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1次車・2次車

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本節では、1998年度から2000年度にかけて製造された車両について述べる。初期車における番台区分は以下の通り。

番台区分 車内仕様 編成両数 配置区所 おもな運行路線 摘要
0番台 転換クロスシート
(車端部固定シート)
4両 大垣車両区 東海道本線静岡地区および名古屋地区(浜松 - 米原)
300番台 転換クロスシート
(車端部固定シート)
2両 大垣車両区 東海道本線静岡地区および名古屋地区(浜松 - 米原) 一部静岡車両区に転出
静岡車両区 東海道本線静岡地区(熱海 - 豊橋) 一部大垣車両区から転入
1000番台 転換クロスシート
(車端部ロングシート)
4両
3両
大垣車両区 東海道本線静岡地区および名古屋地区(3両編成、浜松 - 米原)
武豊線(4両編成)
名古屋方制御車は0番台
3両編成の電動車は1500番台
3両編成は2022年3月に大垣車両区に転入
4両編成は2023年1~5月に大垣車両区に転入
3000番台 セミクロスシート
ワンマン運転対応
2両 神領車両区 中央西線(中津川 - 塩尻)および篠ノ井線(塩尻 - 松本)および関西本線 2012年3月に大垣車両区に転出
大垣車両区 東海道本線静岡地区および名古屋地区(浜松 - 米原)および美濃赤坂支線(大垣 - 美濃赤坂)
および飯田線(豊橋 - 辰野) および中央東線(辰野 - 茅野)
2012年3月に神領車両区から転入
静岡車両区 身延線および御殿場線
および東海道本線静岡地区(三島 - 静岡)
 
8000番台 転換クロスシート
(特別仕様)
3両 神領車両区 中央本線名古屋地区(名古屋 - 中津川)
および「セントラルライナー」「ホームライナー瑞浪」
2022年3月に静岡車両区に転出
静岡車両区 東海道本線静岡地区(熱海 - 豊橋) 電動車は8500番台
2022年3月に神領車両区から転入

大垣電車区(現・大垣車両区)には0番台・300番台92両が配置され、東海道線の快速列車(浜松駅豊橋駅 - 大垣駅米原駅)および普通列車(大垣駅 - 米原駅・美濃赤坂駅)を中心に投入された。これによって311系は普通列車(浜松駅・豊橋駅・岡崎駅 - 岐阜駅)を中心に転用され、117系は日中の大多数の運用を失い、浜松駅 - 豊橋駅、大垣駅 - 米原駅の普通列車に転用された。また、朝夕に運用されていた113系は完全に運用を失い、転属あるいは廃車とされた。

神領電車区(現・神領車両区)には1000番台・1500番台21両が配置され、中央線の快速列車(名古屋駅 - 中津川駅)を中心に投入されたほか、8000番台18両が新設の「セントラルライナー」(名古屋駅 - 中津川駅)に投入された。また、篠ノ井線に直通する中央西線ローカル運用(中津川駅 - 松本駅)および関西線(名古屋駅 - 亀山駅)には同区に配置された3000番台32両が投入され、ワンマン運転を開始した。これによって213系5000番台と113系(この両系列はともに大垣電車区から転属)はともに日中の大多数の運用を失った。また、朝夕に運用されていた103系や、中津川駅 - 松本駅間を中心に運用されていた165系は完全に運用を失った。

静岡運転所(現・静岡車両区)には3000番台24両が配置され、身延線御殿場線に投入された。身延線では既に123系によるワンマン列車が運行されていたが、本系列の投入により、これらの路線では日中のほぼ全ての普通列車がワンマン運転となった。両線から捻出された115系は東海道本線に転用され、大垣電車区から113系が転属してきたこともあって、これらによって老朽化した113系初期車を淘汰した。

次項より各番台区分について解説する。編成の向きは左側が上り方(熱海・塩尻・亀山方)である。

0番台・300番台

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東海道線 (名古屋地区)用の車両で、2023年10月1日現在、大垣車両区に4両編成15本(60両、Y1 - Y15編成)と2両編成16本(32両、Y31 - Y46編成)の計31本・92両が配置されている[1]。2両編成は300番台と称する。

車内の配色は青を基調とし、座席はシートピッチ875 mmの転換クロスシートであるが、扉横と車端部は方向が固定されているため、実際には過半数の座席が転換できない。また、輸送力確保のため扉間の座席を5列としたことで、座席数が従来の車両より減少することとなった。扉間の窓配置は、シートピッチに合わせて5等分されている。

