神奈川東部方面線
神奈川東部方面線 | |||
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基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 神奈川県横浜市 | ||
起点 |
西谷駅(相鉄・JR直通線) 羽沢横浜国大駅(相鉄・東急直通線) | ||
終点 |
羽沢横浜国大駅(相鉄・JR直通線) 日吉駅(相鉄・東急直通線) | ||
開業 |
2019年度下期予定(相鉄・JR直通線) 2022年度下期予定(相鉄・東急直通線) | ||
所有者 | 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | ||
運営者 |
相模鉄道(相鉄・JR直通線および相鉄・東急直通線) 東京急行電鉄(相鉄・東急直通線) | ||
路線諸元 | |||
軌間 | 1,067 mm | ||
電化方式 |
直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
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停車場・施設・接続路線 (大崎駅 - 東京駅間は省略) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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神奈川東部方面線(かながわとうぶほうめんせん)は、相模鉄道(以下、相鉄)本線西谷駅とJR東海道貨物線横浜羽沢貨物駅付近を結び、さらにその先の新横浜駅を経由して東京急行電鉄(以下、東急電鉄または東急)東横線・目黒線日吉駅までを結ぶ鉄道路線計画の名称(仮称)である。
横浜羽沢貨物駅付近に地下駅の羽沢横浜国大駅が設置される。
本項では羽沢横浜国大駅を経て西谷駅と東海道貨物線を結んでJR東日本との相互直通運転を行う相鉄・JR直通線と新横浜駅を経て羽沢横浜国大駅と日吉駅を結んで東急線との相互直通運転を行う相鉄・東急直通線について記述する。
2014年(平成26年)時点では相鉄・JR直通線が2018年(平成30年)度内、相鉄・東急直通線が2019年(平成31年)4月にそれぞれ開業予定とされていたが、2016年(平成28年)8月になって前者は「2019年(平成31年)度下期」、後者は「2022年(平成34年)度下期」にそれぞれ延期となることが発表された[1]。
計画概要
2012年(平成24年)10月までに公式発表されているものによると、以下の通りである。
本路線は、相鉄本線西谷駅から東急東横線・目黒線日吉駅までの間に総延長12.7キロの連絡線を建設し、途中駅として羽沢横浜国大(JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近)、新横浜(仮称)、新綱島(仮称、東急東横線綱島駅付近)の各駅が設置される。
相鉄本線およびいずみ野線の各方面から本路線を経由し、羽沢横浜国大駅でJR線、日吉駅で東急線との相互直通運転をそれぞれ行う予定である。前者を「相鉄・JR直通線」、後者を「相鉄・東急直通線」とし、この2つの路線で「神奈川東部方面線」が構成されている(路線名はいずれも仮称)。なお、神奈川県の東部方面を結ぶ路線であるが東京の都心に乗り入れる路線でもあるので、相鉄では「都心直通プロジェクト」と銘打っている。
「相鉄・JR直通線」については羽沢横浜国大駅が相鉄・JR東日本の接続点(共同使用駅)となる予定である。
「相鉄・東急直通線」については新横浜駅が相鉄・東急両社の接続点となり、同駅を境に西谷駅方面は相鉄、日吉駅方面は東急の運賃が適用される予定である。同駅の設置により、相鉄・東急とも史上初めて「自社の路線と新幹線とが直接連絡する駅」が誕生することとなる。
列車の予定ルート
相鉄・JR直通線
