コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ニック・メイスン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Nick Masonから転送)
ニック・メイスン
Nick Mason

CBE
2022年撮影
基本情報
出生名 Nicholas Berkeley Mason
生誕 (1944-01-27) 1944年1月27日(80歳)
出身地 イングランドの旗 イングランド
ウェスト・ミッドランズ州バーミンガム
ジャンル プログレッシブ・ロック
サイケデリック・ロック
職業 ミュージシャンドラマー作曲家レコード・プロデューサー随筆家
担当楽器 ドラムパーカッションキーボードギターピアノメロトロン、テープ・コラージュ、プログラミング
活動期間 1964年 -
共同作業者 ピンク・フロイド
ニック・メイスンズ・ソーサーフル・オブ・シークレッツ
公式サイト Official (NickMasonDrums) - Facebook
ボブ・ディラン

ニック・メイスンNick MasonCBE1944年1月27日 - )は、イングランド出身のロックミュージシャンドラマー音楽プロデューサー

同国のプログレッシブ・ロックバンドピンク・フロイド」の創設メンバー。2019年大英帝国勲章(CBE)を叙勲。

ローリングストーン誌選出「歴史上最も偉大な100人のドラマー」第51位。

(※ニック・メイソンとの表記もあり。ピンク・フロイドにおける経歴は「ピンク・フロイド」の項を参照)

略歴

[編集]

ピンク・フロイド創設メンバー

[編集]
1970年のピンク・フロイドのライブ風景
ピンク・フロイド(1970年)

バーミンガムの比較的裕福な家庭に生まれる。父はドキュメンタリー映画演出家で、母はクラシックのピアニストだった。音楽的にも恵まれた環境で過ごしている。

リージェント・ストリート・ポリテクニック(現ウェストミンスター大学)に進学し、ロジャー・ウォーターズリチャード・ライトの2人と出会う。その後、「ピンク・フロイド」の母体となるバンドを結成する。

ピンク・フロイドとしてメジャー・デビューしてからは、他のメンバーに先駆けてソロとしての活動を始めている。幅広い音楽業界の交友関係を生かし、多くのミュージシャンのレコーディングやツアーに参加している。ダムドロバート・ワイアットゴングスティーヴ・ヒレッジマイケル・マントラーなどの作品に携わってきた。ドラマーとしての参加はもちろん、プロデューサーレコーディング・エンジニアとしての活動も行っている。

また、1981年に『空想感覚』、1985年に『プロファイルス - ピンクの進化論』(元10ccリック・フェンとの共作)という2枚のソロ・アルバムを発表している。ニック・メイスン名義ではあるが、前者はフリー・ジャズ・ピアニストのカーラ・ブレイのアルバムのセッション・ミュージシャン的位置付けが強い。

ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの対立により、フロイドの活動に亀裂が入ってからも、中立的な立場を採っている。1980年代以降の2人のソロ・ツアーに顔を出すなど、どちらとも良好な関係を維持している[1]

メンバーとの交流

[編集]

1984年4月28日 - 30日、ギルモアのツアー中に行われたロンドン・ハマースミス・オデオン3夜連続公演にゲスト参加する。この模様はVHS『David Gilmour』(未DVD化・国内版未発表)に収録された。

2002年6月26日 - 27日のロジャー・ウォーターズのツアー中に行われたロンドン・ウエンブリー・アリーナ公演に飛び入りして、他のピンク・フロイドのメンバーより一足早く、公に和解する。

2006年5月31日、ギルモアのロンドン公演にゲスト出演していることも確認されている。このツアーにはライトも参加していたため、1980年代後期以降のフロイド・メンバー3人が揃ったことになる。

ウォーターズのツアーで客演 (2007年)

同年、ピンク・フロイドのアルバム『狂気』の完全再現で話題になったウォーターズのツアーに、スペシャル・ゲストとして6月12日、29日、7月1日、12日、14日、9月12日、13日、10月5日、6日、8日に登場する。また、2007年のツアーには5月12日のみ参加した。

これらのゲスト参加について、メイスンはインタビューで「ギルモア側、ロジャー側、どちらで演奏しても何か欠けている」と発言している。

現在では執筆家としても活動しており、2004年にはメンバー自身による初のピンク・フロイドの伝記本『Inside Out』が著されている。また、米タイム誌には、2006年7月に死去したシド・バレットへの追悼文や車に関する記事を寄稿している。

2011年5月、ギルモアと共にウォーターズのソロ・ツアー「The Wall Live」の、O2アリーナ公演にて客演[2]

2012年に開催されたロンドンオリンピックの閉会式に出演し、ピンク・フロイドの曲「あなたがここにいてほしい」の演奏にドラマーとして参加した(他のメンバーは不参加)。

ピンク・フロイド活動停止 - 以降

[編集]

2014年、所属するピンク・フロイドが、20年ぶりのオリジナルアルバム発表したのを最後に活動停止[3]

2018年、初期のピンク・フロイド曲を演奏するトリビュートバンドニック・メイスンズ・ソーサーフル・オブ・シークレッツ (Nick Mason’s Saucerful of Secrets)」を結成し、ワールドツアーを開始[4]

2019年大英帝国勲章(CBE)を叙勲[5]

