レッツ・スティック・トゥゲザー
『レッツ・スティック・トゥゲザー』 | ||||
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ブライアン・フェリー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1973年-1976年 ロンドン アイランド・スタジオ AIRスタジオ | |||
時間 | ||||
レーベル |
アイランド・レコード アトランティック・レコード | |||
プロデュース | クリス・トーマス、ブライアン・フェリー | |||
ブライアン・フェリー アルバム 年表 | ||||
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『レッツ・スティック・トゥゲザー』(Let's Stick Together)は、イングランドのロック・ミュージシャンのブライアン・フェリーが1976年に発表した3作目のソロ・アルバムである[1][2]。
解説
[編集]経緯
[編集]1975年7月、ロキシー・ミュージックに在籍していたフェリーはクリス・トーマス[注釈 1]をプロデューサーに迎え、クリス・スペディング(ギター)、ポール・トンプソン[注釈 2](ドラムス)、ジョン・ウェットン[注釈 3](ベース)らとスタンダート「忘れられぬ君」を録音し、ソロ・シングルとして発表した[3][4]。同年10月、ロキシー・ミュージックはアルバム『サイレン』を発表し、イギリス、ヨーロッパ、アメリカでのツアーを行ない成功を収めたが、1976年6月、フェリーはロキシー・ミュージックの解散を宣言した[5]。
フェリーは解散宣言と相前後してトーマス、スペディングらとウィルバート・ハリスンの「レッツ・スティック・トゥゲザー」、エヴァリー・ブラザースの「ザ・プライス・オブ・ラヴ」などを録音し[1]、シングル『レッツ・スティック・トゥゲザー』[6]と4曲入りEP"Extended Play"[7]を発表した[1]。そして7月、これらの楽曲にそれまでに発表したソロ・シングル[8][9][4][10]のアルバム未収録曲を加えて、本作を編集した[11]。
内容
[編集]本作はこれまでの2作と同じくカバーで構成され、収録曲11曲のうち5曲はロキシー・ミュージックのアルバムで発表した自作である。
- 「忘れられぬ君」は1975年7月にシングルで発表。全英シングルチャートで最高位33位[4]。
- 「レッツ・スティック・トゥゲザー」は1976年5月にシングルで発表[10]。全英シングルチャートで最高位4位。
- 「シェイム・シェイム・シェイム」、「プライス・オブ・ラヴ」、「イッツ・オンリー・ラヴ」、「ハート・オン・マイ・スリーヴ」は1976年7月にEP"Extended Play"で発表[10]。最高位7位。
- ロキシー・ミュージックの楽曲のカバー
- 「2HB」はシングル『はげしい雨が降る』[注釈 4][8](1973年9月)のB面収録曲。
- 「チャンス・ミーティング」はシングル『ジ・イン・クラウド』[注釈 5][9](1974年5月)のB面収録曲。
- 「リ-メイク・リ-モデル」はシングル『忘れられぬ君』[4]のB面収録曲。
- 「シー・ブリーズィズ」はシングル『レッツ・スティック・トゥゲザー』[10]のB面収録曲。
- 「カサノヴァ」は未発表録音。
本作は全英アルバムチャートで最高位19位を記録した[2]。
収録曲
[編集]- LP
- CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | オリジナル | 時間 |
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1. | 「レッツ・スティック・トゥゲザー(Let's Stick Together)」 | Wilbert Harrison | ウィルバート・ハリスン、シングル(1962年) | |
2. | 「カサノヴァ(Casanova)」 | Bryan Ferry | ロキシー・ミュージック、アルバム『カントリー・ライフ』(1974年) | |
3. | 「シー・ブリーズィズ(Sea Breezes)」 | Bryan Ferry | ロキシー・ミュージック、アルバム『ロキシー・ミュージック』(1972年) | |
4. | 「シェイム・シェイム・シェイム(Shame, Shame, Shame)」 | Jimmy Reed | ジミー・リード、シングル(1963年) | |
5. | 「2HB(2 HB)」 | Bryan Ferry | ロキシー・ミュージック、アルバム『ロキシー・ミュージック』(1972年) | |
6. | 「ザ・プライス・オブ・ラヴ(The Price of Love)」 | Don Everly, Phil Everly | エヴァリー・ブラザース、アルバム"In Our Image"(1966年) | |
