可部哲生
可部 哲生(かべ てつお、1962年10月12日 - )は、日本の財務官僚、弁護士、アメリカ公認会計士、ニューヨーク州弁護士[1]。財務省大臣官房総括審議官、財務省理財局長、国税庁長官などを歴任した。
岸田文雄と岸田武雄の義弟であり、最高裁判所裁判官を務めた可部恒雄の甥。
人物・経歴
[編集]東京都出身[2]。妻は岸田文雄内閣総理大臣の妹の典子である。叔父は可部恒雄元最高裁判事[3][4]。筑波大学附属駒場高等学校から東京大学文科一類に入学[5][6]。1985年3月東京大学法学部第1類(私法コース)卒業、旧大蔵省入省(大臣官房文書課)[7]。
主計局が長く[7]、児童手当関係担当主査、総務省行政管理局管理官(定員・独法・特法総括)、文部科学省担当主計官、厚生労働省担当主計官などを務めた[8]。
2002年から2006年まで外務省に出向し在米国大使館参事官を務め、投資家保護法(SOX法)の日本企業への適用をめぐり外交交渉を行う[9]。
2011年 財務省主計局総務課長。2013年 財務省大臣官房総合政策課長。2014年 財務省大臣官房審議官(国際局担当)[10]。2015年 主計局次長。2017年7月 財務省大臣官房総括審議官。成長戦略を推進した[11]。2018年7月 事務次官候補として財務省理財局長に就き森友学園問題で揺れる同局立て直しに従事[2][7]。2020年7月 国税庁長官[12]。2021年7月 財務省顧問。同年 公益財団法人国際保険振興会理事長[13]、第一生命経済研究所特別顧問[14]。2022年弁護士登録、西村あさひ法律事務所オブカウンセル[15]。2023年東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター客員教授[16]、OAG取締役[17]。
略歴
[編集]- 1985年4月:大蔵省入省(大臣官房文書課)
- 1988年:米国留学(ハーバード・ロー・スクール修了)[9]
- 1990年:証券局流通市場課企画係長[18]
- 1991年7月:岸和田税務署長[19]
- 1992年7月:大臣官房付、(併)内閣官房内閣内政審議室[20]
- 1993年7月:銀行局総務課課長補佐(日本銀行・企画)[21]
- 1994年7月:大阪国税局総務部総務課長
- 1995年6月:主計局総務課課長補佐(企画)[22]
- 1996年7月:主計局主計官補佐(科学技術・文化係主査)
- 1997年7月:主計局主計官補佐(厚生第五係主査)
- 1999年7月:主計局主計官補佐(厚生第一、二係主査)
- 2000年7月:主計局主計官補佐(厚生労働第一、二係主査)
- 2001年7月:国際局為替市場課国際収支室長
- 2002年6月:外務省在アメリカ合衆国日本国大使館参事官
- 2006年7月:総務省行政管理局管理官(定員・独法・特法総括)
- 2008年7月:主計局主計官(文部科学係担当)
- 2009年7月:主計局主計官(厚生労働係担当)
- 2011年8月:主計局総務課長
- 2013年6月:大臣官房総合政策課長
- 2014年7月:大臣官房審議官(国際局担当)
- 2015年7月:主計局次長(次席)(社会保障と防衛、給与等を担当)[23]
- 2016年6月:主計局次長(首席)(社会保障を担当)[24][25][26]
- 2017年7月:大臣官房総括審議官
- 2018年7月:理財局長
- 2020年7月:国税庁長官[12]
- 2021年7月:退職、財務省顧問
- 2021年:第一生命経済研究所特別顧問[14]
- 2021年:公益財団法人国際保険振興会理事長[13]
- 2022年:弁護士登録(第一東京弁護士会)[27]、西村あさひ法律事務所オブカウンセル[15]
- 2023年:東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター客員教授、OAG取締役
著書
[編集]- 図説 日本の財政 平成26年度版(東洋経済新報社 2014)
略系図
[編集]岸田幾太郎 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
可部寅蔵 | 井口良二 | 岸田正記 | 岸田正次郎 | 宮澤裕 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
可部輝夫 | 可部恒雄 | 可部順三郎 | 澄子 | 岸田文武 | 岸田俊輔 | 邦子 | 後藤英輔 | 玲子 | 宮澤弘 | 宮澤喜一 | 宮澤泰 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
