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**地球連邦軍が制式採用したザク系MS。量産型MSとしては初めて[[全天周囲モニター・リニアシート]]を採用したと言われるが、異説もある。[[ビームライフル (ガンダムシリーズ)|ビームライフル]]と[[ビームサーベル]]の同時運用が不可能。 |
**地球連邦軍が制式採用したザク系MS。量産型MSとしては初めて[[全天周囲モニター・リニアシート]]を採用したと言われるが、異説もある。[[ビームライフル (ガンダムシリーズ)|ビームライフル]]と[[ビームサーベル]]の同時運用が不可能。 |
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**[[アナハイム・エレクトロニクス]]が開発し[[ティターンズ]]に供与したハイザックの発展型のMS。ザク系MSとしては初めて[[ムーバブルフレーム]]と[[ガンダリウム合金]]製装甲を採用した他、ビームライフルとビームサーベルの同時装備を可能とした。 |
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**『[[ガンダム・センチネル]]』に登場する量産型MS。[[ペズン計画|小惑星ペズン]]で生産された次世代候補機。作戦ごとに装備を換装。ペズンを奪取した[[ニューディサイズ]]の主力機となる。 |
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ゲーム『[[SDガンダム Gジェネレーション]]』シリーズに登場。宇宙世紀0130年に、[[アナハイム・エレクトロニクス]]がデモンストレーション用に開発したザクに似た大型MA。 |
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[[一年戦争#終戦|一年戦争終結]]50周年記念イベントの一環として出展された宣伝用の機体。アナハイム社の実績と技術のアピールのため、かなりの高性能機にされている。 |
[[一年戦争#終戦|一年戦争終結]]50周年記念イベントの一環として出展された宣伝用の機体。アナハイム社の実績と技術のアピールのため、かなりの高性能機にされている。 |
2020年11月7日 (土) 11:24時点における版
ザクシリーズのバリエーションでは、アニメ『機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」に登場する架空の有人式人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)、ザクのバリエーションについて述べる。
本ページではザクのバリエーションのうち、以下の機体群を除いた機体に加え、ザクIより前に開発されたとされる初期のMSについても便宜的に記載する。以下の機体群に関しては、それぞれを参照。
- 「旧ザク」や「ザクI」と呼称される機体群に関してはザクIを。
- 「MS-06型」のうち
- 「宇宙世紀におけるその後のザク系MS」のうち、以下に関しては個別の項目を。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』およびその関連作品に登場する「ザク」に関してはザクウォーリアを。
劇中での登場
1作目『機動戦士ガンダム』では、一般的なザクのほかにシャア・アズナブルが搭乗する赤いザクや旧型のザク(ザクI)も登場する。これらはそれぞれ「ザク」「シャア専用ザク[注 1]「旧ザク[注 2][注 3]」と呼ばれ、テレビ版放映中にラポート社発行のアニメ雑誌「アニメック」においてそれぞれ「MS-06」「MS-06S」「MS-05」の型式番号が与えられ[要出典]、これは劇場版第1作の宣伝メディアで使用された。のちにみのり書房発行のアニメ雑誌「月刊OUT」別冊『ガンダムセンチュリー』において、MS-05に「ザクI」、MS-06に「ザクII」という名称が与えられた。その設定はプラモデル企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』でも取り入れたために広く普及することとなり、やがて新たな映像作品にも使われている。
1作目の外伝にあたる『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』には、改良型のMS-06FZ「ザクII改」が登場する。『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』においては、連邦軍に鹵獲されたMS-06F2「ザクII F2型」が使用されていたり、デラーズ・フリートでもF2型が第一線で運用されている。ただしこれらはデザインされた当初は新型ではなく、テレビシリーズのザクのリファインという位置づけであった[注 4]。このほか、講談社の劇場版のムック用に描き起されたイラストがのちにMSVとして発展、ガンプラ向けにデザインされた機体や設定のみの機体など、バリエーションは数多い。
これ以降にも「ザクの後継機」と劇中や設定資料で称される機体、ハイザックやザクIIIのように直接的にザクの名を冠する機体は多数存在する。
変わったところでは、『∀ガンダム』にてザクIおよびザクIIにそっくりの機体が発掘され、戦力として使用されている。これらを地球の人々はボルジャーノンと名づけるが、月の民ムーンレィスは過去の記憶から「ザク」と呼ぶ。
また、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』においては、「ザクウォーリア」という宇宙世紀のザクと類似したデザインの機体が登場する。
宇宙世紀における開発の背景
宇宙世紀0070年代、ミノフスキー粒子の実用化に成功したジオン公国は、ミノフスキー粒子を散布した状況のもと(電波通信などがいっさい使えなくなり、レーダーや長距離精密誘導を行う兵器もいっさい使用不可能となる)でも有効な白兵戦用兵器の開発に着手した。表向きには「宇宙での作業用人型機械」という名目で開発していたが、その実体は来るべき地球連邦政府との全面戦争で、連邦政府に対し30分の1以下という国力差のある状況を有利に展開させるための兵器であった。
そして宇宙世紀0073年、新型の兵器第1号機が完成し、MS-01という型式番号とモビルスーツという名称を与えられた。これがザクの原型機である。その後幾度かの改良を経て初の制式量産型MSザクI、次いで改良型であるザクIIが誕生する。その後、一年戦争の開戦時にはザクはそれまでの戦争の概念を大転換させ、ジオン公国の圧倒的な攻勢を支えた。この時点で旧式化したザクIは後方支援用のニ線級機体となり、後継機のザクIIが主力として大量生産され最前線に配備されていった。
やがて地球連邦軍もV作戦のもと自軍用のMSを開発し、相対的にザクは旧式化していく。ジオン軍側もゲルググなどの新鋭機で対抗しようとするが、本格的な配備は戦争末期のことであり、機種転換訓練の時間もなかったことなどから、結局ザクは終戦まで主力機として戦い続けることとなる。
初期のモビルスーツ
黎明期の機体
- XC
- バンダイのアンソロジーコミック『サイバーコミックス01.』(1988年)および『ガンダムジェネレーション1』(1990年)掲載の年表および漫画「STAMPEDE ミノフスキー博士物語」に登場(型式番号:X-91)。
- 宇宙世紀0050年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が開発したとされる人型機動兵器で、AMBACシステムのテストベッドとされ、航空機を人型にしたような外観である。頭部はザクIIに似ており、AMBAC制御により推進剤をほとんど消費しないためステルス性が高いとされ、のちにジオン軍に接収されたといわれる。なお、機体名称のXCは「ザク」と読み、ザクの名はここから取られているという。
- MS-00
- 『サイバーコミックス』01.および『ガンダムジェネレーション1』掲載の年表に登場。
