JR東日本E217系電車
JR東日本E217系電車 | |
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ファイル:JR East E217 Series Y-50 Yokosuka Line.jpg 横須賀線を走行するE217系 | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 |
東急車輛製造 川崎重工業 東日本旅客鉄道大船工場[* 1] 東日本旅客鉄道新津車両製作所 |
製造年 | 1994年 - 1999年 |
製造数 | 745両 |
運用開始 | 1994年12月3日 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流 1,500 V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 120 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 2.0 km/h/s[1] |
減速度(常用) | 4.2 km/h/s[2] |
全長 |
・連結面間距離 一般車 20,000 mm グリーン車 20,500 mm |
全幅 | 2,950 mm |
全高 |
4,070 mm パンタグラフ折畳時 4,135 mm |
車体 | ステンレス |
台車 |
軸梁式ボルスタレス台車 DT61/TR246形 |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 95 kW |
駆動方式 | TD継手平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 16:97 (1:6.06) |
制御方式 |
GTO素子VVVFインバータ制御 (製造時) IGBT素子VVVFインバータ制御 (更新後) |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ |
保安装置 |
ATS-SN ATS-P ATC-5(使用停止) |
備考 |
脚注 |
E217系電車(E217けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流近郊形電車[3]。
概説
横須賀線と総武快速線で運用されていた113系の置き換えを目的として、1994年(平成6年)8月に量産先行車(1次車)である基本編成11両+付属編成4両の第01・02編成が落成[3]し、同年12月3日より営業運転を開始した[4]。翌1995年(平成7年)11月以降は量産型の落成が始まり、以降1999年(平成11年)11月落成まで基本編成51本、付属編成46本計745両が製造された。
本系列は国鉄 - JR化以来の近郊形車両で初めての4扉構造を採用した[5]。それまでの近郊形車両は国鉄時代から3扉構造が踏襲されており、4扉近郊形車両は国鉄時代に導入が検討されたこともあったが実現には至っていなかった。車内の座席配置については混雑緩和を最優先とし、通勤形タイプとなるロングシート構造を基本としながら編成中の一部車両(基本編成11両中3両)には遠距離旅客や観光客へ配慮したクロスシートを設けたセミクロスシート構造とした。また、基本編成のみ2階建て構造のグリーン車を組み込んでいる[3]。
JR東日本が「新系列車両」として開発した通勤形車両209系を近郊形車両へと改良・発展させたのが本系列である[6]。本系列のデザイン開発はGKインダストリアルデザインによるものである。1995年(平成7年)度通商産業省選定グッドデザイン商品、商品デザイン部門)受賞。
車両の製造は川崎重工業、東急車輛製造、JR東日本新津車両製作所およびJR東日本大船工場(中間車12両[注 1]のみ製造)で行われた(グリーン車は川崎重工業・東急車輛のみで製造)。ただし、大船工場製は東急車輛製造から車両構体を購入し、内装組み立てや艤装作業を大船工場で行ったものである[7] (ノックダウン生産)。
1994年より大船電車区に集中投入、1997年からは幕張電車区にも投入され、1999年(平成11年)12月4日に横須賀線・総武快速線のすべての113系を置き換えた。
その後本系列の動向に変化はなかったが、2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正より幕張車両センター(千マリ)所属の全編成の所属が鎌倉車両センター(横クラ)へ変更になった[8]。変更後、本系列は幕張車両センターにおいて車両留置のみとなった。また、同改正に合わせて一部の編成が国府津車両センター(横コツ)に転属し、東海道本線に転用された[8]。詳しくは下記の「#東海道本線」の節を参照されたい。
2015年(平成27年)3月に東海道本線での運用を終了し、同年5月までに国府津車両センター配置車両は鎌倉車両センターに転属した。以後は全車両が鎌倉車両センターに配置される[9]。
本系列の後、近郊形電車の生産は「一般形電車」として統一されたE231系近郊タイプに引き継がれたが、同系列の車体の基本構造や内装デザインに大きな相違はない。
仕様・構造
車体
車体構造は209系と同じ軽量ステンレス車体であるが、車体幅が 2,950 mm(209系0番台は 2,800 mm)に拡大され、裾絞りのある車体となった[10]。拡幅車体を採用したため、曲線走行時の車両限界超過を防ぐために台車間距離が 13,800 mm(209系は 13,300 mm)に拡げられた[10](拡幅車体で台車中心間距離を13,300mmとした場合、曲線区間での車体のはみ出しが大きすぎてしまう)。全長は先頭車について併結運転も考慮して、連結面間全長を 20,000 mm に収めている[10]。ただし、グリーン車用の2階建て車両は定員確保を目的として連結面間 20,500 mm、台車間距離 14,150 mmとした[10]。
車体構造についてはメーカーの製作工法で若干異なり、東急車輛製造と新津製作所・大船工場製は従来の骨組み+外板で構成しているが、川崎重工業製は骨組みを廃した「2シート工法」(車体外板とインターパネル2枚の板材で強度を確保)で製作している。
先頭車両は踏切が多い区間を高速運転するため、高運転台構造とされ[3]、運転席は設計上できる限り高い床面上500mmの位置とした[11]。運転台は209系と同様左手操作形ワンハンドル方式を採用している。
