コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アストンマーティン・V8

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アストンマーティン・V8
V8 ヴァンテージ (1982)
V8 ヴァンテージ ヴォランテ (1986)
前身となったDBS V8(手前)
ボディ
ボディタイプ 2ドア クーペ
2ドア コンバーチブル
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 5,340cc[1][2]水冷90V型8気筒DOHC
変速機 クライスラー製トークフライト3段AT[1][2]またはZF製フルシンクロ5MT[1][2]
車両寸法
ホイールベース 2,605 mm
全長 4,590 mm
全幅 1,830 mm
全高 1,330 mm
車両重量 1,800 kg
その他
系譜
先代 DBS V8
後継 ヴィラージュ
テンプレートを表示

V8は、アストンマーティン・ラゴンダが1972年4月から1989年10月に製造したスポーツカーであり、Sr.1-Sr.5までのモデルが存在する。主任技師マレックがアストンマーティン引退間際に全力をあげて設計したDBS V8の発展型モデル。

前モデルの「DBS V8」とは、ヘッドライト部分を含めたノーズ部分のデザインが大きく異なる。

1971年にアストンマーティンの経営権がデヴィッド・ブラウンからカンパニー・ディベロップメンツに代わったことからV型8気筒エンジンにはDBシリーズの名は冠せられていないが、基本設計は旧DBシリーズの直系にあたる。

英国スポーツカー伝統のシューティングブレークも存在し、1977年からは高性能モデルのV8ヴァンテージも生産された。このV8ヴァンテージは、0~60mph(約96km/h)加速でフェラーリ・デイトナを凌駕し、170mph(約274km/h)に達する最高速度で、「英国初のスーパーカー」と称賛された。

007シリーズにおいては1987年公開の『007/リビング・デイライツ』にヴァンテージ・ヴォランテとサルーンが、2021年公開の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にヴァンテージ・サルーンが登場している。また、本編ではないが2015年公開の『007 スペクター』公開を記念したジレットのCMにおいて銀色のサルーンが登場している。

007シリーズ以外ではレッドのヴァンテージが、ローワン・アトキンソン主演のスパイコメディアクション映画ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』(2018年)に、イギリスの諜報機関MI7から主人公に支給された車として登場する。

概要

[編集]
エンジン

エンジンは、その名の通り5,340cc[1]の水冷90V型8気筒エンジンを搭載。V型8気筒エンジンにDOHCという当時としてはかなり贅沢な設計で、最高回転6,250rpmという高回転型エンジンに仕上げられている。

初期型はボッシュ製の機械式燃料噴射装置[1]であったが、排気ガス規制対応のため後期型[2]はダウンドラフトツインチョークウェーバーキャブレター4基[1][2]に変更されている。

305hp/5,200rpm[1][2]。0-400mは14.3秒、最高速度270km/h[1]。高性能モデルV8ヴァンテージの最終型が搭載する580X型エンジンは430hpを出すとも言われている。

シャシ

スーパーレジェッラ工法[1]による、細い鋼管にアルミパネルを手作業で溶接したボディは、22層もの塗装が施されている。大きなV型8気筒エンジンを収めたロングノーズと、古いイタリア車風のバックラインを持つが、ボディは大きめ。車両重量1,800kg。

トランスミッション

クライスラー製トークフライト3速AT[1]と、ZF製5速フルシンクロMT[1]が同じ価格で用意されていた。

足回り

当時最高級のパワーステアリングが搭載されており、現代車に比べればペダルはかなり重いが、ガーリング製[1]4ポット・キャリパーとベンチレーテッドディスクブレーキ[1]ロッキードAP製のバキュームサーボでアシストしたブレーキは耐フェード性も高く、信頼性の高い制動力を持っていた。

内装

子牛5頭分のコノリーレザーによる。パネルにはスミス製の6つのメーターとルーカス製のアンペアメーター(Sr.4からはボルトメーター)計7連がW型に配置されている。Sr.3までは結晶塗装のパネルにメッキリングのメーターが輝き、Sr.4からはメッキリングが廃止され、代わりに風合いのあるウッド製のパネルとなった。エア・コンディショナーも装備されていた。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 『外国車ガイドブック’75』p.122。
  2. ^ a b c d e f 『外国車ガイドブック’76』p.116。

参考文献

[編集]