「著作権法 (アメリカ合衆国)」の版間の差分
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{{翻訳中途|[[:en:Copyright_law_of_the_United_States|英語版 "Currywurst" 08:51, 8 May 2007 (UTC)]]|date=2019年1月}} |
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* {{Pathnav|知的財産権|著作権|著作権法 (曖昧さ回避)}} |
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'''アメリカ合衆国の著作権法'''は、作家や芸術家に一連の独占的権利を与えることによって芸術や文化の創造を促進することを目的とする。著作権法は、作家および芸術家に、自分の作品のコピーを作成および販売する独占権、派生作品を作成する権利、および自分の作品を公に発表または発表する権利を付与する。 これらの独占権は制限付きであり、一般に著者の死後70年で失効する。米国では、1923年1月1日より前に作曲された音楽は、一般に[[パブリックドメイン]]と見なされる。 |
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* {{Pathnav|アメリカ合衆国|アメリカ合衆国議会|アメリカ法}} |
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{{Law|地域=[[アメリカ合衆国]]}} |
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[[File:US-CopyrightOffice-Logo.svg|thumb|[[アメリカ合衆国著作権局]]が2004年から使用しているロゴ]] |
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'''アメリカ合衆国の著作権法''' (アメリカがっしゅうこくのちょさくけんほう、{{Lang-en-short|Copyright law of the United States}}) は、文芸・映像・音楽・美術・ソフトウェアなどの[[著作物]]と、その[[著作者]]などの権利を保護する[[アメリカ合衆国]] (以下、米国) の法律である。米国民の創作した著作物だけでなく、米国内に流通する外国著作物や、世界のインターネット上に広く流通するデジタル著作物にも米国著作権法は適用されうる{{Sfn|白鳥|2004|pp=139–140}}。 |
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1970年代以降、特にメディア・エンターテインメントやIT([[情報技術]])といった著作物に関わる米国の主力産業が世界的に興隆しており{{Efn2|映画を例にとると、米国における映画館のスクリーン数は1975年頃を境に急激に増加しており、[[アメリカ合衆国の映画#1970年代|ハリウッド映画業界の転換期]]とされている{{R|Movie-HistGraph}}。またIT業界では、[[マイクロソフト]]社の前身であるTraf-O-Data社が1972年に{{R|MS-Founded}}、[[Apple|Apple Computer]]社が1976年にそれぞれ創業している{{R|Apple-Founded}}。}}、2017年時点での狭義の米国著作権市場{{Efn2|著作物の創作、複製、販売、実演などに直接関与する業界を「狭義」の著作権市場とした場合の米国年間市場規模{{R|IIPA-Economy2018}}。}}は1兆3000億米ドルに達し、米国[[GDP]]全体の6.85%を占める巨大産業を形成している{{Efn2|さらに周辺産業を加えた広義の著作権市場では、2.2兆米ドル (対GDP比11.59%) に達する{{R|IIPA-Economy2018}}。}}。このような社会的・技術的な変化を受け、米国著作権法は頻繁に改正されているものの{{Efn2|米国著作権法は特にデジタル著作物に関連する法改正が頻繁に発生しており、1998年10月28日から2014年12月4日の約16年間を例にとると、この期間に可決・制定された著作権の改正立法は計20本以上に上る{{R|CRIC-USC17-Trans-201902}}。}}、十分に追いついていない。また世界的に見ても米国著作権法は主流から外れ、他の先進国よりも著作権保護の水準が低い状況が長らく続いており、国内外から批判の声が上がっている{{Sfn|岡本|2003|pp=14–16}}{{Sfn|田村|1998|pp=464–465|ps=-- 玉井克哉 (1995) からの孫引き}}{{R|UMich-Rep-Act1976|AG-Act1976}}{{Efn2|もっとも、米国の[[コモンロー]]では法律文面上 (成文法上) ではなく、判例で柔軟に保護を与えていることから{{R|Civil-CommonLawComp}}、実質的にどこまで米国著作権法の保護水準が低いかは検証の余地がある。[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)]]も参照のこと。}}。 |
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米国著作権法は、1976年著作権法により 、米国法典のタイトル17で体系化され、最後に一般的に改正された。[[アメリカ合衆国憲法]]は、著作権条項として知られている第1条第8項第8項に基づく著作権法を制定する権限を議会に明示的に付与している。 著作権条項の下で、 [[アメリカ合衆国議会|議会]]は、「著者および発明者に限られた時間の間、それぞれの著作物および発見に対する独占権を確保することによって、科学および有用な芸術の進歩を促進する」という権限を与える。 |
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さらに、米国内では[[著作権侵害]]を巡る訴訟も多く発生していて、2008年からの10年間に毎年3000件前後が新たに提訴されている{{R|US-Lit-Stanford|BloombergBNA|SyracuseU}}{{Efn2|アダルト映画製作Malibu Mediaの1社だけで2012年から2016年の間に計5000件以上提訴していることから、この5年間の総件数の上振れ特殊要因となっているが{{R|BloombergBNA}}、「年平均3000件前後」の数値からはMalibu Mediaの特殊要因を排除している。}}。これら訴訟の原告側には米国外の企業や個人も含まれていることから、国際政治上の問題としても注視され{{Efn2|例として、[[全米作家協会他対Google裁判]]が挙げられる。[[Googleブックス]]による書籍のデジタルスキャンが世界的に行われていた結果、当裁判にはフランスやドイツ当局からも意見書が提出されている{{R|Reuters-Ger-Google|DW-Ger-Google|Reuters-Fra-Google}}。}}、著作権に関する[[条約|国際条約]]を通じて、米国と他国の著作権法の足並みを揃えることも長年の課題となっている。 |
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米国著作権局は、著作権登録、 著作権移転の記録、および著作権法のその他の行政的側面を処理する。 |
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このような文脈も踏まえながら、[[合衆国法典]]第17編 (17 U.S.C.) に1947年から収録{{R|USC-Circ1a}}されている[[アメリカ法#連邦法と州法の関係|連邦法]]としての著作権法を中心に、本項では解説する。著作権法改正の歴史や、著作権に関連する個別の訴訟についても概観するが、詳細については「[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)|米国著作権法の歴史]]」と「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)|米国著作権法の判例一覧]]」にそれぞれ解説を譲る。 |
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== 歴史 == |
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<!-- 見出しが細かくなりすぎると目次リンクが不必要に長くなるため、小見出し (サブサブセクション) の代わりに「[[Help:ページの編集#箇条書き]]」で用いられる「;」 セミコロンを使用して太字表記した上で、ページ内リンクを飛ばせるように{{Anchors}}および{{Visible anchor}}を埋め込んでいます。アンカーの使用方法は「[[Help:セクション#リンクの方法]]」も参照して下さい。なお、当ページは肥大化を理由に、将来的にトピック毎にページ分割 (一部転記) される可能性があります。分割までの短期・中期的な措置としてアンカーを挿入していますが、分割後は分割先ページに直接リンクすることになりますので、役目を終えたアンカーは分割時に削除して頂いて問題ありません。削除の際には必ずinsource検索を使い、影響範囲分析を行って下さい。 --> |
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米国の[[著作権]]法は、その系統をイギリス[[アン法|のアン法]]に遡る。これは、最初の米国連邦著作権法である1790年著作権法に影響を与えた。著作権法は何度も更新されており、特に1976年の著作権法および1998年のソニー・ボノ[[著作権延長法|著作権期間延長法]] (「[[ミッキーマウス]]保護法」とも呼ばれる。漫画のキャラクターのミッキーマウスの成功) {{要出典|date=December 2018}} |
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{{rquote|right|議会は、著者および発明者に限られた時間だけ彼らのそれぞれの執筆および発見に対する独占権を確保することによって、科学および有用な芸術の進歩を促進する権限を有するものとする。|[[アメリカ合衆国憲法]]}} |
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米国憲法の著作権条項に規定されているように、著作権法の目的は「著者および発明者に限られた時間だけ彼らのそれぞれの著作および発見に対する独占権を確保することによって、科学の進歩と有用な芸術を促進すること」である。これは芸術、文学、建築、音楽、そして他の作家作品の創作を奨励することを含む。多くの法的原則と同様に、その目的を達成する上での著作権法の有効性は議論の余地がある。 |
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== 著作権法の |
== 米国著作権法の国際比較 == |
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{{特殊文字|説明=[[著作権マーク]](1文字の(C))}} |
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米国の著作権法は、有形媒体に固定「の原作者のオリジナル作品、」保護文学、演劇、音楽、芸術的、およびその他の知的作品を含む。この保護は、出版された作品と未発表の作品の両方に利用できる。著作権法には、次の種類の著作物が含まれる。 |
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{{色}} |
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[[File:Map of the Legal systems of the world (en).png|世界の法体系: 米国など桃色が[[英米法]]系、水色が[[大陸法]]系、緑色が[[イスラム法]]系、黄色が[[慣習法]]系の国。|thumb|500px]] |
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{| class="wikitable floatright" style="width:500px" |
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! 広義の著作権の内訳 !! style="width:120px" | 大陸法の国 !! style="120px" | 米国 |
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|+ 他の先進国との権利保護範囲の違い |
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| style="width:260px" | 著作者本人の権利 (狭義の著作権) || || |
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| {{0}}{{0}}{{0}}[[著作財産権]]<br>{{0}}{{0}}{{0}}(著作者の財布を守る権利) || {{ya}} || {{ya}} |
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| {{0}}{{0}}{{0}}[[著作者人格権]]<br>{{0}}{{0}}{{0}}(著作者の心を守る権利) || {{ya}} || {{partial|限定的}}{{Efn2|name=Civil-Common-Diff|大陸法系諸国では著作権は {{Lang-en|short|author's right}} や {{Lang-fr-short|droit d'auteur}} と呼ばれ、著作者の精神に基づいて創作される「行為主体・態様」に対して保護を与えている。そのため、著作者人格権を積極的に認める傾向がある。これに対し英米法諸国では {{Lang-en-short|copyright}} と呼ばれるように、著作物を独占的にコピー ([[複製権|複製]]) できる著作財産権を重視した保護を保障している。したがって誰がその創作者であるかよりも、著作物という「成果物・行為結果」に重きをおいた制度設計となっている。その結果、大陸法では著作物を創作した者 (著作者、狭義の著作権の権利者) と、その著作物を伝達する者 (著作隣接権者) を分けて制度が運営されている。このような「人」に着目した分け方をしない英米法では、著作隣接権という概念がそもそも存在せず、必要に応じて (狭義の) 著作権制度の中で著作隣接権者も保護される可能性はある{{Sfn|白鳥|2004|pp=36–37}}。}} |
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| [[著作隣接権者]]の権利 || {{ya}} || {{na}}{{Efn2|name=Civil-Common-Diff}} |
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| colspan="3" | |
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{| class="wikitable" |
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| 凡例 |
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| {{ya}} |
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| :可能/ |
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| {{na}} |
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| :不可能(以下の表も同様) |
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|} |
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{{See also|[[大陸法#大陸法と英米法の違い|大陸法と英米法の違い]]}} |
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米国著作権法が国際的な主流と異なる理由は、そのルーツにある。1887年発効の[[文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約|ベルヌ条約]]が、今なお基本条約として世界的に機能しているが、条約の原加盟国であるフランスやドイツなどの各国は「[[大陸法]]」系であることから、ベルヌ条約の内容も大陸法をベースにしている。一方の米国は「[[英米法]]」系であり、根本的な発想が異なる{{Efn2|大陸法の国々では、著作物とは著作者の人格を投影した成果物であることから、他の誰でもない著作者の所有物であり (人格理論)、著作物の創作にかかる労力に見合った利益を享受する権利がある (労働理論) とも考えられる[[自然権]]的な思想に基づいている。一方の米国においては、著作権は産業・文化の振興政策として付与されるものだとする「産業政策理論」ないし「[[功利主義]]」に立脚している{{Sfn|山本|2008|pp=9–11}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=21–26}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=36–37}}。人格理論についてはドイツの法哲学者[[ヘーゲル]]を、労働理論についてはイギリスの哲学者[[ジョン・ロック|ロック]]の政府二論を下敷きにしている{{Sfn|山本|2008|pp=9–11}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=21–26}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=36–37}}。その一方で、米国著作権法はイギリスの[[アン法]]を模倣しており、英米ともに、あくまで公共の学問・学術を奨励することが目的であり、その手段として著作権保護があると捉えられている{{Sfn|松川|2014|pp=3–4}}。その結果、著作権は英語ではCopyright (コピーする権利) と表現されるように、著作者以外に無断で複製させず、著作者の財産を守る権利だと狭義に捉えられてきた{{Sfn|岡本|2003|p=16}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=36–37}}。ただし、米国連邦著作権法の法源と言える合衆国憲法の特許・著作権条項 (1788年発効) は、文言上は功利主義ではあるものの、起草者たちに大陸法的な自然権の思想や意図がなかったわけではない点に注意が必要である{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=18, 23–26}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=36–37}}。}}。一般的に大陸法は、著作権を "{{Lang|en|author's right}}" (著作者の権利) と捉えて著作者の人格を含めた幅広い保護を保障するのに対し、英米法では "{{Lang|en|copyright}}" (独占的に複製する権利) と表現される通り、著作物を使った経済利益の保護を主眼に置いている違いがある{{Sfn|作花|2018|p=57}}{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=6–7}}。また、大陸法が法律の条文 (立法府による[[成文法]]) を明文化して法を守る運用なのに対し、英米法は法律の解釈 (司法府による[[判例法主義|判例法]]) に重きを置いている{{R|Civil-CommonLawComp}}。そのため条文だけを見ると、後述のとおり、米国著作権法の権利保護は不十分であり、ベルヌ条約の方針に完全には適合していない。 |
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* 文学 |
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* ミュージカル |
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* 劇的 |
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* パントマイムと振り付け作品 |
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* 絵画、グラフィック、彫刻作品 |
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* 視聴覚作品 |
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* 録音 |
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* [[二次的著作物|派生作品]] |
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* コンピレーション |
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* 建築作品 |
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=== 他国との相違点 === |
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大陸法系の国々と米国の相違点は、以下の通りである。 |
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著作権法はアイデアの「表現」を保護するが、著作権は「アイデア」自体を保護しない。 この区別は、アイデア - 表現二分法と呼ばれる。 [[:en:Baker_v._Selden|Baker v. Selden]], 101 U.S. 99 (1879); see also CDN Inc. v. Kapes, 197 F.3d 1256, 1261–62 (9th Cir. 1999). 「アイデア」と「表現」の区別は、著作権法の基本である。 1976年著作権法より ( 17 USC {{UnitedStatesCode|17|102}} {{UnitedStatesCode|17|102}} ) |
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# 著作権の保護対象が狭い{{Efn2|2001年、日本政府から米国政府に対し、著作権の改善要求6項目が公式に提出されている。その内訳は、インターネット対応の送信可能化権の明記、未固定の著作物の保護、放送事業者の著作隣接権の保護、実演者の権利拡大、著作者人格権の権利拡大、貸与権 (レンタル) の権利拡大である{{Sfn|岡本|2003|pp=15–16}}。}} |
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#* [[著作隣接権]] (著作物の流通に寄与する[[実演家]]などの権利) が、著作権法上で明確に定められていない{{Efn2|[[欧州連合]] (EU) からはWTO協定違反であると指摘されている{{Sfn|岡本|2003|p=16}}。ただし著作隣接権者のうち、レコード製作者のみは著作者本人として米国ではみなされており、作詞・作曲家らと並んでレコード製作者は共同著作者の扱いとなっている{{Sfn|山本隆司|2008|p=26}}。詳細は「[[#国内業界への政治的な配慮]]」も参照のこと。}} |
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#* [[著作者人格権]]が認められている範囲が、視覚芸術作品の一部に限定されている (1989年以前は全く認められていなかった){{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}{{R|USCO-VARA}}{{Efn2|米国同様に英米法系の英国でも、著作者人格権の保護水準が低いと指摘されている{{Sfn|Brown-Pedersen|2018|p=115}}。一方、大陸法系のフランスでは、著作財産権よりも著作者人格権が優先すると解されており{{Sfn|井奈波|2006|p=3}}、著作者人格権の中でも特に尊重権 ([[同一性保持権]]を含む広い権利概念) については、著作者有利の判決も多く、手厚く保護されている{{Sfn|井奈波|2006|pp=15–16}}。詳細は[[著作権法 (フランス)#著作者人格権]]も参照のこと。}} |
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#* 連邦法では「既発行」(published) の著作物しか保護されなかった (1978年以降は未発行の著作物も保護されるようになった){{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}{{R|USCO-Circ15a}} |
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#* 著作物を登録し、[[著作権マーク]]「©」を表示しないと保護されなかった (1989年以降不要となった){{R|Congress-BerneAct}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=72–73}} |
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#* 記録媒体に「固定」(fixed) されていない著作物は連邦法では保護されない (詳細は[[#著作物の定義]]で後述){{Efn2|州法の著作権法で未固定の著作物も保護される場合がある点に注意が必要である。たとえば口述インタビューやジャズの即興演奏などが未固定の例として挙げられる{{Sfn|Leaffer|2008|p=49}}。なお、この固定要件は米国著作権法の特徴の一つとして挙げられることが多いが{{Sfn|白鳥|2004|p=38}}、同じく英米法系の英国でも著作権法第3条 (2) に従い、言語著作物・演劇著作物・音楽著作物に関しては媒体に固定されていることを著作権保護の要件としている (美術著作物は固定要件の対象から除く){{Sfn|Flint & Thorne|1999|pp=39, 53}}。また大陸法の流れを汲む日本国著作権法{{Sfn|白鳥|2004|p=36}}でも、[[映画の著作物]]に関しては固定要件が一部適用されている (第2条第3項){{Sfn|白鳥|2004|p=38}}。}} |
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# 国際条約を通じた国際社会との連帯が不十分 |
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#* 著作権の基本条約である[[文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約|ベルヌ条約]] (世界170か国以上加盟) に米国が加盟したのは、条約発効から1世紀以上経ってから{{R|BerneConv-WIPO-2}}{{Efn2|name=Delay-in-Berne|ベルヌ条約の批准が大幅に遅れた理由は、著作物を審査・登録せずとも著作権を自動的に認める「無方式主義」である。米国は方式主義を採用していたため、ベルヌ条約批准には国内法の整備調整に時間を要した{{Sfn|白鳥|2004|p=50}}。しかしこの無方式主義がベルヌ条約に採用されたのは、原条約の署名から22年後の1908年ベルリン改正時であり、かつ米国はベルヌ条約の原条約交渉の場には出席していた。したがって、ベルヌ条約に最初から原加盟しなかったのは、無方式主義の問題とは関係なく、外交政策上の[[モンロー主義]] (他国への不干渉政策) が理由だとされている{{Sfn|山本|2008|p=17}}。なお、米国同様に英米法系の英国はベルヌ条約に原加盟しており、英国本国だけでなく、その植民地や保護国にまでベルヌ条約を適用している{{Sfn|木棚|2009|pp=61–64}}。}} |
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#* 著作隣接権を定めた[[実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約|ローマ条約]] (1964年発効、世界93か国加盟) に米国は加盟していない{{R|WIPO-Rome}} |
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#* 「ベルヌ・プラス方式」とも呼ばれる[[知的所有権の貿易関連の側面に関する協定|TRIPS協定]] (1995年発効) に米国は原加盟しているが、米国への訴訟リスクを回避するためTRIPS協定から著作者人格権の規定が除外された{{Sfn|岡本|2003|pp=218–219}} |
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#* さらにTRIPS協定では、米国の産業構造に合わせて著作隣接権も一部業界にだけ手厚く、その他業界は認めないねじれ構造{{Sfn|岡本|2003|pp=218–219}}{{Efn2|さらに米国では多国間による国際条約ではなく、二国間条約あるいは地域協定を通じ、相手国に対して知的財産権保護の義務を課す方針が特徴的と言える。2010年までに米国は少なくとも17本の[[自由貿易協定]] (FTA) を締結している。米国が締結したFTAの中で最も初期かつ重要な位置づけが、[[NAFTA]]である。NAFTAにおいても米国による著作者人格権の無保護が免責される条項を含んでいる。このような米国の戦略は「TRIPSプラス基準」(TRIPS-plus norm) とも呼ばれている{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=81–86}}。}} |
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# 立法府の権限が複雑 |
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#* 著作権法は連邦法と州法の二重構造 (詳細は[[#連邦著作権法と関連法の関係]]で後述) |
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#* ただし、連邦法の立法権限は[[アメリカ合衆国憲法|合衆国憲法]]内に{{仮リンク|特許・著作権条項|en|Copyright Clause}}として明記されており、重要視されている{{Efn2|日米で比較すると、日本国憲法第41条 - 第64条が「国会」に関する記述であるが、主に国会の運営方法について定められており、国会が有する権限 (なすべき役割) として著作権あるいはその上位概念の知的財産権保護という文言は登場しない{{R|JPCons-2019}}。日本以外の多くの国でも、著作権の文言が直接憲法にまで遡ることはない{{Harvnb|山本隆司|2008|p=8}}{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=23–26}}。間接的には、たとえばドイツ憲法の第1条 (1) および第2条 (2) に基づいて、著作権には著作者人格権も包含すると解されているほか、第14条 (1) は私有財産権の保障を謳っており、これを法源として著作財産権を一定の条件下で認めると解されている。フランスについては、憲法ではなく[[フランス革命]]期に出された1789年の[[フランス人権宣言]]を法源として、その第17条にて著作者の権利は人権であるとの根拠を見出すことができる{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=23–26}}。}}{{Efn2|知的財産権は[[特許権]]などの[[産業財産権]] (アイディアの発明) と著作権 (アイディアの表現) に分けられる。合衆国憲法の第1条第8項第8節は、略称として「著作権条項」(Copyright Clause) と呼ばれることもあるが{{Sfn|Leaffer|2008|p=69}}、著作権と産業財産権の双方を包含した知的財産権全般を指している条項であることから、正確には「特許・著作権条項」と表記される{{Sfn|Leaffer|2008|p=8}}{{Sfn|山本|2008|pp=18, 170|ps=「特許著作権条項」(中黒なし) 表記。}}{{Sfn|白鳥|2004|p=40}}。}} |
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#* 多数の著作権改正法案が連邦議会に提出されているが、総じて可決率が低い{{Efn2|もっとも、連邦議会への法案提出は他国と比較して容易であるため、著作権法に限らず全体的に廃案が多い。1973年1月 - 2019年1月の会期を通算すると、著作権法を含むすべての法案 (Bill) および両院合同決議 (Joint resolution) の可決率合計は1割前後である{{R|GovTrack}}。}} |
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#* しかし、著作権保有者からの[[ロビー活動|ロビイング]] (政治的圧力) が強い業界分野のみ、他国より先んじて著作権保護が強化されやすい{{Sfn|岡本|2003|pp=14–16}} |
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# 著作物の利用に関する充実した例外規定と柔軟な司法判断 |
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#* 著作権侵害に当たらない[[フェアユース]] (公正利用) の基準が著作権法上で定められ、裁判所がケースバイケースで侵害の有無を判定 ([[#フェアユース採用の評価]]で後述){{Efn2|詳細は[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)]] を参照のこと。}} |
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#* さらに他国と比較し、フェアユース以外の個別例外も詳細に規定されている{{Sfn|山本|2008|p=82|ps=--「実は、日本法よりもはるかに詳細な権利制限規定が設けられている」}}{{Efn2|フェアユースは第107条を、その他個別の例外規定は第108 - 122条を参照のこと。}} |
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#* 賛否あるものの、著作権侵害におけるインターネット関連事業者への免責 (通称: ノーティス・アンド・テイクダウン手続、DMCA通告) など、デジタル化対応が世界でもいち早く明文化されている{{Sfn|山本|2008|p=14|ps=--「米国は、どの国よりも早く、著作権法を情報社会に対応させている」}} |
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#* 著作権法と相反する、あるいは補完関係にある他分野の法律を交えた、総合的な司法判断が下されている (特に特許法、商標法、[[反トラスト法|独占禁止法]]、表現の自由を謳った憲法修正1条など){{Efn2|詳細は[[アイディア・表現二分論]] も参照のこと。}} |
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=== {{Visible anchor|国際条約の加盟状況|国際条約}} === |
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== 参考文献 == |
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{{For2|条約の採択・発効・批准の違い|条約#条約の締結|世界各国の著作権関連条約加入状況|:en: List of parties to international copyright agreements}} |
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{{Reflist|30em}} |
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{{Wikisource|1=昭和五十年条約第四号|2=ベルヌ条約 (1971年パリ改正版)|3=日本批准時の日本語訳}} |
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{{デフォルトソート:あめりかのちよさくけんほう}} |
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{{Wikisource|1=千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された万国著作権条約|2=万国著作権条約 (1971年改正版)|3=日本批准時の日本語訳}} |
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[[Category:各国の著作権法]] |
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{| class="wikitable" style="width:71%" |
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! style="width:9%" | 条約名 !! style="width:19%" | 概要 !! style="width:5%" | 狭義の<br>著作権 !! style="width:5%" | 著作<br>隣接権 !! style="width:11%" | 条約の効力状況 !! style="width:8%" | 加盟国数 !! style="width:14%" | 米国の対応状況 |
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|+ 著作権に関する主要条約{{Sfn|文化庁|2007|pp=69–71}} |
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! colspan="7" | 法的意義が継続している条約 |
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| [[文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約|ベルヌ条約]]|| 狭義の著作権 (著作者本人の権利) に関する基本条約 || {{ya}} || || 1886年採択、1887年発効<br>その後4回改正{{R|BerneConv-WIPO-1}} || 世界171か国{{Efn2|1971年のパリ改正版加盟国を記載{{R|BerneConv-WIPO-2}}。}} || {{partial|1世紀後の1988年に加入し、1989年3月1日から施行{{R|BerneConv-WIPO-2}}{{Efn2|一部は条約の水準を満たしておらず他国から条約違反が指摘されている{{Sfn|岡本|2003|p=219}}。}}}} |
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| [[実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約|ローマ条約]] || 著作隣接権の基本条約 || || {{ya}} || 1961年採択、1964年発効{{R|RomeConv-WIPO-1}} || 世界93か国{{R|RomeConv-WIPO-2}} || {{na}}{{R|RomeConv-WIPO-2}} |
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| [[許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約|レコード保護条約]]|| 著作隣接権の一つである[[原盤権]]に関する条約 || || {{partial}} || 1971年採択、1973年発効{{R|GenevaPhoneConv-WIPO-1}} || 世界80か国{{R|GenevaPhoneConv-WIPO-2}} || {{yes2|1973年に批准し、1974年3月10日から施行}}{{R|GenevaPhoneConv-WIPO-2}} |
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| [[知的所有権の貿易関連の側面に関する協定|TRIPS協定]]|| 偽ブランドや海賊版の取締強化を目的とする「ベルヌ・プラス方式{{Sfn|岡本|2003|pp=218–219}}」。違反時には[[世界貿易機関]] (WTO) に提訴可能 || {{partial}} || {{partial}} || 1994年採択、1995年発効{{R|TRIPS-WTO-1}} || 世界164か国 (WTOの全加盟国){{R|TRIPS-WIPO-1}}{{Efn2|WTOに加盟すると自動的にTRIPS協定の遵守義務を負う{{R|WTO-TRIPsOverview}}。}} || {{yes2|1995年1月1日から施行}}{{R|TRIPS-WIPO-1}} |
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| [[著作権に関する世界知的所有権機関条約|WIPO著作権条約]]|| デジタル著作物への対応強化を目的とし、「ベルヌ条約の2階部分{{Sfn|文化庁|2007|p=69}}」と呼ばれる || {{ya}} || || 1996年採択、2002年発効{{R|WCT-WIPO-1}} || 世界102か国{{R|WCT-WIPO-2}} || {{yes2|1997年署名、1999年批准、2002年3月6日から施行}}{{R|WCT-WIPO-2}} |
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| [[実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約|WIPO実演・レコード条約]]|| デジタル著作物への対応強化を目的とするが、加盟にあたってローマ条約の遵守はもとめられない{{Sfn|山本|2008|p=20}} || || {{ya}} || 1996年採択、2002年発効{{R|WPPT-WIPO-1}} || 世界102か国{{R|WPPT-WIPO-2}} || {{yes2|1997年署名、1999年批准、2002年5月20日より施行}}{{R|WPPT-WIPO-2}} |
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| [[視聴覚的実演に関する北京条約]] || 視聴覚著作物に限定し、実演家に著作財産権の一部および人格権を認める{{Efn2|著作財産権のうち、映画などの固定著作物については、複製権・頒布権・貸与権・公表権の4種を、ライブ実演などの未固定著作物については、公衆送信権、公表権、および著作物の固定化の3種を認めており、固定と未固定で対応が異なる{{R|Beijin-WIPO-1}}。}} || || {{ya}} || 2012年採択、2020年発効{{R|Beijin-WIPO-1|Beijin-WIPO-3}} || 世界48か国{{R|Beijin-WIPO-2}} || {{partial|2012年原署名、批准未済}}{{R|Beijin-WIPO-2}} |
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! colspan="7" | 法的意義を終えた条約 |
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| [[ブエノスアイレス条約]] || 万国著作権条約の前身 || {{ya}} || || 1910年採択{{Efn2|name=BAC|1910年当初の署名国はアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、[[ドミニカ共和国]]、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、米国、ウルグアイ、ベネズエラの20か国である{{R|USCO-Circular1977}}。その後国内での批准をキューバ、エルサルバドルとベネズエラの3か国が行わず、署名時には参画していなかったボリビアが後に批准したため、ブエノスアイレス条約の加盟国は計18か国となっている{{R|WIPO-ArgeConvParties}}。}} || 米国およびラテンアメリカ諸国の計18か国が批准{{Efn2|name=BAC}} || {{yes2|1910年に原加盟国として署名}}{{Efn2|name=BAC}} |
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| [[万国著作権条約]] || ベルヌ条約の代替で権利保護の水準は低い || {{ya}} || || 1952年採択、同年発効<br>その後1回改正{{R|UCC-UNESCO-1}} || 世界100か国{{R|UCC-UNESCO-2}} || {{yes2|1952年に原加盟国として署名}}{{R|UCC-UNESCO-2}} |
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[[著作権マーク]]「©」は21世紀に入ってからも多くの著作物上に見られるが、これはベルヌ条約批准が遅れた米国などの国々への対応のなごりである。大陸法の国々では、著作物が創作された時点で自動で著作権保護がされる「無方式主義」を採用しているが、米国などの英米法の国々では、創作された著作物を政府当局に登録する手続を経て初めて権利保護される「方式主義」が長年採られてきた。その結果、日本の美術品やフランスの小説などを米国で販売する際にも、外国著作権者が[[アメリカ合衆国著作権局]] (略称: USCO) に著作物を登録する必要が出てきた。この手続を回避するため、万国著作権条約に加盟している国の著作物は、「©」を付していればUSCOに未登録でも法的に保護されると定めた。もっとも、これら方式主義の国々が最終的にベルヌ条約を批准して、無方式主義に転換したため、今日においては「©」の表示は法的に何ら意味はなくなっている{{Sfn|文化庁|2007|p=72}}。 |
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{{See also|[[著作権#方式主義と無方式主義|方式主義と無方式主義]]|万国著作権条約#発効時点でのベルヌ条約との比較}} |
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=== 国内業界への政治的な配慮 === |
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上述の米国独自の特徴は、米国内の特定業界への配慮や産業振興が背景にある。 |
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; レコード業界 |