1999年7月12日に営業運転を開始し、同年12月4日のダイヤ改正以降、快速列車(浜松駅・豊橋駅 - 大垣駅・米原駅)および普通列車(大垣駅 - 米原駅・美濃赤坂駅)の大多数は本番台による運行となり、所要時間短縮と列車の増発が行われた。

運用
  • 0番台4両編成(Y編成)
前述の通り、投入当初から311系に代わり東海道線の快速列車を中心に運用されていたが、2006年10月1日のダイヤ改正以降、後述の5000番台の投入により、普通列車(掛川駅・浜松駅 - 豊橋駅、浜松駅・豊橋駅・岡崎駅・大府駅 - 岐阜駅、大垣駅 - 美濃赤坂駅・米原駅)の運用が中心となったものの、300番台や後述の3000番台(神領車両区からの転属車)および5300番台を併結した6両編成での快速運用や、朝夕を中心に0番台や後述の1100番台、311系と併結した8両編成の快速運用も存在する。2012年3月ダイヤ改正では5000番台4次車の投入に伴って捻出した本番台で117系を置き換え、300番台と併結した6両編成の特別快速新快速運用が増加した。
静岡駅までの定期運用はダイヤ改正毎に廃止と再設定を繰り返しており、2015年3月14日ダイヤ改正以降は電化を実施した武豊線でも区間快速を中心に運用されるようになった。
2011年3月改正から同年9月までは211系0番台との併結運用が、2015年3月14日ダイヤ改正までは300番台との併結で中央線中津川駅までの運用が存在していた。
  • 300番台2両編成(Y30編成)
300番台は、増結用として0番台および1100番台・5000番台、311系と併結して運用されるほか、本番台または3000番台・5300番台を2・3本併結した列車や、0番台・5000番台の代走運用にも用いられる。また、代走として、2両単独編成で、飯田線豊橋駅 - 本長篠間などでも運用される。
登場時から2006年ダイヤ改正までは特別快速として東海道線と飯田線の豊川駅・新城駅・本長篠駅までの運用が、2012年3月17日のダイヤ改正までは大垣駅 - 美濃赤坂駅間での運用が、2015年3月14日ダイヤ改正までは0番台との併結で中央本線中津川駅までの運用があった。なお、2015年3月14日ダイヤ改正で電化された武豊線では0番台代走時以外では運用されない。
静岡車両区の211系を置き換えるため、後述の1300番台とともに、300番台のうち9編成が静岡車両区へ転出している[2]
0番台(4両編成) 編成表
編成番号 クモハ313
-0
(Mc1)
サハ313
-0
(T)
モハ313
-0
(M1)
クハ312
-0
(Tc'1)
Y1 1 1 1 7
Y15 15 15 15 21
300番台(2両編成) 編成表
所属
車両区
編成番号 クモハ313
-300
(Mc2)
クハ312
-300
(Tc'2)
静岡 (Y31→)K1 301 301
(Y33→)K3 303 303
大垣 Y34 304 304
静岡 (Y35→)K5 305 305
(Y37→)K7 307 307
大垣 Y38 308 308
静岡 (Y39→)K9 309 309
(Y41→)K11 311 311
大垣 Y42 312 312
Y46 316 316

1000番台・1500番台1次車

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1000番台

東海道線(名古屋地区)用の車両で、2023年10月1日現在、大垣車両区に3両編成3本(9両、J151 - J153編成)と4両編成3本(12両、J11 - J13編成)の計6本・21両が配置されている[1]。3両編成は1500番台と称する。

車内の配色は青を基調としているが、一部に薄紫色が用いられている。座席は扉間が転換クロスシート(シートピッチ875 mm)、車端部がロングシートであるが、扉横のクロスシートは固定されている。座席数の減少や扉間の窓配置は0番台と同様である。クハ312形は車端部にトイレが設置されているが、対面はロングシートではなく、固定クロスシートである。したがって、クハ312形は0番台を称する。

1999年12月4日のダイヤ改正以降は名古屋 - 中津川間の快速列車のほとんどが本番台による運行となったほか、普通列車(名古屋駅 - 高蔵寺駅・多治見駅間)としても運用されるようになった。

