メルセデス・ベンツ・EQS
EQS(社内コード:V297)とはメルセデス・ベンツがEQブランドで販売する電動のフルサイズ高級車である。
同じプラットフォームを使用する同名のSUVについてはEQS SUVを参照。
メルセデス・ベンツ・EQS V297 | |
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概要 | |
製造国 |
ドイツ インド[1] タイ[1] |
販売期間 | 2021年- |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバックセダン |
駆動方式 | RWD/4WD |
プラットフォーム | EVA2プラットフォーム(MEAとも[2]) |
パワートレイン | |
モーター | 永久磁石交流同期モータ |
前 |
エアサスペンション 前:4リンク式/後:マルチリンク式 |
後 |
エアサスペンション 前:4リンク式/後:マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3,210 mm |
全長 | 5,216-5,265 mm |
全幅 | 1,926 mm |
全高 | 1,512-1,513 mm |
車両重量 | 2,480-2,655 kg |
概要
[編集]2019年のフランクフルトモーターショーにて原型となるVision EQSが初公開され[3]、2021年4月に販売が開始された。
EQSはEV専用プラットフォームが搭載されたメルセデス・ベンツ初のモデルで、Sクラスに相当するフラグシップEVセダンとして位置づけられる。[4]
エクステリアは「ワン・ボウ」と表現されるアーチ状のルーフを中心に、ラインがリヤまで延びてクーペのようなスタイルを構成する。専用プラットフォームによりエンジンやトランスミッションのスペースが無くなり、その分Aピラーをより前方に配置し、前後のオーバーハングを切り詰めることで、広いキャビンスペースを確保できるようになった。[4][5]。全長は5,216-5,265 mmと大きいが、リアアクスルステアリングの採用により5.5mの最小回転半径を実現している。[4]
EQSのエクステリアは空力的にも優れており、加えてエアロダイナミックホイール、テールゲートスポイラー、格納式ドアハンドルの採用などにより、発売当時は量産車最高となるCd値0.20を達成した[5]
インテリアには新開発のMBUXハイパースクリーンが採用され、センターディスプレイとデジタルコックピット、助手席ディスプレイが1枚のガラスに覆われるデザインとなっている。ただしEQ450+ではオプション装備とされ、標準ではセンターディスプレイとデジタルコックピットがそれぞれ独立して装備される。[5]
先進安全機能としてアダプティブ・クルーズ・コントロール、レーンキープアシスト、衝突被害軽減ブレーキ、アダプティブヘッドライトなどが装備される。
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Vision EQS
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EQS 450+の標準インテリア
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MBUXハイパースクリーン
AMG EQS
[編集]2021年12月からはAMGバージョンとなるAMG EQS 53 4MATIC+がラインナップに追加された。これはメルセデスAMGにとっては初のEVモデルとなる。[6]
AMG EQSには前後2基のモータが搭載され、4MATICシステムにより走行状況に応じて前後の駆動トルクが連続的に制御される。最高出力は658 psで、オプションのダイナミックプラスパッケージを選択した場合、ブースト機能を備えた「RACE STARTモード」選択時に最大出力が761 psまで増加する。80%のバッテリー残量の状態での0~100 km/h加速は3.8秒、ダイナミックプラスパッケージでは3.4秒である。[6]
エクステリアには専用のグリルとAMGのエンブレムがあしらわれ、また専用のリヤディフューザーとスポイラー、専用ホイールが搭載される。インテリアにもAMG仕様の専用ファブリックとステッチ、ステアリングホイールが採用される。[6]
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AMG EQS 53 フロント
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AMG EQS 53 リヤ
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AMG専用ホイール
自動運転機能
[編集]2022年からはドイツにてレベル3の自動運転システム「ドライブ・パイロット」のオプションが導入され、交通量が多い場合や混雑した状況下において60 km/hを上限に公道で自動運転が可能となる。[7]
加えて同年にはボッシュとメルセデス・ベンツが共同開発した自動駐車システム「インテリジェント・パーキング・パイロット」もオプションとして導入された。これはレベル4の自動運転システムに相当する機能で、ドライバーが降車したのちスマートフォンのアプリを操作することで、事前に予約したスペースに自動で駐車することが出来る。2022年にはシュトゥットガルト空港のP6駐車場にて個人所有車両による利用が承認された。[8]
動力
[編集]EQSのRWD仕様にはリヤに1基、4WD仕様にはフロント/リヤに各1基の交流同期モーターが搭載される。EQS 350には90.6kW/h、それ以外のモデルには107.8kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載され、RWD仕様のEQS 450+ではWLTPモードで700km以上の航続距離を達成する。この航続距離は、EQSの発表当時に日本で販売されていたEVの中では最長であった。[5]
日本市場にはEQS 450+とAMG EQS 53のみ導入されている。日本向け仕様ではCHAdeMO規格の最大150kWの直流急速充電への適合、および車外へ電力を供給するV2H/V2L機能などが搭載される。[5]
ラインナップは以下の通り。
モデル | 販売時期 | 駆動方式 | 最高出力 | 最大トルク | WTLP航続距離 |
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EQS 350 | 2021 - 2022 | RWD | 215 kW (292 PS) | 565 Nm | 529-638 km |
EQS 450+ | 2021 - | 245 kW (333 PS) | 568 Nm | 631-782 km | |
EQS 450 4MATIC | 2022 - | 4WD | 265 kW (360 PS) | 800 Nm | 578-695 km |
EQS 500 4MATIC | 330 kW (449 PS) | 855 Nm | 578-695 km | ||
EQS 580 4MATIC | 2021 - | 385 kW (523 PS) | 855 Nm | 582-679 km | |
AMG EQS 53 4MATIC+ | 484 kW (658 PS) | 950 Nm | 529-586 km | ||
AMG EQS 53 4MATIC+ Dynamic Plus |
560 kW (761 PS) | 1020 Nm | 529-586 km |
脚注
[編集]- ^ a b “メルセデスEQのセダンとラグジュアリーモデルが日本上陸!「EQE」&「EQS」徹底解説”. Auto Prove (FM yokohama). 2023年7月1日閲覧。
- ^ “Mercedes-Benz Will Have Four Dedicated EV Platforms: What About the EQS?” (英語). autoevolution. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “未来のメルセデスベンツ Sクラス は電動化へ、『ヴィジョン EQS』発表…フランクフルトモーターショー2019”. Response.. 2023年7月1日閲覧。
- ^ a b c “【頂点に君臨する最上級EVセダン】新型メルセデス・ベンツEQS 発表 航続距離770km”. AUTOCAR JAPAN. 2023年7月1日閲覧。
- ^ a b c d e “「EQS」を発売”. メルセデス・ベンツ日本公式サイト. 2023年7月1日閲覧。
- ^ a b c “メルセデスAMG初のEV、『EQS 53 4MATIC +』…欧州発売”. Response.. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “メルセデスベンツ Sクラス と EQS、自動運転「レベル3」が可能に…ドイツ本国[詳細写真]”. Response.. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “【海外技術情報】ボッシュ&メルセデス・ベンツ:世界初となる無人駐車システムが商用利用の承認を受ける”. モーターファン. 2023年7月1日閲覧。