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「新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)」の版間の差分

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2020年2月2日 (日) 15:52時点における版

2019年-2020年中国武漢における肺炎の流行
世界的な流行の伝播:濃い赤は中国本土、薄い赤は確定症例のある国と地域、青は疑われる症例のある国と地域
日付2019年12月1日 - 進行中
場所中華人民共和国の旗 中華人民共和国湖北省武漢市から全世界
原因2019新型コロナウイルス (2019-nCoV)
死傷者
国 / 地域 感染者 死亡
中華人民共和国の旗 中国大陸 14449 305
日本の旗 日本 20 0
タイ王国の旗 タイ 19 0
シンガポールの旗 シンガポール 18 0
大韓民国の旗 韓国 15 0
香港の旗 香港 14 0
オーストラリアの旗 オーストラリア 12 0
中華民国の旗 中華民国台湾 10 0
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 8 0
マレーシアの旗 マレーシア 8 0
ドイツの旗 ドイツ 8 0
マカオの旗 マカオ 8 0
 ベトナム 7 0
フランスの旗 フランス 6 0
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 5 0
カナダの旗 カナダ 4 0
フィリピンの旗 フィリピン 2 1
イタリアの旗 イタリア 2 0
イギリスの旗 イギリス 2 0
ロシアの旗 ロシア 2 0
インドの旗 インド 2 0
カンボジアの旗 カンボジア 1 0
 フィンランド 1 0
ネパールの旗 ネパール 1 0
スリランカの旗 スリランカ 1 0
 スウェーデン 1 0
スペインの旗 スペイン 1 0
合計 14627 306

2020年2月2日 18:01(UTC+8)時点[1][2]

2020年2月3日版  新型コロナウイルス(2019-nCoV)国別累計感染者数推移 - YouTube
1月25日より新型コロナウイルスが確認されたケースの広がりを示すアニメーション (高解像度)

2019年-2020年中国武漢における肺炎の流行(にせんじゅうきゅうねん―にせんにじゅうねんちゅうごくぶかんにおけるはいえんのりゅうこう)[3]は、2019年12月以降に、中華人民共和国湖北省武漢市江漢区武漢華南海鮮卸売市場中国語: 武汉华南海鲜批发市场)を中心に発生した2019新型コロナウイルス2019-nCoV)による肺炎流行事態である。

2019年12月30日に中国のインターネット上で現地の保健機関が作成した「原因不明の肺炎」に関する公文書が出回ったため、多くの人が関心を寄せるようになった[4]2020年1月7日、原因が新種のコロナウイルスと特定され[5]1月9日に最初の死者が出た[6]1月13日、初めての中国域外の陽性事案がタイで確認された[7]

世界保健機関(WHO)は同年1月31日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)を宣言した[8]

呼称

初期段階では原因不明であったため、「原因不明の肺炎」と呼ばれていた[9]。2020年1月7日、香港の保健機関は「重度の新型感染性病原体呼吸器疾患」と名付けた[10]。また、世界保健機関(WHO)が病原体のウイルスを「2019年の新型コロナウイルス」(2019-nCoV)と命名したため[11]、「新型コロナウイルスの感染による肺炎」(中国語: 新型冠状病毒感染的肺炎、略称:新型肺炎、新冠肺炎)[12]や「新型コロナウイルス関連肺炎[13]などと呼ぶようになった。また、主に中国国外のメディアは地名をとって「武漢肺炎」「武漢海鮮市場肺炎」「武漢コロナウイルスによる肺炎」などと呼ぶことも多い[14][15][16][17]

日本国法令においては、「新型コロナウイルス感染症[18]」としている[19]

兆候と症状

症状は発熱全身倦怠感、乾いたなどがあり、入院患者では呼吸困難や胸の圧迫感も多い。また、入院時のバイタルサインは比較的安定している[13]。ただし、発熱せずに死亡した人もいるので、発熱検知装置だけで検出できない可能性もある[20]新華社通信は、患者の当初の症状は、肺炎に特有の発熱や咳だけとは限らず、下痢吐き気頭痛や全身のだるさなど、消化器系神経系の症状の場合もあり、早期の診断を難しくしているとして、病院の医師らが注意を呼びかけていると伝えている[21]

治療法

中国の国家衛生健康委員会(NHC)は暫定的にカレトラ配合錠ロピナビルリトナビルと吸引機器「ネブライザー」で投与されるアルファインターフェロンの投与を推奨している[22][23]

コンピュータシミュレーションを使用した既存薬・漢方成分の探索が行われ、新型コロナウイルスにも効果のある可能性が高い既存薬・漢方が見つかっていたという[24]

製薬会社は(1)エボラ出血熱やエイズウイルス(HIV)など致死率の高い他のウイルスに対して開発された医薬品を転用する(2)新技術を頼りに、かつてないスピードでワクチンを開発する、という2つの戦略を進めている[25]

抗HIV薬を試用

米製薬会社アッヴィは2020年1月26日、中国保健当局からの要請で抗HIV薬「アルビア(カレトラ)」を試験的に使用していることを明らかにした[22]

抗エボラ出血熱薬が効果

2020年1月23日、米国の製薬大手ギリアド・サイエンシズは、エボラ出血熱治療の実験薬「レムデシビル(remdesivir)」をこの治療に使えるか検証中と表明した[26]。レムデシビルはコンゴエボラ出血熱の治療法を緊急に見い出すために2019年に精力的に臨床試験が行われていた4種類の薬剤のうちのひとつで、試験の結果、エボラ出血熱の生存率改善効果を示した[27]

2020年1月31日の、米ワシントン州2019-nCoV症例調査チーム[28]の報告[29]「2019年の新規コロナウイルスの米国での最初の症例」(直訳)によれば、上記のレムデシビルの効果があったという → Google翻訳による和訳

上記文中「compassionate use」とは(Google翻訳では「思いやりのある使用」などと出てしまうがそれは厳密ではなく)、日本薬学会の用語解説に「人道的使用。基本的に生命に関わる疾患や身体障害を引き起こすおそれのある疾患を有する患者の救済を目的として、代替療法がない等の限定的状況において未承認薬の使用を認める制度。アメリカ、ヨーロッパ(EU)などではすでに導入されており、日本では現在、実施のための検討が行われている。」とある[30]厚生労働省の資料「人道的見地から実施される治験」も参照[31]

2月2日、中国でレムデシビルの臨床試験申請が受理された。さっそく2月3日には北京の中日友好医院で臨床試験が開始される。[32]Google翻訳による和訳

ワクチンの緊急開発が始動

2020年1月23日、感染症流行対策イノベーション連合 (CEPI; Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)は23日、以下3研究チームがワクチン開発に向けた作業を開始し、少なくとも1種類のワクチンの臨床試験を6月までに開始する計画と発表した[33]