運用
登場当初からの運用区間は中央線 (名古屋地区)名古屋駅 - 中津川駅間であった。
2007年3月18日のダイヤ改正では、後述の増備車の登場により中央線では日中の約半数の列車が本番台単独での運行となったが、2008年3月15日のダイヤ改正からは編成増強に伴い、大半の列車が本番台と211系5000番台との併結運転を行うようになり、213系5000番台(2008年3月改正まで)と後述の8500番台も併結対象であった。
2012年3月改正からは、本番台や1300番台および211系との併結による6両編成以上の運用が行われている。
本番台検査時等での代走は予備車が無い場合に限り211系5000番台で行われているが、3両編成に関しては代走に後述の1700番台が使用されていた。
  • 1000番台4両編成(B→J編成)
神領車両区所属であったが、2023年1月から同年5月にかけて全車が大垣車両区に転属し、東海道線名古屋地区を中心に大垣車両区既存の1100番台と一体的に運用されている。
神領車両区所属時代はは中央線や関西線名古屋駅 - 亀山駅間のほか、愛知環状鉄道線高蔵寺駅 - 岡崎駅までの運用も存在していた。
神領車両区への315系の導入に伴い、2022年3月ダイヤ改正から大垣車両区に転属するまで関西線のみの運用となり、ラッシュ時間帯の名古屋駅 - 亀山駅間の快速、区間快速、普通列車で使用されていた。
  • 1500番台3両編成(B100→J150編成)
前述の4両編成同様に神領車両区所属であったが、2022年3月ダイヤ改正以降は全編成が大垣車両区に転属している。
東海道線では3両編成の運用が存在しないため、3両編成同士を繋ぐ6両固定編成で、米原駅 - 浜松駅間を中心に運用されている。これは飯田線への送り込み・送り返し運用を兼ね、新快速や特別快速での運用もある。なお、1500番台の運用に1600番台および1700番台が充当されることもある。
神領車両区所属時代は、前述の4両編成と同様に中央線、愛知環状鉄道線、関西線名古屋駅 - 亀山駅間で運用されていた。
中央線では211系3両編成と併結した6両編成による運用が大部分を占めていた。2008年3月改正までは本番台3両編成を2本併結した6両編成の運用が存在していた。
関西線では本番台単独の運用に加えて、朝夕においては後述の1300番台と併結した5両編成での運用が存在していた。
1000番台(4両編成) 編成表
編成番号 クモハ313
-1000
(Mc1)
サハ313
-1000
(T)
モハ313
-1000
(M1)
クハ312
-0
(Tc'1)
(B1→)J11 1001 1001 1001 1
(B2→)

J12

1002 1002 1002 2
(B3→)

J13

1003 1003 1003 3
1500番台(3両編成) 編成表
編成番号 クモハ313
-1500
(Mc1)
モハ313
-1500
(M2)
クハ312
-0
(Tc'1)
(B101→)J151 1501 1501 4
(B102→)J152 1502 1502 5
(B103→)J153 1503 1503 6

3000番台1次車

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3000番台(初期車) 編成表
所属
車両区
編成番号 クモハ313
-3000
(Mc4)
クハ312
-3000
(Tc'2)
静岡 V1 3001 3001
V12 3012 3012
大垣 (B301→)R101 3013 3013
(B316→)R116 3028 3028

飯田線・御殿場線・身延線用の車両で、2023年10月1日現在、静岡車両区に2両編成12本(24両、V1 - V12編成)、大垣車両区に2両編成16本(32両、R101 - R116編成)の計28本・56両が配置されている[1]。大垣区所属車は2012年3月まで神領車両区に所属しており、中央本線篠ノ井線(中津川駅 - 松本駅)および関西線 (名古屋地区)で運用されていた。

車内の配色は緑を基調とし、座席はクモハ313形の車端部と扉付近がロングシート、それ以外は固定クロスシートである。座席数は従来の車両と同程度を確保している。扉間の窓配置はシートピッチに合わせ、不等間隔に4分割されている。

ワンマン運転設備として、出入口表示機、運賃箱、運賃表示器、整理券発行機、サイドミラー、自動放送装置を搭載する。寒冷地で運用されるため、車内保温のための押ボタン式半自動扉機構を搭載するほか、クモハ313形は霜取りのためパンタグラフが2基搭載されている[注 1]。大垣区所属車は除雪器を装備する。

列車本数の少ない線区での運用を考慮し、発電ブレーキを搭載している。静岡車両区所属のV1編成では、電気二重層キャパシタを用いた鉄道車両用電力貯蔵システムの試験が行われた。