7. | 「チャンス・ミーティング(Chance Meeting)」 | Bryan Ferry | ロキシー・ミュージック、アルバム『ロキシー・ミュージック』(1972年) | |
8. | 「イッツ・オンリー・ラヴ(It's Only Love)」 | John Lennon, Paul McCartney | ビートルズ、アルバム『ヘルプ!』(1965年) | |
9. | 「忘れられぬ君(You Go to My Head)」 | J. Fred Coots , Haven Gillespie | スタンダード(1938年) | |
10. | 「リ-メイク・リ-モデル(Re-Make/Re-Model)」 | Bryan Ferry | ロキシー・ミュージック、アルバム『ロキシー・ミュージック』(1972年) | |
11. | 「ハート・オン・マイ・スリーヴ(Heart on My Sleeve)」 | Benny Gallagher, Graham Lyle | Gallagher and Lyle、アルバム"Breakaway"(1976年) | |
合計時間: |
参加メンバー
[編集]- Bryan Ferry – Vocals, Keyboards, Harmonica
- Chris Spedding – Guitar
- Paul Thompson – Drums
- John Wetton – Bass
- Chris Mercer – Tenor Sax
- Mel Collins – Soprano Sax
- Martin Drover – Trumpet
- Eddie Jobson – Violin, Synthesizer
- Morris Pert – Percussion
- John Gustafson – Bass (CD #10)
- Rick Wills – Bass (CD #10)
- John Porter – Bass (CD #5)
- Strings arranged by Ann Odell
- Phil Manzanera – Guitar (CD #10)
- David O'List – Guitar (CD #7)
- Neil Hubbard – Guitar (CD #2)
- chorus
Jacqui Sullivan, Helen Chappelle, Paddie McHugh, Doreen Chanter, Vicki Brown, Martha Walker
- Photography – Richard Wallis
- Engineer – Steve Nye & John Punter
- Assistants – Nigel Walker & Jon Walls
- Produced by Chris Thomas & Bryan Ferry
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ロキシー・ミュージックのアルバムのプロデューサーだった。
- ^ ロキシー・ミュージックのメンバーで、フェリーのソロ活動にも参加してきた。
- ^ フェリーの前作アルバム『アナザー・タイム、アナザー・プレイス (いつかどこかで)』に参加。ロキシー・ミュージックの1974年のツアーにも準メンバーとして参加した。
- ^ 前々作『愚かなり、わが恋』に先立って発表された。
- ^ 前作『アナザー・タイム、アナザー・プレイス (いつかどこかで)』に先立って発表された。
出典
[編集]- ^ a b c Buckley (2004), pp. 207–208.
- ^ a b Thompson (2022), pp. 107–109.
- ^ “Discogs”. 2024年11月11日閲覧。
- ^ a b c d Thompson (2022), pp. 88–89.
- ^ Buckley (2004), p. 201.
- ^ “Discogs”. 2024年2月22日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2024年2月10日閲覧。
- ^ a b Thompson (2022), pp. 46–47.
- ^ a b Thompson (2022), p. 66.
- ^ a b c d Thompson (2022), p. 107.
- ^ Buckley (2004), p. 208.
引用文献
[編集]- Buckley, David (2004). The Thrill of It All: The Story of Bryan Ferry & Roxy Music. London: Andre Deutsch. ISBN 0-233-05113-9
- Thompson, Dave (2022). Roxy Music in the 1970s. London: Sonic Bond Publishing. ISBN 978-1-78952-180-1