ファブリツィオ・ジフーニ
ファブリツィオ・ジフーニ Fabrizio Gifuni | |||||||||
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生年月日 | 1966年7月16日(58歳) | ||||||||
出生地 | イタリア ローマ[1] | ||||||||
職業 | 俳優、演出家、劇作家 | ||||||||
ジャンル | 映画、テレビ、舞台 | ||||||||
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ファブリツィオ・ジフーニ(Fabrizio Gifuni, 1966年7月16日 - )は、イタリアの俳優、演出家、劇作家である。
2014年公開の映画『人間の値打ち』でダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞、2022年公開の映画『夜のロケーション』で同賞主演男優賞を受賞した[2]。
経歴
[編集]プッリャ州およびシチリア州にルーツを持つ家族[3]のもと、ローマで生まれる[4]。 シルヴィオ・ダミーコ国立演劇芸術アカデミーで演技を学び、1992年に卒業する[5]。
舞台
[編集]1993年、マッシモ・カストリ(Massimo Castri)演出の舞台『エレクトラ』でデビューを飾る[5]。1995年より、テオドロス・テルゾプロス(Theodoros Terzopoulos)主宰のギリシャの劇団に参加する[6]。
2004年から2010年の間、ジュゼッペ・ベルトルッチ(Giuseppe Bertolucci)の演出のもと「Gadda e Pasolini, antibiografia di una nazione(ガッダとパゾリーニ、ある国家の抗生物質)」と題した演劇プロジェクトを主宰し[7]、『Na specie de cadavere lunghissimo』と『L'ingegner Gadda va alla guerra o della tragica istoria di Amleto Pirobutirro』の2つの戯曲を上演する。
2013年、アルベール・カミュの小説『異邦人』に基づく演劇『Lo Straniero, un'intervista impossibile』に出演する。2015年にはピエル・パオロ・パゾリーニの小説『生命ある若者』の朗読劇に出演する。 また、同年、ミラノのピッコロ座にて、ルカ・ロンコーニ(Luca Ronconi)演出の『Lehman Trilogy』(2015年ウブ賞最優秀作品賞受賞作)に出演する。 2016年、『Lo Straniero, un'intervista impossibile 』によりイタリア・ゴールデンマスク演劇賞にて最優秀モノローグ賞を受賞する。
2019年からアルド・モーロが赤い旅団による誘拐・監禁中に書き残した書簡を朗読するプロジェクト『Con il vostro irridente silenzio』を開始し[8][9]、2022年には上演台本をもとに同名の書籍を出版する[10]。
また、劇作家として『I kiss your hands, catalogo semiserio delle lettere di Mozart』、『Le sante corde dei canti』(以上2作はソニア・ベルガマスコとの共作)、『Non fate troppi pettegolezzi- Omaggio a Cesare Pavese』、『Attilio Bertolucci e Pierpaolo Pasolini, un'amicizia in versi』等の戯曲を創作し、俳優としても出演している。
映画
[編集]1993年、ジュゼッペ・フェッラーラ(Giuseppe Ferrara)監督作『Giovanni Falcone』でスクリーンデビューを飾る。その他の出演作としては、ジャンニ・アメリオ監督作『いつか来た道』(1998年)、グイド・キエーザ(Guido Chiesa)監督作『パルチザン 対ナチス解放戦線』(2000年)、リドリー・スコット監督作『ハンニバル』(2001年)、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督作『輝ける青春』(2003年)および『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』(2012年)、アンドレア・モライヨーリ(Andrea Molaioli)監督作『湖のほとりで』(2007年)、マルコ・ベロッキオ監督作『甘き人生』(2015年)等がある。
2014年公開のパオロ・ヴィルズィ監督作『人間の値打ち』では、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞をはじめ数多くの賞を獲得した。
2022年、マルコ・ベロッキオ監督作『夜のロケーション』でアルド・モーロ役を演じ[11]、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞を獲得した。
テレビ
[編集]2005年放送の『De Gasperi, l'uomo della speranza』ではイタリア共和国初代首相を務めた政治家アルチーデ・デ・ガスペリを、2008年放送の『Paolo VI - Il Papa nella tempesta』では第262代ローマ教皇パウロ6世を演じる。2010年、精神科医フランコ・バザーリア役で主演したテレビ映画『むかしMattoの町があった』がRai 1で放送される。2018年にはテレビ映画『Prima che la notte』にて、反マフィアの論客として知られたジャーナリストで作家のジュゼッペ(ピッポ)・ファーヴァ(Giuseppe "Pippo" Fava)を演じる。
私生活
[編集]父は政治家ガエターノ・ジフーニ(Gaetano Gifuni)[4]。 2000年に女優のソニア・ベルガマスコと結婚し、二人の娘をもうけている[4]。夫妻は映画『輝ける青春』や数多くの舞台で共演しているほか、戯曲の創作や舞台の演出も共同で行っている。ユヴェントゥスFCのファンである[12]。
フィルモグラフィー
[編集]公開年 | 邦題
原題 |
役名 | 備考 |
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1993 | Giovanni Falcone | ロベルト・アンティオキア | |
1996 | La bruttina stagionata | ||
1998 | Vite in sospeso | ||
いつか来た道 Così ridevano |
ペライア | ||
1999 | La carbonara | ||
Un amore | |||