1999年5月6日に営業運転を開始し、同年12月4日のダイヤ改正以後ワンマン運転を開始した(関西本線は2000年3月3日、中央本線(中津川駅 - 塩尻駅)は2000年3月13日)。

静岡車両区所属車(V編成)
主な運用区間は御殿場線(国府津駅 - 沼津駅)と身延線(富士駅 - 甲府駅)である。2007年3月18日のダイヤ改正以降は123系が撤退し、両線のワンマン列車は全て本系列となっている。
イベント開催時に行われる臨時運用では通常の運用区間ではない静岡駅 ‐ 豊橋駅間の入線実績もある。
所属区の静岡車両区への入出庫および折り返し運用の関係で、東海道線 (静岡地区)熱海駅・沼津駅 - 静岡駅間での運用が存在する。また、身延線と御殿場線の相互移動は、回送列車か西富士宮駅 - 沼津駅間の普通列車(車掌乗務)により行われている。2009年3月改正では御殿場線から三島駅への直通運転が増加した影響で、三島駅 - 沼津駅1駅間のみの区間列車にも充当されるようになった。
2009年3月改正から2011年3月改正までは、静岡駅 - 島田駅間での運用が存在していた。
東北地方太平洋沖地震東日本大震災)後の静岡県東部での計画停電の影響で身延線と御殿場線が全面運休になった際には、熱海駅 - 富士駅間の間引き運転の運用に6連や8連で充当された。
静岡車両区への入出庫は211系5000番台か6000番台との併結で行われており、ダイヤ改正毎に併結車両や編成両数および運転区間の変更を繰り返している。
ワンマン運転となるのは普通列車のみで(静岡車両区所属車によるワンマン運転の快速列車は存在しない)、ワンマン運行時の種別幕は緑地に白抜きで「ワンマン」と表示される(大垣車両区所属車とは表示が異なっている)。また、後述の1300番台の投入に前後して、ワンマン列車運賃表示器が大垣車両区所属車と同様の液晶式に順次取り替えられている。
大垣車両区所属車
神領車両区所属時代(B300編成)
東海道本線では登場時から前述の0番台が運用を開始するまで、2本併結の4両で本来は211系0番台が用いられるラッシュ時の快速列車の運用に充当された事例や、平日の朝に4本併結の8両がそれまでの113系に代わって普通列車に使用された事例があった。1999年7月に165系が定期運用から離脱すると、中央本線・篠ノ井線(中津川駅 - 松本駅)および関西線(名古屋駅 - 亀山駅)を中心に運用されるようになった[注 2]。また、関西線で使用する車両の送り込みやラッシュ時の編成増強をかねて、名古屋駅 - 中津川駅間でも211系5000番台や313系1000番台、後述の8500番台と併結して運用されており、213系との併結で東海道線名古屋駅 - 岐阜駅間の運用も存在した。
ワンマン運行時の種別幕は「ワンマン 普通」と横並びで表示でされていた。2009年3月改正以降、関西本線の快速列車増発に伴いワンマン列車での快速運用も開始したことから「ワンマン 快速」の表示も見られた。
後述の1300番台の投入により、2011年8月から翌年3月までに全編成が大垣車両区に転属した。
大垣車両区転属後(R100編成)
2011年8月15日に神領車両区からB301, B302, B312, B313の4編成が転入し、それぞれR101, R102, R112, R113となりR編成となったのを皮切りに[3]、2012年4月までにB303 - B311, B314 - 316も転入し、それぞれR103 - R111, R114 - R116となり全編成が大垣区に転属した。2011年9月に神領車両区に転出した211系0番台に代わり2編成併結の4両編成で運用を開始した。2011年12月より119系を順次置き換える形で飯田線での運用を開始した。
大垣区転属に際して、ワンマン列車運賃表示機がキハ25形や1300番台と同様の液晶式のものに取り替えられた。

8000番台

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8000番台 編成表
編成番号 クモハ313
-8500
(Mc1)
モハ313
-8500
(M2)
クハ312
-8000
(Tc'1)
(B201→)S1 8501 8501 8001
(B206→)S6 8506 8506 8006

2023年10月1日現在、静岡車両区に3両編成6本(18両、S1 - S6編成)が配置されている[1]

中央線名古屋地区で運転される有料定員制快速列車「セントラルライナー」用として製造された。全編成が3両組成であるため、電動車は8500番台のみが存在する。1999年12月4日に営業運転を開始し、3連4本(12両)が新製された。その後好評により利用客が急増したため2001年に3連2本(2次車6両)が増備されたが、このときJR東海の在来線車両としては初めて転落防止幌が新製時から取り付けられている。