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米国がローマ条約には加盟せず、レコード保護条約にのみ加盟したのは、著作隣接権の保護対象の違いである。著作隣接権とは著作者本人ではなく、著作物の流通に寄与する者 (著作隣接権者) の権利であるが、ローマ条約では保護対象に[[実演家]]、[[レコード製作者]]、[[放送事業者]]を含めている。しかし、レコード保護条約では実演家と放送事業者は除外されている。この理由は、1960年代頃からのレコード業界からの政治的圧力により、レコード製作者の権利は守る必要が出てきたが、著作隣接権者すべての権利を守るとなると、[[ハリウッド]]映画業界が俳優 (実演家) に追加で利用料を払わなければならなくなるためである。そこでレコード業界とハリウッド映画業界の双方に配慮するため、米国においては著作隣接権は引き続き認めないが、レコード製作者のみは著作隣接権者ではなく著作者とみなし、著作者本人の権利 (狭義の著作権) で保護することにしたのである{{Sfn|岡本|2003|pp=217–218}}{{Efn2|ローマ条約未加盟の理由として、合衆国憲法の特許・著作権条項 (Copyright Clause) に基づき、未固定の著作物は保護しない方針だったことから、実演や放送著作物の保護を見送ったとの説もあるが、不確実性を残した表現に留まっている{{Sfn|山本|2008|p=18|ps= --「『特許著作権条項』によって未固定の著作物を保護できないので、固定されていない実演や放送を保護することを義務づけるローマ条約への加盟を見送ったようである」}}。}}。 |
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; IT業界 |
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レコード業界と並んで米国の主力産業であるコンピュータ・プログラムも、政治的配慮が見られる。一般的に、産業に関する「アイディア」は[[工業所有権|産業財産権]] ([[特許を受ける権利|特許権]]や[[商標権]]などの総称) で守り、アイディアの「表現」は著作権で守るという[[アイディア・表現二分論]]がとられている{{Sfn|山本|2008|pp=11–13}}。これにより、実用的な産業であるコンピュータ・プログラムも、[[ソースコード]]や[[オブジェクトファイル|オブジェクトコード]]など一部は米国著作権法の下で保護されている{{Efn2|name=Def-Computer}}{{Efn2|ソースコードやオブジェクトコードといった言語的な著作物としてのコンピュータ・プログラム以外に、その主たる目的、[[アルゴリズム]] (どのようなロジックで処理するか)、機能、プログラム構造 (アプリケーション・アーキテクチャとも呼ばれる)、データ構造が著作権 (表現) と産業財産権 (アイディア) のどちらで保護されるのか、内容によって判断される{{Sfn|山本|2008|p=52}}。}}{{R|Accumu-Computer|CRIC-Computer}}。これは今日では世界的に共通の慣行であるが、もともとは米国から他国への強力な働きかけによるものであったとされ、特許を取得していないコンピュータ・プログラムであっても、著作権で保護されるようになった{{Efn2|著作物の利用者は、著作物を知覚してアイディアを学ぶことは許されており、著作権侵害にはならない。しかしコンピュータ・プログラムの場合、端末にプログラムをインストールする (またはインストールされたサーバーにアクセスする) ことでしか知覚できない。このインストールの行為が、著作権法上の複製権 (著作権者が他者に無断でコピーされない権利) の対象に該当することから、コンピュータ・プログラムも著作権で保護されるという法的ロジックになっている{{Sfn|岡本|2003|pp=215–217}}。}}。 |
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== {{Visible anchor|現行法の詳細解説|現行法の主な特徴}} == |
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※本節における「現行」とは、特記のない限り'''2019年2月現在'''の合衆国法典第17編 (米国著作権法){{R|USC17-full-201902}}に基づき記述している{{Efn2|条文内の専門用語は、アメリカ合衆国著作権局 (USCO) による定義解説に準拠する{{R|USCO-Terminology}}。各種用語の日本語訳は、公益社団法人[[著作権情報センター]]の表記を一部参照しつつ{{R|CRIC-USC17-Trans-201902}}、[[著作権法|日本国著作権法]]で多用される一般的な著作権用語に一部置き換えている。}}。 |
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※米国著作権法は特にデジタル著作物に関連する法改正が頻繁に発生しており、1998年10月28日から2014年12月4日の約16年間を例にとると、この期間に可決・制定された著作権の改正立法は計20本以上に上る{{R|CRIC-USC17-Trans-201902}}。条文の最新は合衆国法典の[http://uscode.house.gov/browse/prelim@title17&edition=prelim 公式ウェブサイト]を参照すること。 |
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=== 合衆国法典第17編の全体構成 === |
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合衆国法典第17編は章 (Chapter) の名称とその内容に一部不一致が起こっており、章の下の条 (Section) レベルで参照しないと、全体構成が把握できないため注意が必要である。これは米国著作権法の改正が頻繁に起こり、その度に権利保護の対象となる著作物が増え、例外や罰則などが追加で規定されてきたためである{{Efn2|例えば20世紀に入ってから世に登場した[[集積回路|半導体チップ]]製品は、その著作権について第9章{{R|17USC-Chap9}}にまとめて追記されている。その一方で、[[衛星放送]]によるテレビ番組の遠隔二次放送に関しては、第1章の第119条{{R|17USC-119}}に規定されている。この第119条には章名に呼応した著作権保護の範囲だけでなく、著作権侵害発生時の救済手段、放送コンテンツの使用許諾の手続やUSCOへの支払明細書の送付方法など、他章に横断する委細が記述されている。}}。 |
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{| class="wikitable mw-collapsible" style="width:52%; font-size:smaller" |
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|+ style="font-size:larger" | 合衆国法典第17編の章構成{{R|USC17-full-201902}} |
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! style="width:5%" | 章 !! style="width:37%" | 章名 !! style="width:10%" | 条 |
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! 第1章 |
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| 著作権の対象および範囲 (Subject matter and scope of copyright) || 第101 - 第122条 |
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! 第2章 |
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| 著作権の帰属および移転 (Copyright ownership and transfer) || 第201 - 第205条 |
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! 第3章 |
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| 著作権の保護期間 (Duration of Copyright) || 第301 - 第305条 |
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! 第4章 |
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| 著作権表示、納付および登録 (Copyright notice, deposit and registration) || 第401 - 第412条 |
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! 第5章 |
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| 著作権侵害および救済 (Copyright infringement and remedies) || 第501 - 第513条 |
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! 第6章 |
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| 輸入および輸出 (Importation and Exportation) || 第601 - 第603条 |
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! 第7章 |
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| 著作権局 (Copyright office) || 第701 - 第710条 |
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! 第8章 |
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| 著作権使用料審判官による手続 (Proceeding by copyright royalty judges) || 第801 - 第805条 |
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! 第9章 |
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| 半導体チップ製品に対する保護 (Protection of semiconductor chip products) || 第901 - 第914条 |
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! 第10章 |
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| デジタル音声録音装置および媒体 (Digital audio recording devices and media) || 第1003 - 第1010条 |
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! 第11章 |
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| 録音物および音楽ビデオ (Sound recordings and music videos) || 第1101条 |
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! 第12章 |
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| 著作権保護および管理システム (Copyright protection and management systems) || 第1201 - 第1205条 |
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! 第13章 |
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| 創作的なデザインの保護 (Protection of original designs) || 第1301 - 第1332条 |
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! 第14章 |
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| 1972年より前に録音した音楽著作物の不正利用 (Unauthorized use of pre-1972 sound recordings) || 第1401条{{Efn2|2018年10月制定の{{仮リンク|音楽近代化法|en|Music Modernization Act}} (Music Modernization Act、略称: MMA) によって追加された条項のため{{R|MMA-USCO|MMA-Blog}}、[http://www.cric.or.jp/db/world/america.html 2018年9月発行のCRICによる日本語訳]には第14章が含まれていない。}} |
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|} |
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著作物の利用者の観点では、著作権者に無断で利用しても著作権侵害に当たらないケースとして、後述する[[フェアユース]] (公正利用、[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section107&num=0&edition=prelim 第107条]) が知られている。しかしフェアユースは原則論に留まっており、著作物の種別や条件に応じた個別規定は複数の条にまたがっている点に留意が必要である。 |
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=== 著作権の定義と保護範囲 === |
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どのような種類の権利を、どのような著作物に対して付与し、どのような条件下で法的に保護するかを解説する。 |
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==== {{Visible anchor|権利の内訳|著作者の有する排他的権利|支分権|第106条}} ==== |
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著作権のうち、著作者本人の諸権利 (日本語では「[[著作権#支分権|支分権]]」と呼ばれるもの) について、米国著作権法では「排他的・独占的な権利」(exclusive rights) という強い表現が使われているのが特徴である{{Efn2|このExclusive rightは、合衆国憲法の特許・著作権条項でも用いられている表現である{{R|USCon-Orig}}。同様にフランス著作権法でも第111条 (最初の条) で "''droit de propriété incorporelle exclusif''" (排他的で無体の所有権) と表現されている{{R|LF-CPI-L111}}。}}。具体的に排他的権利とは (1)「著作物のコピーまたはレコード複製」('''複製権''')、(2)「二次的著作物の作成」('''翻案権''')、(3)「販売、所有権の移転、貸与による頒布」('''頒布権''')、(4)「著作物を使った実演」('''実演権''')、(5)「著作物を使った展示」('''展示権''')、(6)「録音物の場合、デジタル音声送信による実演」('''デジタル実演権''') の6点だと定義されている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section106&num=0&edition=prelim 第106条]){{Efn2|著作権者の支分権はもともと5種類だったが、録音物に対しては実演権が与えられていなかったことから、放送局との既得権益との妥協を経て、1995年制定の著作権法改正 (デジタル実演権法、The Digital Performance Right in Sound Recordings Act of 1995) が成立し、6種類目としてデジタル実演権が追加された{{Sfn|山本|2008|p=15}}{{Sfn|Leaffer|2008|p=13}}。}}。換言すると、複製や頒布などを著作者の許諾なしに第三者が行うと、著作権侵害になることを意味する ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section501&num=0&edition=prelim 第501条])。 |
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{{Anchors|著作者人格権|第106A条|視覚芸術著作物}} |
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さらに1990年制定の法改正 (Visual Artists Rights Act of 1990、略称: VARA) により、いわゆる (7) '''[[著作者人格権]]'''が付け加わった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section106A&num=0&edition=prelim 第106A条])。ただし大陸法諸国の著作権法と異なり、著作者人格権が認められるのは視覚芸術著作物 (visual arts) に限定されている{{R|USCO-VARA}}{{Sfn|Leaffer|2008|p=13}}。米国著作権法における視覚芸術著作物とは、絵画・素描・版画・彫刻・展示目的の現像写真の5種類に限られている。さらにこれら5種類のうち、複製が200点以下であり、シリアルナンバーと著者の署名が刻まれているものに限定し、著作者人格権が認められる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。つまり、容易に大量複製や[[翻案権|翻案化]]できるもの、あるいは大衆向け商業目的の著作物には著作者人格権が認められない。著作者人格権が認められないケースとして、ポスター、地図・地球儀、海図、技術図面、図表、模型、応用美術、映画などの動画、書籍、雑誌、新聞、定期刊行物、データベース、電子情報サービス、電子出版物、商品、広告宣伝・説明、パッケージなどの包装・容器、[[職務著作|職務著作物]]が挙げられている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。 |
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[[#著作権の保護期間]]で後述の通り、著作財産権と著作者人格権では権利の保護期間に差がある。 |
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==== {{Visible anchor|著作物の類型|著作物の定義}} ==== |
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米国著作権法が定める著作物とは (1)「言語著作物」、(2)「音楽著作物」(これに伴う歌詞を含む)、(3)「演劇著作物」(これに伴う音楽を含む)、(4)「無言劇および舞踊の著作物」、(5)「絵画、図形および彫刻の著作物」、(6)「映画およびその他の視聴覚著作物」、(7)「録音物」、(8)「建築著作物」の8種に分類されているが、例示でありこれらに限らないと記されている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section102&num=0&edition=prelim 第102条]){{Efn2|現在の8種類に分類し直したのは1976年の改正時である{{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}。それ以前の分類方法については、[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)]]の「著作物の保護対象の拡大」も参照のこと。}} |
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また、原著作物を活用した「編集著作物」(集合著作物を含む) と「[[二次的著作物]]」(別名: 派生的著作物{{Efn2|英語の {{Lang|en|derivative works}} は日本国著作権法の用語に従って「二次的著作物」と訳されることも多いが、二次的に創作されたものだけでなく幅広い定義であることから、米国著作権法では「派生的著作物」の訳語を当てるケースもある。これは、たとえばモノクロ映画をカラー化した場合でも創作性の要件を満たせば別個の著作物として米国著作権法で認められるためである{{Sfn|白鳥|2004|pp=128–129}}。}}) も法の保護の対象となる。編集著作物とは、既存の素材またはデータを選択し、整理しまたは配列し、これらを収集し編成して作られた著作物である。二次的著作物とは、原著作物を用いて、翻訳、編曲、脚色、映画化、美術複製、改訂するなどして創作された作品を指す ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section102&num=0&edition=prelim 第102条])。これらの編集ないし二次的著作物と、その素材となった原著作物の著作権は別個に存在する ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section103&num=0&edition=prelim 第103条])。仮に編集著作物の素材に創作性がなく著作権で保護されていなかったとしても、素材の組み合わせ・整理の方法によって創作性が認められれば、編集著作物単体で著作権が発生する{{Sfn|Leaffer|2008|p=83}}。 |
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;: {{Visible anchor|どこまでが著作物なのか}} |
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;: (1) 言語著作物 |
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: [http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条]の定義によると、言葉、数字、数学的な記号、符号などの著作物を指す。ただし、楽譜は符号だが音楽著作物に、演劇脚本は言葉だが演劇著作物に分類される。また判例上は、言語著作物に登場するキャラクターは著作物に該当しないと解されている{{Sfn|山本|2008|p=23}}。キャラクターの保護を巡る裁判としては、1954年の第9巡回区控訴裁「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ対CBS裁判|ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ対CBS裁判]]」(サム・スペード判決) が知られている{{Efn2|探偵小説『[[マルタの鷹]]』に登場する探偵キャラクターの[[サム・スペード]]を巡る裁判のため、「サム・スペード判決」とも呼ばれる{{Sfn|白鳥|2004|p=109}}。この判例では、小説や戯曲といった言語著作物におけるキャラクターやタイトルは著作権保護の対象にならないとしている。しかし、1930年に第2巡回区控訴裁が下した「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ニコルズ対ユニバーサル・ピクチャーズ裁判|ニコルズ対ユニバーサル・ピクチャーズ裁判]]」と比較して、キャラクター保護の制限が厳格であり、ワーナー対CBS裁判で示された基準を満たせる言語著作物のキャラクターはほぼ存在しないことから、後の判例や法学者から広く支持されてはいないとの指摘もある{{Sfn|Leaffer|2008|pp=115–117}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=109–110}}。ワーナー対CBSから32年後の Shaw v. Lindheim, 919 F.2d 1353 (9th Cir. 1990) などから、第9巡回区控訴裁ではワーナー対CBSの厳格な保護基準を採用していないとの意見もある{{Sfn|白鳥|2004|pp=109–110}}。}}。さらに米国では、言語著作物の題名も著作物に該当しないと判例で解されており{{Sfn|山本|2008|p=23}}、題名の保護を訴える場合は不正競争防止法など、別の法的根拠を求めることになる{{Sfn|Leaffer|2008|p=143}}。しかし[[著作権法 (フランス)|フランス著作権法]]のように、言語著作物に限らずあらゆる著作物の題名も、創作性があれば著作権保護が与えられると明文化されている国もある (L112条-4){{R|LF-CPI-L112}}{{Efn2|フランスの場合、その題名が汎用的で一般的な用語の場合、判例では著作権保護の対象外と判示されており、題名における創作性の具体的な線引きは司法判断に任されている。たとえば、小説『[[アンジェリク (小説)|アンジェリク]]』は主人公女性の名前から付けられた題名だが、著作権保護の対象となっている{{Sfn|井奈波|2006|p=9}}。また、題名は商標登録できる場合があり、このようなケースでは商標権と著作権で二重保護される{{Sfn|井奈波|2006|p=9}}。なおEUでは、加盟国すべてに通用する商標登録制度である{{仮リンク|欧州連合商標|en|European Union trade mark}} (略称: EUTM、旧称: 欧州共同体商標 (CTM)) がある。登録先はスペインにある[[欧州連合知的財産庁]] (略称: EUIPO、旧称: 共同体商標意匠庁 (OHIM)) である。したがって、フランスのみで通用する国内商標登録以外に、EU全域での一括商標登録の方法も選択できる{{Sfn|奥田|2014|pp=198–199}}。}}。 |
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: コンピュータ・プログラムも一部はこの言語著作物に含まれている。1980年制定の著作権法改正で、第101条 (各種用語の定義) にコンピュータ・プログラムが追加されたほか、第117条でコンピュータ・プログラムの権利制限が追加規定された{{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}{{Sfn|山本|2008|p=15}}。また、1983年の第3巡回区控訴裁による「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#Apple Computer対フランクリンコンピュータ裁判|アップルコンピュータ対フランクリンコンピュータ裁判]]」を始めとする判例によって、コンピュータ・プログラムとデータベースの著作権が保護されるようになった{{Sfn|山本|2008|p=15}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=151–155}}。 |
|||
;: (4) 無言劇および舞踊の著作物 |
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: (2) 音楽著作物 - (4) 無言劇および舞踊の著作物に関し、第101条で定義は示されていない。(4) については、言葉を使わず動きとジェスチャーで表現する演劇全般、および観客の前でのダンサーの動きを表現した記録や表記だと解されている。しかし、社交ダンスのステップのように、形式が決まっているものについては著作物として認められていない{{Sfn|Leaffer|2008|pp=189–190}}{{Sfn|山本|2008|p=24}}。 |
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;: (5) 絵画、図形および彫刻の著作物 |
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: 第101条の定義によると、純粋な美術品だけでなく[[応用美術]]、写真や地図、模型、建築設計図などもこれに含まれる{{Sfn|Leaffer|2008|p=164}}。ただし、単純な実用品 (useful article) のデザインは著作物として認められていない。これは実用的なデザインは著作権ではなく、意匠特許権 (米国特許法第171条) で守られるべきと考えられているからである。両者の線引きは、美しさの有無ではなく、美的「表現」なのか、デザインの「新たな発明」なのかの違いにある{{Sfn|山本|2008|pp=24–25}}{{Efn2|審美性を著作物の保護要件に含めない考え方は、米国に限らず世界で一般的である。ところが米国では過去に審美性を保護要件としていた時期があり、1903年の最高裁判決「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ブライシュタイン対ドナルドソン・リトグラフィング裁判|ブライシュタイン対ドナルドソン・リトグラフィング裁判]]」188 U.S. 239, 251 (1903) によって覆され、審美性が不要とされるようになった。ただし、当判決では実用品デザインについては例外扱いとしており、主観的な審美性が問われる余地を残している{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|p=193}}。}}。 |
|||
: しかしながら、実用的・機能的な日用品に芸術的・審美的なデザインが施されている商材が市場に多く出回っており、著作権法上でたびたび問題となっている{{Sfn|Leaffer|2008|pp=165–172}}。世界的には実用品デザインの著作権保護に対するアプローチは以下の3パターンに分かれる{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|p=215}}。 |
|||
:# 実用品も他の著作物と同様に保護に含める -- フランスなど |
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:# 実用品も一部保護に含めるものの、他の著作物よりも保護要件の水準を高く設定する -- ドイツなど |
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:# 実用品は意匠法など別の法律で保護する、あるいは著作権法と二重で保護する -- 米国、過去のイタリアなど{{Efn2|E.C. Design Protection Directive (1993年のデザイン保護指令) に基づき、イタリアは著作権法を改正しており、第2条 (4) を廃止している{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|p=215}}。}}{{Efn2|イギリスについては米国に類似点もあるものの、ハイブリッド型のアプローチをとっている。デザインと機能性が物理的に分離可能であれば、米国同様に著作権保護の対象内としているが、米国と異なり、イギリスでは概念的に分離可能な場合は保護対象外としている{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|p=217}}。}} |
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: 実用品デザインを巡る判例として、ダンサー像がデザインされた卓上ランプに関する「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#メイザー対ステイン裁判|メイザー対ステイン裁判]]」、およびチアリーディングのユニフォーム製造業同士で争った「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#スター・アスレティカ対ヴァーシティ・ブランズ裁判|スター・アスレティカ対ヴァーシティ・ブランズ裁判]]」も参照のこと。 |
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;: (6) 映画およびその他の視聴覚著作物 |
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: 映画やテレビ番組だけでなく、ビデオゲームも一部は視聴覚著作物として分類される。ビデオゲームはプログラミングされているため、そのソースコードやオブジェクトコードは (1) 言語著作物に分類される{{Efn2|name=Def-Computer|C言語やJavaなど、人間が判読可能なプログラミング言語で記述されたものがソースコードであり、そこから機械読み取りのために0と1の二進法に翻訳されたもの (人間には判読不能なもの) がオブジェクトコードである。著作権法上では判読不能な表現であるオブジェクトコードも言語著作物として法的保護を与えている{{Sfn|Leaffer|2008|p=150}}。}}。そしてゲーム画面の個々のグラフィック要素は著作権保護の対象とはならないが、個々のグラフィック要素が互いに関係し、音響効果も相まって創作性が発生すれば、ゲーム全体 (編集物) として (6) 視聴覚著作物と判定される。これに関するリーディング・ケースとして1992年連邦控訴裁「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#アタリゲームズ対オマーン裁判|アタリゲームズ対オマーン裁判]]」も参照のこと{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81–82, 128, 190–191}}{{R|CaseText-AtariOman}}。 |
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;: (7) 録音物 |
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: 第101条では、一連の音楽、会話その他音声の著作物だと定義されている。ただし、映画などの視聴覚著作物に含まれているセリフなどは除く。音楽レコードについては録音著作物に該当するが、アーティストである実演家と、レコード会社であるレコード製作者の共同著作物と考えられているため{{Sfn|山本|2008|p=26}}、大陸法諸国の著作権法と異なり、実演家やレコード製作者は著作隣接権者として捉えられていない。 |
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;: (8) 建築著作物 |
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: 建築の設計図は (5) 絵画、図形および彫刻の著作物に含まれるが、ベルヌ条約加盟以前は建築物そのものは著作物として保護されていなかった。これは実用的なデザインとみなされていたからである。1990年の改正法により、建築著作物も著作権保護が認められるようになった{{Sfn|山本|2008|pp=26–27}}。 |
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;: 編集著作物 |
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: 編集著作物 (compilations) には集合著作物 (collective works) を含む。集合著作物の例は定期刊行物、選集、百科事典などが挙げられる。また、日本ではデータベースは編集著作物ではなく別個の著作物としているが、米国およびその他諸外国はデータベースを編集著作物としている{{Sfn|山本|2008|p=27}}。これに関しては、集合著作物の一種である新聞や雑誌に寄稿された記事が、その後デジタル化されて他社オンラインデータベースに無断・無償で転載された「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判|ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判]]」(2001年最高裁判決) などが存在する。 |
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{{See also|データベース権}} |
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;: 二次的著作物 |
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: 二次的著作物の中には、外形的に明らかな翻訳や映画化などもあるが、美術複製の著作物性は曖昧であり、より厳格な創作性を求めていることから過去の判決も多い{{Sfn|Gross, Katz & Ruby|2003|pp=155–157, 168}}。既存の芸術作品を精緻に複製しただけでは創作性が認められず、複製を行った制作者に独自の創作判断があったかが問われることになる{{Sfn|Leaffer|2008|pp=85–89}}。名画を元に制作された版画を巡る「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#アルフレッド・ベル対カタルダ・ファインアーツ裁判|アルフレッド・ベル対カタルダ・ファインアーツ裁判]]」、および[[ウォルト・ディズニー・カンパニー|ディズニー]]のキャラクターを模した玩具のメーカー同士で争った「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ダーラム対トミー裁判|ダーラム対トミー裁判]]」も参照のこと{{Sfn|Leaffer|2008|pp=85–89}}{{Sfn|Gross, Katz & Ruby|2003|pp=155–157, 168}}。 |
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==== {{Visible anchor|保護されないもの|著作権保護の例外と制約}} ==== |
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著作権保護の要件を満たしておらず、かつ特許や商標権なども認められていないものは、[[パブリックドメイン|パブリック・ドメイン]]とみなされ、これらを第三者が無断で利用しても、上述の排他的権利を侵害したことにはならない。パブリック・ドメインの内訳は、(1) そもそも著作物性が認められないもの、(2) 著作物ではあるが著作権が「元来発生しない」もの、(3) 著作権は発生したが後に「消滅した」ものに大きく分けられる。 |
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{{Quote box |
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|title = 連邦法による著作権の保護目的と対象 |
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|quote = [[アメリカ合衆国議会|連邦議会]]は、著作者 (author) および発明者に対して、それぞれ著作 (writings) および発明に対する排他的権利を一定の期間に限り付与することにより、科学および有用な技芸の振興を促進する...権限を有する。 |
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|source = [[合衆国憲法]] 第1条第8項第8条 (通称: {{仮リンク|特許・著作権条項|en|Copyright Clause}}){{Sfn|山本|2008|p=8|ps=--著者による訳文}}{{Efn2|[[駐日アメリカ合衆国大使館]]でも[https://americancenterjapan.com/aboutusa/laws/2566/ 合衆国憲法の日本語訳]を公開している。大使館訳では「排他的権利」ではなく「独占的権利」の訳語を当てている{{R|USCon-ACJ}}。[https://www.archives.gov/founding-docs/constitution-transcript 英語原文]も併せて参照のこと。}} |
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|width = 40% |
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|align = right |
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|quoted = 1 |
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}} |
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;: (1) 著作物性が認められないもの |
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: 上述の8ジャンルのいずれかに該当していても、著作物性がないとされるケースがある。その要件の一つが「創作性」の有無である。合衆国憲法で定めた特許・著作権条項の「著作者 (author)」の用法から、著作権には創作性 (originality) が必要であるとされている{{Sfn|山本|2008|p=13}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=79–83}}{{Efn2|{{Lang|en|Originality}}は一般的な日本語訳として「独創性」や「斬新さ」が充てられるが{{R|Originality-ALC|Originality-Goo}}、米国を含む各国の法律では、発明といった新規性は特許法などで審査・保護されており、著作権法上では絶対的な新規性の有無は問われない。偶然にも著作物の表現が似通ってしまったとしても、{{Lang|en|Originality}}はあるとして著作権保護される{{Sfn|田村|1998|p=15}}(詳細は「[[アイディア・表現二分論]]も参照」)。したがって、著作権法上の{{Lang|en|Originality}}の訳語には「独創性」{{R|Colombet}}{{Sfn|白鳥|2004|p=14}}よりも「創作性」{{Sfn|Leaffer|2008|p=104}}{{Sfn|山本|2008|p=13}}{{Sfn|作花|2018|p=67}}{{Sfn|Flint & Thorne|1999|p=63}}が充てられることが多い。}}。 |
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: 著作物性を巡って争われたリーディング・ケースとして、1990年最高裁判決の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判|ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判]]」が世界的に知られている{{Sfn|田村|1998|pp=24–25}}。これは電話帳に掲載された電話番号を無断で転載した事件であり、単なるデータの配列だけの電話帳には創作性が認められないとして、無断転載が合法と判示された。この判決により、[[アイディア・表現二分論]] (著作者の創作性に基づく「表現」を保護するのが著作権だとする考え方) が明示され、{{仮リンク|額の汗の法理|en|Sweat of the brow}} (著作物の内容や特性の如何に関わらず、著作者の労力の賜物である著作物を保護しようとする考え方) は否定されることとなった{{R|SfB-Ito}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=94–96}}。 |
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: 無方式主義を採用する国では、著作物を創作した時点で自然に著作権が発生する。そのため、創作者本人は著作権保護の対象内だと認識していても、第三者の目には創作性がないものと映り、認識にギャップが生じることがある。そしてこのギャップは、著作権侵害で提訴した時、あるいはUSCOに著作物を登録した時に初めて公となり、解消される。たとえば先述の「アタリゲームズ対オマーン裁判」では、[[アタリ (企業)|アタリ社]]がUSCOにゲームを登録しようとして申請を却下されたことから、当時のUSCO局長{{仮リンク|ラルフ・オマーン|en|Ralph Oman}}を提訴している。最終的にオマーン局長の判断は誤りだったとして、連邦控訴裁は当ゲームの著作物性を認めた{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81–82, 128, 190–191}}{{R|CaseText-AtariOman}}。 |
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: ファイスト判決やアタリ判決以外にも、創作性の線引きを巡って争われた判例が複数存在する。たとえば、ケーキ箱のラベルやプラスチックの花には創作性が認められた一方、言葉やフレーズの断片、スローガン、音楽のわずかな変奏などは創作性が否定されている{{Efn2|ケーキ箱のラベルはKitchens of Sara Lee, Inc. v. Nifty Food Corp., [https://openjurist.org/266/f2d/541/kitchens-of-sara-lee-inc-v-nifty-foods-corporation-a 266 F.2d 541], 545 (2d Cir. 1959)、プラスチックの花はPrestige Floral S.A. v. California Artificial Flower Co., [https://law.justia.com/cases/federal/district-courts/FSupp/201/287/1513752/ 201 F.Supp. 287] (S.D.N.Y. 1962) を参照のこと{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81, 127, 128}}。}}。 |
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;: (2) 著作物性は認められるが、著作権が発生しないもの |
