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フィダーイー (パレスチナ国歌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
فدائيFidāʾī
和訳例:フィダーイー

国歌の対象
パレスチナの旗 パレスチナ

作詞 サイード・アル=ムザイイン(1965年)
作曲 アリー・イスマーイール(1965年)
採用時期 1972年(パレスチナ国歌としては1996年に正式採用)
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フィダーイー (アラビア語: فِدَائِي‎, Fidāʾī, フィダーイー)はパレスチナ国国歌[1][2]。2005年に改名されたことから『パレスチナ革命歌』としても知られる。

題名は解釈により「我が献身」「戦士」「闘士」などと訳し得る。

概要

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作詞者はパレスチナ出身の詩人で解放闘争の士でもあったサイード・アル=ムザイイン(سعيد المزين, Saʿīd al-Muzayyin、英字表記例:Said Al Muzayin)、作曲者はエジプト人音楽家アリー・イスマーイール(علي إسماعيل, ʿAlī Ismāʿīl、英字表記例:Ali Ismael)[3]

この歌はまず1972年にパレスチナ解放機構(PLO)の公式歌として選ばれたもので、2005年にファタハ(アラビア語: فتح, ラテン文字転写:Fatḥ, 文語アラビア語発音:ファトフ, 英語: Fatah)によって改名されたことから『パレスチナ革命歌』(نشيد الثورة الفلسطينية, nashīd al-thawrah al-filasṭīnīyah ないしは nashīd al-thawra al-filasṭīnīya, ナシード・アッ=サウラ・アル=フィラスティーニーヤ)という名でも呼ばれてきた[4]

その後、1988年パレスチナの独立宣言第31条に基づき1996年にパレスチナ国歌として制定された[4]

かつてはパレスチナの闘争への熱意と悲願を織り込んだ『我が祖国موطني, Mawṭinī, マウティニー)』が事実上の国歌としての扱いを受け愛唱されていたのに対し、イスラエル側に配慮した内容とも評される『フィダーイー』がパレスチナ解放機構(PLO)の公式歌選定を経てパレスチナ国歌となった経緯を持つことから、現在でも多くのパレスチナ人にとって『我が祖国موطني, Mawṭinī, マウティニー)』が非公式の第2国歌として考えられ『フィダーイー』の代わりに歌われるなどしている。

題名

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主に2通りある解釈

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題名はアラビア語で「我が献身」「我が犠牲」といった意味を持ちパレスチナのために自らを捧げることを意味するとも言われるが、発音記号無しでは全く同じつづりで口語的発音では区別がつかなくなることから別の語「フィダーイー(فِدَائِيٌّ, fidāʾī)として扱い「戦士」「闘士」と訳されることもある。[4]

いずれの場合も、元のアラビア語単語の語義から、自身の心身を捧げる献身・自己犠牲を伴うことを含んだ「献身」「戦士」「闘士」という言葉が題名や歌詞として繰り返し登場するのがこの国歌となっている。

「我が献身」として解釈する場合

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فِدَائِي

文語アラビア語発音:fidāʾī, フィダーイー

意味:我が献身、我が犠牲

  • فِدَاء(fidāʾ, フィダー(実際の休止形発音はフィダーッやフィダーァに近い)):【名詞】捕虜の身代金;犠牲、生贄;犠牲、献身[5][6][7]
  • ـِي(-ī, -イー):【人称代名詞】(直前の名詞に接尾し属格(所有格)の意味を示す)私の~、我が~

「(闘争のために心身を捧げる自己犠牲的な)戦士、闘士」として解釈する場合

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فِدَائِي

文語アラビア語非休止形発音:fidāʾīyun ないしは fidāʾiyyun, フィダーイーユン

文語アラビア語休止形発音:fidāʾīy ないしは fidāʾiyy, フィダーイーィとフィダーイーュが混ざったような発音

口語的発音:fidāʾī, フィダーイー

意味:戦士、闘士

  • فِدَاء(fidāʾ, フィダー(実際の休止形発音はフィダーッやフィダーァに近い)):【名詞】捕虜の身代金;犠牲、生贄;犠牲、献身[5][6][7]
  • ـِيّ((-i)yy):【ニスバ語尾】(接尾する名詞に関連した形容詞・名詞を新たに形成するための文字)~の(人/物)、~に関連のある(人/物)

