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Relay〜杜の詩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Relay〜杜の詩
サザンオールスターズ配信限定シングル
リリース2023年9月18日[1]
日本の旗 日本
規格デジタル・ダウンロード
ストリーミング
ジャンルロック
レーベルタイシタレーベル
SPEEDSTAR RECORDS
作詞者桑田佳祐
作曲者桑田佳祐
プロデュースサザンオールスターズ
チャート順位
サザンオールスターズ シングル 年表
歌えニッポンの空
2023年
Relay〜杜の詩
(2023年)
恋のブギウギナイト
2024年
Official Music Video
「Relay〜杜の詩」 - YouTube

Relay〜杜の詩」(リレー〜もりのうた)は、サザンオールスターズの楽曲。自身の6作目の配信シングルとして、タイシタレーベル / SPEEDSTAR RECORDSからダウンロード配信ストリーミングで2023年9月18日に発売された[1]

背景・リリース

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本楽曲は2023年9月2日に桑田のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM)にて初めて発表された[4]。また、本作と「盆ギリ恋歌」「歌えニッポンの空」は共通したテーマを持つ三部作であるとメディアでは語られている[5]。これらの楽曲はいずれも茅ヶ崎やレコーディングで通う東京青山をテーマとしたものであり、鍵となる言葉として"ふるさと"がモチーフに取り入れられている[5][6][4]

プロモーション

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2023年9月7日より、全国のユニクロ店舗にて9月18日からのテレビ放映開始に先駆けてCMを公開、さらに店内では本楽曲のフルバージョンを発売前に試聴することができた[7][8]

東京都内のJR東日本の各駅では2023年10月13日まで、スペシャル企画として山手線中央線(中央線快速)、総武線各駅停車17駅[注釈 1]の広告ボードに合計20面、デザインがそれぞれ異なる本楽曲のオリジナルポスター歌詞ボードをリレーする形で掲示、ポスター画像にはミュージック・ビデオの撮影を実施した日に撮り下ろしされたポートレートが掲示された[9]

テレビ披露

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放送日 番組名 放送局 披露曲 出典
2023年9月28日 NHK MUSIC SPECIAL サザンオールスターズ特別番組~45周年経っても“馬鹿でごめんよ” NHK総合 Relay〜杜の詩
チャコの海岸物語
東京VICTORY
太陽は罪な奴
希望の轍
Oh! クラウディア
勝手にシンドバッド
Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)
Moon Light Lover
LOVE AFFAIR 〜秘密のデート
歌えニッポンの空
盆ギリ恋歌
[10]
2024年3月3日 NHK MUSIC SPECIAL サザンオールスターズ~シン・ニッポンの"馬鹿でごめんよ"ライブSP完全版~ Relay〜杜の詩
「Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)」
「チャコの海岸物語」
白い色は恋人の色」(ベッツイ&クリス
「東京VICTORY」
My Foreplay Music
「Moon Light Lover」
涙のキッス
栄光の男
OH!! SUMMER QUEEN 〜夏の女王様〜
「歌えニッポンの空」
「盆ギリ恋歌」
「太陽は罪な奴」
真夏の果実
「希望の轍」
「勝手にシンドバッド」
「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート」
「Oh! クラウディア」
[11][12]
2024年4月6日 NHK BSプレミアム4K

チャート成績

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2023年9月27日付のオリコン週間デジタルランキングで初週2.3万DLを売り上げて、初登場1位にランクインした[2]

同日付のBillboard JAPANダウンロード・ソング・チャート“Download Songs"でも2.1万DLで1位にランクインしている[3]