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: 特許・著作権条項の「著作 (writings)」の文言から、著作物は何らかの媒体に固定 (fixation、fixed) されていなければならないと解されている。この固定要件とは、印刷物や録音・録画など何らかの媒体に記録されている必要があり (第102条)、固定されていない生の著作物は米国において法的保護の対象外となるという意味である{{Sfn|山本|2008|p=13}}。例えば、日米の大学間でインターネットを使って合同授業が行われており、それがライブ配信されただけでは、その授業内容は米国側では著作権保護されない{{Sfn|岡本|2003|p=14}}。多くの先進国で、著作権保護に固定要件は定められていないことから、米国著作権法の特徴ともいえる{{Sfn|山本|2008|p=13}}。固定の要件が判示されたケースとしては「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ゴールドスティン対カリフォルニア州政府裁判|ゴールドスティン対カリフォルニア州政府裁判]]」(1973年最高裁判決) が知られている{{Sfn|白鳥|2004|p=86}}。ただし未固定の著作物を保護しないのは連邦著作権法であり、別途、州法のコモンロー・コピーライトで保護されることもある点に注意が必要である{{Sfn|白鳥|2004|pp=34–35}}。 |
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: 加えて、たとえ固定要件を満たしていたとしても、[[アメリカ合衆国政府の著作物|合衆国政府の著作物]]には著作権保護が認められない ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section105&num=0&edition=prelim 第105条])。ただし、州政府などの地方自治体の著作物については、合衆国法典の規定の範囲外であり、各自治体で別途定められている。例えば[[オレゴン州]]や[[ジョージア州]]などでは、注釈付きの州法法令集は著作権保護の対象内だとしている{{Efn2|州法法令集の著作権を巡っては、ジョージア州対マラムッド裁判などが起こっている。2015年7月、ジョージア州は{{仮リンク|Public.Resource.Org|en|Public.Resource.Org}}の創設者でありオープンコンテンツ推進の活動家でもある{{仮リンク|カール・マラムッド|en|Carl Malamud}}を相手取り、著作権侵害でアトランタの連邦裁判所に提訴した。訴状によると、注釈付きのジョージア州法をマラムッド自身のウェブサイトに掲載した著作権侵害は「テロ行為」(terrorism) だとジョージア州は糾弾しているものの、両者の主張は対立している{{R|Malamud-LAT|Malamud-Eff}}。}}。 |
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;: (3) 著作物性が認められ、著作権が発生した後に消滅したもの |
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: 著作権の保護期間が切れた著作物が該当する。米国著作権法では過去に著作財産権の保護期間を2段階制にしており、最初の期限が切れる際に更新手続を行えば延長できた。しかしこの更新手続を怠ったことから、他者に無断で著作物を悪用されたケースもある。詳細は「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ダスター対20世紀フォックス裁判|ダスター対20世紀フォックス裁判]]」(2003年最高裁判決) も参照のこと{{Sfn|山本|2008|pp=102–104}}。 |
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==== 著作権の保護期間 ==== |
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{{For2|各国共通の総論|著作権の保護期間|現行の保護期間の比較|世界各国の著作権保護期間の一覧}} |
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著作財産権 (第106条) と著作者人格権 (第106A条) では保護期間が異なる。著作者人格権が米国著作権法で認められたのは1990年の改正時であり、当改正以降の創作された視覚芸術著作物については、著作者が死亡した年の暦年最終日までが保護期間となる。一方、当改正以前に創作された場合は、後述する著作財産権と保護期間は同一に設定されている。また、創作日がいつかに関わらず共同著作物の場合は、最長生存者の死亡年最終日まで著作者人格権が保護される ([https://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section106A&num=0&edition=prelim 第106A条(d)])。 |
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著作財産権については、原則は著作者の没後70年間が著作権の保護期間となる。しかし保護期間は数回の法改正により延伸していることから、現行法においては著作物の発行日が1978年1月1日 (1976年制定の著作権改正法の施行日) を境にして保護期間が異なるほか、様々な条件分岐が発生している。未発行または米国内で初めて発行された著作物 (但し録音物および建築物を除く) を例にとると、保護期間は以下となる{{R|Cornell-Duration}}。なお、「発行」については[[#著作物の発行の定義]]で、著作権表示や登録手続については[[#著作権保護の手続]]で後述する。 |
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; {{Visible anchor|1976年制定の改正法以前の法的スキーム (旧法) が適用される著作物(2023年1月1日現在)|旧法スキームでの保護期間}}{{Efn2|旧法では未発行の著作物、および既発行でも著作権表示や延長更新手続を怠った著作物は、著作権法の保護対象外であった。詳細は[[#著作権保護の手続]]も参照のこと。}}{{Efn2|name=DurationTableNote|下表の解説対象は未発行または米国内で初めて発行された著作物 (但し録音物および建築物を除く) に限る。録音物、建築物、ないし米国外で初めて発行された著作物の保護期間については、[https://copyright.cornell.edu/publicdomain コーネル大学ロースクールのホームページ]がまとめているため、あわせて参照のこと。}} |
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{| class="wikitable" style="width:51%; font-size:smaller" |
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! rowspan="2" style="width:15%" | 発行日 !! colspan="2" | 著作権表示あり !! rowspan="2" style="width:7%" | 著作権<br>表示なし |
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|- |
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! style="width:7%" | 更新手続あり !! style="width:7%" | 更新手続なし |
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|- |
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| 1927年12月31日以前 || {{n/a|PD}} || {{n/a|PD}} || {{n/a|PD}} |
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|- |
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| 1928年1月1日 - 1963年12月31日 || {{yes2|発95}} || {{n/a|PD}} || {{n/a|PD}} |
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|- |
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| 1964年1月1日 - 1977年12月31日 || {{yes2|発95}} || {{yes2|発95}} || {{yes2|PD}} |
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|} |
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旧法下で、全条件の著作物(録音物および建築物を除く)がPDとなる発行年は次の算式で求められる。 |
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(x年末にPDとなる著作物の発行最終年)=x-95 |
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例:2023年末にPDとなる著作物の発行最終年=2023-95=1928 |
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; {{Visible anchor|1976年制定の改正法以降の法的スキーム (新法) が適用される著作物|新法スキームでの保護期間}}{{Efn2|1976年制定の改正法が1978年1月1日より施行され、未発行著作物も保護対象となった他、著作権表示や登録などの手続が保護要件から外されたほか、著作権保護期間が全般的に延伸した。また[[著作権延長法|ソニー・ボノ著作権延長法]]によりさらに期間が延伸し、下表の状況に至る。詳細は[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)]] も参照のこと。}}{{Efn2||name=DurationTableNote}} |
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{| class="wikitable" style="width:52%; font-size:smaller" |
|||
! rowspan="3" style="width:8%" | 発行日{{Efn2|Copyright Act of 1976 (1976年制定の改正法) が1978年1月1日より施行、Berne Convention Implementation Act of 1988 (1988年制定のベルヌ条約実施法) が1989年3月1日より施行。}} !! rowspan="3" style="width:7%" | 創作日 !! colspan="3" | 実名著作物 !! colspan="3" | 実名著作物以外 |
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|- |
|||
! rowspan="2" style="width:6%" | 著作権<br>表示あり || colspan="2" | 著作権表示なし || rowspan="2" style="width:6%" | 著作権<br>表示あり || colspan="2" | 著作権表示なし |
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|- |
|||
! style="width:6%" | 事後登録<br>あり !! style="width:6%" | 事後登録<br>なし !! style="width:6%" | 事後登録<br>あり !! style="width:6%" | 事後登録<br>なし |
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|- |
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| rowspan="2" | 1978年1月1日 -<br>1989年2月28日 || 1977年以前 || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{no2|没70}} || {{n/a|PD}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{n/a|PD}} |
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|- |
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| 1978年以降 || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{n/a|PD}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{n/a|PD}} |
|||
|- |
|||
| rowspan="2" | 1989年3月1日 -<br>2002年12月31日 || 1977年以前 || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} || {{partial|旧法 or<br>2047末}} |
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|- |
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| 1978年以降 || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} |
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|- |
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| rowspan="2" | 2003年以降 || 1977年以前 || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} |
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|- |
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| 1978年以降 || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} || {{TBA|発95 or<br>創120}} |
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|- |
|||
| 未発行 || 不問 || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{no2|没70}} || {{free|創120}} || {{free|創120}} || {{free|創120}} |
|||
|} |
|||
; 凡例 |
|||
{| class="wikitable mw-collapsible" style="width:45%; font-size:smaller" |
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! style="width:8%; white-space:nowrap" | 凡例 !! style="width:37%" | 解説 |
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|- |
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| {{no2|没70}} || 著作者の没後70年間 |
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|- |
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| {{TBA|発95 or 創120}} || 発行から95年間、あるいは創作から120年間のいずれか短い方<br>(職務著作、変名著作、無名著作、著作者の死亡日不明など、実名著作で定めた「没後70年間」を適用できないため) |
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|- |
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| {{yes2|発95}} || 発行から95年間 |
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|- |
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| {{free|創120}} || 創作から120年間 |
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| {{partial|旧法 or 2047末}} || 旧法で規定の保護期間満了まで、あるいは2047年12月31日までのいずれか長い方 |
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|- |
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| {{n/a|PD}} || 保護期間が終了し、パブリック・ドメインに帰す |
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|} |
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1978年1月1日以降に創作された著作物に対しては、米国著作権法では一般的に著作者の没後70年までとされる。著作者が複数人いる場合は、最も生存の長かった者を基準とする。ただし、[[職務著作]]・無名著作 (著作者不明)・[[変名#著作権法上の変名|変名]]著作 (ペンネームや芸名などを使った創作)・著作者の没年不明の場合は、創作日から120年あるいは発行から95年のいずれか短い年数が適用される ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section302&num=0&edition=prelim 第302条])。 |
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1978年1月1日より前 (1977年12月31日以前) に創作された著作物の保護は、既発行と未発行で保護期間が異なる。未発行かつパブリック・ドメインにも帰していない場合は、上述の第302条と同期間が適用される。ただし、この未発行著作物が1978年1月1日から2002年12月31日の間に発行された場合は、2047年12月31日まで著作権の保護が認められる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section303&num=0&edition=prelim 第303条])。また、1978年1月1日より前に頒布していても、レコードに関しては既発行とはみなされない例外が設けられている (第303条)。 |
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1978年1月1日より前に創作された既発行著作物のうち、1978年1月1日時点で最初の保護期間中の場合は、28年間が認められる。また最初の保護期間が満了した後、一定の条件を満たせばさらに67年間更新延長できる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section304&num=0&edition=prelim 第304条]){{Efn2|ここでの「最初の保護期間」であるが、1976年制定の著作権改正法以前は、保護期間が28年 + 更新延長28年の2段階方式に設定されており、「最初」は前者を指している。最初の保護期間が満了した時点で著作者が生存していれば、更新延長が可能であった。}}。 |
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ただし、著作者の生死に関わらず、1923年12月31日以前に創作 (楽曲の場合は1922年12月31日以前に作曲) された著作物は、保護期間が消滅してパブリック・ドメインとみなされる{{R|Cornell-Duration}}。 |
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; 保護期間の計算方法 |
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米国著作権法の場合、保護期間の満了日は暦年の最終日とされる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section305&num=0&edition=prelim 第305条])。例えば1980年代に創作され、著作者が1990年9月1日に死去した場合、著作権の保護期間は死後70年のため2060年までであり、その暦年の最終日である2060年12月31日が満了日となる。日本の著作権法でも死後70年で満了の場合、死去日の翌年から起算して70年間のため、満了日は必ず暦年の最終日 (12月31日) に到来する{{R|Bunka-FAQ-Duration01}}。したがって米国と日本の満了日の計算方法は実質的に同じである。 |
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==== {{Visible anchor|著作物の発行の定義|著作物の発表の定義}} ==== |
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著作物の流通の観点からは、「既発行」(published) と「未発行」(unpublished) に分類され、著作権の保護範囲が異なる{{Efn2|{{Lang|en|publish}}は「発行」や「公表」以外に「発表」の日本語訳が充てられることがあるが、いずれにしてもどのような媒体・手段かは特に限定されない。}}。{{仮リンク|1976年の著作権改正法|en|Copyright Act of 1976}}(Copyright Act of 1976) が施行された1978年1月1日以降は、米国著作権法の連邦法でも未発行著作物が保護されるようになったが{{R|USCO-Circ15a}}、いまだに既発行と未発行では保護期間に差異がある。ここでの「発行」(publication, publish) の定義とは ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])、「著作物を複製 (copy) またはレコード収録 (phonerecord) し、一般に頒布すること」であり、「販売その他の手段による所有権の移転、レンタル、リースや貸与」が頒布の具体的手段として挙げられている。そして「更なる頒布、実演または展示を目的として、複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供することを発行と呼ぶ」としている。注意点として、「著作物を公に実演したり展示したりする行為そのものは、ここでの発行には含まれない」としている{{Efn2|第101条の原文は''"Publication" is the distribution of copies or phonorecords of a work to the public by sale or other transfer of ownership, or by rental, lease, or lending. The offering to distribute copies or phonorecords to a group of persons for purposes of further distribution, public performance, or public display, constitutes publication. A public performance or display of a work does not of itself constitute publication.''である{{R|17USC-101}}。}}。 |
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{{Anchors|インターネット上での発行の定義|インターネット上での発表の定義}} |
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著作物の多くがインターネットを介して流通している現代社会において、発行の境界線をどのように解すべきか、いくつかのアプローチがとられている。全米の著作権関連団体・企業などが参加する{{仮リンク|米国著作権連盟|en|Copyright Alliance}} (The Copyright Alliance) によると、公衆向けに流通・販売・展示する目的で、著作物が複製またはレコード収録された最初の日が、既発行と未発行の境目だとされる。既発行の著作物の場合、発行を起点として著作権の保護期間が計算される{{R|CA-Pub-Unpub}}。 |
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また{{仮リンク|米国メディア写真家協会|en|American Society of Media Photographers}} (ASMP) は、写真のデジタル画像をウェブサイトにアップロードした場合、発行に該当するのかについて回答を寄せている{{R|ASMP-FAQ}}。同協会によると、 |
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* 顧客に依頼されて撮影した写真をデジタルデータの形式で納品した場合、「複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供」に該当するため、発行とみなされる可能性がある |
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* 写真家個人が運用するウェブサイトにデジタル画像を掲載した場合、そのサイトが一般からアクセス可能な状態であれば発行とみなされ、またそのウェブサイト自体が写真だけでなく文章やイラストなどの著作物で構成されているため、ウェブサイト全体が著作権保護の対象となるだろう |
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と解説している{{Efn2|ただし個別ケースの判断においてはUSCOの''[https://www.copyright.gov/circs/ Circular]'' (手引書) を参照するよう推奨している。''Circular 66''では、ウェブサイトおよびそのコンテンツに関する著作権登録について記述されている{{R|USCO-Circular66}}。}}。 |
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==== 著作権保護の手続 ==== |
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1976年制定・1978年施行の著作権改正法により、USCOへの著作物の登録がなくとも著作権保護が与えられることとなった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section409&num=0&edition=prelim#sourcecredit 第409条])。しかし米国内で最初に発行された著作物に関し、著作権侵害などで民事訴訟を起こす際には、USCOへの登録が必要となる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section411&num=0&edition=prelim 第411条]){{Efn2|ベルヌ条約加盟国で最初に発行された著作物については、USCOへの登録は米国裁判所への出訴要件ではない{{Sfn|Leaffer|2008|pp=14–15}}。}}。登録申請にあたり、著作者名・住所、(無名または変名著作物の場合は) 著作者の国籍または住所、創作年と発行日・発行国などを著作権者は記入する必要がある (第409条)。これは無名・変名・職務著作物であるか否かや、最初の発行国が米国内であるか否かによって、著作権保護期間のカウント方法が異なるためである。USCO局長は提出された登録申請に基づき、著作権法が定める著作物でないと判断した場合は却下し、許可されたもののみ登録証明書を発行する ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section410&num=0&edition=prelim 第410条])。裏を返すと、著作権法の保護対象をUSCO局長が線引きしており、司法に対する越権行為ではないかとの懸念もあり、この「登録」の定義を巡って争われた裁判も数件存在する (「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判|ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判]]」、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#リード・エルゼビア対マッチニック裁判|リード・エルゼビア対マッチニック裁判]]」、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#フォース・エステート対Wall-Street.com裁判|フォース・エステート対Wall-Street.com裁判]]」も参照)。 |
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{{仮リンク|1988年のベルヌ条約実施法|en|Berne Convention Implementation Act of 1988}}(Berne Convention Implementation Act of 1988){{Efn2|name=Implementation1988|Implementationは実施ではなく履行の訳があてられ、「ベルヌ条約履行法」{{R|Rep-Berne-Kobayashi}}や「ベルヌ条約執行法」{{Sfn|白鳥|2004|p=62}}と記述されることもある。本項ではLeaffer著・牧野監訳の表記に従った{{Sfn|Leaffer|2008|p=14}}。}}の成立により、米国でも1989年から無方式主義が採用された結果、著作権保護の観点からは[[著作権マーク]]「©」 (マルC、Copyrightの意) または「℗」(マルP、レコードのPhonogramの意) や著作者名、発行年の表示は必須ではなくなった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section401&num=0&edition=prelim 第401条])。 |
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{{See also|著作権表示}} |
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USCOへの著作物の複製の納付は引き続き原則必要となっており、発行から3か月以内に行わなければならない。納付はコピー2部 (レコードの場合は発行に付属していた印刷物などの付属資料も) が求められている。ただし元々コピーが4部以下しか作成されていない著作物 (1点ものの絵画など) や、シリアルナンバーを付した限定リリース品などは納付の義務が免除されている。納付を怠った場合、著作物1点あたり250ドル以下の罰金が科される ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section407&num=0&edition=prelim 第407条])。 |
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==== {{Visible anchor|国際的な著作物への対応|国外への米国法の適用|第104条|国際著作物}} ==== |
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{{seealso|著作権の準拠法}} |
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著作物が国際的に流通する社会において、どこの国の著作物がどこで利用された場合に米国著作権法が適用されるのかが問題となる。米国著作権法では、既発行と未発行著作物で対応が異なる。未発行著作物の場合、著作者の国籍や現在居住地は不問で著作権の保護対象になる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section104&num=0&edition=prelim 第104条])。一方、既発行著作物は、以下6要件のいずれか1つ以上に該当すれば、米国著作権法が適用される (第104条)。 |
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# 発行初日の段階で、著作者の一人以上が「米国籍あるいは米国住民」、「条約加盟国の国民、住民、あるいは加盟国の政府機関などの主権者」、「無国籍者 (現在居住地は問わない)」のいずれかに該当する場合 |
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# 米国内で最初に発行されたか、あるいは発行初日の段階で条約加盟済の国で発行された場合 |
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# 音声レコーディングのうち、条約加盟国内で最初に録音完了したもの |
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# 絵画、図形または彫刻作品のうち、ビルなどの建造物に組み込まれている場合、あるいは建築著作物のうち、米国ないし条約加盟国内のビルなどの建造物に組み込まれている場合 |
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# 最初の発行者が[[国際連合]]もしくは国際連合の専門機関、または[[米州機構]] (OAS) の場合 |
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# 一定の条件下で、米国大統領の布告 (proclamation) によって保護すると指定された著作物 |
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国際著作物に対するこのような運用は、米国以外の著作権法でも見られることから、同一の著作物を巡って、同一の原告と被告が世界各国の裁判所で係争する事態が発生している。その代表例が「[[チャイヨー・プロダクション#概要|ウルトラマン裁判]]」である。本件では、日本、タイ、中国、米国でそれぞれ訴訟が起こり、異なる判決が出ている{{Sfn|小泉・田村他|2019|pp=212–213|ps=--河野俊行による解説執筆}}{{R|ToyoKeizai-Ultraman|HuffPo-Ultraman}}。 |
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=== 著作者と第三者の権利関係 === |
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ここからは、上述の著作物に対する諸権利を、誰が有するのかについて解説する。 |
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==== {{Visible anchor|著作者と著作権者の相違点|著作権者の定義|第201条|職務著作}} ==== |
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個人・団体を問わず著作権を有する者を「著作権者」と呼ぶが、米国著作権法では著作権が誰に帰属するのかを大きく3つに分けて定義している ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section201&num=0&edition=prelim 第201条])。第一に、著作物の著作者 (最初の作成者) が著作権者だとする「原始的帰属」 (Initial ownership) という基本的な考え方である。第二に、雇用主の命により業務の一環で従業員が著作物を作成した場合は、著作者である従業員個人ではなく雇用主が著作権者だとする「[[職務著作]]」 ({{Lang|en|Works made for hire}}、または{{Lang|en|Works for hire}}){{Efn2|職務著作のことを「法人著作」と呼ぶこともあるが{{R|BunkaCorporate}}、[[LLC|有限責任会社]] (LLC) などは[[法人]]ではなく[[組合]]であるため、法人以外の雇用主も包含する場合は、職務著作と呼ぶ。また、必ずしも正社員として雇用契約を交わしている関係ではなく、派遣社員や業務委託などのケースでも、職務著作が適用されうることから、法人著作よりも職務著作の方が広義である。}}の考え方である。第三に、個々の著作物を寄せ集めて作成・編纂された「集合著作物」である。複数の楽曲を収録した音楽アルバムや、複数のジャーナリストが寄稿して発行される雑誌などが集合著作物に該当する。集合著作物の著作権と、それを構成する個々の著作物の著作権は別個に存在する。 |
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特に職務著作における「従業員」や「職務」がどこまでを指すのかは国によって異なり、その定義が問題になる{{Efn2|たとえば、日本の著作権法では第15条の規定に基づき、委託や注文は除して、(派遣社員を含む雇用契約の関係にある) 従業員著作物のみを職務著作と定義している{{Sfn|山本|2008|p=78}}。またフランスでは、原則は個人 (自然人) のみ著作者として認められる (L113条-1){{R|LF-CPI-L113}}。そのため、著作物の創作を指示した雇用主あるいは発注主が著作権を有するには、個別の譲渡契約が必要となる (L111条-3、L131条-3){{R|LF-CPI-L111|LF-CPI-L131}}。ただし、1993年の判例でこの原則がフランスで覆され、法人も著作者として認める判決が出ている{{Sfn|井奈波|2006|pp=9–13}}。}}。たとえば、社外に業務を委託または注文して創作された成果物は、委託元 (発注者) と請け負って創作した者のどちらが著作権を有するかは、職務著作の定義に関わる。米国著作権法の条文上では、雇用契約の関係にある従業員だけでなく、一定の条件下で委託著作物も職務著作として認められている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。職務著作に関するリーディング・ケースとして「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#CCNV対リード裁判|CCNV対リード裁判]]」が知られている{{Sfn|山本|2008|pp=76–78}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=270–272}}{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|pp=254–256}}。 |
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{{Main|職務著作#アメリカ合衆国}} |
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==== {{Visible anchor|第三者への著作権の移転|移転|第201(d)条}} ==== |
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第106条で定められた排他的権利 (支分権) は、譲渡や独占[[ライセンス]]許諾、抵当設定、相続などによって著作者から第三者に[[移転 (著作権)|移転]] (transfer) することができる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section201&num=0&edition=prelim 第201条 (d)])。著作権の移転が効力を発するには、著作権者あるいはその代理人による署名付きの書面作成が必須となる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section204&num=0&edition=prelim 第204条])。この譲渡証書は任意でUSCOに登録することもできる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section205&num=0&edition=prelim 第205条])。 |
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移転は支分権全てである必要はなく、その一部のみ移転することが可能である。例えば、小説の作者が小説出版権 (原著作物の頒布権) を出版A社に売却し、小説の映画化権 (二次的著作物の作成権) を映画配給B社に売却するといったように、諸権利をバラバラに分解する行為も移転と定義される。また、独占ライセンスの許諾に有効期限を設定したり、その独占をある地域に限定したりするといった、時空を特定することも可能である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section201&num=0&edition=prelim 第201条])。ただし、米国著作権法上の移転の定義には、非独占ライセンス許諾は含まれない ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。また移転の対象に第106A条は含まれないことから、著作者が死去すると著作者人格権は第三者に継承できないと解される (第201条)。集合著作物、職務著作、およびライセンスを巡って争われた例として「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ウォーレン出版対スパーロック裁判|ウォーレン出版対スパーロック裁判]]」も参照のこと。 |
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==== {{Visible anchor|所有者の権利と消尽論|所有者の権利|第109条|消尽論}} ==== |
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米国著作権法の定める著作権者とは、著作物の排他的権利を有している者であって、排他的権利を行使して作成された実物の所有者 (購入者) とは分けて捉えられている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section202&num=0&edition=prelim 第202条])。所有者とは例えば、出版された書籍や音楽ダウンロードサービスで配信された楽曲を購入した消費者である。仮に小説を執筆した著作者がその小説を出版販売したとしても、小説の購入者が所有しているのは小説という実物の商品のみであって、小説の著作権まで購入したわけではないという意味である。 |
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複製された著作物の所有者は、著作権者の許諾なしで自由に所有物を売却処分することができる。つまり、著作権者の排他的権利は、複製された著作物の処分方法にまでは及ばずに消えることから、これを「[[消尽|消尽論]]」または「ファースト・セールス・ドクトリン」(The First Sales Doctrine) と呼ぶ{{Sfn|山本|2008|pp=88–89}}。ただし、録音物またはその録音物に含まれる音楽著作、あるいはコンピュータ・プログラムのコピー所有者が処分する際には、一部の例外を除き、著作権者の許諾が必要になる。また所有者は、著作物のコピーまたはレコード複製を使って、その場で一般の観衆向けに展示することができる。展示が許されるのは所有者であり、著作権者から著作物を貸与された場合は適用外となる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section109&num=0&edition=prelim 第109条])。レコードとコンピュータ・プログラムは特に貸し手側が違法にコピーして流通させ、著作権者の利益を損なう恐れがあることから、1994年の改正法で第109条に (b) 項を追加している{{Efn2|なお、WIPO著作権条約の第7条、およびRIPS協定の第11条と第14条第4項では、レコードとコンピュータに加えて映画の著作物についても貸与権を著作者に認めている。つまり、第三者が無断で貸与してはならないことを意味する。しかしながら米国著作権法上では、映画の著作物に関する貸与権の規定は存在しない{{Sfn|山本|2008|pp=19, 89–90}}。}}。消尽論を巡る裁判は、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#カートサン対ワイリー裁判|カートサン対ワイリー裁判]]」と「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#オメガ対コストコ裁判|オメガ対コストコ裁判]]」も参照のこと。 |
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=== 著作物の利用と著作権侵害 === |
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==== {{Visible anchor|フェアユース (総論)|第107条}} ==== |
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{{seealso|フェアユース|著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#フェアユース関連}} |
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著作物そのものはパブリック・ドメインに帰しておらず保護期間内であっても、一定の条件を満たしていれば著作者に無断で利用しても著作権侵害とはならない。その代表例が[[フェアユース|フェア・ユース]] (公正利用) である。 |
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フェアユースの利用シーンとしては「批評、解説、ニュース報道、教育、研究または調査」が例示されており、また最終的には「使用の目的・性質」(非営利の教育や[[パロディ]]による{{仮リンク|変形的利用|en|Transformativeness}}など)、「著作物の内容」、「量・質の両側面から著作物が使用された割合」、「使用によって著作物の市場価値にどの程度影響を及ぼすか」などを考慮して総合して判断される{{Sfn|作花|2018|p=854}}{{Sfn|山本|2008|pp=113–114}}。条文ではincludingやsuch asといった表現が使われていることから、これら利用シーンや考慮点はあくまで例示である点に留意が必要である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section107&num=0&edition=prelim 第107条]){{Efn2|用語の定義が記された第101条において、''"The terms "including" and "such as" are illustrative and not limitative."'' (includingやsuch asといった表現は例示であり、例以外を排除するものではない) と記されている{{R|17USC-101}}。}}。 |