2022年3月11日に名古屋地区での運用を終了し、全車両が神領車両区から静岡車両区に転属した[4]

エクステリアについては、他番台と異なったカラーリングがされており、前頭部も銀色塗装として、オレンジ色の帯を窓周りに巻いている。また、側面には行先・種別表示器とは別に、キハ75形と同型の号車・席種別表示器が設けられた。ライナー運用時は中央扉を締切とするため、扉の選択開閉装置と案内用のLED案内表示器が扉脇に設けられており、中央扉には側面帯が巻かれている。

車内の配色は赤紫を基調としている。座席は扉間が転換クロスシートで、シートピッチが910 mmに広げられたほか、扉横の座席も転換できる。車端部は固定クロスシートで、「セミコンパートメント」と称する(ただし、テーブルが設置されているだけである)。後述のとおり、全員着席を前提とする列車としての運用を念頭に置いているため、案内表示器は扉部分の客室天井に枕木方向に吊り下げられている。また、他番台の遮光幕に代えてプリーツカーテンを装備し、扉横には遮風板が設置されている。扉間の窓配置はシートピッチに合わせ、不等間隔に3分割されている。寒冷地での運用を考慮し、通常は使用されないが車内保温のため押ボタン式の半自動扉機構を搭載している。

運用
神領車両区所属時代(B200編成)
当初は「セントラルライナー」を中心に中央線で運用された。2008年3月15日のダイヤ改正から、「ホームライナー中津川」としても運用されるようになった。
普通・快速運用でも大半の運用が本番台のみによる組成であり、211系5000番台や313系他番台との併結運用が存在するが、213系との併結は2008年3月改正で消滅した。211系0番台や311系との併結は当初から存在しない。
2007年3月18日のダイヤ改正から、本系列としては唯一の130 km/h運転を実施している。
2013年3月16日のダイヤ改正により「セントラルライナー」が廃止され、中央本線(名古屋駅 - 南木曽駅間)の快速・普通、「ホームライナー瑞浪」を中心に使用されていた。
2016年11月23日にB203編成が団体臨時列車として東海道本線の静岡まで入線した(客扱い区間は安城駅 - 焼津駅間)[5]
2018年夏季には、信州デスティネーションキャンペーンで臨時列車が運行され、辰野支線と飯田線の伊那市駅まで、回送で駒ケ根駅まで入線した。
2021年11月28日には、さわやかウォーキング開催に伴う臨時列車が運行され、飯田線の豊橋駅から三河川合駅まで、回送で中部天竜駅まで入線した。
2022年3月5日から3月11日まで、快速や区間快速、普通列車として関西線の亀山まで入線した[6]
静岡車両区転属後(S編成)
2022年3月12日のダイヤ改正を前に名古屋地区での運行を終了し、神領車両区から静岡車両区へ転属した。2022年3月14日より静岡地区にて営業を開始した[7]
静岡車両区転属後は、静岡地区の東海道線普通列車の運用が中心となっており、211系5000番台LL編成と共通運用である(ただし、本形式が優先的に充当され、LL編成は本形式が検査などで走行できない時の代走が中心である)。静岡地区にも「ホームライナー」は存在するが、全て373系で運転されるため、原則本形式はホームライナーの運用に充てられない。そのため席種別に関連した設備の使用は停止された。車体側面の号車・席種別表示器は無表示で固定されたほか、車内LED案内表示器の号車・席種別表示箇所はステッカーで塞がれている。
静岡地区のほか、N編成の代走として3両編成単独で御殿場線や身延線でも運用されることもある[8][9]

4次車

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先述のとおり、JR東海では老朽化した117系および119系の置き換え用に2010年度から2012年度の間に本系列120両の投入を発表しており[10]、2010年6月に第一陣が出場した。既存の1000番台と5000番台増備車のほか、新たな番台区分として1300番台と5300番台(いずれも2両編成)が登場した。4次車は大垣車両区神領車両区に投入されており、静岡車両区には投入されていない。

4次車での変更点

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基本的な仕様は3次車と同一であるが、各番台とも以下のような仕様変更が行われた。この仕様は基本的にキハ25形1次車と共通している。

