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国民政府委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中華民国の旗 中華民国国民政府行政機関
国民政府委員会
國民政府委員會
役職
国民政府主席 汪兆銘(初代)
蔣介石(最後)
国民政府副主席 孫科
概要
設置根拠法令 中華民国国民政府組織法
設置 1925年7月1日
廃止 1948年5月20日
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蔣介石国民政府主席就任を記念して発行された切手1943年

国民政府委員会(こくみんせいふいいんかい、: 國民政府委員會)は、中華民国国民政府の最高意思決定機関である。合議制が採用されており、国民政府主席が代表を務める。行政院立法院司法院国民政府軍事委員会中国語版などの重要機構の人員を任命する権限を有していた。1925年民国14年)7月1日の国民政府成立に伴って設置され、1948年(民国37年)5月20日中華民国政府成立に伴って廃止された。

沿革

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1925年民国14年)7月1日広州にあった中華民国陸海軍大元帥府大本営が改組されて国民政府が成立し、国民政府委員会が設置された[1][2]中国国民党中央執行委員会汪兆銘胡漢民戴季陶于右任徐謙張継譚延闓許崇智林森廖仲愷伍朝枢古応芬朱培徳孫科程潜の16人を国民政府委員に任命した。そのうち汪兆銘、胡漢民、譚延闓、許崇智、林森の5人が常務委員を務め、汪兆銘は国民政府委員会主席(国民政府主席)に就任したが、この時点の国民政府主席は特権を有さない名誉職であった[3][4]。国民政府は1927年(民国16年)3月に武漢へ移転し、引き続き国民政府委員会を最高意思決定機関とした。汪兆銘・譚延闓・于右任・程潜・孫科・李宗仁・徐謙・宋子文李済深・朱培徳・唐生智馮玉祥陳友仁顧孟余譚平山・蔣介石・柏文蔚孔庚中国語版鈕永建王法勤中国語版何応欽宋慶齢呉玉章黄紹竑彭沢民中国語版経亨頤中国語版楊樹荘陳調元の28人が国民政府委員、そのうち汪兆銘・譚延闓・孫科・徐謙・宋子文の5人が常務委員に就任し、主席職は廃止された[5][6][7]

上海クーデター4月12日)後の4月18日蔣介石は胡漢民・柏文蔚らと共に南京に新たな国民政府を樹立し、国民政府は武漢と南京の2つに分裂した(寧漢分裂[1][7][8][9]。南京国民政府の国民政府委員会では主席職が復活して胡漢民が就任し、常務委員は7人に増やされた。

8月19日、武漢国民政府は南京国民政府への合流を宣言し、政府機関を南京に移すことを決定した[10][11]。9月に南京において国民政府委員の選出が行われ、常務委員には胡漢民・李烈鈞蔡元培・汪兆銘・譚延闓が選出されたが、汪兆銘は就任の翌日に辞任した。

1928年(民国17年)2月に行われた国民党第2回中央執行委員会第4次全体会議にて、国民政府の再編に関する提案が可決され、国民政府委員の定数は12-16人、常務委員は5人と規定され、五院(行政院立法院司法院考試院監察院)の院長・副院長は委員会によって選出されることが規定された。同年10月には新たな「中華民国国民政府組織法」が施行され、国民政府を中華民国の最高指導機関と規定された。国民政府主席、五院の院長と副院長を含む国民政府委員[注 1]が国民政府委員会を構成し、国務を処理すると規定され、この状態は1948年(民国37年)に国民政府が廃止されるまで続いた。改組当初の国民政府委員は蔣介石(国民政府主席)・譚延闓(行政院長)・馮玉祥(行政院副院長)・胡漢民(立法院長)・林森(立法院副院長)・王寵恵(司法院長)・張継(司法院副院長)、戴季陶(考試院長)・孫科(考試院副院長)・蔡元培(監察院長)・陳果夫(監察院副院長)・何応欽・李宗仁・楊樹荘・閻錫山・李済深・張学良の17人であった[12][13]

国民政府委員会の人員

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以下は、1927年9月の寧漢合流から1948年5月の国民政府廃止までの期間の国民政府委員会の人員の一覧である[14][15]

1927年9月-1928年2月

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国民政府常務委員

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国民政府委員

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1928年2月-10月

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国民政府主席

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国民政府常務委員

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国民政府委員

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1928年10月-1931年6月

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国民政府主席

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国民政府委員

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1931年6月-12月

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国民政府主席

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  • 1931年6月15日選任:蔣介石(1931年12月15日辞任)
  • 1931年12月15日代理:林森

国民政府委員

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1931年12月-1943年9月

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国民政府主席

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  • 1932年1月1日就任:林森(1943年8月1日死去)
  • 1943年8月1日代理:蔣介石

国民政府委員

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1943年9月-1947年4月

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国民政府主席

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  • 1943年9月13日選出・10月10日就任:蔣介石

国民政府委員

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1947年4月-1948年5月

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国民政府主席

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国民政府副主席

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  • 1947年4月17日選出:孫科

国民政府委員

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脚注

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注釈

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  1. ^ 常務委員職は廃止された。

出典

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  1. ^ a b 辞海編集委員会 1989, p. 2007.
  2. ^ 接受中國國民黨中央執行委員會議決中華民國國民政府組織法” (中国語). 國民政府公報. 中華民國國民政府 (1925年7月1日). 2021年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月20日閲覧。
  3. ^ 張・沈 1987, p. 1.
  4. ^ 中華民國國民政府通告” (中国語). 國民政府公報. 中華民國國民政府 (1925年7月1日). 2021年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月20日閲覧。
  5. ^ 劉 1995, p. 380.
  6. ^ 郭 1984, pp. 148, 152, 156.
  7. ^ a b 張・沈 1987, p. 3.
  8. ^ 郭 1984, p. 183.
  9. ^ 國民革命軍蔣總司令巧電” (中国語). 國民政府公報. 中華民國國民政府 (1927年4月18日). 2021年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月20日閲覧。
  10. ^ 黄 1995, p. 112.
  11. ^ 郭 1984, p. 248.
  12. ^ 郭 1984, p. 211.
  13. ^ 張・沈 1987, p. 5.
  14. ^ 張・沈 1987, pp. 3–33.
  15. ^ 劉 1995, pp. 381–395.

参考文献

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  • 郭廷以 等 (1984) (中国語). 中華民國史事日誌. 2. 臺北: 中央研究院近代史研究所. ISBN 9789860459227 
  • 黃大受 (1995) (中国語). 中國現代史綱. 臺北: 五南圖書出版. ISBN 9789571104119 
  • 辞海编辑委员会 編 (1989) (中国語). 辞海. 档案出版社. ISBN 9787532600830 
  • 張朋園, 沈懷玉 (1987) (中国語). 國民政府職官年表(1925~1949). 1. 臺北: 中央研究院近代史研究所. ISBN 9789860459081 
  • 劉壽林 等 (1995) (中国語). 民國職官年表. 北京: 中華書局. ISBN 7101013201 

関連項目

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