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臭化バナジウム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
臭化バナジウム(III)
識別情報
CAS登録番号 13470-26-3
特性
化学式 VBr3
モル質量 290.654 g/mol
外観 灰褐色固体
密度 4 g/cm3, 固体
への溶解度 可溶
THFへの溶解度 可溶
構造
配位構造 八面体形
関連する物質
その他の陰イオン 塩化バナジウム(III)
その他の陽イオン 塩化チタン(III)
関連物質 塩化バナジウム(II)
塩化バナジウム(IV)
臭化モリブデン(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

臭化バナジウム(III)(しゅうかバナジウム さん、Vanadium(III) bromide)は、化学式が VBr3 と表されるバナジウム臭化物である。固相では、6個の臭素が1個のバナジウム上に八面体形配位したポリマー状となっている。

VBr3 は、塩化バナジウム(IV) (VCl4) を臭化水素 (HBr) と反応させて得る。

この反応は不安定な臭化バナジウム(IV) (VBr4) を経由して進行する。一時的に生じる VBr4 は室温で Br2 を放出して VBr3 に変わる[1]

VBr3塩化バナジウム(III) (VCl3) と同様に、ジメトキシエタンテトラヒドロフランに対して可溶で、mer-VBr3(thf)3 のように赤褐色の可溶性錯体を形成する[2]

VBr3 を水に溶かすと trans-[VBr2(H2O)4]+ イオンが生成する。この水溶液から水を蒸発させると trans-[VBr2(H2O)4]Br が得られる。

脚注

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  1. ^ Calderazzo, F.; Maichle-Mossmer, C.; Pampaloni, G. and Strähle, J., "Low-temperature Syntheses of Vanadium(III) and Molybdenum(IV) Bromides by Halide Exchange", J. Chem. Soc., Dalton Trans., 1993, 655-658.
  2. ^ G. W. A. Fowles, G. W. A.; Greene, P. T.; Lester, T. E. "Ether Complexes of Tervalent Titanium and Vanadium" J. Inorg. Nucl. Chem., 1967, 29, 2365-2370.