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2020年12月25日 (金) 09:48時点における版
院内会派(いんないかいは)とは、議会内で活動を共にする複数の議員で結成される団体。
日本の院内会派
国会の院内会派
- 概要・制度
国会の各議院において、活動を共にする国会議員2人以上で結成する団体[1][2][3][4]。院内団体とも呼ばれる。国会法等の法律では単に「会派」と呼ばれる。院内の構成単位はあくまでも会派であり、政党ではない。
衆参両院とも、慣例により議長と副議長は会派を離脱することになっている。 衆議院・参議院の各院内では、理念や政策を共有する議員が集まって院内会派を作り、議会活動を共に行う。会派の所属議員数によって、委員会の議席数や、発言・質問の時間配分、法案提出権などが左右されるため、政党とは違ったメンバーで構成されることもある。無所属で当選した人が政党会派に参加したり(後述)、無所属同士で便宜的に会派を結成することもある。人数要件を満たせば、院内交渉団体になる事が出来る[5][6]。
なお、所属議員が1人だけの会派(俗に「一人会派」)は制度上認められず、無所属(参議院にあっては「各派に属しない議員」)扱いとなる。ただし、当該無所属議員の所属する政党等が政治資金規正法上の政治団体に該当する場合は、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律(昭和28年法律第52号)の適用に限り会派と同等とみなされ、一人会派に対しても立法事務費が支給される(みなし会派)。
- 会派の枠組み
少しでも院内の発言力を高めるため、複数政党によって、あるいは政党と無党籍議員によって、統一会派がしばしば組まれる。
統一会派とは逆に、1つの政党が党内対立のため会派を分裂させる例がある(後述)。
- 会派の名称
- 政党名と一致させる例
- 無党籍議員のくくりを示す名称の例
- 政党名に無党籍議員のくくりを示す名称を加える例、政党名あるいは無党籍議員のくくりを示す名称を連記する例
- 政党名に分派を示す名称を加える例
- 政党名を用いず統合的・単一的・象徴的な名称とする例
- 会派の略称
参議院の公式サイト上では会派名表記の際2文字の略称が用いられているが、「立憲・国民.新緑風会・社民」は2020年9月の解消まで略称が決まらず、同欄が空欄となる異例の事態となっていた[13]。
衆議院の院内会派
2020年12月24日時点[14]
会派名 (太字は与党会派) |
会派略称 | 議員数 | 内訳 |
---|---|---|---|
自由民主党・無所属の会 | 自民 | 282 | 自由民主党 281、無所属 1 |
立憲民主党・社民・無所属 | 立民 | 113 | 立憲民主党 108、社会民主党 1、無所属 4 |
公明党 | 公明 | 29 | 公明党 29 |
日本共産党 | 共産 | 12 | 日本共産党 12 |
日本維新の会・無所属の会 | 維新 | 11 | 日本維新の会 10、無所属 1 |
国民民主党・無所属クラブ | 国民 | 10 | 国民民主党 7、希望の党 2、無所属 1 |
無所属 | 無 | 7 | 正副議長 各1[注 1]、NHKから自国民を守る党 1、無所属 4 |
欠員 | 1 | 北海道2区 1[注 2] | |
計(定数) | 465 |
- 注
- ^ 議長は大島理森(自由民主党)、副議長は赤松広隆(立憲民主党)。
- ^ 吉川貴盛(自由民主党)が2020年12月22日に辞職(解散総選挙が行われない場合、補欠選挙は2021年4月25日に投開票予定)。
参議院の院内会派
会派名 (太字は与党会派) |
会派略称 | 議員数 | 内訳 |
---|---|---|---|
自由民主党・国民の声 | 自民 | 114 | 自由民主党 111、無所属 3 |
立憲民主・社民 | 立憲 | 44 | 立憲民主党 43、社会民主党 1 |
公明党 | 公明 | 28 | 公明党 28 |
日本維新の会 | 維新 | 16 | 日本維新の会 16 |
国民民主党・新緑風会 | 民主 | 15 | 国民民主党 9、無所属 6 |
日本共産党 | 共産 | 13 | 日本共産党 13 |
沖縄の風 | 沖縄 | 2 | 無所属 2 |
れいわ新選組 | れ新 | 2 | れいわ新選組 2 |
碧水会 | 碧水 | 2 | 無所属 2 |
みんなの党 | みん | 2 | NHKから自国民を守る党 1、無所属 1 |
各派に属しない議員 | 無所属 | 7 | 正副議長 各1[注 1]、無所属 5 |
欠員 | 0 | ||
計(定数) | 245 |
- 注
備考
会派の名称及び順序は、衆議院及び参議院の公式サイトにおける表記の例に従う。
いわゆる統一会派について、構成員の政党・政治団体への所属が明らかである場合には、内訳をその人数順に付記する(ただし、無党籍者は末尾とする)。
