ザピエカンカ
ザピエカンカ(ポーランド語: zapiekanka)は、ポーランドのオープンサンドイッチ[1]。ポーランドではストリートフードの代表格とされる[1][2]。
概要
[編集]ポーランドでは、古くから愛される料理である[1]。街角のスタンドなどでも売られており、小腹が空いたときの間食としても人気が高い[1]。ポーランドには、ザピエカンカの専門店もある[3]。
細長いパン(バゲット[2])の上に、マッシュルームのソテーなどの具とチーズを乗せて焼いて、トマトケチャップをかけた料理で、20センチメートルから30センチメートルの大きなサイズなのも特徴である[1][3]。使用される具の種類は豊富にある[3]。
バリエーションは無数にあり、使用するチーズも、エダムチーズ、エメンタールチーズ、ゴーダチーズなど、さまざまなものが使用され、ポーランドでは羊乳から作るチーズのオスツィペックも用いられる[2]。
歴史
[編集]ザピエカンカが登場するのは、1970年代になってからである。
この時代のポーランドはエドヴァルト・ギェレク政権の下、外食産業への民間企業の参入規制を緩和したことで、マワガスロノミアと呼ばれる家族経営の小さな食堂が急速に増加した。そこでは、キルバサソーセージ、アイスバイン、トライプスープといったシンプルなポーランド料理や、ホットドッグ、ハンバーガー、アイスクリーム、フライドポテトといったアメリカ合衆国由来のファーストフードを定番料理とすると共に、ザピエカンカを提供していた[4][5]。
1990年代になってポーランドに市場経済が導入されるとザピエカンカの需要は減ったが、大規模なファーストフードチェーンとの競争を生き残った少数の「マワガスロノミア」では、提供が継続された。クラクフのカジミエシュ地区のザピエカンカは、カルト的な人気を得ている。
出典
[編集]- ^ a b c d e “街角で大人気! ポーランド風ピザトースト「ザピエカンカ」”. 山崎製パン. 2024年11月2日閲覧。
- ^ a b c 佐藤政人「ザビエカンカ」『世界のサンドイッチ図鑑 :意外な組み合わせが楽しいご当地レシピ355』誠文堂新光社、2017年、115頁。ISBN 978-4416616475。
- ^ a b c 『A26 地球の歩き方チェコポーランドスロヴァキア 2025~2026』地球の歩き方、2024年、277頁。ISBN 978-4059223788。
- ^ Chwalba, Andrzej, ed (2008) (ポーランド語). Obyczaje w Polsce: Od średniowiecza do czasów współczesnych [Customs of Poland: From the Middle Ages to Modern Times]. Warszawa: Wydawnictwo Naukowe PWN. p. 380. ISBN 978-83-01-14253-7
- ^ “Zapiekanki z "keczukiem" wprost z przyczepy kempingowej: Początki małej gastronomii [Zapiekanki with "ketchuk" straight from a travel trailer: Beginnings of "small gastronomy"]” (ポーランド語). TVP Info (Telewizja Polska). (2015年3月28日). オリジナルの2016年10月18日時点におけるアーカイブ。 2024年11月3日閲覧。