動く標的 (映画)
動く標的 | |
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Harper | |
監督 | ジャック・スマイト |
脚本 | ウィリアム・ゴールドマン |
原作 |
ロス・マクドナルド 『動く標的』 |
製作 |
ジェリー・ガーシュウィン エリオット・カストナー |
出演者 |
ポール・ニューマン ローレン・バコール ジュリー・ハリス アーサー・ヒル ジャネット・リー |
音楽 | ジョニー・マンデル |
撮影 | コンラッド・L・ホール |
編集 | ステファン・アーンステン |
製作会社 | ワーナー・ブラザース |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
1966年2月23日 1966年7月14日 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $3,500,000[1] |
興行収入 | $12,000,000[2] |
次作 | 『新・動く標的』 |
『動く標的』(うごくひょうてき、Harper)は1966年のアメリカ合衆国のミステリー・スリラー・サスペンス映画。
概要
[編集]監督はジャック・スマイト、出演はポール・ニューマンとローレン・バコールなど。 ロス・マクドナルドの1949年のミステリ小説『動く標的』を原作としている。 イギリスで公開された際のタイトルは原作の原題と同じ『The Moving Target』である[3]。
1975年には同じポール・ニューマン主演で『魔のプール』を原作とした続編『新・動く標的』が公開されている。なお、本作も続編も主人公の名前は原作のルー・アーチャーからルー・ハーパーに変えられている[注 1]。この理由について、ニューマンが『ハスラー 』『ハッド』のヒット以来、Hで始まるタイトルにこだわったという説がしばしばみられるが、実はこの時マクドナルドが『ルー・アーチャー』というキャラクター名の版権を保持したかったためであった[4]。
ストーリー
[編集]自分の離婚話さえ解決できない私立探偵ハーパーは友人の弁護士アルバートの依頼で、前日に失踪した大富豪サンプスンの捜索を引き受ける。
夫人に会った後、ロサンゼルスにあるサンプスンの部屋を訪れ、かつての人気女優フェイの写真を見つける。フェイの夫トロイは密入国で儲けている男だ。フェイに会い、莫大な金を持っていることを知る。その時かかった電話で、バー「ピアノ」に関係があることを知って乗りこむ。だが、歌手のベティは質問に答えてくれず、あげく、用心棒に叩き出される。サンプスン誘拐の裏にシンジケートが動いていることを確信。
その頃、サンプスン夫人に現金50万ドルをよこせという脅迫状が舞いこんだ。アルバートに金を用意させ、保安官のスパナーとともに指定の場所に。やがて乗用車とスポーツカーが現れ、先に金を受け取った乗用車の運転手は殺され、金はなくなっていた。
以前、サンプスンが宗教団体の指導者クロードに寄付したことから、山頂の“雲の神殿”がシンジケートの本部と突き止める。ベティからサンプスンの居所を聞き出したものの、既に死んでいて、証人たちもたくみに殺されていた。
殺人の現場に必ずといっていいほど、アルバートが居合せていたことから、真犯人がアルバートだと確信する。問いつめられて自白した後、アルバートはハーパーに拳銃をつきつける。
登場人物
[編集]- ルー・ハーパー: ポール・ニューマン - 私立探偵。
- エレイン・サンプソン: ローレン・バコール - 失踪した大富豪サンプソンの妻。
- ベティ・フレイリー: ジュリー・ハリス - バーの歌手。
- アルバート・グレイヴス: アーサー・ヒル - ハーパーの友人の弁護士。
- スーザン・ハーパー: ジャネット・リー - ハーパーの妻。
- ミランダ・サンプソン: パメラ・ティフィン - サンプソンの娘(連れ子)。
- アラン・タガート: ロバート・ワグナー - ミランダの恋人。
- フェイ・エスタブルック: シェリー・ウィンタース - かつての人気女優。
- ドワイト・トロイ: ロバート・ウェッバー - フェイの夫。
- 保安官: ハロルド・グールド
- パドラー: ロイ・ジェンソン - バーの用心棒。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 吹替 |
---|---|---|
NETテレビ版 | ||
ハーパー | ポール・ニューマン | 川合伸旺 |
サンプソン夫人 | ローレン・バコール | 大塚道子 |
アルバート | アーサー・ヒル | 中村正 |
スーザン | ジャネット・リー | 小原乃梨子 |
ベティ | ジュリー・ハリス | 富永美沙子 |
ミランダ | パメラ・ティフィン | 鈴木弘子 |
アラン | ロバート・ワグナー | 仲村秀生 |
フェイ | シェリー・ウィンタース | |
ドワイト | ロバート・ウェッバー | 家弓家正 |
保安官 | ハロルド・グールド | 大塚周夫 |
パドラー | ロイ・ジェンソン | |
不明 その他 |
塩見竜介 緒方敏也 たてかべ和也 中島喜美栄 浅井淑子 | |
日本語版スタッフ | ||
演出 | 山田悦司 | |
翻訳 | 進藤光太 | |
効果 | 赤塚不二夫 | |
調整 | 栗林秀年 | |
制作 | 東北新社 | |
解説 | 淀川長治 | |
初回放送 | 1973年9月16日 『日曜洋画劇場』 |
作品の評価
[編集]Rotten Tomatoesによれば、19件の評論の全てが高く評価しており、平均点は10点満点中7.1点となっている[5]。 Metacriticによれば、6件の評論のうち、高評価は2件、賛否混在は4件、低評価はなく、平均点は100点満点中51点となっている[6]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 原作の役名は一般には「リュウ・アーチャー」と表記される。一方、本作の役名は公開当時から「ルウ・ハーパー」や「ルー・ハーパー」と表記されていた。どちらも英語での表記はLewである。
出典
[編集]- ^ “Harper (1966)” (英語). IMDb. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “Harper” (英語). The Numbers. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “Harper (1966) - Release Info” (英語). IMDb. 2013年6月19日閲覧。
- ^ “Ross Macdonald's Lew Archer” (英語). Mystery Scene. 2020年4月29日閲覧。
- ^ "Harper". Rotten Tomatoes (英語). 2022年4月23日閲覧。
- ^ "Harper" (英語). Metacritic. 2020年4月29日閲覧。