「無所属」「各派に属しない議員」については、内訳を正副議長、政党・政治団体所属者(人数順)、無党籍者の順に付記する。
帝国議会の院内会派
貴族院の院内会派
大日本帝国憲法下に存在した貴族院は、華族や勅選議員を中心として政党色を排除する形で形成されていった。そのため、貴族院議員は政党には属さずに貴族院内にあった院内会派に属する事になった。院内会派は当初は爵位などの身分別に形成されるものが多かったが、次第に最大会派の研究会とこれに対抗する複数の中小会派によって構成されるようになっていった。政党政治に否定的な研究会は次第に院外にも発言力を強め、清浦内閣では国民の選挙の洗礼を受けた政党に代わって事実上の単独与党化(政友本党が閣外協力)したために第2次護憲運動が起きるきっかけとなった。
1940年(昭和15年)に新体制運動により衆議院の既成政党が解消され無党派時代をむかえ、貴族院でも会派存続が問題されたが、院内会派は政党ではないことから解消することなく、貴族院停会まで会派は存続した。大政翼賛会への参加は任意とされ、当時の二大会派である研究会・公正会からは多くの参加が見られたが、同成会などは2割ほどの参加に留まった。その後、1940年(昭和15年)5月20日に結成された翼賛政治会への参加状況は、衆議院議員が大半であったのにたいし、貴族院議員は8割ほどであった[17]。
なお、日本国憲法制定による貴族院廃止時には研究会・火曜会・交友倶楽部・同和会・同成会・無所属倶楽部の6会派が存在した。
地方議会
都道府県議会
- 北海道議会(詳細)
- 青森県議会(詳細)
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特別区議会
政令指定都市議会
欧州の院内会派
欧州議会の院内会派
ドイツの院内会派
第18被選挙期現在、ドイツ連邦議会には、ドイツキリスト教民主同盟+キリスト教社会同盟(CDU/CSU)・ドイツ社会民主党(SPD)・左翼党(Linke)・同盟90/緑の党(B90/Grüne)の各政党を母体とする4つの院内会派が存在している。連邦議会の院内会派に関する規定はドイツ連邦共和国基本法40条における議会運営の規定による。人数要件としては議員総数の5%以上であり、これに満たない場合でも、3名以上の連邦議員をもってグルッペ (de:Gruppe) と呼ばれる院内団体を申請し成立させることは可能であるが、その権限は院内会派より制限される。
また、ハンブルク・ブレーメン・ベルリンの3つの都市を含む16の連邦州の州議会やノルトライン=ヴェストファーレン州・ニーダーザクセン州の小規模な公共団体の意思決定機関においても院内会派が存在する。
旧東ドイツでも人民議会では複数の政党が存在したが、人民議会そのものが対外的な民主主義を標榜するための名目的な存在であった。したがって議会内の10の院内会派も形式的であり、実際の議会政治を運営するための意味はもっておらず、ドイツ社会主義統一党(SED)中央委員会の独裁化を統制するための補助機関にしかすぎなかった。SEDによる一党独裁制崩壊後の1990年に行われた最初で最後の人民議会自由選挙において、多くの政党・政治団体が乱立したが、選挙後は独自の院内会派を形成する間もなく、議会内の課題は速やかなドイツ再統一へ向けた東ドイツの州制度再編と通貨・経済・社会同盟の創設に関する国家条約に集約されたために可及的にドイツ連邦議会内における院内会派のモデルへと淘汰された。
脚注
- ^ 朝倉秀雄、「国会議員リアル白書」、2011年9月、41ページ
- ^ 平凡社、大百科事典、1984年、“国会”、“議員立法”
- ^ 会派 - 衆議院
- ^ 「政党」と「会派」はどう違うのですか - 参議院
- ^ 朝倉秀雄、「国会議員リアル白書」、2011年9月、41ページ
- ^ 平凡社、大百科事典、1984年、“国会”、“議員立法”
- ^ a b c d 会派別所属議員数の変遷(参議院関連資料集) 参議院
- ^ “参院統一会派名 「・」「.」なぜ入り交じる? 背景に各党派のメンツとこだわり”. 毎日新聞. 2019年9月20日閲覧。
- ^ 衆議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第11号
- ^ 衆議院会議録情報 第012回国会 議院運営委員会 第8号
- ^ 参議院会議録情報 第012回国会 議院運営委員会 第20号
- ^ 参議院会議録情報 第013回国会 議院運営委員会 第1号
- ^ “参議院会派名表示の案内”. 参議院. 2019年10月4日閲覧。
- ^ “会派名及び会派別所属議員数”. 衆議院 (2020年12月22日). 2020年12月23日閲覧。
- ^ “会派別所属議員数一覧”. 参議院 (2020年12月22日). 2020年12月23日閲覧。
- ^ “参議院会派名一覧”. 参議院 (2020年10月26日). 2020年12月23日閲覧。
- ^ 内藤一成『貴族院』2008年、同成社、pp198-200