また、1992年(平成4年)の成田線大菅踏切事故の教訓を踏まえ、運転士の安全を確保するため先頭車両に衝撃吸収構造を採用している[3][12]。前頭部は FRP 製の前面オオイを取り付ける構造であるが、衝撃吸収構造のため、前面窓ガラス下部に衝撃吸収用のアルミハニカムを装備し、さらには強固な構造で乗務員を保護する「サバイバルゾーン」と、つぶれることで衝撃を吸収する「クラッシャブルゾーン」を設けている[12][6]。このため、運転台の奥行きは209系の 1,860 mm よりも広い 2,120 mm を確保している[13]。
この構造はE231系近郊タイプやE531系、通勤型であるE233系にも採用された。
- 右の写真で先頭部(右の青ライン上部付近)が乗務員室サバイバルゾーン、乗務員室扉部(中央の赤ライン上部付近)がクラッシャブルゾーン、客室部(左の青ライン上部付近)が客室サバイバルゾーン
また品川 - 錦糸町間の長大トンネル区間(東京トンネル・総武トンネル)を走行することから、非常時脱出に配慮して前面に貫通扉を設けた構造となった[10][注 2]。貫通路は通常は閉鎖しているが、非常時のみ通り抜けができる[10]。この貫通扉は外開き式プラグドア構造で、本系列の併結のほか113系との併結時にも使用できる[11]。
その後、省令改正に伴って貫通扉の設置が不要となったため[注 3]、7次車からは前面デザインを変えずに非常用貫通扉は廃止された[12]。
なお、1次車は前面のステップが分割形となっているが、2次車からは貫通扉(プラグドア)自体の構造を簡素化するためにステップを連続形とし、扉はステップ上部をスライドする仕組みとされた。
車体側面の行先表示器は製造開始当初209系と同じ幕式であったが、7次車よりLED式を採用した。ただし、以降に述べるトイレ設備関連に伴う先頭車差し換えを行うため、7次車のうち落成時のクハE216-2000形で従来の編成に組まれる5両は側面表示が幕式で新製された。また、差し換えで7次車に組まれる従来のクハE216形2000番台5両はこの時点で側面表示のLED化を実施した。その後は幕式の車両もLED式に順次交換されている。
車内設備
車内は基本的に209系の仕様を踏襲しており、白色系の内装材、床敷物は灰色を採用している。車椅子スペースは各先頭車の連結面側に設置した[11]。
座席は一般席においては表地を背ずり部を青色の斜めストライプ柄、座面は青色の単色柄とした片持ち式バケットシート構造である[11][12]。座席はロングシート車両とセミクロスシート車両があり、後者は車端部(連結面)寄り座席はロングシート(3席)、ドア間の座席は「ロング2席・ボックス式クロス4席・ロング2席」の配置となっている[10]。ただし、先頭車両は構造上の関係(後述)で最前位のドアが後位寄りへ設置されたため、ロングシート車両・セミクロスシート車両ともに先頭側のドア間の座席はロングシート(4席)となっている。いずれの座席とも1人分の掛け幅は450mmを確保しているほか、7人掛け座席間には定員着席を促すための縦握り棒(スタンションポール)を設置している[11]。座席定員はセミクロスシート車両の方がドア間あたり2人分多いが、立席スペースがロングシート車よりドア間あたり2人分少ないため、乗車定員はロングシート車・セミクロスシート車とも全く同じである。
側窓は可視光透過率41%のグレーに着色された熱線吸収ガラスを使用し、カーテンの設置は省略した(グリーン車を除く)[10]。ドア間の大窓は全て開閉可能となり、セミクロスシート車および初期のロングシート車両は、側窓を3分割し、中間部分が下降式となっている[10]。これはクロスシート時の座席配置を考慮したものである[10]。ロングシート車両の側窓は、7次車より車体中央部の窓が1枚ガラスの固定式となり、その他の開閉可能な窓も不均等2分割構造で車端部側の大きい方の窓が下降式となったものに変更された[注 4]。
なお、これらの窓構造変更車のうち、先頭車両の車体中央部の開閉不可能な大窓は、長時間停電時の換気性能向上のために2007年(平成19年)から209系と同様の開閉可能にする工事が行われている。
ドアエンジンには209系3次車より採用が開始されたスクリュー軸式の電気式ドアエンジンを採用している[10]。車外のドア解錠レバーは1次車では妻面に片側全扉の解錠レバーを設置していたが、2次車以降は片側側面2か所の解錠レバーからの操作に統一した(妻面のレバーは廃止)。また、ホーム長が10両分しかない田浦駅での一部ドア締め切りは、113系時代は両先頭車のみのドア締め切りで済んだが、本系列においては先頭から2両目(2・10号車)の一番前のドアも乗降に支障をきたす為、先頭車と2両目のこのドアのみ締め切れる特別なスイッチ(通称・田浦スイッチ)が装備され、そのことを示すステッカーが該当するドアに貼り付けされている[14]。
空調装置は一般車がAU720A形集中式 48.8 kW (42,000 kcal/h)、グリーン車用がAU721形集約分散式 23.3 kW (20,000 kcal/h) の2台搭載となっている[11]。グリーン車用の冷房装置は使用条件の異なる2階席、1階席、平屋席それぞれの室内を個別に制御ができるものとなっている[11]。
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ロングシート車内
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クロスシート車内
- 車内案内装置
各客用ドア上にはLED式車内案内表示器とドアチャイムを設置している[11]。
- 2次車以降の車内細部の変更
1次車はクロスシート部に脚台(細い脚)があったが、これを廃した(完全な片持ち式)ほか、クロスシート背面にあった手すりが省略された。床敷物では出入口部に滑り止め加工が施工された。また、車内非常通報装置が警報式から通話式に変更されている。
- トイレ設備について
基本編成の両端先頭車(とグリーン車5号車)と付属編成の久里浜方先頭車にはトイレが設置されている[11]。現在の設備は基本編成の千葉方先頭車と付属編成では和式を設置している。ただし、当初は基本編成の久里浜方先頭車も和式トイレを設置していた。
