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勝利への登攀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『勝利への登攀』
マウンテンスタジオ・アルバム
リリース
録音 ニューヨーク レコード・プラント・スタジオ[1]
ジャンル ハードロックブルースロック
時間
レーベル ウィンドフォール・レコード
リマスターCD:レガシー・レコーディングス
プロデュース フェリックス・パパラルディ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 17位(アメリカ[2]
  • マウンテン アルバム 年表
    勝利への登攀
    (1970年)
    ナンタケット・スレイライド
    (1971年)
    テンプレートを表示

    勝利への登攀』(原題:Climbing!)は、アメリカ合衆国ハードロックバンドマウンテン1970年に発表したスタジオ・アルバムレスリー・ウェストがソロ名義で発表した『マウンテン』(1969年)に続くウェストとフェリックス・パパラルディの共作アルバムで、バンドとしての正式なデビュー作に当たる[3]

    背景

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    ジャック・ブルース作の「想像されたウエスタンのテーマ」の原曲は、パパラルディがプロデュースしたブルースのアルバム『ソングス・フォー・ア・テイラー』(1969年)で発表された[4]。この曲と「ヤスガーの農場」[注釈 1][5]は、彼等が本作でレコード・デビューを果たす前に出演した、1969年8月のウッドストック・フェスティバルで演奏された[6]

    クラシック・ロック』誌2003年5月号の記事によれば、彼等がレコード・プラント・スタジオで本作をレコーディングしていた時、ジミ・ヘンドリックスも同じスタジオにいた。ウェストは「最初に彼に聴かせた曲は『君がすべて』で、彼はこの曲のリフが好きだって言ってくれた」と語っている[7]

    本作からの第1弾シングルはウェストがリード・ボーカルを取った「ミシシッピー・クイーン英語版」で、パパラルディがリード・ボーカルを取った「ヤスガーの農場」が続いた[7]。メンバーのコーキー・レイングは「レスリーの歌声が衝撃を与えた後なのに、何でフェリックスが歌った曲に変えなきゃいけないんだ? 『君がすべて』を次のシングルにすべきだと思ったけど、フェリックスのエゴによって『ヤスガーの農場』になったんだよ」と複雑な感情を抱いたという[7][5]

    反響・評価

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    本作はアメリカのBillboard 200で17位を記録し、シングル「ミシシッピー・クイーン英語版」はBillboard Hot 100で21位に達してバンド唯一の全米トップ40シングル・ヒットとなった[2]

    Matthew Greenwaldはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、「ミシシッピー・クイーン」を「J・ガイルズ・バンドフォガット等、数多の模倣者達のための道を開いた」、「君がすべて」を「当時のFMラジオの定番」と評している[8]

    収録曲

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    6.はインストゥルメンタル

    1. ミシシッピー・クイーン "Mississippi Queen" (Leslie West, Felix Pappalardi, Corky Laing, David Rea) – 2:33
    2. 想像されたウエスタンのテーマ "Theme for an Imaginary Western" (Jack Bruce, Pete Brown) – 5:09
    3. 君がすべて "Never in My Life" (L. West, F. Pappalardi, C. Laing, Gail Collins) – 3:53
    4. 銀色の紙 "Silver Paper" (L. West, F. Pappalardi, C. Laing, Steve Knight, G. Collins, George Gardos) – 3:18
    5. ヤスガーの農場 "For Yasgur's Farm" (F. Pappalardi, C. Laing, G. Collins, D. Rea, G. Gardos, Gary Ship) – 3:25
    6. 友達のために "To My Friend" (L. West) – 3:42
    7. 支配者 "The Laird" (F. Pappalardi, G. Collins) – 4:38
    8. 虹に坐って "Sittin' on a Rainbow" (L. West, C. Laing, G. Collins) – 2:22
    9. バンドの少年 "Boys in the Band" (F. Pappalardi, G. Collins) – 3:36

    2003年リマスターCDボーナス・トラック

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    1. ヤスガーの農場(ライヴ) "For Yasgur's Farm" (F. Pappalardi, C. Laing, G. Collins, D. Rea, G. Gardos, G. Ship) – 4:19

    参加ミュージシャン

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    脚注

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    注釈

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    1. ^ ヤスガーとはフェスティバルの会場に自分の農場を提供したマックス・ヤスガーのことである。

    出典

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    1. ^ a b c Mountain - Climbing! (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    2. ^ a b Mountain - Awards”. AllMusic. 2016年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月7日閲覧。
    3. ^ Ruhlmann, William. “Mountain - Leslie West”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
    4. ^ Jack Bruce - Songs For A Tailor (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    5. ^ a b Laing & Takala (2019), pp. 100–101.
    6. ^ Line Up”. Woodstock.com. 2016年2月13日閲覧。
    7. ^ a b c Ling, Dave (2003年5月). “Mountain”. DAVE LING - ROCK JOURNALIST. 2016年2月13日閲覧。
    8. ^ Greenwald, Matthew. “Climbing! - Mountain”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。

    引用文献

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    • Laing, Corky; Takala, Tuija (2019). Letters To Sarah. Helsinki: Polite Bystander Productions. ISBN 978-952-94-1530-4