2000 | Qui non è il paradiso | ||
L'amore probabilmente | |||
パルチザン 対ナチス解放戦線
Il partigiano Johnny |
エットレ | ||
2001 | L'inverno | ||
ハンニバル Hannibal |
マッテオ | ||
Sole negli occhi | |||
2003 | 輝ける青春 La meglio gioventù |
カルロ・トンマージ | |
2004 | Movimenti | マルチェッロ | |
Le cinque giornate di Milano | ミニシリーズ(Rai 1にて放映) | ||
2005 | Musikanten | ニコラ | |
De Gasperi, l'uomo della speranza | アルチーデ・デ・ガスペリ | ミニシリーズ(Rai 1にて放映) | |
2006 | Fratelli di sangue | ||
L'ultima frontiera | ミニシリーズ(Rai 1にて放映) | ||
2007 | 湖のほとりで La ragazza del lago |
コッラード・カナーリ | |
Signorina Effe | シルヴィオ | ||
Il dolce e l'amaro | ステファノ | ||
2008 | Beket | ||
堕天使 Galantuomini |
イニャツィオ | ||
Paolo VI - Il Papa nella tempesta | パウロ6世 | ミニシリーズ(Rai 1にて放映) | |
2009 | L'amore buio | ||
L'uomo nero | ガブリエーレ | ||
2010 | Io sono con te | ||
むかしMattoの町があった C'era una volta la città dei matti... |
フランコ・バザーリア | ミニシリーズ(Rai 1にて放映) | |
2011 | バッグにはクリプトナイト La kryptonite nella borsa |
イタリア映画祭2012にて上映[13] | |
2012 | フォンターナ広場 イタリアの陰謀 Romanzo di una strage |
アルド・モーロ | |
2012 | La leggenda di Kaspar Hauser | ||
2014 | 人間の値打ち Il capitale umano |
ディーノ | |
Noi 4 | エットレ | ||
2015 | Rubando bellezza | ドキュメンタリー | |
2016 | 甘き人生 Fai bei sogni |
アトス | イタリア映画祭2017上映時タイトル『スイート・ドリームス』[14] |
2017 | Dove non ho mai abitato | マッシモ | |
2018 | Prima che la notte | ジュゼッペ(ピッポ)・ファーヴァ | テレビ映画(Rai 1にて放映) |
2019 | Aspromonte - La terra degli ultimi | ||
2020 | 内なる獣性 La Belva |
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2021 | 善き生徒たち La scuola cattolica |
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2023 | 夜のロケーション Esterno notte |
アルド・モーロ | イタリア映画祭2023にて上映[15] |
2023 | ミックスド・バイ・エリー 俺たちの音楽帝国 Mixed by Erry |
舞台
[編集]上演年 | タイトル | 演出 | 備考 |
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1993 | エレクトラ | マッシモ・カストリ(Massimo Castri) | |
1994 | マクベス | ジャンカルロ・セーペ(Giancarlo Sepe) | |
1995 | Le smanie per la villeggiatura | マッシモ・カストリ | |
アンティゴネー | テオドロス・テルゾプロス(Theodoros Terzopoulos) | ||
1996 | Le avventura della villeggiatura | マッシモ・カストリ | |
1997 | Il ritorno dalla villeggiatura | マッシモ・カストリ | |
2004 | ¿Pia? | ヴァルテル・マロスティ(Valter Malosti) | |
2004-2010 | Gadda e Pasolini, antibiografia di una nazione
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ジュゼッペ・ベルトルッチ(Giuseppe Bertolucci) | |
2006 | I kiss your hands - catalogo semiserio delle lettere di Mozart | ファブリツィオ・ジフーニ ソニア・ベルガマスコ |
作:ファブリツィオ・ジフーニ、ソニア・ベルガマスコ |
2008 | Non fate troppi pettegolezzi (omaggio a Cesare Pavese | ファブリツィオ・ジフーニ | 作:ファブリツィオ・ジフーニ |
2011 | Attilio Bertolucci e Pier Paolo Pasolini, un'amicizia in versi | ファブリツィオ・ジフーニ ソニア・ベルガマスコ |
朗読劇 |
Il Piccolo Principe in concerto | ファブリツィオ・ジフーニ ソニア・ベルガマスコ |
作:ファブリツィオ・ジフーニ、ソニア・ベルガマスコ | |
2013 | Lo Straniero, un'intervista impossibile | ロベルタ・レーナ(Roberta Lena) | |
2014 | Un certo Julio | 朗読 作:フリオ・コルタサル | |
2015 | Lehman Trilogy | ルカ・ロンコーニ(Luca Ronconi) | |
2016 | Ragazzi di vita | 朗読 作:ピエロ・パオロ・パゾリーニ | |
Il dio di Roserio, studio sul primo capitolo | 朗読 作:ジョヴァンニ・テストーリ | ||
Concerto per Amleto | ファブリツィオ・ジフーニ | 作:ファブリツィオ・ジフーニ | |
