2017年希望の党共同代表選挙
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2017年希望の党共同代表選挙（2017ねんきぼうのとうきょうどうだいひょうせんきょ）は、2017年11月10日に行われた希望の党の共同代表を選出するための選挙である。選挙の結果、玉木雄一郎が当選した[1]。
背景
[編集]2017年10月22日に行われた第48回衆議院議員総選挙において、小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は、定数465議席の過半数を上回る235人を擁立して政権交代を目指す姿勢を鮮明にしたが、首班指名候補を明示せず[2][3]、国会議員団を代表する「共同代表」[4]も置かないまま選挙戦に臨み[注 1]、公示前の57議席を下回る50議席にとどまった[10][11][12]。
10月25日の両院議員懇談会で小池は「創業者としての責任がある」として代表続投を表明する一方、共同代表について国会議員に人事を一任する考えを示した[13]。共同代表について「代表の指名による」とする党規約を改正して年内に共同代表選を行う方針も確認され[11][14]、大島敦元民進党幹事長を暫定の共同代表とした上で第195回特別国会後に党規約を改正して共同代表選を行う方向で調整が進められた[15]。
しかし、速やかに党規約を改正して共同代表選を行うべきだなどとする異論が相次いだため[16][17]、10月27日の両院議員総会で暫定の共同代表は置かず渡辺周元防衛副大臣を首班指名候補とし、党規約を改正して11月中に共同代表選を行うことが決まった[18][19][20]。規約検討委員会を設置することも決まり[20][21]、10月30日に初会合が開かれ11月中旬に共同代表選を行う方向で党規約改正案の策定が進められた[22][23]。
11月2日の両院議員総会で党規約改正案と共同代表選出規則案が承認され、共同代表選を8日告示、10日投開票の日程で行うことが決まった[24][25][26]。
手続
[編集]共同代表選挙に立候補することができる者は党所属国会議員に限られる[27]（共同代表選出規則6条1項）。立候補に必要な推薦人は8人で[27]（共同代表選出規則6条2項）、党所属国会議員53人の約15％に当たる[28][25][29]。党所属国会議員が1人1票の無記名投票を行い、共同代表を選出する[27]（共同代表選出規則4条、7条4項）。選出された共同代表の任期は、代表の任期に従い（党規約8条6項）、2020年9月まで[30][31][32]。
日程
[編集]- 11月8日 - 告示、立候補受付、候補者共同記者会見[33]
- 11月9日 - パネルディスカッション[33]（於：憲政記念館[34][35][36]）
- 11月10日 - 両院議員総会、投開票、記者会見[33]（於：憲政記念館[37]）
候補者
[編集]立候補者
[編集]届出順[38]
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玉木雄一郎 | 衆議院議員（4期） 元民進党幹事長代理 |
政見 (PDF) [リンク切れ] |
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大串博志 | 衆議院議員（5期） 元民進党政務調査会長 元内閣総理大臣補佐官 |
政見 (PDF) [リンク切れ] |
立候補辞退者
[編集]- 渡辺周 - 衆議院議員（8期）、元民進党副代表、元防衛副大臣。11月5日に出演したフジテレビの「新報道2001」で立候補に意欲を表明したが[39]、推薦人が集まらず断念した[40][41][42]。
- 泉健太 - 衆議院議員（7期）、元民進党組織委員長、元内閣府大臣政務官。11月6日に立候補に意欲を表明したが[43][44]、推薦人が集まらず断念した[40][41][42]。
推薦人
[編集]衆参別五十音順
| 候補者 | 推薦人 |
|---|---|
| 玉木雄一郎 | 伊藤俊輔、源馬謙太郎、近藤和也、斉木武志、関健一郎、西岡秀子、古川元久、行田邦子 |
| 大串博志 | 岡本充功、下条みつ、田嶋要、寺田学、牧義夫、本村賢太郎、山岡達丸、山井和則 |
結果
[編集]| 得票数 | |
|---|---|
| 玉木雄一郎 | 39票 |
| 大串博志 | 14票 |
新執行部
[編集]玉木は共同代表に選出された後、小池と会談して新執行部人事を一任され[58]、11月13日に小池に人事案を提示して了承された[59][60]。新執行部人事の承認を諮るために開かれた11月14日の両院議員総会では、直前に小池が代表を辞任する意向を伝えたことを受け[61]、玉木を後任代表とすることが決まり[62][63][64][注 2]、その他以下の通り主要人事が承認ないし報告された[69][70][71]。