  • 各車両間の貫通扉は傾斜式から水平式に変更された。
  • ロングシート横の袖仕切り板が大型のものになった。
  • 座席番号ステッカーの「窓側」「通路側」の文字の大きさが揃えられた。但し、3次車のものとデザインは同じ。
  • 車内ステッカーの変更。
  • 蛍光灯のカバーは引き続き円弧形状のガラス繊維製であるが、色調が再び乳白色に戻った。
  • トイレ正面車端部に、避難用はしごを格納するスペースが確保された。
  • 走行中に非常ブレーキを扱った場合、「急停車します。ご注意ください。」の自動放送が流れるようになった。

下記については1 - 3次車や311系にも同様の改良がフィードバックされる形で行われた。

  • 床面の靴ずり部への黄着色の追加。
  • 優先座席はクロスシートでは枕カバー、ロングシートでは座席表皮をオレンジ色のものに変更。
  • 優先席付近のつり革をオレンジ色のものに変更。

1100番台増備車

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1100番台 J5編成

制御車(400番台)以外は1100番台を称する。上述の増備車共通事項以外は3次車と共通であるが、ロングシート横の袖仕切りが大型化され、車端部はスタンションポールが1本追加されており、発電ブレーキも搭載されている。

2010年度(J編成)
東海道線 (名古屋地区)用として2010年8月から10月にかけ、大垣車両区に4両編成7本(28両、J1 - J7編成)が配置され、同年9月より順次営業運転を開始した。大垣車両区配置分では初めての1000番台車となったが、J3編成は落成直後の2010年10月に神領車両区に貸し出され、同区の1000番台や1100番台と共通で運用されていた[11]。これにともない2010年度末までに117系が20両(4両編成5本)廃車された。3両編成は存在せず、1600番台も製造されていない。
普通列車(掛川駅浜松駅 - 岐阜駅および大垣駅 - 米原駅)を中心に運用され、導入当初は311系と共通運用であったが、現在は独立した運用が組まれている。なお、静岡駅までの運用はダイヤ改正毎に消滅と再度の設定を繰り返しており、名古屋駅直通の区間快速を中心に武豊線でも運用されている。車両不足時には0番台や311系の代走に入る場合もある。
2023年10月1日現在、4両編成7本28両が大垣車両区に配置されている[1]
2011年度(B編成)
2011年7月に中央線 (名古屋地区)用として神領車両区に4両編成1本(4両、B6編成)が配置され、同年8月12日に1次車・3次車の1000番台と共通運用で運用を開始した。なお、5000番台のY102編成が踏切事故で長期間運用を離脱した事による車両数確保を目的に、2017年3月14日付で編成記号はそのままで、大垣車両区に転属していたが[12]、2020年5月11日に名古屋工場にて重要部検査を受けた後、同年10月1日付で神領車両区へ戻っている[13][14]
2023年10月1日現在、4両編成1本が神領車両区に配置されている[1]
1100番台(4両編成) 編成表
編成番号 クモハ313
-1100
(Mc1)
サハ313
-1100
(T2)
モハ313
-1100
(M1)
クハ312
-400
(Tc'2)
J1 1103 1103 1103 410
J7 1109 1109 1109 416
B6 1110 1110 1110 417

1300番台

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1300番台 B522編成

1000番台のグループでは初の2両編成で、上記1700番台同様、クモハ313形はパンタグラフを2基備えている。またクハ312形の番台区分は、他の1000番台グループでは0番台ないしは400番台であるのに対して、クモハ313形と同様の1300番台となっている。

