七円定理
幾何学における、七円定理(なな(しち)えんていり、英語: seven circles theorem)はユークリッド平面上の7つの円に関する定理である。 6つの円O1,O2,O3,O4,O5,O6がそれぞれ隣り合う2つの円とそれぞれ接し、また6つの円すべてが1つの円O7と(内部または外部で)接しているとする。O7との接点と6つの円について反対の円(隣り合う円とも隣り合わない円)とO7の接点を結んだ直線延べ3本は共点である。1974年、EvelynとMoney-CouttsとTyrrellによって、初等幾何学的な証明が発見された。
証明
[編集]スタンレー・ラビノヴィッツ(Stanley Rabinowitz)の6円が内部にある場合の証明を紹介する。
補題
[編集]以下の補題を使用する。
・弦のチェバの定理:ある円の弦A1A4,A2A5,A3A6が一点Pで交わることと、A1A2・A3A4・A5A6 = A2A3・A4A5・A6A1が成り立つことは同値。
が成り立つので、辺々掛けて示される。
・中心をC1,C2、半径をr1,r2とする円O1,O2がMで外接し、また中心C、半径Rの円OとそれぞれA1A2で接するとき
が成立する。
A1M,A2Mと円Oの二つ目の交点をD,Eとする。△C1A1M,△CA1Dは一つの角を共有し、また二等辺三角形なので、相似でC1M//CDが従う。同様に、C2M//CEが従い、C1,C2Mの共線よりD,C,Eは共線である。ところで円周角の定理と三角形の相似から、
である。D,C,Eの共線よりDEはOの直径であり、
と変形して、示される。
本題
[編集]6円Oi , i={1,2,...,6}とO7の接点をそれぞれAiとする。二つ目の補題より
なので、一つ目の補題より、A1A4,A2A5,A3A6は一点で交わる。
6つの円が外部にある場合は分母がR+riとなるだけで、同様に証明できる。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- Cundy, H. Martyn (1978). “The seven-circles theorem”. The Mathematical Gazette 62 (421): 200–203. doi:10.2307/3616692. JSTOR 3616692.
- Evelyn, C. J. A.、Money-Coutts, G. B.、Tyrrell, J. A.『The Seven Circles Theorem and Other New Theorems』Stacey International、London、1974年。ISBN 978-0-9503304-0-2 。
- Wells, D. (1991). The Penguin Dictionary of Curious and Interesting Geometry. New York: Penguin Books. pp. 227–228. ISBN 0-14-011813-6
- “A Hyperbolic View of the Seven Circles Theorem”. arxiv. 2024年6月30日閲覧。
- Adam Brown (2003). “A Connection between Brianchon's Theorem and the Seven Circles Theorem”. The Mathematical Gazette (Vol 87): 569-572 .
- the Seven Circles Theorem by Stanley Rabinowitz, with a proof based on Ceva's theorems.
外部リンク
[編集]- Weisstein, Eric W. "Seven Circles Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).
- Interactive Applet by Michael Borcherds showing The Seven Circles Theorem made using GeoGebra.
- Seven Circles Theorem at Cut-the-knot.