コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「シロップ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Mataqqr (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
m 曖昧さ回避ページ十和田へのリンクを解消、リンクを除去(DisamAssist使用)
 
(8人の利用者による、間の11版が非表示)
1行目: 1行目:
{{otheruses}}
{{otheruses}}
'''シロップ'''({{lang-nl|siroop}} {{IPA-nl|siˈroːp|}}、{{lang-en|syrup}} {{IPA-en|ˈsɪɹəp, ˈsiːɹəp, ˈsɝəp|}}、 {{lang-fr|sirop}} {{IPA-fr|siʁo|}})は、濃厚な糖液の[[総称]]で、しばしば粘稠性を伴う。語源は[[アラビア語]]で「飲み物、[[ジュース]]」を意味する「シャラーブ」({{lang|ar|شراب}}; {{unicode|''sharāb''}})とこれを基にした[[ラテン語]]の「シロプス」(siropus)に由来している。'''シラップ'''とも音訳される。'''舎利別'''(しゃりべつ)と[[当て字]]されることがある。
'''シロップ'''(果蜜<ref>[[松村明]]編 「シロップ」『大辞林 4.0』 [[三省堂]]、2019年。</ref>、{{lang-nl|siroop}} {{IPA-nl|siˈroːp|}}、{{lang-en|syrup}} {{IPA-en|ˈsɪɹəp, ˈsiːɹəp, ˈsɝəp|}}、 {{lang-fr|sirop}} {{IPA-fr|siʁo|}})は、濃厚な糖液の[[総称]]で、しばしば粘稠性を伴う。
語源は[[アラビア語]]で「飲み物、[[ジュース]]」を意味する「シャラーブ」({{lang|ar|شراب}}; {{unicode|''sharāb''}})とこれを基にした[[ラテン語]]の「シロプス」(siropus)に由来している。'''シラップ'''とも音訳される。'''舎利別'''(しゃりべつ)と[[当て字]]されることがある。

== 歴史 ==
[[日本]]では[[イタヤカエデ]]からの樹液の採取が行われ、特に[[アイヌ]]の人々はこれを珍重した<ref name="takeda">{{Cite journal|和書|author=[[武田淳]], [[李慶喆]], スィルワ サーリエ ディ |title=樹液飲用の文化誌: 伝統的利用と技術 予報 |journal=[[佐賀大学]]農学部彙報 |issn=05812801 |publisher=佐賀大学農学部 |year=2002 |month=dec |issue=87 |pages=37-51 |naid=110000452508 |url=http://id.nii.ac.jp/1730/00017881/}}</ref>。北海道では1885年(明治18年)に岩手県からの入植者によりカエデ糖の採取も行われた<ref name="takeda" />。青森県十和田ではイタヤカエデからの[[糖蜜]]の製造が行われている<ref name="takeda" />。

北米の[[カナダ]]や[[五大湖]]周辺の地域では入植者によって[[サトウカエデ]]の樹液からカエデ糖を採取するようになったが、[[アメリカインディアン]]が樹液を煮詰めて糖を取っていたのをならったものといわれている<ref name="takeda" />。当初はカエデ糖の生産が主力だったが、19世紀後半に[[サトウキビ]]を原料とする廉価な砂糖が大量に出回ったため、[[メープルシロップ]]の生産に移行していった<ref name="takeda" />。


== 料理 ==
== 料理 ==
{{出典の明記|date=2021年1月|section=1}}
{{出典の明記|date=2021年1月|section=1}}
=== 調理法 ===
=== 調理法 ===
砂糖の温度変化では、103 - 105℃程度になると、砂糖は溶けて無色透明の液状になる<ref name="aff">{{Cite web|title=砂糖の種類|url= https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1611/pdf/1611_06.pdf|website=aff 2016年11月号(農林水産省)|accessdate=2023-10-30|page=13}}</ref>。これよりも高い107 - 115℃程度になると[[フォンダン]](糖衣などに利用)となる<ref name="aff" />。
[[砂糖]]を同量程度の水に溶かして、[[とろみ]]が出るまで熱したものが一般的である。[[粘性]]の高さは糖に含まれる[[ヒドロキシ基]](-OH)と[[水]]の間の[[水素結合]]に起因する。工業的には、水に砂糖を溶かし、煮詰めて製造するが、[[香料]]などを加えるものと加えないものがある。水に溶かした砂糖のほかに、天然の[[蜜]]や[[果汁]]を煮詰めたもの、砂糖液に[[アラビアガム]]を加えて煮てより粘稠性を増した[[ガムシロップ]]のようなものもある。

工業的にはシロップは、水に砂糖を溶かし、煮詰めて製造するが、[[香料]]などを加えるものと加えないものがある。水に溶かした砂糖のほかに、天然の[[蜜]]や[[果汁]]を煮詰めたもの、砂糖液に[[アラビアガム]]を加えて煮てより粘稠性を増した[[ガムシロップ]]のようなものもある。