  1. 米医薬品・ワクチン開発のモデルナ(Moderna, Inc.)(英語) (MRNA.O)とアメリカ国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID)の連携、
  2. 製薬会社イノビオ・ファーマシューティカルズ(Inovio Pharmaceuticals, Inc.) (INO.O) 、
  3. クイーンズランド大学のチーム。

2020年1月24日、日本の厚生労働省は、同省が創設に関わり2017年より拠出を行っている相手であるCEPIが、上記3者とパートナーシップを締結した、ということを「新型コロナウイルスに対するワクチン開発を進めます 」という題名で発表した[34]。時事通信の記事によれば「承認は、早ければ年内」[35]

CEPIはノルウェー政府、インド政府、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、および公益信託団体ウェルカム・トラストの出資によって2017年にダボス会議(スイス)にて発足した、公的機関、民間機関、慈善団体および市民団体の間でのグローバルな協働体である[36]

イノビオは医薬品の研究開発会社で、MERSの最も先進的なワクチン候補「INO-4700」をもっている[37]。CEPIの全額資金提供により2020年にINO-4700の中東アフリカ現地での第II相臨床試験に入る予定[38]。イノビオは1月23日、CEPIから最大900万ドル(約9億8000万円)の助成金を受けたことを明らかにした[39]

2020年1月29日、米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、ワクチンの開発に着手したと発表した[26]

予防

石鹸による手洗いが推奨されており、洗わない手で鼻や目や口などの粘膜に触らないよう注意が必要となる[40]。また消化管からの感染も起こりうる[41]ため注意する必要がある。消毒では消毒用アルコール(70%)や次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効とされる[42]。また、普段から睡眠や食事などの健康管理免疫力を高めておくことも重要である[43]加湿器などを使って50%-60%の湿度を保つことも方法の1つ。

新型コロナウイルスでは不明なものの、他のコロナウイルスでは低温低湿で活性状態が続き、温度20度/湿度50%で不活性化が進みやすいという屋内環境での実験結果が存在する(ただし単純に湿度の高い方が良いというわけでは無い)[44]。日本の労働安全衛生法ではオフィスにおける室温17度以上28度以下、相対湿度40%以上70%以下の努力義務があるものの、2014年時点において相対湿度の不適合率は高いものとなっている[45]

病原体

ゲノム情報
NCBIゲノムID MN908947
ゲノムサイズ 30473 bp
完了年 2020
テンプレートを表示

2020年1月7日の中国中央テレビ報道によると、この肺炎の病原体は新型のコロナウイルスである[46][47]。このウイルスの完全ゲノム配列は上海公共衛生臨床センター、武漢中心医院、華中科技大学、武漢市疾病予防控制中心、中国疾病予防控制中心感染症予防管理所、中国疾病管理予防センター、シドニー大学らの協力によって解読され、シドニー大学のエドワード・C・ホルムズ教授の協力の下、上海公共衛生臨床センターの張永振教授によって2020年1月11日にVirological.org上に公開された[48]。その後、14日には国際核酸配列データベースGenBankで正式に公開されている[49]。他種のコロナウイルスと比較すると、中国浙江省舟山市コウモリで発見したSARSウイルスに一番近く、コウモリSARSウイルス、ヒトSARSウイルス、ジャコウネコSARSウイルスとも80%近くの類似度を持つことが、香港大学微生物学科感染症専門の袁国勇教授により報告されている[50]

世界保健機関(WHO)の発表によれば新型コロナウイルスによる肺炎の致死率は3%程度と推定されている[51]。これはSARSの致死率の9.6%よりも低い[51][52]。なお、スペインかぜ世界的に大流行した時の致死率は、不正確ながら2.5%以上と推定されている[53]

新型コロナウイルスはSARSと同じくアンジオテンシン変換酵素II (ACE2) 受容体に結合して感染するとされる[41]。新型コロナウイルス感染症の基本再生産数 (介入無しで患者一人あたりが感染させる平均人数) は3.30-5.47と見積もられている[54]。再生産数の平均が1人未満にならないと流行が終息することは無い。

この新型コロナウイルスはSARSと異なり、肺炎が起こる前にも感染するとされている[55]

初期の感染経路

初期の感染の中心地とされる海鮮市場は名目上水産物専門の市場であるが、記者の調査によると様々な野生動物も同地で取引・処理されていた[56]鍾南山中国科学院の研究グループによると、今回もSARSと同じく感染源がコウモリであり、タケネズミアナグマヘビなどの野生動物を介在して人に感染したと見られるとされている[57][58]感染経路は他のコロナウイルスと同じく飛沫感染と接触感染であり、結膜を通じて感染したケースもある[59]

1月24日、伝染病の患者を収容する武漢金銀潭医院および中国呼吸系統疾病臨床医学研究中心の研究グループは医学誌『ランセット』で最初の41人の感染者を研究する論文を発表した。論文によると、病原体のウイルスはヒトからヒトへの感染(ヒト-ヒト感染)は明らかで、発症初期に発熱の症状がない例もある[60]。また、そのうち27人は華南海鮮卸売市場に行ったことがあったが、12月1日に発症した最初の患者は華南海鮮卸売市場へ行ったことがない[61]。なお、最初の41人の感染者の死亡率は15%であり、SARSと同じレベルである[62]

同じ日付の香港大学袁国勇教授の論文によると、広東省深圳市に居住する一家6人で武漢市に行ったのち、5人の感染が確認された。うち1人はさらに深圳で現地の1人を感染させた。また、この5人の感染者のうち、1人の子供は感染しながら発症しなかったため、知らずに周りの人を感染させた可能性も高いと見られる[63]

関係機関の対応

2020年1月20日、中国国家衛生健康委員会専門家グループ長、感染症専門家鍾南山院内感染により医療関係者にも感染者が出たので、ヒトからヒトへの感染の可能性が高いと警告し、武漢になるべく行かないように呼びかけた[64][65]。また、1月24日から始まる旧正月の連休に伴う大規模な人の移動が予想されるため、保健機関は警戒している[66]

1月23日、世界保健機関(WHO)は、中国でのヒトからヒトへの感染は主に家族や患者の治療にあたる医療従事者にとどまっているほか、中国の外ではヒトからヒトへの感染が確認されていないことなどから、このケースが現時点では「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)には該当しないとしたが、中国政府に対し、感染源や感染経路の特定をWHOなどと協力して行うよう求めた[67]

1月24日、WHOは最新の報告書を発表し、ベトナムのケースについてヒトからヒトへの感染が起きたとみられると明らかにした。同じくコロナウイルスで過去に流行したMERSSARSと同じように、くしゃみなどで飛び散る飛沫や直接的な接触などで感染する可能性があるとして対策を呼びかけている[68]

