「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」の版間の差分
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[[日本]]では翌年に[[MSX|MSX、MSX2]]にも移植された。その後、[[リメイク]]版として[[スーパーファミコン]](以下SFC)用ソフト『[[ドラゴンクエストI・II]]』、[[ゲームボーイ]](以下GB)用ソフト『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』に収録され、[[Wii]]用ゲームソフト『[[ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III]]』にFC・SFC版の両方が収録されている。 |
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[[2000年代]]以降には[[携帯電話]]用アプリ([[iアプリ]]、[[BREW|EZアプリ (BREW)]]、[[S!アプリ]])、[[スマートフォン]]アプリ([[IOS (Apple)|iOS]]。[[Android (オペレーティングシステム)|Android]])としての配信も行われるようになった。[[2017年]][[8月10日]]には[[PlayStation 4]]、[[ニンテンドー3DS]]版<ref>[http://www.4gamer.net/games/390/G039011/20170806004/ ドラゴンクエストの「I」「II」「III」がPS4とニンテンドー3DS向けに配信決定]4Gamer.net 2017年8月6日</ref>が、[[2019年]][[9月27日]]には[[Nintendo Switch]]版がダウンロード配信されている。 |
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北米では、[[1990年]]に[[Nintendo Entertainment System|NES]]にて『'''Dragon Warrior II'''』として発売され、後にGB版『Dragon Warrior I & II』にも収録されている。 |
北米では、[[1990年]]に[[Nintendo Entertainment System|NES]]にて『'''Dragon Warrior II'''』として発売され、後にGB版『Dragon Warrior I & II』にも収録されている。 |
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! ドラゴンクエストII 悪霊の神々 |
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| スクウェア・エニックス |
| スクウェア・エニックス |
2021年5月20日 (木) 23:17時点における版
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
---|---|
対応機種 |
ファミリーコンピュータ NES |
開発元 |
チュンソフト アクアマリン |
発売元 |
エニックス 任天堂 エニックスアメリカ |
プロデューサー | 千田幸信 |
ディレクター | 中村光一 |
デザイナー | 堀井雄二 |
シナリオ | 堀井雄二 |
プログラマー | 中村光一 |
音楽 | すぎやまこういち |
美術 | 鳥山明 |
シリーズ | ドラゴンクエストシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
1メガビットロムカセット[1] 2メガビット+64キロRAM ロムカセット |
発売日 |
1987年1月26日 1990年9月 |
売上本数 |
240万本 |
その他 |
型式: EFC-D2 NES-D2-USA |
『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(ドラゴンクエストツー あくりょうのかみがみ)は、1987年1月26日に株式会社エニックス(現:株式会社スクウェア・エニックス)より発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲーム。
日本では翌年にMSX、MSX2にも移植された。その後、リメイク版としてスーパーファミコン(以下SFC)用ソフト『ドラゴンクエストI・II』、ゲームボーイ(以下GB)用ソフト『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』に収録され、Wii用ゲームソフト『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』にFC・SFC版の両方が収録されている。
2000年代以降には携帯電話用アプリ(iアプリ、EZアプリ (BREW)、S!アプリ)、スマートフォンアプリ(iOS。Android)としての配信も行われるようになった。2017年8月10日にはPlayStation 4、ニンテンドー3DS版[2]が、2019年9月27日にはNintendo Switch版がダウンロード配信されている。
北米では、1990年にNESにて『Dragon Warrior II』として発売され、後にGB版『Dragon Warrior I & II』にも収録されている。
ファミリーコンピュータ版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてプラチナ殿堂入りを獲得、また『ファミリーコンピュータMagazine』の「ゲーム通信簿」にてキャラクタ1位、音楽1位、熱中度1位、操作性2位、オリジナリティ1位、お買い得度1位、総合評価1位を獲得した。
概要
ドラゴンクエストシリーズの第2作。徐々に高まった前作の人気を受け、発売直後から方々で品切れ、最終的に大ヒットとなり後に「ドラゴンクエスト現象」といわれる基礎を作った。キャッチコピーは「勇者の伝説が再びよみがえる」。
タイトルロゴの「II」のデザインは、盾を模したものとなっている。
本作の時代設定は前作『ドラゴンクエスト』(1986年)から100年後である。本作の主人公たち3人は勇者ロトの血を引く前作の主人公の子孫たちであり、主人公・ローレシアの王子は、まず仲間のサマルトリアの王子とムーンブルクの王女を見つけ、そして3人で力をあわせて悪の大神官ハーゴンに立ち向かう。前作と本作、後に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(1988年)の3作はストーリーの関連があることから、後に登場する英雄「ロト」の名を取って「ロトシリーズ」、「ロト三部作」などと呼ばれるようになった。
ROM容量は前作の倍の1メガビット(約128キロバイト)となり、既存システムの整理やパーティー制などの新システムが追加され、本作で取り入れられたシステムの大部分は後の作品にも受け継がれている。フィールドマップの広さは、前作(100×100)の6倍以上(256×256)となっており、冒険できる範囲が広がり、徒歩だけでなく、船に乗ったり、「旅の扉」で遠隔地へ瞬時に移動したりすることも可能となった。ビジュアル面では海岸線や壁などに代表されるグラフィックが強化されたほか、使用している楽曲数も増加されている。
社会現象を巻き起こした続編『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売後には、本作のゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われている(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエストを参照)。
なお、2003年(平成15年)に発売されたスピンオフ作品『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』は、本作の世界よりさらに未来という設定になっており、本作とほぼ同様の世界地図が登場している。
ゲーム内容
移植版・リメイク版については移植・リメイクの節を参照。
パーティー制
前作は主人公1人だけで冒険をするシステムであったが、本作では複数人のキャラクターが集団で行動するパーティーシステムを採用し、最終的には3人パーティーとなる。3人は能力の成長の仕方、覚える呪文、装備できる武器などが異なる。ただし、前作を経験していないプレイヤーへの配慮として、いきなり2人以上のパーティーで始まるのではなく、ゲームスタート時は1人だけでゲームを進めていくようになっている[3]。