その後、4次車からはバリアフリー対応のために基本編成久里浜方先頭車(1号車:クハE216形2000番台)に車椅子対応の大形洋式トイレの設置が開始された。そして在来3次車までの基本編成にも車椅子対応トイレを設置することになった。このため、4次車以降の付属編成久里浜方先頭車を車椅子対応のトイレ付きで新製し、これを基本編成の久里浜方先頭車と差し換える方法ですべての基本編成に車椅子対応トイレ付き車両を組み込んだ。
動力装置
走行機器類、台車などの基本的な機器構成はは209系車両をベースとしている[10][11]。
制御装置と主電動機には、209系と同じ三菱電機製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御装置(1C4M2群制御)と出力 95 kW のかご形三相誘導電動機(MT68形、7次車からMT73形[注 5])を採用している[3][11]が、運用条件である最高速度 120 km/h を達成するため、歯数比は 97:16(= 1:6.0625、209系は 99:14≒7.07)とされ[3]、起動加速度は 2.0 km/h/s(209系は 2.5 km/h/s)に抑えられている。その後に登場したE231系は歯数比 99:14(≒ 1:7.07)とされたが、主電動機を許容最高回転数の高いMT73形へ変更することで120 km/h 運転を可能とした。
本系列では基本編成の11両 (4M7T) と付属編成4両 (2M2T) ではMT比が異なるため、加速性能を合わせるために主電動機の負担率を両者で異なるものとしている[10]。また、15両編成を組成した際にも性能を合わせるためにVVVFインバータ装置内に設定スイッチを設けており、各ユニット間での出力を切り換えるシステムを備えている[10]。
台車も209系とほぼ同一構造の軸梁式ボルスタレス台車のDT61/TR246系を採用している[11]。総武快速線などで 120 km/h の高速運転を行うため、量産先行車には新製当初ヨーダンパが装備された[11]が、走行試験の結果、グリーン車を除き以後の車両への装備は行われず、量産先行車からも撤去されている。
補助電源装置についても209系と同じGTO素子を使用した静止形インバータ装置を搭載しており、最大で6両まで給電可能な 210 kVA 容量を持つ[11]。空気圧縮機はクノールブレムゼ社製のスクリュー式コンプレッサが搭載されている[11][12]。
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SC41B形VVVFインバータ装置
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SC37A形静止形インバータ装置
ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、直通予備ブレーキ、耐雪ブレーキを装備している[11]。車両間の力行、ブレーキ指令等の伝送には「制御伝送装置 (MON) 」経由によるデジタル指令方式としている[11]。また、車輪の滑走を防止するための滑走防止装置を設置している[11]。
集電装置は209系と同じPS28A形菱形パンタグラフが採用されている[11]。狭小トンネル対策が採られていないため、中央本線高尾駅以西などへの乗り入れはできない[10]。
保安装置にはATS-P形とATS-SN形を採用している[3]。そのほかに東京地下トンネル区間用としてATC-5型を搭載していた[3]が、同区間は2004年2月にATS-P形に切り換えられ、以降は本系列のATC装置は使用停止となっている。
なお、機器更新に伴い、2012年7月をもって落成時からのオリジナルのGTOサイリスタ素子を備える制御装置の車両は消滅した。(更新後の制御装置は後述)
グリーン車
グリーン車は、従来どおり基本編成の4・5号車に組み込まれ、利用者数の増加と成田空港アクセス需要(エアポート成田)への期待などから、2両とも2階建て車両とされた[10]。車両は211系の2階建てグリーン車の設計をベースとしているが、台車やドアチャイム設置などの車内設備は新系列車両に準じている[10]。これらはのちにE231系近郊タイプ(車体設計が見直された)、E531系(台車構造は異なる)にも採用されたほか、四国旅客鉄道(JR四国)の5000系に連結されている2階建て車両も本系列の設計をベースとしている。
座席には片持ち式のリクライニングシートが採用され、当初は2階席が紫色系の座席表地、1階席と平屋席が茶色系の座席表地とされた[10][11]。一部車両の座席は、秋田新幹線建設工事に際して北上線経由で北上 - 秋田間で運転された「秋田リレー号」用のキハ110系300番台に使用されたものを再利用している。
横須賀線と総武快速線では、東海道本線とともに2006年3月18日のダイヤ改正よりグリーン車Suicaシステムを導入した[8]。それに先駆けて2005年度に全座席の上部に Suica をタッチするための装置(R/W(リーダ/ライタ))が設置されている[8]。2006年8月以降、グリーン車の座席を順次E231系に準じたものに交換している。ただし、座席の台座は流用されており、設備も背面テーブルのみと従来のE217系に準じたものとなっている。また、モケットについてもE231系と同色系のものを用いているが、デザインが多少異なっているオリジナルのものが採用された。同時に階段などの手摺りも黄色に着色されたものに取り替えられた。
5号車の久里浜側の車端部には洋式トイレと洗面所が設置されている[3]。トイレは基本編成の普通車のトイレとは異なり、車イス非対応で扉は自動でないほか、三菱製の天井埋め込み形換気扇が設置されている。この換気扇は洗面所にも設置されている。4号車では千葉方の車端部に乗務員室と業務用室(グリーンアテンダントの準備室)を設置する[3]。業務用室には車内販売に対応させるため冷蔵庫等が設置されている。
2次車では洗面所の色彩やデッキと平屋席の貫通扉のボタンの形状が変更されている[15]。東海道本線で女性グリーンアテンダントへの暴行事件が多発したため乗降口(デッキ)と4号車にある乗務員室・業務用室の前への防犯カメラの設置が進んでいる。
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サロE216-34