1月24日(アメリカ時間)、イギリスランカスター大学グラスゴー大学、そしてアメリカフロリダ大学の研究者からなる研究チームが2月4日までに武漢だけで、感染者が35万人を超える可能性(164,602〜351,396人)を示した科学論文を発表した[69][70]。また、同研究チームは、武漢で感染したと診断された患者は実際の感染者数の5.1%だという。つまり、感染者の95%は感染したと診断されていない、及び自覚のない患者ということになる。さらに同研究チームは、1人の感染者が他の人に伝染させる可能性のある人数を3.6〜4.0人と予測。WHOの1.4〜2.5人という予測より遥かに多い。

1月25日、中国政府は感染状況の悪化により、27日から旅行会社を介した人民の海外旅行を事実上禁止することを決めた。政府から通知を受けた旅行会社の業界団体が明らかにした。それによると、24日から既に停止していた国内の団体旅行業務に加え、27日以降は海外行きの団体旅行と、旅行会社が航空券ホテルだけを手配する個人旅行も当面停止する[71]。旅行会社を介さない個人旅行は規制の対象外とみられている。

1月26日、中国政府は人の移動と群集を減らすために、春節の連休を3日延ばすことや各種学校授業開始時期の先延ばしに関する通達を発表した[72]。翌27日に浙江省上海市が企業の操業再開を2月10日以降とし、教育機関の開講を2月17日以降とする旨を省内の関連機関へ通達した。後に各省が通達した再開時期は同上と前後する期日であったが、発生源とされる湖北省は操業再開を2月14日に延期すると公表している。

1月31日、WHOは中国国外にも拡散拡大の懸念が出てきていることから、一転して「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)を宣言した[8]

各地の流行状況と対策

中国大陸

国家衛生健康委員会の日報における中国本土の感染者数[73][74]
2020-01-16
  
45
2020-01-17
  
62
2020-01-18
  
121
2020-01-19
  
198
2020-01-20
  
291
2020-01-21
  
440
2020-01-22
  
571
2020-01-23
  
830
2020-01-24
  
1,287
2020-01-25
  
1,975
2020-01-26
  
2,744
2020-01-27
  
4,515
2020-01-28
  
5,974
2020-01-29
  
7,711
2020-01-30
  
9,692
2020-01-31
  
11,791
2020-02-01
  
14,380
中国各省の初感染ケースの確認日付:
  2020年1月11日
  2020年1月20日
  2020年1月21日
  2020年1月22日
  2020年1月23日
  2020年1月25日
  2020年1月29日

湖北省

2019年12月8日、武漢市で原因不明の肺炎患者が最初に報告された[75]。このときは公表されなかったが、12月30日、保健機関が作成した内部報告の公文書「原因不明の肺炎の治療の改善に関する緊急通知」がインターネット上で出回ったため、翌31日に湖北省武漢市疾病予防センターは、武漢市で原因不明の肺炎が発生していること、患者が華南海鮮卸売市場の出店者であることを認めた[75]国家衛生健康委員会も既に専門家を現地に派遣した[76]。31日午後、武漢市衛生健康委員会は合計27件の症例があり、そのうち7人が重症で、2人がまもなく退院すると報告した[77]。なお、この時点でカナダの健康モニタリングプラットフォーム「BlueDot」がアウトブレイクの可能性を警告している。2020年1月1日江漢区市場監督局と衛生健康局は局地的流行の中心地とされる華南海鮮卸売市場を閉鎖した[78]1月3日、武漢市の警察当局はSNSで肺炎に関するデマを拡げたとして、医師ら8人に対して訓戒処分を下した[79]

1月5日の武漢市衛生健康委員会の発表によると、午前8時の時点で原因不明の肺炎の患者は合計59人で、そのうち7人が重症であり、他の患者の容態は安定していた。すべての患者は武漢市内の医療機関で隔離治療を受けており、死亡者はいなかった。発症例のうち、最も早いものの発症時期は2019年12月12日、最近のもので12月29日であった。疫学調査によると、一部の患者は華南海鮮卸売市場の入居者で、ヒトからヒトへの感染の形跡は確認されず、医療スタッフの感染も発生していなかった。またインフルエンザ鳥インフルエンザアデノウイルス感染症重症急性呼吸器症候群中東呼吸器症候群などのウイルスはいずれも検出されなかった[80][81]

1月8日、武漢市衛生健康委員会は、8人の患者の退院を発表した。8人の患者は数カ所の病院で隔離されたが、のちに全員が武漢金銀潭病院に収容された[82]

1月9日夜、61歳の男性患者が死亡した[6]1月11日、武漢市衛生健康委員会は、肺炎の患者計41人のうち、1人が死亡、7人が重症で、2人が既に退院したと発表。また、医療スタッフを含む739人の接触者全員に症状は見られなかった[83]

1月15日0時過ぎ、69歳の男性患者が死亡した。2人目の死亡者である[84]。武漢市衛生健康委員会の発表によると、1月18日に1人、19日に1人、20日に2人、21日に3人の患者が死亡した[85][86][87][88]。22日以降に死亡者数が急増した。

1月21日の湖北省衛生健康委員会の発表によると、武漢市近郊の黄岡市でも12人の感染者が確認された[87]。また、同月22日に荊州市でも6人の感染が確認された[89]。一方、中国国内メディア・三聯生活週刊の取材によると、武漢市内の病院のウイルス検出薬品と収容能力は既に限界に達したため、感染の疑いのある一部の患者は病院に収容されず毎日通院しなければならなかった[90]

1月25日、武漢市で感染者と思われる62歳の医師が肺炎により死亡したが[91][92]、地元の保健当局は、死亡した医師はすでに退職していると発表した[93]

感染の拡大により、武漢市側は1月23日午前10時より人の出入りを制限し始め[94]、武漢市内の空港鉄道駅フェリーバスおよび武漢地下鉄は営業停止となり、閉鎖された[95]。記者の取材によると、多くの人が10時前に武漢市を脱出しようと漢口駅に集まっていた[96]。近郊の黄岡市も夜24時から人の出入りを制限し、市内の交通機関を停止した[97]。また、同日から鄂州市天門市仙桃市潜江市赤壁市枝江市利川市咸寧市荊門市当陽市黄石市恩施市孝感市も市内の交通機関を停止した[98][99][100]。武漢当局は、26日午前0時から市の中心部で許可された車以外通行を禁止することを明らかにした。無料のタクシー合わせて6000台をすでに配備したとし、市民の自家用車での外出を禁じた[101]

また、中国国内で多くの地域で湖北省出身者に対して厳格な検疫措置をとっており、湖北省の住民がSNSで差別にあったと投稿したこともある[102]