JR側の乗り入れ路線は、羽沢横浜国大駅から横浜羽沢駅の東京側で東海道貨物線に入り、鶴見駅付近で横須賀線の線路に転線する[2]。その後は湘南新宿ラインと同じルートを辿り、武蔵小杉駅、大崎駅、渋谷駅を経て新宿駅(あるいは池袋駅や同駅以遠の大宮駅方面)へ向かう。その他にも横須賀線に入り品川駅、さらに東海道線に入り東京駅または同駅以遠の上野駅や宇都宮・高崎・常磐の各線(またはそのいずれか)へと向かう上野東京ライン経由も2013年(平成25年)12月に計画追加された。
JR線への直通については2016年(平成28年)時点で、相鉄のホームページに「いわゆる湘南新宿ラインのルートを通り、渋谷・新宿方面に向かうルートを基本として想定しています。」と書かれており[3]、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)のホームページの路線図では羽沢横浜国大から東海道貨物線を経由し、武蔵小杉駅の手前付近で横須賀線に合流、大崎駅から先は埼京線に直通するというルートになっている[4]。大崎駅と池袋駅の間においては湘南新宿ラインと埼京線は同一の線路を使用するが、どちらの系統と直通運転を行うのか(あるいは新宿などでの折り返しをする新しい系統とするのか)、品川・東京方面および上野東京ラインへの直通をどうするのかは現時点で不明である。
当初の計画では2015年(平成27年)4月に相鉄・JR直通線を先行開業させるとしていた。羽沢横浜国大駅から東海道貨物線に乗り入れ、途中の鶴見駅(駅の設置予定は無い)付近で同線から横須賀線(品鶴線)に転線し、湘南新宿ラインと同じルートで新宿駅まで直通運転を行う[注 1]。また、JRでは上野東京ライン(東京駅 - 上野駅間、東北本線列車線)を2015年(平成27年)3月14日に開業したが、相鉄では2013年(平成25年)12月より、神奈川県や横浜市の要請もあり、新宿駅乗り入れとは別途、同線及び同線を介した東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線への乗り入れも検討していることが発表された[5]が、その後2016年9月には横浜市長の林文子などが東京方面への乗り入れの具体的な検討を相鉄とJR東日本に対して要請する考えを示した[6][注 2]。ただしこの場合、頻繁に運転する場合は鶴見駅構内もしくは品川駅構内(および両駅の構内付近)に東海道本線と品鶴線との間に立体交差の連絡線が必要となる(現在でも両駅において横須賀線と東海道本線との相互間で線路は繋がってはいるが、いずれも平面交差であり、このため相鉄から東京方面への頻繁運転は現状では困難である。なお、鶴見駅で横須賀線から東海道本線に転線する場合、ルートの違いから新宿方面直通列車が武蔵小杉駅経由になるのに対して、東京方面直通列車は川崎駅を経由することとなる)。また、横須賀線と総武快速線への直通も可能ではあるものの、相鉄とJR東日本ではこの両線への直通運転については言及していない。相鉄側ではJR線直通対応車両である12000系を導入する計画である。
相鉄・東急直通線
東急側の乗り入れ路線は、日吉駅付近で東急の線路に合流し、東横線渋谷駅方面と目黒線目黒駅方面へ向かう2系統の列車が運行されるとしている。
東横線側については、終着駅である横浜駅から横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転を実施している[注 3]。東横線とみなとみらい線は、ほぼすべての列車が相互直通運転を行うなど事実上一つの路線として一体的な運用を行っている。さらに、2013年(平成25年)3月16日からは、もう一方の終着駅である渋谷駅で副都心線(およびその先の西武有楽町線・西武池袋線と東武東上線を含む)との相互直通運転も開始した。ただし副都心線に相互直通する各社は本路線への乗り入れについて言及をしておらず、渋谷以北への乗り入れの是非は明らかになっていない。