本作に登場する3人のプレイヤーキャラクターのうち、「あなた」と呼ばれているのは「ローレシアの王子」であり、その名前はゲームスタート時にプレイヤー自身が付ける。後に仲間になる「サマルトリアの王子」と「ムーンブルクの王女」の名前は、「ローレシアの王子」の名前によって自動的に決定されるが、隠しコマンドを使うことによって自分の好きなように名前を付けることもできる。
貨幣のゴールドは全員共有だが、経験値やHP、MPなどのステータスは各キャラクターで別々となっている。アイテムも各キャラクターごと個別に管理され、それぞれ装備品を含めて8個まで持つことができる(まとめ持ちはできない)。仲間がいるときは、移動中にアイテムをほかのキャラクターに渡したり、回復用のアイテムや呪文を他のメンバーに対して使ったりすることもできる。
移動画面
ダンジョン
ダンジョンとして前作の『洞窟』のほかに『塔』が登場しており、地下に降りていく洞窟ダンジョンと、上層へ登っていく塔ダンジョンに分かれている。本作における塔は、外縁または吹き抜けから落ちることで地上に脱出したり、下階に移動したりできる(洞窟の場合、脱出の呪文が使えなければ、来た道を最初まで戻って脱出する必要がある)。あるアイテムを装備していると塔から落ちた際にやや離れたところに着地し、これを使わなければ行けない場所がある。
また、前作では洞窟ダンジョン内は真っ暗で、アイテム「たいまつ」や呪文「レミーラ」で明かりを灯す必要があり、どちらも使えない場合は全くの手探りで移動しなくてはならなくなるという演出であったが、本作では大幅に演出を変え、「たいまつ」「レミーラ」が廃止され、主人公から見通せる範囲だけ表示されるような演出となり、(前作に比べて)こういった演出であれば当時のハードウェア性能を最大限に生かすことができた。すなわち、テレビ画面全体を使いつつも、主人公たちからは見えるはずのない壁の向こうの空間などは表示されず、広い部屋に入れば部屋全体が見渡せる。壁の間にある通路の先が暗闇となっており、この暗闇部分に入ることで画面が切り替わり、隣のエリアに進む。しかし、画面を切り替えた瞬間は、視界の外に潜んでいたモンスターが現れるため、通常より高い確率で敵と遭遇する。
これらの演出方法は本作から数作にわたって採用された。
コマンド
移動画面でのメニューコマンドは6つに整理され、1つのコマンドに複数の役割を持たせたり、無駄なコマンドをそぎ落とすなどの整理が行われている。
- はなす
- 住民から話を聞く。今作では主人公を含めたほとんどのキャラクターに前後左右それぞれの向きのグラフィックが与えられており、どの方向にも自由に向くことができるようになったため、話したい人の方向を向いてから「はなす」コマンドを実行するようになった。このため話したい人がいる方角を入力する「きた」「みなみ」「ひがし」「にし」のサブコマンドは廃止されている。
- つよさ
- パーティーのステータスを表示する。
- そうび
- パーティーの装備を変更する。今作で新しく導入されたコマンドである。手に入れた武具は道具として持ち、この「そうび」コマンドを使用して装備させないと効果を発揮しない。
- じゅもん
- MPを消費して覚えている呪文を使用する。前作と異なり、戦闘時のみに使用する呪文は表示されなくなった。
- どうぐ
- 手に入れた道具を使用する。前作では「とびら」コマンドを使うか「どうぐ」コマンドで鍵を使うことで鍵のかかった扉を開くことができたが、今作では「とびら」コマンドは廃止されたので「どうぐ」コマンドで鍵を使い扉を開くこととなった。
- しらべる
- 主人公の足元を調べる。宝箱の中身は、宝箱の上で「しらべる」コマンドを使用することで取得できるようになったため、前作の「とる」コマンドは廃止された。
また、階段は上に乗ることで自動的に昇降するようになったため、前作の「かいだん」コマンドは廃止された。
店
城や町などに置かれた店は、武具を買える武器と防具の店、使用する道具を買える道具屋、HP・MPを全回復する宿屋、新しく登場した教会の4つが存在する。前作に登場した聖水屋は道具屋で聖水が販売され、鍵屋は鍵が何度でも使えるようになったため、それぞれ廃止されている。
教会では、寄付金を払うことにより、死んだキャラクターの蘇生、毒の治療、呪い[注 1]の解除が可能である。
また、本作限りの店として福引所が用意されている。「ふくびきけん」1枚につき1回福引(スロットマシン形式)に挑戦でき、絵柄が揃えばアイテムが手に入る。「ふくびきけん」は主に、道具屋で買い物をした時に、たまにおまけとしてもらうことができる。
移動手段
本作では移動手段が徒歩(と城へ帰還する呪文やアイテム)だけでなくなり、ほかの移動手段が追加された。
シリーズで初めての乗り物として、水上(海・川・湖)を移動することができる船が登場した。フィールド上から主人公たちが乗り込むことによって、水上を移動することができる。ただし浅瀬は通れない。上陸の際は、歩いて通ることのできる地形であればどこにでも上陸できる。地上同様、水上でもモンスターとの戦闘が発生し、水上のみ出現するモンスターもいる。
瞬間移動の呪文「ルーラ」や道具「キメラのつばさ」を使ったときは、最後に復活の呪文を聞いた城や町に瞬間移動するようになった。主人公たちと同時に船も移動先の城や町の近くへ移動する。
また、旅の扉という青い渦巻状の物体が各地の城・町やほこらなどに用意されており、飛び込むと、遠く離れた場所に一瞬で移動することができる。これを使わないと行くことのできない場所もある。旅の扉の多くは鍵が無いと利用できない。
戦闘
前作同様、フィールド上・ダンジョン内などでランダムエンカウントでモンスターとの戦闘となる。本作ではフィールド画面に戦闘ウィンドウが開くのではなく、背景が黒一色の戦闘専用の画面に移行する形式となっている。コマンド選択時の「コマンド?」のメッセージは削除された。
本作ではパーティーを組んでいる主人公一行に対して、敵も徒党を組んで襲い掛かってくる。同じ敵モンスターが複数集まりグループを組んでいる場合もあり、同じモンスターの集団に対しては通常攻撃(たたかう)では通常一体ずつしか攻撃できず、攻撃呪文にはグループ全員や敵全員を攻撃する効果を持つものもある。何匹いるのかはコマンド入力時のメッセージとともにグラフィックでも表示される。
前作での主人公と敵とが交互に行動する戦闘システムから、最初に味方全員の行動をコマンド選択で一度に指示し、1ラウンド内に敵・味方各キャラクターが1回ずつ(複数回連続攻撃する敵もいる。味方も装備により2回連続攻撃することも)、各自の素早さにランダム要素を加味して計算された順番で行動するというシステムへと変化した。ただし、戦闘の最初のラウンドでプレイヤー側から一方的に攻撃できる場合(先制攻撃)や、逆に敵から一方的に攻撃を受ける場合(不意打ち)もある。複数のキャラクターが入り乱れるようになったことで戦闘は一気に戦略性が向上し、後のドラゴンクエストシリーズ作品の戦闘システムの基礎を築いた。
呪文には、攻撃や回復、状態異常を及ぼすものの他、命中率や防御力などの能力値に影響を与える補助呪文が追加された。また状態異常には、この「死亡」やコマンド入力が行えない「眠り」、呪文が使えない「マホトーン」に加えて、移動画面に戻ったときに歩くごとにHPが減っていく「毒」と、通常攻撃の命中率が低下する「マヌーサ」が新たに追加された。
戦闘コマンドには、何もせず身を守ることにより敵からの攻撃のダメージを減少させるコマンド「ぼうぎょ」が追加された。1キャラクターが選べる戦闘コマンドは4つで、ローレシアの王子は「じゅもん」を選択することができない代わりに「にげる」を選択でき、他のメンバーは「にげる」を選択できない。ローレシアの王子が眠ったり死亡したりしていてコマンド入力できない状態の場合は、コマンド入力可能な最前のキャラクターの「ぼうぎょ」コマンドが「にげる」に変わる。
プレイヤーキャラクターのHPが0になると死亡扱いとなり、そのキャラクターは一切の行動ができなくなる。全員が死ぬと全滅となり、所持金が半減し、ローレシアの王子のみ生き返り、直前に「復活の呪文」を聞いた場所に戻される。
現れた敵をすべて倒すと勝利になり、経験値はとどめを刺したキャラクターと関係なく全員平等に手に入る。ただし死んでいるキャラクターは経験値を得ることはできない。本作ではモンスターが2体以上出現した場合のみ、その匹数[注 2]により獲得した経験値が割増になるシステムがあり、倒したモンスターの経験値合計×{1+(出現匹数-1)/10}+1(小数点以下切り捨て)が実際の獲得経験値となる。