なお、両院議員総会の承認が必要な要職に起用された者のうち、結党メンバーは政策調査会長に就任した長島昭久元防衛副大臣だけで、大串陣営の推薦人はいなかった[72][73][74]。また、玉木陣営の選挙対策本部長を務めた古川元久元国家戦略担当大臣が幹事長、細野豪志元環境大臣が憲法調査会長に就任するなど、安保法制や憲法改正に肯定的な「小池路線」を踏襲する姿勢が鮮明な体制となった[75][76][注 3]。
11月20日の役員会で「特別顧問」の役職を新設して小池に就任を打診することが決まり[80][81][注 4]、小池は同日付で受諾したことを11月21日に発表した[84][85][86]。
| 代表 | 玉木雄一郎 |
| 代表代行 | 大島敦 |
| 幹事長 | 古川元久 |
| 幹事長代理 | 階猛 岸本周平 |
| 政策調査会長 | 長島昭久 |
| 政策調査会長代理 | 井出庸生 |
| 選挙対策委員長 | 大西健介 |
| 国会対策委員長 | 泉健太 |
| 国会対策委員長代理 | 今井雅人 |
| 参議院議員団代表 | 松沢成文 |
| 役員室長 | 岸本周平 |
| 会計監査 | 西岡秀子 |
| 認知症対策推進本部長 | 山井和則 |
| 行政改革・情報公開推進本部長 | 後藤祐一 |
| 憲法調査会長 | 細野豪志 |
| 外交・安全保障調査会長 | 渡辺周 |
| エネルギー調査会長 | 田嶋要 |
| 社会保障制度調査会長 | 小川淳也 |
- 出典：役員人事案（両院総会承認案件）（2018年4月17日アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 小池は選挙戦終盤、10月18日夜に出演したBS日テレの「深層NEWS」で選挙後の共同代表の設置について言及し[5][6]、10月19日の記者会見で再度言及するにとどまった[7][8][9]。
- ^ 11月14日の両院議員総会では、辞任を表明した小池が後任に玉木を推挙すると提案して拍手で承認されたが[65][66]、大串は新代表の決め方について手続の根拠が不透明と批判した[67][68]。
- ^ 玉木は共同代表選で小池に近い細野や長島ら結党メンバーから支持を受け、安保法制や憲法改正で「小池路線」を踏襲する姿勢を示したが[77][78]、11月9日に会談した連合の神津里季生会長からは新執行部人事における結党メンバーの起用に強い難色を示されたと報じられていた[79]。
- ^ 党規約に規定のない役職であり、原則として役員会にも出席しない[82][83]。
出典
[編集]- ^ 『共同代表選挙のご報告』（プレスリリース）希望の党、2017年11月10日。
- ^ “小池氏「首相指名は衆院選後に」…連立も検討か”. 読売新聞. (2017年10月5日)
- ^ “小池氏、他党との連立に含み 「結果次第」”. 日本経済新聞. (2017年10月5日)
- ^ 希望の党、複数の代表容認 規約案全文判明、任期6年 - 共同通信 47NEWS - ウェイバックマシン（2017年10月2日アーカイブ分）
- ^ 小池氏「都知事続ける、国会議員を共同代表に」 : 深層ＮＥＷＳ : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞（YOMIURI ONLINE） - ウェイバックマシン（2017年12月2日アーカイブ分）
- ^ “【衆院選】希望・小池百合子氏、衆院選後の代表続投に意欲 「国会に『共同代表』置く」”. 産経新聞. (2017年10月19日)
- ^ 【衆院選】希望・小池百合子代表、辞任検討「まだ早すぎる」 “排除”発言は「傷つけるつもりなかった」と釈明 - 産経ニュース - ウェイバックマシン（2017年10月23日アーカイブ分）
- ^ 希望・小池氏、衆院選後も代表続投＝国会議員から共同代表選出へ【１７衆院選】：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “希望・小池代表、結果次第での辞任を否定せず”. 朝日新聞. (2017年10月20日)
- ^ “希望・小池氏「自分の言動で不快な思い」と陳謝”. 読売新聞. (2017年10月23日)
- ^ a b 小池氏、代表続投を表明＝「排除」発言は陳謝－希望：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “【衆院選】「辞任すべきだ！」希望・両院議員懇談会で民進党出身者が小池百合子代表をつるし上げ”. 産経新聞. (2017年10月25日)
- ^ “小池氏「創業者としての責任ある」 希望代表の続投明言”. 朝日新聞. (2017年10月25日)
