A号券
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A号券(エーごうけん)は、日本銀行券(紙幣、お札)の種類の一つ。A券とも呼ばれる。券種は、A百円券・A十円券・A五円券・A一円券・A十銭券・A五銭券の6種である。新円切替後初の日本銀行券のシリーズで、A百円券・A十円券・A五円券はろ号券、A一円券・A十銭券・A五銭券はい号券の後継として発行された。A百円券については後継にB号券が、A十円券・A五円券・A一円券については十円硬貨・五円硬貨・一円硬貨が後継として発行された。A号券は全券種発行が停止されているが、額面金額1円以上の4券種が有効である。
A号券の一覧
[編集]券種 | 表面 | 裏面 | 発行開始日 | 支払停止日・失効日 | 備考 |
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A百円券 | 聖徳太子と法隆寺夢殿 |
西院伽藍全景 |
1946年(昭和21年)3月1日[1][注 1] | 1956年(昭和31年)6月5日支払停止[3][注 2] | デザインはい百円券の流用・一部改変。 い百円券と異なる点は、表面の中央「百圓」の文字の下に赤色標識があり、裏面模様が青色(い百円券は赤色)であること。 い百円券は現在失効。 |
A十円券 | 国会議事堂と鳳凰 |
彩紋 |
1946年(昭和21年)3月1日[1][注 1] | 1955年(昭和30年)4月1日支払停止[4][注 3] | デザインは未発行のA千円券1次案の流用・一部改変。 |
A五円券 | 彩紋 |
彩紋 |
1946年(昭和21年)3月8日[1][注 4] | 1955年(昭和30年)4月1日支払停止[6][注 5] | |
A一円券 | 二宮尊徳、鶏、麦・稲など |
彩紋 |
1946年(昭和21年)3月20日[7][注 6] | 1958年(昭和33年)10月1日支払停止[9][注 7] | |
A十銭券 | 鳩 |
国会議事堂 |
1947年(昭和22年)9月5日[10] | 小額通貨整理法により1953年(昭和28年)末限りで失効[11] | |
A五銭券 | 梅 |
彩紋 |
1948年(昭和23年)5月25日[12] | 小額通貨整理法により1953年(昭和28年)末限りで失効[11] |
未発行券種
[編集]券種 | 表面 | 裏面 | 発行企画・製造等時期 | 備考 |
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A千円券1次案[13] | ※ 伐折羅大将 |
※ 彩紋 |
1945年(昭和20年)発行企画 | (※画像は流用先のA十円券) 終戦直後のインフレ対策のため企画されたが、GHQからのインフレ助長の可能性の指摘と肖像へのクレームのため発行中止。 |
A千円券2次案[14] | ※ 日本武尊、建部神社本殿 |
※ 彩紋 |
1946年(昭和21年)2月 - 3月製造 | (※画像は流用元の甲千円券) デザインは甲千円券の流用・一部改変(刷色変更・新円標識加刷)。 インフレ助長の懸念と兌換表示の残存の不都合があったため発行中止。 |
A五百円券[13] | 弥勒菩薩 |
彩紋 |
1945年(昭和20年)発行企画 | 終戦直後のインフレ対策のため企画されたが、GHQからのインフレ助長の可能性の指摘と肖像へのクレームのため発行中止。 |
A二百円券 | ※ 藤原鎌足、談山神社拝殿 |
※ 談山神社十三重塔 |
1946年(昭和21年)頃発行企画 | (※画像は流用元の丁二百円券) デザインは丁二百円券の流用・一部改変(刷色変更・新円標識加刷)。 検討され見本券が試作されたが本格製造・発行に至らず。 |
A十円券新円標識版 | ※ 和気清麻呂 |
※ 護王神社本殿 |
1946年(昭和21年)頃発行企画 | (※画像は流用元のい十円券) デザインはい十円券の流用・一部改変(刷色変更・新円標識加刷)。 検討され見本券が試作されたが本格製造・発行に至らず。 |
※を付けた画像は、本来の画像がないため代わりに暫定的に流用元や流用先等の類似の紙幣の画像を用いているものである。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 日本銀行金融研究所『日本貨幣年表』日本銀行金融研究所、1994年、P.91頁。ISBN 9784930909381。
- ^ 1946年(昭和21年)2月17日大蔵省告示第23號「日本銀行券百圓券及拾圓券樣式ノ件」
- ^ “現在発行されていないが有効な銀行券 百円券”. 日本銀行. 2021年6月19日閲覧。
- ^ “現在発行されていないが有効な銀行券 十円券”. 日本銀行. 2021年6月19日閲覧。
- ^ 1946年(昭和21年)3月5日大蔵省告示第97號「日本銀行券五圓券ノ樣式ノ件」
- ^ “現在発行されていないが有効な銀行券 五円券”. 日本銀行. 2021年6月19日閲覧。
- ^ 日本銀行金融研究所『日本貨幣年表』日本銀行金融研究所、1994年、P.92頁。ISBN 9784930909381。
- ^ 1946年(昭和21年)3月19日大蔵省告示第123號「日本銀行券壹圓券ノ樣式ノ件」
- ^ “現在発行されていないが有効な銀行券 一円券”. 日本銀行. 2021年6月19日閲覧。
- ^ 1947年(昭和22年)9月5日大蔵省告示第205號「日本銀行券拾銭券の樣式」
- ^ a b 1953年(昭和28年)7月15日法律第60号「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」
- ^ 1948年(昭和23年)5月25日大蔵省告示第157号「昭和二十三年五月二十五日から発行する日本銀行券五銭の樣式」
- ^ a b 植村峻『日本紙幣の肖像やデザインの謎』日本貨幣商協同組合、2019年1月、62-66頁。ISBN 978-4-93-081024-3。
- ^ 植村峻『日本紙幣の肖像やデザインの謎』日本貨幣商協同組合、2019年1月、165-166頁。ISBN 978-4-93-081024-3。