目黒線側については、横浜市開催の都市計画市素案説明会(2010年〈平成22年〉)において、相鉄・東急直通線の朝ラッシュ時毎時14本の運行本数について、東横線4本程度・目黒線10本程度を想定していることが東急側担当者より明らかになった。また、それ以上の運行も検討されている。副都心線に相互直通する東横線側の各社とは異なり、目黒線側は目黒駅以遠の東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線・都営地下鉄三田線への乗り入れについても各者(東京都交通局が民間鉄道事業者ではないため、同事業者の公式で使用する「者」と記述する)において検討が既にされており、このうち、現時点ではJR東日本・東急を除く鉄道事業者では唯一相鉄への乗り入れを計画段階にまで進めている、都営地下鉄三田線を運営する東京都交通局では、同局の中期経営計画2016の中で6300形の1・2次車13編成の置き換え用として相鉄への直通対応車両を2019年度に9編成を製造し、その後2021年までに増備車を製造することを発表したが、その後2017年度の東京都交通局の調達予定では計画が未定になっている[注 4]。同じく同局の中期経営計画2016では、これとは別に6300形3次車24編成についても言及しており、3次車は引き続き都営地下鉄三田線で使用するが、予定されているB修繕工事の際に列車無線のデジタル化と相鉄線直通対応工事(ATS-P取付工事など)を同時施工する計画となっている。また、相鉄側では東急線直通対応車両である20000系を2018年より導入し、同年2月より運転を開始する(20000系は8両編成と10両編成の2種類を製造予定。10両編成の場合は東急目黒線および同駅以遠の相互直通運転事業者には乗り入れできない)[7]が、当初は東急線用も含め相鉄以外の保安設備は搭載しておらず、東急線用は搭載予定があるものの、それ以外の者の保安装置については、相鉄への乗り入れを検討している都営地下鉄のものを含めて、搭載空間の準備にとどめている[8]。なお、20000系はJR直通には対応していない。
相鉄の公式ウェブサイトで掲載している都心直通プロジェクト内における「完成後の効果」という項目において、相鉄・東急直通線に限ると、相鉄線と都心間の所要時間の試算は目黒駅のみが公表されていたことや、東急が2015年10月頃に掲出していた直通運転に関するポスターで相鉄本線と目黒線が直通すること(東横線は記載なし)を明示していたこと、線路容量や運行計画からしても東急側への乗り入れ路線は目黒線が有力視されているほか、2010年(平成22年)に横浜市が発行した計画概要には全区間が東急の営業区間となる新横浜駅から渋谷駅(東横線)への所要時間も記載されている[9]。
詳細
相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線ともに都市計画が決定されている。
- 整備主体は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構。いわゆる上下分離方式によって建設・運営される。
- 相鉄・JR直通線(西谷駅 - 羽沢横浜国大駅間)の総事業費は、用地取得費が約91億円、路盤費約291億円、設備費約215億円、その他86億円となり、合計で約700億円に上る見込みである。
- 相鉄・東急直通線(羽沢横浜国大駅 - 日吉駅間)の総事業費は約1,957億円に上る見込みであり、国土交通省が2005年(平成17年)度から都市交通基盤の整備を目指して始めた補助制度を活用する。また、鉄道・運輸機構と共に都市鉄道等利便増進法の適用を国に申請し、同機構・国・管轄自治体である神奈川県および横浜市の3者が事業費を3分の1ずつ負担、同機構が路線を所有し、相鉄・東急両社が線路使用料を払う形で運営される予定である。
- 全線を1,067 mm軌間の複線で建設する(同軌間は相鉄・JR東日本・東急の3社共通)。