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サロE217-34
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グリーン車の2階の車内
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グリーン車の1階の車内
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グリーン車平屋席の車内
113系との併結計画
本系列の落成時の量産先行車の基本編成第2編成(当初の東フナF-02編成→現在の横クラY-02編成)のクハE216-2002号車(ただし、トイレ設備の先頭車差し換えで現在の同車は付属編成Y-142編成の久里浜方先頭車に移動)には113系と連結して運転をするための異車種併結読換装置を搭載した[3]。これは将来的に113系と本系列を連結した運転を行うことを想定して試験的に搭載したものである[3]。
この装置は
- 力行指令読み換え(VVVFインバータ - 抵抗制御間)
- ブレーキ指令読み換え(電気指令ブレーキ - 電磁直通ブレーキ)
- サービス関係指令読み換え(戸閉回路・連絡と放送回路・冷暖房制御・室内灯制御)
から構成するものとなっている[3]。
さらに制御伝送装置にも制御伝送読換装置を搭載するほか、113系との併結用にKE70形ジャンパ連結器を装備している[11]。なお、113系を併結した場合には本系列の性能から113系に合わせた性能に切り換えられる[10]。
実際に113系との併結試運転は行われ、現在も機器は搭載されているものの使用されていない[16]。
形式・番台区分
- モハE217形:千葉(東京)方中間電動車。本形式のみパンタグラフを搭載。
- モハE216形:久里浜(熱海)方中間電動車。
- 1000番台:ロングシート車。基本編成の8号車(鎌倉・国府津)。モハE217形0番台とユニットを組む。
- 2000番台:ロングシート車。基本編成の2号車(鎌倉・国府津)、付属編成の増2号車(鎌倉)・12号車(国府津)。
- クハE217形:千葉(東京)方制御車。
- 0番台:セミクロスシート車。基本編成の11号車(鎌倉)・10号車(国府津)。国府津所属車両には電気連結器装備。トイレ設置(鎌倉・国府津)。
- 2000番台:ロングシート車。付属編成の増4号車(鎌倉)・15号車(国府津)。電気連結器装備。
- クハE216形:久里浜(熱海)方制御車。
- サハE217形:付随車。
- 0番台:セミクロスシート車。基本編成の10号車(鎌倉)、付属編成の14号車(国府津)。
- 2000番台:ロングシート車。基本編成の6・7号車(鎌倉・国府津)。
- サロE217形(0番台):付随車。千葉(東京)方グリーン車。久里浜(熱海)方に洋式トイレ設置。
- サロE216形(0番台):付随車。久里浜(熱海)方グリーン車。千葉(東京)方に乗務員室設置。
製造次車の分類について
本項目では製造された順番に第01・02編成・・・と記載をする。なお、2006年3月の鎌倉車両センター発足と一部編成の国府津車両センター転属以降における編成表記(第・・編成)は現行の編成番号(Y・・編成)と一致する。下記の次車分類は本文中に用語として用いる。
- 例:第05編成は鎌倉車両センター基本Y-05編成と付属Y-105編成、第36編成は鎌倉車両センター基本Y-36編成と付属Y-136編成。
ただし、後述するトイレ設備に関する先頭車の差し換えにより、基本編成と付属編成のクハE216形2000番台は次車の異なる編成に組まれているものがある。
- 1次車(1994年度製)基本・付属第01・02編成
- 量産先行形
- 2次車(1995年度製)基本・付属第03 - 12編成
- 量産型 前面ステップ形状変更、車内の仕様を一部変更、第12編成以降東急車輛製普通車の側構体と屋根構体の接合方法変更&非常用ドアコックの蓋形状変更&幕板の溶接跡が目立たない工法に変更。
- 3次車(1996年度製)基本・付属第13 - 21編成
- 電動空気圧縮機の静音化、第18編成以降東急車輛製普通車のドアレールの水抜き穴の数を2つから1つに変更。
- 4次車(1997年度製)基本・付属第22 - 25編成
- 以降には新津製作所製の車両が加わる(4次車のグリーン車はすべて東急車輛製)。基本編成のトイレ設備変更、次駅案内表示器の仕様を一部変更。
- 5次車(1997年度製)基本・付属第26 - 30編成
- 第29編成以降川崎重工製普通車のドアレールの水抜き穴の数を2つから1つに変更。
- 6次車(1998年度製前半)基本・付属第31 - 37編成
- 汚物処理装置の仕様を若干変更。
- 7次車(1998年度製後半)基本・付属第38 - 40編成
- 前面貫通扉廃止・側面行先LED化、側窓構造変更、主電動機形式変更、東急車輛製普通車の冷房装置の車内側ユニットを川崎重工製と同一形状に変更。
- 8次車(1999年度製)基本第41 - 51編成・付属第41 - 46編成
- クハ217-2000の速度計をATC非対応のものに変更、ドア上部の点検フタの手かけ廃止。
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1次車・付属第01編成
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2次車・基本第06編成
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3次車・基本第13編成
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4次車・基本第24編成
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5次車・基本第28編成
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6次車・基本第36編成
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7次車・基本第40編成
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8次車・基本第42編成
運用路線と所属・編成
横須賀線・総武快速線