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これら4基準のうち、特に第1基準の変形的利用、および第4基準の市場代替性が重視される傾向にあると指摘されている{{Sfn|作花|2018|p=854}}。第1基準で商用目的であったにもかかわらず、同じく第1基準の変形的利用が優先して認められた結果、フェアユース判定となった「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#キャンベル対エイカフ・ローズ・ミュージック裁判|キャンベル対エイカフ・ローズ・ミュージック裁判]]」(1994年最高裁判決) などが知られている。本件は映画の主題歌『''[[オー・プリティ・ウーマン|Oh, Pretty Woman]]''』のパロディ曲を巡る争いである{{Sfn|白鳥|2004|p=219}}{{Sfn|作花|2018|p=875}}。 |
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==== {{Visible anchor|フェアユース以外の個別規定|第108 - 122条}} ==== |
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第107条のフェアユースとは別に、特定条件下で著作権者の排他的権利に制限がかかり、利用が緩和・促進されている条項が複数ある (第108条 - 第122条)。例えば、図書館や文書資料館による複製は公共の利益目的であり、著作権侵害に該当しないとされている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section108&num=0&edition=prelim 第108条])。またコンピュータ・プログラムにも著作権が認められるが、そのプログラムのコピー所有者が著作者に無断で新たにコピーまたは翻案物 (adaptation) を作成する場合、一定の条件を満たしていれば著作権侵害とならない。その条件とは、コンピュータ・プログラムを内蔵した機械・端末を生産する目的であり、それ以外に転用されないこと、あるいは保存目的で更なるコピーまたは翻案物を作成し、所有者が所有権を喪失した時点で廃棄することの2点である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section117&num=0&edition=prelim 第117条])。 |
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==== 著作権侵害と救済手段 ==== |
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{{seealso|著作権侵害}} |
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{{Tree list}} |
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* 著作権者の排他的権利 (第106条など) を侵害した者に対し取りうる手段は、以下のように分類される。 |
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** [[民事訴訟]] ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section501&num=0&edition=prelim 第501条]) |
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*** [[差止命令]] ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section502&num=0&edition=prelim 第502条]) |
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**** 一時的差止命令 |
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**** 終局的差止命令 |
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*** [[差押]]および処分 ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section503&num=0&edition=prelim 第503条]) |
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*** [[損害賠償]] ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section504&num=0&edition=prelim 第504条]) |
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**** 現実損害賠償 |
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**** [[法定損害賠償#アメリカ合衆国|法定損害賠償]] |
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*** 訴訟関連費用の補償 ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section505&num=0&edition=prelim 第505条]) |
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** [[刑事手続]] ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section506&num=0&edition=prelim 第506条]) |
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*** 著作権侵害罪 (懲役または罰金) |
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*** 没収・破棄・返還 |
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{{Tree list/end}} |
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==== 民事訴訟 ==== |
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権利を侵害された被害者 (著作権者) は、請求権が発生してから3年以内であれば民事訴訟を起こすことが可能である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section502&num=0&edition=prelim 第507条])。裁判は長期化することもあるため、短期的な救済として差止命令、差押や処分を被害者は裁判所に請求し、さらなる侵害を食い止めることができる (第502条、第503条)。差止命令とは侵害者の行為を止めさせる裁判所命令であり、米国全域で効力を発揮する。換言すると、差止命令の法的強制力は米国外には及ばないことを意味する。差止命令の法的根拠と手続については、合衆国法典第28編 (各種[[訴訟法]]) の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title28-section1498&num=0&edition=prelim 第1498条] (特許権および著作権) に定められている。また、著作物を違法に複製している場合などは、その複製物を差し押さえるだけでなく、複製のために用いられる版木やテープといった手段も廃棄処分できる (第503条)。 |
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金銭的な賠償として、被害者は現実損害賠償あるいは法定損害賠償を選択できる。現実損害賠償の場合、被害者が被った現実損害の額と、著作権侵害者が得た利益の総額で算出される。被害者は侵害者の総収入のみ立証責任がある。総収入のうち、著作権侵害以外から得た収入などがある場合は、侵害者側の申告で初めて控除され、現実損害賠償額が最終決定される (第504条)。 |
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一方、法定損害賠償を選択した場合、著作物1点あたり、原則は750ドル以上3万ドル未満で裁判所が賠償金額を決定する。原著作物を用いて作成された編集著作物や二次的著作物も著作権侵害を被った場合、著作物1点あたりの賠償単価が上乗せされることはあっても、「著作物1点」がダブルカウントされるわけではない (第504条)。また、著作権侵害が故意だと認められた場合は、賠償単価の上限が3万ドル未満から15万ドル未満まで増額される。逆に侵害者が知らずに侵害していた場合は、賠償単価の下限が750ドル以上から200ドル以上まで減額される{{Efn2|「侵害者が知らずに」の例として、第107条{{R|17USC-107}}のフェアユースが挙げられている。侵害者は自らの行為がフェアユースだと信じていて、かつその侵害者が非営利の教育機関、図書館、資料館、あるいは公共放送事業者であった場合、減額される (第504条{{R|17USC-504}})。}}。 |
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損害賠償に加えて、民事訴訟に要した費用も請求できる。具体的には提訴に要する諸手続の費用の他、雇用した弁護士への報酬支払額も補償の対象となる (第505条)。 |
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「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#キャピトル・レコード他対トマス・ラゼット|キャピトル・レコード他対トマス・ラゼット裁判]]」(2012年第8巡回区控訴裁判決) や「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ソニーBMG他対テネンバウム裁判|ソニーBMG他対テネンバウム裁判]]」(2013年第1巡回区控訴裁判決) などでは法定損害賠償の金額水準の妥当性を巡って争われた。個人が[[Peer to Peer]]で楽曲ファイルを無断シェアしたことから、総額150万ドルもの賠償を一個人に対して求める陪審意見もあり、個人・非商用の著作権侵害行為に対する[[デュー・プロセス・オブ・ロー|適正手続]] ({{Lang|en|due process}}) の観点から違憲性が主張された事件である{{R|BelmasShepard2016|Tenenbaum-Reuters|Tenenbaum-UH|page3=65–71}}。 |
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==== 間接侵害 (二次侵害) ==== |
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たとえば、一般ユーザがインターネットサービスを介して著作権侵害コンテンツを投稿・シェアすることがある。このような場合、直接的な責任は当該ユーザ個人が負うが、権利侵害の場や手段を提供したり、侵害行為を止めることができたにもかかわらず監督を怠ったインターネット関連事業者にも間接侵害 (二次侵害) の責任が発生するケースがある{{Sfn|白鳥|2004|pp=69, 188–194}}。以下では間接侵害について解説する。 |
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{{Tree list}} |
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* 著作権侵害を行った主体別の責任分類{{Sfn|白鳥|2004|p=69}}{{Sfn|山本|2008|p=230}} |
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** 直接侵害 |
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** 間接侵害 ({{仮リンク|二次侵害|en|Secondary liability}}、{{Lang|en|secondary liability}}) |
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*** {{仮リンク|寄与侵害 (著作権法)|label=寄与侵害|en|Contributory copyright infringement}} (または寄与責任、{{Lang|en|contributory infringement}}) |
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**** 狭義の寄与侵害{{Sfn|山本|2008|p=231}} |
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**** {{仮リンク|誘引侵害責任理論|en|Inducement rule}} (積極的誘引行為、{{Lang|en|inducing}}){{Sfn|山本|2008|p=231}} |
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*** {{仮リンク|代位責任|label=代位侵害|en|Vicarious liability}} (または代位責任、{{Lang|en|vicarious infringement}}) |
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{{Tree list/end}} |
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著作権法における「寄与侵害」とは、直接的に著作権侵害は行っていないものの、そのような侵害行為が起こりうると分かっていながら、誘発するような間接的な関与をしている場合である{{R|MEXT-WG6-4-1}}。つまり、第三者に著作権侵害を行うよう指示・そそのかす (法律用語で[[教唆]]という) か、または直接手は下していないものの著作権侵害に重大な「貢献」をしていれば、寄与侵害の責任を負うことになる{{Sfn|白鳥|2004|p=189}}。寄与侵害では、著作権侵害が実際に起こっていることを知っているケースだけでなく、知っていて当然であり合理的であろうと推定されるケース (擬制的認識、{{Lang|en|constructive knowledge}}) も含まれる{{R|MEXT-WG6-4-1}}{{Sfn|白鳥|2004|p=192}}。 |
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一方「代位侵害」とは、侵害行為を行わないよう監督責任・権限を有する者が、その義務を怠った結果、侵害が発生した場合である{{R|MEXT-WG6-4-1}}。寄与侵害とは異なり、侵害行為の認識の有無は問われないが、代わりに権利侵害によって直接の経済的な利益を得ていることが責任成立の要件となる{{R|MEXT-WG6-4-1}}{{Sfn|白鳥|2004|p=191}}。「代位」とは、最も分かりやすいのが従業員と雇用主の関係であり、服務中に従業員が著作権侵害を行えば、雇用主にも代位責任がおよぶ。ただしこの「代位」の概念は、英米法における[[代理#英米法での特徴|代理法]]に基づいており{{R|MEXT-WG6-4-2}}{{Efn2|代理法については{{仮リンク|アメリカ法律協会|en|American Law Institute}} (ALI) が発行する第3次[[リステイトメント]]に詳細定義されているため、参照されたい{{R|Agency-UH|page1=1}}。}}、雇用主 (使用者) だけでなく信託や組合といったあらゆる個人・法人の信認関係 ({{Lang|en|fiduciary relation}}) を有する代理人 (エージェント) 全般に適用される{{R|Agency-UH|page1=1–2}}。 |
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寄与侵害や代位侵害のリーディングケースとしては、通称「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ソニー・アメリカ他対ユニバーサル・シティ・スタジオ他裁判|ソニー・ベータマックス判決]]」(1984年最高裁判決){{Sfn|山本|2008|pp=112–113, 231}}{{Sfn|白鳥|2004|p=40}}や通称「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#A&Mレコード他対ナップスター裁判|ナップスター判決]]」(2001年第9巡回区控訴裁判決){{Sfn|山本|2008|p=232}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=201–206}}、通称「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)|チェリー・オークション判決]]」(1996年第9巡回区控訴裁判決){{Sfn|山本|2008|p=232}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=191, 194}}が知られている。ソニー・ベータマックス判決では、(特許法とは異なり) 著作権法上では寄与侵害や代位侵害が明文化されていないものの、第三者に責任を負わせる正当性を認めている{{Sfn|山本|2008|p=231}}。ナップスター訴訟では、[[Peer to Peer]]の通信環境下で個人が楽曲を無断シェアしたことから、ファイルシェアの場を提供し、著作権侵害のアクセスを停止するなどの監督責任を怠ったとして、ナップスター社に寄与侵害と代位侵害が認められている{{Sfn|白鳥|2004|pp=201–206}}。チェリー・オークション訴訟はフリーマーケットで著作権侵害の海賊版が販売されていた事件だが、販売していた出店者 (直接侵害者) だけでなく、場貸ししていたフリーマーケット開催者にも寄与侵害が認められた{{Sfn|山本|2008|p=232}}。 |
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{{Anchors|ノーティス・アンド・テイクダウン|インターネット関連事業者への免責}} |
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ただし無限の間接侵害を認めているわけではなく、1998年制定・施行の[[デジタルミレニアム著作権法]] (DMCA) によって著作権法が改正され、著作権侵害がインターネットを介して行われた場合、その通信環境を提供した[[インターネットサービスプロバイダ|インターネットサービスプロバイダー]] (ISP) またはオンラインサービスプロバイダー (OSP)、あるいは[[検索エンジン]]などの[[キャッシュ (コンピュータシステム)|データキャッシング]]事業者各社は、一定の条件下で損害賠償を免責されることとなった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section512&num=0&edition=prelim 第512条])。第512条はいわゆる[[セーフハーバー条項]]とされ{{Efn2|法学におけるセーフハーバー (safe harbor、安全な港) とは、ある一定条件下での行為であれば違法ではないとする例外規定のことである。例えば土地の所有者に対して、土地面積を計測して報告する義務を課す州法が新たに成立したとする。後に報告された面積が実態と乖離していたら、罰金を科すのを原則とする。ただしこの乖離が計測器の不備や外部委託業者の不手際で生じた場合、土地所有者に対する罰金は免ぜられる。このような免責をセーフハーバー条項と呼ぶ{{R|Cornell-SafeHarbor}}。}}、「ノーティスアンドテイクダウン手続」({{Lang|en|notice and takedown}}) や「DMCA通告」などと呼ばれている{{Efn2|name=NTD|DMCAのnotice and takedown (take down、またはnotice-takedown-putbackと綴ることも) は「ノーティスアンドテイクダウン手続」(日本の[[総務省]]){{R|SoumuWG2011|1p=1}}{{Sfn|山本|2008|p=141}}、「DMCA通知」([[Amazon Web Services]]){{R|AWA}}、「DMCA通告」(オンラインメディア [[TechCrunch]]){{R|TC-DMCA-2008}}などがあり、呼称は統一されていない。}}。第512条が1998年に新設される以前は、インターネットサービス事業者が直接侵害の責任を負う判例と、間接侵害のみと解される判例が混在していたが、第512条によって間接侵害に責任範囲が留まることとなった{{Sfn|山本|2008|p=113}}。 |
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{{For2|インターネット関連事業者の免責が問われた判例|デジタルミレニアム著作権法#判例}} |
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なお、2020年5月に公表された[[アメリカ合衆国著作権局|著作権局 (USCO)]] の調査報告書によると、著作権侵害でDMCA通告 (削除依頼) をオンラインサービス事業者が受け付ける件数は、日次で100万件を超えると見られている{{R|USCO-Study2020Top}}。 |
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==== 刑事手続 ==== |
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{{See also|en: Criminal copyright law in the United States}} |
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被害者による民事訴訟以外に、警察や検察が刑事事件として手続を執る場合がある。著作権侵害罪として刑法上で扱われるのは、(1) 故意で商業的あるいは私的利益を目的とした場合、(2) 過去180日以内に総額1000ドル超の市場価値を有する複製または頒布を行った場合、(3) 商業的な目的でインターネット上で著作物を頒布した場合の3条件のいずれかに該当する場合である。 |
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総額2500ドル超の市場価格を有し、10点以上を複製または頒布した場合を例にとると、初犯は懲役5年以下または25万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に処せられる{{R|Justia-Criminal}}。同条件で再犯の場合は懲役10年以下または25万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に引き上げられ、さらに常習犯の場合は刑が重くなる。一方、軽犯罪の場合は懲役1年以下または10万ドル以下の罰金に軽減される。また、デジタルミレニアム著作権法施行による改正により、{{仮リンク|技術的保護手段の回避禁止|en|Anti-circumvention}}が盛り込まれた。その結果、[[コピーガード|コピーコントロール]]や[[アクセス制御|アクセスコントロール]]を回避・解除して著作権を侵害した場合は、初犯でも懲役5年以下または50万ドル以下の罰金 (あるいはその両方)、再犯の場合は懲役10年以下または100万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に処される{{R|Justia-Criminal}}。 |
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これらの懲役・罰金に加え、合衆国法典第18編 ([[刑法]]および[[刑事手続|刑事訴訟法]]) の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title18-section2323&num=0&edition=prelim 第2323条] で定められた方法に従って、没収・破棄・返還を行うことができる。また他者を欺く目的で偽りの著作権表示を行ったり、そのような[[詐欺罪#欺罔行為|欺罔]]的な表示の複製品を頒布・輸入したり、著作権表示自体を除去したり、偽りの著作権登録申請を行った場合は、それぞれ2500ドル以下の罰金に処せられる。 |
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侵害が発生してから5年以内であれば検察による刑事訴訟の着手は可能で、その手続の詳細は合衆国法典第18編の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title18-section2319&num=0&edition=prelim 第2319条] (著作権侵害) に定められている。 |
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なお、日本を含む[[環太平洋パートナーシップ協定]] (TPP11) 締結各国は{{R|MOFA-TPP-InForce}}、2018年12月に発効した同協定に基づいて著作権侵害の「非親告罪化」のための国内法手続を進めている{{R|Bunka-TPP-InForce}}。[[親告罪]]とは、被害者本人あるいは法で定めた者 (法定代理人、親族など) からの[[告訴・告発|告訴]]がない限り、刑事訴訟に至らない犯罪を指す。これを非親告罪化することはすなわち、著作権者の告訴がなくても刑事手続に踏み切れることになる{{R|Bunka-TPP-Notice}}。しかし米国はTPP 12交渉から途中離脱したため{{R|TPP-Dropout}}、非親告罪化を合衆国法典上で明文化する必要はなくなった。 |
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ただし合衆国法典では元々、著作権侵害罪が親告罪だとも明文化されていない。これは、著作権法第107条で包括的なフェアユース条項を有する米国では、一定条件を満たせば著作権侵害とみなされないため、刑事事件として非親告罪を認めても、実質的な問題に発展しづらい土壌の違いが指摘されている{{R|CriminalComplaint-FairUse}}。 |
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{{Seealso|日本の著作権法における非親告罪化}} |
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=== 連邦著作権法と関連法の関係 === |
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ここまでは連邦法としての著作権法を解説したが、ここからは密接に関係するその他の法律を取り上げ、その関係性について見ていく。 |
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==== 州法との関係 ==== |
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{{Seealso|アメリカ法#連邦法と州法の関係}} |
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連邦法たる合衆国法典 第17編 (一般的に米国著作権法と呼ばれているもの) と州法による著作物の保護の間で矛盾が起きた場合、どちらが優先されるのか。これについては[[アメリカ合衆国憲法#第6条_(Article_VI)|合衆国憲法]] 第6編第2項の「{{仮リンク|連邦優位条項|en|Supremacy Clause}}{{R|Imai1957|page1=103}}」({{Lang|en|Supremacy Clause}}) が適用される{{Efn2|「最高法規条項」とも呼ばれる{{Sfn|白鳥|2004|pp=4–5}}}}。これに関連する判例としては、1964年最高裁判決「{{仮リンク|シアーズ・ローバック対スティフル裁判|en|Sears, Roebuck & Co. v. Stiffel Co.}}」({{ussc|376|225}} (1964)){{Sfn|白鳥|2004|pp=6–7}}や1989年最高裁判例の「{{仮リンク|ボニート・ボーツ対サンダー・クラフト・ボーツ裁判|en|Bonito Boats, Inc. v. Thunder Craft Boats, Inc.}}」{{Sfn|白鳥|2004|p=7}}{{Sfn|山本|2008|pp=157–158}}がある。 |
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しかし州法が完全に否定されているわけではなく、連邦法で著作物性がないとして保護の対象外になっているもの (法的保護の想定外) を、州法で追加保護することは認められている{{Sfn|白鳥|2004|pp=7–8}}。たとえば[[#著作物の定義]]で述べたとおり、連邦法で守ることができる著作物には、何らかの媒体に固定されていること、また創作性が必要であることが合衆国憲法の特許・著作権条項から解釈されている。しかし、未固定の著作物を州法で権利保護している州が一部ある。特に、未発行の著作物に対する複製権と頒布権の保護を「コモンロー・コピーライト (common law copyright)」と呼び、未発行の著作物が連邦法で十分カバーされていない場合でも、州法で保護されることがある{{Sfn|山本|2008|pp=37–38}}{{Sfn|Leaffer|2008|p=49}}。 |
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[[カリフォルニア州]]の民法典を例として取り上げると、その第980条で実演や演説などの未固定著作物も保護している。また同法典の第985条では、書簡その他の私信 (手紙) などは、その作成者の意に反して書簡の受領者が発行してはならないとされる。さらに、同法典の第982条によると、純粋美術の原作品を著作者が第三者に譲渡した場合であっても、譲渡契約書で特段の定めがない限りにおいて、著作者は複製権を持ち続ける。逆に芸術作品の著作権のみを譲渡した場合は、第988条の規定に則り、原則として著作者に作品の所有権は残る。加えて、その美術作品が販売された場合、かつ売り主がカリフォルニア州住民であるか、売買がカリフォルニア州で行われた場合は、その売買代金の5%相当を売り主から著作者に支払う義務が第986条で規定されている{{Sfn|山本|2008|pp=37–38}}。なお、美術作品の売買代金の一部を著作者が受け取れる仕組みを「[[追及権]]」と呼ぶ。2013年時点で世界76か国が追及権制度を導入済であり、特に[[欧州連合]] (EU) は2001年に{{仮リンク|追及権指令|en|Resale Rights Directive}}を成立させたことから、EU加盟国すべてが追及権を国の著作権法などで保障している{{R|Bunka2018-Ogawa}}。 |
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==== 近接する各種連邦法との関係 ==== |
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[[File:Copyright IdeaExpDivide Ja.png|米国ではアイディアとその表現を3階層に分類し、著作権法で保護すべき創作物の対象を絞っている。|thumb|400px]] |
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連邦法だけをとってみても、著作権とは[[知的財産権]]の一種であることから、以下のように著作権の姉妹にあたる法律が複数存在する{{Sfn|山本|2008|pp=11–12}}。 |
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{{Tree list}} |
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* 知的財産権の一般的な分類方法{{Sfn|岡本|2003|p=5}}{{Sfn|木棚|2009|p=4}} |
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** 著作権 |
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*** 著作者本人の権利 (狭義の著作権) |
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**** 著作財産権 (最狭義の著作権。著作者の財布を守る権利) |
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**** 著作者人格権 (著作者の心を守る権利) |
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*** 著作隣接権 |
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** [[産業財産権]] |
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*** [[特許権]] |
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*** [[商標権]] |
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*** [[意匠権]] |
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** その他 |
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*** [[回路配置利用権]] |
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*** [[育成者権]] |
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*** ...など |
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* 知的財産権以外の関連法 |
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** [[反トラスト法]] (独占禁止法){{R|BunkaRep2016}} |
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** 合衆国憲法 |
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*** 特許・著作権条項 (第1条第8項第8条) |
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*** 州際取引条項 (第1条第1項第3号) |
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*** 表現の自由 ([[権利章典_(アメリカ)#修正第1条|憲法修正第1条]]) |
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** ...など |
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{{Tree list/end}} |
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これら姉妹法と著作権法は補完関係にあるわけだが、何らかの権利侵害が起こった時に具体的にどの法律が適用されるのかを切り分ける必要が出てくる。この問題は米国に限らず世界共通的に「[[アイディア・表現二分論]]」の法理に基づき、切り分けを行っている。しかしながら、著作権法以外の各法の守備範囲も各国で異なることから、同じ法理を用いても著作権法で保護される対象が国によって大きく異なることがある{{Efn2|たとえば応用美術・実用品デザインにおいて、意匠法 (意匠特許) など別の法律で保護する、あるいは著作権法と二重で保護する米国に対し、フランスでは著作権法で保護される実用品デザインの幅が広い{{Sfn|Goldstein & Hugenholtz|2013|p=215}}。}}。 |
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{{Main|アイディア・表現二分論#各国の相違点まとめ}} |
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米国著作権法では著作者人格権の保護対象が狭い、と他国から批判を受けている。しかしこれに対し米国は、著作者人格権のうち、ベルヌ条約が求めている同一性保持権 (著作者に無断で内容を改変されない権利) と氏名表示権 (著作物を発行する際に、実名・変名・無名など著作者名の表記を選択できる権利) の2点については{{Efn2|著作者人格権の一部である同一性保持権と氏名表示権については、ベルヌ条約発効時の原条約には含まれていなかったものの、1928年のローマ改正時に追加となっている{{Sfn|山本|2008|pp=9–19}}。}}、米国内では著作権法ではなく、{{仮リンク|ランハム法|en|Lanham Act}}で保護されていると解されている{{Sfn|山本|2008|pp=9–19}}。ランハム法とは、[[商標保護法|商標法]]に[[独占禁止法|不正競争防止法]]の要素を足した法律であるが{{Efn2|米国の商標保護は州法の不正競争法 {{Lang|en|Unfair competition law}} から発展した経緯がある。連邦法としての商標法は合衆国法典の第15編に収録されており、不正競争法の要素を含んでいる{{Sfn|白鳥|2004|pp=17–18}}。}}、純粋な産業財だけでなく、文化寄りの作品にも適用される{{Sfn|Leaffer|2008|pp=174–175}}。著作権法とランハム法の両方が問われた裁判として、[[ドワイト・D・アイゼンハワー|アイゼンハワー]]大統領による戦争回想録のテレビ番組を巡る「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ダスター対20世紀フォックス裁判|ダスター対20世紀フォックス裁判]]」も参照のこと。 |
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また、著作権と意匠権 (米国連邦特許法 [https://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title35-section171&num=0&edition=prelim 合衆国法典第35編第171条]) の関係を巡っては、応用美術 (工業デザイン) の領域で多くの判例が存在し、また法学的にも議論がなされてきた。このトピックにおけるリーディング・ケースが先述の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#メイザー対ステイン裁判|メイザー対ステイン裁判]]」である。このケースでは、卓上ランプという機能的な日用品には著作権上の表現性はないが、芸術表現性が認められるダンサー像がランプに飾られており、ダンサー像のデザインを物理的に分離可能であることから、この卓上ランプの模倣が著作権侵害に当たると連邦最高裁によって判示された。メイザー判決以前は、このような応用美術が意匠特許法だけでしか保護されないのか、それとも著作権法でも二重保護されうるのか判然としなかったが、メイザー判決によって二重保護が認められるようになった{{Sfn|Leaffer|2008|pp=164–166}}。 |
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==== 合衆国憲法との関係 ==== |
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主に合衆国憲法と著作権法の関係が問われるのは、特許・著作権条項 (合衆国憲法 第1条第8項第8条)、州際取引条項 (合衆国憲法 第1条第1項第3号)、表現の自由 ([[権利章典_(アメリカ)#修正第1条|憲法修正第1条]]) の3点である。 |
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;: 州際取引条項 |
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: TRIPS協定では、未固定の音楽実演の保護を第14条第1項で求めている。しかし先述の通り、特許・著作権条項に基づき、米国著作権法では固定された著作物しか保護されないと解されている。そこで、合衆国憲法第1条第1項第3号の「州際取引条項」に基づいて、米国著作権法の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section1101&num=0&edition=prelim 第1101条]で未固定の音楽実演の保護規定を追加し、TRIPS協定に対応している{{Sfn|山本|2008|p=19}}。この規定に従うと、たとえば音楽バンドのライブ演奏会場で、観客が無断でビデオ撮影し、そのデジタルファイルをインターネット上にアップロードする行為は禁止される。ただし、州際取引条項は米国内の州をまたぐ (または国をまたぐ) 行為にのみ適用されるため{{Sfn|山本|2008|p=32}}、仮に無断撮影したライブ音楽をCD-ROMに焼いて、どこかの州内に限って配ったり販売した場合には違法とはならない。 |
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;: 表現の自由 |
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: 憲法修正第1条は、メディアであれ個人であれ表現の自由を保障し、この自由を制限するような法律を連邦議会が制定してはならないと規定している{{R|Cornell-1stAmend}}。著作権は著作物という表現を著作者が独占できる権利であり、無断で第三者が利用できなくなるため、結果的に著作者以外の人々の表現の自由を抑制しうるため、行き過ぎた著作権保護は違憲だとの主張がなされることがある。たとえば、通称「ミッキーマウス訴訟」とも呼ばれた「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#エルドレッド対アシュクロフト司法長官裁判|エルドレッド対アシュクロフト司法長官裁判]]」は、著作権の保護期間を死後50年から70年に延長する1998年の改正立法 ([[著作権延長法|ソニー・ボノ法]]) が、表現の自由に抵触するとの訴えである{{R|Justia-Eldred}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=42–46}}。また、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ゴラン対ホルダー司法長官裁判|ゴラン対ホルダー司法長官裁判]]」では、パブリック・ドメインに帰していた外国著作物の権利を復活させた1994年の改正法により、著作物の自由な利用が妨げられるとして、憲法修正第1条の違憲性が問われた{{R|Justia-Golan}}。「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#電子フロンティア財団対米国政府裁判|電子フロンティア財団対米国政府裁判]]」では、[[デジタルミレニアム著作権法]]によって[[リバースエンジニアリング]]が禁止され、他者のアイディアから学んで表現する自由が奪われたと主張されている{{R|CL-EFF|EFF-Press2016}}。 |
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: これらの主張の背景には、米国が著作権保護にあたって「産業政策理論」を採っていることが挙げられる。産業政策理論とは、著作権によって一定期間に限って著作者や発明者を動機づけし、保護期間終了後は、その成果物を公衆が利用することで、公共の利益を達成しようとする考え方である。つまり、連邦議会が著作権者に与える独占的権利は、無制限でもなければ私的恩恵を与える目的でもない。競争の自由を阻害する市場独占権は悪であり、これに対する強い警戒心が米国の根底に流れていると指摘されている{{Sfn|山本|2008|pp=9–11}}。 |
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== 著作権管理サービス == |
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著作権者 (創作者) が排他的な権利を有したままでは著作物の社会利用の妨げになることから、著作権者と利用者を仲介する機能が求められる。この仲介を公的に果たしているのが[[アメリカ合衆国著作権局]] (略称: USCO) であり、米国著作権法によってその役割が規定されている ([https://uscode.house.gov/view.xhtml?path=/prelim@title17/chapter7&edition=prelim 合衆国法典第17編第7章])。主な業務は著作物の収集と登録、権利移転 (名義書き換え) である。これにより、誰がどの著作物の権利を有しているのかが可視化できる。著作権は財産の一部であることから、土地・建物のように自由に著作権を相続・売却・貸与できるため、移転の処理件数は多く発生している。 |
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また、民間の仲介機能としては[[著作権管理団体]]の存在が大きい。 |
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=== 合衆国著作権局 === |
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USCOは[[アメリカ議会図書館]]の一部局であり、議会図書館は連邦議会 (つまり立法府) の一組織である{{Efn2|日本の類似機能としては、[[文化庁]]著作権課 (前身は文部省文化局) がこれに該当するが、文化庁著作権課が行政府の一機能であるのに対し、USCOは組織定義上は立法府の一機関という差異がある。}}。これは元々、議会図書館が世の中の著作物を広く収集し、新たな法律の作成・改正の際の調査分析に役立てるために存在しているからである{{R|USCO-About}}。著作権者の名義登録が不要になった現在でも、著作物の納付が義務付けられているのはこのためである。2018年度の実績報告によると{{Efn2|米国政府のfiscal yearは暦年とは一致しておらず、2018年度とは2017年10月 - 2018年9月を指す。}}、議会や行政機関および一般からの議会図書館に対する問い合わせ件数は100万件を超える。また同年度のUSCOによる著作物の登録処理件数は56万件超、著作権者の移転処理件数は2万件超、著作物の登録申請のうち、96%は電子申請システム経由で提出されている。登録料収入は年3800万ドルに達している{{R|LOC-FY2018|USCO-About}}。 |