可部哲生 | 典子 | 岸田文雄 | 宮澤洋一 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
同期入省
[編集]- 矢野康治(財務事務次官、主計局長、主税局長、大臣官房長)
- 岡村健司(内閣官房参与(国際経済)、財務官)
- 藤井健志(内閣官房副長官補、国税庁長官)
- 小部春美(政策研究大学院大学教授、財務総合政策研究所副所長)
- 中島淳一(金融庁長官)
- 森田宗男(金融国際審議官)
- 中井徳太郎(環境事務次官)
- 岡本直之(国土交通省政策統括官)
- 中尾睦(内閣官房TPP等政府対策本部国内調整統括官、横浜税関長)
- 野島透(九州財務局長)
- 岸本浩(国立印刷局理事長、東京税関長)
- 川嶋真(造幣局理事長)
- 市川健太(東京国税局長、日本政策金融公庫代表取締役専務取締役、理財局次長(理財担当))
- 田中琢二(IMF理事、関東財務局長)
- 田中秀明(明治大学教授、内閣府行政刷新会議事務局参事官)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 国税庁長官に可部哲生氏が就任、抱負語る 日本テレビ系(NNN)
- ^ a b 「財務次官に岡本氏」日本経済新聞2018/7/27 20:00
- ^ 横田由美子「横田由美子の「霞が関官僚実名録」」ZAITEN 2014年9月号(財界展望新社)
- ^ 「霞が関「7人の天才」はこんな人たち~頭がキレて、モノが違う」現代ビジネス
- ^ 霞が関「7人の天才」はこんな人たち~頭がキレて、モノが違う霞が関「7人の天才」はこんな人たち~頭がキレて、モノが違う現代ビジネス
- ^ 『週刊朝日 1981年4月3日増大号』1981年4月発行、205頁
- ^ a b c 「財務省理財局長に可部氏=国税庁長官は藤井次長」時事通信
- ^ 可部哲生氏(財務省主計局主計官・厚生労働担当) (企画特集 社会保障や医療の充実には国民負担の引上げが不可欠--日本医療・病院管理学会が「国家財政と医療」でシンポ) -- (シンポジウム 国家財政と医療) 週刊社会保障 63(2552), 47-49, 2009-10-26 法研
- ^ a b 2020年12月15日 日本経済新聞『交遊抄』
- ^ [1]
- ^ オブカウンセル 西村あさひ法律事務所
- ^ a b “令和2年7月20日発令” (PDF). 財務省 (2020年7月20日). 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b 理事長ご挨拶国際保険振興会
- ^ a b 国家公務員法第106条の25第1項等の規定に基づく国家公務員の再就職状況の報告(令和3年10月1日~同年12月31日分)令和4年3月 2 5 日 内 閣 官 房 内 閣 人 事 局
- ^ a b 可部哲生弁護士が当事務所に入所西村あさひ法律事務所
- ^ 可部哲生弁護士が東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター客員教授に就任
- ^ 国家公務員法第106条の25第1項等の規定に基づく報告の概要 内閣官房
- ^ 『財政金融統計月報』大蔵省、1990年発行、11頁
- ^ 国税庁の次期長官に理財局長の可部氏 一般財団法人大蔵財務協会
- ^ 可部哲生 財務省理財局長の略歴書→令和2年7月20日,国税庁長官に任命された。
- ^ 『大蔵省職員録 1994年版』大蔵財務協会、1993年10月発行、35頁
- ^ 『職員録 平成8年版 上巻』大蔵省印刷局、1995年11月発行、407頁
- ^ “財政制度分科会(平成27年8月5日開催)”. 財政制度等審議会財政制度分科会. 財政制度分科会(平成27年8月5日開催). 財政制度等審議会財政制度分科会. 2016年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月閲覧。
- ^ 第192回国会 衆議院 財務金融委員会 第6号(発言番号41)
- ^ 第192回国会 衆議院 財務金融委員会 第6号(発言番号43)
- ^ 第193回国会 参議院 厚生労働委員会 第22号(発言番号120)
- ^ 可部哲生Tetsuo Kabe オブカウンセル西村あさひ法律事務所
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]官職 | ||
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