2017 | Il Paradiso dalla torre | 朗読 作:ダンテ・アリギエーリ | |
2018 | Solo l'amare, solo il conoscere conta... | 朗読 ピエロ・パオロ・パゾリーニ | |
Freud o l’interpretazione dei sogni | フェデリーコ・ティエッツィ(Federico Tiezzi) | ||
2019- | Con il vostro irridente silenzio | 朗読 作:アルド・モーロ |
吹き替え
[編集]シルヴィオ・ソルディーニ(Silvio Soldini)監督作『風の痛み』(2003年)ではイヴァン・フレネク(Ivan Franek)の、アベル・フェラーラ監督作『Pasolini』ではウィレム・デフォーのイタリア語吹き替えを担当している。
オーディオブック
[編集]- エミーリオ・ガッダ『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』(2012年)
- ピエル・パオロ・パゾリーニ『生命ある若者』(2014年)
- ロベルト・ボラーニョ『チリ夜想曲』(2017年)
主な受賞と表彰
[編集]- ダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞(2014年) 『人間の値打ち』
- ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞(2023年) 『夜のロケーション』
- ナストロ・ダルジェント主演男優賞(2004年) 『輝ける青春』 ※同作で共演のルイジ・ロ・カーショとアレッシオ・ボーニ、およびロベルト・ヘルリッカ(『夜よ、こんにちは』)と同時受賞。
- ナストロ・ダルジェント主演男優賞(2014年) 『人間の値打ち』 - 同作で共演のファブリツィオ・ベンティヴォリオと同時受賞。
- イタリア・ゴールデングローブ賞(2002年)最優秀新人男優賞 『L'inverno』および『Sole negli occhi』
- 第52回ベルリン国際映画祭シューティング・スター賞(2002年)
- ウブ賞最優秀男優賞(2010年) 『L'ingegner Gadda va alla guerra o della tragica istoria di Amleto Pirobutirro』
- イタリア・ゴールデンマスク演劇賞最優秀男優賞(2010年) 『L'ingegner Gadda va alla guerra o della tragica istoria di Amleto Pirobutirro』
- イタリア・ゴールデンマスク演劇賞最優秀モノローグ賞(2016年) 『Lo Straniero, un'intervista impossibile 』
- フライアーノ賞映画・テレビ部門最優秀演技賞(2005年) 『De Gasperi, l'uomo della speranza』
イタリア文学、現代文献学、言語学における名誉学士号 | |
«正確かつ訴求性の高い表現をその特色とする、独自の文化的、創造的な探求を実践した俳優。テクストの綿密な検討と、舞台演劇の新たな形態に対する好奇心、および実演的側面への全面的献身によって総合的に特徴づけられる研究。» |
脚注
[編集]- ^ “Fabrizio Gifuni - Overview”. AllMovie. 2019年4月10日閲覧。
- ^ “David di Donatello - festivals” (英語). Filmitalia. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “Fabrizio Gifuni e il suo Teatro - TGR Puglia”. TGR. 2019年2月4日閲覧。
- ^ a b c “Fabrizio Gifuni” (英語). IMDb. 2023年6月2日閲覧。
- ^ a b “Profile - RBCasting”. www.rbcasting.com. 2023年6月1日閲覧。
- ^ “Continua a Varese la rassegna "Estate con i grandi attori" con Fabrizio Gifuni” (イタリア語). Sempione News. 2023年6月2日閲覧。
- ^ “Fabrizio Gifuni - Feltrinelli Editore” (イタリア語). www.feltrinellieditore.it. 2023年6月2日閲覧。
- ^ “Con il vostro irridente silenzio – FABRIZIO GIFUNI” (イタリア語). 2023年6月2日閲覧。
- ^ Redazione, Teatro it-La (2018年8月29日). “Con il vostro irridente silenzio (Fabrizio Gifuni)” (イタリア語). www.teatro.it. 2023年6月2日閲覧。
- ^ “Con il vostro irridente silenzio - Fabrizio Gifuni - Feltrinelli Editore” (イタリア語). django. 2023年6月2日閲覧。
- ^ なお、モーロを演じるのは『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』に続いて2回目である。
- ^ “Vip che tifano Juventus: i personaggi famosi con cuore bianconero” (イタリア語). Nanopress (2017年5月22日). 2019年2月4日閲覧。
- ^ “朝日新聞社 -「イタリア映画祭2012」- 作品情報”. www.asahi.com. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “イタリア映画祭2017 作品情報”. 朝日新聞社. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “イタリア映画祭2023”. 朝日新聞デジタル. 2023年5月24日閲覧。
- ^ “A Fabrizio Gifuni la laurea honoris causa di Tor Vergata” (イタリア語). www.ilmattino.it. 2019年2月4日閲覧。
- ^ “Laurea Magistrale Honoris causa a Gifuni - Cinema” (イタリア語). ANSA.it (2018年5月30日). 2019年2月4日閲覧。