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ベルヌ条約の批准に伴い、無方式主義を米国も採用するようになったことから{{R|Rep-Berne-Kobayashi}}、著作権保護の観点ではUSCOへの著作物の登録は必須ではなくなった{{Efn2|ただし著作権侵害などで訴訟を起こす際には、米国籍の著作者あるいは米国で発行された著作物に限り、USCOへの著作物の事前登録が必要となる{{R|Rep-Berne-Kobayashi}}。}}。その反動で、著作物を利用したくとも許諾を求める相手が不明な著作物 (orphan works、直訳は[[権利の所在が不明な著作物|孤児著作物]]) が増加し、著作物の社会利用が妨げられるジレンマを抱えるようになった{{R|USCO-DigitalOrphanRep2015}}。 |
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さらにUSCOの責務は単なる管理業務に留まらず、著作権法のあり方に関して連邦議会に提言する立場にある{{R|LOC-FY2018}}。特に20世紀最大と言われる1976年の改正法は、USCO局長だった{{仮リンク|バーバラ・リンガー|en|Barbara Ringer}}が立役者と言われ{{R|Atlantic-Ringer|ChicagoTrib-Ringer}}、草案作成から議会へのロビイング、そして可決まで21年を費やしたとされる{{R|History-Act1976|Atlantic-Ringer|ChicagoTrib-Ringer}}。 |
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またデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づき、ノーティス・アンド・テイクダウン手続がインターネット事業者の免責として定められているが、その通報先と通報窓口担当者をUSCOのデータベースに電子登録する仕組みを2016年12月より導入した{{R|USCO-DCMADirectory}}。このようにUSCOは著作権者と利用者の利害調整として広範な役割を果たしている。 |
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=== 著作権管理団体 === |
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{{For2|著作権管理団体の総論|著作権管理団体|世界各国の著作権管理団体の一覧|:en: List of copyright collection societies}} |
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著作権管理団体は著作権者に代わって著作物の利用ライセンスを販売したり、ライセンス料を徴収・分配する集中管理・決済機能を果たしており、音楽や映画、出版など業界別に複数の団体が米国に存在する{{R|BunkaRep2016}}。単にUSCOに登録しただけでは、著作権者と利用者はN対Nの関係のままであり、利用許諾や利用料の徴収業務が多数発生して煩雑化してしまう。そこで、著作権管理団体が著作権者および著作隣接権者の窓口を担うことで、これが1対Nの関係となり、効率性が増す{{Sfn|岡本|2003|pp=188–191}}{{R|WIPO-CMO}}。ただし、著作権管理団体は巨額のライセンス権を取り扱うことから、[[アメリカ合衆国司法省|司法省]]の監督の元で[[反トラスト法]] (米国の独占禁止法) の規制が一部掛かっている{{R|BunkaRep2016}}。 |
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インターネットの普及に伴い、この構図が1対Nから1対1の関係にシフトする傾向が生まれた。つまり、権利者側の窓口が著作権管理団体なのに対し、利用者側の窓口をインターネットサービス事業者や携帯電話などの通信事業者が務める構図である{{Sfn|岡本|2003|pp=188–191}}。音楽業界を例にとると、[[Amazon Music]]や[[Spotify]]などが著作権利用料込みで一般ユーザに課金し、それを一括して著作権管理団体に支払うマネーフローである。これらインターネットサービス事業者の市場における存在感が増すにつれ、著作権者や著作権管理団体との利害衝突も発生している。これに関しては米国よりも欧州連合 (EU) が先行しており、2019年4月可決・同年6月施行の「[[デジタル単一市場における著作権に関する指令]]」に基づき、EU加盟国は国内法を整備する義務を負い、権利者サイドとインターネットサービス事業者サイドの利害調整と域内統一を目指している{{R|CMO-Reg-EU}}。 |
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{{See also|著作権法 (欧州連合)}} |
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== 法改正の歴史 == |
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{{Main|著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)}} |
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=== 米国内法の主な改正点 === |
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[[File:Joseph_Ferdinand_Keppler_-_The_Pirate_Publisher_-_Puck_Magazine_-_Restoration_by_Adam_Cuerden.jpg|他国の著作物を著者に無断・無償で自国で出版する''海賊出版社''の挿絵。1886年に風刺漫画雑誌{{仮リンク|Puck (雑誌)|label=''Puck''|en|Puck (magazine)}}に掲載。|thumb|300px]] |
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米国の著作権法は、世界初の本格的な著作権の制定法とも言われる英国の[[アン法]]の流れを汲み{{Sfn|白鳥|2004|pp=57–58}}{{R|Yu143}}、独自の米国連邦法としては初めて1790年に著作権法 (Copyright Act of 1790) が制定された{{Efn2|1790年以前も[[マサチューセッツ州]]、[[ペンシルベニア州]]、[[ニューハンプシャー州]]、[[コネチカット州]]、[[メリーランド州]]といった一部の州では[[アメリカ法#連邦法と州法の関係|州法]]レベルで著作権を成文化していた{{Sfn|松川|2014|pp=7–12}}。}}。その後、時代の変遷に合わせて多くの改正が重ねられているが、主な改正点は以下の通りである{{Efn2|"Act of 西暦年"となっているがこれらは法律の制定年であり、施行年ではない。例えばCopyright Act of 1976は1976年に連邦議会で可決されて制定されたものの、施行は1978年1月1日である。}}{{Efn2|「1976年制定の著作権法 (Copyright Act of 1976) が現行法である」との記述が一部見受けられるが、これは誤りである。1790年の初回立法以外はほぼ部分修正・加筆の改訂法であり、1976年制定の改正法もその後一部が上書きされている。米国連邦法は、まず連邦議会に法案 (Bill) が提出され、可決・承認されると制定法 (Act) になり、現行法に修正・加筆がなされて更新されるプロセスを経る。したがって、著作権法の現行法全量は主に合衆国法典第17編のことを指し、Copyright Act of 1976など初回立法以外のActには改正の差分しか含まれていない。}}。 |
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* {{仮リンク|1790年の著作権制定法|en|Copyright Act of 1790}} (Copyright Act of 1790) - 初の米国連邦法{{Sfn|白鳥|2004|p=48}}。著作権保護期間を14年 + 更新延長14年に設定{{R|1790Act-USCO}} |
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* {{仮リンク|1891年の国際著作権改正法|en|International Copyright Act of 1891}} (International Copyright Act of 1891またはThe Chase Act) - 米国外の著作物を対象とした米国内での権利保護を初めて規定{{Efn2|ただし米国内で外国著作物が保護されるには、米国内で製造されていることを要件としていた。これを「製造条項」({{Lang|en|manufacturing clause}}) と呼ぶ{{Sfn|白鳥|2004|pp=48, 138–139}}。この製造条項は「悪名の高い」規定とも評されている{{Sfn|山本|2008|p=36}}。製造条項は1909年に一部緩和され、英語の著作物については米国外で製造されていても一定の要件を満たせば暫定的に5年間の保護を米国内でも受けられるようになった。続く1952年の万国著作権条約加盟に伴い、同盟国の国民が創作した著作物については製造条項とは関係なく米国内で保護されるようになった。1976年法の第601条にも製造条項は残るが、英語で書かれた言語著作物 (演劇関連を除く) は米国あるいはカナダで製造されていることを求めている。その効力は1986年7月1日までに限定され、かつ著作者が米国民ないし米国内居住者ではない場合は、この製造条項は適用除外となっている{{Sfn|白鳥|2004|pp=138–139}}。}} |
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* {{仮リンク|1909年の著作権改正法|en|Copyright Act of 1909}} (Copyright Act of 1909) - 1790年法を全面改正。保護要件として発行と著作権表示を明文化した{{Efn2|1909年法によって発行を要件としたことから、以降は未発行は州法のコモンローで、発行済著作物は連邦法で保護する二元的制度が明文化された{{Sfn|白鳥|2004|pp=59–60}}。}}。著作権保護期間を28年 + 更新延長28年に改正{{Sfn|白鳥|2004|p=60}} |
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* {{仮リンク|1976年の著作権改正法|en|Copyright Act of 1976}} (Copyright Act of 1976) - 20世紀最大の改正。著作権保護期間を75年または著作者の死後から50年に改正。未発行の著作も保護対象化{{R|History-Act1976-2}}{{Sfn|白鳥|2004|pp=60–62}} |
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* {{仮リンク|1988年のベルヌ条約実施法|en|Berne Convention Implementation Act of 1988}} (Berne Convention Implementation Act of 1988またはBCIA){{Efn2|name=Implementation1988}} - 国際条約に合わせた米国内の著作権法改正 (無方式主義の採用など){{Sfn|白鳥|2004|pp=62–64}} |
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* {{仮リンク|1990年の視覚芸術家権利法|en|Visual Artists Rights Act of 1990}} (Visual Artists Rights Act of 1990またはVARA) - 視覚芸術著作物 (visual arts) に限定して著作者人格権の保護を初めて明文化{{Sfn|白鳥|2004|p=64}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}{{R|USCO-VARA}} |
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* [[著作権延長法|ソニー・ボノ法]] (Copyright Term Extension ActまたはSonny Bono Act){{Efn2|他に{{Lang|en|Sonny Bono Copyright Term Extension Act}}とも呼ばれる。略称はCTEAだが、日本語では「ソニー・ボノ法」の方が広く使われている模様である{{Sfn|白鳥|2004|p=42}}。}} - 1998年制定。著作権保護期間を出版から95年または創作から120年、または著作者の没後70年に改正{{Sfn|白鳥|2004|p=68}} |
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* [[デジタルミレニアム著作権法]] (Digital Millennium Copyright ActまたはDMCA) - 1998年制定。[[WIPO著作権条約]]および[[WIPO実演・レコード条約]]に則して、デジタル著作物に関する著作権侵害の罰則と免責を明確化{{Sfn|白鳥|2004|p=68}} |
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=== 国際化とデジタル化への対応 === |
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[[File:Wikipedia Blackout Screen.jpg|thumb|300px|2011年の[[Stop Online Piracy Act|オンライン海賊行為防止法案 (SOPA)]] などに反対し、英語版Wikipediaが2012年1月18日にブラックアウトで抗議{{Sfn|中山|2014|p=ii (第2版はしがき)|ps=-- Wikipedia以外にも[[Google]]、[[Amazon.com|Amazon]]、[[Facebook]]などが反対キャンペーンを行った。}}。]] |
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1790年の米国著作権法では、その権利保護の対象は米国籍の著作者であり、米国内に流通する著作物に限定されていた{{R|Hoern-Act1790}}{{Sfn|白鳥|2004|p=48}}。米国内では米国外の著作物が盛んに無断で複製され、その著作者に印税やライセンス料が入らない事態が発生していたことから、1800年から1860年代までは海賊版出版時代 (The Great Age of Piracy) と呼ばれていた。1870年代後半から大手出版社らが国際著作権保護支持に転じ、1891年に国際著作権改正法 (通称: チェース法) が成立した{{R|IIP-Sonoda-P3}}。なお、同時期の1887年には[[文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約|ベルヌ条約]]が発効しているが、米国は欧州への外交不干渉 (いわゆる[[モンロー主義]]) の立場から、原加盟を見送っている{{Sfn|山本|2008|p=17}}{{Efn2|name=Delay-in-Berne}}。 |
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20世紀最大の改正と言われるのが、1976年制定・1978年施行の改正法である。これにより国際水準からの遅れを取り戻し、1988年にベルヌ条約批准に至っている{{R|History-Act1976-2}}。この背景には、1970年代から80年代にかけての米国の貿易赤字問題がある。著作権や特許権などの知的財産権を国際水準で保護することで、米国企業の国際競争力を回復させる必要性があった{{Sfn|木棚|2009|p=79}}。また、1984年に米国が[[国際連合教育科学文化機関|UNESCO]]から脱退{{R|UNESCO-US-1984}}したことも、ベルヌ条約批准と関係している{{Sfn|Leaffer|2008|pp=15–15}}{{Sfn|白鳥|2004|p=53}}。当時の米国は[[万国著作権条約]]に加盟していたが、この条約がUNESCO管理 ([[寄託 (国際法)|寄託]]) であったことから、UNESCO脱退後に代替となる著作権条約に加盟し、著作権政策の国際的な発言権を維持・強化する必要があった{{Sfn|Leaffer|2008|pp=15–15}}。 |
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その後1990年代には、インターネットの普及に呼応する形で、国際社会がデジタル著作物の法的保護に取り組み始めた。1996年署名の[[著作権に関する世界知的所有権機関条約|WIPO著作権条約]]および[[実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約|WIPO実演・レコード条約]]を履行する目的で、米国ではいち早く1998年にデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) を成立させ、デジタル著作物に関する罰則と免責条件が明文化している{{Sfn|山本|2008|p=14|ps=--「米国は、どの国よりも早く、著作権法を情報社会に対応させている」}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=17–18}}。しかし著作権侵害が不明瞭でも「とりあえず削除」のインセンティブをインターネット事業者に与えうるとして批判は根強い。DMCA成立以降もデジタル著作物に関連する法案は連邦議会に多数提出されているが、2016年時点までに提出された主なデジタル著作権改正法案は全て廃案となった{{R|BunkaRep2016}}。 |
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DMCA以来の大型法改正としては20年ぶりにあたる2018年10月、音楽著作物に限定する形で{{仮リンク|音楽近代化法|en|Music Modernization Act}} (Music Modernization Act、略称: MMA) が制定されている。MMA成立の背景には、音楽[[ストリーミング|ストリーミング配信]]サービスの普及に伴い、楽曲の権利者とストリーミング配信事業者との間で訴訟に発展するケースが増えたことが挙げられる{{R|MMA-Blog}}。 |
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== {{Visible anchor|著作権侵害と紛争解決|司法判断}} == |
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[[File:US Court of Appeals and District Court map.svg|thumb|350px|第1審の連邦地方裁判所と第2審の連邦控訴裁判所の管轄地域図]] |
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著作権侵害を巡って、米国では毎年多数の訴訟が発生している。訴訟の場合は他の連邦法と同様、連邦著作権法も第1審の[[アメリカ合衆国連邦裁判所#地方裁判所|連邦地方裁]] (全国94か所)、第2審の[[合衆国控訴裁判所|連邦控訴裁]] (全国12地域の巡回区、および連邦巡回区)、第3審の[[合衆国最高裁判所|連邦最高裁]]によって裁かれる{{R|USCourtSystem}}。 |
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また訴訟以外の手段としては、[[裁判外紛争解決手続]] (通称: ADR) があり、米国以外の企業が著作権侵害の当事者の場合、ADRの[[仲裁#国際仲裁|国際仲裁]]が選ばれることもある{{Sfn|木棚|2009|pp=16–17}}。 |
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<!-- 欧州各国の統計データが見つからず、いったん断念。Intellectual Property Litigation Statisticsなどのキーワードで検索するも、特許だけの訴訟件数データばかり見つかる。どなたかデータを取得できたら追記お願いします。 --> |
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{| class="wikitable mw-collapsible" style="width:70%; font-size:smaller; text-align:right" |
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|+ style="font-size:larger" | 民事・行政訴訟件数の比較 (刑事訴訟は含まず、米国と日本は第1審新規受付のみ、中国は第1審および控訴審合計) |
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! 国 !! 訴訟内容 !! 2007年 !! 2008年 !! 2009年 !! 2010年 !! 2011年 !! 2012年 !! 2013年 !! 2014年 !! 2015年 !! 2016年 !! 2017年 |
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|- |
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! rowspan="3"| 米国<br>{{R|US-Lit-Stanford|SyracuseU}} |
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! 著作権 |
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| 3,930 || 3,199 || 2,178 || 2,387 || 2,627 || 3,432 || 3,976 || 4,304 || 5,161 || 約4,000 || -- |
|||
|- |
|||
! 特許権 |
|||
| 2,776 || 2,576 || 2,549 || 2,770 || 3,572 || 5,461 || 6,128 || 5,085 || 5,823 || -- || -- |
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|- |
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! 商標権 {{Efn2|name=US-JPComp|米国の{{仮リンク|ランハム法|en|Lanham Act}}は日本の商標法と不正競争防止法の要素を兼ね合わせた法律であることから{{Sfn|Leaffer|2008|pp=174–175}}、比較対象を揃えるため、日本の統計値にのみ不正競争防止の項目欄を表示している。}} |
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| 3,696 || 3,877 || 3,987 || 4,236 || 4,098 || 3,911 || 3,713 || 4,341 || 3,594 || -- || -- |
|||
|- |
|||
! rowspan="4"| 日本<br>{{R|JP-Lit-Soei|JP-Lit-Toben|JP-Lit-RIETI}} |
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! 著作権 |
|||
| 129 || 119 || -- || -- || -- || -- || 136 || 112 || 119 || 139 || 337 |
|||
|- |
|||
! 特許権 |
|||
| 156 || 147 || -- || -- || -- || -- || 164 || 182 || 154 || 142 || 158 |
|||
|- |
|||
! 商標権{{Efn2|name=US-JPComp}} |
|||
| 78 || 88 || -- || -- || -- || -- || 81 || 77 || 107 || 78 || 83 |
|||
|- |
|||
! 不正競争防止{{Efn2|name=US-JPComp}} |
|||
| 92 || 92 || -- || -- || -- || -- || 119 || 129 || 122 || 117 || 88 |
|||
|- |
|||
! rowspan="5"| 中国<br>{{R|CH-Lit-HL}} |
|||
! 知的財産権全体 |
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| -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || 約110,000 || 約140,000 || 201,039 |
|||
|- |
|||
! 著作権 |
|||
| -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || 137,267 |
|||
|- |
|||
! 特許権 |
|||
| -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || 16,010 |
|||
|- |
|||
! 商標権 |
|||
| -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || 37,946 |
|||
|- |
|||
! その他 |
|||
| -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || -- || 9,816 |
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|} |
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=== フェアユース採用の評価 === |
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{{See also|en: Limitations and exceptions to copyright}} |
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米国著作権法の第107条では、著作物を無断で利用しても著作権侵害に当たらないケースを抽象的・一般的な基準で定めた[[フェアユース]]の法理が採用されている{{Efn2|米国同様に英米法系の英国やインド、カナダなどでは、フェアユースに類似の{{仮リンク|フェアディーリング|en|Fair dealing}}を採用している。ただし、米国型フェアユースのように抽象的・一般的な基準ではなく、フェアディーリングは適用される利用目的が限定的な点に違いがある{{Sfn|作花|2018|pp=856–857}}。}}。一方、米国以外の国々では、米国型のフェアユースとは異なり、個別ケースを具体的に列挙する方式をとることも多く、米国との比較を通じて、フェアユース導入の是非が議論されている{{Sfn|Hugenholtz|2013|p=26}}。たとえば欧州連合 (EU) の場合、2001年の[[情報社会指令|EU情報社会指令]]により個別列挙を21ケースに限定し、さらにEU加盟国の国内法でこの21ケース以外を追加規定することを禁じている{{Sfn|Hugenholtz|2013|p=27|ps=--著者はこの21条件を「ショッピングリスト」({{Lang|en|shopping list}}) と評して揶揄している。}}{{Efn2|2019年6月に発効した[[DSM著作権指令]]により、新たに3ケースが追加された{{R|EUMag-201908}}。}}。しかし、フェアユースを導入している米国よりも、導入していない欧州の方が、インターネットを介した著作権侵害の件数が多いとの指摘がなされ (2013年時点での比較)、フェアユースの効用を評価する意見もある{{Sfn|Hugenholtz|2013|p=26}}。その一方で、たとえば[[Googleのサービス#検索機能|Googleサジェスト機能]] (オートコンプリート機能) が著作権法上の複製権侵害に該当するかについて、欧州各国の司法判断は分かれており{{Sfn|van der Noll|2012|p=12}}、社会的な公平性の観点からもフェアユース導入の是非が論じられている{{Sfn|Hugenholtz|2013|pp=27–28}}。 |
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フェアユースの法理を採用するかは、法的な安定性と柔軟性のどちらを重視するかに依存する。EUのように限定列挙すれば、著作権者にとっては著作財産権の価値が高まると同時に、著作物の創作のための投資と回収の見通しが立ちやすくなる。一方で米国のように一般的な基準を設け、個別判断は裁判所に任せることで、著作物の内容や流通経路といった社会的・技術的な変化にも対応しやすくなるメリットが考えられる{{Sfn|中山|2014|pp=395–397}}。日本においても、過去にはフェアユース導入に否定的だったが、現代のインターネットによる著作権侵害の技術的複雑化を受け、司法判断に委ねるべきだと見解を翻す識者がいる{{Sfn|中山|2014|pp=395–397}}。その一方で、著作権侵害のリスクをとっても起業し、問題が起これば事後的に司法で解決する米国のスタイルは、リスクテイクに慎重な日本の企業文化に馴染まないとして、日本版フェアユース導入への慎重論も根強い{{Sfn|小泉|2010|pp=170–172}}。 |
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=== 判例 === |
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{{Main|著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)}} |
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米国著作権法には多くの判例が存在するが、その一部を紹介する。特にフェアユース関連の判例が多い。 |
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; フェアユース関連 |
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フェアユース関連で世界的に注目された大規模裁判が、「[[全米作家協会他対Google裁判]]」である。[[Google ブックス|Googleブックス]]が著作者に無断・無償で書籍をデジタルスキャンして、インターネット上に公開する行為が著作権侵害かが問われた。当初は当事者間で和解交渉が進められていたが、和解によって逆にGoogleの電子書籍市場における独占が強まる恐れがあり、[[反トラスト法]] (独占禁止法) への抵触が指摘された。さらにGoogleブックスのスキャンした書籍が世界各地におよんでいたことから、諸外国の政府からも批判を受け、一時は外交・国際司法の問題も孕んでいた。裁判所も当初は著作権侵害を認めていたが一転し、最終的にGoogleのフェアユースを認める判決で11年後の2016年に終局した{{R|AG-vGoogle01}}。 |
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また、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#Oracle対Google裁判|Oracle対Google裁判]]」もフェアユースの動向を探るうえで注目されている。企業買収により、Oracleが[[Java]] [[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]の権利を獲得したが、Java APIがGoogle製のモバイル用OSである[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]に利用されており、OracleがGoogleを提訴している{{R|OracleGoogle-Patest|OracleGoogle-Diamond}}。Oracleは特許権と著作権侵害あわせて88億米ドル (約1兆円) の損害賠償を求めている。二審では原告Oracle有利の判示が出ているが{{R|OracleGoogle-Patest|OracleGoogle-Diamond}}、Googleは2019年1月、二度目の最高裁への上告受理申立て (certiorari) を行っている{{R|OracleGoogle-Harvard2019}}。 |
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; 国際的な準拠法関連 |
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交通、通信、人の移動などが活発化することで、ユビキタス性を有する知的財産を国際的に保護する必要性が叫ばれるようになった{{Sfn|木棚|2009|p=7}}。ユビキタス性とは、誰でもどこでもいつでも利用できる性質である{{Sfn|木棚|2009|p=22}}。 |
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このユビキタス性を象徴する判例として、一連の「[[チャイヨー・プロダクション#概要|ウルトラマン裁判]]」がある。特撮作品の『[[ウルトラシリーズ]]』の原作者・[[円谷英二]]が設立した[[円谷プロダクション]]が、同作品の独占的利用権を1976年に[[タイ王国|タイ]]企業の[[チャイヨー・プロダクション]]に譲渡していたかが問われた{{Sfn|小泉・田村他|2019|pp=212–213|ps=--河野俊行による解説執筆}}。譲渡書は日本国外すべての地域を対象としていることから、[[著作権の準拠法]]における不法行為地の観点から、訴訟が世界各国で展開された。日本の最高裁は2004年、譲渡書の筆跡鑑定などを行わないまま、原告の円谷プロダクション敗訴を下している。中国においても、円谷の敗訴。しかしタイ最高裁は2008年、譲渡書のサインが異なることから偽物だと判定し、円谷の勝訴となっていた。2018年、米国カリフォルニア州中央区地方裁は譲渡書が偽物だとして、円谷の勝訴となっている{{R|ToyoKeizai-Ultraman|HuffPo-Ultraman|CL-Ultraman}}。 |
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; 消尽論関連 |
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[[#消尽論|消尽論]]関連では、2013年最高裁判決の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#カートサン対ワイリー裁判|カートサン対ワイリー裁判]]」が知られている。[[タイ王国|タイ]]人留学生が、米国とタイで販売される同一の教科書の価格差に着目し、タイから逆輸入してオークションサイトの[[eBay]]で転売した事件である{{R|Wiley-CNN}}。2013年、二審の判決を覆す形で、最高裁はカートサン無罪の判決を下した。この判決により、米国の著作物が米国外で複製印刷・販売され、再び米国内に逆輸入した際にも、米国著作権法 第109条が定める消尽論が適用されることが判示された{{R|BunkaRep2016}}。 |
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; 著作者人格権関連 |
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米国内での保護水準が低いとされる著作者人格権に関しては、勝訴のレアケースとして「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#モンティ・パイソン対ABC裁判|モンティ・パイソン対ABC裁判]]」が挙げられる{{R|MoralRights-NEA}}。イギリスを代表するコメディ・グループによるテレビ番組『[[空飛ぶモンティ・パイソン]]』(英国[[BBC]]にて放送) が、米国[[アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー|ABC]]でも放送された際に一部内容が改変されたことから、原著作物の同一性保持権侵害が問われた裁判である。二審は1976年、編集カットによって[[モンティ・パイソン]]のブランドが毀損するとして原告勝訴の判決を下した{{R|Justia-Pythons|JetLaw-Pythons}}。なお、著作者人格権は狭義の[[#視覚芸術著作物|視覚芸術著作物]]に限定する形で、1989年に米国著作権法上で明文化されている。仮にこの改正以降に提訴していた場合、著作者人格権はテレビ番組には適用不可と判断され、敗訴していた可能性も指摘されている{{R|JetLaw-Pythons}}。 |
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=== 裁判外紛争解決手続 (ADR) === |
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{{See also|en: Arbitration in the United States}} |
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裁判所への提訴ではなく、仲裁を選択したケースとしては、「IBM対富士通事件」が知られている{{Sfn|木棚|2009|pp=16–17}}。 |
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1970年代当時の[[富士通]]は、[[IBM]]の互換機を安価に販売して業績を伸ばし、1979年頃には富士通が日本IBMを抜いて、日本のコンピュータ部門で売上トップになっていた。1982年、米国[[連邦捜査局|FBI]]の[[おとり捜査]]の結果、日本の[[日立製作所]]と[[三菱電機]]社員が逮捕される「IBM産業スパイ事件」が発生している。この事件後の1983年、富士通はIBMとの間で[[メインフレーム]]用[[オペレーティングシステム|OS]]に関する秘密協定を締結した。その内容は一部報道によると、協定前に富士通が出荷したIBMのOSは、富士通が高額の和解金と使用料を支払うことで出荷を継続すること、そして協定後に出荷するソフトウェアはIBMの権利に触れるものは認められず、富士通独自開発に限る、という2点だとされている。しかし協定締結後にもかかわらず、富士通の出荷にIBMの著作権に触れるものが含まれていたことから、1985年中頃、IBMは{{仮リンク|米国仲裁協会|en|American Arbitration Association}} (American Arbitration Association、略称: AAA) に仲裁を申し立てた。これに対し富士通側は、[[日本商事仲裁協会]]に仲裁の申し立てを行っている。その後、両社はAAAの仲裁委員会に紛争解決を付託し、1987年9月15日、AAAの仲裁委員会は仲裁命令の形で和解案を提示した。その内容は、富士通がIBMに対して和解金3億9593万ドルを支払ったうえで、免責・免除を受けるものであった{{Sfn|木棚|2009|pp=16–17}}{{R|TechNikkei}}。 |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
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{{notelist2|2}} |
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=== 出典 === |
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{{Reflist|3|refs= |
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<ref name=Movie-HistGraph>{{Cite web |title= Figure 5 - Real Cinema Box Office Revenue, Real Ticket Price and Number of Screens in the U.S., 1945-2002 |trans-title=グラフ5 - 米国の1945年から2002年における映画館の興行収入、チケット単価 (2002年ベースの物価指数で補正) および映画館スクリーン数の推移 |url=http://eh.net/encyclopedia/the-economic-history-of-the-international-film-industry/ |author=Gerben Bakker, University of Essex (Original data adapted from Vogel 2004 and Robertson 2001) |work=The Economic History of the International Film Industry |publisher=Economic History Services |accessdate=2019-03-31 |language=en}}</ref> |
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<ref name=MS-Founded>{{Cite web |title=Microsoft Corporation History |url=http://www.fundinguniverse.com/company-histories/microsoft-corporation-history/ |publisher=fundinguniverse.com |accessdate=2019-03-31}}</ref> |
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<ref name=Apple-Founded>{{Cite web |url=https://www.telegraph.co.uk/technology/apple/11507451/Apple-celebrates-39th-year-on-April-1.html |title=Apple celebrates 39th year on April 1 |last=Williams |first=Rhiannon |publisher=The Telegraph |date=2015-04-01 |accessdate=2019-03-31}}</ref> |
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<ref name=IIPA-Economy2018>{{Cite web |url=https://copyrightalliance.org/ca_post/copyrights-economy-2017/ |title=Copyright's Contributions to the U.S. Economy in 2017 |trans-title=2017年の米国経済における著作権市場の貢献度調査 |last=Siwek |first=Stephen E. |work=Copyright Industries in the U.S. Economy (19th edition) |publisher=International Intellectual Property Alliance (IIPA) |date=2018 |accessdate=2019-04-25 |language=en}}</ref> |
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<ref name=UMich-Rep-Act1976>{{Cite web |title=Copyright, Compromise and Legislative History |trans-title=著作権 - 妥協と改正立法の歩み |url=https://repository.law.umich.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1223&context=articles |format=PDF |Author=Jessica D. Litman ([[ミシガン大学]]ロースクール准教授) |quote=''Courts, however, have apparently found title seventeen an unhelpful guide. For the most part, they look elsewhere for answers, relying primarily on prior courts' constructions of an earlier and very different statute on the same subject. (中略)... Although the 1909 Act had been outmoded for a long time, various general revision bills introduced between 1924 and 1974 had failed.'' |date=1987 |accessdate=2019-04-05 |language=en}}</ref> |
