浦和うなこちゃん
浦和うなこちゃん | |
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浦和駅西口のうなこちゃん像 | |
対象 | |
分類 | 市町村のマスコットキャラクター |
モチーフ | ウナギ |
デザイン | やなせたかし |
指定日 | 2005年[1][2] |
指定者 | 浦和のうなぎを育てる会 |
性別 | 女 |
備考 | さいたま市の観光大使に任命 |
浦和うなこちゃんは、埼玉県さいたま市浦和区のマスコットキャラクターである。やなせたかしの作で、さいたま観光大使である。
概要
[編集]江戸時代に中山道浦和宿からやや離れた場所にウナギのとれる沼地(別所沼、上谷沼)が多く、旅人や釣り客に提供していたことから、うなぎの蒲焼発祥の地と言われてきた[3][4]。埼玉県立文書館所蔵の会田家文書には紀伊藩邸にうなぎを献上していたことが記されているほか、浦和宿絵図(弘化年間)には蒲焼商の名が記載されており[5]、現在に至るまで浦和名物として市民や来訪者に親しまれている。2003年頃に浦和名物のうなぎをPRするキャラクターを、うなぎ店の中村屋の店主(大森好晴)が漫画家のやなせたかしに依頼し、うなこちゃんが考案された。同時にやなせは、PRソングとして「うなぎ小唄」と「ウナギヌラヌラソング」の作詞および作曲(ミッシェル・カマ名義)も手掛けた[6][7]。さいたま市の伝統産業として「浦和のうなぎ」が指定されている[5]。
浦和区を中心にした市内のうなぎ料理店約30店が加入する「浦和のうなぎを育てる会」(金子孝道会長)が、2008年5月に浦和駅西口にうなこちゃんの石像を作成し、さいたま市に寄贈した[1]。設置工事費は市が負担した[1]。5月23日に前夜祭が開催され[8]、うなこちゃんの着ぐるみがアンパンマンやばいきんまんなどと共演した。5月24日9時に駅西口改札前で、やなせ同席のもと石像の除幕式が開催された[1][9][3]。「浦和のうなぎを育てる会」は駅にあるものと同じデザインで小型の石像25体を製作し、1体を2009年5月3日に別所沼公園に寄贈した[10][11]。次第に浦和のキャラクターとして浸透し、さいたま市役所(旧浦和市役所)前で2002年から毎年5月に「浦和うなぎまつり」が開かれ、賑わいを見せている。創業200年近いという小島屋や山崎屋のほか、旧中山道沿いには1888年創業の満寿屋をはじめ、老舗のうなぎ店が軒を連ねており[12]、「うなぎまつり」や土用の丑の日などは特に混雑する。
沿革
[編集]- 2005年(平成17年) - うなこちゃんのデザインが初披露された[1][2]。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)5月3日 - 別所沼公園の弁天島入口に浦和駅前と同じデザインの石像が建立された。
- 2013年(平成25年)10月13日 - デザインを担当したやなせたかしが94歳で他界する[15]。
- 2015年(平成27年)2月6日 - アンパンマンミュージアム(香美市立やなせたかし記念館)で催されたやなせたかしバースデーイベントにうなこちゃんが招待され、香美市の「龍河洞リューくん」や須崎市の「なべラーマン」などのやなせキャラと共演した[16]。
- 2015年11月20日 - 別所沼公園にある石像が盗まれて浦和警察署が窃盗事件として捜査している[17][18][19]。2016年(平成28年)5月24日に有志により石像近辺の水中を検索したが発見に至らず[20][21][22]、未解決のままとなっている。
- 2016年(平成28年)7月30日 - 土用の丑の日にあわせて「浦和のうなぎを育てる会」から新しい石像が贈呈された[23][24]。
設定
[編集]うなこちゃんの石像
[編集]浦和地区の2ヶ所に、うなこちゃんの石像が設置されている。
同駅の待ち合わせスポットとしても定着している。
この石像は季節のイベントごとに持っている「うちわ」が浦和区役所の総務課により取り換えられている[26][15]。材質は御影石製で、高さは2.1メートルで幅は0.8メートル、総重量は2.6トンである[1][2]。
2009年5月に「浦和のうなぎを育てる会」が市に寄贈。駅前の石像と同じデザインで小ぶりのものが、別所沼で弁財天を祭る弁天島入口横に設置されている。高さ約30センチメートル、重量約18キログラム[27]。
2015年11月、何者かによって台座から石像が持ち去られた。盗難として市は被害届を出している。2016年月に沼の底の捜索も行われたが、見つからなかった [28] [29]。
2016年の土用の丑の日となる7月30日、「浦和のうなぎを育てる会」によって再び設置された [30] [31]。
ほかにも、市内のうなぎ店の店内に別所沼公園と同じ石像が置かれている[19][11]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “さいたま市長5月定例記者会見” (PDF). さいたま市. pp. 5-6,14 (2008年5月19日). 2015年11月11日閲覧。
- ^ a b c “「浦和うなこちゃん石像除幕式」の開催” (PDF). さいたま市 平成20年5月19日 市長記者会見 (2008年5月19日). 2015年11月12日閲覧。
- ^ a b 浦和うなこちゃん - やなせスタジオ(アンパンマンショップ)、2015年11月9日閲覧。
- ^ 『埼玉の謎学』3頁。
- ^ a b さいたま市の伝統産業 - さいたま市、2015年11月9日閲覧。
- ^ “CDうなぎ小唄”. やなせスタジオ(アンパンマンショップ). 2009年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月10日閲覧。