- ^ “希望・両院議員懇：小池氏「都政にまい進」 代表は続投”. 毎日新聞. (2017年10月25日)
- ^ ““希望の党”新執行部発足へ 焦点の共同代表は？”. テレビ朝日. (2017年10月27日)
- ^ “迷走する「希望の党」 人事問題どうなった？”. テレビ朝日. (2017年10月27日)
- ^ 希望・民進、混乱拡大＝トップ不在の異常事態：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ “希望：共同代表は空席 渡辺氏首相指名へ、幹事長に大島氏”. 毎日新聞. (2017年10月27日)
- ^ “希望、当面共同代表置かず 11月に代表選”. 日本経済新聞. (2017年10月27日)
- ^ a b 希望共同代表は来月選出＝幹事長・大島氏、首相指名・渡辺氏：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ 希望の党、幹事長に大島敦氏 共同代表は当面空席 - 共同通信 47NEWS - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ “11月中旬に共同代表選へ 希望、規約検討委で確認”. 日本経済新聞. 共同通信. (2017年10月30日)
- ^ 共同代表選規約、来月上旬に＝希望方針：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ 希望の党 共同代表選は８日告示１０日に投開票 | NHKニュース - archive.today（2017年11月2日アーカイブ分）
- ^ a b “希望、10日に共同代表選出 玉木・大串・泉氏が出馬に意欲”. 日本経済新聞. (2017年11月2日)
- ^ 希望共同代表、１０日に決定＝玉木、泉、大串氏が意欲：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ a b c 希望の党共同代表：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “希望の党 10日にも共同代表選出へ 玉木雄一郎、大串博志両氏ら浮上”. 産経新聞. (2017年11月2日)
- ^ “希望共同代表選、8日告示 安保、野党共闘巡り論戦”. 共同通信. (2017年11月7日)[リンク切れ]
- ^ 希望、玉木氏選出の公算大 10日に共同代表選 - 共同通信 47NEWS - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “玉木氏優勢、大串氏追う＝共同代表、10日選出―希望の党”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月10日)[リンク切れ]
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- ^ a b c 希望の党（2018年4月17日アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ “希望討論会、9条改憲で溝＝玉木氏「議論を」、大串氏「不要」”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月9日)[リンク切れ]
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- ^ “【新報道2001抄録】希望・渡辺周氏、共同代表選出馬に意欲「やる気ある。党内でいろいろな議論がはじまる」”. 産経新聞. (2017年11月5日)
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- ^ a b “「希望」共同代表選、玉木・大串両氏の一騎打ち”. 読売新聞. (2017年11月8日)[リンク切れ]
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- ^ “希望・泉健太氏、共同代表選に出馬表明”. 日本経済新聞. (2017年11月6日)
- ^ 玉木、大串氏が対決へ＝安保法・憲法が争点－希望共同代表選：時事ドットコム - ウェイバックマシン（2017年11月8日アーカイブ分）
- ^ “希望の党共同代表選が告示 玉木氏・大串氏が届け出”. 朝日新聞. (2017年11月8日)
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- ^ 東京新聞:希望共同代表選告示 安保、野党連携に溝:政治(TOKYO Web) - ウェイバックマシン（2017年11月9日アーカイブ分）