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<ref name=AG-Act1976>{{Cite web |title=We helped bring U.S. copyright law into line with the rest of the world. - SOME SUCCESS STORIES |trans-title=成功事例紹介: 当団体は米国著作権法を国際水準に適合するよう改正をサポート |url=https://www.authorsguild.org/who-we-are/success-stories/ |quote=''For more than 100 years, the United States' copyright laws were out of sync with much of the world and with the Berne Convention, an international treaty. (中略)...an inadvertent error by an author or publisher could cause one's work to become part of the public domain forever in the U.S. and elsewhere in the world. '' |publisher=[[全米作家協会]] |accessdate=2019-04-05 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Civil-CommonLawComp>{{Cite web |url=http://www.fjc.gov/public/pdf.nsf/lookup/CivilLaw.pdf/file/CivilLaw.pdf |format=PDF |title=A Primer on the Civil-Law System |trans-title=大陸法制度の基礎 |last1=Apple |first1=James G. (Chief Interjudicial Affairs Office, Federal Judicial Center) |last2=Deyling |first=Robert P. (Judicial Fellow, Administrative Office of the U.S. Courts) |publisher={{仮リンク|連邦司法センター|en|Federal Judicial Center}} |accessdate=2019-08-13 |language=en |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130501215549/http://www.fjc.gov/public/pdf.nsf/lookup/CivilLaw.pdf/file/CivilLaw.pdf |archivedate=2013-05-01}}</ref> |
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<ref name=US-Lit-Stanford>{{Cite web |url=https://law.stanford.edu/wp-content/uploads/2016/07/Revised-Stanford-August-4-2016-Class-Presentation.pdf |title=IP Litigation in United States |last=Yoon |first=James C. (Wilson Sonsini Goodrich & Rosati) |publisher=[[スタンフォード大学]]ロースクール |date=2016-07 |format=PDF |accessdate=2019-08-15}}</ref> |
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<ref name=BloombergBNA>{{Cite web |url=https://www.bna.com/patent-copyright-lawsuit-n73014449878/ |title=Patent, Copyright Lawsuit Volumes Fall in 2016 |last=Nayak |first=Malathi |publisher=[[ブルームバーグ (企業)|Bloomberg]] BNA |date=2017-01-17 |accessdate=2019-05-13}}</ref> |
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<ref name=SyracuseU>{{Cite web |url=https://trac.syr.edu/tracreports/civil/483/ |title=Fewer Copyright Infringement Lawsuits Filed |publisher=[[シラキューズ大学]] |date=2017-09-29 |accessdate=2019-05-13}}</ref> |
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<ref name=Reuters-Ger-Google>{{Cite web |url=https://www.reuters.com/article/us-google-books-idUSN0149201520090901 |title=Germany: Google book deal violates copyright law |trans-title=ドイツ政府: Googleブックスの和解案は著作権法違反 |first=Diane |last=Bartz |publisher=[[ロイター通信]] |date=2009-09-02 |accessdate=2019-07-01 |language=en}}</ref> |
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<ref name=DW-Ger-Google>{{Cite web |url=https://www.dw.com/en/germany-calls-on-us-court-to-reject-google-book-settlement/a-4619278 |title=Germany calls on US court to reject Google book settlement |trans-title=Googleブックスの和解案を却下するようドイツ政府が米裁判所に要請 |publisher=DW.com |date=2009-09-02 |accessdate=2019-07-01 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Reuters-Fra-Google>{{Cite web |url=https://www.reuters.com/article/us-google-books-antitrust/judge-slaps-down-googles-digital-library-settlement-idUSTRE72L6D920110322 |title=Judge slaps down Google's digital library settlement |trans-title=Googleブックスの和解案を判事が却下 |first=Diane |last=Bartz |publisher=[[ロイター通信]] |date=2011-03-23 |accessdate=2019-07-01 |language=en |quote=The French government had opposed the deal but reached an agreement with Google in early 2010 to allow French works to be scanned without surrendering control of copyright. The German government opposes the deal. }}</ref> |
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<ref name=USC-Circ1a>{{Cite web |title=Circular 1a, United States Copyright Office: A Brief Introduction and History |trans-title=アメリカ合衆国著作権局: 組織紹介と著作権の歴史概説 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |url=http://www.copyright.gov/circs/circ1a.html |accessdate=2019-02-20 |language=en}}</ref> |
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<ref name=USCO-Circ15a>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/circs/circ15a.pdf |title=Circular 15a - Duration of Copyright |trans-title=手引書 15a号 - 著作権の保護期間 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=2011-08 |accessdate=2019-06-14 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Congress-BerneAct>{{Cite web |url=https://www.congress.gov/bill/100th-congress/senate-bill/1301 |title=S.1301 - Berne Convention Implementation Act of 1988 {{!}} 100th Congress (1987-1988) |trans-title=1988年制定のベルヌ条約実施法 {{!}} 連邦議会第100会期 (1987年-1988年) 上院にS.1301法案として提出 |publisher=アメリカ合衆国議会 |accessdate=2019-06-14 |language=en}}</ref> |
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<ref name=BerneConv-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Berne Convention > Paris Act (1971) (Total Contracting Parties : 187) |trans-title=ベルヌ条約 1971年パリ改正版加盟国数: 187 (閲覧時点) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ActResults.jsp?act_id=26 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-09-23 |language=en |quote=システムエラーにより16か国がダブルカウントされているため、正確には閲覧時点の加盟国数は171か国 (署名のみで批准未済のレバノンを含めると172か国) である。}}</ref> |
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<ref name=WIPO-Rome>{{Cite web |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=17 |title=Contracting Parties > Rome Convention (Total Contracting Parties : 93) |trans-title=加盟国一覧 > ローマ条約 (2019年6月閲覧時点で加盟国数: 93 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-04 |language=en}}</ref> |
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<ref name=JPCons-2019>{{Cite web|和書|title=日本国憲法 (昭和二十一年憲法) 第四章 国会 |url=https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION#116 |publisher=総務省 e-Gov |accessdate=2019-02-14}}</ref> |
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<ref name=GovTrack>{{Cite web |url=https://www.govtrack.us/congress/bills/statistics |title=Statistics and Historical Comparison {{!}} Bills by Final Status |trans-title=統計データの推移比較 {{!}} 法案の最終ステータス別 |publisher={{仮リンク|GovTrack|en|GovTrack}} |accessdate=2019-05-16 |language=en}}</ref> |
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<ref name=BerneConv-WIPO-1>{{Cite web |title=Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works |trans-title=文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/berne/ |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=RomeConv-WIPO-1>{{Cite web |title=International Convention for the Protection of Performers, Producers of Phonograms and Broadcasting Organizations (Authentic text) |trans-title=実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約 (公式条文) |url=https://wipolex.wipo.int/en/treaties/textdetails/12656 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-11 |language=en}}</ref> |
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<ref name=RomeConv-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Rome Convention (Total Contracting Parties : 93) |trans-title=ローマ条約の加盟国 (閲覧時点で93か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=17 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-11 |language=en}}</ref> |
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<ref name=GenevaPhoneConv-WIPO-1>{{Cite web |title=Convention for the Protection of Producers of Phonograms Against Unauthorized Duplication of Their Phonograms |trans-title=許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/phonograms/ |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=GenevaPhoneConv-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Phonograms Convention (Total Contracting Parties : 80) |trans-title=レコード保護条約の加盟国 (閲覧時点で80か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=18 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=TRIPS-WTO-1>{{Cite web |title=Overview: the TRIPS Agreement |trans-title=TRIPS協定の概要 |url=https://www.wto.org/english/tratop_e/trips_e/intel2_e.htm |publisher=[[WTO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WTO-TRIPsOverview>{{Cite web |quote=''In respect of each of the main areas of intellectual property covered by the TRIPS Agreement, the Agreement sets out the minimum standards of protection to be provided by each Member'' (抄訳: TRIPS協定でカバーされる主たる領域に関し、WTO加盟国が最低限遵守すべき水準を当協定は設定している) |url=https://www.wto.org/english/tratop_e/trips_e/intel2_e.htm |title=Overview: the TRIPS Agreement |trans-title=TRIPS協定の概要 |publisher=[[WTO]] |accessdate=2019-08-11 |language=en}}</ref> |
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<ref name=TRIPS-WIPO-1>{{Cite web |title=Contracting Parties/Signatories > Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights (TRIPS Agreement) (Total Contracting Parties: 164) |trans-title=TRIPS協定の加盟国 (閲覧時点で164か国加盟済) |url=https://wipolex.wipo.int/en/treaties/parties/231 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WCT-WIPO-1>{{Cite web |title=Summary of the WIPO Copyright Treaty (WCT) (1996) |trans-title=1996年採択 WIPO著作権条約 (WCT) の概要 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/wct/summary_wct.html |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WCT-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > WIPO Copyright Treaty (Total Contracting Parties : 100) |trans-title=WIPO著作権条約の加盟国 (閲覧時点で100か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=16 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WPPT-WIPO-1>{{Cite web |title=Summary of the WIPO Performances and Phonograms Treaty (WPPT) (1996) |trans-title=1996年採択 WIPO実演・レコード条約 (WPPT) の概要 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/wppt/summary_wppt.html |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WPPT-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > WIPO Performances and Phonograms Treaty (Total Contracting Parties : 100) |trans-title=WIPO実演・レコード条約の加盟国 (閲覧時点で100か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=20 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Beijin-WIPO-1>{{Cite web |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/beijing/summary_beijing.html |title=Summary of the Beijing Treaty on Audiovisual Performances (2012) |trans-title=視聴覚的実演に関する北京条約 (2012年) の概要 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-22 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Beijin-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Beijing Treaty on Audiovisual Performances (Total Members: 48) |trans-title=視聴覚的実演に関する北京条約 (閲覧時点で48か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=841 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2024-12-15 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Beijin-WIPO-3>{{Cite web |title=The Beijing Treaty |trans-title=視聴覚的実演に関する北京条約 |url=https://www.wipo.int/en/web/beijing-treaty |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2024-12-15 |language=en |quote=entered into force on April 28, 2020 (2020年4月28日発効)}}</ref> |
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<ref name=USCO-Circular1977>{{Cite web |title=International Copyright Conventions {{!}} Circular 38c |trans-title=著作権に関する国際会議 {{!}} 第38c号 |url=https://copyright.gov/comp3/chap2100/doc/appendixD-circ38c.pdf |format=PDF |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=1977-05 |accessdate=2019-04-07 |language=en}}</ref> |
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<ref name=WIPO-ArgeConvParties>{{Cite web |title=IP Regional Treaties > Contracting Parties/Signatories > Buenos Aires Convention (Total Contracting Parties: 21) |trans-title=ブエノスアイレス条約の署名国 (2019年4月閲覧時点で計21か国) |url=https://wipolex.wipo.int/en/treaties/parties/398 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-18 |language=en}}</ref> |
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<ref name=UCC-UNESCO-1>{{Cite web |title=Universal Copyright Convention |trans-title=万国著作権条約 |url=http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/creativity/creative-industries/copyright/universal-copyright-convention/ |publisher=[[UNESCO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=UCC-UNESCO-2>{{Cite web |title=Universal Copyright Convention, with Appendix Declaration relating to Articles XVII and Resolution concerning Article XI 1952 |trans-title=万国著作権条約、および条項XVIIに関連する追加宣言と条項XI 1952に関する決議 |url=http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=15381&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html |publisher=[[UNESCO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Accumu-Computer>{{Cite web|和書|url=https://www.accumu.jp/back_numbers/vol11/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%A8%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9.html |title=コンピュータ・プログラムと著作権 |author=仙元隆一郎 (同志社大学教授) |publisher=京都コンピュータ学院 |work=Accume vol.11 |date=2002 |accessdate=2019-02-23}}</ref> |
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<ref name=CRIC-Computer>{{Cite web|和書|title=コンピュータ・プログラムに係る著作権問題に関する調査研究協力者会議報告書 |url=http://www.cric.or.jp/db/report/h4_3/h4_3_main.html |publisher=[[著作権情報センター]] |author=文化庁 |date=1992-03 |accessdate=2019-02-23}}</ref> |
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<ref name=USC17-full-201902>{{Cite web |title=Browse the United States Code - Title 17: Copyrights |trans-title=合衆国法典の閲覧 - 第17編: 著作権 |url=http://uscode.house.gov/browse/prelim@title17&edition=prelim |publisher=The Office of the Law Revision Counsel in the U.S. House of Representatives |accessdate=2019-02-14 |language=en}}</ref> |
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<ref name=USCO-Terminology>{{Cite web |title=FAQ - Definitions |trans-title=よくある質問 - 定義について |url=https://www.copyright.gov/help/faq-definitions.html |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-02-16 |language=en}}</ref> |
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<ref name=CRIC-USC17-Trans-201902>{{Cite web|和書|title=外国著作権法 >> アメリカ編 |url=http://www.cric.or.jp/db/world/america.html |publisher=公益社団法人[[著作権情報センター]] |author=山本隆司 (訳、米国著作権法弁護士)|date=2018-09 |accessdate=2019-02-14}}</ref> |
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<ref name=MMA-USCO>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/music-modernization/ |title=Orrin G. Hatch—Bob Goodlatte Music Modernization Act |trans-title=オリン・グラント・ハッチ=ボブ・グッドラット音楽近代化法 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-08-15 |language=en}}</ref> |
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<ref name=MMA-Blog>{{Cite web|和書|url=https://pm-lawyer.com/海外進出・海外展開:アメリカで音楽著作権法を/ |title=海外進出・海外展開:アメリカで音楽著作権法を現代化する法律が成立 ストリーミングビジネスは要確認 |publisher=ファースト&タンデムスプリント法律事務所 |date=2019-01-08 |author=小野智博 (弁護士) |accessdate=2019-08-15}}</ref> |
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<ref name=USCon-Orig>{{Cite web |url=https://www.archives.gov/founding-docs/constitution-transcript |title=The Constitution of the United States: A Transcription |trans-title=合衆国憲法: 条文書き起こし |publisher=[[アメリカ国立公文書記録管理局]] |accessdate=2019-09-28 |language=en}}</ref> |
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<ref name=LF-CPI-L111>{{Légifrance|base=CPI|url=https://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?idSectionTA=LEGISCTA000006161633&cidTexte=LEGITEXT000006069414&dateTexte=vig |texte=Loi {{numéro|111}}, Chapitre Ier : Nature du droit d'auteur (第1章 第1節: 著作権の性質、第111条)}}</ref> |
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<ref name=LF-CPI-L112>{{Légifrance|base=CPI|url=https://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?idSectionTA=LEGISCTA000006161634&cidTexte=LEGITEXT000006069414&dateTexte=vig |texte=Loi {{numéro|112}}, Chapitre II : Oeuvres protégées (第1章 第2節: 著作物の保護対象、第112条)}}</ref> |
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<ref name=CaseText-AtariOman>{{Cite web |url=https://casetext.com/case/atari-games-corp-v-oman |title=Atari Games Corp. v. Oman {{!}} United States Court of Appeals, District of Columbia CircuitNov 20, 1992979 F.2d 242 (D.C. Cir. 1992) |publisher=Casetext |accessdate=2019-09-29}}</ref> |
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<ref name=USCon-ACJ>{{Cite web|和書|url=https://americancenterjapan.com/aboutusa/laws/2566/ |title=アメリカ合衆国憲法 |author=高橋一修 (法政大学法学部教授) 訳 |publisher=[[駐日アメリカ合衆国大使館]] |accessdate=2019-09-28}}</ref> |
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<ref name=Originality-ALC>{{Cite web|和書|url=https://eowf.alc.co.jp/search?q=originality |title=originalityの検索結果 |work=[[英辞郎]] on the Web |publisher=アルク |accessdate=2019-08-11}}</ref> |
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<ref name=Originality-Goo>{{Cite web|和書|url=https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/originality/ |title=originality とは |work=小学館 プログレッシブ英和中辞典 |publisher=goo辞書 |accessdate=2020-09-19}}</ref> |
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<ref name=Colombet>{{Cite book |和書 |trans-title=著作権と隣接権 |title=著作権と隣接権 |last=Colombet |first=Claude (クロード・コロンベ) |translator=宮澤溥明 |date=1990-05-25 |publisher=[[第一書房]] |origyear=1988 |year=1990 |url=https://www.daiichishobo.co.jp/shinkan/shokai/1.shtml |isbn=978-4-8042-0001-9 |postscript=著者は[[ソルボンヌ大学]]法学部教授。日本語版本文中の条約および法律は、大山幸房 (西東京科学大学 (現: 帝京科学大学) 教授) の訳出に準拠 |page=26}}</ref><!-- 書籍の裏表紙に書かれているISBNは下1桁が「0」と表記されていますが、誤り。Cite bookで表示しようとすると「存在しません」となりますのでご注意を。出版書誌DB https://www.books.or.jp/books/detail/335037 で検索しなおし、「9」に訂正しました。--> |
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<ref name=SfB-Ito>{{Cite web|和書|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8745244 |title=Feist出版社対Rural電話サービス会社 |author=伊藤博文 |work=[[豊橋創造大学]]短期大学部研究紀要. (17) |publisher=[[国立国会図書館]]デジタルコレクション |date=2000 |accessdate=2019-04-23}}</ref> |
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<ref name=Malamud-LAT>{{Cite web |first=Michael |last=Hiltzik |title=Georgia claims that publishing its state laws for free online is 'terrorism' |publisher=Los Angeles Times |date=2015-07-27 |url=http://www.latimes.com/business/hiltzik/la-fi-mh-state-of-georgia-copyright-wall-20150727-column.html |accessdate=2019-02-23}}</ref> |
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<ref name=Cornell-Duration>{{Cite web |title=Copyright Term and the Public Domain in the United States |url=https://copyright.cornell.edu/publicdomain |trans-title=アメリカ合衆国における著作権の保護期間とパブリック・ドメイン |publisher=Copyright Information Center, [[コーネル大学|Cornell University]] Library |accessdate=2019-03-03 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Bunka-FAQ-Duration01>{{Cite web|和書|title=Q. 保護期間の計算方法について教えてください。 |url=https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000186 |quote=死後70年、公表後70年、創作後70年の計算方法は、死亡等の日の属する年の翌年から起算します。例えば、2005年1月12日に著作者が死亡した場合の著作権は、原則として2005年に70年を加えた2075年の12月31日までということになります。 |publisher=文化庁 |work=著作権なるほど質問箱 |accessdate=2019-02-28}}</ref> |
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<ref name=CA-Pub-Unpub>{{Cite web |title=What is the difference between “Published” vs. “Unpublished” works, why does it matter, and how does the difference relate to Online vs. Print publishing? |trans-title=著作物の「発行」と「未発行」の違いとその意義は? オンラインと紙媒体の発行方法との関連は? |url=https://copyrightalliance.org/ca_faq_post/what-is-the-difference-between-published-vs-unpublished-works-why-does-it-matter-and-how-does-the-difference-relate-to-online-vs-print-publishing/ |accessdate=2019-02-16 |language=en}}</ref> |
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<ref name=ASMP-FAQ>{{Cite web |title=Defining Published and Unpublished |trans-title=PublishedとUnpublishedの定義 |url=https://www.asmp.org/copyright-tutorial/defining-published-unpublished/ |publisher=[[ASMP]] |accessdate=2019-02-18 |language=en}}</ref> |
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<ref name=USCO-Circular66>{{Cite web |title=Copyright Registration of Websites and Website Content |trans-title=ウェブサイトおよびそのコンテンツに関する著作権登録について |url=https://www.copyright.gov/circs/circ66.pdf |format=PDF |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=2017-09 |accessdate=2019-02-18 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Rep-Berne-Kobayashi>{{Cite web|和書|title=アメリカのベルヌ条約加入と著作権法 |url=https://current.ndl.go.jp/ca642 |author=小林正 |work=カレントアウェアネス No.125 |publisher=国立国会図書館 |date=1990-01-20 |accessdate=2019-02-17}}</ref> |
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<ref name=ToyoKeizai-Ultraman>{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/218151 |title=円谷プロ「ウルトラマン」、完全勝訴の全内幕 {{!}} 米裁判所が1976年の版権譲渡書は偽物と判断 |author=本田雅一 |publisher=[[東洋経済新報社|東洋経済]] |date=2018-04-24 |accessdate=2019-06-14}}</ref> |
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<ref name=HuffPo-Ultraman>{{Cite web|和書|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/tsuburaya-usa_jp_5c5b7b9be4b0faa1cb67fcd2 |title=「ウルトラマンは誰の物?」を問う裁判、円谷プロがアメリカ地裁で勝訴 |publisher=[[ハフポスト|HuffPost]] |author=安藤健二 |date=2018-04-24 |accessdate=2019-06-14}}</ref> |
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<ref name=BunkaCorporate>{{Cite web|和書|url=https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/outline/4.2.html |title=4.著作者の権利 |work=著作権なるほど質問箱 |publisher=[[文化庁]] |accessdate=2019-08-12}}</ref> |
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<ref name=LF-CPI-L113>{{Légifrance|base=CPI|url=https://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?idSectionTA=LEGISCTA000006161635&cidTexte=LEGITEXT000006069414&dateTexte=vig |texte=Loi {{numéro|113}}, Chapitre III : Titulaires du droit d'auteur (第1章 第3節: 著作権者、第113条)}}</ref> |
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<ref name=LF-CPI-L131>{{Légifrance|base=CPI|url=https://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?idSectionTA=LEGISCTA000006161639&cidTexte=LEGITEXT000006069414&dateTexte=vig |texte=Loi {{numéro|131}}, Chapitre Ier : Dispositions générales (第3章 第1節: 著作権の利用 - 一般規定、第131条)}}</ref> |
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<ref name=Justia-Criminal>{{Cite web |title=Criminal Copyright Infringement |trans-title=刑法上の著作権侵害 |url=https://www.justia.com/intellectual-property/copyright/intellectual-property/copyright/ |publisher=Justia |accessdate=2019-04-11 |language=en}}</ref> |
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<ref name=MOFA-TPP-InForce>{{Cite web|和書|title=環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉 |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/index.html |publisher=外務省 |date=2019-04-05 |accessdate=2019-04-11 |quote=''現在までに (2019年4月5日の意),メキシコ,日本,シンガポール,ニュージーランド,カナダ,オーストラリア,ベトナムの7か国が国内手続を完了した旨の通報を寄託国ニュージーランドに行っており,2018年12月30日に発効しました。''}}</ref> |