敵の中にはザオリクを唱え、生き返らせるモンスターもいる。本作ではザオリクで生き返ったモンスターを倒すと、その分多くの敵を倒したものとして、戦闘終了後に入る経験値が加算される。
途中で逃げたり、味方が「メガンテ」の呪文を使った場合は、一部の敵を倒していても経験値やゴールド(貨幣)は手に入らない。本作からは、戦闘に勝利したときに敵モンスターが一定確率で宝箱を落とすことがあり、中には敵の宝箱からしか手に入らないアイテムもある[注 3]。
ふっかつのじゅもん(パスワード)
前作同様、本作にはセーブ用のメモリが搭載されていないため、ゲームの中断と再開には「ふっかつのじゅもん」(復活の呪文)とよばれるパスワードを利用する。本作では最大52文字と前作の20文字より長いが[注 4]、パーティーの人数や所持品の数などによってパスワードの長さが異なる可変長方式となっている。
パスワード入力画面で流れる楽曲は「Love Song 探して」。
前作ではパスワードは「ラダトームの城」1か所でしか聞けなかったが、マップの広くなった本作では複数の場所でパスワードを聞くことができ、ゲームを再開するときの出発地点はそのパスワードを聞いた場所となる。前作で城に帰る呪文・道具だった「ルーラ」「キメラのつばさ」は今作では最後にパスワードを聞いた場所に移動する。
前作と同じくパスワードには現在のHPやMPの値が記録されないため、パスワードを入力してゲームを再開した時点でHP・MPは必ず最大値となる。死亡状態でも復活した状態で再開するが、この場合は復活に必要なゴールドが差し引かれた状態のパスワードが発行される(不足の場合はゴールドが0となる)。
本作発売後には、語呂合わせによっていきなり高レベルからスタートできるなど、さまざまなパスワードが雑誌などに掲載された。もっとも有名な語呂合わせパスワードである「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺ…(以降最後まで「ぺ」)」[4]については、元々裏技として仕込まれたものではなく偶然ユーザーによって発見されたものだと堀井雄二が語っている[5]。
なお、本作のふっかつのじゅもんは、「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」でも使用可能となっており、ゲームをある程度有利な状態から始めることができるようになっている。
没要素
当初はオープニングのエピソードは絵物語形式で進行する予定だったが、容量の都合により削除され、使用される予定だったドット絵(正確には線を引いて内部を塗りつぶすプログラムとそれを指定するデータにより描画しており、これを担当した専任のプログラマがいた)は取扱説明書の6ページに1枚だけ採用されている。また他にもストーリーの途中で紙芝居的な演出を行う予定があったがそれも削除された[6]。
アイテムでは「あぶないみずぎ」がFC版で使用可能なアイテムとして収録される予定だった[6]。後述するようにMSX版以降では収録が実現している。他にも「耳せん」「死のオルゴール」などのアイテムがカットされ、その影響でダンジョン内のからっぽの宝箱が増えた[6]。
次作『ドラゴンクエストIII』から登場するだいおうイカを始めとするイカのモンスターは当初は本作で登場予定であった。これに関する出典はファミリーコンピュータMagazineの『ドラゴンクエストII』の記事にて登場モンスターの一体として写真付きで掲載されている。
北米版(NES版)
北米で発売されたNES版『Dragon Warrior II』は、内容は日本版とほぼ同じだが、日本版には無かったプロローグ(ムーンブルク城が襲われるシーン)が追加されている。
また、データの保存にバッテリーバックアップ方式が採用され[注 5]、日本版での教会の十字架が五芒星のマークに、棺桶が幽霊のグラフィックに変更されている。
バグ
本作では次のようなバグが確認された。これらは雑誌などでは「裏技」として紹介された。一部はゲームブック版(エニックス刊)でも採用された。
- 前作から存在しバグと言えるか微妙だが、復活の呪文に宝箱の情報は記録されないので、ダンジョンに置いてあるもので薬草等、一部の宝箱の中身は復活の呪文で復帰する事で何度でも取れる。
- ハーゴン城の幻影内で行った所持品の変更は無効になる事を利用して武器「はやぶさのけん」の2回攻撃の効果はそのままに、攻撃力は「はかいのつるぎ」のものが呪われることなしに適用する方法がある(「はかぶさの剣」と呼ばれる)[7]。これは後にゲームブック版や派生作品でオマージュされている。
- 1着しか入手できないはずの防具である「みずのはごろも」を2着入手することができる[8]。
- 一定条件を満たした状態でラストボスに敗北するとデルコンダルで戦闘が再開し、倒した後は普通では起こりえない現象がいろいろと起きる(MSX1/2ではバグは起きないと『MSX・FAN』に掲載)。ゲームブック版でも特殊アイテムを入手した状態で敗北すると同様の展開になるが、勝利後は通常通りの流れとなる。
- ラストボス勝利後、エンディングを迎えるためにはベラヌールの町の通路の扉を1か所開ける必要がある。そのため、必要な鍵を捨てていて、かつ扉を開ける呪文を覚えていない、もしくはMPが0である状態であると、通行不可となりリセットを余儀なくされる。リメイク版では鍵を捨てられない上、ボスを倒すとその扉が消えるためその心配は無い。
- 「ザラキ」の呪文が内部的に“大ダメージを与えて死亡させる”という処理になっているため、ごく一部のHPの多いモンスターは「ザラキ」が効いても死なない。
- 「いかずちのつえ」を複数保持はできないが、売ったり捨てた状態で復活の呪文を記録・復帰すると何度でも入手する事ができる[9](ただし、リメイク版ではハーゴンの城で悪魔神官やベリアルを倒した際に「いかずちのつえ」が追加で得られることもある)。
以上はリメイク版では解消されているが、SFC版については別のバグがいくつか発覚している。後のGB版以降で修正された。
- 「星の紋章」を「大灯台」でとる時、「グレムリン4体」が「グレムリン3体とゴーゴンヘッド」になり、途中で止まってしまい、電源を切らなければいけなくなる(音楽はとまらない)。
- 幻につつまれた状態の敵に即死の呪文「ザラキ」が100%成功する(SFC版ではザラキに耐性のある敵にかけると254のダメージを与えられるようになっている)。
- キーアイテム「ラーのかがみ」を、本来の対象以外にも使用できるが、使用後は消失するため、ゲームが続行不能になる。
設定
ストーリー
『ドラゴンクエスト』において、アレフガルドを恐怖に陥れた竜王は、勇者ロトの血を引く勇者によって倒され、それ以降、世界は平和な時代が続いた。勇者は、ラダトームの姫であったローラとともに新たな地を訪れ、国を築く。国号は妻の名を採って「ローレシア」とされた。
その後、国はローレシア、サマルトリア、ムーンブルクという3つの王国に分割され、勇者とローラがもうけた3人の子供とその子孫が各国を治めていった。本作はそれから100年が経ち、平和が破られた後の物語である。
ムーンブルク王国の城が邪教の教祖大神官ハーゴンの手先によって滅ぼされ、ムーンブルクから脱出した1人の兵士がローレシアにたどり着く。兵士はハーゴンのことをローレシア王に伝えるとその場で息絶える。サマルトリアやローレシアがハーゴンの手に落ちてしまうのを阻止するため、ロトの末裔であるローレシアの王子(主人公)が、ハーゴン討伐のためローレシアを旅立つ。
世界観
アレフガルド一国のみが舞台だった前作だが、本作ではそのアレフガルドを含んだ世界すべてが舞台となる。
世界地図の北端と南端、東端と西端はそれぞれ繋がっており、例えば世界地図の北西に位置するルプガナから北方へ向かうと南西のベラヌールに、西方へ向かうと北東のローレシア大陸に着く。これは以降のドラゴンクエスト作品すべてについていえることである。
物理的なマップの広さは前作の6倍以上となったが、アレフガルドのみにマップ全域を充てていた前作に比べればアレフガルドそのものは縮小され、アレフガルドではラダトーム城、竜王の城、沼地の洞窟、聖なるほこらのみを残し、前作で登場したそれ以外の町・村や洞窟は省略された。
舞台
- ロトの子孫の国
- 前作主人公がローラ姫と共にアレフガルドより旅立ち、建国した国「ローレシア」と、ローレシアより分割した「サマルトリア」「ムーンブルク」の三国。前作主人公およびその子供たちが初代国王となり、その縁から同盟関係にある。なお、『知られざる伝説』や小説といった外部書籍では、ムーンブルクは元々新大陸にあった国家でそこに娘を嫁がせたという設定も存在する。
- ローレシア