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- ^ 希望の党 共同代表に玉木雄一郎氏を選出 | NHKニュース - ウェイバックマシン（2017年11月10日アーカイブ分）
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- ^ “希望、共同代表に玉木氏 小池氏と党立て直し”. 日本経済新聞. (2017年11月10日)
- ^ “希望共同代表に玉木氏…「小池路線」を踏襲”. 読売新聞. (2017年11月10日)[リンク切れ]
- ^ “希望の党：玉木氏を共同代表に選出”. 毎日新聞. (2017年11月10日)
- ^ 希望の党、共同代表に玉木氏 大串氏を大差で退ける - 共同通信 47NEWS - ウェイバックマシン（2017年11月10日アーカイブ分）
- ^ “希望の党・共同代表に玉木氏 小池氏の路線踏襲”. 朝日新聞. (2017年11月10日)
- ^ 玉木氏、新体制づくり急ぐ＝幹事長や大串氏処遇焦点―希望 （時事通信） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ “希望、新執行部あすにも発足＝小池、玉木氏が再会談”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月13日)[リンク切れ]
- ^ “希望・小池代表、玉木氏の人事案を了承 新執行部発足へ”. 朝日新聞. (2017年11月13日)
- ^ 小池氏、希望代表辞任へ…都政に専念 （読売新聞） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年11月14日アーカイブ分）
- ^ “希望・小池代表が辞任＝後任に玉木氏”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月14日)[リンク切れ]
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- ^ ＜希望の党＞分裂加速か 小池代表辞任「投げ出し」批判も （毎日新聞） - Yahoo!ニュース - archive.today（2017年11月15日アーカイブ分）
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- ^ 【野党ウオッチ】気になる「第２民進」→「失望の党」？希望の党・玉木体制発足、執行部人事を読み解く - ライブドアニュース - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “小池氏、希望代表の辞任表明 「しかるべき形で支援」”. 朝日新聞. (2017年11月14日)
- ^ “希望「改憲路線」鮮明に＝野党共闘に影響も”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2017年11月15日)[リンク切れ]
- ^ 「親小池」か「親立憲」か＝希望、針路めぐり分裂の影―共同代表を10日選出 （時事通信） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ “希望共同代表選：小池路線是非が争点 玉木、大串氏届け出”. 毎日新聞. (2017年11月8日)
- ^ 火種ばかり…希望どこへ 共同代表に玉木氏 （産経新聞） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年11月15日アーカイブ分）
- ^ 特別顧問を新設＝小池都知事に就任打診へ―希望 （時事通信） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ 希望 小池知事に党の特別顧問就任を要請へ | NHKニュース - ウェイバックマシン（2017年11月26日アーカイブ分）
- ^ 小池都知事、希望の党特別顧問に 新ポスト、運営や政策を助言 - 共同通信 47NEWS - ウェイバックマシン（2017年11月20日アーカイブ分）
- ^ “希望が特別顧問新設、小池氏に就任打診へ”. 読売新聞. (2017年11月20日)[リンク切れ]
- ^ 小池百合子都知事が希望の党の特別顧問就任発表 - 産経ニュース - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ 小池氏、特別顧問に就任＝希望 （時事通信） - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン（2017年12月1日アーカイブ分）
- ^ “小池知事、希望の特別顧問就任を受諾”. 読売新聞. (2017年11月21日)[リンク切れ]