ウェルシュ・ラビット
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ウェルシュ・ラビット | |
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ウェルシュ・ラビットの例 | |
別名 | ウェルシュ・レアビット |
フルコース | セイボリー |
発祥地 | イギリス |
提供時温度 | 温製 |
主な材料 | |
派生料理 | バック・ラビット、ブラシング・バニー、ホットブラウン |
Cookbook ウィキメディア・コモンズ |
ウェルシュ・ラビット(英語: Welsh rarebit)はイギリス料理の一種。トーストに温かいチーズソースをかけた料理である。
古くはWelsh rabbitと綴っていた[1]。日本語のカタカナ表記としてはウェルシュ・レアビットとすることもある[2]。
概要
[編集]古くはWelsh rabbitと綴られていたが、rabbit=ウサギの肉は使用されない。見た目がウサギに近いわけでもなく、名前の由来は不明である[1]。発祥もはっきりしないが、1725年の文献に登場するのが最も古い記録であり、1500年頃から作られていたと考えられている[3]。
また、発祥がウェールズという確証もなく、かつてイングランド人がウェールズ人を揶揄する意味で、低品質の贋真珠を「ウェルシュ・パール」と呼んだように、チーズトーストを「贋物のウサギ肉」=ウェルシュ・ラビットと呼んだとする説もある[2]。
チーズ、バター、ビール(エール)、卵黄、ウスターソースを混ぜてソースを作り、パンに乗せて焼く[1][4]。チーズにはチェダーチーズが推奨されることが多いが、ランカシャーチーズのほうが美味しいとする意見もある[4]。
2017年3月22日には駐日英国大使館と英国政府観光庁の共催で、「不思議の国 ウェールズ ウェルシュ・レアビット プロモーションイベント」が開催された[3]。
バリエーション
[編集]- バック・ラビット (Buck rarebit)
- ウェルシュ・ラビットに目玉焼きを乗せる。ゴールデン・バック(Golden buck)とも呼ばれる。
- ハナー・グラス著の料理本「The Art of Cookery Made Plain and Easy」記載のバリエーション
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- スコッチ・ラビット (Scotch rabbit)
- 両面をトーストしたパンに、パンより大きいサイズのスライスチーズを加熱して乗せる。
- イングリッシュ・ラビット (English rabbit)
- 両面をトーストしたパンを赤ワインに浸す。薄く切ったチーズを何枚もパンの上に置き、加熱して焦げ目をつける。
文化の中のウェルシュ・ラビット
[編集]- ミイラとの論争 - エドガー・アラン・ポーの小説。主人公の大好物としてウェルシュ・ラビットが挙げられている。
- 赤信号(The Red Signal) - アガサ・クリスティの短編推理小説。チーズ好きの登場人物の1人が「最近はウェルシュ・ラビットも断っている」旨の台詞を口にする。
- チーズトーストの悪夢 - ウィンザー・マッケイのコミック・ストリップ。寝る前にウェルシュ・ラビットを食べたさまざまな登場人物が見る夢を題材にしている。
- ゴスフォード・パーク - 2001年製作のイギリス映画。貴族の晩餐会のシーンでウェルシュ・ラビットが提供されている[2]。
出典
[編集]- ^ a b c 佐藤政人『世界のサンドイッチ図鑑:意外な組み合わせが楽しいご当地レシピ355』誠文堂新光社、2017年、22頁。ISBN 978-4416616475。
- ^ a b c マクギネス真美 (2015年6月1日). “ウェルシュ・レアビット”. 英国ニュースダイジェスト. 2017年12月22日閲覧。
- ^ a b “不思議の国 ウェールズの家庭料理「ウェルシュ・レアビット」の魅力”. ウェールズ政府公式サイト (2017年2月28日). 2017年12月27日閲覧。
- ^ a b 本間るみ子『チーズの選び方・楽しみ方厳選チーズカタログ113種』主婦の友社、2013年、138頁。ISBN 9784072387474。
外部リンク
[編集]- ウェルシュ・レアビット - クックパッドに駐日英国大使館シェフが掲載したレシピ