「日本学術会議」の版間の差分
Assemblykinematics (会話 | 投稿記録) 節構成の再編(「逸話」節は主に「→歴史: 」節の小節「→特記事項: 」へ。「組織批評」節は「→日本学術会議に関する批評・論争: 」と改題し、小節「→日本学術会議に対する誤解: 」を設置、など)、ほかこまごまと情報追記、など。 |
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|画像説明 = 日本学術会議庁舎 |
|画像説明 = 日本学術会議庁舎 |
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|主席閣僚職名 = [[日本学術会議会長|会長]] |
|主席閣僚職名 = [[日本学術会議会長|会長]] |
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|主席閣僚氏名 = [[ |
|主席閣僚氏名 = [[梶田隆章]] |
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|次席閣僚職名 = 副会長 |
|次席閣僚職名 = 副会長 |
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|次席閣僚氏名 = [[ |
|次席閣僚氏名 = 望月眞弓、菱田公一、[[高村ゆかり]] |
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|補佐官職名 = |
|補佐官職名 = |
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|補佐官氏名 = |
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|その他 = [[日本学術会議協力学術研究団体]] |
|その他 = [[日本学術会議協力学術研究団体]] |
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'''日本学術会議'''(にほんがくじゅつかいぎ、 |
'''日本学術会議'''(にほんがくじゅつかいぎ、{{lang-en|Science Council of Japan}}、略称:'''SCJ''')は、[[日本]]の[[国立アカデミー]]であり、[[内閣府]]の[[特別の機関]]の一つである。日本の[[科学者]]の内外に対する代表機関であり、科学の向上発達を図り、[[行政]]、[[産業]]及び国民生活に[[科学]]を反映浸透させることを目的とする(日本学術会議法 第2条{{R|日本学術会議法}})。国単位で加盟する国際学術機関の組織構成員({{en|NMO - National Member Organization}})になることもあり、それらの国際分担金も担う{{R|大島1974|高野1996}}。[[アジア学術会議]]も推進し、その事務局は日本学術会議内に置かれている{{R|黒川2004|土居2007|SCA}}。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[内閣総理大臣]]が所轄し、その経費は国の予算で負担されるが、活動は政府から独立して行われる(日本学術会議法 第1条・第3条{{R|日本学術会議法}})。 |
[[内閣総理大臣]]が所轄し、その経費は国の予算で負担されるが、活動は政府から独立して行われる{{R|水野2018}}(日本学術会議法 第1章の第1条・第3条{{R|日本学術会議法}})。「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること」「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること」を職務としている{{R|水野2018}}(同法 第2章の第3条{{R|日本学術会議法}})。 |
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日本学術会議は210名の会員と約2000名の連携会員で構成され、いずれも任期は6年で、3年毎に約半数が任命替えされる。会員は再任できない(補欠の会員は1回再任可能)が、連携会員は2回まで再任できる{{要出典|date=2020年10月}}。会員は内閣総理大臣から任命され、連携会員は[[日本学術会議会長]]から任命される(日本学術会議法 第7条・第15条・第17条{{R|日本学術会議法}}、日本学術会議法施行令 第1条{{R|日本学術会議法施行令}}、日本学術会議会則 第12条{{R|日本学術会議会則}})。 会員は[[特別職]]の[[国家公務員]]、連携会員は[[一般職]]の国家公務員である。(国家公務員法 第2条<ref>{{cite web |title=国家公務員法第二条3十二の二 |publisher=e-Gov |url=https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000120 |accessdate=4 October 2020}}</ref>) |
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会員の任命から次の任命までの3年間が日本学術会議の活動の一単位となっており、会長・副会長の任期も同じ3年間(再任可)である。ただし任期中に役員の交代が行われる場合もしばしばある。基本的には3年間の活動単位が一期となっており、現在は第 |
会員の任命から次の任命までの3年間が日本学術会議の活動の一単位となっており、会長・副会長の任期も同じ3年間(再任可)である。ただし任期中に役員の交代が行われる場合もしばしばある。基本的には3年間の活動単位が一期となっており、現在は第25期([[2020年]]([[令和]]2年)10月 - [[2023年]]9月){{要出典|date=2020年10月}}。 |
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{{仮リンク|国際自動制御連盟|en|International Federation of Automatic Control}}({{en|IFAC}})など国単位で加盟する国際学会に対して、日本学術会議内の委員会が組織構成員({{en|NMO}} - {{en|National Member Organization}})になることもあり、会員費用も払っている{{R|藤井1977|大島1974|水野2018|Jc-IFToMM}}。しかし既存の学会が占めてしまい、新たに申請しても通らない場合がある{{R|Jc-IFToMM}}。委員会は国際学会が開催するシンポジウムの後援をするとともに{{R|大島1974}}、国内関連学会の連携を取り持って学術講演会を催すケースもある{{R|藤井1977|大島1974|水野2018}}。 |
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== 沿革 == |
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*[[1948年]](昭和23年)7月10日 - 日本学術会議法公布 |
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*[[1949年]](昭和24年)1月20日 - [[内閣総理大臣]]の所轄の下、日本学術会議が設立(前身である[[学術研究会議]]は廃止され、[[日本学士院]]は日本学術会議の中に置かれる) |
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*1949年(昭和24年)6月1日 - [[総理府]]の設置に伴い、総理府の機関となる |
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*[[1956年]](昭和31年)4月1日 - 日本学士院が日本学術会議から独立(日本学士院のみ[[文部大臣 (日本)|文部大臣]]の所轄に移る) |
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*[[1984年]](昭和59年)5月30日 - 会員選出方法を公選制から学会推薦制へ変更 |
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*[[2001年]](平成13年)1月6日 - [[中央省庁再編]]に伴い、[[総務大臣]]の所轄となり、[[総務省]]の[[特別の機関]]となる |
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*[[2005年]](平成17年)4月1日 - 再び内閣総理大臣の所轄となり、[[内閣府]]の特別の機関となる |
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*2005年(平成17年)10月1日 - 会員選出方法を日本学術会議が自ら選考する方法へ変更し、7部制から3部制への改組、連携会員の新設などの組織改革を行う |
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日本学術会議の予算規模は約10億円であり{{R|経団連2015}}、1993 - 1995年度における内訳は以下の通り{{R|日本学術会議だより1994|日本学術会議だより1995}}。1994年度の予算が多いのは、会員推薦時期によりその分の経費が計上されたためである{{R|日本学術会議だより1994}}。 |
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== 目的及び使命 == |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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=== 目的 === |
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本会議の設立目的は、日本を代表する科学技術機関として、研究者間の国際連携を行う主体となるほか、情報発信や情報収集を行ったり、科学者の意見などを政策に反映させることを目的とする。この目的の下で、学術会議と各団体との間で緊密な協力関係を持つために、「[[日本学術会議協力学術研究団体|協力学術研究団体]]」を認定し、情報提供や後援などを実施している(平成17年から)。 |
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! style="width:40%" | |
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! style="width:20%" | 1993年度 |
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! style="width:20%" | 1994年度 |
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! style="width:20%" | 1995年度 |
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! 総額(日本学術会議の運営に必要な経費) |
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| 10億9582万7千円 |
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| 12億128万7千円 |
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| 11億2339万4千円 |
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! 審議関係費 |
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| 2億6552万5千円 |
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| 2億7253万4千円 |
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| 2億9282万円 |
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|- |
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! 国際学術交流関係費(''[[#国際活動]]も参照'') |
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| 2億2125万4千円 |
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| 2億2664万6千円 |
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| 2億875万円 |
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! 会員推薦関係費(''[[#会員など]]も参照'') |
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| 1957万4千円 |
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| 1億5万5千円 |
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| 2千万円 |
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! 一般事務処理費 |
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| 5億8947万4千円 |
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| 6億205万2千円 |
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| 6億182万4千円{{Efn|1995年度においては「その他の事務費等」という名目で、備考欄に「一般事務処理費等」と記されている{{R|日本学術会議だより1995}}。}} |
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|} |
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2020年10月の[[内閣官房長官]]による発表では、総額は約10億5千万円、「人件費などを含む政府・社会などに対する提言」で2億5千万円、「各国アカデミーとの国際的な活動」で2億円、「科学の役割についての普及・啓発」と「科学者間のネットワーク構築」でそれぞれ1千万円、「事務局人件費・事務費など」で5億5千万円と発表された{{R|産経20201005}}。また、2019年度の決算では会員手当として約4500万円、事務局の常勤職員50人の人件費として約3億9千万円がかかっていたという{{R|産経20201006}}。 |
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[[行政機関が行う政策の評価に関する法律]](政策評価法)に従い、日本学術会議の活動の事後評価は、日本学術会議事務局自らがおこなっている<ref name="評価200908">日本学術会議事務局 (2009年8月).“[https://www8.cao.go.jp/hyouka/h20hyouka/h20jigo/shingi_honbun.pdf 平成20年度内閣府本政策評価書(事後評価)要旨]”. [[内閣府]]. 2019年12月21日閲覧。</ref>。 |
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=== 使命 === |
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* 科学に関する重要事項を審議して、その実現を図ること。 |
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* 科学に関する研究の連絡を図り、その能率化を実現すること。 |
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== 組織構成 == |
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=== 会員など === |
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# 政策提言、科学に関する審議 |
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日本学術会議は210名の会員と約2000名の連携会員で構成される{{R|経団連2015}}。会員は[[特別職]]、連携会員は[[一般職]]の[[国家公務員]](非常勤)となる{{R|質疑応答集2019}}。設立当初、会員は研究者による直接選挙で選ばれていたが、その後1984年からは各分野の学協会推薦方式に変更になり、さらに2005年からは現会員が次の会員を選ぶ{{仮リンク|コ・オプテーション|en|Co-optation}}方式になっている{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}{{R|海部2019}}。 |
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# 科学者コミュニティーの連携 |
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# 科学に関する国際交流 |
