祐徳軌道
祐徳軌道 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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路線総延長 | 24.2 km | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 914 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
停車場・施設・接続路線(廃止当時) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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祐徳軌道株式会社(ゆうとくきどう)は、かつて佐賀県に存在した軽便鉄道を運営していた事業者である[1]。本線・支線の2路線を有し、旅客輸送および貨物輸送を行っていた。
廃線および会社解散後、同社のバス部門が祐徳自動車に引き継がれている[1]。
概要
[編集]九州鉄道(初代)により現在の九州旅客鉄道(JR九州)佐世保線・大村線が旧・長崎本線として開業した際、交通網から外れた鹿島町(現・鹿島市)を中心として藤津郡の有志(鍋島直彬、牟田万次郎、井原喜代太郎ら)の手によって会社が設立され(初代社長井原喜代太郎)、同線が通る武雄町(現・武雄市)から塩田村(後の塩田町、現・嬉野市)を経て鹿島町の祐徳稲荷神社への参拝客輸送も兼ねて建設を開始した。
1904年(明治37年)に馬車鉄道として開業し、1906年(明治39年)4月に武雄駅前までの延伸を果たす。この区間においては、当時の長崎本線(この区間は後に佐世保線に分離される)と平面交差も生じた。
1907年(明治40年)8月3日、塩田経由で高橋 - 祐徳門前間が開業。後に北鹿島 - 新渡間開業により総延長24.2kmとなるが、鹿島町を通る現行ルートで長崎本線が建設されることとなり、収支が悪化し1931年(昭和6年)に補償[2][3]を受けることとなり廃止が決まった。
廃止と祐徳自動車の設立
[編集]祐徳軌道の廃止にあたり、採算が取れていたバス部門は、別会社として1932年(昭和7年)に祐徳自動車を鹿島町で設立し引き継いだ[1]。祐徳自動車の初代社長には、祐徳軌道2代目社長・愛野文次郎の息子である愛野時一郎が就任した。祐徳自動車が武雄市から鹿島市の祐徳稲荷神社まで運行している乗合バス「祐徳線」は、かつての祐徳軌道と経由地がほぼ一致している。祐徳自動車を中核とする祐徳グループは、佐賀県唐津市の昭和自動車の昭和グループと並び、同県を代表する企業グループとして、交通事業や流通業等を多角的に行っている。
沿革
[編集]- 1903年(明治36年)12月23日:軌道敷設特許[4]。
- 1904年(明治37年)
- 1905年(明治38年)2月6日:祐徳門前 - 石木津間 (1M40C)、五町田 - 松原間 (6M32C) 開業。
- 1906年(明治39年)4月17日:松原 - 武雄間 (35C) 開業。
- 1907年(明治40年)
- 1909年(明治42年)5月21日:北鹿島 - 新渡間 (75C) 開業。
- 1920年(大正9年)9月:2代目社長に愛野文次郎が就任[1]。
- 1925年(大正14年)5月29日:軌道特許状下付(杵島郡朝日村 - 同郡北村間)[7]。
- 1927年(昭和2年)11月19日:軌道特許取消(朝日村 - 北方村間、「指定ノ期限マテニ工事ニ着手セサルタメ」)[8]。
- 1931年(昭和6年)
- 1932年(昭和7年)12月11日:祐徳自動車株式会社を設立、祐徳軌道のバス事業を承継。初代社長に愛野時一郎が就任[1]。
路線データ
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運輸
[編集]運行概要
[編集]- 旅客列車本数
- 高橋 - 祐徳門前間(本線):日18往復(他、祐徳門前 → 武雄間2本)
- 北鹿島 - 新渡間(支線):日15往復
- 所要時間
- 高橋 - 祐徳門前間:1時間50分
- 北鹿島 - 新渡間:9分
車両
[編集]機関車は、当初福岡鐵工所製の焼玉エンジン動力による小型石油発動機関車(通称「駒吉機関車」、筑後軌道や南筑軌道でも使用実績あり)が使われたが、あまりに低出力で故障も多かったことから、石炭使用の一般的な蒸気機関車に切り替えられた。
停留所一覧
[編集]『日本鉄道旅行地図帳』九州沖縄による。
- 本線
- 高橋 - 甘久 - 武雄駅前(←富岡)- 松原 - 馬場先(←馬場)- 永島 - 上野 - 楢崎 - 西山 - 志田原 - 下久間 - 塩田 - 五町田 - 真崎 - 五ノ宮 - 北鹿島 - 肥前鹿島(←鹿島)- 中川 - 小船津 - 肥前浜(←浜←八本木)- 古枝[久保山] - 祐徳門前
- 支線
- 北鹿島 - 井手 - 新渡(←百貫下)
接続路線
[編集]名称は祐徳軌道廃止時点。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 会社案内 - 沿革 祐徳自動車株式会社、2023年5月26日閲覧。
- ^ 「祐徳軌道株式会社所属軌道ノ経営廃止ニ対スル補償ノ為公債発行ニ関スル件」『官報』1931年3月31日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『日本国有鉄道百年史 』第7巻、172頁によれば、補償金額は133,000円。
- ^ a b c d 『#帝国鉄道年鑑』昭和3年版
- ^ 距離は『帝国鉄道年鑑』昭和3年版による。
- ^ 佐賀県塩田町教育委員会 2004 『肥前塩田津』塩田町文化財調査報告書30
- ^ 「軌道特許状下付」『官報』1925年6月4日 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 「軌道特許取消」『官報』1927年11月24日 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 「軌道運輸営業廃止」『官報』1931年6月8日 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ “『祐徳軌道(一)・自明治四十二年至大正五年』”. 国立公文書館デジタルアーカイブ. 鉄道省文書. 鉄道院・内務省土木局. p. 92. 2022年9月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 谷口良忠「祐徳軌道沿革史」『鉄道ピクトリアル』通巻487号、通巻488号1987年11月号、12月号、電気車研究会。
- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 12 九州沖縄、新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790030-2。
- 帝国鉄道協会(編纂)『帝国鉄道年鑑』(昭和3年版)帝国鉄道協会、東京市麹町区有楽町、1928年5月、pp. 555, 556頁。 - 本年鑑の統計は「昭和元年度」「昭和1年」の表記を使用しているため本項でもそれに倣った。