- 世界北東の海岸沿いにある王国。本作のスタート地点。城内にははるか南の島に通じる旅の扉がある。ローレシア城とサマルトリアの中間地点にはリリザの町がある。
- サマルトリア
- ローレシアの北西の森林に囲まれた場所にある王国。東方には勇者の泉、西方には湖の洞窟がある。城の南西にあるローラの門の奥にはムーンブルクに通じる洞窟がある。
- ムーンブルク
- サマルトリアの南、世界の中央部にある王国。しかし現在、城はハーゴンの軍勢に攻め落とされ廃墟となっており、城内は毒の沼が噴き出し、魔物が多数出現する。また、王などの人々が魂として漂っていて、しかもこの魂達には王女の姿が基本的に見えていない。城の北には「人と人が出会う町」と呼ばれるムーンペタの町がある。ほかに南東には風の塔が建っている。
- 上記以外の国家・都市
-
- ラダトーム
- 前作の舞台であったアレフガルドの中心の城と城下町。本作では城と城下町が1つのマップに統合されており、城と城下町の位置関係が前作とは逆である。ラダトーム王はハーゴンを怖れて身を隠している(武器屋の2階にラダトーム王らしき人物がおり、携帯電話版以降では必ず会いに行くことになる)ローラ姫の生家であるラルス王家には前作主人公やローラ姫の血縁は受け継がれていない。外部書籍では跡取りがいなくなったため、血族を養子に迎えたことでロトの血を引かない縁戚という間柄になっている。対岸の竜王の城は地上階が既に崩壊しており、地下内部にもハーゴンの配下の魔物が巣くうが、竜王のひ孫が暮らしている。竜王のひ孫は敵ではなく、ハーゴンの暴挙を不愉快に思っており、主人公たちに重要な情報を教える。また、はるか南の島には大灯台がそびえ立つ。
- ルプガナ
- アレフガルドから海を挟んで西にある港町。しかしここではよそ者には船を貸さないという慣わしがある。付近には運河を挟んで南北に建つドラゴンの角と呼ばれる塔がある。
- ベラヌール
- 世界の南西にある島のほぼ中央にある水の都。ロンダルキアのふもと(ペルポイの西のほこら)に通じる旅の扉があり(鉄格子によって阻まれている)、ロンダルキア台地と下界との中継地となる。
- テパ
- ロンダルキア台地の西に接する森林地帯にある本作で唯一の村。水門があるが、鍵を盗賊ラゴスによって奪われた。性能の高い防具「みずのはごろも」を作ることができる羽衣職人ドン・モハメが住む。村の南には満月の塔がある。
- デルコンダル
- ローレシアの南の島にある王国。武勇を尊ぶ国である。玉座のすぐ前に闘技場があり、王は決闘に勝った者に対して褒美を与える。一部の関連書籍では、『ドラゴンクエストIII』に登場する大盗賊カンダタが作った国とされている。
- ザハン
- はるか南東の小島の町。漁師の町であったが、漁師たちは魔物に襲われ海の藻屑と化した。したがってこの町で見られるのはほとんどが女性や子供である。神殿がある。対岸の小島にあるほこらにはローレシア城内に通じる旅の扉がある。
- ペルポイ
- ロンダルキア台地の南東にある町。魔物の攻撃を避けるため地下に作られており、対応する鍵がないと町に入れない。道具屋では人には言えない秘密のものが売られている。テパの村から水門の鍵を奪ったラゴスがどこかに隠れている。また「まちのうたひめアンナ」が登場する(リメイク版では登場しない)。付近には炎のほこらや、世界樹の生えた島がある。
- そのほかの地にある建造物・ダンジョン
-
- 海底の洞窟
- デルコンダルの西の海に浮かぶ浅瀬に囲まれた島の洞窟。邪神を祭る礼拝堂がある。MPを吸い取る「ふしぎなおどり」を使う敵が多く、歩くたびにHPを減らす溶岩や罠が仕掛けられた宝箱もあり、階段の数も多く複雑な構造となっている。
- 精霊のほこら
- デルコンダルとローレシア大陸の間の海に浮かぶ島のほこら。大地の精霊ルビスが降り立つ場所とされる。
- 敵地
-
- ロンダルキア台地
- 最終決戦の舞台となる台地。一面が雪に覆われ、急峻な山で下界とは隔絶されている。巨人族、悪魔族などが闊歩する異世界ともいうべき場所である。ここにたどり着くには、7層に及ぶ広さと、落とし穴や無限ループなどの仕掛けのあるロンダルキアへの洞窟を通らなくてはならない。台地には大神官ハーゴンの本拠地であるハーゴンの神殿があるが、侵入者に対して幻を見せ、これを打ち破らない限り本物の神殿には入れない。また、下界へ戻る一方通行の旅の扉のあるほこらも存在する。
道具
物語を進めるうえで特に重要な道具について解説する。
- 銀の鍵、金の鍵、牢屋の鍵、水門の鍵
- 扉を開けるための鍵。前作と異なり本作では何度でも鍵を使える(水門の鍵を除く)が、扉に対応する鍵を使わないと扉は開かない。鍵がなくても扉を開けられる呪文も存在する。
- 風のマント
- 高いところから飛び降りた時に滑空することのできるアイテム。滑空することで、遠く離れた場所に着地できる。
- ラーの鏡
- 真の姿を映す魔法の鏡。その後のシリーズにも定番アイテムとして登場する。
- 5つの紋章
- 世界各地に散らばる紋章。太陽・月・星・水・命の5つがあり、入手した紋章はステータスウィンドウ内に記号で表示される。リメイク版の公式ガイドブックでは物ではなく「心に刻む」ものとされている[10]。これらの紋章のある場所で「山彦の笛」を吹くと山彦が返ってくる。物語の中盤はこの紋章を集めることが中心となる。
- 邪神の像
- 破壊の神を模った像。ハーゴンのいるロンダルキアへの道を開くために必要となる。
- ルビスの守り
- 主人公たちが、かつてアレフガルドを創った精霊であるルビスから授かるお守り。まやかしを打ち砕く能力を持っており、邪神の像とともにハーゴンに近づくために欠かせない道具として存在する。
- ロトの剣、ロトの鎧、ロトの盾、ロトの兜
- 勇者ロトの残した武具。剣と鎧は前作と同様のものだが[注 6]、本作ではロトの剣よりも威力の強い武器が複数存在する。
登場人物
この節ではゲーム内で語られる設定を中心に述べる。100年後ということにより、前作の登場人物の子孫が主要キャラクターとして登場している。
メインキャラクター
前作から100年後という設定を考慮し、キャラクターのコスチュームアレンジが中近世的なものからスチームパンク作品的なものとなった。それぞれの盾、服、頭巾にロトの紋章が施されている。
同盟国同士でもあるが、物語開始時点ではプレイヤーキャラクター3人に互いの面識はない(双葉社のゲームブックも同様)。ただし、リメイク版ではサマルトリア王子、ムーンブルク王女が幼少時にローレシア城を訪れていることが明らかになっている[注 7]。小説やエニックスのゲームブック、CDシアターでは物語開始時点で3人とも顔見知りである。
最高レベルはFC、MSX/MSX2、SFC、GB版での値。携帯電話版では3人とも50に統一されている。
解説文中の呪文の詳細はドラゴンクエストシリーズの呪文体系を参照。
- ローレシアの王子[注 8]
- 声 - 古谷徹(ラジオドラマ版) / 山口勝平(CDシアター版) / 内田雄馬(ライバルズエース)
- 本作の主人公。ムーンブルク兵の命がけの報せを受け、父である王からハーゴン討伐へと送り出された。服の色は青を基調とし、頭に頭巾とゴーグルを着用。髪の色が発売メディア毎に不定(茶髪や黒髪など)で、『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』では銀髪。リメイク版では「ゆうしゃのしそん」という肩書きが与えられている。
- 攻撃力とHPが高く素早さも十分にあり、全ての武器(杖も装備可能)・防具(「あぶないみずぎ」を除く)を扱えるが、呪文は一切使えない(歴代シリーズでは唯一主人公が呪文を使えない)。最高レベルは50。
- リメイク版では最終ボスを倒した後にローレシア王から、勇者の称号を得る。
- サマルトリアの王子[注 9]
- 声 - 堀秀行(ラジオドラマ版) / 佐々木望(CDシアター版) / 福山潤(ライバルズエース)
- ローレシアの王子を探して旅立ったが、のんびり屋で寄り道好き[注 10]。妹(サマルトリアの王女)が1人いる。服の色は緑を基調としている。頭にはヘッドギアとゴーグルを着用。リメイク版では「まほうせんし」の肩書きが与えられている。
- 「たたかう」による前衛としても、「じゅもん」による後衛としても使えるキャラクター。相手を即死させるほどの大ダメージを与える「ザラキ」や死んだ仲間を復活させる「ザオリク」などの呪文を覚えるが、装備できるもっとも威力の高い武器が序・中盤で買える「てつのやり」(リメイク版では「ひかりのつるぎ」や「ロトのつるぎ」も装備できる)。性能が中途半端で扱いにくいキャラクターだが[11]、大器晩成型で、高レベルになると能力(特に攻撃力)が大きく向上する。最高レベルは45。
- ムーンブルクの王女[注 11]