- 西谷駅 - 羽沢横浜国大駅 - 新綱島駅間は、西谷地区センター付近で地下に入り、西谷駅付近の一部を除き全線をトンネル(地下線)で建設する。
- 新綱島駅 - 日吉駅間は、地下線および明かり区間(掘割・地平線・高架線)として建設する。
- 2009年(平成21年)度より本路線の第1期工事として、まず相鉄・JR直通線の約2.7 kmを着工する。後に第2期工事として、相鉄・東急直通線の約10 kmの建設に着手する予定である。
相鉄・JR直通線
- 都市計画の名称:横浜国際港都建設計画都市高速鉄道 第6号相鉄・JR直通線
- 計画決定日:2010年(平成22年)3月15日
- 起点:横浜市保土ケ谷区西谷町
- 終点:横浜市神奈川区羽沢町
- 延長:約3,030 m(地下式:約1,930 m、地表式:約1,100 m)
- 事業主体:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- 営業主体:相模鉄道株式会社
相鉄・東急直通線
- 都市計画の名称:横浜国際港都建設計画都市高速鉄道 第7号相鉄・東急直通線
- 計画決定日:2012年(平成24年)10月5日
- 起点:横浜市神奈川区羽沢南二丁目
- 終点:横浜市港北区日吉本町一丁目
- 延長:約9,980 m (地下式:約8,960 m、地表式:約1,020 m)
- 事業主体:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- 営業主体:相模鉄道株式会社、東京急行電鉄株式会社
完成時の見通し
- 相鉄とJRとの直通列車は、新宿方面を中心として、朝のラッシュ時に1時間あたり4本、その他の時間帯では1時間に約2 - 3本を運行する。2013年(平成25年)に計画を追加した東京方面への本数は、鶴見駅構内あるいは品川駅構内での平面交差の問題などから未定である。
- 相鉄と東急との直通列車は、朝ラッシュ時は相鉄方面からの直通列車を10本、これに加えて4本は新横浜駅始発の列車を運行する。合計14本中、東横線直通は4本、目黒線直通は10本運転される。
- 相鉄は、これらの計画によって1日あたり27万人の利用者増を見込む。
- 西谷駅は、JR・東急方面と横浜方面の分岐駅になることに関連し、両方面へと折り返しが可能な引き上げ線が二俣川寄りに2本整備される予定である(計画図によると全長400 m程度)。引き上げ線は、横浜方面の運行本数確保とJR・東急方面の同駅での折り返し、およびダイヤ混乱時の運行調整などに活用される。
- 相鉄・東急直通線のうち、相鉄区間となる西谷 - 新横浜間は相鉄線の規格で建設し、JR線内での輸送障害時に相鉄・JR直通線の列車が新横浜駅で折り返せるようにする[12]。東急区間となる新横浜 - 日吉間は東急線の規格となる。
- 本路線の完成後、相鉄が免許を保持し未着工区間として残っていたいずみ野線湘南台 - 平塚間の延伸工事を本格的に検討する予定である。
- 自動列車保安装置は相鉄区間となる西谷 - 新横浜間はATS-Pを、東急区間となる新横浜 - 日吉間は東急型ATC-Pを採用する予定である。
- 東急と相鉄との分界駅である新横浜駅については、相鉄と東急のどちらが駅を管理するのかは未定となっている。
歴史
2000年以降
- 2000年1月27日 - 運輸政策審議会答申第18号において、神奈川東部方面線として二俣川 - 新横浜 - 大倉山間が位置づけられる。
- 2004年9月 - 相鉄が西谷 - 羽沢間の新線建設と羽沢でのJR相互直通(相鉄・JR直通線)構想を公表[13]。
- 2006年
- 1月1日 - 東急が相鉄・東急直通線の国土交通省への申請を準備している、と報道される[14]。
- 2月3日 - 相鉄・JR直通線を神奈川東部方面線の一部とする方向で国、鉄道事業者、神奈川県、横浜市間の調整が進んでいることを、横浜市が市議会で公表[15]。
- 5月25日 - 相模鉄道が相鉄・JR直通線の、相模鉄道と東急電鉄が相鉄・東急直通線の都市鉄道等利便増進法に基づく営業構想の認定を国土交通省に申請する。