音楽的特徴

[編集]
2018年
  • 映像作品『ライヴ・アット・ポンペイ』など比較的初期のライブ映像では、かなりパワフルで激しいドラミングを観ることができる。ちなみに、この映像で「吹けよ風、呼べよ嵐」を演奏している際、激しいパフォーマンスのあまりドラムスティックが手からすっぽ抜けてしまう場面がある。しかし次の瞬間、すぐさま足元からスペアのスティックを取り出し、何事もなかったかのように演奏を続けている。
  • 左利きで右利き用セットを使用しているため、フィル・インのほとんどが左手からはじまり独特のフレーズとタイム感を持っている。ビートルズリンゴ・スターチープ・トリックのバン・E・カルロスなどと同じ。
  • またピンク・フロイドのサウンドの特徴と言えるSE(効果音)も、メイスンが中心となって作成していた。特に録音したテープを切り取り繋ぎ合わせていく「テープ・コラージュ」が得意だった。ロジャー・ウォーターズは「ピンク・フロイドに新しいテクノロジーを持ち込むのは、いつもニックだった」と振り返っている。

エピソード

[編集]
グッドウッドFOS』に出場(2008年)

ディスコグラフィ

[編集]

ソロ・アルバム

[編集]
  • 『空想感覚』 - Nick Mason's Fictitious Sports (1981年)
  • 『プロファイルス - ピンクの進化論』 - Profiles (1985年) ※元10ccのリック・フェンとの共作名義

ニック・メイスンズ・ソーサーフル・オブ・シークレッツ

[編集]
  • 『ライヴ・アット・ザ・ラウンドハウス』 - Live At The Roundhouse (2020年)

プロデュース作品

[編集]

ゴング

  • 『シャマール』 - Shamal (1975年)

スティーヴ・ヒレッジ

  • グリーン』 - Green (1978年)
  • 「ゲッティング・ベター」 - Getting Better (1978年) ※シングル

ダムド

プリンシパル・エドワーズ・マジック・シアター英語版

  • The Asmoto Running Band (1971年)

ロバート・ワイアット

  • 『ロック・ボトム』 - Rock Bottom (1974年)
  • 『ルース・イズ・ストレンジャー・ザン・リチャード』 - Ruth Is Stranger Than Richard (1975年) ※1曲のみプロデュース

その他参加作品

[編集]

マイケル・マントラー

  • The Hapless Child (1976年) ※ミキシング、エンジニアリング、語りで参加。
  • Something There (1983年) ※演奏で参加。
  • Live (1987年) ※演奏で参加。

著書

[編集]
ニック・メイスンの自叙伝(個人的回顧録)『インサイドアウト』は、2004年9月30日(※あるいは10月7日)、ロンドンに本社を置くオリオン出版グループ (Orion Publishing Group) 傘下のワイデンフェルト&ニコルソン社 (Weidenfeld & Nicolson) からハードカバー仕様で刊行された。
カバーデザインはヒプノシスストーム・ソーガソンが手掛けている。
OCLC 56943519, ISBN 0-2978-4387-7, ISBN 978-0-2978-4387-0.
その後、少なくとも2つの異なるペーパーバック版が刊行されている。Kindle版は2011年9月1日に刊行。
  • Mason, Nick (2005) [07 October 2004]. Dodd, Philip. ed (English). Inside Out: A Personal History of Pink Floyd (Paperback ed.). London: Phoenix Books . 
OCLC 871812814, ISBN 0-7538-1906-6, ISBN 978-0-7538-1906-7.
  • Mason, Nick (17 March 2005) [07 October 2004]. Dodd, Philip. ed (English). Inside Out: A Personal History of Pink Floyd (First U.S. Printing edition (Paperback) ed.). San Francisco: Chronicle Books . 
OCLC 156751431, ASIN B000F5ZH4Y, ISBN 0811848248, ISBN 9780811848244.
  • Mason, Nick (01 September 2011) [07 October 2004]. Dodd, Philip. ed (English). Inside Out: A Personal History of Pink Floyd (Kindle ed.). London: Weidenfeld & Nicolson . 
OCLC 1038438477, ASIN B005GQ5HXS, ISBN 1-4746-0648-2, ISBN 978-1-4746-0648-6.

レース戦績

[編集]

ル・マン24時間レース

[編集]
チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回 総合順位 クラス順位
1979年 イギリスの旗 ドーセット レーシング アソシエイツ イギリスの旗 ブライアン・ジョスリン
イギリスの旗 トニー・バーチェンホフ
イギリスの旗 リチャード・ジェンビー
ローラ・T297-フォード コスワース S
2.0
260 18位 2位
1980年 イギリスの旗 ピーター・クラーク
アイルランドの旗 マーティン・ビレーヌ
S
2.0
263 22位 3位
1982年 イギリスの旗 EMKA プロダクションズ イギリスの旗 スティーブ・オルーク
イギリスの旗 リチャード・ダウン
BMW・M1 Gr.5 IMSA
GTX
266 DNF DNF
1983年 日本の旗 童夢 レーシング イギリスの旗 クリス・クラフト
チリの旗 エリセオ・サラザール
童夢・RC-82-フォード コスワース C 75 DNF DNF
1984年 イギリスの旗 GTi エンジニアリング イギリスの旗 リチャード・ロイド
フランスの旗 ルネ・メチェ
ポルシェ・956 C1 139 DSQ DSQ

脚注

[編集]

出典

[編集]

外部リンク

[編集]