新型コロナウイルスによる肺炎の患者を治療するために、武漢市内で火神山医院雷神山医院が急ピッチで建設されている[103]。また、この模様はインターネットでライブ配信されている[104]

2月1日、黄岡市当局は市内に住む人に対し、各世帯は2日に1度、1人に限り自宅を出ることができ、買い物以外は外出禁止という発表をした[105]

湖北省以外

中国大陸の各省と台湾(中華民国)における感染者の累計確認件数
  1~9人感染
  10~99人感染
  100~999人感染
  1000人以上感染

1月19日、広東省深圳市で1人の感染が確認された。患者は元日の前後に武漢市に訪れたことがあり、1月3日に深圳市に戻った直後に発熱があったという[106]

1月20日、北京市大興区で2人の感染が確認[107]。同日夜に広東省深圳市・珠海市などで新たに13人、北京市で新たに3人、上海市で1人の感染が確認。うち珠海市の3人は家族間の感染と見られる。ほとんどの症例は武漢市での滞在歴がある[108][109][110]

1月21日から、主に武漢市から出てきた人の移動により湖北省以外の中国各省でも確認感染者の数が増加し続けていた(各地の公表感染者数を参照)。特に浙江省温州市では春節前の温州商人の帰郷により、感染が急速に広まった[111]

1月23日、22日に河北省滄州市で死亡した80歳男性は感染が確認され、湖北省外の初めての死者となった[112]

1月24日黒竜江省綏化市で1人の感染と死亡が確認された[113]

感染の拡大により、故宮博物院上海ディズニーランドなど春節の連休で人気な中国国内の施設は1月25日より休業した[114][115]。また、24日に中国高速鉄道の天津車両基地に所属する乗務員数人は感染が確認されたため、当該車両基地はしばらく閉鎖された[116]

中国中央テレビによると、北京市政府が1月26日から市境を超えるすべてのバスの運行を停止すると報じた[117]

1月26日、北京市で1歳未満の女の子の感染が確認され、今まで最も若い感染者である[118]

1月27日、北京市で50歳の男性感染者が死亡した。この感染者の死亡は北京市内で初めての死者となった。患者は上海市在住の電力会社の元管理職で、1月8日-12日に武漢市に出張し、13日にまた上海から北京に出張したのち、22日に現地で感染が確認された[119]

1月29日31の省・自治区・直轄市の中で唯一感染者が確認されてこなかったチベット自治区でも疑いのある患者が発見され[120]、同日に感染が確定した。これにより、中国全土で感染者が確認されたことになる[121]

中国大陸以外

世界中の2019-nCoV症例の分布マップ:
  中国大陸
  確認された症例報告
  疑わしい症例がある

中国との人的交流が盛んである香港[9][122][123][124]マカオ[125][126][127]台湾中華民国[11][128][129]シンガポール[130]アメリカ合衆国[131]などでは検疫が強化。

北朝鮮は1月20日より中国人観光客、22日より全ての外国人観光客入国禁止とした[132]

1月27日、モンゴルは中国との国境および国内の大学などを閉鎖。3月2日まで続く予定である[133]

タイ

2020年1月13日、タイ保健省は最初のタイ国内の感染症例の確認と中華人民共和国以外での最初の確認症例を発表した。患者は武漢市出身の61歳の女性で、1月8日にスワンナプーム空港で入国する時に高熱と診断されたため現地で入院し、2019新型コロナウイルスの陽性反応が検出された。現地で状態が回復したため、まもなく中国に戻れると見られる[134]。公式発表によると、彼女は武漢市内の伝統市場に行ったことがあるが、感染の中心地である華南海鮮卸売市場に行ったことがない[135]

同月17日、タイで2例目の移入症例が発見。患者は74歳の女性で、1例目と同じく武漢市出身である。入国時に発熱があったため発覚した[136]

1月22日、ナコーンパトム県タイ人の女性の感染が確認。タイ国内で4人目の感染者となった[137]

1月24日、新たに33歳の中国人女性観光客の感染が確認[138]

1月25日、新たに2人の感染が確認された[139]

1月26日、タイの保健当局は8人の感染と5人の退院を発表した[140]

1月28日、新たに6人の感染が確認され、うち5人は湖北省から、1人は重慶市より来訪[141]

1月31日、新たに5人の感染が確認され、うち1人は中国を訪れたことのないタクシー運転手である[142]

日本

厚生労働省の発表資料における日本の感染者数[143]
2020-01-16
  
1
2020-01-24
  
2
2020-01-25
  
3
2020-01-26
  
4
2020-01-27
  
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2020年1月16日国立感染症研究所の検査により、1月3日から発熱で、1月6日に日本国内の医療機関を受診しに行った武漢市に渡航歴のある神奈川県在住の30代中国人男性が新型コロナウイルスに感染したと判明。当該患者は1月10日に入院し、その後快復したため、1月15日に退院したという[144][145]。また、当該患者も華南海鮮卸売市場に行ったことがないが、武漢市で感染の疑いのある父親と一緒に生活したと見られる[146]

1月24日、東京都内の病院で入院していた外国人旅行者の感染が確認された。国内2例目となった発症者は湖北省武漢市在住の40代男性で、渡航前の14日から発熱があり、現地の医療機関を受診したが肺炎と診断されず、経過観察の状態で来日した。男性は19日に香港国際空港で乗り継いで日本に入国し、22日に日本で受診したところ肺炎の兆候があったため入院したという[147][148][149]。同日、外務省は湖北省に対する感染症危険情報をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げた[150]

1月25日、同じく武漢市在住の30代女性旅行者の感染が確認された。女性は18日に日本に入国し、21日の夜から発熱と咳があり、23日に東京都内の医療機関を受診した[151]

1月26日、22日に入国し、24日に愛知県内の医療機関を受診した、武漢市在住の40代男性旅行者の感染が確認された[152]。また日本国政府は、帰国を希望している湖北省武漢市に滞在している日本人を、チャーター機で帰国させることを1月24日決定した[153]

1月27日、日本の安倍晋三首相はこの日開かれた第201回国会衆議院予算委員会・2019年度補正予算審議の中で、国内で感染が確認された場合、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に基づいて強制的な入院などの措置を取ることができる「指定感染症」にする方針を表明した[154][155]。翌28日の閣議において、新型コロナウイルスを感染症法の「指定感染症」に指定する「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令」(令和2年政令第11号)と検疫法の「検疫感染症」に指定する「検疫法施行令の一部を改正する政令」(令和2年政令第12号)を閣議決定した。同政令は厚生労働省省令の「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令第三条の規定により感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の規定を準用する場合の読替えに関する省令」(令和2年厚生労働省令第9号)及び「検疫法施行規則の一部を改正する省令」(令和2年厚生労働省令第10号)と合わせて同日付けの官報特別号外第4号をもって公布された[156][19][157]