- MS-01のテストベッドとされ、NASAから接収したXCのメカニズムを大幅に流用しているという。
- 大型二足歩行機
- バンダイ発行の書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』(1990年)に登場する「コケるMS」のこと。オートバランサーの不良によって転倒する姿が捉えられている。名称は漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』巻末付録の年表により、宇宙世紀0070年5月のことであるとされる。
- ZI-XA2
- エンターブレイン発行の雑誌『G20 volume.2』に登場。ジオニック社の、のちにZI-XA3となる機体とされるが、腕部が未完成のため、代わりにバランサーウェイトを装備している。全高および頭頂高13.5メートル、重量15.5トンとされる[3]。
- AMBACシステム採用の機動兵器
- メディアワークス発行の書籍『機動戦士ガンダム MS大全集2003』に掲載[4]。
- ジオニック社が試作していた機体で、人型ではないがAMBAC制御用の腕状の可動肢2基を有し、スラスターを用いずに180度回頭することが可能。また、機首(頭部)にはモノアイに近い構造が見られる。
- なお、本機はムック『ガンダムセンチュリー』でAMBACの姿勢制御概念図上に描かれた機体と類似する。
クラブマン
クラブマン | |
---|---|
型式番号 | ZI-XA3 / MS-01 |
全高 | 14m |
重量 | 17t |
動力源 | 原子炉(核分裂型) |
出力 | 2,200馬力 |
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出で、名称は旭屋出版発行の書籍『機動戦士ガンダム 劇場用アニメ第1作 フィルムコミック』による。
ジオン公国国防省が各メーカーに提示した「ミノフスキー粒子散布下における新型高性能兵器」という要求を受けてジオニック社が開発し、研究開始から2年後の[5]宇宙世紀0073年[6]1月[7]に完成。1対の腕と脚をもつ人型を成している。要求性能を満たしたのは本機とMIP社のMIP-X1の2機種のみであるが、宇宙空間の性能こそ一歩譲るものの、アステロイド要塞や月面・コロニー内において高性能を示し、総合性能では既存の宇宙戦闘機や陸戦兵器を凌駕する。国防省は本機の採用を決定、MS-01の型式番号と「モビルスーツ」の呼称[6]が与えられるが、表向きは非戦闘用の宇宙作業機とされている。
外観は「初期のMS」としてそれらしいイラストがいくつか発表されているが、明確にZI-XA3/MS-01とされたものとしては、ムック『G20 volume.2』でモデラーの東海村原八がZI-XA2やアーリー・ザクとともにデザイン・立体化したものがある(全高および頭頂高は13.5tとされる)[3]。いずれも前出の大型二足歩行機をイメージソースとしている。
漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』に登場する作業機器建造会社「ホシオカ」は本機の開発に携わっており、その際の余剰パーツで製造した2機を自社の作業機として運用している。外観は大型二足歩行機との共通点はなく、胴体が球形に近く頭部をもたない。動力は外部電源式で、背部からケーブルが伸びている。
MS-02
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出。制式発注後、機動性能の向上を目指した試作機。
MS-03
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出。
装甲の強化および耐G性能の向上などの改良が施され、実戦用MSとして宇宙世紀0074年2月に試作1号機が完成するが、重装甲により重量が28トンとMS-01の倍近くに増加し、機動性はMS-02の6割にも満たず、軍の要求性能には達していない。製作途中の試作3号機は徹底的な軽量化が図られ、コックピットの脱出システムは廃止、機体はモノコック構造に変更されるが、性能はいまだ不十分とされる。
試作型MS-04
試作型MS-04 PROTOTYPE MOBILE SUIT | |
---|---|
型式番号 | MS-04 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 31.2t / 57.4t(湿潤重量) |
全備重量 | 72.5t |
装甲材質 | 超硬張力鋼 |
動力源 | 熱核反応炉 |
出力 | 953kW(6100馬力) |
推力 | 43,000kg |
最高速度 | 120km/h |
搭乗者 | ミオン・ホシオカ |
漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』に登場。名称と型式番号は巻末付録の年表による。
作業機器建造会社「ホシオカ」が、宇宙世紀0073年4月に[7]ジオニック社の依頼のもと製造した機体で、新型汎用作業機の試作機とされるが、外観は異なるものの内部の基本構造はプロトタイプザクと同じである(ただしマニピュレーターは三本指)。本機からミノフスキー物理学を応用した小型熱核反応炉[8][注 5]を搭載しており、これの安全性を含めて中小企業であるホシオカ社に依頼されている。2機が製造されるが、起動試験で機体の駆動部分が最新のOSに追従できていないことが判明、駆動部の微調整とともにOSの改善が進められる。しかし8月の納品後、情報漏洩問題によりホシオカ社の手を離れる。
プロトタイプザク
プロトタイプザク PROTOTYPE ZAKU | |
---|---|
型式番号 | MS-04 |
頭頂高 | 17.5m[9] |
本体重量 | 57.4t[9] / 31.2t[8] |
全備重量 | 72.5t[9] |
装甲材質 | 超硬張力鋼[9] |
動力源 | 熱核反応炉ZAS-X7[8] |
出力 | 953kW[9](6100馬力)[8] |
推力 | 43,000kg[9] |
センサー 有効半径 |
2,950m[9] |
武装 | 100mmマシンガン[9] |
搭乗者 | エリオット・レム ミオン・ホシオカ |
『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出で、メカニックデザイン企画『M-MSV』でデザインと追加設定がなされた。
MS-03試作3号機の改良型で[9]、小型熱核反応炉ZAS-X7が搭載され、MS-03の2倍以上の機動力をもつ[9]。装甲も強化され[9]、ようやく実戦に耐えうるMSとなる[10][9]。
武装は「ザク・マシンガン」と呼ばれる100mmマシンガンを装備するが[9]、シミュレーションの結果、対艦戦闘における効果が低いことが指摘され、バズーカ砲の開発が進められる[9]。しかし実用化はのちのザクI用からである。
ザクに繋がる「人型」としてのスタイルは本機でほぼ完全となり[11]、マニピュレーターも人間と同様の5本指のものが採用されるが、装甲によりマニピュレーターの作業半径が小さくなっていることが指摘される[11]。当時の軍部では本機を実戦型MSとして採用するか否かで真っ二つに割れるが[11]、コストが非常に高いこともあり、いくつかの装備を簡略化し[9]、「無駄の排除」をおこなった[10]ザクIへ開発順位を進めることで落ち着いている[11]。
漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』では、宇宙世紀0073年12月に試作機4機による社内コンペティション(ジオン公国軍関係者らも出席)が開催されるが、うち2号機は試作型MS-04を建造したホシオカ社が秘密裏に造り上げたものである。最終選考は2号機と、エリオット・レムが搭乗する1号機との宇宙での競争となり、ミノフスキー粒子の障害をも超えて2号機が勝利する。
