ピーター・ウォーカー (ランドスケープアーキテクト)
ピーター・ウォーカー(Peter Walker, 1932年 - )はアメリカ合衆国のランドスケープデザイナー、アーバンデザイナー、環境デザイナー。妻マーサ・シュワルツもアメリカのランドスケープアーキテクト。ハーバード大学のランドスケープ学科長をつとめ、幾多のデザイン事務所の所長を経験, 1972年にはヒデオ・ササキと共同でSasaki Walker Associatesを設立した。
後に2人は袂を分かち1983年 Peter Walker and Partnersを設立した。 元ハーバード大学教授。ピーター・ウォーカー・アンド・パートナーズ主宰。
デザイナーとしても実績多数。プロジェクトとしては、パリの軸線路計画、磯崎新との播磨科学公園都市計画とタウンパーク設計、レム・コールハースとの公園計画、サンディエゴ市ダウンタウンの公園計画、ロサンゼルスのエキスポ・パーク修景計画等がある。
人物・来歴
[編集]カリフォルニア州パサディナ生まれ。1955年にカリフォルニア大学バークレー校デザイン学部ランドスケープデザイン学科卒業。1955年から1956年、イリノイ大学大学院ランドスケープ・アーキテクチェアおよび都市計画学専攻修士課程修了。1957年、ハーバード大学デザイン大学院ランドスケープ・アーキテクチェア学専攻修士課程修了。1959年から1972年まで、ヒデオ・ササキとササキ/ウォーカー・アンド・アソシエイツ(SWA)のパートナーをつとめ、SWAサンフランシスコ・オフィスを任される。1973年から1983年までは、SWAグループの取締役会長。
1976年から、ハーバード大学デザイン大学院ランドスケープ・アーキテクチユアおよび都市デザイン学専攻教授。1983年から、カリフォルニア州バークレー市を拠点にピーターウォーカー・アンド・パートナーズ事務所を設立。1992年、ウォーカーの事務所は、ウィリアム・J・ジョンソン・アソシエーツと合併、クライアントに対して提供するサービスの幅を一層広げ、ウォーカーとジョンソンは、数十年にわたり、共同作業を行なう。
作品はアーティスティックな幾何学的表現に特徴をもつ。2005年ASLA専門家賞。
主な作品
[編集]- フットヒル・カレッジ(1960年、カリフォルニア州ロス・アルト)
- アップジョン社本社(1961年、ミシガン州カラマズ)
- ウェアハウザー本社(1972年、ワシントン州タコマ)
- ゴールデンゲートウェイセンターとシドニー・ウォルトン公園(1968年、カリフォルニア州サンフランシスコ)
- セキュリティパシフィック・ナショナル銀行プラザ(1974年、カリフォルニア州ロサンゼルス)
- ニューポートビーチ集合住宅地、マリーナスクエア(1970年、カリフォルニア州ニューポートビーチ)
- ベイウッド(1974年、カリフォルニア州ニューポートビーチ)
- プロモントリーポイント(1975年、カリフォルニア州ニューポートビーチ)
- イーサン峡谷の集合住宅地イーサングレン(1975年、テキサス州ヒューストン)
- コンコード・パフォーミングアートセンターパビリオン(1975年、コンコード (カリフォルニア州) )
- エルクホーンリゾート(1976年、アイダホ州サンバレー)
- IBM西海岸プログラミングセンター(1977年、カリフォルニア州サンタ・テラッサ)
- マルボロー通り190番地屋上庭園(1979年、マサチューセッツ州ケンブリッジ)
- ケンブリッジセンター屋上庭園(1979年、マサチューセッツ州ケンブリッジ)
- バーネットパーク(1983年、テキサス州フォート・マス)
- ハーバード大学タナーファウンテン(1984年、マサチューセッツ州ケンブリッジ)
- IBMクリアレーク(1984年、テキサス州クリアレイク)
- Nasherスカルプチュアセンター、博覧会公園(カリフォルニア州ロサンゼルス)
- IBMウエストレイク/サウスレイクセンター(1989年、テキサス州ウエストレイクとサウスレイク)
- ハーマン・ミラー社工場(1984年、カリフォルニア州ロックリン)
- 高等生医学研究所(1984年、オレゴン州ポートランド)
- ベックマン・センター(1987年、カリフォルニア州アーバイン)