1994年より横須賀線・総武快速線用に投入された編成は、グリーン車を含む11両の基本編成と4両の付属編成とで構成される。基本編成の電動車と付随車の比率(MT比)は 4M7T、付属編成のMT比は 2M2T である。車体に巻く帯のラインカラーは窓上・窓下ともに「横須賀色」(通称:スカ色)と呼ばれる青とクリームのツートンとなっている。また、先頭車の正面貫通扉の右中央には右側に「E217」と表記されたロゴと「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」のロゴが、左側に帯色ロゴが刻印されていたが、現在は消滅している。
横須賀線・総武快速線の編成は、113系時代より東海道本線とは異なり基本編成が東京方・付属編成が久里浜方となっている。これは分割・併結を行う逗子駅の構内配線の都合によるものである。
2018年3月16日現在[17]、鎌倉車両センターに基本編成51本(561両)と付属編成46本(184両)の計745両が配置されている。以前は同所と幕張車両センターに分散配置されていたが、2006年3月18日改正で鎌倉に集約された。これに伴い編成番号表記も従来の「F-○○」(鎌倉)「R-○○」(幕張)から「Y-○○」に変更された。なお、幕張での車両留置は引き続き行われている。
運用区間は横須賀線・総武快速線を中心とするが、総武本線千葉 - 成東間、成田線佐倉 - 成田空港・香取間[注 7]、鹿島線香取 - 鹿島神宮間[注 8]、内房線蘇我 - 君津間[注 9]、外房線千葉 - 上総一ノ宮間[注 10]にも入線する。
1999年(平成11年)10月19日より総武快速線錦糸町 - 千葉間で、2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正より横須賀線西大井 - 大船間でそれぞれ最高速度 120 km/h での運転を開始した。
以前は付属編成のみが夜間帯に総武本線千葉 - 成東間の普通列車に間合い運用として入っていた時期もあったが、下り列車の混雑が非常に激しかったため、113系6両編成に置き換えられている。これ以降、一部の分割併合列車を除き房総各線のローカル列車に付属編成が単独で使用されることはなくなった。
2001年(平成13年)12月1日改正から2004年10月16日改正までは、215系とともに、湘南新宿ラインの横須賀線 - 新宿折り返し運用も存在した。前面種別幕は、新宿行き列車では「普通」と表示された。
東海道本線
2004年10月16日のダイヤ改正で朝ラッシュ時の湘南新宿ライン増発による横須賀線運転本数の削減と湘南新宿ラインの運用がE231系へ統一されたことにより、横須賀線・総武快速線のE217系には運用数に対して余剰車が発生した。このため、鎌倉車両センター所属のE217系のうち、初期に製造された基本編成のF-01 - F-03編成と付属編成のF-51 - F-53編成の15両編成3本(45両)が東海道本線と伊東線で運用されていた113系の置き換えのために国府津車両センターへ転属し、2006年3月18日のダイヤ改正より運転を開始した。
転属に際しては東京総合車両センターにおいて改造が行われ、211系やE231系と同じく熱海方に基本編成10両、東京方に付属編成5両の構成に組み替えられた。当初は基本編成の7号車(ロングシート車)を付属編成に移動する予定であったが、混雑率の偏りを避けるため、セミクロスシート設置の旧10号車が付属編成へ移動した。
帯色はE231系と同じ新湘南色となった。車体側面のJRマークは横須賀線・総武快速線時代と同じ戸袋部に存置され、先頭車の正面にある「E217」ロゴも残されたが、その左にあった横須賀色の帯色ロゴは撤去された。
2006年3月改正時点では、1本が終日にわたって運用される以外はラッシュ時間帯のみの運用で、昼間の時間帯の充当列車は少なかったが、翌2007年3月改正時に運用が一部変更され、昼間の充当列車の本数が若干増加した。快速「アクティー」での運行は下り2本、上り1本が設定された。
運行区間は、半自動ドア装置などの寒冷地装備がないため湘南新宿ラインへの運用はなく、終日15両編成で運用されたため、東海旅客鉄道(JR東海)管内(東海道本線の熱海駅以西および御殿場線)や伊東線への直通運用もなく、運用区間が東京 - 熱海(非営業の回送では来宮まで)間に限定され、運転室のモニタ装置筐体には『この車両は東京⇔熱海(来宮)間限定運用です』と表記されている。
その後、2008年にF-02+F-52編成が鎌倉車両センター所属車両の更新工事施工による車両不足を補うため、2010年度にはF-01+F-51編成が横須賀線武蔵小杉駅開業に伴う同線の輸送力増強のため、それぞれ鎌倉車両センターへ出戻っており、これらの穴埋めとしてE233系3000番台が国府津車両センターへ導入されている。その後、2012年11月・12月にF-02+F-52編成が再度、鎌倉車両センターから国府津車両センターに転属した[18]。
運用は固定されており、基本編成と付属編成を常時連結した15両編成で終日運行された[注 11]。予備編成を持たないため、検査などにより編成に不足が生じた際にはE231系やE233系が代走する。また、付属編成が検査に入った場合は、E231系の基本編成(10両)単独の運用(平日朝1往復のみ)に入ることがあった。
行先表示器はF-52編成のみ転用改造時にLED式に変更され、それ以外の編成は従来どおりの字幕式となっていたが、2007年6月までに全編成がLED式となった。東海道本線用として新たに作成された字幕表示の書体は、横須賀線・総武快速線用と同様のゴナではなく、漢字部分のみが113系や211系と同じ旧国鉄書体となった。また、非常用ドアコックなどの使用方法のステッカーが他編成や209系などと同じタイプのものに貼り替えられた。前面種別幕は、普通列車では黒地に白文字で「普通」(小田原・熱海方面行き)または「東海道線」(東京行き)、快速「アクティー」では黒地に赤文字で表示され、通勤快速も「アクティー」と同色のものである。
E231系やE233系と異なり東海道本線向けの本系列には車内自動放送は設置されていない。
2007年7月9日から同年9月30日まで、横浜 - 国府津間開業120周年記念ステッカーが先頭車の前面中央に貼付された。このステッカーは、編成ごとにデザインが異なっていた。