雑誌『G20 volume.2』にも、独自に「アーリー・ザク」の名称でMS-04の型式番号をもつ機体が掲載された。腕部はプロトタイプザクを基本としているが、そのほかの外観は異なる。ZAS-X7を動力源とする点は同一。全高および頭頂高14.0m、ジェネレーター出力962kWとされる。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』における初期のモビルスーツ
一部設定が改変された漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、黎明期のMSとしてこれまでと異なる機体が新たに設定された。
モビルワーカー01式
モビルワーカー01式 MOBILE WORKER MODEL 01 | |
---|---|
型式番号 | MW-01[12] |
全高 | 16.7m(初・後期型[12]・土木重機型[13]) |
頭頂高 | 13.88m(初・後期型)[12] 13.9m(コロニー塗装仕様)[13] 15.0m(最後期型)[14] |
全幅 | 14.6m(初・後期型)[12] 14.4m(土木重機型)[13] 63.1m(コロニー塗装仕様)[13] 11.4m(最後期型)[14] |
搭乗者 | オルテガ(初期型) マッシュ(後期型) ランバ・ラル(後期型) シャア・アズナブル(土木重機型) |
地球連邦政府との独立戦争を視野に入れたジオン自治共和国の新兵器開発の、数種のプロジェクトのひとつである[15]「MS」の前身となる人型機動兵器の初期試作実験機で[12]、ドズル・ザビ中佐(当時)が中心となって開発が進められる。月面開発用の作業機械に偽装する目的から、モビルワーカー (MW) を名乗っている[12]。核融合炉の小型化に難航したため[12]、胴体部がのちのMSよりもかなり大きく、足の短さとあいまってずんぐりした体型をもつ。
漫画版では型式番号を "MS-01" とする資料もあったが[16]、作中ではMSとは呼ばれない。アニメ版では "MW-01" という型式番号とされ、下記のバリエーションが設定された。
- 初期型 (EARLY TYPE[17])
- 宇宙世紀0071年にダーク・コロニー内で開発された機体[12]。頭部カメラに以降の公国系MSにも引き継がれるモノアイが設置されているが[15]、コックピットはフレームのみでむき出しになっている[12]。右腕は巨大なクロー、左腕は人間の手に近い5指のマニピュレーターが採用され、防弾用のシールドなどを携行する[12]。オルテガが搭乗し、ガンタンク初期型との戦闘試験で勝利する。
- 後期型 (LATE TYPE[17])
- パイロット保護のため、コックピット周りが変更されている[12]。前腕部はアタッチメント式になっており、さまざまな専用作業パーツへの換装が可能[12]。マッシュが搭乗する機体と、青いランバ・ラル機によって格闘実験がおこなわれる。
- 土木重機型[15] (HEAVY CONSTRUCTION TYPE[18])
- 後期型はのちに作業機械として実用化されており[16]、ジオニック社から地球へリース契約で提供されている[15]。下半身は不整地での安定した作業のために履帯ユニットに換装され、両前腕にブレードを装着し、大規模整地作業などで活躍する[15]。ジャブローの建設工事で、一時的に軍を除籍となったシャア・アズナブルが搭乗する。ほかに、漫画版では左腕は原型機と同じマニピュレーターのまま、右腕をクレーンに換装したタイプの設定画も描かれているが[16]、作中には登場しない。
- コロニー塗装仕様[15] (COLONY COATING TYPE[13])
- ブリティッシュ作戦用の特別仕様で、両前腕にスペース・コロニー外縁の採光部に耐熱コーティングをほどこす装置を装着[15]、下半身は6つの転輪をもつ。コロニーの遠心力で飛び出さないよう、両肩のベルト・テンショナーにワイヤーのベルトを固定して作業をおこなう(アニメ版のみ)[15]。
- 最後期型 (FINAL TYPE[13])
- これまでの実働データやパイロットの意見を反映させた改良機[14]。コックピット周辺の胸部装甲を増加させ、肩の可動域拡大や脚部の延長によるバランス調整がなされている[14]。従来機よりも人体に近い機動性を得ている一方で、核融合炉の小型化は依然として達成できていないため、兵器としての採用は見送られる[14]。
MS-02(『THE ORIGIN』漫画版)
漫画版のみに登場。アニメ版のMW01式 最後期型に当たる機体で、デザインの多くが流用されている。
抜き打ちでダーク・コロニーの開発現場を視察したギレン・ザビは、本機のMS実用化にほど遠い現状を見て開発中止を命じるが、トレノフ・Y・ミノフスキー博士からの説得を受け、撤回する。
ヴァッフ
ヴァッフ WAFF | |
---|---|
型式番号 | YMS-03[14] |
頭頂高 | 17.34m[14] |
全幅 | 8.8m[14] |
武装 | 試作型MS用バズーカ[19] シールド[19] ヒート・ホーク[19] |
搭乗者 | マルク・カルデン |
漫画版で1コマのみ登場した機体をもとに、アニメ版で設定が起こされた機体。名称は「武器」や「武具」を意味するドイツ語「Waffe」に由来する[14]。
ミノフスキー博士が開発した小型の動力用融合炉と流体パルス駆動システムを初めて採用した試作機で、MSの本懐である高い機動性と運動性を実現している[14]。両腕は後期型以降のMW01式と同規格のアタッチメント構造になっており、さまざまなユニットの換装実験が行われた[14]。
本機の完成からほどなくして、より実戦的な後継機の開発が開始されたため、制式採用されることなく少数生産にとどまる[14]。
おおのじゅんじによるスピンオフ漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』では、宇宙世紀0077年にブグとともに実証試験がおこなわれる。パイロットのカルデン少尉の造反によりブグと交戦するが、砲台からの直撃を受け撃破される。
ヴァッフ強行偵察型
漫画『THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』に登場(形式番号:YMS-03[20])。
MSの機動性を戦略的偵察に活用すべく開発された機体[21]。頭部と両肩に高精度カメラが設置され、右前腕のアタッチメントはカメラ・ガンに換装されている。本機の装備と運用データはのちにザク強行偵察型にも反映される[21]。塗装はダーク・ブルーを基調とする。
サッシャ・キッツ試験操縦士が搭乗し、宇宙世紀0077年のブグとヴァッフの実証試験の録画をおこなう。
MS-03(『THE ORIGIN』漫画版)
漫画版用に大河原がデザインしたが、本編ではMS-02の視察に来たギレンを説得するミノフスキー博士の心象にのみ登場(その時点では未完成であるため)。得心したギレンがMS-03として制式化し、早期の完成を促した。『THE ORIGIN 公式ガイドブック2』に掲載された。MS-02と比べ頭身が高くなり、熱核反応炉・流体パルスシステム・AMBACシステムが採用されたとされる。
ブグ
ブグ BUGU | |
---|---|
型式番号 | MS-04[22] |
頭頂高 | 17.5m[22] |
全幅 | 9.3m[22] |
武装 | MS用マシンガン[23] ヒート・ホーク[23] シールド[23] MS用バズーカA2型[24] ザクII用シールド×2(ククルス機) |
搭乗者 | ランバ・ラル ククルス・ドアン |
漫画版での名称は「プロトタイプザク」であったが[16]、アニメ版で変更された。その名称は宇宙世紀0223年を舞台とする『G-SAVIOUR』に登場するセツルメント国家議会軍の主力MSと同一である。
