利用者:組曲師/バーチャルYouTuber/2
バーチャルYouTuber(バーチャルユーチューバー、英: Virtual YouTuber)またはVTuber(ブイチューバー、Vチューバー)は、主にYouTubeやTwitchなどで活動するデジタルキャラクターないしアバター
名称と定義
[編集]「バーチャルYouTuber」は、英語のバーチャル(英: Virtual)とYouTubeなどの動画共有サイトに動画投稿をする者を指す語、YouTuberを組み合わせた造語である[1][2]。
また、バーチャルYouTuberという用語は日本発祥とされている[3]。2016年11月29日に日本のインターネットで動画投稿活動などをはじめたキズナアイは[4]、YouTuber活動を行う際、自らを指すために「バーチャルYouTuber」を世界ではじめて用いた[5][6]。
一方、2017年後半にはキズナアイが日本国内でブームを起こしたことで、ミライアカリ、ねこます、輝夜月などコンピューターグラフィックスを使用して動画投稿を行う活動者にも注目が集まった。このことで、コンピューターグラフィックスを使用して動画投稿を行う活動者についても、バーチャルYouTuberとして認識されたと漫画研究家の泉信行など複数の専門家が見解を示している[7][8][4][9]。
略語でもあるVTuberの語は、
定義
[編集]バーチャルYouTuberの定義には、明確な定義はないとされる。そのため、人により見解が分かれている。
関連した呼称名
[編集]バーチャルYouTuberないし、VTuberには多数の関連した呼称名が存在する。
例えば、バーチャルアイドルは
バーチャルシンガー(VSinger)は、
バーチャルライバーは
バーチャル美少女受肉またはバーチャル美少女セルフ受肉の略称であるバ美肉は、
このほかにも、バーチャルタレント[10]など様々な類似した名称が存在する。
歴史
[編集]バーチャルYouTuberの名称を始めて使用したのはキズナアイとされているが、一方でキズナアイの活動以前に類似した技術やキャラクター(アバター)、インターネットの文化などが存在しており[11][12][13][14][15][16]、それらはバーチャルYouTuberというジャンルを確立するには至っていなかった[15]。本項では、キズナアイ活動前を前史と定義し、キズナアイ活動以前の試み、バーチャルYouTuberに類似したものについて解説した後、キズナアイ登場以降の歴史、技術史についても解説する。
前史
[編集]キズナアイの登場
[編集]2016年11月29日、バーチャルYouTuberを名乗るキズナアイがYouTubeに登場した[17][11]。キズナアイは初の投稿動画『【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)』の中で、
「 | 」 | |
—キズナアイ(『【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)』[18]より) |
と「バーチャルYouTuber」という言葉を生み出した[18][19][5]。従来のYouTuberの動画コンテンツといえば、映像制作者自らが登場し、ゲームやメイク、やってみた系といった様々な企画を実践していくといった概念とは異なる、その名の通り生身の人間ではなく、架空のキャラクターが登場して企画へ挑戦する[20]キズナアイの姿は「新しいトレンド」としてイギリスのBBCに取り上げられた[11]。キズナアイは、バーチャルYouTuberの中でも代表格や第一人者などと評されることもあり[21]、「親分」の異名をもつ[22][21]。2016年12月1日に最初の動画を投稿し[23]、2017年2月頃から韓国などで先にブームとなり、その後に日本国内にも人気が広まった(日本で人気が広まった経緯については後述する。)[19]。2020年12月、YouTubeが公式的に2020年に流行した動画やミームをまとめた「デジタル カルチャー&トレンド レポート」を公開。YouTubeは映像中にキズナアイの最初の動画に対して、「これがまさに『日本のバーチャル伝説が誕生した瞬間』である」と言及した[24]。
VTuberブームの開始
[編集]2017年11月、ミライアカリが「匿名の相手にキズナアイに間違われた」という内容の動画がニコニコ動画に転載された。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 南文枝. "ユーチューバー". 知恵蔵、コトバンク、キーワード. 朝日新聞デジタル/VOYAGE GROUP. 2019年12月12日閲覧。
- ^ 井出聡 (21 April 2019). "ネットから現実世界にひろがるVTuberの世界". JBpress. 日本ビジネスプレス. 2021年1月27日閲覧。
- ^ Otmazgin & Ben-Ari 2020, p. 76-78.
