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二塩化バナドセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二塩化バナドセン
識別情報
略称 Cp2VCl2
CAS登録番号 12083-48-6
RTECS番号 YW1580000
特性
化学式 C10H10Cl2V
モル質量 252.03 g/mol
外観 緑色の固体
沸点

分解

への溶解度 不溶
構造
結晶構造 三斜晶系
配位構造 四面体
危険性
主な危険性 刺激性
NFPA 704
0
2
1
Rフレーズ R25 R36/37/38 R38
Sフレーズ S26 S28 S36/37/39 S45
関連する物質
関連物質 二塩化チタノセン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二塩化バナドセン(にえんかバナドセン、Vanadocene dichloride)または、ジクロロビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)バナジウム二塩化ジシクロペンタジエニルバナジウムは、化学式が(η5-C5H5)2VCl2(または省略してCp2VCl2)のメタロセンである。二塩化チタノセンの類似化合物であるが、価電子が1個付加しているため常磁性である。二塩化バナドセンは他の(C5H5)2V化合物の有用な前駆体である。

合成

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Cp2VCl2ウィルキンソンとバーミンガムによって初めて合成された。NaC5H5とVCl4THF中で反応させ、クロロホルム塩化水素抽出トルエン再結晶することによって合成できる[1]

用途

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二塩化チタノセンと同じく抗癌剤として現在調査中である。抗癌剤としてのメカニズムは解明されていないが、トランスフェリンと相互作用するのではないかと考えられている[2]

脚注

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  1. ^ G. Wilkinson and J.G. Birmingham (1954). “Bis-cyclopentadienyl Compounds of Ti, Zr, V, Nb and Ta”. Journal of the American Chemical Society 76 (17): 4281–4284. doi:10.1021/ja01646a008. 
  2. ^ Murthy M. S., Rao L. N., Kuo L. Y., Toney J. H., Marks T. J. (1988). “Antitumor and toxicologic properties of the organometallic anticancer agent vanadocene dichloride.”. Inorg. Chimica Acta 152: 117–124. doi:10.1016/S0020-1693(00)83343-5. 

参考文献

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  • T. Hirao, A. Ogawa, M. Asahara, Y. Muguruma, H. Sakurai (2005). "d,l-Selective Pinacol-Type Coupling Using Zinc, Chlorosilane, and Catalytic Amount of Cp2VCl2; dl-1,2-Dicyclohexylethanediol". Organic Syntheses (英語). 81: 26.