ジオニック社がヴァッフに続いて開発した機体で[23]、ヴァッフの運用データをもとに、より実戦的な改修が加えられている[22]。ヴァッフでは内装されていた両肩と両膝の動力パイプを外装式としたことで、各駆動部へのエネルギー供給量が増加し、高い運動性を実現している[22]。ヴァッフ以前の機体に採用されていた両腕のアタッチメント機能は、戦況に応じた武装をマニピュレーターで携行するほうが実戦的であるという理由から削除されている[25]。武装はヒート・ホークと携行式のシールドに加え、のちのプロトタイプグフや連邦軍の局地型ガンダムにも採用される八洲重工製MS用マシンガンを装備する[23]。ア・バオア・クー宙域で実証試験がおこなわれ[26](このときの映像は連邦軍の手にも渡っている)、テストパイロットからの評価は高かったが、製造コストが高く量産には不適であり[22]、さらに運用面での問題も報告されたため[26]、ある程度の性能低下と引き換えにコストを抑えたザクIに主力の座を譲る[22]。
月面で行われた地球連邦軍とジオン軍による史上初のMS戦「スミス海の戦い」において、ランバ・ラルが青く塗装された本機に搭乗し、シャア・アズナブルと黒い三連星が搭乗するザクI 4機とともに、鉄騎兵中隊のガンキャノン最初期型12機を全滅させる。一年戦争開戦時のサイド2「ハッテ」の戦いでも、ラルは引き続き本機に搭乗する[24]。
漫画『ククルス・ドアンの島』では、宇宙世紀0077年にククルス・ドアン少尉(当時)がオレンジと白を基調とした機体に搭乗し、数々のテストをおこなう。一年戦争の緒戦においてはザクIIのシールドを両肩に装備、MS用バズーカA2型を携行し、Y-02特務小隊の隊長機として出撃する。末期のア・バオア・クー防衛戦では、同様の塗装・装備の機体に同隊のカルカ軍曹が搭乗し、ザクI・スナイパータイプのビーム・スナイパー・ライフルを携行する。腕部はザクIIのものに換装され、右肩のシールドにライフルのジェネレーターとなるスナイパータイプのランドセル、左にスペアの砲身を収納したケースをマウントする。
MS-05
- MS-05 ザクI
- MS-05A ザクI(前期生産型)
- MS-05B ザクI
- MS-05B ザクI(作業装備)
- MS-05HS プロトザクミノフスキー粒子散布ユニット装備型
- MS-05L ザクI・スナイパータイプ
- MS-05Q ザクI
- MS-05S ザクI
- ザク武装旧タイプ
- ザク飛行試験型
- ランド・ザック
MS-06
- MS-06 ザクII
- MS-06 ザクII試作プロペラントタンクユニット装備仕様
- MS-06A 先行量産型ザクII
- MS-06C 初期量産型ザクII
- MS-06C-5 ザクII(THE ORIGIN版量産型ザクII)
- MS-06C ザク偽装型
- MS-06F 量産型ザクII
- MS-06F ドズル・ザビ専用量産型ザクII
- MS-06F 量産型ザクII(中間量産F型)
- MS-06F ザクマインレイヤー(機雷敷設型ザクII)
- MS-06F ザクII[シュトゥッツァー]
- MS-06 量産型ザクII(サンダーボルト版)
- MS-06FS 指揮官用量産型ザクII(ガルマ・ザビ専用機)
- MS-06F2 後期量産型ザクII
- MS-06FZ 最終生産型ザクII(ザクII改)
- MS-06S 指揮官用ザクII(シャア専用ザク)
- MS-06J 陸戦型ザクII
- MS-06J 湿地帯用ザクII
- MS-06J ザクII寒冷地仕様
- MS-06J ザクMS工兵仕様
- MS-06JC 陸戦型ザクII(JC型)
- MS-06Je 陸戦用ザクII後期生産タイプ(Je型)
- MS-06JK ザク・ハーフキャノン
- MS-06CK ザク・ハーフキャノン(MSD版)
- MS-06G 陸戦高機動型ザク
- MS-06G 陸戦用ザク改修型
- MS-06D ザク・デザートタイプ
- MS-06D ディザート・ザク
- MS-06DRC ディザート・ザク(ロンメルカスタム)
- MS-06K (MS-06J-12) ザクキャノン
- MS-06K ザクキャノン(ラビットタイプ)
- MS-06K ザクキャノン(ガトリング砲装備型)
- YMS-06K ザク・キャノン テストタイプ
- ザクトレイラーキャノン
- MS-06 ザク・ストーカー
- MS-06L ミサイル装備型ザクII
- MS-06M ザク・マリンタイプ
- MS-06M-1 ザク・マリンタイプ(初期型)
- MSM-01 (MS-06M-2) ザク・マリンタイプ
- MS-06M マリン・ハイザック
- RMS-192M ザク・マリナー
- RMS-188MD ザク・ダイバー
- MS-06E ザク強行偵察型
- MS-06E ザク強行偵察型
- MS-06E-3 ザク・フリッパー
- MS-06E-3 PLUS ホークアイ
- MS-06EW ザクII早期警戒型[注 6]
- 高機動型ザクII
- MS-06RP 高機動型ザクII・プロトタイプ
- MS-06R-1 高機動型ザクII初期型
- MS-06R-1A 高機動型ザクII改良型
- MS-06R-1A 高機動型ザクII
- MS-06R-1M 高機動型ザクII 海兵隊仕様
- MS-06R-2P 試製高機動型ザクII後期型
- MS-06R-2 高機動型ザクII後期型
- 高機動型ザクII改(フルバレットザク)
- MS-06R-2S ドズル専用ザク後期型
- MS-06R-3 高機動型ザクII最終型(ザクIII)
- MS-06R-3S 高機動型ザクII最終型(ゲルググ先行試作型)
- MS-06RD-4 宇宙用高機動試験型ザクII
- MS-06R リユース・P・デバイス装備高機動型ザク(サイコ・ザク)
- 作業用ザクII
- MS-06W 一般作業用ザクII(ザク・ワーカー)
- MS-06V ザクタンク
- MS-06V-6 ザクタンク(グリーンマカク)
- MS-06V-8 ザクタンク(ワイルドボア)
- MS-06V ザクタンク(キャノン砲仕様)
- MS-06V ザクタンク(砲撃仕様)
- MS-06V ヤークトザク
- MS-06MP マニピュレイションシステム装着型MS-06(ザクII)
- MS-06T ザク・トレーナー(訓練用ザクII)
- サイコミュ試験型ザクII
- YMS-06Z サイコミュシステム初期試験型ザク(マリオン・ウェルチ専用機)
- MS-06Z-1 サイコミュ試験型ザクII(1号機)
- MS-06Z-3 サイコミュ試験型ザクII(3号機)
- MSN-01 (MS-06Z-2) サイコミュ高機動試験型ザクII(ビショップ)
- その他のバリエーション
ザク強行偵察型
ザク強行偵察型 RECON TYPE ZAKU | |
---|---|
型式番号 | MS-06E |
全高 | 18.0m[29] |
頭頂高 | 17.7m[29] |
本体重量 | 60.4t[29] |
全備重量 | 76.2t[29] |
出力 | 951kW[29] |
推力 | 53,750kg[29] |
センサー 有効半径 |
3,200m[29] |
武装 | なし(カメラ・ガン) ハイザック用シールド(連邦軍仕様) |
メカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』、および『機動戦士Ζガンダム』に登場。ザクIIの偵察仕様。
母体機については、C型やF型からとした資料[30]と、C型をベースに開発され、量産機はF型の生産ラインで作られたとする資料[31]がある。また、ソロモンやア・バオア・クーでC型やF型から改造したとする資料[32]と、ソロモンやア・バオア・クーで生産されたとする資料[31]の両方が存在する。情報収集性能や機動性を高めるために、頭部のモノアイを、縦ロール軸を設け、高精度の複合式にしたり、頭部に短距離通信用アンテナを設けたり、ランドセルをS型の改良型に改装するなど変更がなされている。また、左右胸部には緊急離脱用ロケット2基を、両肩をはじめ機体の各部には、カメラもしくはセンサーと小型スラスターが増設されている。機体内燃料スペースは通常型より10%増加している。基本的にセンサーと兵器状の外見の「カメラ・ガン」を用いた偵察を行うため武装は持たないが、必要があれば即時武装化も可能であり(これは開発当初からの軍部の要求に基づく物であり、国力の限られたジオン公国には、非武装の純偵察用MSを遊ばせておく余裕が無く、偵察用MSも有事の攻撃用戦力として期待されていたためである。そのため、その攻撃能力を損なわないよう、通常型から偵察型への改造は必要最低限の部分に留まっている)、一部の部隊では戦力不足からかザクマシンガンを装備している。右肩大型シールドと左肩接近戦用スパイクアーマーを撤去し、機体の装甲が薄いため、戦闘に向かないとする資料もあるようだが、一説には装甲は標準機と変わらずS型なみの戦闘力を有する[33]、あるいは通常機に遜色はない[34]とも言われ、定説を見ない。総生産数は100機近くと極めて少ない。