ごく一般の戦士、闘士とは異なり、「自らを犠牲とし心身を捧げる者」という意味を持つ。

現代では具体的には「イスラームやアッラーのために自らの身と命を犠牲にして戦う者、イスラームとアッラーのために自分の命を捨てて戦うジハード(聖戦)戦士、宗教と唯一神のために死ぬことを承知で無謀とも言える戦いに身を投じる闘士」「(パレスチナといった)祖国のために戦う自己犠牲的な解放闘士」[8][9][10][11]を指すことが多い。

また改題後の名称が『パレスチナ革命歌』(نشيد الثورة الفلسطينية, nashīd al-thawrah al-filasṭīnīyah ないしは nashīd al-thawra al-filasṭīnīya, ナシード・アッ=サウラ・アル=フィラスティーニーヤ)であることから、「(パレスチナ)革命闘士」といった解釈も可能であるという[4]

歌詞

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アラビア語歌詞

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ネット上で公開されているパレスチナ国歌動画・紹介記事では出だしがフィダーイーではなくビラーディー(بلادي, bilādī, 「我が国、我が祖国」の意)になっていたりといくつかの点で実際に歌われているものを収録した音源との間にずれがある事例が見られる。

出だしがビラーディーになっている件は子供時代にそのように聞き取ったり覚えたりして国歌斉唱の際にビラーディーと歌ってきたパレスチナ人が少なからずいる[12]ためで、ネット上での掲載数も多い。

そのため当ページでは複数ソースを比較の上、パレスチナ小学校用愛国・社会科教育科目教科書の第1巻第2課掲載の国歌歌詞に依拠した上で一部訂正や発音記号補足を加え、実際に音源の聞き取りをしながら調整を行った。

発音記号は散文とは異なる歌詞としての性質をふまえ、音源で歌われている通りに付した。

コーラス

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ ٱلْجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ الجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

1番

بِعَزْمِي وَنَارِي وَبُرْكَانِ ثَارِي[13]

وَأَشْوَاقِ دَمِّي لِأَرْضِي وَدَارِي[14]

صَعَدْتُ ٱلجِبَالَ وَخُضْتُ ٱلنِّضَالَ[15][16]

قَهَرْتُ ٱلْمُحَالَ حَطَمْتُ ٱلْقُيُودْ

صَعَدْتُ ٱلْجِبَالَ وَخُضْتُ ٱلنِّضَالَ[15][16]

قَهَرْتُ ٱلْمُحَالَ حَطَمْتُ ٱلْقُيُودْ

コーラス

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ الْجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

2番

بِعَصْفِ ٱلرِّيَاحِ وَنَارِ ٱلسِّلَاحِ

وَإِصْرَارِ شَعْبِي بِخَوْضِ ٱلْكِفَاحِ

فِلَسْطِينُ دَارِي وَدَرْبُ ٱنْتِصَارِي

فِلَسْطِينُ ثَارِي وَأَرْضُ ٱلصُّمُودْ[13]

فِلَسْطِينُ دَارِي وَدَرْبُ ٱنْتِصَارِي

فِلَسْطِينُ ثَارِي وَأَرْضُ ٱلصُّمُودْ[13]

コーラス

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ ٱلْجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

3番

بِحَقِّ القَسَمْ تَحْتَ ظِلِّ ٱلْعَلَمْ

بِأَرْضِي وَشَعْبِي وَنَارِ ٱلْأَلَمْ

سَأَحْيَا فِدَائِي وَأَمْضِي فِدَائِي

وَأَقْضِي فِدَائِي إِلَى أَنْ أَعُودْ

سَأَحْيَا فِدَائِي وَأَمْضِي فِدَائِي

وَأَقْضِي فِدَائِي إِلَى أَنْ أَعُودْ

コーラス

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ ٱلْجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا أَرْضِي يَا أَرْضَ ٱلْجُدُودْ