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# 社会とのコミュニケーション |
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なお、2005年の組織改編までは連携会員は存在せず、研究連絡委員会の委員という肩書で[[日本学術会議協力学術研究団体|登録学術研究団体]]から選出されており{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}{{R|武居1997}}、1997年の時点で2370名であった{{R|武居1997}}。会員選出方法の詳細は以下を、選出方法についての議論は「[[#会員やその選出方法について]]」節を参照。 |
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== 政策評価結果 == |
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[[行政機関が行う政策の評価に関する法律]](政策評価法)に従い、日本学術会議の活動の事後評価は、日本学術会議事務局が自らおこなっている。 |
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; 創設後から1984年改訂前までの投票方式(会員) |
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[[2008年]](平成20年)度の事後評価<ref>日本学術会議事務局 (2009年8月).“[https://www8.cao.go.jp/hyouka/h20hyouka/h20jigo/shingi_honbun.pdf 平成20年度内閣府本政策評価書(事後評価)要旨]”. [[内閣府]]. 2019年12月21日閲覧。</ref>のなかで「専門的かつ信頼性のある見解の提示・助言等を通じた政府・関係機関との連携」は達成できたとしている。しかし、この評価の設定は「各期(3年間)の提言等の発出状況や委員会の例年の審議の状況を勘案して目標値を設定した」とのみ記述され、この事前・事後の具体的な数値は記載されていない。 |
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: 自由立候補制で、部、専門、地方別に登録した研究者が有権者として直接投票を行った{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}{{R|大瀧2001|海部2019}}。全国区、地方区で210名が選出され、任期は3年で全員が改選となったが、再任回数に制限はなかった{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}{{R|海部2019}}。 |
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; 1984年から2005年改訂前までの学会推薦方式(会員) |
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[[2008年]](平成20年)度の日本学術会議の「政府・社会等に対する提言等」には3億8100万円の予算があてられているが、[[2008年]](平成20年)度に日本学術会議が出した提言等の本数は69本であり、1本あたり平均して552万円かかっている計算となる。 |
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: 導入は1985年の7月の第13期から{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}。会員を推薦したい学会はまず「[[日本学術会議協力学術研究団体|登録学術研究団体]]」に認められておく必要があった。日本学術会議には学術領域ごとに研究連絡委員会があるため、学会はどの学術領域に会員候補者・推薦人を出すか決めておくことになる。次に学会は「会員候補者」を日本学術会議会員推薦管理会に届け出て、会員資格を有することの「認定」を受ける。さらに各学会が届け出た推薦人が、学術領域ごとに会員資格を有すると認定された候補者の中から「会員候補」を選出する。なお、推薦人は各学会の構成員である必要がある。選出された会員候補は日本学術会議から[[内閣総理大臣]]に推薦され、任命を受ける{{R|日本学術会議だより1987}}。3年に一度の会員推薦の際にはその分の予算が増額され、例えば1994年度には約8千万円の経費が上積みされていた{{R|日本学術会議だより1994}}。 |
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; 2005年以降のコ・オプテーション方式による選出方法(会員・連携会員) |
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== 組織 == |
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: 2005年の第20期から導入されたもので{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}、現役の会員・連携会員が各々ふさわしいと考えられる「優れた研究又は業績がある」科学者を、会員候補者と連携会員候補者を合わせて5名まで、うち会員候補者は2名以内推薦する{{R|質疑応答集2019}}。この際、優先順位をつけることはできず、人数は5名より少なくてもよく、連携候補者だけの場合でも構わない{{R|質疑応答集2019}}。そこから選考委員会・分科会による選考が行われる{{R|質疑応答集2019}}。なお、会員の定年は70歳であるため、少なくとも1期は努められる年齢であることが推薦時に望まれている{{R|質疑応答集2019}}。 |
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(20期 - {{Efn|部と委員会の構成については、時々再編がある。現在の構成は20期からのもので、19期までは異なっていた。}}) |
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* 総会(原則として4月と10月の年2回開催。210名の会員で構成。) |
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なお、会員、連携会員とは別に「栄誉会員」が認定されるとともに{{R|栄誉会員}}{{Sfn|活動の手引き|2017|p=7}}、事務局には約50名のスタッフ(2008年時点)がいる{{R|経団連2015}}。 |
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* 役員(会長と副会長3名。) |
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* 幹事会(毎月開催。日本学術会議の運営について審議。会長、副会長、各部の部長、副部長、幹事で構成。) |
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=== 第19期までの組織 === |
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* 3つの部(第一部(人文・社会科学)、第二部(生命科学)、第三部(理学・工学)。会員はいずれかの部に属する。) |
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会長1名に対し、副会長は人文社会系と自然科学系の2名を設けていた{{R|第17期役員|歴代会長}}。第一部から第七部までの7つの部会があり、会員210名はいずれかに所属した{{Sfn|山下|1993}}。各部に部長、副部長、幹事2名の役員が置かれており{{R|第17期役員}}、{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}各部の専門分野は以下の通り{{Sfn|山下|1993}}{{R|大瀧2001}}。 |
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* 4つの機能別委員会(選考委員会、科学者委員会、科学と社会委員会、国際委員会。) |
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* 人文・社会科学部門 - 第1部([[文学]]、[[哲学]]、[[教育学]]・[[心理学]]・[[社会学]]、[[歴史学|史学]])、第2部([[法学|法律学]]、[[政治学]])、第3部([[経済学]]、[[商学]]・[[経営学]]) |
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* 自然科学部門 - 第4部([[理学]])、第5部([[工学]])、第6部([[農学]])、第7部([[医学]]、[[歯学]]、[[薬学]]) |
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第一部から第七部を、単に「文、法、経、理、工、農、医」と記載することもある{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}。なお、第7部では第18期で看護学研究連絡委員会を設けたものの、看護学の研究者は会員になれなかった(組織改革による第20期以降はなれるようになった){{R|鴨下2005}}。 |
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また、運営審議会、常置委員会、特別委員会、研究連絡委員会が設けられ{{R|伊藤1996}}、運営審議会には附置委員会として「広報」「財務」「勧告等」「国際会議」「二国間交流」などの委員会が置かれていた{{R|第17期役員|第18期役員|第19期役員}}。第18期以降は「アジア学術会議」の委員会が設置されていた{{R|第18期役員|第19期役員}}。単期の委員会として第17期では「50年史編集準備委員会」が{{R|第17期役員}}、第18期では「ノーベル賞100周年委員会」などが{{R|第18期役員}}、第19期では「持続可能な社会に向けた新しい科学や技術国際実行委員会」や「日本学術会議改革推進委員会」が置かれていた{{R|第19期役員}}。なお、会員以外に「委員」が設けられていた{{Sfn|70周年記念|2019|p=6}}。 |
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=== 第20期以降の組織 === |
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2004年の法改正に伴い、2005年10月に組織が再編された{{Sfn|池上|2005}}。2020年現在の組織を以下に示す<ref>“[http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html 日本学術会議とは]”. 日本学術会議. 2020年10月4日閲覧。</ref>。 |
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* 総会 - 原則として4月と10月の年2回開催。210名の会員で構成。 |
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* 役員 - 会長と副会長3名(副会長は組織運営担当、政府との関係等担当、国際活動担当の3名 |
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* 幹事会 - 毎月開催。日本学術会議の運営について審議。会長、副会長、各部の部長、副部長、幹事で構成。 |
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* 3つの部 - 第一部(人文・社会科学)、第二部(生命科学)、第三部(理学・工学)。会員はいずれかの部に属する。 |
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* 4つの機能別委員会 - 選考委員会、科学者委員会、科学と社会委員会、国際委員会。 |
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* 30の学術分野別委員会 |
* 30の学術分野別委員会 |
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* 臨時の課題別委員会 |
* 臨時の課題別委員会 |
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* 事務局 - 50名の常勤職員がいる{{R|経団連2015|産経20201006}}。 |
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* 事務局 |
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== 国際活動 == |
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=== 国際学術機関の構成員 === |
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日本学術会議が国際学術機関の組織構成員({{en|NMO}} - {{en|National Member Organization}}{{R|大島1974}}、{{en|NAO}} - {{en|National Adhering Organization}}{{R|山内2017}})を務めることがあり{{R|藤井1977|大島1974|水野2018|山内2017}}、例えば |
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* [[国際科学会議]](ICSU){{R|ICSU2000}}(ただし、国際科学会議は2018年に[[国際社会科学協議会]]と統合し、[[国際学術会議]]となっている{{R|ISU}})。 |
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* {{仮リンク|世界工学団体連盟|en|World Federation of Engineering Organizations}}(WFEO){{R|WECC|高野1997}} |
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があげられる。また、日本学術会議の委員会(分科会)で加盟するものとして |
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* [[国際純正・応用化学連合]]({{en|IUPAC}}) - IUPAC分科会{{R|山内2017}}(旧 化学研究連絡委員会<ref>「[https://doi.org/10.20710/dojo.34.3_95 学術会議だより]」『日本土壌肥料学雑誌』第34巻第3号、1963年、95-96頁。</ref>) |
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* [[国際純粋・応用物理学連合]]({{en|IUPAP}}) - IUPAP分科会{{R|野尻2018}} |
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* {{仮リンク|国際農業工学会|en|International Commission of Agricultural and Biosystems Engineering}}(CIGR) - CIGR分科会{{R|真木2015}} |
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* {{仮リンク|国際自動制御連盟|en|International Federation of Automatic Control}}(IFAC) - IFAC分科会{{R|淺間2018}}(旧 自動制御研究連絡委員会{{R|高野1997}}) |
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などがある。前述のICSUなども含めて2000年には50団体に日本学術会議で構成員となっていた{{R|大瀧2001}}。 |
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これらの分担金(membership fee)は日本学術会議の予算(国家予算)で賄なわれており{{R|大島1974|高野1996}}、例えば1995年度(平成7年度)には総額6千9百5十万5千円が「国際分担金」として予算計上されており{{R|日本学術会議だより1995}}、2000年の時点でICSUには14万ドル、IUPACには8万ドルの分担金を支払っていた{{R|大瀧2001}}。国際学術機関によっては加盟金を払えなくなる国もある中{{R|高野1996}}、前述のICSU(国際科学会議)の各国分担金では日本は2000年時点で第3位の加盟金を支払っていた{{R|大橋2000}}。なお、日本学術会議が分担金は既存の学会が占めてしまい、新しい提案が通らないケースがあると言われている{{R|Jc-IFToMM}}{{Efn|国際的な非営利の組織は複数あるが{{R|小野1997}}、例えば[[情報処理国際連合]](IFIP)は[[情報処理学会]]が、{{仮リンク|国際計測連合|en|International Measurement Confederation}}(IMEKO)は[[計測自動制御学会]]が{{R|小野1997}}、{{仮リンク|IFToMM|en|International Federation for the Promotion of Mechanism and Machine Science}}は日本IFToMM会議が{{R|Jc-IFToMM}}日本を代表する会員になっている。}}。 |