なお、政令・省令の施行日については当初2月7日を予定していたが、日本時間1月31日にWHOが「緊急事態」に該当すると宣言したことを受け、施行日を2月1日に前倒しする方針を1月31日午前の衆議院予算委員会集中審議にて表明[158]。これを定めた政令・省令を持ち回り閣議で決定し、同日付けの官報特別号外第5号をもって公布・施行された[159][160][161][162]

1月28日、26日に愛知県の医療機関を受診した武漢市在住の40代男性渡航者および武漢市への渡航歴がないものの、武漢市からのツアー客を載せたことがある奈良県在住60代バス運転手の感染が確認された[163][164]。同日夜、北海道内で観光していた武漢市在住の40代女性の感染も確認された[165]

湖北省武漢市に滞在している日本人を帰国させるためのチャーター機は成田空港武漢空港間で定期便を運行している全日本空輸による運航で1月28日夜に出発[166][167]。翌29日、武漢空港に到着後、防護服や医療用マスクなど感染対策の支援物資を日本政府から中国側に提供した[168]。同日午前6時頃(日本時間)に武漢空港を出発し、午前8時40分頃に羽田空港に到着した[167]。国は帰国者に対して、自宅または政府が用意した千葉県勝浦市ホテル三日月にて待機するように指示している[169][170]

1月29日夕方、大阪府在住の40代女性バスガイドの感染が確認された。6例目のバス運転手と同じく、1月12日から17日までに武漢市からのツアー客の乗るバスにガイドとして乗った[171]

1月30日、前日のチャーター機(第1便)で帰国した3名の感染が確認され、うち2名は無症状病原体保有者である。国内の感染者数が初めて10人を超えた[172][173]。同日、三重県在住の50代男性、中国長沙市在住の30代女性、京都府在住の20代女性の感染も確認された[174][175][176]。同日、第2便のチャーター機で帰国した210人のうち、症状のない184人とホテル三日月で待機している滞在者2人を東京都府中市警察大学校または北区財務省などの研修施設である西ヶ原研修合同庁舎にて待機することになった[173][177]

1月31日、チャーター機(第2便)で帰国した2人の無症状病原体保有者が検出された[178]。また、新たに千葉県柏市在住の20代女性バスガイドの感染が確認された[179][180]

同日、第3便のチャーター機が羽田空港に到着。症状のない人は埼玉県和光市国立保健医療科学院と千葉県柏市の税関研修所にて待機することになった[181]

同日、防衛省自衛隊および河野太郎防衛大臣は政府新型コロナウイルス感染症対策本部の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止が特に緊急を要し、「都道府県知事等の要請を待ついとまがない」と認められることから、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により帰国した邦人等の救援を目的として、自衛隊法第83条第2項ただし書きに規定する災害派遣(自主派遣)を命令・実施することを発表した[182][183]。具体的には防衛省とPFI契約を行っているフェリー「はくおう」(発生時、兵庫県相生港にて停泊中)を、一時停留場所として提供するほか、宿泊施設の提供するという[182][183]。それに伴い、「はくおう」は同港から、東京湾へ向けて出港した。同日、外務省は中国の湖北省を除く中国全土に対する感染症危険情報を、不要不急の渡航の自粛を求めるレベル2に引き上げる[184]

また、安倍首相は同日夕方に開いた対策本部の会合で、WHOの非常事態宣言や症状がない人の感染が確認されたことを踏まえ、前述政令の施行を2月1日午前0時に前倒しすることと、同じく1日午前0時より入国申請前の14日以内に湖北省に滞在歴がある外国人や、湖北省で発行されたパスポートを所持する外国人の入国を拒否する方針を明らかにした[185][186]。この入国拒否は、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第14号[187]によるものである[188]。これを受けて、海路では海上保安庁MICS[189]、空路では国土交通省航空局NOTAM[190]によりその旨が告知された。

2月1日、一部の待機施設で相部屋だったり、設備の共同使用で批判が出たため[191][192]、共同使用の解消や生活環境の改善のためにこれまでの5施設の一部滞在者を埼玉県和光市の国税庁税務大学校和光校舎に移送させたことを発表した。これにより、都内での待機施設は無くなった[192]。また、防衛省がチャーターした「はくおう」が東京湾沖合に到着した[193]。さらに陸上自衛隊衛生科隊員による生活支援が4か所・各10名規模で開始された[194][193]

同日、チャーター機(第3便)で帰国した人の中で3人の感染が検出され、うち1人は無症状病原体保有者である[195]

以下は1月30日9時の内閣官房[196]および1月31日防衛省発表[183]等を基にした、日本政府の対応の概略である。出典無き場合、内閣官房・防衛省発表による。

首相官邸・内閣官房

  • ポータルサイトを設置し、国民への広報を実施。
  • ホテル三日月を一時停留場所として借り上げ。

警察庁

  • 1月15日、警備第二課長を長とする対策室を設置し、26日、警備局長を長とする対策本部に改組。
  • 警察大学校施設を一時停留場所として提供。

総務省消防庁

  • 1月16日と28日に、都道府県を経由し全国の消防本部に注意喚起・事務連絡を実施。
  • 1月26日、救急企画室長を長とする消防庁災害対策室を設置(第一次応急体制)

外務省

  • 本庁タスクフォース(爾後、対策室に改組)、在中国日本大使館に対策本部を設置
  • チャーター機派遣による在外邦人の帰国支援と並行して中国への物資支援を実施。
  • 感染スポット情報等情報提供を実施。

国土交通省

  • 海上保安庁MICS、航空局NOTAMにて入国制限情報を提供[189][190]

環境省

  • 感染性廃棄物の処理に関する通知、所管施設利用者へのアルコール消毒の利用促進を指示。

防衛省・自衛隊

  • 1月29日、武漢からの帰国チャーター第2便での検疫支援として、看護師たる陸上自衛官2名の応援を実施。
  • 1月31日、自衛隊法第83条第2項ただし書きに規定する災害派遣(自主派遣)を実施し、フェリー「はくおう」を一時停留場所場所として提供。(前述)
  • 活動規模:陸上自衛官 40名規模・艦船1隻[183][194]

財務省・国税庁

  • 税関研修所、税務大学校和光校舎、西ヶ原研修庁舎を一時停留場所として提供。

厚生労働省

  • 国立保健医療科学院を一時停留場所として提供。

その他

韓国

韓国・ソウルにおけるウイルス感染予防のための掲示(2020年2月1日撮影)

1月19日、35歳の中国人女性が仁川国際空港で入国する時、発熱があるためすぐに病院で隔離された。18日から症状があったという。検査の結果、新型コロナウイルスに感染していたことが判明された[197][198]

