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イン・ユア・マインド (あなたの心に)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『イン・ユア・マインド (あなたの心に)』
ブライアン・フェリースタジオ・アルバム
リリース
録音 1976年-1977年
イングランドの旗 ロンドン AIRスタジオ
時間
レーベル イギリスの旗 EGレコード
アメリカ合衆国の旗 アトランティック・レコード
プロデュース ブライアン・フェリー、スティーヴ・ナイ
ブライアン・フェリー アルバム 年表
レッツ・スティック・トゥゲザー
(1976年)
イン・ユア・マインド (あなたの心に)
(1977年)
ベールをぬいだ花嫁
(1976年)
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イン・ユア・マインド (あなたの心に)』(In Your Mind)は、イングランドロックミュージシャンブライアン・フェリー1977年に発表した4作目のソロ・アルバムである[1][2]

解説

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経緯

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フェリーは1976年6月にロキシー・ミュージックの解散を宣言し[3]、7月に前作『レッツ・スティック・トゥゲザー』を発表した。さらにロンドン交響楽団ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が演奏する映画『映画と実録でつづる第二次世界大戦』のサウンドトラック・アルバムのレコ―ディングに参加して、「シーズ・リーヴィング・ホーム」を歌った[4]

同年後半、本作の制作がロンドンAIRスタジオで始まった。アルバム『愚かなり、わが恋』(1973年)と前作のエンジニアだったスティーヴ・ナイがフェリーと共同でプロデューサーを務め、前作に引き続いてジョン・ウェットンクリス・スペディングポール・トンプソンメル・コリンズらが参加した。

内容

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本作は通算4作目にして、初めてオリジナルの新曲だけから構成されるアルバムである[注釈 1]。全8曲は全てフェリー作で、うち一曲はロキシー・ミュージックのアルバムや『レッツ・スティック・トゥゲザー』のプロデューサーを務めたクリス・トーマスとの共作である。

本作の発表と相前後して、「明日への誘い」が1977年2月にシングル発表され[注釈 2][5][6]全英シングルチャートで最高位9位を記録。本作は同月発表され、全英アルバムチャートで最高位5位に達した[6]。5月には「TOKYO JOE」がシングル発表され[7][注釈 3]、全英チャートで最高位15位を記録した[8]

収録曲

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LP
Side One
#タイトル作詞・作曲時間
1.「明日への誘い(This Is Tomorrow)」Bryan Ferry
2.「オール・ナイト・オペレーター(All Night Operator)」Ferry
3.「ワン・キッス(One Kiss)」Ferry
4.「激しく愛してもう一度(Love Me Madly Again)」Ferry
合計時間:
Side Two
#タイトル作詞・作曲時間
1.TOKYO JOE(Tokyo Joe)」Bryan Ferry
2.「パーティー・ドール(Party Doll)」Ferry
3.「ロック・オブ・エイジズ(Rock of Ages)」Ferry, Chris Thomas
4.「イン・ユア・マインド (あなたの心に)(In Your Mind)」Ferry
合計時間:
CD
#タイトル作詞・作曲時間
1.「明日への誘い(This Is Tomorrow)」Bryan Ferry
2.「オール・ナイト・オペレーター(All Night Operator)」Ferry
3.「ワン・キッス(One Kiss)」Ferry
4.「激しく愛してもう一度(Love Me Madly Again)」Ferry
5.TOKYO JOE(Tokyo Joe)」Ferry
6.「パーティー・ドール(Party Doll)」Ferry
7.「ロック・オブ・エイジズ(Rock of Ages)」Ferry, Chris Thomas
8.「イン・ユア・マインド (あなたの心に)(In Your Mind)」Ferry
合計時間:

参加メンバー

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ミュージシャン

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参加ミュージシャンの名前は謝辞の形式で列挙されており、各々が演奏した楽器名と収録曲名は記載されていない。

Thanks to the following musicians:

その他関係者

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  • Strings arranged by Ann Odell
  • Horns arranged by Chris Mercer and Martin Drover
  • Engineered by Steve Nye assisted by Ross Cullum and Nigel Walker

With special thanks to John Punter, Chris Thomas, Geoff Haslam and Bill Price

  • Photography by Monty Coles
  • Designed by Nicholas de Ville
  • Artwork by Bob Bowkett at C.C.S.
  • Produced by Bryan Ferry and Steve Nye

ツアー

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フェリーは1977年2月初旬から同年7月末までワールド・ツアーを行なった[9]。彼[注釈 4]以外のメンバーは本作の制作に参加したジョン・ウェットン(ベース、ヴォーカル)、クリス・スペディング(ギター)、フィル・マンザネラ(ギター)、アン・オデール(キーボード、ヴォーカル)、ポール・トンプソン(ドラムス)、メル・コリンズ(サクソフォーン)、マーチン・ドローヴァー(トランペット)、クリス・マーサー(サクソフォーン)。本作からは「明日への誘い」、「オール・ナイト・オペレーター」、「激しく愛してもう一度」、「パーティー・ドール」、「イン・ユア・マインド (あなたの心に)」が演奏された。

6月初旬には初来日し、5日と9日に東京、6月6日に大阪で公演を行なった[注釈 5]。さらに9日には、渋谷のNHK放送センターの101スタジオで総合テレビジョンの『ヤング・ミュージック・ショー』の公開録画を行なった[注釈 6][10][11]

脚注

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注釈

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  1. ^ 『レッツ・スティック・トゥゲザー』までの3作はカバー集で、オリジナルの新曲はアルバム『アナザー・タイム、アナザー・プレイス (いつかどこかで)』(1974年)の表題曲だけだった。
  2. ^ B面収録曲はフェリーとエディ・ジョブソンの共作でアルバム未収録の「アズ・ザ・ワールド・ターンズ」。レコ―ディングには、フェリー、ジョブソン、ロバート・フリップが参加した。
  3. ^ B面収録曲は上記「シーズ・リーヴィング・ホーム」。
  4. ^ ヴォーカル、キーボード、ハーモニカ。
  5. ^ 東京公演は中野サンプラザ、大阪公演は大阪厚生年金会館で行なわれた。
  6. ^ レッツ・スティック・トゥゲザー」、「シェイム・シェイム・シェイム」、「イン・ユア・マインド (あなたの心に)」、「カサノヴァ」、「激しく愛してもう一度」、「恋はドラッグ」、「TOKYO JOE」、「明日への誘い」、「はげしい雨が降る」、「ザ・プライス・オブ・ラヴ」。同年9月10日放送。1978年2月25日再放送。

出典

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  1. ^ Buckley (2004), pp. 215–216.
  2. ^ Thompson (2022), pp. 119–123.
  3. ^ Buckley (2004), p. 201.
  4. ^ Thompson (2022), pp. 118–119.
  5. ^ Discogs”. 2024年11月16日閲覧。
  6. ^ a b Thompson (2022), p. 120.
  7. ^ Discogs”. 2024年11月23日閲覧。
  8. ^ Thompson (2022), p. 118.
  9. ^ Buckley (2004), pp. 216–217.
  10. ^ nhk.or.jp”. 2023年11月4日閲覧。
  11. ^ 城山隆『僕らの「ヤング・ミュージック・ショー」』情報センター出版局、2005年、422-428頁。ISBN 978-4795843622 

引用文献

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  • Buckley, David (2004). The Thrill of It All: The Story of Bryan Ferry & Roxy Music. London: Andre Deutsch. ISBN 0-233-05113-9 
  • Thompson, Dave (2022). Roxy Music in the 1970s. London: Sonic Bond Publishing. ISBN 978-1-78952-180-1