四重禁戒
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四重禁戒(しじゅうきんかい)(梵 pārājika)とは、仏教の律(vinaya, 毘奈耶)において、違反した場合には僧団(サンガ)より追放される非常に重い罪となる4ヶ条の条項である。四重禁、波羅夷とも称される。
出家者に対する四重禁
[編集]出家者(比丘)に対しては次の4か条が禁止されている。
- 婬(異性、同性との性交渉、あるいは獣姦をおこなうこと)
- 盗(与えられていない物を、自分の物とすること)
- 殺人(故意に人を殺す、あるいは他人に殺させること。自殺教唆も含む)
- 大妄語(実際は違うにもかかわらず、「私は悟りを開いた」と自称すること。ただし、錯乱状態や未熟ゆえに自信過剰な者は除く)
密教における四重禁戒
[編集]密教における四重禁戒は、三昧耶戒における『十四根本堕』の根本的な四つの戒律をいう。現在の日本では、正規の出家者としての戒律(ヴィナヤ)を守る習慣が途絶えてしまっているので、『大日経』等を依拠とした「四重禁戒」を採用し、また、三昧耶戒を戒体としている。
日本密教の四重禁戒
[編集]- 不応捨正法戒(正法を捨ててはならない)
- 不捨離菩提戒(菩提心を捨ててはならない)
- 不応慳悋正法戒(正法を伝えることを惜しんではならない)
- 不応不利衆生行戒(衆生を利益しないような事があってはならない)