二塩化バナドセン
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二塩化バナドセン | |
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二塩化ビス(η5-シクロペンタジエニル)バナジウム | |
別称 二塩化ジシクロペンタジエニルバナジウム | |
識別情報 | |
略称 | Cp2VCl2 |
CAS登録番号 | 12083-48-6 |
RTECS番号 | YW1580000 |
特性 | |
化学式 | C10H10Cl2V |
モル質量 | 252.03 g/mol |
外観 | 緑色の固体 |
沸点 |
分解 |
水への溶解度 | 不溶 |
構造 | |
結晶構造 | 三斜晶系 |
配位構造 | 四面体 |
危険性 | |
主な危険性 | 刺激性 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R25 R36/37/38 R38 |
Sフレーズ | S26 S28 S36/37/39 S45 |
関連する物質 | |
関連物質 | 二塩化チタノセン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
二塩化バナドセン(にえんかバナドセン、Vanadocene dichloride)または、ジクロロビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)バナジウム、二塩化ジシクロペンタジエニルバナジウムは、化学式が(η5-C5H5)2VCl2(または省略してCp2VCl2)のメタロセンである。二塩化チタノセンの類似化合物であるが、価電子が1個付加しているため常磁性である。二塩化バナドセンは他の(C5H5)2V化合物の有用な前駆体である。
合成
[編集]Cp2VCl2はウィルキンソンとバーミンガムによって初めて合成された。NaC5H5とVCl4をTHF中で反応させ、クロロホルムと塩化水素で抽出、トルエンで再結晶することによって合成できる[1]。
用途
[編集]二塩化チタノセンと同じく抗癌剤として現在調査中である。抗癌剤としてのメカニズムは解明されていないが、トランスフェリンと相互作用するのではないかと考えられている[2]。
脚注
[編集]- ^ G. Wilkinson and J.G. Birmingham (1954). “Bis-cyclopentadienyl Compounds of Ti, Zr, V, Nb and Ta”. Journal of the American Chemical Society 76 (17): 4281–4284. doi:10.1021/ja01646a008.
- ^ Murthy M. S., Rao L. N., Kuo L. Y., Toney J. H., Marks T. J. (1988). “Antitumor and toxicologic properties of the organometallic anticancer agent vanadocene dichloride.”. Inorg. Chimica Acta 152: 117–124. doi:10.1016/S0020-1693(00)83343-5.
参考文献
[編集]- T. Hirao, A. Ogawa, M. Asahara, Y. Muguruma, H. Sakurai (2005). "d,l-Selective Pinacol-Type Coupling Using Zinc, Chlorosilane, and Catalytic Amount of Cp2VCl2; dl-1,2-Dicyclohexylethanediol". Organic Syntheses (英語). 81: 26.