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<ref name=Bunka-TPP-InForce>{{Cite web|和書|title=環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号)及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第70号)について |url=https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/kantaiheiyo_hokaisei/ |publisher=[[文化庁]] |accessdate=2019-04-11 |quote=''著作権等侵害罪の一部非親告罪化(第123条第2項及び第3項関係)''}}</ref> |
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<ref name=Bunka-TPP-Notice>{{Cite web|和書|url=https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/53/pdf/r1413733_11.pdf |format=PDF |title=環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律」による著作権法改正の施行について(通知) |publisher=[[文化庁]] |date=2018-12-28 |accessdate=2019-08-15}}</ref> |
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<ref name=TPP-Dropout>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20151123090949/https://www3.nhk.or.jp/news/imasaratpp/article15.html |title=今さら聞けないTPP {{!}} 5 トランプ政権 TPP離脱を表明 |publisher=[[NHK]] |date=2017-01-27 |accessdate=2019-08-15}}</ref> |
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<ref name=CriminalComplaint-FairUse>{{Cite web|和書|title=TPP大筋合意で著作権「非親告罪化」 同人誌やコミケの取り締まりは厳格化するのか?に弁理士が答える |url=https://www.sankei.com/article/20151128-UBBQTMHGBRIF3LBYFAMJI3OG7I/9/ |publisher=産経ニュース |date=2015-11-28 |accessdate=2019-08-15 |quote=著作権関連の契約代理人も務める弁理士の団体、日本弁理士会が現状についての説明会を11月中旬に開いた。講師は、日本弁理士会の著作権委員長を務める平木康男弁理士(平木国際特許事務所)。(注: フェアユースと非親告罪の関係については、平木弁理士の説明会発言概要に基づく)}}</ref> |
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<ref name=Bunka2018-Ogawa>{{Cite web|和書|url=https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/kokusai/h30_02/pdf/r1412245_02.pdf |title=追及権の現状 |work=文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)2018年12月19日開催配布資料 |publisher=[[文化庁]] |date=2018-12-19 |accessdate=2019-07-29}}</ref> |
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<ref name=Cornell-1stAmend>{{Cite web |url=https://www.law.cornell.edu/constitution/first_amendment |title=First Amendment |publisher=[[コーネル大学]]ロースクール |accessdate=2019-06-23}}</ref> |
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<ref name=Justia-Eldred>{{Cite web |url=https://supreme.justia.com/cases/federal/us/537/186/ |title=Eldred v. Ashcroft, 537 U.S. 186 (2003) |publisher=Justia |accessdate=2019-07-01}}</ref> |
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<ref name=Justia-Golan>{{Cite web |url=https://supreme.justia.com/cases/federal/us/565/302/ |title=Golan v. Holder, 565 U.S. 302 (2012) |publisher=Justia |accessdate=2019-07-01}}</ref> |
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<ref name=EFF-Press2016>{{Cite web |url=https://www.eff.org/press/releases/eff-lawsuit-takes-dmca-section-1201-research-and-technology-restrictions-violate |title=EFF Lawsuit Takes on DMCA Section 1201: Research and Technology Restrictions Violate the First Amendment {{!}} Future of Technology and How It's Used Is At Stake |date=2016-07-21 |trans-title=デジタルミレニアム著作権法 第1201条は研究や技術発展を阻害し、憲法修正第1条違反として、電子フロンティア財団が提訴 {{!}} 技術革新や技術利用が危機に瀕する事態に |publisher=電子フロンティア財団 |accessdate=2019-07-01 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Atlantic-Ringer>{{Cite web |url=https://www.theatlantic.com/technology/archive/2014/07/the-lost-and-found-legacy-of-a-copyright-hero/373948/ |title=The Lost and Found Legacy of Barbara Ringer |trans-title=バーバラ・リンガーの偉業再考 |last=Levendowski |first=Amanda |publisher=The Atlantic |date=2014-07-11 |accessdate=2019-05-25 |language=en}}</ref> |
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<ref name=History-Act1976>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/reports/guide-to-copyright.pdf |quote=''There were a number of unsuccessful attempts to revise the 1909 Act. The present revision effort began in 1955 when Congress appropriated the funds for a comprehensive program of research which produced a series of 35 studies analyzing what were then considered to be the major problems. In addition, the Register of Copyrights issued a report on the "General Revision of the U.S. Copyright Law," in 1961.'' |title=General Guide to the Copyright Act of 1976 |date=1977-09 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-08-13 |language=en}}</ref> |
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<ref name=USCO-DCMADirectory>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/dmca-directory/ |title=DMCA Designated Agent Directory |trans-title=デジタルミレニアム著作権法が定める通報先担当者検索・登録ディレクトリー |[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-05-25 |language=en}}</ref> |
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<ref name=BunkaRep2016>{{Cite web|和書|title=海外における著作権制度及び関連政策動向等に関する調査研究報告書 |url=https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chosakuken/pdf/h28_kaigai_hokokusho.pdf |author=シティユーワ法律事務所 |work=平成 27 年度文化庁調査研究事業 |publisher=文化庁 |format=PDF |date=2016-03 |accessdate=2019-02-02}}</ref> |
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<ref name=WIPO-CMO>{{Cite web |url=https://www.wipo.int/copyright/en/management/ |title=Collective Management of Copyright and Related Rights |trans-title=著作権および著作隣接権に関する集中管理 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-05-25 |language=en}}</ref> |
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<ref name=CMO-Reg-EU>{{Cite journal |url=https://www.jipitec.eu/issues/jipitec-7-3-2016/4507/hviid_schroff_street_regulating_collective_management_organisations_by_competition_jiptec_7_3_2016_256.pdf |title=Regulating Collective Management Organisations by Competition |trans-title=著作権管理団体に対する不正競争防止の観点からの規制 |last=Hviid |first=Morten |last2=Schroff |first2=Simone |last3=Street |first3=John |work=Journal of Intellectual Property, Information Technology and Electronic Commerce Law (JIPITEC) |publisher=DGRI |format=PDF |year=2016 |accessdate=2019-05-25 |language=en}}</ref> |
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<ref name=Yu143>{{Cite book |first=Peter K. |last=Yu |title=Intellectual Property and Information Wealth: Copyright and related rights |publisher=Greenwood Publishing Group |year=2007 |page=143 |url=https://books.google.com/books?id=bnW8ypT9_pIC&pg=PA143&lpg=PA143 |isbn=978-0-275-98883-8}}</ref> |
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<ref name=Hoern-Act1790>{{Cite journal |last1=Hoern |first1=Thomas |title=Charles Dickens and the international copyright law |journal=Journal of the Copyright Society of the U.S.A |date=2016-01 |volume=63 |issue=2 |pages=341–352}}</ref> |
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<ref name=History-Act1976-2>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/reports/guide-to-copyright.pdf |quote=''The new law supersedes the Copyright Act of 1909, as amended, and is the first extensive revision of the 1909 law.'' |title=General Guide to the Copyright Act of 1976 |trans-title=1976年著作権法の基礎ガイド |date=1977-09 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-08-13 |language=en}}</ref> |
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<ref name=UNESCO-US-1984>{{Cite web|和書|url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8690.php |title=アメリカの「今さら」ユネスコ脱退で増す中国の影響力 |author=ジョシュア・キーティング |publisher=[[Newsweek]]日本版 |date=2017-10-20 |accessdate=2019-09-24 |quote=1984年、レーガン政権はユネスコの事業がソ連の影響を受けて政治的に左傾化したとみなし、脱退に踏み切った。}}</ref> |
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<ref name=JP-Lit-Soei>{{Cite web|和書|url=https://www.soei.com/blog/2019/03/05/[特許・意匠・商標・著作権・不正競争/日本]/ |title=[特許・意匠・商標・著作権・不正競争/日本]知的財産権訴訟の近況と今後 ~「証拠収集」関連及び「損害賠償額算定」関連を含む特許法等の一部改正案が閣議決定される(※施行日に関する追記あり)~ |publisher=創英国際特許法律事務所 |date=2019-07-23 |accessdate=2019-08-15}}</ref> |
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<ref name=OracleGoogle-Patest>{{Cite web|和書|url=https://www.patest.co.jp/cafc/2018/cafc20180401.html |title=ORACLE AMERICA, INC. 対 GOOGLE LLC 事件 {{!}} 米国連邦控訴裁判所 (CAFC) 判決 2018年 |publisher=大塚国際特許事務所 |accessdate=2019-04-23}}</ref> |
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<ref name=MoralRights-NEA>{{Cite web |url=http://www.law.harvard.edu/faculty/martin/art_law/esworthy.htm |title=A Guide to the Visual Artists Rights Act |trans-title=視覚芸術家権利法の基礎 |author=Esworthy, Cynthia ({{仮リンク|全米芸術基金|en|National Endowment for the Arts}}所属 |publisher=[[ハーバード大学]]ロースクール |accessdate=2019-04-23 |language=en}})</ref> |
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<ref name=17USC-119>{{Cite web |url=http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section119&num=0&edition=prelim |title=17 USC 119: Limitations on exclusive rights: Secondary transmissions of distant television programming by satellite |trans-title=合衆国法典第17編第119条: 排他的権利に対する制限: 衛星を使った遠隔テレビ番組の二次送信 |publisher=The Office of the Law Revision Counsel (合衆国下院組織) |accessdate=2020-09-20 |language=en}}</ref> |
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<ref name=USCO-Study2020Top>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/policy/section512/ |title=Section 512 Study |trans-title=第512条の検証 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2020-07-23 |language=en}}</ref> |
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}} |
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=== 引用文献 === |
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; 主要文献 (50音・アルファベット順) |
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* {{Cite book |和書 |author=岡本薫 |title=著作権の考え方 |publisher=[[岩波書店]] |series=岩波新書 (新赤版) 869 |year=2003 |isbn=4-00-430869-0 |ref={{SfnRef|岡本|2003}}}} - 著作権の基本的な考え方を紹介するとともに、日本の文化庁国際著作権課長などの職務経験から、米国著作権法も主に批判的見地で解説<!-- 初心者向け。アンチ米国のトーンがやや強いので中立性の観点に注意 --> |
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* {{Cite book|和書|title=国際知的財産法 |author=木棚照一|authorlink=木棚照一 |publisher=[[日本評論社]] |edition=第1版 |year=2009 |isbn=978-4-535-51678-6 |url=https://www.nippyo.co.jp/shop/book/4482.html |ref={{SfnRef|木棚|2009}}}} - 著作権以外に特許権や商標権など、知的財産権を包含して世界主要国の法制度と歴史を分析 |
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* {{Cite book|和書|author=作花文雄|authorlink=作花文雄 |title=詳解 著作権法 |edition=第5版 |publisher=[[ぎょうせい]] |year=2018 |isbn=978-4-324-10427-9 |url=https://shop.gyosei.jp/products/detail/9649 |ref={{SfnRef|作花|2018}}}} - 日本中心ながら米国、フランス、ドイツなど先進国の判例を用いた解説が充実 |
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* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法入門 |author=白鳥綱重|authorlink=白鳥綱重 |publisher=[[信山社]] |year=2004 |isbn=978-4-535-51678-6 |url=https://www.nippyo.co.jp/shop/book/4482.html |ref={{SfnRef|白鳥|2004}}}} - [[文部科学省]]高等教育局私学部私学行政課所属 (執筆当時)、[[ワシントン大学 (ワシントン州)|ワシントン大学]]ロースクール 知的財産法専攻 (IP LL.M.) 修了。同大学 {{Lang|en|Center for Advanced Study and Research on Intellectual Property}} の研究に依拠した執筆<!-- 後に横浜国立大学大学院准教授 ([https://er-web.ynu.ac.jp/html/SHIROTORI_Tsunashige/ja.html 経歴リンク]) --> |
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* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法の形成 |author=松川実 |series=青山学院大学法学叢書 第2巻 |publisher=日本評論社 |year=2014 |isbn=978-4-535-52052-3 |ref={{SfnRef|松川|2014}}}} - 米国のイギリス植民地時代から1790年の連邦初の米国著作権法成立までの歴史と思想を解説 |
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* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法の基礎知識 |edition=第2版 |author=山本隆司 |publisher=太田出版 |year=2008 |isbn=978-4-7783-1112-4 |url=http://www.ohtabooks.com/publish/2008/10/14201410.html |ref={{SfnRef|山本|2008}}}} - 米国と日本の知的財産法に通じた弁護士の著作で、米国著作権法の逐条解説や判例の日米比較など広範にカバー<!-- 中級から上級者向けだが読みやすい。産業政策論、哲学者ジョン・ロックに基づく労働理論など、思想にも一部言及 --> |
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* {{Cite book|title=International copyright: principles, law, and practice |trans-title=国際著作権法: 法理、実定法と実務 |edition=3 |last1=Goldstein |first1=Paul |last2=Hugenholtz |first2=P. Bernt |publisher=Oxford University Press |year=2013 |isbn=9780199794294 |language=en |url=https://global.oup.com/academic/product/international-copyright-9780199794294 |ref={{SfnRef|Goldstein & Hugenholtz|2013}}}}<!-- 2019年10月に第4版が出版される予定 --> |
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* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法 |last=Leaffer |first=Marshall A. (マーシャル・A・リーファー) |translator=牧野和夫 |series=LexisNexis アメリカ法概説 (5) |publisher=レクシスネクシス・ジャパン |origyear=2005 |year=2008 |isbn=978-4-8419-0509-0 |ref=harv}} - "''Understanding Copyright Law, 4th edition''" の日本語訳。著作権侵害の判定基準や法理、実際の判例などが充実した、ロースクールの教科書的解説<!-- かなり読みづらい。訳者の問題ではなく筆者の文体が元々クネクネしている --> |
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; 補完的文献 (50音・アルファベット順) |
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* {{Cite journal|和書|url=https://www.taf.or.jp/files/items/570/File/001.pdf |title=フランス Hadopi 法の終焉と著作権侵害に伴うインターネット規制のあり方 |series= 2013年度 研究調査助成 |author=麻生典 |publisher=公益社団法人 [[電気通信普及財団]] |year=2013 |format=PDF |ref={{SfnRef|麻生|2013}}}} |
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* {{Cite journal|和書|title=フランス著作権制度の概要とコンテンツの法的保護 |issue=一般社団法人 デジタルコンテンツ協会が2005年11月24日に開催したセミナー議事録の加筆版 |author=井奈波朋子 |publisher=龍村法律事務所 |year=2006 |format=PDF |url=http://www.tatsumura-law.com/attorneys/tomoko-inaba/column/wp-content/uploads/2016/05/051124DCAJ.pdf |ref={{SfnRef|井奈波|2006}}}} - 英米法と対極にある大陸法系のフランス著作権法の解説 |
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* {{Cite book|和書|title=なるほど図解 商標法のしくみ |author=奥田百子 |publisher=中央経済社 |edition=第3版 |year=2014 |isbn=978-4-502-12081-7 |ref={{SfnRef|奥田|2014}}}} - 著作権法と商標法の関係説明に使用 |
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* {{Cite book|和書|title=知的財産法入門 |author=小泉直樹|authorlink=小泉直樹 |publisher=岩波書店 |series=岩波新書 (新赤版) 1266 |year=2010 |isbn=978-4-00-431266-6 |ref={{SfnRef|小泉|2010}}}} |
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* {{Cite journal |和書 |title=著作権判例百選 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641115422 |journal=別冊ジュリスト |author=[[小泉直樹]]・[[田村善之]]・[[駒田泰土]]・[[上野達弘]] |publisher=[[有斐閣]] |series=第6版 |year=2019 |isbn=978-4-641-11542-2 |ref={{SfnRef|小泉・田村他|2019}}}} - 日本の判例のみ収録。著作権の準拠法の観点で一部引用 |
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* {{Cite journal |和書 |title=知的財産に関する新たな国際的枠組の発足 |author=[[玉井克哉]] |journal=ジュリスト |publisher=[[有斐閣]] |issue=1071 |year=1995 |month=07 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/014674 |ref=harv}}<!-- 田村氏の書籍から孫引き --> |
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* {{Cite book |和書 |title=著作権法概説 |author=田村善之|authorlink=田村善之 |year=1998 |publisher=[[有斐閣]] |isbn=4-641-04473-2 |ref={{SfnRef|田村|1998}}}} - 日本の著作権法および国際条約のみ解説<!-- 日本の著作権法の有名学者で教科書的な網羅性だが、他国は詳しくない --> |
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* {{Cite book|和書|title=著作権法 |author=中山信弘 |authorlink=中山信弘 |publisher=有斐閣 |edition=第2版 |year=2014 |isbn=978-4-641-14469-9 |ref={{SfnRef|中山|2014}} |url=http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144699}} |
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* {{Cite book |和書 |title=著作権法入門 2007 |author=文化庁 |publisher=社団法人 [[著作権情報センター]] (CRIC) |year=2007 |isbn=978-4-88526-057-5 |ref=harv}} - 日本の著作権法および国際条約のみ解説<!-- 日本の著作権法中心だが、田村氏より図解が多くて読みやすい --> |
|||
* {{Cite journal |url=http://eprints.lse.ac.uk/88098/1/Brown-Pedersen_2018.pdf |title=The Inadequacy of UK Moral Rights Protection: A Comparative Study on the Waivability of Rights and Recontextualisation of Works in Copyright and Droit D'auteurs Systems |last=Brown-Pedersen |first=Jonas |journal=LSE Law Review |volume=3 |format=PDF |publisher=[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]] |year=2018 |ref=harv |language=en}} - 米国同様に英米法系の英国における著作者人格権の問題点を考察 |
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* {{Cite book|和書|title=イギリス著作権法 |last1=Flint |first1=Michael F. (マイケル・F・フリント) |last2=Thorne |first2=Clive D. (クライブ・D・ソーン) |translator=高橋典博 |others=内藤篤 (監修) |publisher=[[木鐸社]] |origyear=1997 |year=1999 |isbn=9784833222716 |ref={{SfnRef|Flint & Thorne|1999}}}} - 原著 "''{{Lang|en|A User's Guide to Copyright, 4th edition}}''" の日本語訳 |
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* {{Cite book|last1=Gross |first1=Larry P.|last2=Katz |first2=John Stuart |last3=Ruby |first3=Jay |title=Image Ethics in the Digital Age |url=https://books.google.com/books?id=kvnFOuS6UlEC&pg=PA168 |year=2003 |publisher=[[ミネソタ大学]]出版会 |isbn=978-0-8166-3825-3 |ref={{SfnRef|Gross, Katz & Ruby|2003}}}} |
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* {{Cite journal|title=Law and Technology {{!}} Fair Use in Europe |trans-title=法と科学技術 {{!}} 欧州におけるフェアユース |journal=Communications of the ACM |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Communications_ACM.pdf |volume=56 |issue=5 |last=Hugenholtz |first=Bernt |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2013 |format=PDF |doi=10.1145/2447976.2447985 |language=en |ref=harv}} -- 国際著作権法に通じた[[アムステルダム大学]]教授による執筆記事 ([[WIPO]]による[https://www.wipo.int/meetings/en/2011/wipo_cr_wk_ge_11/bios/hugenholtz.html 著者略歴紹介ページ]) |
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* {{Cite journal|title=Flexible Copyright: The Law and Economics of Introducing an Open Norm in the Netherlands |trans-title=著作権の柔軟性: オランダにおけるオープンアクセス規範の導入に関する法的および経済的考察 |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Flexible_Copyright.pdf |journal=SEO-rapport nr. 2012-60, Study commissioned by the Dutch Ministry of Economic Affairs, Agriculture & Innovation |last= van der Noll |first=Rob et al. |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2012 |format=PDF |language=en |ref=harv}} -- 欧州におけるデジタル著作物の著作権侵害ケースなどを例示 |
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== 関連項目 == |
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* [[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)]] |
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* [[著作権]] - 世界各国共通の法的概念を解説 |
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* [[著作権法]] - 日本の著作権法に特化した詳細解説 |
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* [[著作権法 (欧州連合)]] - すべてのEU加盟国に義務付けられている著作権法改正の[[指令 (EU)|EU指令]]概説 |
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* 欧州連合の{{仮リンク|電子商取引指令|en|Electronic Commerce Directive 2000}}、日本の[[プロバイダー責任法]] - 二次侵害に関するセーフハーバー条項を設ける |
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== 外部リンク == |
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* [https://uscode.house.gov/browse/prelim@title17&edition=prelim 米国著作権法の条文全文] (英語、[[アメリカ下院]]) - 制定されたすべての連邦法の最新版を反映 |
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* [http://www.cric.or.jp/db/world/america.html 米国著作権法の条文日本語訳] - 公益社団法人[[著作権情報センター]]が2022年10月閲覧現在、2021年5月時点で発行 (<!--2018年10月-->それ以降制定の<!--{{仮リンク|音楽近代化法|en|Music Modernization Act}}以降の-->訳は含まれていない) |
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* [https://www.copyright.gov/fair-use/fair-index.html フェアユース関連判例検索データベース] (英語) - USCO([[アメリカ合衆国著作権局|著作権局]])公式運営で、著作物のジャンル別に判例の検索が可能 |
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* [https://cocatalog.loc.gov/cgi-bin/Pwebrecon.cgi?DB=local&PAGE=First 著作物検索データベース] (英語、[[アメリカ議会図書館]]) - USCO登録済著作物のオンライン検索 |
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* [https://www.copyright.gov/circs/ 米国著作権法の詳細手引書『Circulars』] (英語) - USCO発行 |
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* [https://www.copyright.gov/help/faq-definitions.html 米国著作権法の用語定義] (英語) - USCO発行のよくある質問 (FAQ) |
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{{著作権 (法学)}} |
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{{世界の著作権法}} |
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{{Featured article}} |
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{{Normdaten}} |
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{{デフォルトソート:ちよさくけんほう あめりかかつしゆうこく}} |
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[[Category:各国の著作権法|あめりかかつしゆうこく]] |
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[[Category:アメリカ合衆国の著作権法]] |
[[Category:アメリカ合衆国の著作権法]] |
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[[Category:アメリカ合衆国の連邦法律|ちよさくけんほう]] |
2024年12月15日 (日) 00:19時点における最新版
この記事は特に記述がない限り、アメリカ合衆国の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
アメリカ合衆国の著作権法 (アメリカがっしゅうこくのちょさくけんほう、英: Copyright law of the United States) は、文芸・映像・音楽・美術・ソフトウェアなどの著作物と、その著作者などの権利を保護するアメリカ合衆国 (以下、米国) の法律である。米国民の創作した著作物だけでなく、米国内に流通する外国著作物や、世界のインターネット上に広く流通するデジタル著作物にも米国著作権法は適用されうる[1]。
1970年代以降、特にメディア・エンターテインメントやIT(情報技術)といった著作物に関わる米国の主力産業が世界的に興隆しており[注 1]、2017年時点での狭義の米国著作権市場[注 2]は1兆3000億米ドルに達し、米国GDP全体の6.85%を占める巨大産業を形成している[注 3]。このような社会的・技術的な変化を受け、米国著作権法は頻繁に改正されているものの[注 4]、十分に追いついていない。また世界的に見ても米国著作権法は主流から外れ、他の先進国よりも著作権保護の水準が低い状況が長らく続いており、国内外から批判の声が上がっている[7][8][9][10][注 5]。
さらに、米国内では著作権侵害を巡る訴訟も多く発生していて、2008年からの10年間に毎年3000件前後が新たに提訴されている[12][13][14][注 6]。これら訴訟の原告側には米国外の企業や個人も含まれていることから、国際政治上の問題としても注視され[注 7]、著作権に関する国際条約を通じて、米国と他国の著作権法の足並みを揃えることも長年の課題となっている。
このような文脈も踏まえながら、合衆国法典第17編 (17 U.S.C.) に1947年から収録[18]されている連邦法としての著作権法を中心に、本項では解説する。著作権法改正の歴史や、著作権に関連する個別の訴訟についても概観するが、詳細については「米国著作権法の歴史」と「米国著作権法の判例一覧」にそれぞれ解説を譲る。
米国著作権法の国際比較
[編集]広義の著作権の内訳 | 大陸法の国 | 米国 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
著作者本人の権利 (狭義の著作権) | |||||||
著作財産権 (著作者の財布を守る権利) |
|||||||
著作者人格権 (著作者の心を守る権利) |
限定的[注 8] | ||||||
著作隣接権者の権利 | [注 8] | ||||||
|
米国著作権法が国際的な主流と異なる理由は、そのルーツにある。1887年発効のベルヌ条約が、今なお基本条約として世界的に機能しているが、条約の原加盟国であるフランスやドイツなどの各国は「大陸法」系であることから、ベルヌ条約の内容も大陸法をベースにしている。一方の米国は「英米法」系であり、根本的な発想が異なる[注 9]。一般的に大陸法は、著作権を "author's right" (著作者の権利) と捉えて著作者の人格を含めた幅広い保護を保障するのに対し、英米法では "copyright" (独占的に複製する権利) と表現される通り、著作物を使った経済利益の保護を主眼に置いている違いがある[25][26]。また、大陸法が法律の条文 (立法府による成文法) を明文化して法を守る運用なのに対し、英米法は法律の解釈 (司法府による判例法) に重きを置いている[11]。そのため条文だけを見ると、後述のとおり、米国著作権法の権利保護は不十分であり、ベルヌ条約の方針に完全には適合していない。
他国との相違点
[編集]大陸法系の国々と米国の相違点は、以下の通りである。
- 著作権の保護対象が狭い[注 10]
- 著作隣接権 (著作物の流通に寄与する実演家などの権利) が、著作権法上で明確に定められていない[注 11]
- 著作者人格権が認められている範囲が、視覚芸術作品の一部に限定されている (1989年以前は全く認められていなかった)[29][30][注 12]
- 連邦法では「既発行」(published) の著作物しか保護されなかった (1978年以降は未発行の著作物も保護されるようになった)[29][34]
