コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

中斜里駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猿間川駅から転送)
中斜里駅
駅舎(2017年5月)
なかしゃり
Naka-Shari
B69 清里町 (7.3 km)
(4.6 km) 知床斜里 B72
地図
所在地 北海道斜里郡斜里町字中斜里83
北緯43度52分28.59秒 東経144度39分32.52秒 / 北緯43.8746083度 東経144.6590333度 / 43.8746083; 144.6590333座標: 北緯43度52分28.59秒 東経144度39分32.52秒 / 北緯43.8746083度 東経144.6590333度 / 43.8746083; 144.6590333
駅番号 B71
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 124.3 km(東釧路起点)
電報略号 ナリ[1]
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
8人/日
-2014年-
開業年月日 1929年昭和4年)11月14日[2]
備考 無人駅
テンプレートを表示

中斜里駅(なかしゃりえき)は北海道斜里郡斜里町字中斜里にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線である。駅番号B71事務管理コードは▲111615[3]

本稿では、駅周辺の斜里町字川上111にある、日本貨物鉄道(JR貨物)のコンテナ集配基地の中斜里オフレールステーションについても記述する。

歴史

[編集]
1977年の中斜里駅と周囲約1 km範囲。右が網走方面。かつては単式ホーム1面1線と貨物積卸線、駅舎横の釧路側に設けられた貨物ホームへ引込み線を有するだけのごく小さな一般駅であり、すぐ裏にストックヤードが広がっていて、多くの木材が野積みされていた。その後、左側に見えるホクレン中斜里製糖所が1958年(昭和33年)から操業を始め、ヤードの敷地に多数の仕分線もしくは留置線が敷かれ、かつての貨物積卸線は留置線を兼ねた副本線になり、ヤード前に新たに貨物積卸線が敷かれた。専用線は釧路側本線脇を暫く併走した後に、工場へ向けて2つのカーブを描いて向かっている。また駅の網走側からも右上の製材工場へ引込み線が敷かれていて(因みに1971年の航空写真では、この製材工場はまだ存在しない。)、その分岐から右の踏切付近まで留置線が伸びている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
  • 1929年昭和4年)11月14日国鉄猿澗川駅(さるまがわえき)として開業[4]一般駅[2]
  • 1950年(昭和25年)9月10日中斜里駅に改称[5][4]
  • 1958年(昭和33年)8月30日:ホクレン中斜里製糖工場竣工。専用線2782m使用開始。
  • 1984年(昭和59年)2月1日荷物の取扱を廃止[6]
  • 1986年(昭和61年)11月1日:専用線発着を除く車扱貨物の取扱を廃止[2]
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる[2]
  • 1988年(昭和63年)3月13日:専用線発着コンテナ貨物の取扱を開始。
  • 1997年平成9年)
  • 2002年(平成14年)4月1日:釧網本線の第二種鉄道事業の廃止により、JR貨物中斜里駅廃止。中斜里コンテナセンターが設置される。
  • 2006年(平成18年)4月1日:中斜里コンテナセンターを中斜里オフレールステーションに改称。

駅名の由来

[編集]

現駅名は斜里駅(現:知床斜里駅)と上斜里駅(現:清里町駅)の間にあることからの名称である[8]

改称前の駅名である猿澗川は斜里川の支流(現:猿間川)に由来する名称で、アイヌ語に由来するが諸説ある。

知里真志保による『斜里町史地名解』では「サㇽパオマナイ(sar-pa-oma-nay)」(サㇽ〔=斜里[9]〕の・しもに・ある・川)あるいは「サㇽパペッ(sar-pa-pet)」(サㇽの・川しもの・川)という解釈が紹介されており[10]、これについて山田秀三は「この川が斜里川下流に入ることを示したものとされたのだろう[10]」としている。

また、1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』は「サㇽオマペッ(sar-oma-pet)」(葦原・にある・川)によるとする説を掲載している[4][10]

駅構造

[編集]

単式ホーム1面1線を有する地上駅。かつては副本線(旅客ホームなし)および貨物ホームを有していた[11]知床斜里駅管理の無人駅である。

中斜里オフレールステーション

[編集]

中斜里オフレールステーション(略称:中斜里ORS)は、JR貨物のコンテナ集配基地である。ここでは12フィートコンテナのみを取り扱っており、貨物列車の代替のトラック便釧路貨物駅との間に1日2往復設定されている。

かつて中斜里駅は、ホクレン中斜里製糖工場の専用線を発着する、東鹿越駅発送の石灰石西港駅発送の石油1996年まで)、製品積載のコンテナなどの貨物を取り扱っていたが、1997年(平成9年)3月以降、中斜里駅は貨物列車の発着のない自動車代行駅となり、専用線は廃止された。その後2002年(平成14年)4月に当駅までのJR貨物の第二種鉄道事業が廃止になったためJR貨物中斜里駅は廃止され、中斜里コンテナセンターが設置された。中斜里コンテナセンターは2006年(平成18年)4月に現在の名称に改称した。

利用状況

[編集]

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1978年(昭和53年) 99 [12]
2016年(平成28年) 6.2 [JR北 1]
2017年(平成29年) 6.8 [JR北 2]
2018年(平成30年) 6.6 [JR北 3]
2019年(令和元年) 6.8 [JR北 4]
2020年(令和02年) 6.0 [JR北 5]
2021年(令和03年) 6.4 [JR北 6]
2022年(令和04年) 6.6 [JR北 7]
2023年(令和05年) 7.4 [JR北 8]

駅周辺

[編集]

北海道道沿いを中心に中斜里の集落が広がる。

隣の駅

[編集]
北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線[13]
知床斜里駅 (B72) - 中斜里駅 (B71) - *南斜里駅 (B70) - 清里町駅 (B69)
*打消線は廃駅

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、139頁。ISBN 4-09-395401-1 
  2. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、925頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  4. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、164頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ 大蔵省印刷局, ed (1950‐08-30). “日本国有鉄道公示 第194号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (7091). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2963637/3. 
  6. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 113
  7. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 186
  8. ^ 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 131. ISBN 4-89391-549-5 
  9. ^ 「サㇽ(sar)」は本来ヨシを表すアイヌ語であるが、ここでは地名としての「斜里」のアイヌ語名。以下同様。斜里町#町名の由来斜里川#名称の由来も参照。
  10. ^ a b c 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 218. ISBN 978-4-88323-114-0 
  11. ^ 『北海道 釧網本線』 p. 81
  12. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、914頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  13. ^ 下り順に記載。路線は清里町駅方の東釧路駅が起点。

JR北海道

[編集]
  1. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102545/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/08.pdf2017年12月10日閲覧 
  2. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818153329/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/08.pdf2018年8月19日閲覧 
  3. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  4. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  5. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道 (2024年). 2024年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月9日閲覧。

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]