収録曲

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サザンの大半の楽曲のレコーディングが行われるビクタースタジオ。
明治神宮外苑近辺の航空写真。1989年度撮影。
  1. Relay〜杜の詩
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ & 片山敦夫)[13]
    桑田出演[注釈 2]ユニクロ 「Life Wear/ヒートテック しあわせって今日のことだ編、スノードーム編」CMソング[7][8][14]。及び翌年のユニクロ「LifeとWear/2024ヒートテック 愛は熱編」CMソング[注釈 3]
    2023年に発表された楽曲の中では最初に制作が開始されており、サザンおよび桑田自身がレコーディングに使用している青山ビクタースタジオに近い明治神宮外苑再開発計画に対する問題提起を歌った楽曲となっている[16][17]。桑田は自身が無神論者であり[注釈 4]、且つでもでもない旨を語った上で[注釈 5][26]、明治神宮外苑をレコーディングの合間の散歩やジョギングのコースにしていることを公言しており、45年間通ってきたゆえに街並みや木々への愛着を持っている旨を語っている[13][17][26]。同年の4月に坂本龍一の訃報が報じられたことを受けて、様々な報道を通して再開発計画を知り、身近な問題として受け止めて制作された。もっとも桑田は計画に頭ごなしに反対していたわけではなく、土地所有者及び街を良くしようとする人々の思いや、それぞれの様々な事情・立場、メリット・デメリットなどを多角的に調べた上で作詞をしており、歌詞そのものも大事な土地をそのままにすることは主唱せず、意見のキャッチボールを目的とする内容となっている[13][17][27]。桑田はリリース直後のインタビューの中で「(計画に)賛成とか反対とかじゃなくて、みんなで意見のキャッチボールが出来るようなキッカケの曲になればというのが僕の思いだった。少しでもコミュニケーションが出来て、議論が深まってくれればいいなと」といったコメントをしている[27]。なお、作詞をするにあたり桑田が最初に口ずさんだフレーズは1番サビの「馬鹿でごめんよ」だった[27]。このような内容ゆえに「何らかの誤解やハレーションを起こすかもしれない」と思った桑田は曲を完成させる前に、「こんな曲を書こうと思う」という自分の意志を短い文章にまとめてスタッフに送ったことを語っている[27]BARKSによる記事では「“穏やかな対話、コミュニケーション”の大切さを歌っている」「静謐でありながらドラマチックなサウンドに大切な場所への愛と、未来への憂い、そして、人々がお互いを慮り対話を行うことへの切なる願いが込められたバラッドだ」と解説されている[1]
    先述の通り2023年9月2日放送の『桑田佳祐のやさしい夜遊び』で初めて音源が解禁された[4]。このオンエアをきっかけに本楽曲のことが瞬く間にSNSやメディアにより拡散や報道され、「異例の大反響」と評されるほどの話題になり、リスナー、読者、視聴者の中での議論が活発化した[28]。当時の時点では同番組のみでしか聴くことができなかった本楽曲に対してリスナーから「早く楽曲を聴きたい」といった声がSNS上などで殺到、それを受けて9月11日0時から全国のラジオ局で本楽曲のオンエアが開始された[29]
    9月6日にはデビュー45周年特別サイトで、本楽曲に対する桑田の想いを紐解く特別コラムを公開した[13][17]
    9月20日0時には本楽曲のミュージック・ビデオ (MV) がサザンオールスターズ公式YouTubeチャンネルで公開された[30]
    Apple Musicではドルビーアトモスによる空間オーディオ版が配信されており、サザンおよび桑田佳祐としては初の空間オーディオ配信となる[30][31]
    茅ヶ崎ライブ2023』では2023年の三部作の中で唯一生演奏されなかったが、終演時のエンドロールとして用いられた[32]