- 声 - 平野文(ラジオドラマ版) / 横山智佐(CDシアター版) / 上坂すみれ(ライバルズエース)
- ムーンブルク城はハーゴンの軍勢によって壊滅しており、彼女も行方不明となっている。白いローブに赤紫の頭巾をかぶっている。髪の色はFC、MSX/MSX2版、『モンスターバトルロード』、後述の『ドラゴンクエストIX』では紫色で、SFC以降のリメイク版と『いただきストリート』シリーズでは金髪。リメイク版では「まほうつかい」という肩書きが与えられている。
- 攻撃力とHPは低く、扱える武器の種類も少ないが、唱えられる呪文の種類が豊富でMPと素早さが高い。呪文による後方支援を専門としており、今作での最強攻撃呪文「イオナズン」、味方1人を全快させる回復呪文「ベホマ」などを覚える。最高レベルは35。
サブキャラクター
- サマルトリアの王女
- サマルトリアの王子の妹。はっきりと物を言う勝気な性格で、自分も主人公たちと旅に出たいとせがむ。
- 小説版では「マリナ」、ゲームブックや『ドラゴンクエスト 知られざる伝説 ロト2』では「ティア」という名前が付けられている。
- ムーンブルク王
- ムーンブルクの王女の父。自身も優れた魔法の使い手だったが、襲撃してきたハーゴン配下の魔物たちとの戦いの末に命を落とす。死後も無念の想いを抱え、魂が廃墟と化した城内を彷徨っている(王女を仲間にした状態で魂に話しかけると「何も見えない…何も聞こえない…」という趣旨の台詞が追加される)。
- 船の番人
- 声 - 平野正人(CDシアター版)
- ルプガナに住む、船を所有する老人。小説版、CDシアター版では「ハレノフ」という名前がつけられている。最初は町の慣わしだとごねて、船の提供を主人公たちに渋っていた(『ドラゴンクエスト 知られざる伝説 ロト2』にそうなったきっかけが書かれている)。しかしその後、孫娘を主人公らが魔物から救ってくれたことを契機に、船の提供を決断する。
- ラダトーム王
- ラルス王家の血縁ではない現ラダトーム王。ハーゴンを恐れる余り、どこかへ姿をくらました。
- 竜王のひ孫
- 声 - 加藤精三(CDシアター版)
- かつての竜王の居城に住まう竜王に瓜二つの姿をした者。自らを竜王のひ孫と名乗り玉座に鎮座しているが、ロトの子孫たちを敵対視することはなく、自分に代わってハーゴンを打倒するようロトの子孫たちに依頼し様々な情報を与えて支援してくれるが、申し出を断ると拗ねてしまう。
- リメイク版ではシドー討伐後に竜王の城を訪れると主人公たちをちゃん付けで呼び友達になってほしいと申し出る。かつ自分のことは「リュウちゃん」と呼んでほしいとも言っている。
- 小説版、CDシアター版ではなぜ竜王の城にいるのかが本人の口から語られているが、名乗りは前者は「竜王の子孫」、後者は「竜王の血族」となっている。
- ドン・モハメ
- 世界で唯一、「水の羽衣」を織れる機織職人と名高い初老男性。典型的な職人気質で、気に入った材料を提供してくれなければ仕事をしないという。
- デルコンダル王
- 声 - 青野武(CDシアター版)
- 武勇の国の気質に相応しく、勇敢な戦士をこよなく愛する王。ハーゴン打倒に必要なアイテムの一つを所持している。
- リメイク版では短躯で筋肉質な、30代くらいの粗野な風貌の王として描き起こされている。ただし『ドラゴンクエスト 知られざる伝説 ロト2』では、外見は30代くらいだが、口髭を生やした文官風の男性として描かれている。
- タシスン
- ザハンの漁師。妻と飼い犬を残して漁に出たが、他の漁師と同様還らぬ人となった。町のどこかに金の鍵を埋めていた。
- ラゴス
- 神出鬼没の盗賊。テパから「水門の鍵」を盗んだ張本人。リメイク版の攻略本には、盗みを働くのは単に世間を驚かせたいだけだからだと記されている。ペルポイの牢獄に投獄されていたが、現在行方をくらましている。
- 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』では武術大会の対戦相手として、『ドラゴンクエストX オンライン』のクエスト「大盗賊の伝説」ではカンダタの知人として登場している。
- ルビス
- 声 - 潘恵子(CDシアター版)
- アレフガルドの創造主であり、大地の精霊[注 12]。紋章を全て揃えると、とある海上の祠の最上階に現れる。
- 大神官ハーゴン
- 声 - 銀河万丈(CDシアター版) / 鈴村健一(ライバルズ)
- 破壊神シドーを崇める大神官。主人公たちの倒すべき敵の親玉。ロンダルキア台地に神殿を構え、多数の魔物を率いてムーンブルクを滅ぼした。呪文を多用するほか、2回攻撃もでき、時折「甘い息」で眠らせてプレイヤーを行動不能にする。また、呪文「ベホマ」(リメイク版では「ベホイミ」)を唱え体力を回復する。リメイク版では遠方の人間に呪いを掛ける能力も持っている。
- イラストでは頭身が低く若干コミカルだが、パッケージイラストではリアルに描かれ、アーケードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』で再登場した際は元の意匠を残しつつアレンジが施され、肩書きも「邪神官」に変更された。
- 破壊神シドー
- 声 - 銀河万丈(CDシアター版) / 鈴村健一(ライバルズ)
- 本作の最終ボス。ハーゴンの死に際に召喚される、4本の腕を持った破壊を司る龍の姿の邪神。明確な意思はなく、ただ本能のままに破壊を繰り返す存在。HPが255[注 13]でハーゴンなどほかのボスキャラクターと比べて目立って高くはないが、1/4の確率[要出典]で完全回復呪文「ベホマ」を使うという特徴を持つ。最終ボスが「ベホマ」を使う例はシリーズ全作品を通して唯一のものである。攻撃面でも、激しい炎を吐いて全体に100前後の大ダメージを与えるほか、眠りの追加効果を持つ打撃(ファミコン版およびMSX1/2版)あるいは2回打撃(スーパーファミコン版以降のリメイク)を織り交ぜた凄まじい攻撃を仕掛ける。
- なお、シドー戦では特殊な戦闘処理の仕様として、絶対に会心の一撃が出ないようになっている。
- リメイク版では「ベホマ」を使用しなくなった代わりにHPが1750にまで増え、さらに呪文「スクルト」で守備力を上げてくる(ルカナンで防御力を下げることは可能)ようになった。
- 雑誌での紹介記事ではハーゴンがラストボスとして紹介されていたが、FC版『II』およびSFC版『I・II』ではパッケージの背景に姿が描かれている。
- 後に『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』や『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズ、『モンスターズバトルロード』などでも登場している。また、『ドラゴンクエストIX』ではレベルが上がると「ベホマ」を使用するようになる(ただし、完全回復はしない)。『ドラゴンクエストX』では「アスフェルド学園」ストーリーの最終ボス・狂乱の破壊神及び破界篇の最終ボスとして登場。こちらも「ベホマ」を使用するようになる(ただし、完全回復はしない)。『バトルロード』では強化形態「真・シドー」が、『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』ではオリジナルの強化形態「ジェノシドー」が登場する。
- アトラス、バズズ、ベリアル
- ハーゴンの3体の手下。それぞれ「ハーゴンの神殿」の各階層で戦闘となる。アトラスは棍棒を持った巨人の魔物で、高威力の打撃による2回攻撃を1人に集中して仕掛けてくる。バズズはコウモリの翼が生えたサルのような悪魔で呪文を多用する。HPが減ってくると自爆呪文「メガンテ」で主人公たちを全滅させようとする。ベリアルはトライデントのような武器を持ったバズズよりも巨大な悪魔で、2回攻撃の他に炎を吐き、呪文を多用し、時折「ベホマ」を唱えて体力を完全回復する。呪文への耐性が高い。
- アトラス、バズズ、ベリアル、ハーゴン、シドーの5体はダメージを受けた際の演出が通常の敵と異なっており、バリア床の音を鳴らして白く発光するという形になっている。
- 3体は後のドラゴンクエストシリーズでも登場。ナンバリングタイトルにおいては、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』でバズズが、『ドラゴンクエストVIII』でベリアルが、『ドラゴンクエストIX』でアトラスが、『ドラゴンクエストX』では各々が単独または3体揃って登場する。
