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カライトソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カライトソウ
カライトソウ、三ノ峰(福井県大野市)にて、2016年7月30日撮影
カライトソウ、三ノ峰(2016年7月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: ワレモコウ属 Sanguisorba
: カライトソウ S. hakusanensis
学名
Sanguisorba hakusanensis Makino[1]
和名
カライトソウ

カライトソウ(唐糸草、学名Sanguisorba hakusanensis Makino[1])は、バラ科バラ亜科ワレモコウ属分類される多年草の1[2]。種小名の「hakusanensis」は、両白山地白山を意味する[3]和名は、美しい雄蕊中国)渡来の絹糸に見立てたことに由来する[4]

特徴

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草丈は30-100 cm[4]は斜め上または真上に伸び、上部が少し枝分かれし、緑色でほとんど毛がない[3]根茎は太い[5]根生葉側小葉は、4-6対[6]、羽状複葉[4]。小葉は楕円形-長楕円形[2]、長さ4-6 cm、縁に鋭い鋸葉がある[6]。葉の裏面は粉白色、10数対の隆起した側脈がある[6]。茎葉は小さい[5]花穂は長さ4-10 cmの細長い円柱形で垂れ下がる[4]。1-数個が散房状につき、淡褐色の綿毛が密生する[6]。白花品のものもある[2]。小花は紅紫色で直径が約1 mm[3]花弁はない[7]。雄蕊は6-12個、がく片よりも長く、長さ7-10 mm[6]、黒紫色の点状の葯が付き、雌蕊は1本[3]。葯は乾くと黄褐色となる[5]。花は花穂の上から下へと咲き進む[4]。がく片は筒状の楕円形、4稜があり、そりかえり、外面の下方に毛がある[3]。花期は7-9月[6]果実はそう果で、がく筒に包まれ、逆さ卵形で革質[3]染色体数は、2n=28(4倍体)[6]

分布と生育環境

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白山の草地に生育するカライトソウ

日本固有種[2]本州中部地方日本海側飛騨山脈北部、白山から滋賀県三国山などにかけて[2])に分布する[4]赤坂山の山域で、この南限または西南限となっている[8]基準標本は白山のもの[2][6]。『花の百名山』(田中澄江著)で、飛騨山脈の爺ヶ岳を代表する花の一つとして紹介された[9]

飛騨山脈唐松岳の八方尾根(長野県北安曇郡白馬村)には、ワレモコウとの雑種と考えられているハッポウワレモコウ(八方吾亦紅、学名:Sanguisorba x takahashihideoi Naruh.[10]が分布している[2]朝鮮半島に、変種のコウライカライトソウ(学名:Sanguisorba hakusanensis Makino var. coreana H.Hara)が分布している[5]

亜高山帯から高山帯にかけての砂礫地、岩壁、草地などのあまり乾燥しない場所[7]に生育する[2]ゴマシジミ幼虫が、葉を食草としている[11]

種の保全状況評価

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以下の都道府県により、レッドリストの指定を受けている。

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “カライトソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2017年7月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 豊国 (1988)、379頁
  3. ^ a b c d e f 前沢 (1970)、80頁
  4. ^ a b c d e f 林 (2009)、413頁
  5. ^ a b c d 佐竹 (1982)、184頁
  6. ^ a b c d e f g h 清水 (2014)、218-219頁
  7. ^ a b 小野 (1987)、455頁
  8. ^ 琵琶湖と生き物、山の植物” (PDF). 滋賀県. pp. 101. 2017年7月17日閲覧。
  9. ^ 田中 (1980)、292-295頁
  10. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ハッポウワレモコウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月17日閲覧。
  11. ^ 須田 (2012)、165頁
  12. ^ カライトソウ”. 岐阜県. 2017年7月17日閲覧。
  13. ^ 新潟県第2次レッドリスト(植物編・維管束植物)カテゴリー順・分類群” (PDF). 新潟県. pp. 10 (2014年7月31日). 2017年7月17日閲覧。

参考文献

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  • 小野幹雄、林弥栄(監修) 編『原色高山植物大図鑑』北隆館、1987年3月30日。ISBN 4832600079 
  • 清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300 
  • 須田真一、永幡嘉之、中村康弘、長谷川大、矢野勝也 著、日本チョウ類保全協会 編『日本のチョウ』誠文堂新光社〈フィールドガイド〉、2012年4月30日。ISBN 978-4416712030 
  • 田中澄江『花の百名山』文藝春秋、1980年7月。ASIN B000J86YXA 
  • 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1 
  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1982年3月17日。ISBN 458253502X 
  • 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421 
  • 前沢秋彦『高山植物』保育社〈標準原色図鑑全集 11〉、1970年1月。ISBN 4586320117 

関連項目

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外部リンク

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