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=== 第20期 === |
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=== 代表派遣事業 === |
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[[2005年]](平成17年)10月1日 - [[2008年]](平成20年)9月30日 |
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「世界の学会との連携、国際的な学術動向の把握、研究の連絡、情報・資料の収集・交換など」を目的とした事業。派遣されるのは日本学術会議会員に加え、以前は研究連絡委員会委員も対象であった<ref>「[https://doi.org/10.5363/tits.1.6_66 諸外国学術事業]」『学術の動向』第1巻第6号、1996年、66-68頁。</ref>。国際学術機関の国際会議などに参加しており{{R|高野1996}}、1993年の時点では年間約70名を派遣していたという{{Sfn|山下|1993|p=144}}。 |
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=== 二国間学術交流 === |
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{| class="wikitable" style="width:40%" |
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1983年から始まったもので、日本学術会議会員による代表団を派遣している。当初は年に2か国で、1983年度は[[アメリカ]]、[[マレーシア]]、1984年度は[[スウェーデン]]、[[タイ王国]]、1985年度は[[フランス]]、[[大韓民国]]と展開していった。1985年には7名の代表団を送っており、科学技術政策や教育、学術研究の問題点について調査、議論していた{{R|ファルマシア1987}}。2020年現在は各国の[[国立アカデミー|アカデミー]]と公開シンポジウムやワークショップも開催している{{R|二国間交流}}。 |
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|- |
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! style="width:25%" | 会長 |
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| style="width:75%" | [[黒川清]](臨床医学){{fontsize|small|〈2006年9月まで〉}}<br/>[[金澤一郎]](臨床医学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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|} |
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なお、第21期会長{{R|歴代会長}}の[[金澤一郎]]は[[バングラデシュ科学アカデミー]]との友好協定調印式を2014年9月16日に開催{{R|二国間交流}}。第22-23期会長{{R|歴代会長}}の[[大西隆]]も、{{仮リンク|ブルガリア科学アカデミー|en|Bulgarian Academy of Sciences}}との協力協定式(2012年3月30日)、[[イスラエル科学・人文アカデミー]]との協力覚書署名式(2013年10月10日)、韓国行政研究院との協定署名式(2014年7月10日)、韓国科学技術アカデミーとの協力覚書署名式(2014年11月13日)、[[中国人民政治協商会議#概要|中国科学技術協会]]との協力覚書署名式(2015年9月17日)を実施していった{{R|二国間交流}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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|- |
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! style="width:10%" | |
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! style="width:30%" | 組織運営等担当 |
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! style="width:30%" | 政府との関係等担当 |
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! style="width:30%" | 国際活動担当 |
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|- |
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! 副会長 |
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| [[浅島誠]](基礎生物学) |
|||
| [[大垣眞一郎]](土木工学・建築学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[鈴村興太郎]](経済学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
|||
| [[石倉洋子]](経営学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[土居範久]](情報学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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|} |
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特に[[カナダ]]とは2005年から「日本・カナダ女性研究者交流事業」を開始している{{R|黒川2006}}。これは2004年当時の会長・[[黒川清]]が、2004年の日本とカナダの外交開始75周年を記念する事業を[[カナダ大使館]]から打診されたことが契機に始まった{{R|黒川2006|室伏2006}}。女性研究者の交流事業が中心になったのはカナダの女性進出が進んでおり日本は遅れていたためで{{R|黒川2006}}、[[お茶の水大学]]に実働が要請され、[[室伏きみ子]]{{Efn|日本学術会議の会員(第19期第4部幹事){{R|第19期役員}}、連携会員{{R|室伏2006}}を歴任。}}が推進した{{R|黒川2006|室伏2006}}。2010-2012年度は体制見直しのため休止されたものの、日本学術振興会と[[カナダ王立協会]]の共同主催で継続されている<ref>日本学術会議事務局「[http://www.scj.go.jp/ja/int/canada/pdf/bosyuu_2017.pdf 平成29年度日本カナダ女性研究者交流派遣者募集要項]」日本学術会議、2017年6月9日、2020年10月7日閲覧。</ref><ref>福田公子「[https://doi.org/10.5363/tits.12.9_40 平成18年度日本・カナダ女性研究者交流事業報告書]」『学術の動向』第12巻第9号、2007年、40-47頁。</ref><ref>新堀真希「[https://doi.org/10.5363/tits.15.10_75 日本・カナダ女性研究者交流事業参加レポート2「いつか宇宙で会いましょう!」 ~"Universal Universe"の時代に向かって~]」『学術の動向』第15巻第10号、2010年、75-81頁。</ref>。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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|- |
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! style="width:10%" | |
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! style="width:30%" | 第一部(人文・社会科学) |
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! style="width:30%" | 第二部(生命科学) |
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! style="width:30%" | 第三部(理学・工学) |
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|- |
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! 部長 |
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| [[広渡清吾]](法学) |
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| [[金澤一郎]](臨床医学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[唐木英明]](農学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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| [[海部宣男]](物理学) |
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|- |
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! 副部長 |
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| [[佐藤学 (教育学者)|佐藤学]](心理学・教育学) |
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| [[唐木英明]](農学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[北島政樹]](臨床医学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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| [[土居範久]](情報学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[小林敏雄]](機械工学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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|- |
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! rowspan="2" | 幹事 |
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| [[江原由美子]](社会学) |
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| [[廣橋説雄]](基礎医学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[山本雅]](基礎生物学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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| [[河野長]](地球惑星科学) |
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|- |
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| [[鈴村興太郎]](経済学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[小林良彰]](政治学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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| [[鷲谷いづみ]](応用生物学) |
|||
| [[小林敏雄]](機械工学){{fontsize|small|〈2006年10月まで〉}}<br/>[[大垣眞一郎]](土木工学・建築学){{fontsize|small|〈2006年10月から〉}} |
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|} |
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=== アジア学術会議 === |
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{{See also|アジア学術会議}} |
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1993年から1999年まで、日本がホストとして[[アジア]]の10か国{{Efn|[[インド]]、[[インドネシア]]、[[シンガポール]]、[[タイ]]、[[大韓民国]]、[[中華人民共和国]]、[[日本]]、[[フィリピン]]、[[ベトナム]]、[[マレーシア]]の10か国{{R|JSME1995}}。}}から科学者の代表を集めたアジア学術会議「The Asian Conference on Scientific Cooperation(ACSC)」というフォーラムを開催していた{{R|西島1997|土居2007}}。フォーラム開催には日本学術会議の予算から約2千万円を使用しており、将来的には各国で分担金を持ち寄る形式に移行することが課題になっていた{{R|西島1997}}{{Efn|1995年度には約11億円の日本学術会議予算のうち2千2百2十万5千円が計上されていた{{R|日本学術会議だより1995}}。}}。 |
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2001年には[[アジア学術会議]]「The Scicence Council of Asia(SCA)」となり{{R|土居2007}}、開催場所も[[バンコク]](2001年)、[[クアラルンプール]](2002年)、[[バリ島|バリ]](2003年)、[[ソウル特別市|ソウル]](2004年)と持ち回りになった{{R|黒川2004}}。参加国は2004年に[[モンゴル]]が加わり{{R|土居2007}}、2015年には16か国<ref>「[https://doi.org/10.5363/tits.20.7_7 第15回アジア学術会議を開催]」『学術の動向』第20巻第7号、2015年、7頁。</ref>、2020年現在は18か国が参加している{{R|SCA}}。アジア学術会議は日本学術会議に事務局が置かれており{{R|SCA}}、当初は日本学術会議会長が事務局長を兼任していた{{R|土居2007}}。なお、会長は会議の開催国から出すことになっている{{R|土居2007}}。 |
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[[2008年]](平成20年)10月1日 - [[2011年]](平成23年)9月30日 |
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{| class="wikitable" style="width:40%" |
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|- |
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! style="width:25%" | 会長 |
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| style="width:75%" | [[金澤一郎]](臨床医学){{fontsize|small|〈2011年6月まで〉}}<br/>[[広渡清吾]](法学){{fontsize|small|〈2011年7月から〉}} |
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|} |
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=== 予算規模 === |
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1993 - 1995年度における内訳は以下の通りで{{R|日本学術会議だより1994|日本学術会議だより1995}}、2020年の時点でも国際関係の活動として総額2億円を計上している{{R|産経20201005}}。なお、上述のように「[[アジア学術会議]]」は1993年から1999年まではフォーラムとして日本学術会議により開催されていた{{R|土居2007}}。また、2000年の時点では国際会議に対して年間8件を対象とし、1件あたり5百万円から1千万円を援助していたという{{R|大瀧2001}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