- ドラゴンクエストモンスターズシリーズでは度々3体が揃って登場し『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』では本作品とほぼ同じ出現場所でパワーアップして登場する。『トルネコの大冒険』シリーズの『2』以降や前述の『キャラバンハート』など番外作品ではいくつか競演している。またアトラス以外はいずれもザコ敵としての再登場である。『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』では「ロンダルキアの悪魔たち」として揃い踏みで登場、通常一体で登場する魔王クラスの敵の中では異例の、三体一組の敵として立ちはだかった。後の『バトルロードIIレジェンド』の「レジェンドクエスト」ではアトラスが先駆けて登場し、バズズとベリアルはハーゴンと同時に登場する。
他機種版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 1988年2月6日 |
MSX | 個人開発[12] | エニックス | 2メガビットロムカセット | E-G206 | |
2 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 1988年5月 |
MSX2 | 個人開発[12] | エニックス | 2メガビットロムカセット | E-G207 | |
3 | ドラゴンクエストI・II | 1993年12月18日 |
スーパーファミコン | エニックス | エニックス | 12メガビットロムカセット | SHVC-DQ | リメイク版、売上本数約120万本 |
4 | ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II |
1999年9月23日 2000年9月 |
ゲームボーイ | トーセ | エニックス | 32メガビット+256キロRAM ロムカセット |
DMG-AEDJ-JPN |
リメイク版、売上本数約76万本 |
5 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2005年6月24日 |
FOMA 90xシリーズ対応 (iアプリ) |
トーセ | スクウェア・エニックス | ダウンロード (ドラゴンクエストモバイル) |
- | リメイク版 |
6 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2006年1月19日 |
BREW対応機種 (EZアプリ) |
トーセ | スクウェア・エニックス | ダウンロード (ドラゴンクエストモバイル) |
- | リメイク版 |
7 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2006年12月 |
S!アプリ | トーセ | スクウェア・エニックス | ダウンロード (ドラゴンクエストモバイル) |
- | リメイク版 |
8 | ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III |
2011年9月15日 |
Wii | インテリジェントシステムズ | スクウェア・エニックス | Wii用12センチ光ディスク | - | リメイク版、売上本数40万3953本 |
9 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2014年6月26日[13][14] |
Android iOS |
マトリックス | スクウェア・エニックス | ダウンロード (ドラゴンクエスト ポータルアプリ) |
- | リメイク版 |
10 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2017年8月10日 |
PlayStation 4 ニンテンドー3DS |
ビー・トライブ | スクウェア・エニックス | ダウンロード | - | リメイク版 |
11 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | 2019年9月27日 2019年9月27日 2019年9月27日 |
Nintendo Switch | スクウェア・エニックス | ダウンロード | - | リメイク版 |
MSX版・MSX2版
FC版の約一年後に発売されており、内容はFC版とほぼ同じだが、ロムの容量が増えたことでオリジナルアイテムとしてムーンブルクの王女のみが装備できる防具「あぶないみずぎ」[注 14]のアイテム並びにイベントの追加や、「あくましんかん」4匹などFC版では無かった敵のフォーメーションが登場し、全体的に敵が強く設定されているなどの変更が行われている。
音源が異なるため、メロディーラインが全てデューティ比50:50の矩形波になっている他、BGMにアレンジが施されており、特にパスワードを入力する際のBGM「Love Song 探して」はポルタメントを多用し、「歌」を強く意識したアレンジとなっている。ほぼ全曲においてFC版より長2度低く、例えばハ長調の王宮のテーマは変ロ長調になる。
コマンド画面でのアイテム表示が、8個一列ではなく4個二列に変更されている。
MSX版
MSX版では、単色スプライトでないと複数個のキャラクターの横並びが困難で、PCGが横8ドット毎に2色までしか表現できないために、スプライトとPCGを組み合わせてキャラクターを表示している。そのためにキャラクターの背景が黒く表示されるが、MSX1でもファミコン版に近い色使いのキャラクターを実現し、主人公3人の行進が可能になった。PCGが横8ドット毎に2色までしか表示できないために敵の色や背景の模様がのFC版と一部異なる、効果音が鳴っている間はBGMのパートが一部欠けるなどの違いもある。「あぶないみずぎ」入手時のイベントで、露出度の高い水着を着たムーンブルクの王女(鳥山明のデザインとは別物)のグラフィックが画面全体に表示される。 画面スクロールはPCG8ドット毎。MSX1版はFC版と同程度の速さがある。
MSX2版
MSX2版はFC版に忠実なグラフィックを実現している。戦闘突入時のフェードアウトがFC版と違い、MSX版はパレットが固定なので直接に戦闘画面・MSX2版はパレットを暗くしていく(フェードイン・フェードアウト)方式となる。「あぶないみずぎ」のグラフィック表示はカットされているが、台詞など、イベントそのものは同一である。
画面のスクロールにおいて、MSX2版の速度はFC版よりも遅い。
スーパーファミコン版
FC版のストーリーを基に、操作性やグラフィック面など多くの点を改良したリメイク作品。FC版発売から6年後の1993年(平成5年)に第1作『ドラゴンクエスト』と合わせて1本のソフト『ドラゴンクエストI・II』として発売された。町の人の台詞なども一部が変更・追加されたほか、NES版に追加されていたプロローグ(ムーンブルク城が襲われるシーン)とゲーム中盤でのシナリオの追加も行われた。
ゲームボーイ版
1999年(平成11年)に発売。SFC版と同様、第1作とセットで1本のソフトとなり、ナンバリングタイトル初の携帯ゲーム機用ソフトでもある。SFC版に準拠した移植だが、GB版ではその場でゲームを中断する「中断の書」機能が追加されている。
携帯電話版
2005年(平成17年)から配信が開始された携帯電話アプリ。iアプリ(メガアプリ非対応機種)版では容量の問題のために前編アプリと後編アプリに分けられており、それ以外の機種では1つのアプリに全編が収録されている。
グラフィックはSFC版『III』を、サウンドはゲームボーイ版『I・II』をベースとしたものになっているが、音楽の長さが一部短縮されている(FC版相当)ものもある。また、プロローグでは「パストラール〜カタストロフ」は使用されず、「王城」と「戦い」に変更されている。
GB版同様、「中断の書」機能が搭載されている。このほかには、レベルや必要経験値・呪文習得レベルの設定の変更や、攻撃呪文「ギラ」「ベギラマ」の対象範囲の変更、瞬間移動呪文「ルーラ」および瞬間移動アイテム「キメラの翼」の仕様変更(『ドラゴンクエストIII』以降のように行先の選択が可能に)、出現するモンスターの一部変更、「命の紋章」の入手場所の変更(紋章を全て揃えないとロンダルキアの洞窟に入れない仕様に変更された)、最高レベルが3人とも50までに変更(FC版・SFC版・GB版では、ローレシアの王子が50、サマルトリアの王子が45、ムーンブルクの王女が35)、などが行われている。
Wii版
2011年(平成23年)9月に発売。FC版の第1作・『III』、SFC版の『I・II』・『III』とセットで収録。中断機能が追加されている。
スマートフォン版
