磯野庸幸
磯野 庸幸(いその つねゆき、旧姓・吉田、1878年(明治11年)10月25日[1] - 1981年(昭和56年)5月31日)は、日本の実業家・政治家(貴族院議員[2][3]、神奈川県会議員[3][4]、衆議院議員[4][5])、商人(丸二商会、貿易商[4][6])、神奈川県多額納税者[3][7][8]。
経歴
[編集]神奈川県橘樹郡大豆戸村(現・横浜市港北区大豆戸町)出身[9]。吉田吾山の四男で[1][注 1]、上郎清助の弟[4][10]。生家の吉田家は醤油醸造業を営んでいた。磯野國四郎の養子となり1920年、分家した[4][8]。
1900年、横浜商業学校を卒業し横浜正金銀行に入った[4]。陸軍三等軍吏に任ぜられ第1師団経理部部員として日露戦役に従軍、陸軍二等主計に任ぜられた[5]。輸出入商・丸二商会を起し経営した[5]。貿易商を営んだ[3]。
1928年の第16回衆議院議員総選挙(第1回普通選挙)で神奈川県第一区から立憲政友会所属で立候補して当選し、衆議院議員を一期務めた[2][11]。ジャパンモーター代表取締役[10]、上信銀行[12]、横浜市街自動車、東神冷凍工業、土地建物管理各取締役を務めた[4][10]。1934年、立憲政友会神奈川支部長に挙げられた[4]。
1938年6月24日、補欠選挙で互選され貴族院多額納税者議員に任じられ[13]、交友倶楽部に所属して活動し、1946年5月14日に辞職した[14][15]。その後公職追放となる[16](1951年追放解除[17])。
戦後神奈川相互銀行会長[1]、ラジオ関東社長、横浜商工会議所会頭を歴任した[2]。1964年、勲二等瑞宝章受章[2]。1965年、横浜文化賞受賞。1981年、102歳で亡くなった。
人物
[編集]貴族院多額納税者議員選挙の互選資格を有した[18]。宗教は真宗[1]。趣味は囲碁[1]。住所は神奈川県横浜市中区吉田町[7][8][18]、同市同区根岸町3丁目[1][4][6][12]。
家族・親族
[編集]- 磯野家
- 親戚
- 上郎清助(神奈川県多額納税者、資産家、貴族院議員、上信銀行頭取)
- 上郎新二(神奈川県多額納税者、地主)
- 太田孝之(医学博士、太田小児科病院長、医師)
- 澁澤金蔵(群馬県多額納税者、金融業、貴族院議員)
- 吉田三郎兵衛(醤油醸造業)
- 吉田新七郎(農学博士)
- 吉田羊治郎(滋賀県多額納税者、貴族院議員、滋賀県農会長)
著作
[編集]- 『我が人生』神奈川新聞社、1978年。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 『東京紳士録 昭和39年版』い49頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年2月24日閲覧。
- ^ a b c d 磯野 庸幸とはコトバンク。2018年1月13日閲覧。
- ^ a b c d 『人事興信録 第13版 上』イ188頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年9月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『人事興信録 第12版 上』イ232頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年1月13日閲覧。
- ^ a b c 『衆議院議員略歴 第1回乃至第19回』6頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年5月11日閲覧。
- ^ a b 『人事興信録 第14版 上』イ187頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年1月13日閲覧。
- ^ a b 『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』12頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年1月13日閲覧。
- ^ a b c 『人事興信録 第9版』イ194頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年9月9日閲覧。
- ^ a b 『われらの港北 30年の歩み』4頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年2月27日閲覧。
- ^ a b c 『人事興信録 第11版 上』イ253頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年9月15日閲覧。
- ^ 『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』68頁。
- ^ a b c 『日本紳士録 第36版』横浜イ、ヰの部8頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年9月15日閲覧。
- ^ 『官報』第3442号、昭和13年6月25日。
- ^ 『官報』第5799号、昭和21年5月17日。
- ^ 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』187頁。
- ^ 『朝日年鑑』昭和22年版、90頁、「公職追放者一覧」。
- ^ 『横浜近代史総合年表』618頁。
- ^ a b 『全国貴族院多額納税者議員互選人名総覧』10頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2018年1月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 人事興信所編『人事興信録 第9版』人事興信所、1931年。
- 交詢社編『日本紳士録 第36版』交詢社、1932年。
- 『全国貴族院多額納税者議員互選人名総覧』銀行信託通信社出版部、1932年。
- 交詢社編『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』交詢社、1933年。
- 衆議院事務局編『衆議院議員略歴 第1回乃至第19回』衆議院事務局、1936年。
- 人事興信所編『人事興信録 第11版 上』人事興信所、1937-1939年。
- 人事興信所編『人事興信録 第12版 上』人事興信所、1940年。
- 人事興信所編『人事興信録 第13版 上』人事興信所、1941年。
- 人事興信所編『人事興信録 第14版 上』人事興信所、1943年。
- 東京探偵社編『東京紳士録 昭和39年版』東京探偵社、1964年。
- 『われらの港北 30年の歩み』横浜港北新報社、1967年。
- 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
- 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
- 松信太助著『横浜近代史総合年表』有隣堂、1989年。
- 『朝日年鑑』昭和22年版、朝日新聞社、1947年。