فِدَائِي فِدَائِي فِدَائِي

يَا شَعْبِي يَا شَعْبَ ٱلْخُلُودْ

アラビア語での実際の発音

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ネットで紹介されているラテン文字転写に誤記が多く実際の発音と合わない部分が複数見られたため書き起こしを行った。学術的なラテン文字転写に近づけてあるが、アラブ詩の規則などに依拠しているため散文とは異なる語形・発音になっている箇所や一部口語発音になっている箇所が複数存在する。

なおayは二重母音部分ai、awは二重母音auとして発音される部分となっている。

コーラス

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

1番

bi-ʿazmī wa-nārī wa burkāni thārī[13]

wa-ʾashwāqi dammī[14] li-ʾarḍī wa-dārī

ṣaʿattu[15]-l-jibāla wa-khuttu[16]-n-niḍāla

qahartu-l-muḥāla ḥaṭamtu-l-quyūd

ṣaʿattu[15]-l-jibāla wa-khuttu[16]-n-niḍāla

qahartu-l-muḥāla ḥaṭamtu-l-quyūd

コーラス

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

2番

bi-ʿaṣfi-r-riyāḥi wa-nāri-s-silāḥi

wa-ʾiṣrāri shaʿbī bi-khawḍi-l-kifāḥi

filasṭīnu dārī wa-darbu-ntiṣārī

filasṭīnu thārī[13] wa-ʾarḍu-ṣ-ṣumūd

filasṭīnu dārī wa-darbu-ntiṣārī

filasṭīnu thārī[13] wa-ʾarḍu-ṣ-ṣumūd

コーラス

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

3番

bi-ḥaqqi-l-qasam taḥta ẓilli-l-ʿalam

bi-ʾarḍī wa shaʿbī wa-nāri-l-ʾalam

sa-ʾaḥyā fidāʾī wa-ʾamḍī fidāʾī

wa-ʾaqḍī fidāʾī ʾilā ʾan ʾaʿūd

sa-ʾaḥyā fidāʾī wa-ʾamḍī fidāʾī

wa-ʾaqḍī fidāʾī ʾilā ʾan ʾaʿūd

コーラス

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā ʾarḍī yā ʾarḍa-l-judūd

fidāʾī fidāʾī fidāʾī

yā shaʿbī yā shaʿba-l-khulūd

アラビア語歌詞カタカナ表記

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コーラス

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

1番

ビ・アズミー・ワ・ナーリー・ワ・ブルカーニ・サーリー[13]

