ファルクビア・カウンター・ギャンビット
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ファルクビア・カウンター・ギャンビット (Falkbeer Counter Gambit) は、チェスのオープニングの1つ。キングズ・ギャンビットに対し黒がカウンター・ギャンビットする変化。基本形は右図[1][2]。手順は1.e4 e5 2.f4 d5[3][4]。
主な変化
[編集]3.ed e4 4.Nc3 Nf6 5.Bc4 Bc5 6.Nge2 0-0 7.d3 ed 8.Qxd3 c6[1]。
白の3手目で3.fe??と指すと、黒に3.… Qh4+と指された後、4.g3 Qxe4+ 5.Qe2 Qxh1と進行しルークをタダ取りされる[5]。この手順中白の4手目で4.Ke2とキングが逃げると、黒に4.… Qxe4+と指された後5.Kf2 Bc5+ 6.Kg3 Qxe5+ 7.Kh4 Be7#と進行しチェックメイトになる[5]。なお、4.… Qxe4+のところ4.… Bg4+とチェックをかける手は、白に5.Nf3と守られてしまう[5]。
3.fe?? Qh4+ 4.g3に対して黒が4.… Qg4と指すと、白は5.Qxg4と喜んでクイーンの交換に応じてくる[5]。クイーンが無くなるとドローになり易いため[5]、強いプレーヤーは序盤にはクイーンを交換しない[5]。
3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+に対し5.Kf2とキングが逃げても、5.… Qxh1とルークをタダで取られてしまう[6]。1974年にニースで開催された第21回チェス・オリンピアードでのリボ対クーパー戦では、1.e4 e5 2.f4 d5 3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+ 5.Kf2と進行した後、5.… Bc5+と黒のクーパーが指したが[7]、この手でも黒の勝ちである[8]。白はキングの逃げる所がないため6手目では6.d4と受ける一手だが[8]、黒に6.… Bxd4+と指された後、7.Qxd4 Qxd4+と進行しクイーンを取られてしまうため勝負にならない[8]。この手順中7.Qxd4のところ7.Be3と指すと7.… Qxe3+ 8.Kg2 Qf2#とメイトにされてしまう[8]。
戻って3.edに対する黒の3手目の3.… e4は、白に4.Nf3と展開させないための手[2][6]。3.edに対して黒が3.… Qh4+?とチェックをかけるのは、白に4.g3と指されてクイーンをまた動かさなくてはならないため黒の手損になる[2]。
白の4手目では他に4.d3[6]、4.Bb5+[6]と指す手もある。4.d3と指すと、4.… Nf6 5.Nd2 ed 6.Bxd3 Qxd5 7.Ngf3 Bg4と進行し[6]、4.Bb5+と指すと、4.… c6 5.dc Nxc6 6.Nc3 Nf6 7.Nge2 Qb6と進行する[6]。
白の5手目で5.Qe2と指すのは、f1のビショップが動けなくなるので白が損する[6]。
参考文献
[編集]- 有田謙二 著 『チェス・マスター・ブックス 1 定跡と戦い方』 河出書房新社、1980年1月25日初版発行、1995年10月25日改訂版初版発行、2010年9月30日新装版初版発行、ISBN 978-4-309-73141-4[9]
- 有田謙二 著 『チェス・マスター・ブックス 5 やさしい実戦集』 河出書房新社、1976年6月15日初版発行