開発当初の型式番号は「RMS-06」だったが、ジオン軍の型式番号統一により「MS-06E」に改められている[31]。
カラーリングについては、暗視塗装としての藍色や濃灰色以外にもエース機なみの目立った塗装を施すパイロットも見られ、熟練パイロットへのジオン軍の温情が垣間見られる[35]。MS-06E-3 ザクフリッパーというマイナーチェンジ型も存在している。なお、近藤和久によるOVA『機動戦士ガンダム0080』のためのイメージイラストには、この派生型としてアイザックのように後頭部がレドーム状になったザクIIが描かれている。
一年戦争序盤におけるジオン軍の大勝の影の立役者ともいえ、連邦軍からの評価も高かったようで、終戦時に連邦軍によって接収される。一部の機体はグリプス戦役においてもコクピットの形状や偵察用の機材、スラスター類を最新のモノに更新・実戦投入されており、『機動戦士Ζガンダム』の第10話に月面で偵察活動を行うティターンズ所属の同機が描かれている。茶色に塗装されたこの機体はハイザック用のシールドも装備している。
ザクE・バズノーズ
- ZAKU II BUZZNORSE
『MSV』の文字設定が初出で(「バスノーズ」と表記)[36]、書籍『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』で立体化された(型式番号:MS-06E)。
ザク強行偵察型の背部に中距離航行用ブースターを装着した機体。「バズノーズ」という名称は、ブースター単体を指すとも[36]、機体も含めた呼称であるとも言われる。一年戦争終結後に、地球連邦軍の兵器テスト・センターで機体の一部をハイザックのパーツを用いて改修され、運用されている。機体色は白で、両肩に青いスパイク・アーマーが装備されている。
ザクフリッパー
ザクフリッパー ZAKU FLIPPER | |
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型式番号 | MS-06E-3 |
頭頂高 | 16.7m[37] |
本体重量 | 61.5t[37] |
『MSV』に登場。ザク強行偵察型の改良型で、「高性能強行偵察型」とも呼ばれる[要出典]。頭部デザインは大河原邦男による「(テレビ版)放映終了後のAプランモビルスーツ」と酷似している[38]。
一年戦争中期に登場。頭部センサーやバックパックなどが一新され、機動力および索敵能力が向上している。特に頭部がモノアイセンサーから、三つ目のスコープカメラに変更され、ほかのザクシリーズと一線を画する。また、光学系センサーがおもであった強行偵察型ザクに比べて、レーザーや超音波のほかにミノフスキー物理学を応用したセンサーも搭載されている。このほか移動性能もブースター「バスノーズ」やプロペラントタンクにより増強された。「フリッパー(水かき)」の愛称は、背中の水かき状の複合探知システムに由来する。
就役は一年戦争末期であったため実績は少ないもの、ア・バオア・クー戦開始前のレビル艦隊への偵察任務に投入される。また、地上偵察にも用いられる。雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』において、連邦軍に接収されコクピット部分を全天周囲モニター・リニアシート方式へと換装された機体がティターンズのヒンカピー少尉によって運用される。本機は最終的に三次にわたる大規模近代化改修で内部パーツの多くをハイザックのものと共有化、戦闘で失った下半身をハイザックのものへ換装、さらに旧式機でも扱えるようにしたため威力が通常のものより低いとはいえ大型ビームカノンを搭載したことによりフリッパー・カスタムと言える半ば別物にまでなっている。
漫画『機動戦士ガンダム アグレッサー』では、狙撃用MSとして運用される。タイタス中尉が「ゴースト」と名付けた本機に搭乗し、「ダークネス」と名付けたスクートに接合したヅダの135ミリ対艦ライフルを携行する。作戦時には前面にフリージーヤード(ゴッグが装備するゲル状の物質)による膜を展開、周囲に浮遊する岩石を貼り付け中央の穴からライフルの銃身だけを出して身を隠し、徹甲弾で狙撃する。「ダークネス」には近接戦闘用にアクト・ザクのブルパップ・ガンに似た火器を収納している。一年戦争末期にソロモンに向かう連邦軍第23独立艦隊を待ち伏せ、長距離から敵艦のブリッジを狙撃するが、チェイス・スカルガードのジム2機を犠牲にした策略によって特定の地点におびき寄せられる。チェイスの乗る武装したスペースポッドと一騎討ちの死闘を繰り広げ、最後はハンド・グレネードによって撃破される。
ホークアイ
漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場(型式番号:MS-06E-3 PLUS)。
ザクフリッパーの再改良型。胴体と脚部がパルスブースター8基を有するサイコミュ高機動試験用ザクと同型のものとなり、コクピットは複座となった。センサー類にも変更が加えられており、腕部はデジタル画像処理アームに換装され、肩部には従来のカメラに代わってオプチカルスキャナーが搭載されたほか、頭部センサーも改修が施されている。
一年戦争末期に連邦軍に占領されたソロモンを強行偵察した機体が存在するほか、グリプス戦役時にジャミトフ・ハイマンの乗艦を襲撃したジオン残党も本機を運用する。
また、『バニシングマシン』と同一の作者による漫画『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』にも、宇宙世紀0092年頃のネオ・ジオンのMSとして同名の機体(型式番号:MS-19EもしくはAMS-119E)が登場しており、こちらでは頭部を始めとするアイザックの探索システムをサイコミュ高機動試験用ザクに搭載した機体とされている。
サイコミュ試験用ザク
サイコミュ試験用ザク[39] PSYCHOMMU SYSTEM ZAKU[40] ZEONG TEST BASE[40] | |
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型式番号 | MS-06Z / MS-06Z-3[39] |
頭頂高 | 17.7m[41] |
本体重量 | 43.8t[42] / 60.4t[41] |
装甲材質 | 超硬スチール合金[43] |
武装 | 腕部5連装メガ粒子砲×2 |
搭乗者 | ヤハギ・フランジバック アンネローゼ・ローゼンハイン |
ムック『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出で、『MSV』でデザインと追加設定が作られた。『MSV』での名称は「サイコミュシステム試験用ザク」[44]または「Zタイプ・ザク」[40]で、そのほかでは「サイコミュ搭載試験用ザクII (PSYCOMMU MOUNTED TEST MODEL)[43]」とも呼ばれる。さらに「ビショップ (BISHOP[42])」のコードネームをもち[45]、本機のプロジェクトは「ビショップ計画」と呼ばれる[46]。