{| class="wikitable" style="width:100%" |
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|- |
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! style="width: |
! style="width:40%" | |
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! style="width: |
! style="width:20%" | 1993年度 |
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! style="width: |
! style="width:20%" | 1994年度 |
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! style="width: |
! style="width:20%" | 1995年度 |
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|- |
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! 総額(国際学術交流関係費) |
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! 副会長 |
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| 2億2125万4千円 |
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| [[大垣眞一郎]](土木工学・建築学) |
|||
| 2億2664万6千円 |
|||
| [[鈴村興太郎]](経済学){{fontsize|small|〈2011年4月まで〉}}<br/>[[広渡清吾]](法学){{fontsize|small|〈2011年4月 - 7月〉}}<br/>[[秋山弘子]](心理学・教育学){{fontsize|small|〈2011年7月から〉}} |
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| 2億875万円 |
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| [[唐木英明]](農学) |
|||
|} |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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! [[#国際学術機関の構成員|国際分担金]] |
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! style="width:10%" | |
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| 7472万2千円 |
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! style="width:30%" | 第一部(人文・社会科学) |
|||
| 6745万円 |
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! style="width:30%" | 第二部(生命科学) |
|||
| 6952万5千円 |
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! style="width:30%" | 第三部(理学・工学) |
|||
|- |
|- |
||
! 国際会議国内開催 |
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! 部長 |
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| 7354万3千円 |
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| [[広渡清吾]](法学){{fontsize|small|〈2011年4月まで〉}}<br/>[[小林良彰]](政治学){{fontsize|small|〈2011年4月から〉}} |
|||
| 8617万2千円 |
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| [[浅島誠]](基礎生物学) |
|||
| 6621万1千円 |
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| [[岩澤康裕]](化学) |
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|- |
|- |
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! [[#代表派遣事業|代表派遣]] |
|||
! 副部長 |
|||
| 4400万6千円 |
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| [[小林良彰]](政治学){{fontsize|small|〈2011年4月まで〉}}<br/>[[木村茂光]](史学){{fontsize|small|〈2011年4月から〉}} |
|||
| 4400万6千円 |
|||
| [[北島政樹]](臨床医学) |
|||
| 4400万6千円 |
|||
| [[後藤俊夫 (工学者)|後藤俊夫]](総合工学) |
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|- |
|- |
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! [[#二国間学術交流|二国間交流]] |
|||
! rowspan="2" | 幹事 |
|||
| 682万3千円 |
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| [[木村茂光]](史学){{fontsize|small|〈2011年4月まで〉}}<br/>[[酒井啓子]](政治学){{fontsize|small|〈2011年4月から〉}} |
|||
| 682万3千円 |
|||
| [[山本正幸]](基礎生物学) |
|||
| 682万3千円 |
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| [[池田駿介 (土木工学者)|池田駿介]](土木工学・建築学) |
|||
|- |
|- |
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! [[#アジア学術会議|アジア学術会議の開催]] |
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| [[山本真鳥]](地域研究){{fontsize|small|〈2011年4月まで〉}}<br/>[[白田佳子]](経営学){{fontsize|small|〈2011年4月から〉}} |
|||
| 2216万円 |
|||
| [[鷲谷いづみ]](応用生物学) |
|||
| 2219万5千円 |
|||
| [[海部宣男]](物理学){{fontsize|small|〈2010年4月まで〉}}<br/>[[永宮正治]](物理学){{fontsize|small|〈2010年4月から〉}} |
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| 2220万5千円 |
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|} |
|} |
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== 刊行物・広報 == |
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日本学術会議は創立当初から毎月、会員に対して |
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*『日本学術会議月報』第1巻第1号、1951年1月 - 第5巻第6号、1955年6月、{{Ncid|AN00410327}}。 |
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*『JSCニュース』{{R|利谷1996}} |
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*『日本学術ニュース』第1巻第1号、1957年3月 - 第4巻第3号、1960年3月、{{Ncid|AN00410316}} |
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*『日本学術会議月報』第1巻第1号、1960年4月 - 第37巻第3号、1996年3月、{{Ncid|AN00343434}} |
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といった会報を配布していた。これは日本学術会議事務局、および同広報委員会によるもので、日本学術会議の予算で賄われていた{{R|利谷1996}}。 |
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なお、日本学術会議が総会100回を迎えた1986年から、各種学会の機関紙に日本学術会議広報委員会文責の「日本学術会議だより」を掲載するようになる{{R|ファルマシア1986}}。ただし、会報として日本学術会議だよりの抜粋を記すだけの学会もあり<ref>「[https://doi.org/10.20633/tochiseido.28.3_73 会報 日本学術会議第100回総会について]」『土地制度史学』第28巻第3号、1985年、76頁。</ref>、1995年時点では[[日本学術協力財団]]の文責になっている{{R|人工知能1996}}。また、これとは別に日本学術会議会員が所属学会誌に「日本学術会議だより」{{R|宮崎2008}}や「学術会議だより」{{Sfn|郷|1999}}{{R|野尻2018}}として記事を記すこともある。 |
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[[2011年]](平成23年)10月1日 - [[2014年]](平成26年)9月30日 |
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外部への広報を強化するため、月報は1996年(平成8年)に |
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{| class="wikitable" style="width:40%" |
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*『学術の動向』{{Ncid|AN10527590}} |
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としてリニューアルされた。これは[[日本学術協力財団]]から発行されており、購読者から購読料を取る形式に変更になっている{{R|利谷1996}}。また、日本学術会議の講演会を基にして、日本学術協力財団から〈日学双書〉{{Ncid|BN00933403}}や〈日本学術叢書〉{{Ncid|BA74102984}}といったシリーズが刊行されている{{R|人工知能1996|日本学術協力財団2015}}。 |
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! style="width:25%" | 会長 |
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| style="width:75%" | [[大西隆]](土木工学・建築学) |
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|} |
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== 歴史 == |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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=== 組織の沿革 === |
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* [[1948年]](昭和23年)7月<!--10日--> - 日本学術会議法公布{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
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! style="width:10%" | |
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* [[1949年]](昭和24年)1月<!--20日--> - [[内閣総理大臣]]の所轄の下、日本学術会議が設立(前身の[[学術研究会議]]は廃止され、[[日本学士院]]は日本学術会議の中に置かれる){{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
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! style="width:30%" | 組織運営等担当 |
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* 1949年(昭和24年)6月<!--1日--> - [[総理府]]の設置に伴い、総理府の機関となる{{要出典|date=2020年10月}} |
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! style="width:30%" | 政府との関係等担当 |
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* [[1956年]](昭和31年)4月<!--1日--> - 日本学士院が日本学術会議から独立(日本学士院のみ[[文部大臣 (日本)|文部大臣]]の所轄に移る){{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Efn|1956年(昭和31年)3月としている文献もある{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}}。}} |
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! style="width:30%" | 国際活動担当 |
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* [[1970年]](昭和45年)7月 - 日本学士院庁舎(上野公園内)から移転{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=5,10}} |
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|- |
|||
* [[1984年]](昭和59年)5月<!--30日--> - 会員選出方法を公選制から学会推薦制へ変更{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
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! 副会長 |
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* [[2001年]]([[平成]]13年)1月<!--6日--> - [[中央省庁再編]]に伴い、[[総務大臣]]の所轄となり、[[総務省]]の[[特別の機関]]となる{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
|||
| [[武市正人]](情報学){{fontsize|small|〈2013年4月まで〉}}<br/>[[小林良彰]](政治学){{fontsize|small|〈2013年4月から〉}} |
|||
* [[2005年]](平成17年)4月<!--1日--> - 再び内閣総理大臣の所轄となり、[[内閣府]]の特別の機関となる{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
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| [[小林良彰]](政治学){{fontsize|small|〈2013年4月まで〉}}<br/>[[家泰弘]](物理学){{fontsize|small|〈2013年4月から〉}} |
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* 2005年(平成17年)10月<!--1日--> - 会員選出方法を日本学術会議が自ら選考する方法へ変更し{{Sfn|活動の手引き|2017|p=1}}、7部制から3部制への改組、連携会員の新設などの組織改革を行う{{Sfn|70周年記念|2019|p=10}} |
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| [[春日文子]](健康・生活科学) |
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|} |
