マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦
『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』 | ||||
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マウンテン の ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1969年8月16日 ニューヨーク州 サリバン郡 ベセル ウッドストック・フェスティバル 1971年12月14日 ニューヨーク州 ニューヨーク アカデミー・オブ・ミュージック 1972年1月29日 ロンドン レインボウ・シアター | |||
ジャンル | ハードロック、ブルースロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ウィンドフォール・レコード | |||
プロデュース | フェリックス・パパラルディ | |||
マウンテン アルバム 年表 | ||||
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『マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦』(Live: The Road Goes Ever On)は、アメリカ合衆国のロック・バンドであるマウンテンの通算4作目のアルバム。彼等が1972年2月に解散した後、同年4月に発表された初のライブ・アルバムである。
解説
[編集]経緯
[編集]マウンテンは1970年にレコード・デビューし、2年間に計3作のアルバムを発表してアメリカのハード・ロック・バンドの代表格の一つになった。しかし1972年1月末、メンバーのフェリックス・パパラルディ(ベース、ヴォーカル)が慢性の聴覚異常などの様々な健康障害を理由にツアーに参加しないことを宣言したので、彼等は解散した[1][2]。
本アルバムは、未発表の音源を編集した彼等初のライヴ・アルバム[注釈 1]である。彼等が所属したウィンドフォール・レコード[注釈 2]から同年4月に発表された。
内容
[編集]全4曲の収録曲の内訳は、1969年8月16日にウッドストック・フェスティバルで録音されたものが2曲、1971年12月14日のニューヨーク公演と1972年1月29日のロンドン公演で録音されたものがそれぞれ1曲である。
彼等がウッドストック・フェスティバルに出演した[3][注釈 3]のは結成直後のことで、デビュー・アルバム『勝利への登攀』(1970年)の制作前に脱退した初代ドラマーのN.D.スマートが在籍していた。本アルバムに収録された2曲は、アルバム"Woodstock Two"(1971年)に収録された2曲とは異なる[注釈 4][注釈 5]。「ロング・レッド」は、パパラルディとスマートが参加したウェスト初のソロ・アルバム『マウンテン』(1969年)の収録曲である。
残りの2曲は1971年11月に発表された前作『悪の華』のツアーのもので、2代目ドラマーのコーキー・レイングが参加している。「ナンタケット・スレイライド」は前々作『ナンタケット・スレイライド』(1971年)、「クロスローダー」は『悪の華』の収録曲で、いずれもパパラルディと彼の妻ゲイル・コリンズ[4]の共作である。
これまでのマウンテンのアルバムと同様、パパラルディがプロデュース、コリンズがジャケット・デザインを担当した。
アルバムが発表された年と同じ1972年に、「ウェイティング・トゥー・テイク・ユー・アウェイ」がシングル・カットされた[5]。
CDにはボーナス・トラックとして、1970年3月20日にアトランタ・インターナショナル・ポップ・フェスティバルで録音されたT-ボーン・ウォーカー作「ストーミー・マンデイ」が収録された。
収録曲
[編集]- LP
- CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 録音年月日・場所 | 時間 |
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1. | 「ロング・レッド(Long Red)」 | レスリー・ウェスト、フェリックス・パパラルディ、ジョン・ヴェンチュラ、ノーマン・ランズバーグ | 1969年8月16日 ニューヨーク州 サリバン郡 ベセル ウッドストック・フェスティバル | |
2. | 「ウェイティング・トゥー・テイク・ユー・アウェイ(Waiting to Take You Away)」 | ウェスト | 1969年8月16日 ニューヨーク州 サリバン郡 ベセル ウッドストック・フェスティバル | |
3. | 「クロスローダー(Crossroader)」 | パパラルディ、ゲイル・コリンズ | 1972年1月29日 ロンドン レインボウ・シアター | |
4. | 「ナンタケット・スレイライド(Nantucket Sleighride)」 | パパラルディ、コリンズ | 1971年12月14日 ニューヨーク州 ニューヨーク アカデミー・オブ・ミュージック | |
5. | 「ストーミー・マンデイ(Stormy Monday)」(ボーナス・トラック) | T-ボーン・ウォーカー | 1970年7月3日 ジョージア州 バイロン アトランタ・ポップ・フェスティバル | |
合計時間: |
参加ミュージシャン
[編集]- レスリー・ウェスト - ボーカル、ギター
- フェリックス・パパラルディ - ボーカル、エレクトリックベース
- スティーヴ・ナイト - キーボード
- N.D.スマート - ドラムス (CD #1、#2)
- コーキー・レイング - ドラムス (CD #3、#4、#5)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 前作『悪の華』(1971年)の片面はライヴ録音だった。
- ^ 1969年にパパラルディがマネージャーのバッド・プラガーと共同で設立した。
- ^ 映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970年)の40周年記念版のDVDとブルーレイディスク(2009年)に、本アルバムに収録された2曲とは別の2曲の演奏場面が収録された。
- ^ 英語版Woodstock Twoは、同アルバムに収録されている2曲は実際にはウッドストック・フェスティバルで録音されたものでない、としている。この記載が正しければ、本アルバムはマウンテンのウッドストック・フェスティバルでの演奏を収録した初めてのアルバムになる。
- ^ 「ロング・レッド」「ウェイティング・トゥー・テイク・ユー・アウェイ」を含む9曲が"Woodstock – Back to the Garden: The Definitive 50th Anniversary Archive"(2019年)、「ロング・レッド」を含む4曲が"Woodstock – Back to the Garden: 50th Anniversary Experience"(2019年)に収録された。
出典
[編集]- ^ Laing & Takala (2019), p. 141.
- ^ Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. p. 152. ISBN 978-1-906002-26-8
- ^ “Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
- ^ Laing & Takala (2019), p. 51.
- ^ “Discogs”. 2024年8月24日閲覧。
引用文献
[編集]- Laing, Corky; Takala, Tuija (2019). Letters To Sarah. Helsinki: Polite Bystander Productions. ISBN 978-952-94-1530-4