- ネッコガーデン(1980年、マサチューセッツ工科大学, マサチューセッツ州ケンブリッジ)
- アメリカの農園の死(1986年、サンフランシスコ・ガーデンショー、カリフォルニア州サンフランシスコ)
- バーガーを知っているよ(1987年、サンフランシスコ・ガーデンショー、カリフォルニア州サンフランシスコ)
- トドス・サントス・プラザ(1987年、カリフォルニア州コンコート)
- マリナーリニアパーク(1988年、カリフォルニア州サンディエゴ)
- セントラム(1989年、カリフォルニア州レッドウッドシティ)
- ソラナ計画(1993年、テキサス州ウエストレイクとサウスレイク)
- プラザタワーとタウンセンターパーク(カリフォルニア州コスタ・メサ)
- プリンシパル生命保険会社ビル(アイオワ州デス・モインス)
- カントリーサイドのゴミ処理場(イリノイ州レイクカントリー)
- オイローパハウス(ドイツ・フランクフルト)
- ミッション・グランダックス(フランス・パリ)
- ユーラリール都市公園(フランス・リール)
- ベルリン・ソニーセンター(ドイツ・ベルリン)
- スタンフォード大学パロアルト市計画(パロアルト (カリフォルニア州))
- カリフォルニア大学サンディエゴ校ライブラリーウォーク(カリフォルニア州サンディエゴ)
- 高級分譲コンドミニアム「Soho Mews」(ニューヨーク)
- リージェントホテル(ハワイ州コナ・コースト)
- アヤラ・トライアングル(フィリピン・マニラ)
- ボーイング社ロングエイカー公園(ワシントン州レントン)
- フレモント・パフォーマンス(カリフォルニア州フレモント)
- ケルン・ボン国際空港(ドイツ・ケルン)
- シアトル・タコマ国際空港(ワシントン州シアトル)
- ミュンヘン国際空港とケンピンスキホテル(ドイツ・ミュンヘン)
日本での作品
[編集]- 東京タワーおよび芝公園緑地化マスタープラン(東京都港区)
- 日本IBM幕張ビルディング(千葉市)と小山研修所(栃木県小山市)
- ソニー幕張テクノロジーセンター・豊砂公園(千葉市)
- 兵庫県立先端科学技術支援センター播磨科学公園都市・センターサークルとアーバンデザイン計画およびタウンパーク(兵庫県)
- 豊田市美術館(愛知県豊田市)
- 東京海上東日本研修センター、丸亀駅駅前広場(予讃線丸亀駅周辺市街地活性化事業、香川県丸亀市、平成2年度全国街路事業コンクール建設大臣賞[1])
- 北彩都あさひかわ(旭川市)
- さいたま新都心けやきひろば(さいたま市)
- 川崎ソリッドスクエア(川崎市)
参考文献
[編集]- 新建築1993年10月号 ピーター・ウォーカー・ウィリアム・ジョンソン・アンド・パートナーズ特集
- ピーター・ウォーカー アートとしてのランドスケープ プロセスアーキテクチャー
- ピーター・ウォーカー・ウィリアム・ジョンソン&パートナーズ:アートと自然の調和 プロセスアーキテクチャー ピーター・ウォーカー
- マーク・フランシス(Mark Francis)、ランドルフ・T・ヘスター共編『庭の意味論』佐々木葉二他訳、鹿島出版会
- ピーター・ウォーカー、メラニー・サイモ(Melanie Simo)著『見えない庭―アメリカン・ランドスケープのモダニズムを求めて』佐々木葉二他訳、鹿島出版会 1997
- 住宅建築 (277), 178-179, 1998年4月号
- 東京海上東日本研修センター(作品選集) 押野見邦英 , ピーター ウォーカー 建築雑誌 111(1385(作品選集1996))
- Walker, P. and Simo, M. (1994) Invisible gardens: the search for modernism in the American landscape. MIT. Press
- ランドスケープ批評宣言 018ピーター・ウォーカー・スタイル ─ メディアとしてのランドスケープ ─ 高橋靖一郎 INAX出版 2000
- SD 1994年7月号 現代を担う4人のランドスケープ・アーキテクト (ピーター ウォーカーの世界-ミニマリズムとランドスケープ・アーキテクチュア<特集>) Walker Peter, Lery Leah [著] , 中津秀之 [訳] Walker Peter [著] , 長谷川浩己 [訳]