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=== 歴代会長 === |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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{{Main|日本学術会議会長}} |
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発足時の第1期は[[亀山直人]]を会長(第1-2期)とし、人文社会部門の副会長は[[我妻栄]]、自然科学部門は副会長を[[仁科芳雄]]であった{{R|歴代会長}}。その後、[[茅誠司]](第3-4期途中)、[[和達清夫]](第5期)、[[朝永振一郎]](第6-7期)、[[江上不二夫]](第8期)、[[伏見康治]](第11-12期途中)、[[近藤次郎]](第13-15期)、[[伊藤正男 (生理学者)|伊藤正男]](第16期)、[[吉川弘之]](第17-18期)らが会長を務めた{{R|歴代会長}}。 |
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! style="width:10%" | |
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! style="width:30%" | 第一部(人文・社会科学) |
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! style="width:30%" | 第二部(生命科学) |
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! style="width:30%" | 第三部(理学・工学) |
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|- |
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! 部長 |
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| [[佐藤学 (教育学者)|佐藤学]](心理学・教育学) |
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| [[山本正幸]](基礎生物学) |
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| [[家泰弘]](物理学){{fontsize|small|〈2013年4月まで〉}}<br/>[[荒川泰彦]](総合工学){{fontsize|small|〈2013年4月から〉}} |
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|- |
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! 副部長 |
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| [[大沢真理]](経済学) |
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| [[生源寺眞一]](農学) |
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| [[荒川泰彦]](総合工学){{fontsize|small|〈2013年4月まで〉}}<br/>[[巽和行]](化学){{fontsize|small|〈2013年4月から〉}} |
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|- |
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! rowspan="2" | 幹事 |
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| [[後藤弘子]](法学){{fontsize|small|〈2014年4月まで〉}}<br/>[[井野瀬久美惠]](史学){{fontsize|small|〈2014年4月から〉}} |
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| [[須田年生]](基礎医学) |
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| [[巽和行]](化学){{fontsize|small|〈2013年4月まで〉}}<br/>[[相原博昭]](物理学){{fontsize|small|〈2013年4月から〉}} |
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|- |
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| [[丸井浩]](哲学){{fontsize|small|〈2014年4月まで〉}}<br/>[[杉田敦 (政治学者)|杉田敦]](政治学){{fontsize|small|〈2014年4月から〉}} |
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| [[長野哲雄]](薬学) |
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| [[土井美和子]](情報学) |
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|} |
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第19期は[[黒川清]]が会長を務め{{R|第19期役員}}、組織再編が行われた第20期も途中まで黒川が会長が務めた。第20期から第21期の途中までは[[金澤一郎]]が会長を務める。第21期の残りは[[広渡清吾]]が務め、その後は[[大西隆]](第22-23期)、[[山極寿一]](第24期)と続き、2020年10月からの第25期は[[梶田隆章]]が会長を務めている{{R|歴代会長}}。 |
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=== 第23期 === |
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=== 栄誉会員 === |
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[[2014年]](平成26年)10月1日 - [[2017年]](平成29年)9月30日 |
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日本学術会議会則の第35条「学術会議は、国内外における卓越した研究又は業績がある科学者その他の学術の発展に著しい貢献をしたと認められる科学者に対し、日本学術会議栄誉会員(以下「栄誉会員」という。)の称号を授与することができる。」に基づき「栄誉会員」が設定されており{{R|会則35条}}、[[ノーベル賞]]クラスの卓越した研究業績や、日本の科学コミュニティーの国際発展に顕著な貢献をした者が選出される{{R|栄誉会員}}。2020年10月現在までに[[赤﨑勇]]、[[江崎玲於奈]]、[[小林誠]]、[[小柴昌俊]]、[[南部陽一郎]]、[[益川敏英]]、[[根岸英一]]、[[鈴木章]]、[[利根川進]]、[[李遠哲]]に加え、[[吉川弘之]]([[国際科学連合]]会長、日本学術会議第17-18期会長、連携会員を歴任{{R|吉川2009}})、が認定されている{{R|栄誉会員}}{{Sfn|活動の手引き|2017|p=7}}。 |
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=== 特記事項 === |
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{| class="wikitable" style="width:40%" |
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{{出典の明記|date=2020年10月|section=1}} |
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* 日本学術会議設立には[[連合国軍最高司令官総司令部]](GHQ)が関与し、日本の物理学者である[[仁科芳雄]]と共に旧体制を刷新した{{Sfn|土居|2010}}。 |
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! style="width:25%" | 会長 |
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* 1952年(昭和26年)10月22日-10月24日 - 第13回総会、[[破壊活動防止法|破防法]]より学問思想の自由をまもる決議案を否決した。 |
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| style="width:75%" | [[大西隆]](土木工学・建築学) |
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* 1954年(昭和29年) - 4月23日、第17回総会、[[核兵器]]研究の拒否と[[原子力]]研究3原則(公開・民主・自主)を声明した。5月10日、放射線影響特別委員会を設置。 |
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|} |
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* 1955年(昭和30年) - 4月26日-4月28日、第19回総会、[[濃縮ウラン]]受入問題を論議。5月7日-6月25日、代表団15人(代表茅誠司)、ソ連・中国を訪問。9月26日、国際観測年の一環として1957年秋に南極学術探検隊を派遣することを決定。 |
|||
* [[1957年]](昭和32年) - 3月25日[[イギリス]]の、4月26日米ソの科学者にアピールを送付し、全世界の科学者に原水爆禁止を訴えた。 |
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* [[1958年]](昭和33年) - 4月18日科学技術会議設置法案に反対を決議。8月14日米国が[[核実験]]を続けるならIGVの[[赤道]]海流調査に協力しないことを決定、米国に抗議した。 |
|||
* [[1959年]](昭和34年) - 3月23日基礎科学振興シンポジウムを開催。4月21日長期計画調査委員会は「基礎科学白書」第1集を発表し、研究費の不足・設備の老朽化を訴える。10月22日「科学者の生活白書」を発表、科学者の低収入と研究の悪条件を強調。 |
|||
* [[1960年]](昭和35年) - 1月18日原子力開発長期計画についての第1回シンポジウム。4月1日宇宙空間研究連絡委員会は宇宙空間シンポジウムをひらき、ロケット研究偏重を批判した。10月4日10年後を目標とする科学技術振興方策を答申。 |
|||
* [[1961年]](昭和36年)1月28日 - 「人文・社会科学振興のためのシンポジウム」開催。10月27日、科学協力に関する日米委員会をめぐり審議が紛糾、流会。 |
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* [[1962年]](昭和37年)5月18日 - 科学研究基本法制定の必要を政府に勧告。 |
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* [[1963年]](昭和38年)2月14日 - 実験地学研究所設立問題をめぐって実験地学シンポジウム開催。 |
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* [[1964年]](昭和39年)10月30日 - 第42回総会で米原子力潜水艦の安全性を確認した原子力委員会の8月26日の綜合見解は自主性と科学性を欠くとの意見が出て論議沸騰。 |
|||
* [[1966年]](昭和41年) - 4月27日学問・思想の自由委員会は建国記念日問題シンポジウムを開催。10月19日[[建国記念の日|建国記念日]]を2月11日にするのは不適当と報告し、総会はこれを承認した。 |
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* [[2020年]](令和2年)10月1日 - 新会員の任命が行われたが、学術会議が推薦した105人のうち6人が除外された。2004年に組織内部からの推薦を受けて会員に任命される制度となって以降、除外される措置は初{{R|朝日20201002}}(詳細は「[[#首相による会員の任命拒否問題]]」節や記事「[[日本学術会議の任命拒否]]」を参照)。 |
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== 日本学術会議に関する批評・論争 == |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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=== 会員やその選出方法について === |
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当初、会員選出は自由立候補制によって研究者が登録し選挙を行う方式であったが、自由選挙が政権に批判的な会員を生むとみなされ、1984年に各分野の学会会員の選挙で会員を決める方式に変わった。その後も学術会議に対する圧力が続く中、2005年からコ・オプテーション方式が採用された(''選出方法の詳細は、節「[[#会員など|会員など]]」を参照'')。こうした経緯を、天文学者の海部宣男は「科学者の民主的な活動をつぶそうという政権との長いせめぎあいの中で学術会議が次第に追い込まれてきた歴史」と指摘している{{R|海部2019}}。 |
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! style="width:10%" | |
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! style="width:30%" | 組織運営等担当 |
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! style="width:30%" | 政府との関係等担当 |
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! style="width:30%" | 国際活動担当 |
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! 副会長 |
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| [[向井千秋]](総合工学、臨床医学) |
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| [[井野瀬久美惠]](史学) |
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| [[花木啓祐]](環境学、土木工学・建築学) |
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|} |
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[[東京教育大学]]・[[筑波大学]]の学長であった[[三輪知雄]]教授は 、1970年に「大学自治と称するカーテンによって閉鎖された特殊社会であり、そこを職場とする教師たちにはお坊ちゃん的な甘さがあり、独りよがりの色合いが濃く、またおしなべて反権力的である。」「このような環境は進歩的左翼の育つ絶好の場であって、学術会議はおもにこのようなところから送り出された人たちから成り立っている」と述べた{{Sfn|三輪|1970}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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! style="width:30%" | 第一部(人文・社会科学) |
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! style="width:30%" | 第二部(生命科学) |
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! style="width:30%" | 第三部(理学・工学) |
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! 部長 |
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| [[小森田秋夫]](法学、地域研究){{fontsize|small|〈2016年9月まで〉}}<br/>[[杉田敦 (政治学者)|杉田敦]](政治学){{fontsize|small|〈2016年10月から〉}} |
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| [[長野哲雄]](薬学) |
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| [[相原博昭]](物理学) |
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! 副部長 |