脚注

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注釈

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  1. ^ 新宿駅1番線(埼京線湘南新宿ライン)、原宿駅1番線(山手線)、渋谷駅東急電鉄改札内地下4階)、恵比寿駅4番線(埼京線、湘南新宿ライン、りんかい線)、大崎駅8番線(埼京線、湘南新宿ライン、りんかい線)、品川駅1番線(山手線)、神田駅1番線(京浜東北線)、秋葉原駅2・3番線(山手線)、上野駅1番線(京浜東北線)、西日暮里駅4番線(京浜東北線)、田端駅4番線(京浜東北線)、池袋駅1番線(埼京線)、目白駅1番線(山手線)、高田馬場駅1番線(山手線)、御茶ノ水駅1番線(中央線)、四ツ谷駅1番線(中央線快速)、信濃町駅2番線(中央・総武線各駅停車)
  2. ^ スノードーム編は、メンバー全員出演。
  3. ^ CMが放送された2024年に使用[15]
  4. ^ その一方で、2005年にサザン名義で発表したインストゥルメンタルの楽曲「キラーストリート」のことを「もしかしたら音楽の神様がこの曲を私に与えてくれたのかもしれない」と語ったり[18]、2008年に横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で開催されたサザンのライブ『真夏の大感謝祭』のMCで「音楽の神様に乾杯!!」「音楽の神様が皆さんに微笑んでくれますように心から祈っています」と観客やファンおよび関係者に向けて叫ぶなど、「音楽の神様」という言葉を度々好んで使う傾向がある[19]
  5. ^ 桑田は自身の思想について「僕には何か特定の主義もなければ思想もありませんし、右でも左でもリベラリストでもなけりゃ、聖人君子でも何でもない」と述べている[20]。また、桑田は自身が生粋の純日本人であることを公言しており、日本の文化日の丸・国歌「君が代」を肯定する考えがあることも明かしている[21][22][23][24]東日本大震災発生から一週間後に放送された自身のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM)では「日本の国民のみなさんは素敵で優しい人たちだと思う。この国に生まれて良かったなと思います」と発言している[25]。詳細は桑田佳祐#思想・哲学桑田佳祐#日本文化への造詣も参照のこと。