- 6月9日 - 相鉄・JR直通線の営業構想および整備構想が認定される。
- 6月23日 - 相鉄・東急直通線の営業構想および整備構想が認定される。
- 11月21日 - 国土交通省が相鉄・JR直通線の速達性向上計画を認定する。
- 2007年4月11日 - 国土交通省が相鉄・東急直通線の速達性向上計画を認定する。
- 2008年
- 2009年10月20日 - 相鉄・JR直通線の工事施工認可を国土交通省から受ける。
- 2010年
- 2012年
- 10月5日 - 羽沢駅 - 日吉駅間の都市計画決定(横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第7号相鉄・東急直通線)。
- 相鉄・東急直通線の工事施工認可を国土交通省から受ける。
- 10月5日 - 羽沢駅 - 日吉駅間の都市計画決定(横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第7号相鉄・東急直通線)。
- 2013年4月23日 - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が相鉄・JR直通線の開業時期の延期(2018年度内開業)を発表した[10]。
- 2016年8月26日 - 相鉄・JR直通線を2019年度下期へ、相鉄・東急直通線を2022年度下期へ、それぞれ開業時期の再延期を発表[1]。
当初の計画
- 1966年7月 - 都市交通審議会答申第9号にて、検討すべき路線として、6号線:東京方面 - 勝田(港北ニュータウン) - 二俣川 - 湘南台 - 平塚が位置付けられた。勝田で高速鉄道(地下鉄)3号線(本牧 - 山下町 - 伊勢佐木町 - 横浜 - 新横浜 - 勝田)と4号線(鶴見 - 末吉橋 - 綱島 - 勝田 - 元石川間)に、湘南台で1号線(伊勢佐木町 - 上大岡 - 戸塚 - 湘南台間)と連絡する予定であった。
- 1972年3月 - 都市交通審議会答申第15号にて、東京6号線(都営三田線)の検討区間として清正公前 - 港北ニュータウン方面が位置づけられた。
- 1981年12月 - 神奈川県知事、横浜市長、川崎市長が3首長懇において、新横浜 - 川崎 - 羽田空港の新線構想に合意したと発表[16]。
- 1985年7月 - 運輸政策審議会答申第7号にて、二俣川から新横浜を経て大倉山・川崎方面へ至る路線として、二俣川 - 鶴ヶ峰 - 上管田町 - 新横浜 - 大倉山、新横浜 - 下末吉 - 川崎が位置づけられた。また、検討路線として川崎 - 臨海部方面が位置づけられた。
- 1997年2月21日 - 二俣川 - 大倉山間で東海道貨物線の羽沢駅に接続させ、新横浜 - 川崎間を中止する案が、横浜市議会で議論される[17]。ただしこの時は採用されなかった。
- 1998年4月1日 - 羽田アクセス協議会が神奈川東部方面線協議会に名称変更[18]。
路線の建設
二俣川 - 平塚間
二俣川 - 平塚間については、事業主体が決定していなかったところ、相鉄が免許を取得し、1976年(昭和51年)から1999年(平成11年)にかけていずみ野線として二俣川 - 湘南台間を開通している。湘南台 - 平塚間については現在も相鉄が延伸免許を保持しているが、実現する見通しはまだ立っていない。そのため、本格的な着工に向けた協議は同線内における通過運転実施もしくは本路線完成前後になる予定である。
東京都心・埼玉県方面 - 二俣川間
かつて、運輸政策審議会の第7号答申および第18号答申による「神奈川東部方面線」として、相鉄がいずみ野線を二俣川駅から延伸して新横浜駅までを建設し、東京急行電鉄が大倉山駅方面から新横浜駅まで建設する新線と接続して相互乗り入れを行う計画が持ち上がったが、計画は長らく進まなかった上、バブル崩壊のあおりも受け、計画は事実上停止した状態であったが、21世紀に入り、それが実現に向けて再び動き出した。