- ^ a b 古月 (24 May 2023). "流行から約5年、いかにして「VTuber」は市民権を得たのか 5つのポイントで振り返る概略VTuber史". Real Sound(リアルサウンドテック). 株式会社blueprint. 2023年8月3日閲覧。
- ^ a b 津久井箇人 a.k.a. そそそ (1 June 2018). 花茂未来 (ed.). "バーチャルYouTuberとは? 時代を切り開く最先端アイドル/タレント". PANORA. パノラプロ. 2020年10月17日閲覧。
- ^ ユリイカ 2018, p. 29.
- ^ 泉信行 (31 December 2020). "2020年激動のVTuberシーンを総括 今のVTuberを語ることはなぜ難しいのか?". KAI-YOU. 2020年12月31日閲覧。
- ^ 古月 (31 December 2020). "英語版Wikipediaで「バーチャルYouTuber」が「VTuber」に変更 言葉の変遷で辿るVの歴史". KAI-YOU. 2021年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月31日閲覧。
- ^ 難波優輝、大澤博隆 2023.
- ^ shelloop (2020年11月1日). “バーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」終了”. MoguLive. 2023年8月3日閲覧。
- ^ a b c Lufkin, Bryan (3 October 2018). "The virtual vloggers taking over YouTube" (英語). ロンドン. 英国放送協会. 2018年2月14日閲覧。
- ^ 不大行的幻哀音 (15 October 2020). "直播文化超進化! Vtuber到底在夯什麼? 讓我們從頭說起" (中国語). 台湾: 聯合報. 2020年10月17日閲覧。
- ^ "「VTuber」はバーチャルアイドルブームの再来か? 急成長したVTuber業界". wezzy. サイゾー. 10 July 2018. 2020年10月17日閲覧。
- ^ "VTuberを見て感じた既視感 ──そうだ、石ダテコー太郎に話を聞こう". KAI-YOU. 28 March 2018. 2021年1月24日閲覧。
- ^ a b 横田健治 2019.
- ^ バーチャルYouTuberはじめてみる 2018, pp. 93.
- ^ Otmazgin & Ben-Ari 2020, p. 77.
- ^ a b キズナアイ (1 December 2016). 【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ) (YouTube). 該当時間: 0:13 - 0:31. 2018年4月23日閲覧。
- ^ a b “ユーチューブのCGアイドル「Vtuber」が人気爆発”. 日経トレンディ (日本経済新聞社). (July 9, 2018) 2018年7月9日閲覧。
- ^ "キズナアイ、狐娘、げんげん……王道から異色まで押さえたバーチャルYouTuberの可能性". Real Sound. blueprint. 8 February 2018. 2020年10月17日閲覧。
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- ^ 高橋佑司 (2018年10月25日). “2人の「親分」が語るYouTubeへの熱い思い 「キズナアイ×ヒカキン」対談動画が公開”. PANORA. パノラプロ. 2020年12月16日閲覧。
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- ^ "月間視聴回数合計15億回を突破する日本生まれの「VTuber」文化を2020年の一大トレンドとしてYouTube公式が紹介". GIGAZINE. OSA. 31 December 2018. 2020年12月15日閲覧。
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[編集]- Otmazgin, Nissim; Ben-Ari, Eyal [in 英語], eds. (23 April 2020). Creative Context: Creativity and Innovation in the Media and Cultural Industries. Springer Singapore. pp. 76–78. ISBN 9789811530562。
- 横田健治 (2019-07-01). “バーチャルYouTuberの提供価値の分析” (PDF). 電子情報通信学会誌 (電子情報通信学会) 102 (7): 654-659. ISSN 2188-2355. 2020年12月26日閲覧。.
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- 特集:「バーチャルビーイング」. . 人工知能学会誌 vol.38 (人工知能学会) 38 (4). (2023-07-09). ISSN 24358614.
- 難波優輝、大澤博隆. “バーチャルYouTuber という実験場 —コミュニケーション,インタフェース,フィクションの交差点—”. 人工知能学会誌 vol.38: pp. 488-492. doi:10.11517/jjsai.38.4_488. .