2010年度
4次車の第一陣として2010年6月18日にB401編成とB402編成[15]、同年6月25日にB403編成とB404編成が日本車輌製造豊川製作所を出場した。なお、このグループはワンマン運転対応への準備工事が行なわれた仕様となっている。
2011年度
2011年度製造分として同年8月3日に編成番号が新たに付番されたB501 - B504編成が日本車輛製造豊川製作所から出場した[16]。当初よりワンマン運転にも対応している点など、前年度投入分とは若干仕様が異なっている。また、本系列では初となる旅客案内用の液晶表示機を搭載している。半自動ドアスイッチや運賃表示用液晶表示機はキハ25と同様のものである。
その後は、同年10月から2012年2月にかけてB505 - B516・B405 - B408編成が日本車輛製造豊川製作所から出場し、公式試運転を行った[17][18]。残りの3000番台は2012年4月までに全12編成24両が順次大垣車両区に転属した。
運用
  • B400編成
2023年10月1日現在、2両編成8本16両が神領車両区に配置されている[1]
2010年7月2日に大垣車両区所属の117系の一部運用を置き換える形で、2編成を併結した4両編成にて東海道本線での営業運転を開始した[19]。本番台は神領車両区所属であるが、大垣車両区所属の117系が臨時列車「そよかぜトレイン117」(2010年8月)として改造・飯田線で運用され、その不足を補うため一時的に大垣車両区に貸し出されていた。
中央本線・関西本線では、2010年10月に213系5000番台の一部の運用を置き換える形で運用を開始した。
中央本線では増結用として211系や313系の3両・4両編成車と併結した6両 - 10両編成で運用されており、関西本線では朝と夕方以降の列車で単独2両および2本併結の4両編成や、1500・1600番台と併結した5両編成でも運用されている。
2023年4月より、中央本線名古屋 - 中津川では運用されなくなり、関西線専属となった。
2020年より検査を受けた車両にはワンマン機器を搭載する工事が施工されている。
  • B500編成
2023年10月1日現在、2両編成16本32両が神領車両区に配置されている[1]
2011年8月11日に上述の3000番台の運用の一部を置き換える形で営業運転を開始した。なお、捻出された3000番台は先述のとおり、4編成8両が同月15日付で大垣車両区に転属した。
中央本線南木曽駅以北や関西本線および武豊線でのワンマン列車を中心に、東海道本線大府駅 - 岐阜駅・大垣駅間やJR東日本区間への乗り入れも行われており、B400台編成と同様に中央本線名古屋駅 - 中津川駅間でも運用されている。
2022年3月のダイヤ改正より、本編成グループは中央本線名古屋駅 - 中津川駅での定期運用がなくなり、同区間では中央本線中津川駅以北や関西本線などへの送り込み回送列車や他編成の検査・故障時の代走として運行されるのみとなった。
1300番台 編成表
編成番号 クモハ313
(Mc4)
クハ312
(Tc'2)
B401 1301 1301
B408 1308 1308
B501 1309 1309
B516 1324 1324

5000番台増備車・5300番台

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5000番台 Y116編成

東海道線 (名古屋地区)向けの車両で、6両編成は5000番台(一部の中間車は5300番台)、2両編成は制御電動車が5300番台で制御車が5000番台に区分されている。いずれも全座席転換クロスシート仕様である。今回新たに登場した2両編成の5300番台のクハは5000番台と共通の付番とされ、5018 - となっている。なお、5000番台増備車は3次車に続き車体間ダンパを装備するが、5300番台には装備されていない。

2010年度(Y100編成、Z編成)
2010年7月15日に5000番台増備車である6両編成(Y113編成)と今回が初登場となる5300番台の2両編成(Z1編成)が日本車輛製造豊川製作所より出場した[20]。大垣車両区に配置され、同年8月よりY113編成は既存の5000番台、Z1編成は300番台とそれぞれ共通運用を組む形で運用を開始した。
2012年度(Y100編成、Z編成)
2012年7月中旬に5000番台増備車である6両編成(Y114編成)と5300番台の2両編成(Z2編成)が日本車輛製造豊川製作所より出場した[21]
続いて2012年8月8日に6両編成(Y115編成)と5300番台の2両編成(Z3編成)が日本車輛製造豊川製作所より出場した[22]</ref>。
2012年度中に、6両編成と2両編成の残り各2本も出場し、2013年3月16日のダイヤ改正では117系の運用を本番台および0番台に置き換えた。
配置
2023年10月1日現在、6両編成5本(30両、Y113 - Y117編成)と2両編成5本(10両、Z1 - Z5編成)の計40両が大垣車両区に配置されている[1]
運用
  • 6両編成(5000番台)
東海道線の掛川駅浜松駅 - 米原駅間で運用されている。
  • 2両編成(5300番台)
東海道線の掛川駅浜松駅 - 米原駅間で運用されている。5300番台は、増結用として0番台および1100番台・5000番台、311系と併結して運用されるほか、本番台または3000番台・300番台を2 - 3本併結した列車や、0番台・5000番台の代走運用にも用いられる。また、代走として、2両単独編成で、飯田線豊橋駅 - 水窪駅間などでも運用される。
5000番台(増備車) 編成表
編成番号 クモハ313
-5000
(Mc3)
サハ313
-5300
(T3)
モハ313
-5000
(M3)
サハ313
-5000
(T2)
モハ313
-5300
(M5)
クハ312
-5000
(Tc'2)
Y113 5013 5313 5013 5013 5313 5013
Y114 5014 5314 5014 5014 5314 5014
Y115 5015 5315 5015 5015 5315 5015
Y116 5016 5316 5016 5016 5316 5016
Y117 5017 5317 5017 5017 5317 5017
5300番台編成表
編成番号 クモハ313
-5300
(Mc4)
クハ312
-5000
(Tc'2)
Z1 5301 5018
Z2 5302 5019
Z3 5303 5020
Z4 5304 5021
Z5 5305 5022