1月24日、新たに1人の感染が確認された。患者は武漢市で働く55歳の韓国人男性で、1月10日から風邪のような症状があり、現地の医療機関を受診したが、22日に金浦国際空港で入国した際に発熱・喉の痛みがあったため、病院で隔離された[199][200]

1月26日、20日に武漢市から韓国へ帰国した54歳の韓国人男性の感染が確認された[201]

1月27日、同じく20日に武漢市から韓国に帰国した京畿道平沢市在住の57歳の男性の感染が確認された[202]

1月30日、32歳と56歳の男性2人の感染が確認され、うち1人は国内で感染したとみられる[203]。同日、韓国政府は忠清南道牙山市忠清北道鎮川郡の公共施設2箇所を帰国者の一時隔離施設として指定したが、鎮川郡の一部住民は激しく反発していた[204][205]

1月31日、新たに4人の感染が確認され、うち3人は濃厚接触による感染で、2人は3次感染者だとみられる[206]

2月1日、19日に金浦国際空港から入国した49歳の中国人男性の感染が確認された。患者は日本でツアーガイドとして働き、日本国内で感染者と接触したとみられる[207]

2月2日、新たに3人の感染が確認された[208]

台湾(中華民国)

1月20日、武漢市で働く中華民国国籍の55歳女性が桃園国際空港で入国する際に発熱があると自訴したため、すぐに病院で隔離された。21日に感染が確認[209]。同月11日から症状があったという[210]

1月24日、台湾を訪れていた50代の中国人女性と同じく50代の台湾人男性の感染が確認された。また、観光当局は感染拡大を防ぐため、中国への観光ツアーを当面停止するよう旅行会社に通知した[211]

1月26日、新たに50代の台湾人女性の感染が確認された[212]

1月27日、新たに50代の台湾人女性の感染が確認された。患者は2019年10月より武漢市で働き、1月20日に台湾に帰った。武漢市にいた期間に市場や生きた動物に接触したことがないという[213]

1月28日、22日に武漢市から台湾に観光に来て、25日に発熱症状があった70代女性2人と、台湾で5人目の感染者とともに暮らしていた50代男性の感染が確認された[214][215]

1月30日、女性1人の感染が確認された。武漢市で働いた台湾人男性の妻である[216]。翌日に夫の感染も確認された[217]

2月2日、中央感染症指揮センターは高校生以下の冬休みを当初予定されていた11日から25日に延長することを発表した[218]

アメリカ合衆国

1月21日、ワシントン州で1人の感染が確認された。患者はシアトル近郊のスノホミッシュ郡在住の30代男性で、1月15日に武漢市からアメリカに戻り、その後にワシントン州内の医療機関を訪れたという[219][220]

1月24日、イリノイ州シカゴ在住の60歳女性の感染が確認された。患者は1月13日に武漢市からアメリカに戻ったという[221][222]

1月26日、カリフォルニア州オレンジ郡在住の1人とロサンゼルス郡在住の1人の感染が確認された。同日、北京のアメリカ大使館英語版は武漢にあるアメリカ総領事館英語版の職員および一部の在留アメリカ市民の撤収を発表した[223][224]

1月27日、アリゾナ州立大学の学生1人の感染が確認された[225]

1月30日、国務省は中国渡航情報をレベル4の渡航中止勧告 (Do Not Travel)へと引き上げた[226][227]。同日、シカゴの女性感染者の夫の感染も確認された[228]

1月31日、武漢から戻ってきたカリフォルニア州サンタクララ郡在住の男性1人の感染が確認された[229]

同日、保健福祉省 (HHS)は「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、14日前までに中国に滞在したことがある外国人の入国禁止および湖北省に滞在していた米国人の隔離義務を発表した[230]ほか、到着空港を以下の7空港に制限した[231]:

2月1日、マサチューセッツ・ボストン大学の学生1人の感染が確認された[232]

マカオ

1月21日夜、マカオで感染者1人が確認。患者は52歳の中国人女性で、19日夜に珠海から入境し、20日に市内のカジノを訪れたという[233]

1月23日、マカオ衛生局は新たな感染者1人の確認と発表した。患者は66歳の男性で、関閘口岸で入境する際に発熱があるため病院で隔離された[234]

1月26日、新たに3人の感染が確認された。うち1人は先週に香港からフェリーでの入境、残りの2人は先週に蓮花口岸からの入境であった[235]。同日の夜、マカオ政府は、マカオへの入境並びにカジノ施設への入場について、一定の制限を設けると発表した。同政府は、過去2週間以内に湖北省を訪れた観光客などを対象として、未感染(陰性)を明記した医療機関発行の書類を求めるとしている。

1月27日、感染者の1人の息子である15歳の中国人男性および23日にマカオに入境した67歳の女性の感染が確認された[236][237]

2月2日、新たに64歳女性1人の感染が確認された。1月22日に広東省中山市で生きた家禽と接触したことがあるという[238]

香港

1月22日、21日に広深港高速鉄道香港西九龍駅で香港に入境した39歳の中国人男性は発熱があったため、病院に隔離された。この患者は家族4人と共に香港からフィリピンマニラに行くつもりであったので、他の家族は既にマニラへ飛び立った。香港の衛生当局によると感染の疑いが極めて高い[239]

1月23日、前日の疑わしい例を含む2人の感染が確認[240]

1月24日、新たに3人の感染者が確認された。いずれも高速鉄道から入境した[241]

1月25日、香港は「緊急事態」を宣言し[242]、春節に入って休みとなっている学校の再開を2月17日まで延期した[242]

1月26日、新たに3人の感染者が確認された。全員は武漢市での滞在歴がある[243]

1月28日午後、香港のキャリー・ラム(林鄭月娥)行政長官は30日未明より、中国本土との人的移動を制限すると発表した。具体策としては高速鉄道の停止、バス・飛行機の減便や観光ビザの発行中止などがある[244]

1月29日、新たに武漢から来た70代の男女2人の感染が確認された[245]

1月30日、武漢から来た感染者の老夫婦の娘および中国本土への旅行歴がある男性の感染が確認された[246]

1月31日、21日に高速鉄道で武漢駅に行き、23日に長沙南駅から高速鉄道で香港に戻った39歳の男性の感染が確認された[247]

2月1日、新たに80歳の男性の感染が確認された。この患者は1月10日に中国本土に行ったほか、1月17日に飛行機で東京に着き、20日に横浜市でクルーズ船に乗り、25日に香港に帰ったという[248]

シンガポール

1月23日、中国南方航空の飛行機で広州からシンガポールに入国した66歳の武漢市出身の男性観光客の感染が確認された[249]

1月24日、1例目の男性の37歳の息子および53歳の武漢市出身の女性の感染が確認された[250]

1月26日、武漢市から出発した36歳の中国人観光客の感染が確認された[251]