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| [[杉田敦 (政治学者)|杉田敦]](政治学){{fontsize|small|〈2016年10月まで〉}}<br/>[[三成美保]](法学、史学){{fontsize|small|〈2016年10月から〉}} |
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| [[大政謙次]](農学、環境学) |
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| [[土井美和子]](情報学、電気電子工学) |
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! rowspan="2" | 幹事 |
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| [[小松久男]](地域研究、史学) |
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| [[石川冬木]](基礎生物学、基礎医学) |
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| [[大野英男]](総合工学、電気電子工学) |
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| [[恒吉僚子]](心理学・教育学){{fontsize|small|〈2016年10月まで〉}}<br/>[[藤原聖子 (宗教学者)|藤原聖子]](哲学){{fontsize|small|〈2016年10月から〉}} |
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| [[福田裕穂]](基礎生物学) |
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| [[川合眞紀]](化学) |
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|} |
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日本学術会議会長であった大西隆は、[[2014年]]発表の日本学術会議会長メッセージにおいて、現行のコ・オプテーション方式についても資質がある後継者を選ぶことに適していても既に会員となっている者と思想や意見が異なる集団から選ぶことに適していない仕組みについて内部分析を行い、「他制度より優位性を持つか否かは、現会員・連携会員による推薦及び選考が適切に行われることに掛かっている」と述べている{{R|大西2014}}。 |
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=== 第24期 === |
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天文学者の[[戸谷友則]]は、[[2019年]]1月発行の日本天文学会の天文月報にて組織会員の選出方法や研究者らの多様な意見を認めず権威をもって一つの画一的な声明を押し付けていることなどから単なる権威圧力団体になっていると批判し「非民主的で閉鎖的な組織が、日本の学術界で最高の権威を持ってしまっていて、ひとたび声明を出せば大学や学会を萎縮させ、研究者 の自由が容易に奪われてしまう。これは大変深刻な問題」と主張した{{R|戸谷2019}}。 |
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[[2017年]](平成29年)10月1日 - [[2020年]]9月30日 |
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=== 軍事研究について === |
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{| class="wikitable" style="width:40%" |
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[[国立大学協会]]会長の[[永田恭介]]は[[2020年]]3月26日の記者会見で、GPSの過去の例、ウイルスに対するワクチン研究が生物化学兵器に転用される可能性を例に「デュアルユースは(線引きが)難しい」「自衛のためにする研究は、省庁がどこであれ正しいと思う」と日本学術会議が大学や研究者に事実上研究を禁止することに批判的な見解を述べている{{R|読売20200514}}。 |
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! style="width:25%" | 会長 |
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| style="width:75%" | [[山極寿一]](総合生物学、地域研究) |
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|} |
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[[国家基本問題研究所|国基研]]理事・[[北海道大学]]名誉教授である[[奈良林直]]によると、日本学術会議は防衛関連研究を否定して、特定野党の主張や活動に与しており、[[圧力団体]]として[[学問の自由]]を自ら否定しているという{{R|奈良2020}}。奈良林直は例として、北海道大学が2016年度に防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、民間にも応用可能な[[船|船舶]]に関する[[流体力学]]の研究が採択されたときに、日本学術会議が軍事研究と決めつけ「軍事的安全保障研究に関する声明」{{R|安全保障研究}}で批判し、さらには日本学術会議幹部は北大総長室に押しかけて、2018年に研究を辞退させた例を挙げている{{R|奈良2020}}。この北海道大学での1件について、北海道大学大学院工学研究院の教授である永田晴紀は、2017年に軍事研究に関して否定的な声明を出した日本学術会議に忖度した結果と思われる、と主張している{{R|永田2017}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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! style="width:10%" | |
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! style="width:30%" | 組織運営等担当 |
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! style="width:30%" | 政府との関係等担当 |
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! style="width:30%" | 国際活動担当 |
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|- |
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! 副会長 |
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| [[三成美保]](法学、史学) |
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| [[渡辺美代子]](総合工学、電気電子工学) |
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| [[武内和彦]](環境学) |
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|} |
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[[自由民主党 (日本)|自民党]]の[[甘利明]]は、日本学術会議が軍事研究につながるものを一切させないとしながら、民間技術を軍事研究に積極的に転用していく政策を示している中国と一緒に研究すること([[千人計画]]など)は学問の自由だと主張して、政府からの干渉を拒否していると主張している{{R|読売20200504|甘利2020}}。 |
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{| class="wikitable" style="width:100%" |
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=== 首相による会員の任命拒否問題 === |
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{{See also|日本学術会議の任命拒否}} |
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! style="width:30%" | 第一部(人文・社会科学) |
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2020年(令和2年)10月1日、学術会議が推薦した新会員候補105人の内、6人を[[菅義偉]]首相が理由を明かさず任命拒否した。本件は社会的に注目され大きな議論の的となった{{R|朝日20201002}}。学術会議の独立性や学問の自由が損なわれるとの批判がある一方で{{R|毎日20201003}}、政府機関であるのだから総理大臣が拒否するのは当たり前、ただ理由の説明は必要([[橋下徹]])といった意見{{R|橋下2020}}、そもそも年間10億円の税金が投入される学術会議に存在意義はあるのか、独立性を重要視するのであれば非政府組織で良いのではないか、といった様々な意見が見られた{{R|NWJ2020}}。 |
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! style="width:30%" | 第二部(生命科学) |
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! style="width:30%" | 第三部(理学・工学) |
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同年10月5日、[[菅義偉]]首相は記者会見を行い、(1)学術会議は政府機関であり会員は公務員である、(2)(中曽根首相が拒否権はないと答弁した)1983年当時は学会推薦であったが、現在は個々の会員が推薦する形に変わっており会員が自分の後任を指名する事が可能である、(3)学術会議は従来よりそのあり方について議論されており、総合的、俯瞰的な活動が求められている、といった点から任命について法に基づき判断する必要があると述べた{{R|菅2020}}<!--一旦YouTube出典を補填。新聞記事への差し替えが望ましい。-->。 |
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! 部長 |
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=== 日本学術会議に対する誤解 === |
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| [[佐藤岩夫]](法学) |
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上記の[[日本学術会議の任命拒否|2020年10月の任命拒否問題]]に伴い、日本学術会議に関する誤解も噴出した{{R|依光2020|ハフポスト20201006|野口20201006}}。[[東京大学]][[名誉教授]]の[[板垣雄三]]は、日本学術会議が「政府の諮問機関」と報道されることに対し、政府へ提言を行うだけではなく、日本を代表して各国の[[科学アカデミー]]と国際交流に取り組み、国内学会の連携、研究者や学際領域のあり方についての調査も行っていると指摘した{{R|依光2020}}。また、[[フジテレビ]]の[[平井文夫]]・常席解説委員が同年10月5日の同局の番組で、日本学術会議会員を務めた後は[[日本学士院]]の会員になって年金250万円をもらえると語り、翌日にフジテレビが番組で訂正・謝罪するという問題が起こった{{R|ハフポスト20201006|野口20201006}}。日本学術会議会員を務めたから日本学士院の会員にもなれるということは全くなく{{R|ハフポスト20201006|野口20201006}}、日本学士院も取材で否定した{{R|野口20201006}}。 |
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| [[石川冬木]](基礎生物学、基礎医学) |
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| [[大野英男]](総合工学、電気電子工学) |
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! 副部長 |
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| [[藤原聖子 (宗教学者)|藤原聖子]](哲学) |
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| [[平井みどり]](薬学) |
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| [[徳田英幸]](情報学) |
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! rowspan="2" | 幹事 |
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| [[橋本伸也]](史学、地域研究) |
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| [[武田洋幸]](基礎生物学) |
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| [[高橋桂子 (地球物理学者)|高橋桂子]](地球惑星科学、環境学) |
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|- |
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| [[町村敬志]](社会学) |
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| [[丹下健]](農学、環境学) |
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| [[米田雅子]](土木工学・建築学) |
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|} |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
=== 注釈 === |
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{{Notelist}} |
{{Notelist}} |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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{{Reflist|refs= |
{{Reflist|2|refs= |
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<ref name="日本学術会議法">{{Cite web|url= https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121 |title=日本学術会議法(昭和二十三年法律第百二十一号) |quote=2005年10月1日施行 |date=2004年4月14日(平成一六年四月一四日法律第二九号) |accessdate=2019-12-21}}</ref> |
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<!-- name指定のアルファベット順 --> |
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<ref name="日本学術会議法施行令">{{Cite web|url= https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417CO0000000299 |title=日本学術会議法施行令(平成十七年政令第二百九十九号) |quote=2005年10月1日施行 |date= |accessdate=2019-12-21}}</ref> |
|||
<ref name="ICSU2000">「[https://doi.org/10.5363/tits.5.4_33 国際科学会議 ICSU (International Council for Science)(通称「イクス」)]」『学術の動向』第5巻第4号、2000年、33-36頁。</ref> |
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<ref name="ISU">“[http://www.scj.go.jp/ja/int/icsu/ 国際学術会議(ISU)]”. ''国際活動''. 日本学術会議. 2020年10月4日閲覧。</ref> |