2009年4月中旬から2010年3月上旬まで、「東海道線全通120周年 - 新橋・神戸間 - 」記念としてE233系3000番台とともに基本編成1号車・付属編成15号車前面にヘッドマークが装着された。デザインは1種類のみであった[19]。
戸塚 - 小田原間では最高速度 120 km/h で運転されていた。
2015年3月14日のダイヤ改正で、本系列の東海道本線での運用は終了した[20]。2015年3月にF-03+F-53編成が[21]、同年4・5月にF-02+F-52編成が[22]、それぞれ国府津車両センターから鎌倉車両センターへ再転属し、全車両が鎌倉車両センターに集約された。
編成
横須賀線・総武快速線
- 鎌倉車両センター所属
- 基本編成と付属編成を併結し15両編成で運転する場合、久里浜方に付属編成、千葉方に基本編成を配置する。
← 千葉 久里浜 →
| ||||||||||||||
横須賀線・ 総武快速線 |
基本編成 (11両編成) |
号車 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
車種構成 | クハE217 -0 |
サハE217 -0 |
モハE217 -0 |
モハE216 -1000 |
サハE217 -2000 |
サハE217 -2000 |
サロE217 -0 |
サロE216 -0 |
モハE217 -2000 |
モハE216 -2000 |
クハE216 -2000 | |||
座席 | セミクロス | ロング | グリーン車 | ロング | ||||||||||
搭載機器 | VVVF | SIV,CP | VVVF | SIV,CP | ||||||||||
車両重量 (t) | 25.9 | 22.6 | 28.9 | 29.0 | 22.1 | 22.1 | 35.4 | 34.5 | 28.4 | 29.0 | 26.8 | |||
その他設備 | (電連)[備 1] 和式トイレ |
洋式トイレ | 乗務員室 | 電連 [車]トイレ | ||||||||||
付属編成 (4両編成) |
号車 | 増4 | 増3 | 増2 | 増1 | |||||||||
車種構成 | クハE217 -2000 |
モハE217 -2000 |
モハE216 -2000 |
クハE216 -1000[備 2] | ||||||||||
座席 | ロング | |||||||||||||
搭載機器 | VVVF | SIV,CP | ||||||||||||
車両重量 (t) | 25.4 | 28.4 | 29.0 | 25.4[備 3] | ||||||||||
その他設備 | 電連 | (電連)[備 1] 和式トイレ |
- 備考
東海道本線(運用終了)
- 2015年3月に運用を終了している。
- 国府津車両センターに所属していた。
- 基本編成と付属編成を併結し15両編成で運転する場合、熱海方に基本編成、東京方に付属編成を配置していた。
← 東京 熱海 →
| ||||||||||||||
東海道本線 | 基本編成 (10両編成) |
号車 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
車種構成 | クハE217 -0 |
モハE217 -0 |
モハE216 -1000 |
サハE217 -2000 |
サハE217 -2000 |
サロE217 -0 |
サロE216 -0 |
モハE217 -2000 |
モハE216 -2000 |
クハE216 -2000 | ||||
座席 | セミクロス | ロング | グリーン車 | ロング | ||||||||||
搭載機器 | VVVF | SIV,CP | VVVF | SIV,CP | ||||||||||
その他設備 | 電連 和式トイレ |
洋式トイレ | 乗務員室 | 電連 [車]トイレ | ||||||||||
付属編成 (5両編成) |
号車 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | ||||||||
車種構成 | クハE217 -2000 |
サハE217 -0 |
モハE217 -2000 |
モハE216 -2000 |
クハE216 -1000 | |||||||||
座席 | ロング | セミクロス | ロング | |||||||||||
搭載機器 | VVVF | SIV,CP | ||||||||||||
その他設備 | 電連 | 電連 和式トイレ |
歴史
- 1994年(平成6年)8月:量産先行車(2本)と量産第1号編成が完成。当時は非常用ドアコックの使用方法などのステッカーが従来車と違ったものになっていた。(大船電車区に投入)
- 1995年(平成7年)11月:量産形となる2次車の投入を開始。
- 1997年(平成9年)12月:基本編成においてトイレ設備の変更がされた4次車の投入を開始。また、幕張電車区への投入を開始
- 1999年(平成11年)1月:先頭形状の変更や側窓の設備が見直された7次車の投入を開始。
- 1999年(平成11年)11月:19日に本系列の製造が終了した[23]。以降の近郊形電車の生産はE231系に継承された[注 12]。
- 2001年(平成13年)12月:12月1日のダイヤ改正より湘南新宿ラインに投入され、215系とともに横須賀線 - 新宿系統で運用に就く。
- 2004年(平成16年)10月:10月16日のダイヤ改正より湘南新宿ラインの運用を外れる。
- 2006年(平成18年)3月:鎌倉・幕張の分散配置から全車両が鎌倉車両センターの配置となる。量産先行車2本および量産第1号編成の合計3本が横須賀線・総武快速線から東海道本線に転用される。
- 2008年(平成20年):東海道本線の3本中、1本が横須賀線・総武快速線用に返却。3月24日より更新編成が運転開始。
- 2009年(平成21年):自動放送使用開始[要出典]。
- 2010年(平成22年):東海道本線にE233系第2編成が導入。東海道本線の2本中、1本が横須賀線・総武快速線用に転用される。
- 2012年(平成24年):横須賀線・総武快速線用の1本が東海道本線用に再度、転用される[18]。
- 2013年(平成25年):2013年11月23日(土・祝)~24日(日)の品川駅改良工事の関係で東京発着の横須賀線が新宿・大崎発着(湘南新宿ラインと同じ経路)になる。およそ10年ぶりの乗り入れとなるほか、更新車体になってからは初めてであった。