相鉄は当初、神奈川東部方面線という計画について、ターミナルである横浜駅の乗客が減少するという致命的な理由を始めとするいくつかの問題点からこの計画に乗り気ではなかった。しかし、少子高齢化による乗客数の減少という将来を見据えて考えを一転させ、東京都心および埼玉県方面への乗り入れに対して意欲的な姿勢をとるようになった。そして、2004年9月、路線の利便性を高めるために横浜駅を経由しないJRとの直通運転計画に踏み切ることになった。
相鉄とJRの計画は、神奈川県や横浜市が計画していた「神奈川東部方面線」に近いものであったが、新横浜駅を経由しないため、新たな計画が実現した場合に期待される効果は、県央部から都心への時間短縮効果のみであった。そのため、県や市は「そのままの計画では効果が薄い」として計画に介入を行った。さらに、この計画が実現すれば横浜駅で相鉄から東横線に乗り換えて東京都心へと向かう乗客をJRに奪われることを危惧した東急が2005年度末頃から計画に参加することになる。その結果、相鉄とJRの直通運転の計画を据え置きつつ、さらにこれを延伸するという形で費用は増えるものの新横浜駅を経由した東急との直通運転も行うということで得られる効果がより多い「神奈川東部方面線」として整備して行くこととなった。運輸政策審議会の答申内容からは若干変わっているが「神奈川県央部と新横浜駅から東京・埼玉方面を乗り換えなしでつなぐ」という目的は変わっていない。
この計画に従って、2006年(平成18年)5月25日に西谷 - 横浜羽沢間については相鉄が単独で、日吉 - 横浜羽沢間については相鉄・東急が共同で、それぞれ国土交通省に都市鉄道等利便増進法に基づく「営業構想」の認定を申請した。また、鉄道・運輸機構も同日に西谷 - 横浜羽沢間および日吉 - 横浜羽沢間の「整備構想」の認定を申請し、同年6月9日に西谷 - 横浜羽沢間が、23日に日吉 - 横浜羽沢間がそれぞれ営業構想および整備構想の認定を受けている。
そして11月21日に西谷 - 横浜羽沢間の速達性向上計画が国土交通大臣に認定され、同日提出された日吉 - 横浜羽沢間の速達性向上計画も2007年(平成19年)4月11日に国土交通大臣に認可された。10月にはまず西側の相鉄・JR連絡線建設についての沿線住民向け事業説明会も開催され、本路線の着工に向けた具体的な計画が進行、相鉄・JR直通線について2009年度中の着工を目指すと発表された。なお、前述したが相鉄・JR直通線は2009年(平成21年)10月20日に国土交通省から工事施工認可を受けている。さらに相鉄・東急直通線の綱島駅については、同駅東側にある綱島街道の真下に新綱島駅を設置する計画に変更した。
西谷駅から横浜羽沢駅付近までの連絡線は、当初2005年に着工して2010年頃に開業する予定とされていたが、前記の通り東急との相互直通運転計画が浮上したこともあり、JRとの相互直通運転は2015年4月を目処に開始することとしていた。しかし、工事の遅れなどを理由に2013年4月23日には鉄道建設・運輸施設整備支援機構が2018年度内の開業に延期すると発表[10]、さらに2016年8月26日に2019年度下期への再度の延期を発表した[1]。なお、東急との直通線における開業時期についても2022年度に延期した。
本路線が完成すると、相鉄のターミナル駅である横浜駅を経由しなくても、直接相鉄沿線から東京都心方面へ向かうことができるようになるため、同駅の利用者減少が予想されている(ただし同駅利用者の減少分を考慮しても、JR東日本や東急からの流入客の方が多いと需要予測されており、相鉄の路線全体では逆に利用者が増加することが見込まれている)。そこで、相鉄は横浜駅 - 海老名駅間において特急の導入や、本路線経由・従来の横浜駅経由のどちらでも利用可能な定期券の販売などを検討している。