1月27日、武漢市から来た56歳女性の感染が確認された[252]

1月28日、武漢市から来た56歳男性と35歳女性の2人の感染が確認された[253]

1月29日、武漢市から来た3人の感染が確認された[254]

1月30日、また武漢市から来た3人の感染が確認された[255]

1月31日、シンガポール保健省は2月1日より過去14日間に中国本土に滞在したことのある外国人の入国を禁止すると発表した[256]。同日、新たに3人の感染が確認され、うち1人はシンガポール国籍で、武漢を訪れたことがある[257]

2月1日、シンガポール国籍の女性1人と中国人女性1人の感染が確認された。2人とも武漢での滞在歴がある[258]

ベトナム 

1月23日、ロンアン省に居住する中国人男性およびその父親の感染が確認された。父親は1月13日に武漢市からハノイに入国し、ニャチャンで息子と合流した後、2人でホーチミン市やロンアン省を訪れた。父親は17日から、息子は20日から発熱があったため、ホーチミン市内の病院で隔離された[259]

1月30日、ハノイとタインホア省で、武漢市からベトナムに戻ったベトナム人3人の感染が確認された[260]

2月1日、カインホア省で25歳のベトナム人女性の感染が確認された。患者はホテルの受付係として働き、仕事中に中国人の感染者と接触したとみられる[261]

2月2日、ホーチミン市で在米ベトナム人1人の感染が確認された。患者は1月14日に米国を出発し、1月15日に武漢天河国際空港で約2時間滞在し、16日にタンソンニャット国際空港に到着し、27日に発症したという[262]

ネパール

1月24日、ネパールで1人の感染が確認された。患者は武漢市の大学に留学中のネパール人で、冬休みにネパールに帰ったという[263][264]。患者は報告の前に既に退院した[265]

フランス

1月25日、フランスボルドーパリ近郊のイル=ド=フランス地域圏で合わせて3人の感染が確認され、うち2人は家族だと見られる[266]シトロエンSNSで武漢工場のフランス人従業員ら38人の撤収を表明した[267]

1月26日、フランス政府は武漢が封鎖されたことに対して、武漢に居るフランス国民の帰還希望者に対する措置を発表した(病気の潜伏期間となる14日間は隔離義務を持つ)[268]

1月28日、湖北省から来た80代の男性の感染が確認された[269]

1月29日、確定感染者の関係者1人の感染が確認された[270]

1月30日、パリの医者1人の感染が確認された[271]

オーストラリア

1月25日、ビクトリア州で1人の感染が確認された。患者は50代の中国人男性で、1月19日に武漢からメルボルンに来たという[272][273]。また、同日にニューサウスウェールズ州でも3名の男性の感染が確認された[274]

1月27日、武漢市の封鎖直前にオーストラリアに脱出した21歳の中国人女性留学生の感染が確認された。オーストラリアに到着した24時間以内に発症したという[275]

1月29日、ビクトリア州とクイーンズランド州でそれぞれ1人の感染が確認された[276]。オーストラリア政府は武漢内外に滞在しているオーストラリア人を、難民申請者を収容する施設のあるクリスマス島に14日間隔離する方針を発表した[277]

1月30日、クイーンズランド州などで新たに2人の感染が確認された[278]

2月1日、スコット・モリソン首相は中国経由でオーストラリアに来た者に対して入国拒否と発表。同日、南オーストラリア州で2人の感染が確認された[279]

マレーシア

1月25日、前日にシンガポールからジョホールバルに入国した66歳の女性と子供2人の感染が確認された。シンガポールで発見した1例目の男性の妻と孫である。3人はのちにセランゴール州スンガイ・ブローの病院で隔離された[280]。また、同日に新たにジョホール州の病院に入院している40歳の中国人観光客の感染も確認された[281]

1月27日、マレーシア政府は中国湖北省の住人を対象に、マレーシアを訪れる際に必要なビザの発給を同日から停止することを発表した[282]

1月29日、新たに確認された感染者の親族を含む中国人3人の感染が確認され、うち1人は4歳の女の子である[283]

1月30日、新たに1人の感染が確認された[284]

カナダ

1月27日、21日に武漢市から出発し、広州市経由で22日にカナダのトロントに到着した50代の男性の感染が確認された[285][286]

1月28日、1例目の男性の妻が確認された[287]。また、同日にブリティッシュコロンビア州バンクーバー付近在住の40代男性のウイルス反応が陽性であるため、感染の可能性が高いとみられる[288]

1月29日、ウィニペグにある研究所で上述の男性のサンプルを検査し、感染が確定した[289]

1月31日、オンタリオ州ロンドン在住のウェスタンオンタリオ大学の20代女性学生の感染が確認された。1月23日に武漢から入国したとみられる[290]

カンボジア

1月27日、カンボジアの保健省長官は23日にカンボジアに入国した武漢市出身の60歳男性の感染を発表[291]

ドイツ

1月27日、ドイツバイエルン州シュタルンベルク郡在住の33歳男性の感染が確認された[292]。患者は中国を訪れず、ドイツに出張に来た上海市在住の中国人女性と一緒に会議に参加した。当該女性は上海市で武漢市在住の両親と会ったとみられる[293]

1月28日、同じ会社の従業員3人の感染が新たに確認された[294]

1月30日と31日、さらに同じ会社の従業員2人と感染者の関係者1人の感染が確認された[295][296]

2月1日、同じ会社の従業員1人の感染が確認された[297]

スリランカ

1月27日、19日にスリランカに入国した40代の中国人女性の感染が確認された[298]

アラブ首長国連邦

1月29日、武漢市からアラブ首長国連邦に入国した一家4人の感染が確認された[299]

2月2日、新たに武漢市から来た1人の感染が確認された[300]

フィンランド

1月29日、フィンランドのラップランド地方で中国人観光客1人の感染が確認された[301]

フィリピン

1月24日、フィリピンの航空当局は武漢市からカリボ国際空港に到着した464人の中国人観光客を送還した[302]

1月30日、21日に同伴者とともに武漢から香港経由でセブ島に入国し、そこからドゥマゲテ経由でマニラに到着した38歳中国人女性の感染が確認された[303]

2月2日、フィリピンの保健当局は上述女性の同伴者である中国人の44歳男性が1日に亡くなったことを発表した。中国国外で新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなったのは初である[304]

インド

1月30日、武漢大学のインド人留学生の感染が確認され、帰省先のケーララ州の病院で隔離された[305]

2月2日、ケーララ州で2例目が確認された[306]

イタリア

1月30日、23日にミラノに到着し、ローマで体調不良となった湖北省から来た観光客の夫婦2人の感染が確認された[307][308]

1月31日、イタリア政府は非常事態を宣言した[309]