- 2015年(平成27年):3月14日の上野東京ライン開業に伴うダイヤ改正に伴い、東海道本線での運用は終了。東海道本線に転用されていた2本は横須賀線・総武快速線に戻る[20]。
- 2018年 (平成30年) : 2月にY-50編成に線路モニタリング装置を搭載。さらに、全編成にナンバリング対応の放送を搭載。
更新など
2007年度より制御装置などの機器類の更新と二重化、自動放送機能および客用扉の「3/4閉」スイッチを整備することが、2006年12月5日付のJR東日本のプレスリリースで発表された。
機器更新
本系列も2007年時点で初期車の製造から13年が経過したため、電子機器の劣化を考慮して車体保全(走行距離 240万 km 以内に実施する定期検査)に合わせて主要な機器類について装置一式を更新することとなった。この更新工事は2007年度から開始した[24]。施工は東京総合車両センターで実施され、2012年7月をもって全ての編成で IGBT化が完了した。
施工内容は以下のとおりである。
- VVVFインバータ制御装置
- 従来のGTOサイリスタを用いたSC41B形から IGBT 素子を使用したSC89形に更新。
- 補助電源装置(静止形インバータ)
- 従来のGTOサイリスタを用いたSC37A形からIGBT素子を使用したSC88形に更新。E233系などで採用している待機2重系のシステムである。
- ATS-P形制御装置の更新
- ブレーキ制御装置の更新
- 制御伝送装置のハードウェアとソフトウェアを更新し、MON8形からMON19形にバージョンアップを行った。
- 電気式戸閉装置の更新
また、イメージアップのため、青とクリーム色のラインカラーを青20号など明るい色調に変更している。ただし、転落防止幌は従来のままである。合わせて前面の「E217」ロゴを剥がし、E233系と同じスタイルのJRロゴと「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」表記を施している(写真参照)。
この機器更新の際、鎌倉車両センターに配置されている予備編成が不足することから、E233系3000番台基本10両+付属5両編成1本を国府津車両センターに配置し、捻出されたE217系1本(F-02+F-52編成)は制御装置の更新を施工した上で鎌倉車両センターに再配置した[25]。その後F-01+F-51編成も鎌倉車両センターへ再配置される際に機器更新が行われたが、F-03+F-53編成は東海道線仕様のまま機器更新工事が実施された[26]。
付属編成は2011年9月に更新をしたY-134編成を以って完了した[27]。基本編成はY-21編成が2012年7月31日付で更新を完了したことに伴い、本系列の機器更新工事は完了した[27]。
-
機器が更新されたE217系。前面のロゴが変更されている。
-
機器および帯色が更新された車両(左)と未更新の車両(右)の比較
-
転落防止幌の帯色はそのままである。
-
機器更新後のSC89形VVVFインバータ装置
-
機器更新後の待機2重系SC88形静止形インバータ装置
-
使用停止中のATC装置(左)と更新後のATS-P形制御装置
その他
- 一部の編成では「3/4閉」スイッチの設置が施工されている。また、2007年末から自動放送装置の設置工事が行われている[28]。
- 前記したが開閉不可能な固定窓の開閉可能化工事が順次施工されている。
- 前面7セグメントマグサイン式列車番号表示器および側面行先表示器は順次LED式に交換されている。片方のみを先行交換する編成も見られる。
- 制御装置の更新と並行して、走行中の車内案内表示器の表示内容を順次変更している。
- 2009年 - 2010年内に、全先頭車の前面排障器(スカート)を強化型のものへ交換した[27]。
- 2008年度より、サロE217形・サロE216形の各出入り口とサロE216形の業務用室前への防犯カメラが取り付けられている[29]。
- 2014年12月から2015年3月のダイヤ改正前までに車内放送を更新した。
- 総武快速線新小岩駅への無線連携式ホームドア設置に関連して、本車両に無線連携UHF受信部・LFアンテナ・分離開扉スイッチ・分離出発スイッチ・記録部・継電器部の取り付けが行われるとともに、これら装置の取り付けに際し支障した非常はしごの取り換えが行われた[30]。
置き換え計画
2018年9月に、本系列の置き換え用としてE235系を2020年度より導入することが発表された[31]。これに伴い本系列は209系やE231系などのような転用はされずに廃車となる予定である[32]。
脚注
注釈
- ^ 現行のY-11編成の11両編成中4両とY-20編成の11両編成中4両、Y-30編成の11両編成中4両。
- ^ 当該区間は、開業時の法令では、運輸省通達「電車の火災事故対策について(鉄運第81号)」の第二項の規定に該当する区間であった。すなわち通過車両はA基準とすること、今後新造するものについては努めてA-A基準とすることが求められた。このため、113系1000番台や183系はA-A基準に準拠して設計され、非常時脱出のため前面に貫通扉を有していた。
- ^ E217系が設計・投入された当時の法令(普通鉄道構造規則)では、地下区間または長大トンネルを走行する地下鉄等旅客車は、「建築限界と車両限界の基礎限界との間隔が側部において 400 mm 未満の区間を走行する車両」または「サードレール式の電車区間を運転する車両」を除き、列車端部への貫通口設置は不要であった。
- ^ 同時期に登場した209系500番台と同様の窓構成。
- ^ MT68形の許容回転数は 5,300 rpm だが、MT73型は 5,800 rpm に引き上げられている。
- ^ a b 基本編成の1号車のトイレ設備の変更による組替。
- ^ ただし成田 - 香取間は付属編成のみ入線する。
- ^ 付属編成のみ入線する。
- ^ かつては平日に付属編成のみ館山までの直通も存在した。
- ^ かつては大原・勝浦までの直通も存在した。
- ^ 運用開始から2013年3月16日のダイヤ改正までの間は、国府津車両センター生え抜きのE233系と共通運用となっていた。
- ^ 2000年より宇都宮線(東北本線)と高崎線に投入。
出典
- ^ イカロス出版「E231/E233 Hyper Detail」内の76頁
