「ブーヤン型コルベット」の版間の差分
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[[ソビエト連邦の崩壊]]後、[[カスピ海]]一帯では石油開発が活発化しており、同地域を管轄する[[カスピ小艦隊]]の重要性も増大していた<ref name="Polutov2007">{{Cite journal|和書|author=Polutov Andrey V.|year=2007|month=6|title=再生図るロシア海軍-その現況と今後 (特集・再生図るロシア海軍)|journal=世界の艦船|issue=675|pages=75-81|publisher=海人社|naid=40015458628}}</ref>。このことから、同海域での沿海域作戦および水産資源・[[排他的経済水域]]警備を目的として建造されたのが本型である<ref name="Wertheim2013"/>。 |
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[[ステルス艦]]として設計されており、主船体には[[繊維強化プラスチック]]が導入されている。主機関としては、21630型(ブーヤン型)ではズヴェズダM520[[ディーゼルエンジン]]2基、21631型(ブーヤンM型)では[[CODAD]]方式が採用された<ref name="Wertheim2013"/>。 |
[[ステルス艦]]として設計されており、主船体には[[繊維強化プラスチック]]が導入されている。主機関としては、21630型(ブーヤン型)ではズヴェズダM520[[ディーゼルエンジン]]2基、21631型(ブーヤンM型)では[[CODAD]]方式が採用された<ref name="Wertheim2013"/>。 |
2020年12月26日 (土) 00:56時点における版
21630型小型砲艦 (ブーヤン型) | |
---|---|
基本情報 | |
艦種 |
21630型: 小型砲艦 21631型: 小型ミサイル艦 |
運用者 | ロシア海軍 |
就役期間 | 2006年 - 現在 |
前級 | 1234型 (ナヌチュカ型) |
要目 | |
諸元表を参照 |
ブーヤン型コルベット(ブーヤンがたコルベット、英語: Buyan-class corvette)は、ロシア海軍のコルベットの艦級に対して付与されたNATOコードネーム。ロシア海軍での正式名は21630型小型砲艦(Малые артиллерийские корабли проекта 21630)。
また発展型のブーヤンM型コルベット(21631型小型ミサイル艦、Малые ракетные корабли проекта 21631)についても本項で扱う[1]。
設計
ソビエト連邦の崩壊後、カスピ海一帯では石油開発が活発化しており、同地域を管轄するカスピ小艦隊の重要性も増大していた[2]。このことから、同海域での沿海域作戦および水産資源・排他的経済水域警備を目的として建造されたのが本型である[1]。
ステルス艦として設計されており、主船体には繊維強化プラスチックが導入されている。主機関としては、21630型(ブーヤン型)ではズヴェズダM520ディーゼルエンジン2基、21631型(ブーヤンM型)ではCODAD方式が採用された[1]。
本型では対地火力投射能力が重視されており、主砲はA-190 100mm単装速射砲とされた。また21630型ではA-215「グラートM」 40連装122mmロケット砲が搭載されている。これは地上軍用のBM-21の艦載化版であり、ロケット弾320発を搭載した[1]。一方、21631型ではカリブルNK巡航ミサイル用として8セルのVLSを装備しており、強力な対地・対水上・対潜打撃力を具備している。これは、2015年10月に行われたシリアに対する巡航ミサイル攻撃で実戦投入された[3]。
諸元表
21630型 (ブーヤン型) |
21631型 (ブーヤンM型) | |
---|---|---|
満載排水量 | 550 トン | 940 トン |
全長 | 61.5 m | 74.1 m |
全幅 | 9.6 m | 11.0 m |
吃水 | 2 m | 2.6m |
機関 | ディーゼルエンジン×2基 | CODAD方式 |
ウォータージェット推進器×2軸 | ||
速力 | 26ノット | |
兵装 | A-190 100mm単装速射砲×1基 | |
AK-630M-2 30mmCIWS×2基 | ||
グブカ近接防空ミサイル・システム×2基 (9K38 イグラ×20発) | ||
グラートM 40連装ロケット砲×1基 | カリブルNK巡航ミサイル用VLS×8セル | |
レーダー | MR-352 対空捜索用 | |
MR-123 射撃指揮用 |
同型艦一覧
設計 | 艦番号 | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 配属 |
---|---|---|---|---|---|---|
21630型 | 012 | アストラハン «Астрахань» |
2004年1月30日 | 2005年10月7日 | 2006年9月1日 | カスピ小艦隊 |
014 | ヴォルゴドンスク «Волгодонск» |
2005年2月25日 | 2011年5月6日 | 2011年12月20日 | ||
015 | マハチカラ «Махачкала» |
2006年3月24日 | 2012年4月27日 | 2012年12月4日 | ||
21631型 | 021 | グラード・スヴィヤシュスク «Град Свияжск» |
2010年8月27日 | 2013年9月3日 | 2014年7月27日 | |
022 | ウグリチ «Углич» |
2011年7月22日 | 2013年4月10日 | |||
023 | ヴェリキイ・ウスチュグ «Великий Устюг» |
2011年8月27日 | 2014年5月21日 | 2014年12月19日 | ||
602 | ゼレニー・ドリ «Зеленый Дол» |
2012年8月29日 | 2015年2月4日 | 2015年12月12日 | 黒海艦隊 | |
603 | セルプホフ «Серпухов» |
2013年1月25日 | 2015年3月4日 | |||
n/a | ヴイシニイ・ヴォロチェク «Вышний Волочёк» |
2013年8月29日 | 2016年8月22日 | 2017年(予定) | ||
オレホヴォ・ズィエヴォ «Орехово-Зуево» |
2014年5月29日 | 建造中 | ||||
イングーシェーチア «Ингушетия» |
2014年8月29日 | |||||
グライヴォロン « Гра́йворон» |
2015年4月10日 | |||||
グラート «Град» |
2017年4月24日 | バルト海艦隊 | ||||
ナロ=フォミンスク «Наро-Фоминск» |
2018年2月23日 |
参考文献
- ^ a b c d Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 598-599. ISBN 978-1591149545
- ^ Polutov Andrey V.「再生図るロシア海軍-その現況と今後 (特集・再生図るロシア海軍)」『世界の艦船』第675号、海人社、2007年6月、75-81頁、NAID 40015458628。
- ^ 小泉悠「ロシア水上戦闘艦の戦力分析 (特集 世界の水上戦闘艦 その最新動向)」『世界の艦船』第832号、海人社、2016年3月、98-103頁、NAID 40020720349。
外部リンク
- ウィキメディア・コモンズには、ブーヤン型コルベットに関するカテゴリがあります。
- ウィキメディア・コモンズには、ブーヤンM型コルベットに関するカテゴリがあります。