サイコミュ搭載のニュータイプ用MS、ジオングのテストベース機として[47]開発された機体のひとつで(ほかに、中型戦闘機とモビルアーマー (MA) のブラウ・ブロが開発されている)[46]、本機の型式番号末尾の "Z" は「ジオング」の頭文字から採られたものである[44]。ザクII F型をベースとしているが[48]、使用されたのはメイン・フレーム程度で[46]、通常MSの倍のサイズとなるジオングの基本フォルムを縮小して[45]スラスター配置も極力合わせられたため[44]、頭部に若干の面影を残す以外にザクとはかけ離れた外観となっている[44]。ジオング同様、両前腕部に有線誘導式5連装メガ粒子砲を搭載することが第一に課せられた条件であったものの小型化ができず[45]、ジオングに採用予定のものをそのまま装備したため、腕だけが大型化し[49]マウンテンゴリラのような外観になっている[46]。モノアイは後方周回式に変更され、頭頂部から後部まで視認が可能となっている[40]。スラスターの合計推力は338トンにおよぶが、稼働時間は約10分と短い[40]。塗装は隠密にテストをおこなうため、ダーク・グリーンを基調とする[44]。
冷却サーキットとメガ粒子砲の小型化の難航により、ブラウ・ブロより10日遅れで完成する[46][注 7]。3機が製造され[47][注 8][注 9]、実験艦「レムリア」に搭載されてコレヒドール暗礁宙域でテストがおこなわれるが[46]、腕部メガ粒子砲のデータはテスト・パイロットの能力差によりばらつきが生じている[44]。実戦参加はしていないともいわれるが[47]、いくつかの戦闘記録が確認されている。
- 作中での活躍
- 漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、ヤハギ・フランジバックが搭乗し、ア・バオア・クー防衛戦に参加している(ただし、ヤハギの夢の中での描写)。
- ゲーム『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』のシナリオ「ミッシングリンク」では、ニュータイプの適性を示したマルコシアス隊のアンネローゼ・ローゼンハインのために、予備パーツから4機目が組み上げられる。胸部にマルコシアス隊の部隊章が描かれている。ア・バオア・クー防衛戦に参加するが、ペイルライダーとの交戦の際に行方不明となる。
サイコミュシステム初期試験型ザク
漫画『ザ・ブルー・ディスティニー』に登場(型式番号:YMS-06Z)。
マリオン・ウェルチがクルスト・モーゼスのもとでテストしていた時に搭乗していた機体で、ビショップ計画の前段階として開発された。本機はテストのみの機体であったが、ここで得られたデータの一部はのちのビショップ計画に活用されている。
ニュータイプ特有の高い反応速度を活かすため、全身にスラスターを増設しており、細かい姿勢制御が可能。脚部も足首から先は推進器そのものである。頭部は解析装置が組み込まれたためやや大型化した(イフリート改を想起させる形状)。のちのサイコミュ試験用ザクやサイコミュ高機動試験用ザクと異なり、腕部は有線式5連装メガ粒子砲ではなく通常型のマニピュレーターである。そのため武装は背部に搭載した巨大な有線式ビット2基のみであるが、このビットはビームではなく実体弾を発射する。
サイコミュ高機動試験用ザク
サイコミュ高機動試験用ザク[39] PSYCHOMMU SYSTEM ZAKU[46] | |
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型式番号 | MSN-01 |
頭頂高 | 17.2m[41] |
本体重量 | 65.4t[41] |
装甲材質 | 超硬スチール合金[53] |
武装 | 腕部5連装メガ粒子砲×2 |
搭乗者 | ビリー・ヒッカム |
『MSV』で設定された。当初の名称は「サイコミュシステム高速機動試験機」[54]または「高速機動型ザク」[46]で、そのほかでは「サイコミュ運用試験用ザクII」とも呼ばれる[53]。
サイコミュ試験用ザクでは、高速機動での有線誘導サイコミュでのデータ収集に限界があった[44]。そのため、2号機の下半身の歩行ユニットを取り外し、代わりに4基1組の大推力ロケット・エンジンを2基搭載したのが本機である[45]。MA並みの機動性を誇るが[45]、プロペラント容量の問題から[46]試験時の短時間しか運用できない[45]。降着時にはプレート状のランディング・ギアを使用する[45]。ジオングの型式番号がMS-16(X)からMSN-02に変更された際に、本機もMSN-01の型式番号となっている[45]。実戦向きの機体ではないが、サイコミュ試験用ザクの3号機とともにア・バオア・クーに移送され、実戦参加した記録が残されている[46]。塗装は白を基調に、機体各部に赤のラインが記されている。
漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ギラ・ズールをベースに、本機のコンセプトを宇宙世紀0096年の技術で再現したクラーケ・ズールが登場する。
- 劇中での活躍
- アトラクション『ガンダムクライシス』では、濃淡ブルー・グレーを基調に塗装された機体が、地球連邦軍が占領して間もない宇宙要塞ソロモン(コンペイトウ)を襲撃している。
- 漫画『機動戦士ガンダム ゼロの旧ザク』では、ア・バオア・クー防衛戦時のSフィールドの要塞内部で、右半身を大きく損傷した機体が1コマのみ登場する[55]。
- 漫画・アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、ア・バオア・クー防衛戦でビリー・ヒッカム少尉が搭乗する。アニメ版ではオールレンジ攻撃をおこない、多数の連邦軍MSを撃破するが、右腕のメガ粒子砲を破壊される。また、機体名称は「サイコミュ・システム高機動試験機」とされる[56]。
その他のザクシリーズのバリエーション
ザクWITHインターセプターユニット
漫画『アウターガンダム』に登場(型式番号:MS-06・D2)。
サブフライトシステムに近い発想の「インターセプターユニット」とセットで運用されるザクIIの派生機で、ザクII部はFZ型に酷似しているが、ランドセルが通常のFZ型のものより大型になっている。武装はインターセプターユニットに装備された火砲やミサイルなどで、ザクIIそのものは武装を携行していない。
ジオン軍の機動要塞に配備されており、星一号作戦発動準備に伴う連邦軍艦隊の集結を妨害すべく、集結しつつあった第七艦隊を攻撃する。
ザク大気圏突入試験型
メカニックデザイン企画『MSV90』に登場。
連邦軍が単独での大気圏突入が可能なMSの開発に成功したことを受けて試作されたもので、普段は背部に装備しているウェイブシールドを取り外し、その上に搭乗するかたちで大気圏突入を行う。機内温度の上昇を抑制するため、機体へのセラミックタイルの使用やクーリング・システムの搭載を行っているほか、機体各所にバーニアや姿勢制御ブースターが設けられている。
スティルスザク
「サイバーコミックス」に掲載された小説『TOP GUNDAM』に登場。
一年戦争末期に進められていたMS不可視計画「ニューオリンズ計画」によって開発された機体。高い空中機動力を発揮できる空中戦用MA的な機体であり、頭部以外の機体形状もザク系列とはかけ離れたものになっている。最大の特徴として、全身に可変迷彩コーティングが施されており、BGビジョン・カラーセンサーとの連動によって、機体名にある「スティルス」の通りに光学的にその姿を消すことが可能。
一年戦争終戦後、洋上ホバー空母「グラーフ・ツェッペリン」を母艦とする連邦軍のパイロット訓練校「TOP GUNDAM」所属機が、ジオン軍残党が使用するスティルスザクと交戦する。
パーフェクト・ザク
漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』に登場。
一年戦争末期に立案されたMS開発計画のうち、ビーム兵器を運用可能なMS量産化案のプランA(ゲルググ)、実弾による性能強化案のプランB(フルバレットザク)の他に存在した、単機で戦局を覆す超高性能MS開発案であるプランCを基に開発された機体。プランCは廃案となったが、戦後に立案者であるDr.Qが極秘に開発を進め、工場船102「幽霊船」で作り上げた。