JR東日本は過去に川崎市の貨物線(武蔵野南線)の旅客化構想に多額の追加費用が掛かることから、難色を示した経緯があった(並走路線として川崎縦貫高速鉄道線が計画されていたが、これも事実上の中止となった)が、この計画により貨物線を経由した相鉄との直通を実現させる運びとなった。なお、相鉄・東急直通線の計画は両社ともに公式発表しているが、相鉄・JR直通線の計画については、JR東日本は連絡線の運営主体ではないため、現時点では相鉄側のみが公式発表を行っている(ただしJR東日本が発表した「グループ経営ビジョン2020 -挑む-」12ページ目には相鉄との直通運転を行う旨が僅かながら掲載されている)。
建設の利点
本路線の整備によって、以下のような効果が見込まれている[19]。
- 神奈川県央部・相鉄沿線から新横浜、東京都心への所要時間の短縮。
- 相鉄沿線から東京都心方面への乗り換え回数の減少。
- 相鉄・東急直通線が新横浜駅を経由することにより、新横浜都心や東海道新幹線へのアクセスの大幅な向上。
- 神奈川県央部 - 東京都心部 - 横浜をつなぐ鉄道ネットワークの形成により、地域間の連携と活性化が図られ、地域の更なる発展に寄与。
- 周辺路線の混雑緩和、環境問題への貢献 等
設置予定駅一覧
- 設置される駅や運営主体については正式に発表されておらず、このほかにも駅を増やすかどうかや優等列車の停車駅などは全く決まっていないため、現在プレスリリースに記載されている駅のみ記述するが、鉄道・運輸機構によると日吉 - 新横浜間は東急、新横浜 - 西谷間は相鉄が営業主体となる予定で、新横浜駅を相鉄と東急のどちらが管理するかは未定である[20]。
- 全駅神奈川県横浜市に所在。
- 地下鉄線の ( ) うちの英数字は駅番号を表す。
路線 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線 | 所在地 |
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直通運転 | 相模鉄道本線海老名駅まで直通運転予定 相模鉄道本線経由いずみ野線湘南台駅まで直通運転予定 | ||||
相鉄 ・JR 直通線 |
西谷駅 | - | 0.0 | 相模鉄道: 本線 (SO08)(直通予定) | 保土ケ谷区 |
羽沢横浜国大駅 | 2.7 | 2.7 | 東日本旅客鉄道:東海道本線支線(東海道貨物線)(西谷方面から直通予定) | 神奈川区 | |
相鉄 ・東急 直通線 |
0.0 | ||||
新横浜駅 | 東海旅客鉄道: 東海道新幹線 東日本旅客鉄道: 横浜線 (JH16) 横浜市営地下鉄: ブルーライン (B25) |
港北区 | |||
新綱島駅 (仮称) | 7.8 | ||||
日吉駅 | 2.2 | 10.0 | 東京急行電鉄: 東横線 (TY13)・ 目黒線 (MG13) 横浜市営地下鉄: グリーンライン (G10) | ||
直通運転 | 羽沢横浜国大駅から ○JR東日本湘南新宿ライン経由新宿駅(一部品鶴線経由東京駅)方面へ直通運転予定 日吉駅から ○東急目黒線目黒駅(一部東横線渋谷駅および都営三田線西高島平駅)方面へ直通運転予定 |
脚注
注釈
- ^ 新宿駅以北の池袋駅や埼玉県方向にも乗り入れは可能であるが、乗り入れる場合は埼京線経由とするのか、湘南新宿ライン(東北貨物線)経由とするのか、新宿駅および池袋駅以北の乗り入れをしないかまでは未定である。
- ^ 東京駅以北の上野駅や埼玉県・千葉県方向にも乗り入れは可能であるが、乗り入れる路線を宇都宮線とするのか、高崎線とするのか、常磐線とするのか、東京駅および上野駅以北の乗り入れをしないかまでは未定である。
- ^ 2013年(平成25年)3月15日までは、中目黒駅から東京メトロ日比谷線とも相互直通運転を行っていた。
- ^ これは本路線の計画の遅れによる修正により三田線の新型車両の計画を延期した上で変更されたものである(変更によって浮いた予算を都営地下鉄浅草線5500形の導入分に回し、同系の導入は2017年度に1編成だったものを一挙に19編成の導入に修正している)。