フルーツシロップは、もともと[[果実]]の搾り汁を加えて果物の[[香り]]や[[色調]]を与えていたが、[[近現代]]では[[人工着色料]]や香料を加えることが多くなった。[[かき氷]]や[[清涼飲料水]]の味付けなどに用いられる。
フルーツシロップは、もともと[[果実]]の搾り汁を加えて果物の[[香り]]や[[色調]]を与えていたが、[[近現代]]では[[人工着色料]]や香料を加えることが多くなった。[[かき氷]]や[[清涼飲料水]]の味付けなどに用いられる。
21行目: 30行目:


== シロップ剤 ==
== シロップ剤 ==
シロップ剤は溶解すると力価や効力の低減などの問題が生じる薬剤を液状の剤形にした内服薬をいう<ref>{{Cite web|url=https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E5%89%A4|title=シロップ剤|publisher=公益社団法人日本薬学会|date=2007-12-12|accessdate=2021-01-17}}</ref>。
[[シロップ剤]]は溶解すると力価や効力の低減などの問題が生じる薬剤を液状の剤形にした[[内服薬]]をいう<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E5%89%A4|title=シロップ剤|publisher=公益社団法人日本薬学会|date=2007-12-12|accessdate=2021-01-17}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
35行目: 44行目:
* [[鶏卵素麺]] - [[沸騰]]させたシロップに[[卵黄]]液を糸状に垂らして製造
* [[鶏卵素麺]] - [[沸騰]]させたシロップに[[卵黄]]液を糸状に垂らして製造
* [[水飴]]
* [[水飴]]
{{剤形}}{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:しろつふ}}
{{DEFAULTSORT:しろつふ}}
[[Category:甘味料]]
[[Category:甘味料]]

2024年2月3日 (土) 07:28時点における最新版

シロップ(果蜜[1]オランダ語: siroop [siˈroːp]英語: syrup [ˈsɪɹəp, ˈsiːɹəp, ˈsɝəp]フランス語: sirop [siʁo])は、濃厚な糖液の総称で、しばしば粘稠性を伴う。

語源はアラビア語で「飲み物、ジュース」を意味する「シャラーブ」(شراب; sharāb)とこれを基にしたラテン語の「シロプス」(siropus)に由来している。シラップとも音訳される。舎利別(しゃりべつ)と当て字されることがある。

歴史

[編集]

日本ではイタヤカエデからの樹液の採取が行われ、特にアイヌの人々はこれを珍重した[2]。北海道では1885年(明治18年)に岩手県からの入植者によりカエデ糖の採取も行われた[2]。青森県十和田ではイタヤカエデからの糖蜜の製造が行われている[2]

北米のカナダ五大湖周辺の地域では入植者によってサトウカエデの樹液からカエデ糖を採取するようになったが、アメリカインディアンが樹液を煮詰めて糖を取っていたのをならったものといわれている[2]。当初はカエデ糖の生産が主力だったが、19世紀後半にサトウキビを原料とする廉価な砂糖が大量に出回ったため、メープルシロップの生産に移行していった[2]

料理

[編集]

調理法

[編集]

砂糖の温度変化では、103 - 105℃程度になると、砂糖は溶けて無色透明の液状になる[3]。これよりも高い107 - 115℃程度になるとフォンダン(糖衣などに利用)となる[3]

工業的にはシロップは、水に砂糖を溶かし、煮詰めて製造するが、香料などを加えるものと加えないものがある。水に溶かした砂糖のほかに、天然の果汁を煮詰めたもの、砂糖液にアラビアガムを加えて煮てより粘稠性を増したガムシロップのようなものもある。

フルーツシロップは、もともと果実の搾り汁を加えて果物の香り色調を与えていたが、近現代では人工着色料や香料を加えることが多くなった。かき氷清涼飲料水の味付けなどに用いられる。

おもなシロップ

[編集]

シロップ剤

[編集]

シロップ剤は溶解すると力価や効力の低減などの問題が生じる薬剤を液状の剤形にした内服薬をいう[4]

脚注

[編集]
  1. ^ 松村明編 「シロップ」『大辞林 4.0』 三省堂、2019年。
  2. ^ a b c d e 武田淳, 李慶喆, スィルワ サーリエ ディ「樹液飲用の文化誌: 伝統的利用と技術 予報」『佐賀大学農学部彙報』第87号、佐賀大学農学部、2002年12月、37-51頁、ISSN 05812801NAID 110000452508 
  3. ^ a b 砂糖の種類”. aff 2016年11月号(農林水産省). p. 13. 2023年10月30日閲覧。
  4. ^ シロップ剤”. 公益社団法人日本薬学会 (2007年12月12日). 2021年1月17日閲覧。

関連項目

[編集]