数百を量産した中から選出された最上のパーツだけで構成されており、全高は30m、頭長高は20mという、開発当時の通常のMSの約1.5倍の大型機となっている。武装面では右腕3連ビームキャノンや腰部2連拡散ビーム砲のビーム兵器の内蔵をはじめ、左腕にはルナチタニウム製のシールド&ヒートカッターという攻守兼用兵器、背部には5つの有線サイコミュと大型ビームキャノンを組み合わせ、ジオン公国のマークに意匠されたバックモジュールを装備している。また、磁界誘導したビーム攪乱幕を霧状に纏うビーム攪乱機能を有するほか、ルナチタニウム合金からなる機体装甲自体も弾丸を弾くよう曲面加工が施されており、攻守に優れた超高性能機といえる。なお、「パーフェクト・ザク」の名はDr.Qが独自に命名したもので、公には「プランC」としてあつかわれている。
宇宙世紀0082年、真・ジオン公国議会として決起したDr.Qの乗機となり、鎮圧・破壊に訪れたジオン公国軍残党部隊を撃ち破りつつ、ジオン共和国攻撃のため「幽霊船」より発進。ヘビーガンダム率いる連邦軍のジオン共和国駐留部隊を壊滅させるが、残党部隊内のジョニー・ライデンとシン・マツナガが乗る高機動型ザクII後期型による連携攻撃によって撃墜される。
なお、漫画『プラモ狂四郎』では、当機とは別に同名の量産型ザクの改造プラモデルが登場している。
宇宙世紀におけるその後のザク系MS
- MS-11 アクト・ザク
- RMS-106 ハイザック
- 地球連邦軍が制式採用したザク系MS。量産型MSとしては初めて全天周囲モニター・リニアシートを採用したと言われるが、異説もある。ビームライフルとビームサーベルの同時運用が不可能。
- RMS-108 マラサイ
- アナハイム・エレクトロニクスが開発しティターンズに供与したハイザックの発展型のMS。ザク系MSとしては初めてムーバブルフレームとガンダリウム合金製装甲を採用した他、ビームライフルとビームサーベルの同時装備を可能とした。
- RMS-141 ゼク・アイン
- 『ガンダム・センチネル』に登場する量産型MS。小惑星ペズンで生産された次世代候補機。作戦ごとに装備を換装。ペズンを奪取したニューディサイズの主力機となる。
- AMX-011 ザクIII
- AMS-119 ギラ・ドーガ
- AMS-129 ギラ・ズール
- 袖付きと呼ばれるネオ・ジオン軍残党の主力MS。ギラ・ドーガの後継機だが、よりザクIIに近い姿をしている。
- ザクラオ
- 各コロニー軍が開発・使用している、ザクなどのジオン系機体の流れを組む量産型MS。
レギュシオ・ザック
「サイバーコミックス」に掲載された小説『TOP GUNDAM』に登場。
連邦に転向したジオン系の技術者F・レギュシオンによって設計された機体。作中では宇宙世紀0080年代後半における連邦軍の主力機となっており、舞台となる連邦軍のパイロット訓練校「TOP GUNDAM」に所属するハルトマン中尉も本機のカスタム機を乗機としている。
ザク・マシーナリー
宇宙世紀0089年を描いた漫画『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』に登場(型式番号:MS-11R)。 ハマーン・カーンを名乗る人物が率いるネオ・ジオン残党軍の主力機。
ザク・マシーナリー(エルナルド機)
- エルナルド・バト専用のザク・マシーナリー(型式番号:MS-11RS)。百式に似たカラーリングとバックパックを装備し、頭部はマラサイのようにヘルメットを被ったようになっている。狙撃用のビーム・ライフルを携行。
スザク(S・ザク・ザクIII改・改)
漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場。ネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルの乗機。
武装はビーム・ライフルや、左右のフロント・スカートに搭載されたビーム・キャノン、ヒート・ホークを装備。外見はマラサイに似た頭部をはじめ、複数のジオン系MSの特徴を持っている。スカートにビームを備える構造はザクIIIと共通する。
巨神の発動を阻止すべくシャアが搭乗し、居合わせたアムロ・レイたちと協力して巨神の撃退に向かう。自軍のMS部隊は巨神の攻撃により壊滅状態に陥るが、メガゼータとの共闘により撃退に成功する。
RFザク
RFザク RF ZAKU | |
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型式番号 | OMS-06RF |
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 45.8t |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材[59] |
出力 | 2,750kW |
推力 | 62,550kg |
センサー 有効半径 |
18,300m |
武装 | ビームライフル ビームアックス シールド・マシンガン ビームスプレーガン ビームバズーカ 海ヘビ(捕縛用ワイヤーアンカー) |
搭乗者 | オールズモビル兵 |
『機動戦士ガンダムF90』およびSFCゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。
オールズモビル(火星独立ジオン軍)の主力量産機。外見こそ一年戦争時の傑作機ザクIIだが、外部のパイプ類はすべてダミーであり、内部はすべてリファインされた高性能機[59]。連邦軍は当初この機体をその外観から旧式と誤認していたため、これらを運用する火星独立ジオン軍を『オールズモビル』と呼称するに至った[59]。
宇宙世紀0110年代以降の技術の導入によりギラ・ドーガを上回る性能を獲得し、連邦軍の主力機種ジェガンに匹敵する。ただし当時の最新技術であったビーム・シールドは搭載しておらず、技術水準も第二世代MSに留まっており、最先端のMSというわけではない[60]。機体の内部ユニットはRFグフと共通になっており、高い整備性を誇る[59]。 武装もビーム兵器の運用を中心にザクIIより格段に強化されており、また特徴的なものとしてワイヤーアンカー(海ヘビ)を装備している。
この機体は宇宙世紀0110年代から散発的に発生していたコロニーのテロ活動に用いられ、宇宙世紀0120年代初頭の木星船団などの輸送船への海賊行為やF90強奪に始まる一連の火星独立ジオン軍事件、および残党の地球圏での活動に運用された。
劇中では『機動戦士ガンダムF90』冒頭にサナリィがテスト運用していたF90の強奪作戦に参加。海ヘビを使用しF90 2号機を捕獲した。その後も火星独立ジオン軍の主力機として連邦軍追撃部隊の前に度々登場した。『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では火星独立ジオン軍の残党として劇中序盤から中盤に登場している。また、漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』では、宇宙世紀0116年にサイド4フロンティアIでテロ活動を行う機体が登場している。
ザク50
ザク50 ZAKU 50 | |
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型式番号 | MS-50 |
武装 | 大型メガ粒子砲 大型ビームサーベル×2 |
ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場。宇宙世紀0130年に、アナハイム・エレクトロニクスがデモンストレーション用に開発したザクに似た大型MA。
一年戦争終結50周年記念イベントの一環として出展された宣伝用の機体。アナハイム社の実績と技術のアピールのため、かなりの高性能機にされている。
新生ザク
短編映像作品『GUNDAM Mission to the Rise』に登場。
光速域での活動を目的とした機体であり、形状はザク系列の意匠を残してはいるものの、流線形に近い独特なものになっている。性能などの詳細は不明。
光速への到達を目的とした作戦「MISSION TO THE RISE」のために発進した「新生ガンダム」を追撃すべく発進し、新生ガンダムとともにブラックホール内部へと突入する。