イギリス

1月31日、イギリス国内で家族2人の感染が確認された[310]

ロシア

1月30日、ロシアミシュスチン首相は極東地域の中国との国境を閉鎖する政令に署名した[311]

1月31日、ザバイカリエ地方チュメニ州で中国人2人の感染が確認された[312]

スウェーデン

1月31日、ヨンショーピング市在住の女性1人の感染が確認された。1月24日に武漢から入国したとみられる[313]

スペイン

1月31日、カナリア諸島ラ・ゴメラ島ドイツ人1人の感染が確認された。ドイツ国内の感染者の濃厚接触者だとみられる[314]

各地の公表感染者数

国 / 地域 公表日付 累計感染者数 死亡者数 退院者数 発表機関 参考資料
中華人民共和国の旗 湖北省 2020-02-01 7153 249 166 湖北省衛生健康委員会 [315]
タイ王国の旗 タイ 2020-01-31 19 0 7 保健省 [142]
日本の旗 日本 2020-02-01 20 0 1 厚生労働省健康局 [195]
中華人民共和国の旗 広東省 2020-02-01 535 0 11 広東省衛生健康委員会 [316]
中華人民共和国の旗 北京市 2020-02-01 156 1 5 北京市衛生健康委員会 [317]
大韓民国の旗 大韓民国 2020-02-01 15 0 0 保健福祉部疾病管理本部 [208]
中華人民共和国の旗 上海市 2020-02-01 169 1 10 上海市衛生健康委員会 [318]
中華人民共和国の旗 浙江省 2020-02-01 599 0 15 浙江省衛生健康委員会 [319]
中華民国の旗 中華民国台湾 2020-01-31 10 0 0 衛生福利部疾病管制署 [217]
中華人民共和国の旗 天津市 2020-02-01 37 0 0 天津市衛生健康委員会 [320]
中華人民共和国の旗 河南省 2020-02-01 422 2 3 河南省衛生健康委員会 [321]
中華人民共和国の旗 重慶市 2020-02-01 247 1 3 重慶市衛生健康委員会 [322]
中華人民共和国の旗 四川省 2020-02-01 207 1 3 四川省衛生健康委員会 [323]
中華人民共和国の旗 山東省 2020-02-01 202 0 2 山東省衛生健康委員会 [324]
中華人民共和国の旗 湖南省 2020-02-01 389 0 3 湖南省衛生健康委員会 [325]
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 2020-02-01 8 0 0 保健福祉省疾病予防管理センター [232]
中華人民共和国の旗 江西省 2020-02-01 286 0 9 江西省衛生健康委員会 [326]
中華人民共和国の旗 雲南省 2020-02-01 93 0 2 雲南省衛生健康委員会 [327]
マカオの旗 マカオ 2020-02-02 8 0 0 澳門特別行政区衛生局 [238]
中華人民共和国の旗 遼寧省 2020-02-01 64 0 1 遼寧省衛生健康委員会 [328]
中華人民共和国の旗 海南省 2020-02-01 57 1 1 海南省衛生健康委員会 [329]
中華人民共和国の旗 貴州省 2020-02-01 29 0 2 貴州省衛生健康委員会 [330]
中華人民共和国の旗 安徽省 2020-02-01 297 0 3 安徽省衛生健康委員会 [331]
中華人民共和国の旗 福建省 2020-02-01 144 0 0 福建省衛生健康委員会 [332]
中華人民共和国の旗 山西省 2020-02-01 47 0 1 山西省衛生健康委員会 [333]
中華人民共和国の旗 寧夏回族自治区 2020-02-01 26 0 0 寧夏回族自治区衛生健康委員会 [334]
中華人民共和国の旗 広西チワン族自治区 2020-02-01 100 0 2 広西チワン族自治区衛生健康委員会 [335]
中華人民共和国の旗 河北省 2020-02-01 96 1 0 河北省衛生健康委員会 [336]
中華人民共和国の旗 江蘇省 2020-02-01 202 0 5 江蘇省衛生健康委員会 [337]
中華人民共和国の旗 黒竜江省 2020-02-01 80 2 0 黒竜江省衛生健康委員会 [338]
中華人民共和国の旗 陝西省 2020-02-01 101 0 0 陝西省衛生健康委員会 [339]
中華人民共和国の旗 新疆ウイグル自治区 2020-02-01 18 0 0 新疆ウイグル自治区衛生健康委員会 [340]
香港の旗 香港 2020-02-01 14 0 0 香港特別行政区医院管理局 [248]
シンガポールの旗 シンガポール 2020-02-01 18 0 0 保健省 [258]
 ベトナム 2020-02-02 7 0 1 保健省 [262]
中華人民共和国の旗 甘粛省 2020-02-01 40 0 0 甘粛省衛生健康委員会 [341]
中華人民共和国の旗 吉林省 2020-02-01 17 0 1 吉林省衛生健康委員会 [342]
中華人民共和国の旗 内モンゴル自治区 2020-02-01 23 0 1 内モンゴル自治区衛生健康委員会 [343]
ネパールの旗 ネパール 2020-01-24 1 0 1 保健人口省 [265]
フランスの旗 フランス 2020-01-30 6 0 0 厚生省 [271]
オーストラリアの旗 オーストラリア 2020-02-01 12 0 2 保健省 [279]
マレーシアの旗 マレーシア 2020-01-30 8 0 0 保健省 [284]
カナダの旗 カナダ 2020-01-31 4 0 0 保健省公共衛生庁 [290]
中華人民共和国の旗 青海省 2020-02-01 9 0 0 青海省衛生健康委員会 [344]
カンボジアの旗 カンボジア 2020-01-27 1 0 0 保健省 [291]
ドイツの旗 ドイツ 2020-02-01 8 0 0 バイエルン州保健・食品安全局 [297]
スリランカの旗 スリランカ 2020-01-28 1 0 1 保健省 [298]
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 2020-02-02 5 0 0 保健省 [300]
 フィンランド 2020-01-29 1 0 0 社会保健省 [301]
フィリピンの旗 フィリピン 2020-02-01 2 1 0 保健省 [304]
インドの旗 インド 2020-02-02 2 0 0 保健・家族福祉省 [306]
中華人民共和国の旗 チベット自治区 2020-01-30 1 0 0 チベット自治区衛生健康委員会 [345]
イタリアの旗 イタリア 2020-01-30 2 0 0 保健省 [307]
イギリスの旗 イギリス 2020-01-31 2 0 0 保健省 [310]
ロシアの旗 ロシア 2020-01-31 2 0 0 保健・社会開発省 [312]
 スウェーデン 2020-01-31 1 0 0 社会省 [313]
スペインの旗 スペイン 2020-02-01 1 0 0 保健省 [314]

影響

脚注

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関連項目

外部リンク