- ^ 浦和うなこちゃん -浦和のうなぎ- - さいたま市食育ナビ、2015年11月9日閲覧。
- ^ 浦和うなぎ祭り - やなせスタジオ(アンパンマンショップ)、2015年11月10日閲覧。
- ^ a b 5/24、浦和うなこちゃんは… - トムス・エンタテインメント公式ブログ、2008年05月23日、2015年11月9日閲覧。
- ^ “「うなこちゃん」石像が盗難 さいたま市の別所沼公園”. 中日新聞. (2015年11月20日). オリジナルの2015年11月22日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ a b “うなこちゃん早く戻って!石像なしの台座前で撮影も”. 日刊スポーツ新聞社. (2015年11月22日). オリジナルの2015年11月22日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ 『埼玉の謎学』2頁。
- ^ さいたま観光大使委嘱式 - やなせスタジオ(アンパンマンショップ)、2015年11月10日閲覧。
- ^ やなせたかし「うなこちゃんは無口なので」…観光大使 - (株)産経デジタル(ZAKZAK)、2008年4月12日、2015年11月11日閲覧。
- ^ a b “浦和うなこちゃん生みの親、やなせさん死去 埼玉”. 朝日新聞社 (2013年10月16日). 2015年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月10日閲覧。
- ^ “キャラ10体が高知県香美市に集合 やなせさん「誕生日」祝う”. 高知新聞社. (2015年2月7日). オリジナルの2015年11月22日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ “「浦和うなこちゃん」石像盗難 やなせたかしさんデザイン 「早く戻して」と関係者”. 産経新聞社. (2015年11月20日) 2015年11月21日閲覧。
- ^ “家出か…浦和うなこちゃんの像、持ち去られる 観光大使どこ行った?”. 埼玉新聞. (2015年11月20日). オリジナルの2015年11月20日時点におけるアーカイブ。 2015年11月21日閲覧。
- ^ a b “返して「浦和うなこちゃん」 別所沼公園から石像盗難”. 東京新聞. (2015年11月21日). オリジナルの2015年11月21日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ “「うなこちゃん」どこへ…水中捜索も見つからず”. 読売新聞. (2016年5月25日). オリジナルの2016年5月25日時点におけるアーカイブ。 2016年5月25日閲覧。
- ^ 金子智彦 (2016年5月25日). “埼玉)うなこちゃん今どこに…公園池を捜索、見つからず”. 朝日新聞社. オリジナルの2016年5月25日時点におけるアーカイブ。 2016年5月25日閲覧。
- ^ “不明の浦和うなこちゃん、さいたまの別所沼を捜索 石像、発見できず”. 埼玉新聞. (2016年5月25日). オリジナルの2016年5月25日時点におけるアーカイブ。 2016年5月25日閲覧。
- ^ “浦和うなこちゃんの石像、再設置 「戻って良かった」市民も再会喜ぶ”. 埼玉新聞 (2016年7月31日). 2016年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月31日閲覧。
- ^ “窃盗被害の「浦和うなこちゃん」 改めて公園に設置”. NHKニュース (2016年7月30日). 2016年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月30日閲覧。
- ^ さいたま観光大使「浦和うなこちゃん」のお話し - さいたま観光国際協会、2015年11月9日閲覧。
- ^ 「うなこちゃんうちわ」の作者登場!2012年コレクション - サンケイリビング新聞社(リビング埼玉Web)
- ^ “人気の像返して…「うなこちゃん」接着剤劣化か”. 読売新聞. (2015年11月21日). オリジナルの2015年11月21日時点におけるアーカイブ。 2015年11月22日閲覧。
- ^ “「うなこちゃん」像どこへ? 盗難か”. 産業経済新聞社 (2016年5月25日). 2023年2月21日閲覧。
- ^ “スクープなるか。別所沼で消えた「浦和うなこちゃん像」の大捜索に遭遇!”. LIVING埼玉. サンケイリビング新聞社 (2015年5月25日). 2023年2月21日閲覧。
- ^ “浦和うなこちゃんの石像、再設置 「戻って良かった」市民も再会喜ぶ”. 埼玉新聞 (2016年7月31日). 2023年2月21日閲覧。
- ^ “浦和うなこちゃん 拍手とともに復活 姿消して8カ月ぶり”. 毎日新聞(有料記事) (2016年7月30日). 2023年2月21日閲覧。
参考文献
[編集]- 博学こだわり倶楽部『埼玉の謎学』河出書房新社、2014年12月1日、72-74頁。ISBN 978-4-309-49908-6。
関連項目
[編集]- 官公庁のマスコットキャラクター一覧
- ゆるキャラ
- ゆる玉応援団
- 浦和うなぎまつり
- うながっぱ - やなせがデザインしたうなぎをモチーフにしたゆるキャラ。浦和うなぎまつりで共演を果たしている。
- よしかわ駅 - やなせがデザインした「よしかわ うなお君」という、うなこちゃんによく似た駅のキャラクターが制定されている。
外部リンク
[編集]- 浦和のうなぎを育てる会 - 公式フェイスブック
- 浦和のうなぎ - さいたま観光国際協会
- 【 浦和のうなぎ 】さいたま市浦和区(旧浦和市) - 旅と歴史