『∀ガンダム』におけるザク
ボルジャーノン
ボルジャーノン BORJARNON | |
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型式番号 | MS-06 |
頭頂高 | 17.5m |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
動力源 | MY(ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉) |
武装 | ボルジャーノン・マシンガン ボルジャーノン・バズーカ ヒートホーク クラッカー ほか |
搭乗者 | ギャバン・グーニー、エイムズ、ジョン |
ギャバン専用ボルジャーノン | |
型式番号 | MS-05 |
搭乗者 | ギャバン・グーニー |
『∀ガンダム』に登場。
アメリア大陸ルジャーナ領の首都オールトンの西に位置するマウンテンサイクル(現在のアメリカ合衆国サウスダコタ州近辺)で大量に発掘されたため、その領主ボルジャーノ公の名前からボルジャーノンと名付けられ、ミリシャの戦力として多数使用された。外見は『機動戦士ガンダム』に登場するザクIIとほとんど同じであるが、コクピット形状などは、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のMS-06JC型の特徴を備えている。ほかにも、駆動音やマシンガンの発砲音が異なること、オリジナルのザクにはないホバー走行の機能が確認できる(小説版によれば、発掘された時点でコクピットには「MS-06F ZAKUII」の刻印があったという)。カラーリングはすべてグリーンで統一されている。バズーカなどの武装は発掘後にルジャーナ・ミリシャで製作された。
また、ザクI(旧ザク)に似た機体も1機のみ発掘され、こちらは隊長機として使用されたが性能は悪かったようである。この機体にはギャバン・グーニーが搭乗。このギャバン専用ボルジャーノンのみはブラックで塗装されていた。∀ガンダムとの力比べでモノアイガードを曲げられてからは、ギャバンもノーマルのボルジャーノンに乗り換え、この機体は式典襲撃時の囮用として破棄される。初期案ではギャバンが乗り換えたノーマルのボルジャーノンの額には、一般機との差別化としてギャバンの額にある傷と同じような模様が描かれる予定があったという。
レット隊はボルジャーノンを「ザク」と呼称する。宇宙の民の敵であるガンダムに対し、勇敢に立ち向かったひとつ目の戦士サイクロプスとして、ザクもガンダム同様に宇宙の民の間で語り継がれている。
パイロットであるルジャーナ・ミリシャのスエサイド部隊は、危険なエンジン(もっとも、それが核融合炉であるとは彼らも認識していないが)を搭載した機械人形に乗り戦う命知らずの決死隊という意味で「自殺的行為」(suicidalあるいはsuicide)の名がついた。イングレッサ・ミリシャの多くのカプル・パイロット同様、やはり彼らも航空機パイロット出身であるらしい。
- 劇中での活躍
- 作中、ボルジャーノンはカプルとともに地球勢(各地のミリシャの連合軍)の主力として活躍。おもにマリガン大佐指揮下のギャロップで運用し、数多く発掘される。登場した当初は、ハリー・オード大尉のスモーを撃退したり、奇襲戦でスモーを撃墜するが、中盤以降はよく撃破されたうえに1機が搭載された核に誘爆し核爆発を起こす。うち2機はウィルゲムに搭載され月へ行く。ハリー大尉指揮のもと親衛隊と共同戦線をはり、アグリッパ・メンテナーのクーデターを阻止、月に平穏を取り戻す。しかしグエン・サード・ラインフォードの裏切りに遭いボルジャーノンが奪われ、∀ガンダムやカプル、親衛隊とともにホエールズで地球へ帰還。帰還後は再びマリガン指揮下に入ったようで、ギャロップと行動をともにする。なお、帰還時に地球ではムーンレィスの技術者によってボルジャーノンの量産化が成功したとも取れる発言があったが、地球に侵攻してきたギンガナム隊のマヒローに敵わず多くが撃破される。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズにおけるザク
脚注
注釈
- ^ 「モビルスーツ/ザク(シャア専用)」と記載する資料も見られる[1]。
- ^ 「モビルスーツ・ザク」とする記述[2]、「ザク(ゲスト・キャラクター)」とする記述もみられる[1]。
- ^ 『アニメック第16号 機動戦士ガンダム大事典』[要ページ番号]で「ガデム搭乗ザク(旧型ザク)」とも記載されている。
- ^ 「MS-06F2」は雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』でカトキハジメの手でリファインされた「MS-06F ザクII」をアニメ用に再デザインしたもの。
- ^ スペック表ではプロトタイプザクと同じZAS-X7となっているが、作中の反応炉にはZAS-MI8と記されている(ザクIに搭載されたのがZAS-MI8B)。
- ^ PCゲーム『機動戦士ガンダム アドバンスドオペレーション』に登場。
- ^ 開発開始はブラウ・ブロと同時期とも[46]、ブラウ・ブロが一足先ともいわれる[44]。
- ^ よく知られている設定画(「3号機」ともいわれる[50])とは別に、若干腕部が小さく全体的に丸みを帯びたものも存在し、「1号機[51]」とも「二号機[52]」ともいわれている。
- ^ この3機を「MS-06Z Aタイプ」とする資料もある[40]。
出典
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参考文献
- 書籍
- 『ガンダムメカニクス2』ホビージャパン、1998年12月1日。ISBN 4-89425-188-4。
- 『機動戦士ガンダム MS大全集98』メディアワークス〈Dセレクション〉、1998年5月25日。ISBN 4-07-308519-0。
- 『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+原画設定集]』アスキー・メディアワークス、2012年12月25日。ISBN 978-4-04-891215-0。
- みのり書房「月刊OUT」別冊『宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY』(1981年発行。2000年、樹想社より再版)ISBN 4-87777-028-3
- バンダイ「模型情報」別冊『モビルスーツバリエーションハンドブック』第1集(1983年発行)
- 講談社 ポケット百科シリーズ32『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション』1 ザク編(1984年発行)ISBN 4-06-107782-1
- バンダイ「模型情報」別冊『ヒストリー・オブ・モビルスーツ』(1984年発行)
- バンダイ「サイバーコミックス」第1号(1988年発行)ISBN 4-89189-339-7
- バンダイ「SDクラブ」第8号(1990年発行)
- バンダイ『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』(1990年発行)ISBN 4-89189-474-1
- 旭屋出版『機動戦士ガンダム 劇場用アニメ第1作 フィルムコミック』(1996年発行)ISBN 4-7511-0087-4
- エンターブレイン「G20」第2号(1998年発行)
- 講談社『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』(2001年発行)ISBN 4-06-330110-9
- メディアワークス『機動戦士ガンダム MS大全集2003』(2003年発行)ISBN 4-8402-2339-4
- 角川書店『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』(山崎峰水著、2003年発行)ISBN 4-04-713581-X