- ^ No.21 - Autumn2007【特集:究極の安全をめざして】 (PDF) - JR東日本:研究開発>テクニカルレビュー
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 交友社「鉄道ファン」1994年12月号新車ガイド「JR東日本E217系近郊形直流電車」44-47頁
- ^ 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」1995年2月号RAILWAY TOPICS 106頁「JR東日本東京圏ダイヤ改正 E217系電車運転開始」
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- ^ a b 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」2007年10月号「JR東日本首都圏新型通勤・近郊形電車」
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- ^ 交友社『鉄道ファン』2016年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 交友社「鉄道ファン」1994年12月号新車ガイド「JR東日本E217系近郊形直流電車」47-49頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 交友社「鉄道ファン」1994年12月号新車ガイド「JR東日本E217系近郊形直流電車」50-51頁記事
- ^ a b c d e 交友社「鉄道ファン」2002年5月号特集「JR東日本の通勤電車開発史」
- ^ 交友社「鉄道ファン」1994年12月号付属のE217系形式図
- ^ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2001年3月号特集「横須賀・総武快速線」 「E217系電車の現況」 45頁
- ^ 『鉄道ファン』1996年2月号(通巻418号)P.63
- ^ 日向旭「E217系 近年の変遷と現況」、『鉄道ピクトリアル』2018年3月号(第68巻第3号)、電気車研究会、 69頁
- ^ 交通新聞社「JR電車編成表2011冬」
- ^ a b 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2013年3月号127-128頁「JR車両のうごき」
- ^ E233系とE217系に東海道線全通120周年ヘッドマーク - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2009年4月19日
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表2015夏』交通新聞社、2015年。pp.359-360。ISBN 978-4-330-56915-4。
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表2016冬』交通新聞社、2015年。pp.360。ISBN 978-4-330-62315-3。
- ^ 「JR東日本新津車両製作所がE217系の製造を終了」『鉄道ファン』通巻466巻2月号、交友社、2000年、131頁。
- ^ 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2008年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2008年版
- ^ 「RAILWAY TOPICS 東海道線向けE233系近郊形が登場」 『鉄道ジャーナル』2008年2月号 105p
- ^ E217系F-03編成が東京総合車両センターに入場 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2012年2月23日
- ^ a b c 交通新聞社「JR電車編成表2013冬」
- ^ E217系F-52編成が東京総合車両センターを出場 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2008年2月6日
- ^ 日向旭「E217系 近年の変遷と現況」、『鉄道ピクトリアル』第68巻第3号、電気車研究会、 68頁
- ^ 日向旭「E217系 近年の変遷と現況」、『鉄道ピクトリアル』第68巻第3号、電気車研究会、 69頁
- ^ “横須賀・総武快速線用車両の新造について”. JR東日本 (2018年9月4日). 2018年9月4日閲覧。
- ^ “横須賀・総武快速線にE235系”. 交通新聞 (交通新聞社). (2018年9月6日)
参考文献
- 交友社『鉄道ファン』
- 1994年12月号新車ガイド「JR東日本E217系近郊形直流電車」(運輸車両部車両課)
- 1996年2月号CAR INFO 「JR東日本E217系2次車」(取材協力:JR東日本)
- 2002年5月号特集「JR東日本の通勤電車開発史」
- 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』
- 2001年3月号特集「横須賀・総武快速線」
- 2008年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2008年版「JR東日本E217系機器更新工事」(東日本旅客鉄道 (株) 運輸車両部 三浦一仁 著)
- 2018年3月号 特集「横須賀・総武快速線」
- 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」
- 1995年2月号RAILWAY TOPICS 106頁「JR東日本東京圏ダイヤ改正 E217系電車運転開始」
- 2006年7月号特集「東京圏輸送の現状」
- 2007年10月号特集「通勤電車標準化へのステップE231系・E233系」
- イカロス出版『E231/E233 Hyper Detail』
関連項目
- JR四国5000系電車 - 2階建て先頭車両の設計が本系列のグリーン車を基本としている。
外部リンク
- JR東日本:車両図鑑>在来線 E217系 - 東日本旅客鉄道
- グッドデザイン賞受賞概要