クリフォードの定理
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幾何学において、クリフォードの定理(クリフォードのていり、英語: Clifford's theorems,Clifford's circle theorems)はイギリスの幾何学者、ウィリアム・キングドン・クリフォードに因み、名づけられた円の交点に関する定理である[1][2]。
主張
[編集]ある点を通り一般の位置にある4つの円を描く。つまり、4円が通る点以外に2つの円の交点が延べ6点あり、かつどの3点も共線でないとする。4円から3円選ぶ全ての選び方に対して、3円の、すべてが通る点でない方の交点3つを通る円を新たに作る。このときできた4つの円はある共通点を持つ。この点をP4とする。
ある点を通り一般の位置にある5つの円を描く。5つの円から4つを選び、その選び方すべてに対して、4円のP4を定義する。このときできた5つのP4は共円である。この円をC5とする。
ある点を通り一般の位置にある6つの円を描く。6つの円から5つを選び、その選び方すべてに対して、5円のC5を定義する。6つのC5は共通する点P6を持つ。
このように、ある一点で交わるn個の円について、nが偶数ならばn個の円Cn-1が、一点で交わり、nが奇数ならばn個の点Pn-1は共円である。これをクリフォードの定理という。
全ての円が通る点で円を反転させて、n本の直線と、それらを辺とする三角形の外接円について共円、共点を示すことによって示すことができる[3][4]。岡潔の春宵十話では、この形で「クリフォードの定理」として紹介されている[5][6]。
関連
[編集]出典
[編集]- ^ 蛭子井, 博孝 (2000). “無限連鎖定理に関する考察”. 図学研究 34 (1): 29–36. doi:10.5989/jsgs.34.29 .
- ^ Konopelchenko, B. G.; Schief, W. K. (2002-07-26). “Menelaus' theorem, Clifford configurations and inversive geometry of the Schwarzian KP hierarchy”. Journal of Physics A: Mathematical and General 35 (29): 6125–6144. doi:10.1088/0305-4470/35/29/313 .
- ^ Cabri研究会、生越茂樹 (2019年). “クリフォードの定理とその発展-Geo(metry)+(Al)gebraな証明の試みー”. 2024年6月26日閲覧。
- ^ 捷宏, 横田「反転法によるクリフォードの定理の証明」『初等数学』第72号、2013年9月、81–86頁。
- ^ 『春宵十話』光文社、1963年2月、23頁。ISBN 978-4-334-74146-4。
- ^ 『数学する人生』新潮文庫、2019年4月1日、63-66頁。ISBN 978-4-10-101251-3。
- W. K. Clifford (1882). Mathematical Papers, pages 51,2 via Internet Archive
- H. S. M. Coxeter (1965). Introduction to Geometry, page 262, John Wiley & Sons
- Wells, D. (1991). The Penguin Dictionary of Curious and Interesting Geometry. New York: Penguin Books. pp. 32, 33. ISBN 0-14-011813-6
参考文献
[編集]- H. Martini & M. Spirova (2008) "Clifford’s chain of theorems in strictly convex Minkowski planes", Publicationes Mathematicae Debrecen 72: 371–83 MR2406927
外部リンク
[編集]- Weisstein, Eric W. "Clifford's Circle Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).