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<ref name="Jc-IFToMM">“[http://www.jc-iftomm.org/japanese/introduction.html 日本IFToMM会議の紹介]”. 日本IFToMM会議. 2020年10月2日閲覧。</ref> |
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<ref name="NWJ2020">{{Cite web|url=https://www.newsweekjapan.jp/watase/2020/10/post-9.php|title=学問の自由を守るために日本学術会議を完全民営化する方法|publisher=newsweekjapan.jp|accessdate=2020-10-06|date=2020-10-06}}</ref> |
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<ref name="SCA">“[http://www.scj.go.jp/ja/int/sca/index.html アジア学術会議]”. ''国際活動''. 日本学術会議. 2020年10月4日閲覧。</ref> |
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<!-- name指定の50音順 --> |
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<ref name="甘利2020">{{Cite web|title=甘利明 Official Web {{!}} Akira Amari|url=https://amari-akira.com/01_parliament/2020/410.html|website=amari-akira.com|accessdate=2020-10-06}}</ref> |
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== 参考文献 == |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|三輪|1970}} |reference=[[三輪知雄]]『赤い巨塔「学者の国会」日本学術会議の内幕』時事問題研究所、1970年、{{Ncid|BN09415066}}。}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|山下|1993}} |reference=山下律也「[https://doi.org/10.11357/jsam1937.55.3_143 日本学術会議・農業機械学研究連絡委員会の活動]」『農業機械学会誌』第55巻第3号、1993年、143-146頁。}} |
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== 関連項目 == |
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* [[日本の学会一覧]] |
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* [[日本学士院]] |
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* [[科学アカデミー]] |
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* [[日本の行政機関]] |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.scj.go.jp/ 日本学術会議] |
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** {{Twitter|scj_info|日本学術会議広報}} |
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**[http://www.scj.go.jp/ja/head/kakolist.html 歴代会長・副会長一覧] |
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(関連法規) |
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* {{Egov law|323AC0000000121|日本学術会議法}} |
* {{Egov law|323AC0000000121|日本学術会議法}} |
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* {{Egov law|417CO0000000299|日本学術会議法施行令}} |
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* {{Egov law|417R00000003003|日本学術会議会則}} |
* {{Egov law|417R00000003003|日本学術会議会則}} |
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(関連動画) |
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* [[日本記者クラブ|jnpc]] (2011年11月11日). {{YouTube|Ih_BhVBCgpM|大西隆 日本学術会議会長 2011.11.10}} |
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* [[日本テレビ放送網|【公式】日テレNEWS]] (2020年10月5日). {{YouTube|coQtL2Z7_Ao|【ノーカット】「日本学術会議」“任命見送り”説明は? 菅首相 内閣記者会のインタビューに応じる}} |
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2020年10月7日 (水) 07:50時点における版
日本学術会議 にほんがくじゅつかいぎ Science Council of Japan | |
---|---|
日本学術会議庁舎 | |
役職 | |
会長 | 梶田隆章 |
副会長 | 望月眞弓、菱田公一、高村ゆかり |
組織 | |
上部組織 | 内閣府 |
内部組織 | 第一部、第二部、第三部、事務局 |
概要 | |
所在地 |
〒106-8555 東京都港区六本木7丁目22番34号 北緯35度39分55.2秒 東経139度43分30.5秒 / 北緯35.665333度 東経139.725139度 |
定員 | (会員210人、連携会員約2,000人) |
年間予算 | 10億4,896万円[1](2020年度) |
設置 | 1949年(昭和24年)1月 |
前身 | 学術研究会議(1920年(大正9年)) |
ウェブサイト | |
日本学術会議 | |
日本学術会議協力学術研究団体 |
日本学術会議(にほんがくじゅつかいぎ、英語: Science Council of Japan、略称:SCJ)は、日本の国立アカデミーであり、内閣府の特別の機関の一つである。日本の科学者の内外に対する代表機関であり、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする(日本学術会議法 第2条[2])。国単位で加盟する国際学術機関の組織構成員(NMO - National Member Organization)になることもあり、それらの国際分担金も担う[3][4]。アジア学術会議も推進し、その事務局は日本学術会議内に置かれている[5][6][7]。
概要
内閣総理大臣が所轄し、その経費は国の予算で負担されるが、活動は政府から独立して行われる[8](日本学術会議法 第1章の第1条・第3条[2])。「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること」「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること」を職務としている[8](同法 第2章の第3条[2])。
日本学術会議は210名の会員と約2000名の連携会員で構成され、いずれも任期は6年で、3年毎に約半数が任命替えされる。会員は再任できない(補欠の会員は1回再任可能)が、連携会員は2回まで再任できる[要出典]。会員は内閣総理大臣から任命され、連携会員は日本学術会議会長から任命される(日本学術会議法 第7条・第15条・第17条[2]、日本学術会議法施行令 第1条[9]、日本学術会議会則 第12条[10])。 会員は特別職の国家公務員、連携会員は一般職の国家公務員である。(国家公務員法 第2条[11])
会員の任命から次の任命までの3年間が日本学術会議の活動の一単位となっており、会長・副会長の任期も同じ3年間(再任可)である。ただし任期中に役員の交代が行われる場合もしばしばある。基本的には3年間の活動単位が一期となっており、現在は第25期(2020年(令和2年)10月 - 2023年9月)[要出典]。
国際自動制御連盟(IFAC)など国単位で加盟する国際学会に対して、日本学術会議内の委員会が組織構成員(NMO - National Member Organization)になることもあり、会員費用も払っている[12][3][8][13]。しかし既存の学会が占めてしまい、新たに申請しても通らない場合がある[13]。委員会は国際学会が開催するシンポジウムの後援をするとともに[3]、国内関連学会の連携を取り持って学術講演会を催すケースもある[12][3][8]。
日本学術会議の予算規模は約10億円であり[14]、1993 - 1995年度における内訳は以下の通り[15][16]。1994年度の予算が多いのは、会員推薦時期によりその分の経費が計上されたためである[15]。
1993年度 | 1994年度 | 1995年度 | |
---|---|---|---|
総額(日本学術会議の運営に必要な経費) | 10億9582万7千円 | 12億128万7千円 | 11億2339万4千円 |
審議関係費 | 2億6552万5千円 | 2億7253万4千円 | 2億9282万円 |
国際学術交流関係費(#国際活動も参照) | 2億2125万4千円 | 2億2664万6千円 | 2億875万円 |
会員推薦関係費(#会員なども参照) | 1957万4千円 | 1億5万5千円 | 2千万円 |
一般事務処理費 | 5億8947万4千円 | 6億205万2千円 | 6億182万4千円[注釈 1] |
2020年10月の内閣官房長官による発表では、総額は約10億5千万円、「人件費などを含む政府・社会などに対する提言」で2億5千万円、「各国アカデミーとの国際的な活動」で2億円、「科学の役割についての普及・啓発」と「科学者間のネットワーク構築」でそれぞれ1千万円、「事務局人件費・事務費など」で5億5千万円と発表された[17]。また、2019年度の決算では会員手当として約4500万円、事務局の常勤職員50人の人件費として約3億9千万円がかかっていたという[18]。
行政機関が行う政策の評価に関する法律(政策評価法)に従い、日本学術会議の活動の事後評価は、日本学術会議事務局自らがおこなっている[19]。
組織構成
会員など
日本学術会議は210名の会員と約2000名の連携会員で構成される[14]。会員は特別職、連携会員は一般職の国家公務員(非常勤)となる[20]。設立当初、会員は研究者による直接選挙で選ばれていたが、その後1984年からは各分野の学協会推薦方式に変更になり、さらに2005年からは現会員が次の会員を選ぶコ・オプテーション方式になっている[21][22]。
なお、2005年の組織改編までは連携会員は存在せず、研究連絡委員会の委員という肩書で登録学術研究団体から選出されており[21][23]、1997年の時点で2370名であった[23]。会員選出方法の詳細は以下を、選出方法についての議論は「#会員やその選出方法について」節を参照。
- 創設後から1984年改訂前までの投票方式(会員)
- 自由立候補制で、部、専門、地方別に登録した研究者が有権者として直接投票を行った[21][24][22]。全国区、地方区で210名が選出され、任期は3年で全員が改選となったが、再任回数に制限はなかった[21][22]。
- 1984年から2005年改訂前までの学会推薦方式(会員)
- 導入は1985年の7月の第13期から[21]。会員を推薦したい学会はまず「登録学術研究団体」に認められておく必要があった。日本学術会議には学術領域ごとに研究連絡委員会があるため、学会はどの学術領域に会員候補者・推薦人を出すか決めておくことになる。次に学会は「会員候補者」を日本学術会議会員推薦管理会に届け出て、会員資格を有することの「認定」を受ける。さらに各学会が届け出た推薦人が、学術領域ごとに会員資格を有すると認定された候補者の中から「会員候補」を選出する。なお、推薦人は各学会の構成員である必要がある。選出された会員候補は日本学術会議から内閣総理大臣に推薦され、任命を受ける[25]。3年に一度の会員推薦の際にはその分の予算が増額され、例えば1994年度には約8千万円の経費が上積みされていた[15]。
- 2005年以降のコ・オプテーション方式による選出方法(会員・連携会員)
- 2005年の第20期から導入されたもので[21]、現役の会員・連携会員が各々ふさわしいと考えられる「優れた研究又は業績がある」科学者を、会員候補者と連携会員候補者を合わせて5名まで、うち会員候補者は2名以内推薦する[20]。この際、優先順位をつけることはできず、人数は5名より少なくてもよく、連携候補者だけの場合でも構わない[20]。そこから選考委員会・分科会による選考が行われる[20]。なお、会員の定年は70歳であるため、少なくとも1期は努められる年齢であることが推薦時に望まれている[20]。
なお、会員、連携会員とは別に「栄誉会員」が認定されるとともに[26][27]、事務局には約50名のスタッフ(2008年時点)がいる[14]。
第19期までの組織
会長1名に対し、副会長は人文社会系と自然科学系の2名を設けていた[28][29]。第一部から第七部までの7つの部会があり、会員210名はいずれかに所属した[30]。各部に部長、副部長、幹事2名の役員が置かれており[28]、[21]各部の専門分野は以下の通り[30][24]。
- 人文・社会科学部門 - 第1部(文学、哲学、教育学・心理学・社会学、史学)、第2部(法律学、政治学)、第3部(経済学、商学・経営学)
- 自然科学部門 - 第4部(理学)、第5部(工学)、第6部(農学)、第7部(医学、歯学、薬学)
第一部から第七部を、単に「文、法、経、理、工、農、医」と記載することもある[21]。なお、第7部では第18期で看護学研究連絡委員会を設けたものの、看護学の研究者は会員になれなかった(組織改革による第20期以降はなれるようになった)[31]。
また、運営審議会、常置委員会、特別委員会、研究連絡委員会が設けられ[32]、運営審議会には附置委員会として「広報」「財務」「勧告等」「国際会議」「二国間交流」などの委員会が置かれていた[28][33][34]。第18期以降は「アジア学術会議」の委員会が設置されていた[33][34]。単期の委員会として第17期では「50年史編集準備委員会」が[28]、第18期では「ノーベル賞100周年委員会」などが[33]、第19期では「持続可能な社会に向けた新しい科学や技術国際実行委員会」や「日本学術会議改革推進委員会」が置かれていた[34]。なお、会員以外に「委員」が設けられていた[21]。
第20期以降の組織
2004年の法改正に伴い、2005年10月に組織が再編された[35]。2020年現在の組織を以下に示す[36]。
- 総会 - 原則として4月と10月の年2回開催。210名の会員で構成。
- 役員 - 会長と副会長3名(副会長は組織運営担当、政府との関係等担当、国際活動担当の3名
- 幹事会 - 毎月開催。日本学術会議の運営について審議。会長、副会長、各部の部長、副部長、幹事で構成。
- 3つの部 - 第一部(人文・社会科学)、第二部(生命科学)、第三部(理学・工学)。会員はいずれかの部に属する。
- 4つの機能別委員会 - 選考委員会、科学者委員会、科学と社会委員会、国際委員会。
- 30の学術分野別委員会
- 臨時の課題別委員会
- 事務局 - 50名の常勤職員がいる[14][18]。
国際活動
国際学術機関の構成員
日本学術会議が国際学術機関の組織構成員(NMO - National Member Organization[3]、NAO - National Adhering Organization[37])を務めることがあり[12][3][8][37]、例えば
があげられる。また、日本学術会議の委員会(分科会)で加盟するものとして
- 国際純正・応用化学連合(IUPAC) - IUPAC分科会[37](旧 化学研究連絡委員会[42])
- 国際純粋・応用物理学連合(IUPAP) - IUPAP分科会[43]
- 国際農業工学会(CIGR) - CIGR分科会[44]
- 国際自動制御連盟(IFAC) - IFAC分科会[45](旧 自動制御研究連絡委員会[41])
などがある。前述のICSUなども含めて2000年には50団体に日本学術会議で構成員となっていた[24]。
これらの分担金(membership fee)は日本学術会議の予算(国家予算)で賄なわれており[3][4]、例えば1995年度(平成7年度)には総額6千9百5十万5千円が「国際分担金」として予算計上されており[16]、2000年の時点でICSUには14万ドル、IUPACには8万ドルの分担金を支払っていた[24]。国際学術機関によっては加盟金を払えなくなる国もある中[4]、前述のICSU(国際科学会議)の各国分担金では日本は2000年時点で第3位の加盟金を支払っていた[46]。なお、日本学術会議が分担金は既存の学会が占めてしまい、新しい提案が通らないケースがあると言われている[13][注釈 2]。
代表派遣事業
「世界の学会との連携、国際的な学術動向の把握、研究の連絡、情報・資料の収集・交換など」を目的とした事業。派遣されるのは日本学術会議会員に加え、以前は研究連絡委員会委員も対象であった[48]。国際学術機関の国際会議などに参加しており[4]、1993年の時点では年間約70名を派遣していたという[49]。