出典
- ^ a b c d “相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線ともに開業延期 - 建設費4,000億円以上に”. マイナビニュース. (2016年8月26日) 2016年8月26日閲覧。
- ^ 正式には東海道本線支線の品鶴線となる。
- ^ よくある質問F-02 どのようなルートを走るのですか?(相鉄グループ)
- ^ 相鉄・JR直通線、相鉄東急直通線(鉄道・運輸機構)
- ^ 相鉄とJR東の直通運転、品川・東京方面も検討 (日本経済新聞 2013年12月27日)
- ^ 品川・東京方面への乗り入れ検討申し入れへ 神奈川東部方面線で横浜市長(神奈川新聞 2016年9月10日)
- ^ 相鉄グループ100周年記念 都心直通用 新型車両「20000系」を導入 ベビーカーや車椅子にも優しい車両(相鉄グループ 2017年6月5日)
- ^ 相模鉄道の新型車のインパクト…東急直通線用20000系は日立製作所 A-train の傑作 レスポンス 2018年1月19日
- ^ 都市高速鉄道第7号相鉄・JR直通線計画概要パンフレット(H22.9作成) 横浜市
- ^ a b c 神奈川県で建設中の相鉄・JR直通線、工事の遅れで開業を2018年度内に延期 - マイナビニュース、2013年4月24日
- ^ 相鉄とJRの相互直通線、開業「3、4年遅れ」18年度内に/神奈川(神奈川新聞:カナロコ 2013年4月24日)
- ^ 相鉄「都心直結線」はどこへ乗り入れるのか 都心「進出」への長い道のり<後編>(東洋経済オンライン2015年9月22日)
- ^ 相鉄とJR相互直通へ 乗り換えなしで新宿に 西谷〜羽沢間の接続案浮上 - 神奈川新聞社、2004年9月8日
- ^ 相鉄と東急直通 新横浜経由で新線 今春申請、15年度開通へ - 神奈川新聞社、2006年1月1日
- ^ 横浜市議会議事録、平成18年 まちづくり調整都市整備委員会 [ 02月03日-01号 ]
- ^ 新横浜 - 川崎 - 羽田、新交通体系を建設、3首長懇で合意 - 神奈川新聞、1981年12月23日。
- ^ 東海道貨物線の本格的な旅客線化と羽沢駅停車を進め, 1期区間の神奈川東部方面線を羽沢駅に接続させれば2期区間の機能を代替できるものと考えます。 - 横浜市議会議事録、平成9年第1回定例会 [ 02月21日-03号 ]
- ^ 神奈川県情報公開審査会の答申第55号
- ^ “都市鉄道利便増進事業神奈川東部方面線 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線 完成後の効果”. (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構、相模鉄道(株)、東京急行電鉄(株). 2016年7月24日閲覧。
- ^ 神奈川・東京結ぶ新動脈 相鉄・東急直通線工事の全容(日本経済新聞2014年10月17日)
関連項目
- 横浜市営地下鉄グリーンライン(横浜環状鉄道)
- 運輸政策審議会答申第7号(1985年の運輸省答申)
- 運輸政策審議会答申第18号(2000年の運輸省答申)
外部リンク
- 都心直通プロジェクト - 相模鉄道(更新日不明/2017年1月28日閲覧)
- 大倉山商店街公式サイト(本路線の大倉山駅設置を訴えるページが存在する)
- 横浜市都市整備局 神奈川東部方面線の整備
- 鉄道・運輸機構 鉄道の建設 事業概要 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線 直通線事業紹介
- 2019年開業予定の相鉄・東急直通線、羽沢駅(仮称)〜日吉駅間の計画案を発表 (毎日コミュニケーションズ)
- 都市鉄道利便増進事業 神奈川東部方面線 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線