ助を演じる岩永さん。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月17日). "洛中警護を司る骨皮党の伏士。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年7月10日). "骨皮党の幹部、孫八を演じるドンペイさん。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 川床明日香. “映画「室町無頼」に小萩役で出演させていただきます。”. Instagram. 2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月19日). "洛中警護を司る骨皮党の幹部。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月20日). "牛車で洛中へ荷を運ぶ車借。度重なる徴税に耐えかね、伝助と共に兵衛の戦いに加わる。". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 中村蒼オフィシャル [@lespros_aoi] (2024年3月26日). "【本人】2025.1.17公開の映画『#室町無頼』に足利義政役として出演するよ". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月22日). "伊勢貞親(いせさだちか)/#矢島健一". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
- ^ 映画『室町無頼』2025.1.17公開 [@muromachiburai] (2024年3月24日). "法妙坊暁信(ほうみょうぼうぎょうしん)/#三宅弘城". X(旧Twitter)より2024年11月20日閲覧。
外部リンク
[編集]- 小説
-
- 室町無頼 | 垣根涼介 Dawning day, Dawning life
- 『室町無頼』垣根涼介 - 新潮社
- 『室町無頼〔上〕』垣根涼介 - 新潮社
- 『室町無頼〔下〕』垣根涼介 - 新潮社
- 映画
-
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