二国間学術交流
1983年から始まったもので、日本学術会議会員による代表団を派遣している。当初は年に2か国で、1983年度はアメリカ、マレーシア、1984年度はスウェーデン、タイ王国、1985年度はフランス、大韓民国と展開していった。1985年には7名の代表団を送っており、科学技術政策や教育、学術研究の問題点について調査、議論していた[50]。2020年現在は各国のアカデミーと公開シンポジウムやワークショップも開催している[51]。
なお、第21期会長[29]の金澤一郎はバングラデシュ科学アカデミーとの友好協定調印式を2014年9月16日に開催[51]。第22-23期会長[29]の大西隆も、ブルガリア科学アカデミーとの協力協定式(2012年3月30日)、イスラエル科学・人文アカデミーとの協力覚書署名式(2013年10月10日)、韓国行政研究院との協定署名式(2014年7月10日)、韓国科学技術アカデミーとの協力覚書署名式(2014年11月13日)、中国科学技術協会との協力覚書署名式(2015年9月17日)を実施していった[51]。
特にカナダとは2005年から「日本・カナダ女性研究者交流事業」を開始している[52]。これは2004年当時の会長・黒川清が、2004年の日本とカナダの外交開始75周年を記念する事業をカナダ大使館から打診されたことが契機に始まった[52][53]。女性研究者の交流事業が中心になったのはカナダの女性進出が進んでおり日本は遅れていたためで[52]、お茶の水大学に実働が要請され、室伏きみ子[注釈 3]が推進した[52][53]。2010-2012年度は体制見直しのため休止されたものの、日本学術振興会とカナダ王立協会の共同主催で継続されている[54][55][56]。
アジア学術会議
1993年から1999年まで、日本がホストとしてアジアの10か国[注釈 4]から科学者の代表を集めたアジア学術会議「The Asian Conference on Scientific Cooperation(ACSC)」というフォーラムを開催していた[58][6]。フォーラム開催には日本学術会議の予算から約2千万円を使用しており、将来的には各国で分担金を持ち寄る形式に移行することが課題になっていた[58][注釈 5]。
2001年にはアジア学術会議「The Scicence Council of Asia(SCA)」となり[6]、開催場所もバンコク(2001年)、クアラルンプール(2002年)、バリ(2003年)、ソウル(2004年)と持ち回りになった[5]。参加国は2004年にモンゴルが加わり[6]、2015年には16か国[59]、2020年現在は18か国が参加している[7]。アジア学術会議は日本学術会議に事務局が置かれており[7]、当初は日本学術会議会長が事務局長を兼任していた[6]。なお、会長は会議の開催国から出すことになっている[6]。
予算規模
1993 - 1995年度における内訳は以下の通りで[15][16]、2020年の時点でも国際関係の活動として総額2億円を計上している[17]。なお、上述のように「アジア学術会議」は1993年から1999年まではフォーラムとして日本学術会議により開催されていた[6]。また、2000年の時点では国際会議に対して年間8件を対象とし、1件あたり5百万円から1千万円を援助していたという[24]。
1993年度 | 1994年度 | 1995年度 | |
---|---|---|---|
総額(国際学術交流関係費) | 2億2125万4千円 | 2億2664万6千円 | 2億875万円 |
国際分担金 | 7472万2千円 | 6745万円 | 6952万5千円 |
国際会議国内開催 | 7354万3千円 | 8617万2千円 | 6621万1千円 |
代表派遣 | 4400万6千円 | 4400万6千円 | 4400万6千円 |
二国間交流 | 682万3千円 | 682万3千円 | 682万3千円 |
アジア学術会議の開催 | 2216万円 | 2219万5千円 | 2220万5千円 |
刊行物・広報
日本学術会議は創立当初から毎月、会員に対して
- 『日本学術会議月報』第1巻第1号、1951年1月 - 第5巻第6号、1955年6月、NCID AN00410327。
- 『JSCニュース』[60]
- 『日本学術ニュース』第1巻第1号、1957年3月 - 第4巻第3号、1960年3月、NCID AN00410316
- 『日本学術会議月報』第1巻第1号、1960年4月 - 第37巻第3号、1996年3月、NCID AN00343434
といった会報を配布していた。これは日本学術会議事務局、および同広報委員会によるもので、日本学術会議の予算で賄われていた[60]。
なお、日本学術会議が総会100回を迎えた1986年から、各種学会の機関紙に日本学術会議広報委員会文責の「日本学術会議だより」を掲載するようになる[61]。ただし、会報として日本学術会議だよりの抜粋を記すだけの学会もあり[62]、1995年時点では日本学術協力財団の文責になっている[63]。また、これとは別に日本学術会議会員が所属学会誌に「日本学術会議だより」[64]や「学術会議だより」[65][43]として記事を記すこともある。
外部への広報を強化するため、月報は1996年(平成8年)に
- 『学術の動向』NCID AN10527590
としてリニューアルされた。これは日本学術協力財団から発行されており、購読者から購読料を取る形式に変更になっている[60]。また、日本学術会議の講演会を基にして、日本学術協力財団から〈日学双書〉NCID BN00933403や〈日本学術叢書〉NCID BA74102984といったシリーズが刊行されている[63][66]。
歴史
組織の沿革
- 1948年(昭和23年)7月 - 日本学術会議法公布[67][68]
- 1949年(昭和24年)1月 - 内閣総理大臣の所轄の下、日本学術会議が設立(前身の学術研究会議は廃止され、日本学士院は日本学術会議の中に置かれる)[67][68]
- 1949年(昭和24年)6月 - 総理府の設置に伴い、総理府の機関となる[要出典]
- 1956年(昭和31年)4月 - 日本学士院が日本学術会議から独立(日本学士院のみ文部大臣の所轄に移る)[67][注釈 6]
- 1970年(昭和45年)7月 - 日本学士院庁舎(上野公園内)から移転[67][69]
- 1984年(昭和59年)5月 - 会員選出方法を公選制から学会推薦制へ変更[67][68]
- 2001年(平成13年)1月 - 中央省庁再編に伴い、総務大臣の所轄となり、総務省の特別の機関となる[67][68]
- 2005年(平成17年)4月 - 再び内閣総理大臣の所轄となり、内閣府の特別の機関となる[67][68]
- 2005年(平成17年)10月 - 会員選出方法を日本学術会議が自ら選考する方法へ変更し[67]、7部制から3部制への改組、連携会員の新設などの組織改革を行う[68]
歴代会長
発足時の第1期は亀山直人を会長(第1-2期)とし、人文社会部門の副会長は我妻栄、自然科学部門は副会長を仁科芳雄であった[29]。その後、茅誠司(第3-4期途中)、和達清夫(第5期)、朝永振一郎(第6-7期)、江上不二夫(第8期)、伏見康治(第11-12期途中)、近藤次郎(第13-15期)、伊藤正男(第16期)、吉川弘之(第17-18期)らが会長を務めた[29]。
第19期は黒川清が会長を務め[34]、組織再編が行われた第20期も途中まで黒川が会長が務めた。第20期から第21期の途中までは金澤一郎が会長を務める。第21期の残りは広渡清吾が務め、その後は大西隆(第22-23期)、山極寿一(第24期)と続き、2020年10月からの第25期は梶田隆章が会長を務めている[29]。
栄誉会員
日本学術会議会則の第35条「学術会議は、国内外における卓越した研究又は業績がある科学者その他の学術の発展に著しい貢献をしたと認められる科学者に対し、日本学術会議栄誉会員(以下「栄誉会員」という。)の称号を授与することができる。」に基づき「栄誉会員」が設定されており[70]、ノーベル賞クラスの卓越した研究業績や、日本の科学コミュニティーの国際発展に顕著な貢献をした者が選出される[26]。2020年10月現在までに赤﨑勇、江崎玲於奈、小林誠、小柴昌俊、南部陽一郎、益川敏英、根岸英一、鈴木章、利根川進、李遠哲に加え、吉川弘之(国際科学連合会長、日本学術会議第17-18期会長、連携会員を歴任[71])、が認定されている[26][27]。
特記事項
- 日本学術会議設立には連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が関与し、日本の物理学者である仁科芳雄と共に旧体制を刷新した[72]。
- 1952年(昭和26年)10月22日-10月24日 - 第13回総会、破防法より学問思想の自由をまもる決議案を否決した。
- 1954年(昭和29年) - 4月23日、第17回総会、核兵器研究の拒否と原子力研究3原則(公開・民主・自主)を声明した。5月10日、放射線影響特別委員会を設置。
- 1955年(昭和30年) - 4月26日-4月28日、第19回総会、濃縮ウラン受入問題を論議。5月7日-6月25日、代表団15人(代表茅誠司)、ソ連・中国を訪問。9月26日、国際観測年の一環として1957年秋に南極学術探検隊を派遣することを決定。
- 1957年(昭和32年) - 3月25日イギリスの、4月26日米ソの科学者にアピールを送付し、全世界の科学者に原水爆禁止を訴えた。
- 1958年(昭和33年) - 4月18日科学技術会議設置法案に反対を決議。8月14日米国が核実験を続けるならIGVの赤道海流調査に協力しないことを決定、米国に抗議した。
- 1959年(昭和34年) - 3月23日基礎科学振興シンポジウムを開催。4月21日長期計画調査委員会は「基礎科学白書」第1集を発表し、研究費の不足・設備の老朽化を訴える。10月22日「科学者の生活白書」を発表、科学者の低収入と研究の悪条件を強調。
- 1960年(昭和35年) - 1月18日原子力開発長期計画についての第1回シンポジウム。4月1日宇宙空間研究連絡委員会は宇宙空間シンポジウムをひらき、ロケット研究偏重を批判した。10月4日10年後を目標とする科学技術振興方策を答申。
- 1961年(昭和36年)1月28日 - 「人文・社会科学振興のためのシンポジウム」開催。10月27日、科学協力に関する日米委員会をめぐり審議が紛糾、流会。
- 1962年(昭和37年)5月18日 - 科学研究基本法制定の必要を政府に勧告。
- 1963年(昭和38年)2月14日 - 実験地学研究所設立問題をめぐって実験地学シンポジウム開催。
- 1964年(昭和39年)10月30日 - 第42回総会で米原子力潜水艦の安全性を確認した原子力委員会の8月26日の綜合見解は自主性と科学性を欠くとの意見が出て論議沸騰。
- 1966年(昭和41年) - 4月27日学問・思想の自由委員会は建国記念日問題シンポジウムを開催。10月19日建国記念日を2月11日にするのは不適当と報告し、総会はこれを承認した。
- 2020年(令和2年)10月1日 - 新会員の任命が行われたが、学術会議が推薦した105人のうち6人が除外された。2004年に組織内部からの推薦を受けて会員に任命される制度となって以降、除外される措置は初[73](詳細は「#首相による会員の任命拒否問題」節や記事「日本学術会議の任命拒否」を参照)。
日本学術会議に関する批評・論争
会員やその選出方法について
当初、会員選出は自由立候補制によって研究者が登録し選挙を行う方式であったが、自由選挙が政権に批判的な会員を生むとみなされ、1984年に各分野の学会会員の選挙で会員を決める方式に変わった。その後も学術会議に対する圧力が続く中、2005年からコ・オプテーション方式が採用された(選出方法の詳細は、節「会員など」を参照)。こうした経緯を、天文学者の海部宣男は「科学者の民主的な活動をつぶそうという政権との長いせめぎあいの中で学術会議が次第に追い込まれてきた歴史」と指摘している[22]。
東京教育大学・筑波大学の学長であった三輪知雄教授は 、1970年に「大学自治と称するカーテンによって閉鎖された特殊社会であり、そこを職場とする教師たちにはお坊ちゃん的な甘さがあり、独りよがりの色合いが濃く、またおしなべて反権力的である。」「このような環境は進歩的左翼の育つ絶好の場であって、学術会議はおもにこのようなところから送り出された人たちから成り立っている」と述べた[74]。
日本学術会議会長であった大西隆は、2014年発表の日本学術会議会長メッセージにおいて、現行のコ・オプテーション方式についても資質がある後継者を選ぶことに適していても既に会員となっている者と思想や意見が異なる集団から選ぶことに適していない仕組みについて内部分析を行い、「他制度より優位性を持つか否かは、現会員・連携会員による推薦及び選考が適切に行われることに掛かっている」と述べている[75]。
天文学者の戸谷友則は、2019年1月発行の日本天文学会の天文月報にて組織会員の選出方法や研究者らの多様な意見を認めず権威をもって一つの画一的な声明を押し付けていることなどから単なる権威圧力団体になっていると批判し「非民主的で閉鎖的な組織が、日本の学術界で最高の権威を持ってしまっていて、ひとたび声明を出せば大学や学会を萎縮させ、研究者 の自由が容易に奪われてしまう。これは大変深刻な問題」と主張した[76]。
軍事研究について
国立大学協会会長の永田恭介は2020年3月26日の記者会見で、GPSの過去の例、ウイルスに対するワクチン研究が生物化学兵器に転用される可能性を例に「デュアルユースは(線引きが)難しい」「自衛のためにする研究は、省庁がどこであれ正しいと思う」と日本学術会議が大学や研究者に事実上研究を禁止することに批判的な見解を述べている[77]。
国基研理事・北海道大学名誉教授である奈良林直によると、日本学術会議は防衛関連研究を否定して、特定野党の主張や活動に与しており、圧力団体として学問の自由を自ら否定しているという[78]。奈良林直は例として、北海道大学が2016年度に防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、民間にも応用可能な船舶に関する流体力学の研究が採択されたときに、日本学術会議が軍事研究と決めつけ「軍事的安全保障研究に関する声明」[79]で批判し、さらには日本学術会議幹部は北大総長室に押しかけて、2018年に研究を辞退させた例を挙げている[78]。この北海道大学での1件について、北海道大学大学院工学研究院の教授である永田晴紀は、2017年に軍事研究に関して否定的な声明を出した日本学術会議に忖度した結果と思われる、と主張している[80]。
自民党の甘利明は、日本学術会議が軍事研究につながるものを一切させないとしながら、民間技術を軍事研究に積極的に転用していく政策を示している中国と一緒に研究すること(千人計画など)は学問の自由だと主張して、政府からの干渉を拒否していると主張している[81][82]。
首相による会員の任命拒否問題
2020年(令和2年)10月1日、学術会議が推薦した新会員候補105人の内、6人を菅義偉首相が理由を明かさず任命拒否した。本件は社会的に注目され大きな議論の的となった[73]。学術会議の独立性や学問の自由が損なわれるとの批判がある一方で[83]、政府機関であるのだから総理大臣が拒否するのは当たり前、ただ理由の説明は必要(橋下徹)といった意見[84]、そもそも年間10億円の税金が投入される学術会議に存在意義はあるのか、独立性を重要視するのであれば非政府組織で良いのではないか、といった様々な意見が見られた[85]。
同年10月5日、菅義偉首相は記者会見を行い、(1)学術会議は政府機関であり会員は公務員である、(2)(中曽根首相が拒否権はないと答弁した)1983年当時は学会推薦であったが、現在は個々の会員が推薦する形に変わっており会員が自分の後任を指名する事が可能である、(3)学術会議は従来よりそのあり方について議論されており、総合的、俯瞰的な活動が求められている、といった点から任命について法に基づき判断する必要があると述べた[86]。
日本学術会議に対する誤解
上記の2020年10月の任命拒否問題に伴い、日本学術会議に関する誤解も噴出した[87][88][89]。東京大学名誉教授の板垣雄三は、日本学術会議が「政府の諮問機関」と報道されることに対し、政府へ提言を行うだけではなく、日本を代表して各国の科学アカデミーと国際交流に取り組み、国内学会の連携、研究者や学際領域のあり方についての調査も行っていると指摘した[87]。また、フジテレビの平井文夫・常席解説委員が同年10月5日の同局の番組で、日本学術会議会員を務めた後は日本学士院の会員になって年金250万円をもらえると語り、翌日にフジテレビが番組で訂正・謝罪するという問題が起こった[88][89]。日本学術会議会員を務めたから日本学士院の会員にもなれるということは全くなく[88][89]、日本学士院も取材で否定した[89]。
脚注
注釈
- ^ 1995年度においては「その他の事務費等」という名目で、備考欄に「一般事務処理費等」と記されている[16]。
- ^ 国際的な非営利の組織は複数あるが[47]、例えば情報処理国際連合(IFIP)は情報処理学会が、国際計測連合(IMEKO)は計測自動制御学会が[47]、IFToMMは日本IFToMM会議が[13]日本を代表する会員になっている。
- ^ 日本学術会議の会員(第19期第4部幹事)[34]、連携会員[53]を歴任。
- ^ インド、インドネシア、シンガポール、タイ、大韓民国、中華人民共和国、日本、フィリピン、ベトナム、マレーシアの10か国[57]。
- ^ 1995年度には約11億円の日本学術会議予算のうち2千2百2十万5千円が計上されていた[16]。
- ^ 1956年(昭和31年)3月としている文献もある[68]。
出典
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参考文献
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関連項目
外部リンク
- 日本学術会議
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(関連法規)
(関連動画)
- jnpc (2011年11月11日). 大西隆 日本学術会議会長 2011.11.10 - YouTube
- 【公式】日テレNEWS (2020年10月5日). 【ノーカット】「日本学術会議」“任命見送り”説明は? 菅首相 内閣記者会のインタビューに応じる - YouTube