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アラン・ブラッドリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラン・ブラッドリー
Alan Bradley
誕生 1938年????
カナダの旗 オンタリオ州トロント
職業 作家
言語 英語
国籍 カナダの旗 カナダ
活動期間 1994年 -
ジャンル ミステリ
代表作 少女探偵フレーヴィア シリーズ
主な受賞歴 アガサ賞最優秀新人賞
デビュー作パイは小さな秘密を運ぶ
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アラン・ブラッドリーAlan Bradley1938年 - )は、カナダ推理作家。代表作は『パイは小さな秘密を運ぶ』から始まる「少女探偵フレーヴィア シリーズ」。

経歴

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出生〜エンジニア

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1938年カナダオンタリオ州トロントに生まれる。2人の姉と共に、トロント中心部から東へ約100キロメートル行った小さな町コーバーグで育つ。ブラッドリーがよちよち歩きの頃に父親が家を出ていき、母親が女手一つで3人の子供を育てた[1]。子供の頃はベッドで1人寂しく過ごすことが多く、本を読み始めたのもその頃であった[2]が、高校では特に[2]「悪い生徒だった」と回顧しており[1]、学校になじめず、暇な時には地元の墓地で読書するなどして時間を潰していたという。

高校卒業後、地元でラジオやテレビのエンジニアとして働き始め、電気システムの設計や組み立てをしていた。その後、ライアソン工科専門学院(現・ライアソン大学)に短期間勤め、1969年サスカトゥーンへ引っ越し、サスカチュワン大学に教員として就職する。そこで、テレビのエンジニアディレクターとして約25年間勤め、放送スタジオの発展などに寄与した。1994年に専業作家になる為に早期退職した[1]

作家としてのキャリア

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書くことには昔から興味があったが、真剣に考え始めたのはサスカトゥーンに越した後の30代前半の頃からで、ライティング・グループに加わり、地元の作家たちと交流を深めていった。

その頃に書いた短編小説の何編かはCBCラジオで朗読され、雑誌に掲載され出版された。1994年にサスカチュワン大学を早期退職した後、妻シャーリーの仕事の都合でブリティッシュコロンビア州ケロウナへ引っ越し、自身は執筆業に専念した。9年の間に映画のシナリオなども多数執筆した。2003年に発生したオカナガン・マウンテン・パークの山火事で多くの近隣住民が被災したが、ブラッドリー家は被害を免れた。この火事の体験により、シナリオとは違うことをしたくなり、伝記執筆に取り組み始め[1]、上梓したのがノンフィクション"Mr Holmes of Baker Street" と、伝記"The Shoebox Bible" である[2]。その後、2006年に小説の執筆に取りかかる。

その後まもなく、妻がCBCラジオをかけていた時に、カナダの推理作家ルイーズ・ペニーイギリス英国推理作家協会が主催するCWA賞の新人賞であるデビュー・ダガー賞のことを話しているのを耳にする。同賞は、殺人事件が起こる小説のプロットと第1章の提出が応募要件で、それを知った妻は、マイナーなキャラクターが出てくる小説がいいと「スツールに座った女の子」の話を書くよう薦め、ブラッドリーは執筆を始める。2007年の初め、フレーヴィア・ド・ルースという「スツールに座った女の子」が登場する15ページ分をダガー・コンテストに送った。その部分は数日で書き上げたが、数週間かけより磨きあげ、『パイは小さな秘密を運ぶ』(原題:The Sweetness at the Bottom of the Pie )として完成した[1]。同作の舞台はイングランドだが、ブラッドリーは当地を訪れたことがなかった[2]。2007年6月、コンテストの審査員から代理人に、出版に興味を示している旨の連絡があり、それはブラッドリーが最優秀賞を取ったことを暗に示していた。6月27日に入札が行われ、デビュー・ダガー賞のスポンサーであるイギリスのオリオン出版が3冊分の権利を落札した。数日後、ダブルデイがカナダでの出版権を、バンタム・ブックスがアメリカでの出版権を買った。7月5日、ダガー賞授賞式のためロンドンを訪れ、69歳にして初めて北アメリカを出た。