出典

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  1. ^ a b c サザンオールスターズ、三部作第三弾「Relay~杜の詩」が9/18配信リリース決定,BARKS,2023年9月10日配信・閲覧。
  2. ^ a b デビュー45周年のサザンオールスターズ、5年3ヵ月ぶりにデジタルシングル1位【オリコンランキング】ORICON NEWS 2023年9月27日配信 2023年10月8日閲覧。
  3. ^ a b 【ビルボード】サザンオールスターズ「Relay~杜の詩」がDLソング首位デビュー、IMP.「IMP.」が続くBillboard JAPAN 2023年9月27日配信 2023年10月8日閲覧。
  4. ^ a b c サザン桑田佳祐さん、神宮外苑を憂える新曲 坂本龍一さん遺志つなぎ毎日新聞,2023年9月3日配信・閲覧
  5. ^ a b 月刊ローチケ,2023年8月15日号 P2より。
  6. ^ サザンオールスターズ 新曲「歌えニッポンの空」8月2日(水)配信リリース決定!!,SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE,2023年7月30日配信・閲覧
  7. ^ a b サザン×ユニクロ、ヒートテック新CMで初タッグ 桑田佳祐はバスケする綾瀬はるか&内田篤人を応援,2023年9月7日,音楽ナタリー
  8. ^ a b ユニクロ×サザンオールスターズが初タッグ! サザンの最新曲「Relay~杜の詩」が新TVCMのCMソングに,THE FIRST TIMES,2023年9月7日配信・閲覧。
  9. ^ サザンオールスターズ、「Relay~杜の詩」の“詩”をリレーする歌詞ボード展開開始 山手線などの駅に大型ポスターとして掲示,Real Sound,2023年9月22日
  10. ^ 8月17日22時放送 NHK MUSIC SPECIAL サザンオールスターズ特別番組~45周年経っても“馬鹿でごめんよ”NHK MUSIC 2023年9月21日配信 2024年9月4日配信
  11. ^ NHK MUSIC SPECIAL『サザンオールスターズ~シン・ニッポンの"馬鹿でごめんよ"ライブSP完全版~』NHK MUSIC 2024年2月23日配信 2024年9月4日配信
  12. ^ NHK MUSIC SPECIAL『サザンオールスターズ~シン・ニッポンの"馬鹿でごめんよ"ライブSP完全版~』今度はBSP4Kで豪華完全版!NHK MUSIC 2024年3月28日配信 2024年9月4日配信
  13. ^ a b c d サザンオールスターズ45周年特設サイト,2023年6月25日配信,2023年7月30日閲覧。
  14. ^ サザンオールスターズ「Relay〜杜の詩」が流れるユニクロのTVCM最新作に、メンバー5人が揃って出演決定!!YouTubeにて先行公開がスタート!!”. サザンオールスターズOffcial Site. 2023年10月13日閲覧。
  15. ^ サザンオールスターズ「Relay〜杜の詩」が流れるユニクロの「ヒートテック」新TVCMが公開スタート!”. SOUTHERN ALL STARS OFFCIAL SITE (2024年10月4日). 2024年10月4日閲覧。
  16. ^ サザンオールスターズ 「Relay〜杜の詩」9月11日(月)より全国ラジオ局でオンエアスタート!!,SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE,2023年9月11日配信,2023年9月14日閲覧
  17. ^ a b c d サザンオールスターズ新曲「Relay~杜の詩」、桑田佳祐の想い紐解く特別コラム公開,スポーツ報知,2023年9月6日配信・閲覧。
  18. ^ アルバム『キラーストリート』初回版ブックレット 桑田佳祐セルフライナーノーツ P3《DISC- 1》13.キラーストリートの項より。2005年。
  19. ^ 2008年のライブ・ビデオ『真夏の大感謝祭 LIVE』収録。
  20. ^ SWITCH Vol.33 No.4 Southern All Stars [我が名はサザン] p22より。
  21. ^ 『週刊文春』2014年9月18日号でのインタビュー特集『僕はポップスとニッポンを愛す』(p17)より。
  22. ^ 桑田佳祐 – 涙をぶっとばせ!!(Full ver.) Youtube 2020年5月5日配信 2020年12月9日閲覧。2:15 - 2:17を参照。
  23. ^ ぴあDay(1984年)1984年7月の「ぴあ」 ぴあDAY 2019年7月5日配信 2020年12月8日閲覧。
  24. ^ シークレットライブ '99 SAS 事件簿 in 歌舞伎町 SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  25. ^ 桑田佳祐と吉田拓郎との隠された過去。今日までそして明日から。 - Techinsight 2011年3月20日配信 2022年5月5日閲覧。
  26. ^ a b 次世代のために意見のキャッチボールを――移り変わる時代に、サザン桑田佳祐が音楽で生む「コミュニケーション」(1ページ目)Yahoo! JAPAN 2023年9月19日配信・閲覧
  27. ^ a b c d 次世代のために意見のキャッチボールを――移り変わる時代に、サザン桑田佳祐が音楽で生む「コミュニケーション」(2ページ目)Yahoo! JAPAN 2023年9月19日配信・閲覧
  28. ^ サザンオールスターズ ただ1度のラジオ・オンエアだけで 異例の大反響を呼んだ サザン2023三部作・新曲第三弾 「Relay〜杜の詩」 9月18日(月・祝)配信リリース決定! ジャケット写真を公開!,ENCORE,2023年9月10日配信,2023年9月11日閲覧。
  29. ^ サザンオールスターズ新曲「Relay~杜の詩」がラジオオンエア解禁,THE FIRST TIMES,2023年9月11日配信・閲覧。
  30. ^ a b サザンオールスターズ、ユニクロCM曲「Relay~杜の詩」MV公開決定,2023年9月18日,音楽ナタリー
  31. ^ サザン新シングル「Relay~杜の詩」空間オーディオ版。Apple Music独占配信,2023年9月19日,AV Watch
  32. ^ サザンオールスターズ、どこへ行ってもいつかここへ帰って来る、砂まじりの茅ヶ崎へBARKS 2023年10月4日配信 2023年10月6日閲覧

外部リンク

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