2014年6月26日にAndoridおよびiOS向けに配信開始。『I』同様にアプリケーション『ドラゴンクエスト ポータルアプリ』から購入・起動する方式。フィーチャーフォン版をベースに移植。グラフィック、操作方法はスマートフォン版『I』同様。戦闘画面ではNintendo DSのリメイク作等のように指定した行動が表示される。BGMはスマートフォン版『I』、『IV』同様交響組曲版をベースにしたシンセサイザー音源で、戦闘終了後のBGMは『I』同様途中から続けて流れる。
PlayStation 4・ニンテンドー3DS・Nintendo Switch版
2017年8月10日(Nintendo Switch版は2019年9月27日)に配信開始。スマートフォン版をベースにしたもので、3DS版は下画面にマップが表示される。ニンテンドー3DS版はアイテムの「やまびこのふえ」が紋章のある場所と無い場所でのSEが逆になっている。
音楽
BGM
すぎやまこういちは本作のBGM用として前作でベースにしていたバロック音楽を踏襲しつつ、前作から100年後の未来と言う世界設定に合わせ、ポップス寄りの曲も作曲した。エンディング曲「この道わが旅」は、アニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』およびアーケードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』でもエンディング曲として採用された。
ゲーム中の名前・パスワード入力時に使用されている楽曲には、牧野アンナが歌う「Love Song 探して」が使用されている。牧野はゲーム中に「アンナ」の名前でゲスト出演しており、話しかけるとBGMが同曲に変化するというサービスがある。リメイク版ではこの演出は無くなっている。この曲もアニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のBGMで使用されている。
サウンドトラック
†は廃盤。
- † CDシアター ドラゴンクエストII(書籍扱い)
- † ドラゴンクエストの世界「ドラゴンクエストII」悪霊の神々(アポロン音楽工業、BY30-5136、1987年2月5日) - 東京弦楽合奏団+バッキングセクションズ演奏のオーケストラ・バンドヴァージョンと、FC版のゲーム音源を収録。前者は「Love Song 探して」など数曲がバンドナンバーとなっている。
- † スーパーファミコン版 すぎやまこういち 交響組曲「ドラゴンクエストII」(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SRCL-2734、1994年2月21日) - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏のオーケストラと、SFC版のゲーム音源集。
- † 交響組曲「ドラゴンクエストII」悪霊の神々(アニプレックス、SVWC-7246、2005年4月20日) - 東京都交響楽団演奏。「聖なるほこら」が追加。
- 交響組曲「ドラゴンクエストII」悪霊の神々(キングレコード、KICC-6301、2009年8月5日) - 東京都交響楽団演奏。「聖なるほこら」が追加。
- 組曲「ドラゴンクエストI・II」(キングレコード、KICC-6315、2009年10月7日) - ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。後11曲が『II』の楽曲。
- 組曲「ドラゴンクエストI・II」(キングレコード、KICC-6321、2009年10月7日) - 東京弦楽合奏団演奏。後10曲が『II』の楽曲。
スタッフ
- ファミリーコンピュータ版
- MSX版
-
- プログラマー:日浅庄治、きたあきら
- CGデザイナー:村瀬幸司
- サウンド・プログラマー:田口泰宏
- チャージ:望月敬三
評価
雑誌媒体による評価
評価 | ||||||||||
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- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では9・10・10・9の合計38点(満40点)でプラチナ殿堂入りを獲得[16]、レビュアーからは「相変わらず『ウルティマ』色の強いゲームになっている」と『ウルティマ』との類似性に関して指摘があったが、「シナリオの精巧さ、ゲームバランスなど、一般的なファミコンゲームとは一線を画している」、「長く遊べそうな本気ですすめのゲーム」と完成度に関して肯定的に評価された[18]。
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、28.02点(満30点)となっている[1]。この得点は、『ファミリーコンピュータMagazine』 の「ゲーム通信簿」としては歴代最高得点となっている。
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合 得点 4.76 4.77 4.56 4.59 4.84 4.50 28.02
- 『ファミリーコンピュータMagazine』1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、本作により『ドラゴンクエスト』がシリーズ化されるに至る確固たる人気を得た事を指摘した他、マップの広さが前作の4倍となった事、移動手段として船や旅の扉が登場したことに関して「豊富な内容になっている」と肯定的に評価、さらに「IIでは謎はより深まり、イベントの数も増し、難易度も上がっている」と難易度の高さを指摘、パーティプレイに関しては戦闘時の攻撃バリエーションが増加した事などに触れ、「様々な行動パターンが生まれる」と肯定的に評価、その他にはイベントやダンジョンが増加した事やIの舞台であったアレフガルドが登場する事に対して肯定的に評価した[1]。その他、同付録の巻末に収録されている「ロムカセット部門別BEST5」では、キャラクタ1位、音楽1位、熱中度1位、操作性2位、オリジナリティ1位、お買い得度1位、総合評価1位を獲得している[17]。
難易度に関して
本作は、特にゲーム後半で重要アイテムを持つ人物「ラゴス」の発見が難解とされたこと、序盤から雑魚敵が強い、ダンジョン「ロンダルキアへの洞窟」のトラップの多さ、ルビスのほこらの発見が困難、最終ダンジョンの2階へ行くヒントが無い、最終ボスのシドーが完全回復呪文「ベホマ」を使用する(リメイク版は使用しないかわりにHPが多くなっている)ことなどから、「最高難度のドラゴンクエスト」と評されることもある[19]。
製作者の中村光一はテレビ番組でのクリエイターインタビューにおいて、ロンダルキアへの洞窟について「(迷路を抜ける古典的なテクニックである)壁を右手伝いで辿って行けば、穴に落ちずに抜けられるように作ってあるので、あんなに反響が多いとは思わなかった」とコメントしていた。さらに、終盤のテストプレイに十分な時間をかけられなかったせいで、「洞窟に挑む際は多分これくらいのレベルだろう」との想定で行われたバランスを読み誤り、高い難易度のまま確定してしまったことも明かしている[20]。
備考
本作のゲーム画面の雑誌への掲載が著作権侵害とされた裁判の判決(地裁)と解説が判例百選に掲載されている[21]。
中村光一によると、最終的に容量は10バイトほど余ったため、当時の開発用基板についていたLEDランプを順番に点灯させるお遊びが仕込まれている。当然一般ユーザーは発見することができないものだったが、遠藤雅伸はこの仕掛けに気付いたという[22]。
関連商品
攻略本
- ファミリーコンピュータ版
- ファミコン神拳奥義大全書 ドラゴンクエストII 悪霊の神々 (集英社、ISBN 978-4834210545)
- ドラゴンクエストII 完全攻略本 (徳間書店、ISBN 978-4197234707)
- ドラゴンクエストII 悪霊の神々 公式ガイドブック (エニックス、ISBN 978-4900527027)
- スーパーファミコン版
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ドラゴンクエストI・II (集英社)
- ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック (エニックス、ISBN 978-4870257412)
- ゲームボーイ版
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II (集英社、ISBN 978-4087790368)
- ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック 上巻 世界編 (エニックス、ISBN 978-4757501157)
- ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II 公式ガイドブック 下巻 知識編 (エニックス、ISBN 978-4757501164)
その他の書籍
- ファミコン冒険ゲームブック ドラゴンクエストII(双葉社刊、作・樋口明雄/スタジオ・ハード)
- 上巻 ISBN 978-4575760378、1987年7月
- 下巻 ISBN 978-4575760385、1987年7月
- ドラゴンクエスト モンスター物語[注 15](エニックス、ISBN 978-4900527089、1989年7月)
- ゲームブックドラゴンクエストII(エニックス刊、作・健部伸明/和智正喜(下巻のみ))
- 上巻 ISBN 978-4900527133、1989年9月
- 下巻 ISBN 978-4900527140、1989年9月
- 小説 ドラゴンクエストII-悪霊の神々-(エニックス刊、作・高屋敷英夫) ISBN 978-4757502444、1989年9月22日
- ドラゴンクエスト アイテム物語[注 15](エニックス、ISBN 978-4900527249、1989年12月)
- ドラゴンクエスト 知られざる伝説 ロト2[注 16](エニックス、本文: 松本多津子、ISBN 978-4900527829、1992年3月)
ラジオドラマ
- ラジオドラマ『ドラゴンクエストII』(ニッポン放送) - ストーリーの前半をラジオドラマ化。ラジオ特番『オールナイトニッポンスペシャル・徹底追求ドラゴンクエストII』の中で放送され、ナレーションは永井一郎。パーソナリティ鴻上尚史とゲスト堀井雄二、さくまあきららの『ドラゴンクエスト』に関するトークとドラマが交互に織り込まれる構成になっており、サマルトリアの王子がベギラマを唱える際、敵の頭数分必死に呪文を詠唱する表現が番組中でも話題になった。
脚注
注釈
- ^ 前作の呪いは1種類の効果しかなかったが、本作の呪いはアイテムにより効果が異なる。
- ^ モンスターとのエンカウント直後の匹数が対象であり、「○○(モンスター名)はたすけをよんだ!」で新たに現れたモンスターは含まれない。
- ^ 破壊の剣など1つしか所有できないアイテムをすでに所持している状態で同じアイテムを落とすモンスターと戦った後に宝箱が落とされた場合は、アイテムの代わりにゴールドを手に入れられる。
- ^ 中村光一もパスワードを間違えて苦い思いをしたとインタビューで語っている。
- ^ 保存されるデータは復活の呪文に相当する情報のみ。
- ^ 鎧の性能は異なり、毒沼・溶岩・バリアーのダメージ無効化は受け継がれるが歩く毎にHP回復の能力は無くなった。
- ^ ムーンペタにかつてローレシア城に仕えていた女性がおり、ローレシア王子が死んでいる状態で(画面上でサマルトリア王子かムーンブルク王女がパーティーの先頭にいるとき)話しかけるとその旨の発言をする。
- ^ 名前は自由に付けられる。ラジオドラマ版では「オール」、小説版およびCDシアター版では「アレン」、漫画版および公式ガイドブックでは「ロラン」となっている。
- ^ 名前は自由に付けられる。ラジオドラマ版では「ナイト」、小説版およびCDシアター版では「コナン」、漫画版では「サトリ」、公式ガイドブックでは「カイン」、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』では「クッキー」となっている。
- ^ エニックスのゲームブックのみ、性格や設定が大きく異なる(ゲームブック版を参照)。
- ^ 名前は自由に付けられる。ラジオドラマ版では「ニポン」、小説版では「セリア」、漫画版では「ルーナ」、CDシアター版および公式ガイドブックでは「ナナ」や「マリア」、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』では「プリン」となっている。
- ^ ただし、久美沙織の小説版では「炎の精霊」、『アイテム物語』などでは「精霊神」と呼ばれている。
- ^ 設計上の制約によりHPを256以上に設定できない。符号無し8ビット整数の上限は255(=0xFF)。
- ^ 装備して戦闘に参加すると、敵が水着に見とれて攻撃してこないことがある。
- ^ a b ドラゴンクエストI、II、IIIの3作品を取り扱っている。奥付にも、その3作品の表記がある。
- ^ 全9話の短編集。奥付には『ドラゴンクエストI』、『ドラゴンクエストII』の2作品の表記があるが、全9話の内8話が『ドラゴンクエストII』の話で、『ドラゴンクエストI』の話は1話のみである。
出典
- ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、114 - 115頁。
- ^ ドラゴンクエストの「I」「II」「III」がPS4とニンテンドー3DS向けに配信決定4Gamer.net 2017年8月6日
- ^ “Entertainment Meister - Vol.2 堀井 雄二 インタビュー”. 文化庁メディア芸術プラザ. 2010年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月6日閲覧。
- ^ 『週刊少年ジャンプ』の記事「ファミコン神拳」のライター(ゆう帝〈堀井雄二〉、ミヤ王〈宮岡寛〉、キム皇〈きむらはじめ〉)および堀井雄二、鳥山明の羅列
- ^ 『業界技術狩人 ギョーテック』2009年8月22日放送より。
- ^ a b c 「カタカナは20文字だけ」「没アイテムで宝箱がカラッポに」ファミコンハードの限界に挑んだ制作者たち - ねとらぼ・2018年1月7日
- ^ 「No.1 特別付録 超ウルトラ技 大技スペシャル・セレクション」『ファミリーコンピュータMagazine』第4巻第1号、徳間書店、1988年1月1日、8頁。
- ^ 「No.1 特別付録 超ウルトラ技 大技スペシャル・セレクション」『ファミリーコンピュータMagazine』第4巻第1号、徳間書店、1988年1月1日、9頁。
- ^ 「No.1 特別付録 超ウルトラ技 大技スペシャル・セレクション」『ファミリーコンピュータMagazine』第4巻第1号、徳間書店、1988年1月1日、38頁。
- ^ SFC版『ドラゴンクエストI・II』公式ガイドブック pp.179,217
- ^ 三条陸 (17 December 2020). "伝説の漫画がアニメとして甦る!!『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 の生みの親・三条陸先生を直撃! その頭脳と人柄に迫った" (Interview). ヴィレッジヴァンガードコーポレーション. 2020年12月19日閲覧。
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は無視されます。 (説明) - ^ a b 川俣晶Twitter 2019年8月15日
- ^ “スマホ向け「ドラゴンクエストII」が6月26日に配信開始” (日本語). ITmedia Moblie. アイティメディア (2014年6月19日). 2019年7月21日閲覧。
- ^ “ドラクエシリーズ2作目がスマホで復活!『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』配信開始”. iNSIDE. イード (2014年6月26日). 2019年7月21日閲覧。
- ^ “Dragon Warrior II for NES (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年4月22日閲覧。
- ^ a b “ドラゴンクエストII 悪霊の神々 まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年4月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、379頁。
- ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、7頁。
- ^ 『週刊ファミ通』2009年3月27日号増刊『オトナファミ 2009 April』p.53
- ^ 『ゲームセンターCX 第1シーズン#8』
- ^ 『著作権判例百選 第二版』斎藤博 他編、有斐閣刊
- ^ 『世界樹と不思議のダンジョン』先着購入特典 p42。