ワ・アシュワーキ・ダンミー[14]・リ・アルディー・ワ・ダーリー

サアットゥ[15]・ル=ジバーラ・ワ・フットゥ[16]・ン=ニダーラ

カハルトゥ・ル=ムハーラ・ワ・ハタムトゥ・ル=クユード

サアットゥ[15]・ル=ジバーラ・ワ・フットゥ[16]・ン=ニダーラ

カハルトゥ・ル=ムハーラ・ワ・ハタムトゥ・ル=クユード

コーラス

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

2番

ビ・アスフィ・ッ=リヤーヒ・ワ・ナーリ・ッ=スィラーヒ

ワ・イスラーリ・シャアビー・ビ・ハウディ・ル=キファーヒ

フィラスティーヌ・ダーリー・ワ・ダルブ・ンティサーリー

フィラスティーヌ・サーリー[13]・ワ・アルドゥ・ッ=スムード

フィラスティーヌ・ダーリー・ワ・ダルブ・ンティサーリー

フィラスティーヌ・サーリー[13]・ワ・アルドゥ・ッ=スムード

コーラス

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

3番

ビ・ハッキ・ルーカサム タフタ[17]・ズィッリ・ル=アラム

ビ・アルディー・ワ・シャアビー・ワ・ナーリ・ル=アラム

サ・アフヤー[18]・フィダーイー・ワ・アムディー・フィダーイー

ワ・アクディー・フィダーイー・イラー・アン・アウード

サ・アフヤー・フィダーイー・ワ・アムディー・フィダーイー

ワ・アクディー・フィダーイー・イラー・アン・アウード

コーラス

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・アルディー ヤー・アルダ・ル=ジュドゥード

フィダーイー フィダーイー フィダーイー

ヤー・シャアビー ヤー・シャアバ・ル=フルード

参考サイト

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歌詞確認と和訳の際に以下のウェブサイトを参照した。

この国歌が元々の詩を一部変えた上で制定されたこともあり、サイトや動画に掲載されている歌詞は実際に歌っている音声部分と歌詞字幕等の文字とが一致していないことがあるので利用の際には注意されたい。

脚注

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  1. ^ World Statesmen (2000年). “Palestinian National Authority”. 2013年11月4日閲覧。
  2. ^ National Anthems. “Palestine”. 2013年11月4日閲覧。
  3. ^ The state of Palestine - Anthem” (inglés). 17 de julio de 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2 de diciembre de 2012閲覧。
  4. ^ a b c d معلومات عن النشيد الوطني الفلسطيني” (アラビア語). موقع المعلومات. 2023年11月25日閲覧。
  5. ^ a b The Living Arabic Project - فداء” (英語). livingarabic.com. 2024年1月23日閲覧。
  6. ^ a b معنى شرح تفسير كلمة (فداء)”. www.almougem.com. 2024年1月23日閲覧。
  7. ^ a b المعاني - فداء”. 2023年10月23日閲覧。
  8. ^ معنى شرح تفسير كلمة (فدائي)”. www.almougem.com. 2023年6月16日閲覧。
  9. ^ The Living Arabic Project - فدائي” (英語). 2023年12月10日閲覧。
  10. ^ المعاني : فدائي”. 2023年12月10日閲覧。
  11. ^ قاموس نور - فدائي”. 2023年12月10日閲覧。
  12. ^ الله, محمد عبد. “بين اللجوء والمخيم حكاية” (アラビア語). الجزيرة نت. 2024年1月23日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g h i 文語発音ではثَأْرِي(thaʾrī , サアリー(学術的カタカナ表記ではサアリーとするのが標準的だが、実際にはサァリーとサッリーが混ざったような発音))だが、ここでは口語発音と同じになっており声門閉鎖音(声門破裂音)の長母音ā化により実際の音源ではثَارِي(thārī, サーリー)と歌われている。
  14. ^ a b c 文語発音ではدَمِي(damī, ダミー)となるが、実際の音源では口語発音となっており、-m-部分が重子音化した-mm-となっているدَمِّي(dammī, ダンミー)と歌われている。
  15. ^ a b c d e f 文語語形では「私は登った、私は上った」という意味の動詞はصَعِدْتُ(記号通りの発音:ṣaʿidtu, サイドトゥ、同化ありの発音:ṣaʿittu, サイットゥ)となるが、実際の音源では口語発音と同じصَعَدْتُ(記号通りの発音:ṣaʿadtu, サアドトゥ、同化ありの発音:ṣaʿattu, サアットゥ)となっている。
  16. ^ a b c d e f 発音記号通りだとخُضْتُ(khuḍtu, フドトゥ)と読まれるが、実際の音源ではドが直後のトに発音同化した読み方であるخُضتُّ(khuttu, フットゥ)として歌われている。
  17. ^ 学術的な日本語カタカナ表記ではタフタとするのが標準的だが、フ部分は日本語のf音と違いḥ音であるため、実際にはタハタに近く聞こえる。
  18. ^ 学術的な日本語カタカナ表記ではアフヤーとするのが標準的だが、フ部分は日本語のf音と違いḥ音であるため、実際にはアハヤーに近く聞こえる。