授賞式を終え、カナダに戻った後、数週間休み、7か月かけて15ページを1冊分の長編に仕上げた。『パイは小さな秘密を運ぶ』は2009年1月にイギリスで[1]、2月にカナダで出版された。同作は1950年代を舞台に少女フレーヴィア・ド・ルースが様々な謎を解決していくシリーズとして展開していく。シリーズ第2作『人形遣いと絞首台』(原題:The Weed That Strings the Hangman's Bag )が2010年3月に[3]、第3作『水晶玉は嘘をつく?』(原題:A Red Herring without Mustard )が2011年2月に[4]、第4作『サンタクロースは雪のなか』(原題:I Am Half-Sick of Shadows )が2011年12月に[5]、第5作『春にはすべての謎が解ける』(原題:Speaking from Among the Bones )が2013年1月に刊行[6]、さらに第6作『不思議なキジのサンドウィッチ』(原題:The Dead in Their Vaulted Arches )が2014年に刊行された[7]。シリーズは現在6冊出ているが、10冊までは書く予定である[7]

2012年、映画監督サム・メンデスがテレビドラマのシリーズとして「少女探偵フレーヴィア」シリーズを映像化するつもりであると述べた[8]

私生活

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妻と共に自身の作品の舞台となっている国々を訪れながら、残りの人生を過ごそうと、2009年にケロウナの自宅を売却した[1]

作品リスト

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少女探偵フレーヴィア シリーズ

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# 邦題 原題 刊行年
イギリスの旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
1 パイは小さな秘密を運ぶ The Sweetness at the Bottom of the Pie 2009年 2009年11月 古賀弥生 東京創元社
創元推理文庫
2 人形遣いと絞首台 The Weed That Strings the Hangman's Bag 2010年 2010年12月
3 水晶玉は嘘をつく? A Red Herring Without Mustard 2011年 2011年11月
4 サンタクロースは雪のなか I Am Half-Sick of Shadows 2011年 2012年11月
5 春にはすべての謎が解ける Speaking from Among the Bones 2013年 2014年4月
6 不思議なキジのサンドウィッチ The Dead in Their Vaulted Arches 2014年 2015年11月

その他

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  • Ms. Holmes of Baker Street (2004) - William A.S. Sarjeantとの共著
  • The Shoebox Bible (2006)

受賞・ノミネート

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作品名 結果
パイは小さな秘密を運ぶ 2007年 CWA賞 デビュー・ダガー賞 受賞
2009年 Apple iTunes
ベスト・オーディオブック部門
受賞
インディゴ・ブックセラーズ・チョイス賞 受賞
2010年 アガサ賞 最優秀処女長編賞 受賞[9]
アーサー・エリス賞 最優秀処女長編賞 受賞
アレックス賞 ノミネート
ディリス賞 受賞[10]
スポテッド・オウル賞 受賞
マカヴィティ賞 処女長編賞 受賞[11]
バリー賞 処女長編賞 受賞[12]
アンソニー賞 新人賞 ノミネート[13]

出典

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  1. ^ a b c d e f g Morrow, Fiona, "At 70, a novelist is born", The Globe and Mail, February 14, 2009, pg. R1. Factiva (subscription required). Retrieved 24 July 2012.
  2. ^ a b c d Alan Bradley Interview”. AbeBooks. 2012年4月4日閲覧。
  3. ^ H.J. Kirchoff (2010年3月26日). “A delightfully deadly child sleuth”. グローブ・アンド・メール. 2012年7月24日閲覧。
  4. ^ Elizabeth J. Duncan (2011年2月11日). “Flavia de Luce is back in fine form”. グローブ・アンド・メール. 2012年7月24日閲覧。
  5. ^ Dragana Kovacevic (2011年12月7日). “The return of Flavia de Luce: Delightful mystery, plucky heroine, good fun”. グローブ・アンド・メール. 2012年7月24日閲覧。
  6. ^ Anne Sutherland (2013年2月2日). “Tales of Flavia's adventures can't come quickly enough”. The Montreal Gazette. The Montreal Gazette. 2013年2月3日閲覧。
  7. ^ a b Donna Paris (2013年1月5日). “Saturday Afternoon Book Club – January 2013: Speaking from Among the Bones”. Canadian Living. 2013年9月2日閲覧。
  8. ^ Director Sam Mendes options Flavia de Luce mystery series”. グローブ・アンド・メール (2012年5月9日). 2013年1月23日閲覧。
  9. ^ Past Agatha Award Winners & Nominees”. Malice Domestic Convention. 2014年5月17日閲覧。
  10. ^ The DILYS AWARD”. The Independent Mystery Booksellers Association. 2014年5月17日閲覧。
  11. ^ Macavity Awards”. Mystery Readers International. 2014年5月17日閲覧。
  12. ^ Barry Awards”. Deadly Pleasures Mystery Magazine. 2014年5月17日閲覧。
  13. ^ Anthony Award Nominees and Winners”. Bouchercon World Mystery Convention. 2014年5月17日閲覧。

外部リンク

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