作業用

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300番台(2両編成) 編成表
所属
車両区
編成番号 クモハ313
-300
(Mc2)
クハ312
-300
(Tc'2)
静岡 (Y31→)K1 301 301
(Y33→)K3 303 303
大垣 Y34 304 304
静岡 (Y35→)K5 305 305
(Y37→)K7 307 307
大垣 Y38 308 308
静岡 (Y39→)K9 309 309
(Y41→)K11 311 311
大垣 Y42 312 312
Y46 316 316

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 製造当初より本番台のクモハ313形には準備工事がなされており、2006年度よりパンタグラフの増設工事を開始、同年度中に全車の増設が完了。
  2. ^ 1999年7月 - 同年12月ダイヤ改正までの間は、165系より引き継いだ松本発名古屋行の普通列車が存在した。同列車は名古屋駅到着後、関西本線の普通亀山行となったため、実質的には松本発亀山行であり、長野岐阜愛知三重の4県を走破する列車であった。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i ジェー・アール・アール『JR電車編成表2024冬』交通新聞社、2023年11月17日、113-124頁。ISBN 9784330064239 
  2. ^ 『『鉄道ファン』通巻759号』交友社、令和6年7月1日、36,付録17-18頁。 
  3. ^ 313系3000番台が大垣車両区へ」『』交友社、2011年8月17日。2024年4月24日閲覧。
  4. ^ 313系8000番台が名古屋地区での定期運用を終了”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2022年3月13日). 2022年3月15日閲覧。
  5. ^ 【JR海】313系8000番代 団体臨時列車運転”. 鉄道ホビダス. ネコ・パブリッシング (2016年11月25日). 2024年4月24日閲覧。
  6. ^ 313系8000番台が関西本線に入線”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2022年3月7日). 2024年4月24日閲覧。
  7. ^ 313系8000番台が静岡地区で営業運転を開始”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2022年3月16日). 2024年4月24日閲覧。
  8. ^ 313系8000番台が御殿場線に入線”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2022年4月5日). 2022年4月5日閲覧。
  9. ^ 313系8000番台が身延線に入線”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2022年4月8日). 2022年4月8日閲覧。
  10. ^ 在来線車両の新製について』(プレスリリース)東海旅客鉄道、2008年12月15日。オリジナルの2009年2月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20090205062105/https://jr-central.co.jp/news/release/nws000227.html2024年4月24日閲覧 
  11. ^ 大垣車両区313系J3編成が中央本線運用に”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2010年10月5日). 2024年4月24日閲覧。
  12. ^ 「JR車両ファイル2017 JR車両のデータバンク」『鉄道ファン』2017年7月号、交友社、36頁。 
  13. ^ ジェー・アール・アール『JR電車編成表2021冬』交通新聞社、2020年11月18日、361頁。ISBN 9784330082202 
  14. ^ 【JR海】313系B6編成 大垣区転属”. 鉄道ホビダス (2017年3月17日). 2024年4月24日閲覧。
  15. ^ 313系1300番台が日本車輌から出場”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2010年6月19日). 2024年4月24日閲覧。
  16. ^ 313系1300番台が日本車輌から出場”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2011年8月1日). 2024年4月24日閲覧。
  17. ^ 【JR海】313系1300番代B505〜B508編成出場”. 鉄道ホビダス (2011年10月7日). 2024年4月24日閲覧。
  18. ^ 313系1300番台2連4本が試運転”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2012年1月19日). 2024年4月24日閲覧。
  19. ^ 313系1300番台が運用を開始”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2010年7月5日). 2024年4月24日閲覧。
  20. ^ 313系Z1編成+Y113編成が日本車輌から出場”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2010年7月16日). 2024年4月24日閲覧。
  21. ^ 313系Z2編成+Y114編成が試運転”. 鉄道ファン railf.jp. 交友社 (2012年7月21日). 2024年4月24日閲覧。
  22. ^ 【JR海】313系Y115編成+Z3編成出場”. 鉄道ホビダス (2012年8月8日). 2024年4月24日閲覧。