- 著作物を登録し、著作権マーク「©」を表示しないと保護されなかった (1989年以降不要となった)[35][36]
- 記録媒体に「固定」(fixed) されていない著作物は連邦法では保護されない (詳細は#著作物の定義で後述)[注 13]
- 国際条約を通じた国際社会との連帯が不十分
- 立法府の権限が複雑
- 著作物の利用に関する充実した例外規定と柔軟な司法判断
- 著作権侵害に当たらないフェアユース (公正利用) の基準が著作権法上で定められ、裁判所がケースバイケースで侵害の有無を判定 (#フェアユース採用の評価で後述)[注 19]
- さらに他国と比較し、フェアユース以外の個別例外も詳細に規定されている[55][注 20]
- 賛否あるものの、著作権侵害におけるインターネット関連事業者への免責 (通称: ノーティス・アンド・テイクダウン手続、DMCA通告) など、デジタル化対応が世界でもいち早く明文化されている[56]
- 著作権法と相反する、あるいは補完関係にある他分野の法律を交えた、総合的な司法判断が下されている (特に特許法、商標法、独占禁止法、表現の自由を謳った憲法修正1条など)[注 21]
国際条約の加盟状況
[編集]条約名 | 概要 | 狭義の 著作権 |
著作 隣接権 |
条約の効力状況 | 加盟国数 | 米国の対応状況 |
---|---|---|---|---|---|---|
法的意義が継続している条約 | ||||||
ベルヌ条約 | 狭義の著作権 (著作者本人の権利) に関する基本条約 | 1886年採択、1887年発効 その後4回改正[58] |
世界171か国[注 22] | 1世紀後の1988年に加入し、1989年3月1日から施行[41][注 23] | ||
ローマ条約 | 著作隣接権の基本条約 | 1961年採択、1964年発効[60] | 世界93か国[61] | [61] | ||
レコード保護条約 | 著作隣接権の一つである原盤権に関する条約 | 部分的 | 1971年採択、1973年発効[62] | 世界80か国[63] | 1973年に批准し、1974年3月10日から施行[63] | |
TRIPS協定 | 偽ブランドや海賊版の取締強化を目的とする「ベルヌ・プラス方式[46]」。違反時には世界貿易機関 (WTO) に提訴可能 | 部分的 | 部分的 | 1994年採択、1995年発効[64] | 世界164か国 (WTOの全加盟国)[65][注 24] | 1995年1月1日から施行[65] |
WIPO著作権条約 | デジタル著作物への対応強化を目的とし、「ベルヌ条約の2階部分[67]」と呼ばれる | 1996年採択、2002年発効[68] | 世界102か国[69] | 1997年署名、1999年批准、2002年3月6日から施行[69] | ||
WIPO実演・レコード条約 | デジタル著作物への対応強化を目的とするが、加盟にあたってローマ条約の遵守はもとめられない[70] | 1996年採択、2002年発効[71] | 世界102か国[72] | 1997年署名、1999年批准、2002年5月20日より施行[72] | ||
視聴覚的実演に関する北京条約 | 視聴覚著作物に限定し、実演家に著作財産権の一部および人格権を認める[注 25] | 2012年採択、2020年発効[73][74] | 世界48か国[75] | 2012年原署名、批准未済[75] | ||
法的意義を終えた条約 | ||||||
ブエノスアイレス条約 | 万国著作権条約の前身 | 1910年採択[注 26] | 米国およびラテンアメリカ諸国の計18か国が批准[注 26] | 1910年に原加盟国として署名[注 26] | ||
万国著作権条約 | ベルヌ条約の代替で権利保護の水準は低い | 1952年採択、同年発効 その後1回改正[78] |
世界100か国[79] | 1952年に原加盟国として署名[79] |
著作権マーク「©」は21世紀に入ってからも多くの著作物上に見られるが、これはベルヌ条約批准が遅れた米国などの国々への対応のなごりである。大陸法の国々では、著作物が創作された時点で自動で著作権保護がされる「無方式主義」を採用しているが、米国などの英米法の国々では、創作された著作物を政府当局に登録する手続を経て初めて権利保護される「方式主義」が長年採られてきた。その結果、日本の美術品やフランスの小説などを米国で販売する際にも、外国著作権者がアメリカ合衆国著作権局 (略称: USCO) に著作物を登録する必要が出てきた。この手続を回避するため、万国著作権条約に加盟している国の著作物は、「©」を付していればUSCOに未登録でも法的に保護されると定めた。もっとも、これら方式主義の国々が最終的にベルヌ条約を批准して、無方式主義に転換したため、今日においては「©」の表示は法的に何ら意味はなくなっている[80]。
国内業界への政治的な配慮
[編集]上述の米国独自の特徴は、米国内の特定業界への配慮や産業振興が背景にある。
- レコード業界
米国がローマ条約には加盟せず、レコード保護条約にのみ加盟したのは、著作隣接権の保護対象の違いである。著作隣接権とは著作者本人ではなく、著作物の流通に寄与する者 (著作隣接権者) の権利であるが、ローマ条約では保護対象に実演家、レコード製作者、放送事業者を含めている。しかし、レコード保護条約では実演家と放送事業者は除外されている。この理由は、1960年代頃からのレコード業界からの政治的圧力により、レコード製作者の権利は守る必要が出てきたが、著作隣接権者すべての権利を守るとなると、ハリウッド映画業界が俳優 (実演家) に追加で利用料を払わなければならなくなるためである。そこでレコード業界とハリウッド映画業界の双方に配慮するため、米国においては著作隣接権は引き続き認めないが、レコード製作者のみは著作隣接権者ではなく著作者とみなし、著作者本人の権利 (狭義の著作権) で保護することにしたのである[81][注 27]。
- IT業界
レコード業界と並んで米国の主力産業であるコンピュータ・プログラムも、政治的配慮が見られる。一般的に、産業に関する「アイディア」は産業財産権 (特許権や商標権などの総称) で守り、アイディアの「表現」は著作権で守るというアイディア・表現二分論がとられている[83]。これにより、実用的な産業であるコンピュータ・プログラムも、ソースコードやオブジェクトコードなど一部は米国著作権法の下で保護されている[注 28][注 29][85][86]。これは今日では世界的に共通の慣行であるが、もともとは米国から他国への強力な働きかけによるものであったとされ、特許を取得していないコンピュータ・プログラムであっても、著作権で保護されるようになった[注 30]。
現行法の詳細解説
[編集]※本節における「現行」とは、特記のない限り2019年2月現在の合衆国法典第17編 (米国著作権法)[88]に基づき記述している[注 31]。
※米国著作権法は特にデジタル著作物に関連する法改正が頻繁に発生しており、1998年10月28日から2014年12月4日の約16年間を例にとると、この期間に可決・制定された著作権の改正立法は計20本以上に上る[6]。条文の最新は合衆国法典の公式ウェブサイトを参照すること。
合衆国法典第17編の全体構成
[編集]合衆国法典第17編は章 (Chapter) の名称とその内容に一部不一致が起こっており、章の下の条 (Section) レベルで参照しないと、全体構成が把握できないため注意が必要である。これは米国著作権法の改正が頻繁に起こり、その度に権利保護の対象となる著作物が増え、例外や罰則などが追加で規定されてきたためである[注 32]。
章 | 章名 | 条 |
---|---|---|
第1章 | 著作権の対象および範囲 (Subject matter and scope of copyright) | 第101 - 第122条 |
第2章 | 著作権の帰属および移転 (Copyright ownership and transfer) | 第201 - 第205条 |
第3章 | 著作権の保護期間 (Duration of Copyright) | 第301 - 第305条 |
第4章 | 著作権表示、納付および登録 (Copyright notice, deposit and registration) | 第401 - 第412条 |
第5章 | 著作権侵害および救済 (Copyright infringement and remedies) | 第501 - 第513条 |
第6章 | 輸入および輸出 (Importation and Exportation) | 第601 - 第603条 |
第7章 | 著作権局 (Copyright office) | 第701 - 第710条 |
第8章 | 著作権使用料審判官による手続 (Proceeding by copyright royalty judges) | 第801 - 第805条 |
第9章 | 半導体チップ製品に対する保護 (Protection of semiconductor chip products) | 第901 - 第914条 |
第10章 | デジタル音声録音装置および媒体 (Digital audio recording devices and media) | 第1003 - 第1010条 |
第11章 | 録音物および音楽ビデオ (Sound recordings and music videos) | 第1101条 |
第12章 | 著作権保護および管理システム (Copyright protection and management systems) | 第1201 - 第1205条 |
第13章 | 創作的なデザインの保護 (Protection of original designs) | 第1301 - 第1332条 |
第14章 | 1972年より前に録音した音楽著作物の不正利用 (Unauthorized use of pre-1972 sound recordings) | 第1401条[注 33] |
著作物の利用者の観点では、著作権者に無断で利用しても著作権侵害に当たらないケースとして、後述するフェアユース (公正利用、第107条) が知られている。しかしフェアユースは原則論に留まっており、著作物の種別や条件に応じた個別規定は複数の条にまたがっている点に留意が必要である。
著作権の定義と保護範囲
[編集]どのような種類の権利を、どのような著作物に対して付与し、どのような条件下で法的に保護するかを解説する。
権利の内訳
[編集]著作権のうち、著作者本人の諸権利 (日本語では「支分権」と呼ばれるもの) について、米国著作権法では「排他的・独占的な権利」(exclusive rights) という強い表現が使われているのが特徴である[注 34]。具体的に排他的権利とは (1)「著作物のコピーまたはレコード複製」(複製権)、(2)「二次的著作物の作成」(翻案権)、(3)「販売、所有権の移転、貸与による頒布」(頒布権)、(4)「著作物を使った実演」(実演権)、(5)「著作物を使った展示」(展示権)、(6)「録音物の場合、デジタル音声送信による実演」(デジタル実演権) の6点だと定義されている (第106条)[注 35]。換言すると、複製や頒布などを著作者の許諾なしに第三者が行うと、著作権侵害になることを意味する (第501条)。
さらに1990年制定の法改正 (Visual Artists Rights Act of 1990、略称: VARA) により、いわゆる (7) 著作者人格権が付け加わった (第106A条)。ただし大陸法諸国の著作権法と異なり、著作者人格権が認められるのは視覚芸術著作物 (visual arts) に限定されている[30][97]。米国著作権法における視覚芸術著作物とは、絵画・素描・版画・彫刻・展示目的の現像写真の5種類に限られている。さらにこれら5種類のうち、複製が200点以下であり、シリアルナンバーと著者の署名が刻まれているものに限定し、著作者人格権が認められる (第101条)。つまり、容易に大量複製や翻案化できるもの、あるいは大衆向け商業目的の著作物には著作者人格権が認められない。著作者人格権が認められないケースとして、ポスター、地図・地球儀、海図、技術図面、図表、模型、応用美術、映画などの動画、書籍、雑誌、新聞、定期刊行物、データベース、電子情報サービス、電子出版物、商品、広告宣伝・説明、パッケージなどの包装・容器、職務著作物が挙げられている (第101条)。
#著作権の保護期間で後述の通り、著作財産権と著作者人格権では権利の保護期間に差がある。
著作物の類型
[編集]米国著作権法が定める著作物とは (1)「言語著作物」、(2)「音楽著作物」(これに伴う歌詞を含む)、(3)「演劇著作物」(これに伴う音楽を含む)、(4)「無言劇および舞踊の著作物」、(5)「絵画、図形および彫刻の著作物」、(6)「映画およびその他の視聴覚著作物」、(7)「録音物」、(8)「建築著作物」の8種に分類されているが、例示でありこれらに限らないと記されている (第102条)[注 36]
また、原著作物を活用した「編集著作物」(集合著作物を含む) と「二次的著作物」(別名: 派生的著作物[注 37]) も法の保護の対象となる。編集著作物とは、既存の素材またはデータを選択し、整理しまたは配列し、これらを収集し編成して作られた著作物である。二次的著作物とは、原著作物を用いて、翻訳、編曲、脚色、映画化、美術複製、改訂するなどして創作された作品を指す (第102条)。これらの編集ないし二次的著作物と、その素材となった原著作物の著作権は別個に存在する (第103条)。仮に編集著作物の素材に創作性がなく著作権で保護されていなかったとしても、素材の組み合わせ・整理の方法によって創作性が認められれば、編集著作物単体で著作権が発生する[99]。
- どこまでが著作物なのか
- (1) 言語著作物
- コンピュータ・プログラムも一部はこの言語著作物に含まれている。1980年制定の著作権法改正で、第101条 (各種用語の定義) にコンピュータ・プログラムが追加されたほか、第117条でコンピュータ・プログラムの権利制限が追加規定された[29][96]。また、1983年の第3巡回区控訴裁による「アップルコンピュータ対フランクリンコンピュータ裁判」を始めとする判例によって、コンピュータ・プログラムとデータベースの著作権が保護されるようになった[96][108]。
- (4) 無言劇および舞踊の著作物
- (5) 絵画、図形および彫刻の著作物
- しかしながら、実用的・機能的な日用品に芸術的・審美的なデザインが施されている商材が市場に多く出回っており、著作権法上でたびたび問題となっている[114]。世界的には実用品デザインの著作権保護に対するアプローチは以下の3パターンに分かれる[115]。
- 実用品デザインを巡る判例として、ダンサー像がデザインされた卓上ランプに関する「メイザー対ステイン裁判」、およびチアリーディングのユニフォーム製造業同士で争った「スター・アスレティカ対ヴァーシティ・ブランズ裁判」も参照のこと。
- (6) 映画およびその他の視聴覚著作物
- (7) 録音物
- (8) 建築著作物
- 編集著作物
- 二次的著作物
保護されないもの
[編集]著作権保護の要件を満たしておらず、かつ特許や商標権なども認められていないものは、パブリック・ドメインとみなされ、これらを第三者が無断で利用しても、上述の排他的権利を侵害したことにはならない。パブリック・ドメインの内訳は、(1) そもそも著作物性が認められないもの、(2) 著作物ではあるが著作権が「元来発生しない」もの、(3) 著作権は発生したが後に「消滅した」ものに大きく分けられる。
- (1) 著作物性が認められないもの
- 著作物性を巡って争われたリーディング・ケースとして、1990年最高裁判決の「ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判」が世界的に知られている[137]。これは電話帳に掲載された電話番号を無断で転載した事件であり、単なるデータの配列だけの電話帳には創作性が認められないとして、無断転載が合法と判示された。この判決により、アイディア・表現二分論 (著作者の創作性に基づく「表現」を保護するのが著作権だとする考え方) が明示され、額の汗の法理 (著作物の内容や特性の如何に関わらず、著作者の労力の賜物である著作物を保護しようとする考え方) は否定されることとなった[138][139]。
- 無方式主義を採用する国では、著作物を創作した時点で自然に著作権が発生する。そのため、創作者本人は著作権保護の対象内だと認識していても、第三者の目には創作性がないものと映り、認識にギャップが生じることがある。そしてこのギャップは、著作権侵害で提訴した時、あるいはUSCOに著作物を登録した時に初めて公となり、解消される。たとえば先述の「アタリゲームズ対オマーン裁判」では、アタリ社がUSCOにゲームを登録しようとして申請を却下されたことから、当時のUSCO局長ラルフ・オマーンを提訴している。最終的にオマーン局長の判断は誤りだったとして、連邦控訴裁は当ゲームの著作物性を認めた[118][119]。
- ファイスト判決やアタリ判決以外にも、創作性の線引きを巡って争われた判例が複数存在する。たとえば、ケーキ箱のラベルやプラスチックの花には創作性が認められた一方、言葉やフレーズの断片、スローガン、音楽のわずかな変奏などは創作性が否定されている[注 45]。
- (2) 著作物性は認められるが、著作権が発生しないもの
- 加えて、たとえ固定要件を満たしていたとしても、合衆国政府の著作物には著作権保護が認められない (第105条)。ただし、州政府などの地方自治体の著作物については、合衆国法典の規定の範囲外であり、各自治体で別途定められている。例えばオレゴン州やジョージア州などでは、注釈付きの州法法令集は著作権保護の対象内だとしている[注 46]。
- (3) 著作物性が認められ、著作権が発生した後に消滅したもの
著作権の保護期間
[編集]著作財産権 (第106条) と著作者人格権 (第106A条) では保護期間が異なる。著作者人格権が米国著作権法で認められたのは1990年の改正時であり、当改正以降の創作された視覚芸術著作物については、著作者が死亡した年の暦年最終日までが保護期間となる。一方、当改正以前に創作された場合は、後述する著作財産権と保護期間は同一に設定されている。また、創作日がいつかに関わらず共同著作物の場合は、最長生存者の死亡年最終日まで著作者人格権が保護される (第106A条(d))。
著作財産権については、原則は著作者の没後70年間が著作権の保護期間となる。しかし保護期間は数回の法改正により延伸していることから、現行法においては著作物の発行日が1978年1月1日 (1976年制定の著作権改正法の施行日) を境にして保護期間が異なるほか、様々な条件分岐が発生している。未発行または米国内で初めて発行された著作物 (但し録音物および建築物を除く) を例にとると、保護期間は以下となる[147]。なお、「発行」については#著作物の発行の定義で、著作権表示や登録手続については#著作権保護の手続で後述する。
発行日 | 著作権表示あり | 著作権 表示なし | |
---|---|---|---|
更新手続あり | 更新手続なし | ||
1927年12月31日以前 | PD | PD | PD |
1928年1月1日 - 1963年12月31日 | 発95 | PD | PD |
1964年1月1日 - 1977年12月31日 | 発95 | 発95 | PD |
旧法下で、全条件の著作物(録音物および建築物を除く)がPDとなる発行年は次の算式で求められる。
(x年末にPDとなる著作物の発行最終年)=x-95
例:2023年末にPDとなる著作物の発行最終年=2023-95=1928
発行日[注 50] | 創作日 | 実名著作物 | 実名著作物以外 | ||||
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著作権 表示あり |
著作権表示なし | 著作権 表示あり |
著作権表示なし | ||||
事後登録 あり |
事後登録 なし |
事後登録 あり |
事後登録 なし | ||||
1978年1月1日 - 1989年2月28日 |
1977年以前 | 旧法 or 2047末 |
没70 | PD | 旧法 or 2047末 |
発95 or 創120 |
PD |
1978年以降 | 没70 | 没70 | PD | 発95 or 創120 |
発95 or 創120 |
PD | |
1989年3月1日 - 2002年12月31日 |
1977年以前 | 旧法 or 2047末 |
旧法 or 2047末 |
旧法 or 2047末 |
旧法 or 2047末 |
旧法 or 2047末 |
旧法 or 2047末 |
1978年以降 | 没70 | 没70 | 没70 | 発95 or 創120 |
発95 or 創120 |
発95 or 創120 | |
2003年以降 | 1977年以前 | 没70 | 没70 | 没70 | 発95 or 創120 |
発95 or 創120 |
発95 or 創120 |
1978年以降 | 没70 | 没70 | 没70 | 発95 or 創120 |
発95 or 創120 |
発95 or 創120 | |
未発行 | 不問 | 没70 | 没70 | 没70 | 創120 | 創120 | 創120 |
- 凡例
凡例 | 解説 |
---|---|
没70 | 著作者の没後70年間 |
発95 or 創120 | 発行から95年間、あるいは創作から120年間のいずれか短い方 (職務著作、変名著作、無名著作、著作者の死亡日不明など、実名著作で定めた「没後70年間」を適用できないため) |
発95 | 発行から95年間 |
創120 | 創作から120年間 |
旧法 or 2047末 | 旧法で規定の保護期間満了まで、あるいは2047年12月31日までのいずれか長い方 |
PD | 保護期間が終了し、パブリック・ドメインに帰す |
1978年1月1日以降に創作された著作物に対しては、米国著作権法では一般的に著作者の没後70年までとされる。著作者が複数人いる場合は、最も生存の長かった者を基準とする。ただし、職務著作・無名著作 (著作者不明)・変名著作 (ペンネームや芸名などを使った創作)・著作者の没年不明の場合は、創作日から120年あるいは発行から95年のいずれか短い年数が適用される (第302条)。
1978年1月1日より前 (1977年12月31日以前) に創作された著作物の保護は、既発行と未発行で保護期間が異なる。未発行かつパブリック・ドメインにも帰していない場合は、上述の第302条と同期間が適用される。ただし、この未発行著作物が1978年1月1日から2002年12月31日の間に発行された場合は、2047年12月31日まで著作権の保護が認められる (第303条)。また、1978年1月1日より前に頒布していても、レコードに関しては既発行とはみなされない例外が設けられている (第303条)。
1978年1月1日より前に創作された既発行著作物のうち、1978年1月1日時点で最初の保護期間中の場合は、28年間が認められる。また最初の保護期間が満了した後、一定の条件を満たせばさらに67年間更新延長できる (第304条)[注 51]。
ただし、著作者の生死に関わらず、1923年12月31日以前に創作 (楽曲の場合は1922年12月31日以前に作曲) された著作物は、保護期間が消滅してパブリック・ドメインとみなされる[147]。
- 保護期間の計算方法
米国著作権法の場合、保護期間の満了日は暦年の最終日とされる (第305条)。例えば1980年代に創作され、著作者が1990年9月1日に死去した場合、著作権の保護期間は死後70年のため2060年までであり、その暦年の最終日である2060年12月31日が満了日となる。日本の著作権法でも死後70年で満了の場合、死去日の翌年から起算して70年間のため、満了日は必ず暦年の最終日 (12月31日) に到来する[148]。したがって米国と日本の満了日の計算方法は実質的に同じである。
著作物の発行の定義
[編集]著作物の流通の観点からは、「既発行」(published) と「未発行」(unpublished) に分類され、著作権の保護範囲が異なる[注 52]。1976年の著作権改正法(Copyright Act of 1976) が施行された1978年1月1日以降は、米国著作権法の連邦法でも未発行著作物が保護されるようになったが[34]、いまだに既発行と未発行では保護期間に差異がある。ここでの「発行」(publication, publish) の定義とは (第101条)、「著作物を複製 (copy) またはレコード収録 (phonerecord) し、一般に頒布すること」であり、「販売その他の手段による所有権の移転、レンタル、リースや貸与」が頒布の具体的手段として挙げられている。そして「更なる頒布、実演または展示を目的として、複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供することを発行と呼ぶ」としている。注意点として、「著作物を公に実演したり展示したりする行為そのものは、ここでの発行には含まれない」としている[注 53]。
著作物の多くがインターネットを介して流通している現代社会において、発行の境界線をどのように解すべきか、いくつかのアプローチがとられている。全米の著作権関連団体・企業などが参加する米国著作権連盟 (The Copyright Alliance) によると、公衆向けに流通・販売・展示する目的で、著作物が複製またはレコード収録された最初の日が、既発行と未発行の境目だとされる。既発行の著作物の場合、発行を起点として著作権の保護期間が計算される[150]。
また米国メディア写真家協会 (ASMP) は、写真のデジタル画像をウェブサイトにアップロードした場合、発行に該当するのかについて回答を寄せている[151]。同協会によると、
- 顧客に依頼されて撮影した写真をデジタルデータの形式で納品した場合、「複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供」に該当するため、発行とみなされる可能性がある
- 写真家個人が運用するウェブサイトにデジタル画像を掲載した場合、そのサイトが一般からアクセス可能な状態であれば発行とみなされ、またそのウェブサイト自体が写真だけでなく文章やイラストなどの著作物で構成されているため、ウェブサイト全体が著作権保護の対象となるだろう
と解説している[注 54]。
著作権保護の手続
[編集]1976年制定・1978年施行の著作権改正法により、USCOへの著作物の登録がなくとも著作権保護が与えられることとなった (第409条)。しかし米国内で最初に発行された著作物に関し、著作権侵害などで民事訴訟を起こす際には、USCOへの登録が必要となる (第411条)[注 55]。登録申請にあたり、著作者名・住所、(無名または変名著作物の場合は) 著作者の国籍または住所、創作年と発行日・発行国などを著作権者は記入する必要がある (第409条)。これは無名・変名・職務著作物であるか否かや、最初の発行国が米国内であるか否かによって、著作権保護期間のカウント方法が異なるためである。USCO局長は提出された登録申請に基づき、著作権法が定める著作物でないと判断した場合は却下し、許可されたもののみ登録証明書を発行する (第410条)。裏を返すと、著作権法の保護対象をUSCO局長が線引きしており、司法に対する越権行為ではないかとの懸念もあり、この「登録」の定義を巡って争われた裁判も数件存在する (「ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判」、「リード・エルゼビア対マッチニック裁判」、「フォース・エステート対Wall-Street.com裁判」も参照)。
1988年のベルヌ条約実施法(Berne Convention Implementation Act of 1988)[注 56]の成立により、米国でも1989年から無方式主義が採用された結果、著作権保護の観点からは著作権マーク「©」 (マルC、Copyrightの意) または「℗」(マルP、レコードのPhonogramの意) や著作者名、発行年の表示は必須ではなくなった (第401条)。
USCOへの著作物の複製の納付は引き続き原則必要となっており、発行から3か月以内に行わなければならない。納付はコピー2部 (レコードの場合は発行に付属していた印刷物などの付属資料も) が求められている。ただし元々コピーが4部以下しか作成されていない著作物 (1点ものの絵画など) や、シリアルナンバーを付した限定リリース品などは納付の義務が免除されている。納付を怠った場合、著作物1点あたり250ドル以下の罰金が科される (第407条)。
国際的な著作物への対応
[編集]著作物が国際的に流通する社会において、どこの国の著作物がどこで利用された場合に米国著作権法が適用されるのかが問題となる。米国著作権法では、既発行と未発行著作物で対応が異なる。未発行著作物の場合、著作者の国籍や現在居住地は不問で著作権の保護対象になる (第104条)。一方、既発行著作物は、以下6要件のいずれか1つ以上に該当すれば、米国著作権法が適用される (第104条)。
- 発行初日の段階で、著作者の一人以上が「米国籍あるいは米国住民」、「条約加盟国の国民、住民、あるいは加盟国の政府機関などの主権者」、「無国籍者 (現在居住地は問わない)」のいずれかに該当する場合
- 米国内で最初に発行されたか、あるいは発行初日の段階で条約加盟済の国で発行された場合
- 音声レコーディングのうち、条約加盟国内で最初に録音完了したもの
- 絵画、図形または彫刻作品のうち、ビルなどの建造物に組み込まれている場合、あるいは建築著作物のうち、米国ないし条約加盟国内のビルなどの建造物に組み込まれている場合
- 最初の発行者が国際連合もしくは国際連合の専門機関、または米州機構 (OAS) の場合
- 一定の条件下で、米国大統領の布告 (proclamation) によって保護すると指定された著作物
国際著作物に対するこのような運用は、米国以外の著作権法でも見られることから、同一の著作物を巡って、同一の原告と被告が世界各国の裁判所で係争する事態が発生している。その代表例が「ウルトラマン裁判」である。本件では、日本、タイ、中国、米国でそれぞれ訴訟が起こり、異なる判決が出ている[157][158][159]。
著作者と第三者の権利関係
[編集]ここからは、上述の著作物に対する諸権利を、誰が有するのかについて解説する。
著作者と著作権者の相違点
[編集]個人・団体を問わず著作権を有する者を「著作権者」と呼ぶが、米国著作権法では著作権が誰に帰属するのかを大きく3つに分けて定義している (第201条)。第一に、著作物の著作者 (最初の作成者) が著作権者だとする「原始的帰属」 (Initial ownership) という基本的な考え方である。第二に、雇用主の命により業務の一環で従業員が著作物を作成した場合は、著作者である従業員個人ではなく雇用主が著作権者だとする「職務著作」 (Works made for hire、またはWorks for hire)[注 57]の考え方である。第三に、個々の著作物を寄せ集めて作成・編纂された「集合著作物」である。複数の楽曲を収録した音楽アルバムや、複数のジャーナリストが寄稿して発行される雑誌などが集合著作物に該当する。集合著作物の著作権と、それを構成する個々の著作物の著作権は別個に存在する。
特に職務著作における「従業員」や「職務」がどこまでを指すのかは国によって異なり、その定義が問題になる[注 58]。たとえば、社外に業務を委託または注文して創作された成果物は、委託元 (発注者) と請け負って創作した者のどちらが著作権を有するかは、職務著作の定義に関わる。米国著作権法の条文上では、雇用契約の関係にある従業員だけでなく、一定の条件下で委託著作物も職務著作として認められている (第101条)。職務著作に関するリーディング・ケースとして「CCNV対リード裁判」が知られている[165][166][167]。
第三者への著作権の移転
[編集]第106条で定められた排他的権利 (支分権) は、譲渡や独占ライセンス許諾、抵当設定、相続などによって著作者から第三者に移転 (transfer) することができる (第201条 (d))。著作権の移転が効力を発するには、著作権者あるいはその代理人による署名付きの書面作成が必須となる (第204条)。この譲渡証書は任意でUSCOに登録することもできる (第205条)。
移転は支分権全てである必要はなく、その一部のみ移転することが可能である。例えば、小説の作者が小説出版権 (原著作物の頒布権) を出版A社に売却し、小説の映画化権 (二次的著作物の作成権) を映画配給B社に売却するといったように、諸権利をバラバラに分解する行為も移転と定義される。また、独占ライセンスの許諾に有効期限を設定したり、その独占をある地域に限定したりするといった、時空を特定することも可能である (第201条)。ただし、米国著作権法上の移転の定義には、非独占ライセンス許諾は含まれない (第101条)。また移転の対象に第106A条は含まれないことから、著作者が死去すると著作者人格権は第三者に継承できないと解される (第201条)。集合著作物、職務著作、およびライセンスを巡って争われた例として「ウォーレン出版対スパーロック裁判」も参照のこと。
所有者の権利と消尽論
[編集]米国著作権法の定める著作権者とは、著作物の排他的権利を有している者であって、排他的権利を行使して作成された実物の所有者 (購入者) とは分けて捉えられている (第202条)。所有者とは例えば、出版された書籍や音楽ダウンロードサービスで配信された楽曲を購入した消費者である。仮に小説を執筆した著作者がその小説を出版販売したとしても、小説の購入者が所有しているのは小説という実物の商品のみであって、小説の著作権まで購入したわけではないという意味である。
複製された著作物の所有者は、著作権者の許諾なしで自由に所有物を売却処分することができる。つまり、著作権者の排他的権利は、複製された著作物の処分方法にまでは及ばずに消えることから、これを「消尽論」または「ファースト・セールス・ドクトリン」(The First Sales Doctrine) と呼ぶ[168]。ただし、録音物またはその録音物に含まれる音楽著作、あるいはコンピュータ・プログラムのコピー所有者が処分する際には、一部の例外を除き、著作権者の許諾が必要になる。また所有者は、著作物のコピーまたはレコード複製を使って、その場で一般の観衆向けに展示することができる。展示が許されるのは所有者であり、著作権者から著作物を貸与された場合は適用外となる (第109条)。レコードとコンピュータ・プログラムは特に貸し手側が違法にコピーして流通させ、著作権者の利益を損なう恐れがあることから、1994年の改正法で第109条に (b) 項を追加している[注 59]。消尽論を巡る裁判は、「カートサン対ワイリー裁判」と「オメガ対コストコ裁判」も参照のこと。
著作物の利用と著作権侵害
[編集]フェアユース (総論)
[編集]著作物そのものはパブリック・ドメインに帰しておらず保護期間内であっても、一定の条件を満たしていれば著作者に無断で利用しても著作権侵害とはならない。その代表例がフェア・ユース (公正利用) である。
フェアユースの利用シーンとしては「批評、解説、ニュース報道、教育、研究または調査」が例示されており、また最終的には「使用の目的・性質」(非営利の教育やパロディによる変形的利用など)、「著作物の内容」、「量・質の両側面から著作物が使用された割合」、「使用によって著作物の市場価値にどの程度影響を及ぼすか」などを考慮して総合して判断される[170][171]。条文ではincludingやsuch asといった表現が使われていることから、これら利用シーンや考慮点はあくまで例示である点に留意が必要である (第107条)[注 60]。
これら4基準のうち、特に第1基準の変形的利用、および第4基準の市場代替性が重視される傾向にあると指摘されている[170]。第1基準で商用目的であったにもかかわらず、同じく第1基準の変形的利用が優先して認められた結果、フェアユース判定となった「キャンベル対エイカフ・ローズ・ミュージック裁判」(1994年最高裁判決) などが知られている。本件は映画の主題歌『Oh, Pretty Woman』のパロディ曲を巡る争いである[172][173]。
フェアユース以外の個別規定
[編集]第107条のフェアユースとは別に、特定条件下で著作権者の排他的権利に制限がかかり、利用が緩和・促進されている条項が複数ある (第108条 - 第122条)。例えば、図書館や文書資料館による複製は公共の利益目的であり、著作権侵害に該当しないとされている (第108条)。またコンピュータ・プログラムにも著作権が認められるが、そのプログラムのコピー所有者が著作者に無断で新たにコピーまたは翻案物 (adaptation) を作成する場合、一定の条件を満たしていれば著作権侵害とならない。その条件とは、コンピュータ・プログラムを内蔵した機械・端末を生産する目的であり、それ以外に転用されないこと、あるいは保存目的で更なるコピーまたは翻案物を作成し、所有者が所有権を喪失した時点で廃棄することの2点である (第117条)。
著作権侵害と救済手段
[編集]民事訴訟
[編集]権利を侵害された被害者 (著作権者) は、請求権が発生してから3年以内であれば民事訴訟を起こすことが可能である (第507条)。裁判は長期化することもあるため、短期的な救済として差止命令、差押や処分を被害者は裁判所に請求し、さらなる侵害を食い止めることができる (第502条、第503条)。差止命令とは侵害者の行為を止めさせる裁判所命令であり、米国全域で効力を発揮する。換言すると、差止命令の法的強制力は米国外には及ばないことを意味する。差止命令の法的根拠と手続については、合衆国法典第28編 (各種訴訟法) の第1498条 (特許権および著作権) に定められている。また、著作物を違法に複製している場合などは、その複製物を差し押さえるだけでなく、複製のために用いられる版木やテープといった手段も廃棄処分できる (第503条)。
金銭的な賠償として、被害者は現実損害賠償あるいは法定損害賠償を選択できる。現実損害賠償の場合、被害者が被った現実損害の額と、著作権侵害者が得た利益の総額で算出される。被害者は侵害者の総収入のみ立証責任がある。総収入のうち、著作権侵害以外から得た収入などがある場合は、侵害者側の申告で初めて控除され、現実損害賠償額が最終決定される (第504条)。
一方、法定損害賠償を選択した場合、著作物1点あたり、原則は750ドル以上3万ドル未満で裁判所が賠償金額を決定する。原著作物を用いて作成された編集著作物や二次的著作物も著作権侵害を被った場合、著作物1点あたりの賠償単価が上乗せされることはあっても、「著作物1点」がダブルカウントされるわけではない (第504条)。また、著作権侵害が故意だと認められた場合は、賠償単価の上限が3万ドル未満から15万ドル未満まで増額される。逆に侵害者が知らずに侵害していた場合は、賠償単価の下限が750ドル以上から200ドル以上まで減額される[注 61]。
損害賠償に加えて、民事訴訟に要した費用も請求できる。具体的には提訴に要する諸手続の費用の他、雇用した弁護士への報酬支払額も補償の対象となる (第505条)。
「キャピトル・レコード他対トマス・ラゼット裁判」(2012年第8巡回区控訴裁判決) や「ソニーBMG他対テネンバウム裁判」(2013年第1巡回区控訴裁判決) などでは法定損害賠償の金額水準の妥当性を巡って争われた。個人がPeer to Peerで楽曲ファイルを無断シェアしたことから、総額150万ドルもの賠償を一個人に対して求める陪審意見もあり、個人・非商用の著作権侵害行為に対する適正手続 (due process) の観点から違憲性が主張された事件である[176][177][178]:65–71。
間接侵害 (二次侵害)
[編集]たとえば、一般ユーザがインターネットサービスを介して著作権侵害コンテンツを投稿・シェアすることがある。このような場合、直接的な責任は当該ユーザ個人が負うが、権利侵害の場や手段を提供したり、侵害行為を止めることができたにもかかわらず監督を怠ったインターネット関連事業者にも間接侵害 (二次侵害) の責任が発生するケースがある[179]。以下では間接侵害について解説する。
著作権法における「寄与侵害」とは、直接的に著作権侵害は行っていないものの、そのような侵害行為が起こりうると分かっていながら、誘発するような間接的な関与をしている場合である[183]。つまり、第三者に著作権侵害を行うよう指示・そそのかす (法律用語で教唆という) か、または直接手は下していないものの著作権侵害に重大な「貢献」をしていれば、寄与侵害の責任を負うことになる[184]。寄与侵害では、著作権侵害が実際に起こっていることを知っているケースだけでなく、知っていて当然であり合理的であろうと推定されるケース (擬制的認識、constructive knowledge) も含まれる[183][185]。
一方「代位侵害」とは、侵害行為を行わないよう監督責任・権限を有する者が、その義務を怠った結果、侵害が発生した場合である[183]。寄与侵害とは異なり、侵害行為の認識の有無は問われないが、代わりに権利侵害によって直接の経済的な利益を得ていることが責任成立の要件となる[183][186]。「代位」とは、最も分かりやすいのが従業員と雇用主の関係であり、服務中に従業員が著作権侵害を行えば、雇用主にも代位責任がおよぶ。ただしこの「代位」の概念は、英米法における代理法に基づいており[187][注 62]、雇用主 (使用者) だけでなく信託や組合といったあらゆる個人・法人の信認関係 (fiduciary relation) を有する代理人 (エージェント) 全般に適用される[188]:1–2。
寄与侵害や代位侵害のリーディングケースとしては、通称「ソニー・ベータマックス判決」(1984年最高裁判決)[189][53]や通称「ナップスター判決」(2001年第9巡回区控訴裁判決)[190][191]、通称「チェリー・オークション判決」(1996年第9巡回区控訴裁判決)[190][192]が知られている。ソニー・ベータマックス判決では、(特許法とは異なり) 著作権法上では寄与侵害や代位侵害が明文化されていないものの、第三者に責任を負わせる正当性を認めている[182]。ナップスター訴訟では、Peer to Peerの通信環境下で個人が楽曲を無断シェアしたことから、ファイルシェアの場を提供し、著作権侵害のアクセスを停止するなどの監督責任を怠ったとして、ナップスター社に寄与侵害と代位侵害が認められている[191]。チェリー・オークション訴訟はフリーマーケットで著作権侵害の海賊版が販売されていた事件だが、販売していた出店者 (直接侵害者) だけでなく、場貸ししていたフリーマーケット開催者にも寄与侵害が認められた[190]。
ただし無限の間接侵害を認めているわけではなく、1998年制定・施行のデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) によって著作権法が改正され、著作権侵害がインターネットを介して行われた場合、その通信環境を提供したインターネットサービスプロバイダー (ISP) またはオンラインサービスプロバイダー (OSP)、あるいは検索エンジンなどのデータキャッシング事業者各社は、一定の条件下で損害賠償を免責されることとなった (第512条)。第512条はいわゆるセーフハーバー条項とされ[注 63]、「ノーティスアンドテイクダウン手続」(notice and takedown) や「DMCA通告」などと呼ばれている[注 64]。第512条が1998年に新設される以前は、インターネットサービス事業者が直接侵害の責任を負う判例と、間接侵害のみと解される判例が混在していたが、第512条によって間接侵害に責任範囲が留まることとなった[198]。
なお、2020年5月に公表された著作権局 (USCO) の調査報告書によると、著作権侵害でDMCA通告 (削除依頼) をオンラインサービス事業者が受け付ける件数は、日次で100万件を超えると見られている[199]。
刑事手続
[編集]被害者による民事訴訟以外に、警察や検察が刑事事件として手続を執る場合がある。著作権侵害罪として刑法上で扱われるのは、(1) 故意で商業的あるいは私的利益を目的とした場合、(2) 過去180日以内に総額1000ドル超の市場価値を有する複製または頒布を行った場合、(3) 商業的な目的でインターネット上で著作物を頒布した場合の3条件のいずれかに該当する場合である。
総額2500ドル超の市場価格を有し、10点以上を複製または頒布した場合を例にとると、初犯は懲役5年以下または25万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に処せられる[200]。同条件で再犯の場合は懲役10年以下または25万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に引き上げられ、さらに常習犯の場合は刑が重くなる。一方、軽犯罪の場合は懲役1年以下または10万ドル以下の罰金に軽減される。また、デジタルミレニアム著作権法施行による改正により、技術的保護手段の回避禁止が盛り込まれた。その結果、コピーコントロールやアクセスコントロールを回避・解除して著作権を侵害した場合は、初犯でも懲役5年以下または50万ドル以下の罰金 (あるいはその両方)、再犯の場合は懲役10年以下または100万ドル以下の罰金 (あるいはその両方) に処される[200]。
これらの懲役・罰金に加え、合衆国法典第18編 (刑法および刑事訴訟法) の第2323条 で定められた方法に従って、没収・破棄・返還を行うことができる。また他者を欺く目的で偽りの著作権表示を行ったり、そのような欺罔的な表示の複製品を頒布・輸入したり、著作権表示自体を除去したり、偽りの著作権登録申請を行った場合は、それぞれ2500ドル以下の罰金に処せられる。
侵害が発生してから5年以内であれば検察による刑事訴訟の着手は可能で、その手続の詳細は合衆国法典第18編の第2319条 (著作権侵害) に定められている。
なお、日本を含む環太平洋パートナーシップ協定 (TPP11) 締結各国は[201]、2018年12月に発効した同協定に基づいて著作権侵害の「非親告罪化」のための国内法手続を進めている[202]。親告罪とは、被害者本人あるいは法で定めた者 (法定代理人、親族など) からの告訴がない限り、刑事訴訟に至らない犯罪を指す。これを非親告罪化することはすなわち、著作権者の告訴がなくても刑事手続に踏み切れることになる[203]。しかし米国はTPP 12交渉から途中離脱したため[204]、非親告罪化を合衆国法典上で明文化する必要はなくなった。
ただし合衆国法典では元々、著作権侵害罪が親告罪だとも明文化されていない。これは、著作権法第107条で包括的なフェアユース条項を有する米国では、一定条件を満たせば著作権侵害とみなされないため、刑事事件として非親告罪を認めても、実質的な問題に発展しづらい土壌の違いが指摘されている[205]。
連邦著作権法と関連法の関係
[編集]ここまでは連邦法としての著作権法を解説したが、ここからは密接に関係するその他の法律を取り上げ、その関係性について見ていく。
州法との関係
[編集]連邦法たる合衆国法典 第17編 (一般的に米国著作権法と呼ばれているもの) と州法による著作物の保護の間で矛盾が起きた場合、どちらが優先されるのか。これについては合衆国憲法 第6編第2項の「連邦優位条項[206]:103」(Supremacy Clause) が適用される[注 65]。これに関連する判例としては、1964年最高裁判決「シアーズ・ローバック対スティフル裁判」(376 U.S. 225 (1964))[208]や1989年最高裁判例の「ボニート・ボーツ対サンダー・クラフト・ボーツ裁判」[209][210]がある。
しかし州法が完全に否定されているわけではなく、連邦法で著作物性がないとして保護の対象外になっているもの (法的保護の想定外) を、州法で追加保護することは認められている[211]。たとえば#著作物の定義で述べたとおり、連邦法で守ることができる著作物には、何らかの媒体に固定されていること、また創作性が必要であることが合衆国憲法の特許・著作権条項から解釈されている。しかし、未固定の著作物を州法で権利保護している州が一部ある。特に、未発行の著作物に対する複製権と頒布権の保護を「コモンロー・コピーライト (common law copyright)」と呼び、未発行の著作物が連邦法で十分カバーされていない場合でも、州法で保護されることがある[212][37]。
カリフォルニア州の民法典を例として取り上げると、その第980条で実演や演説などの未固定著作物も保護している。また同法典の第985条では、書簡その他の私信 (手紙) などは、その作成者の意に反して書簡の受領者が発行してはならないとされる。さらに、同法典の第982条によると、純粋美術の原作品を著作者が第三者に譲渡した場合であっても、譲渡契約書で特段の定めがない限りにおいて、著作者は複製権を持ち続ける。逆に芸術作品の著作権のみを譲渡した場合は、第988条の規定に則り、原則として著作者に作品の所有権は残る。加えて、その美術作品が販売された場合、かつ売り主がカリフォルニア州住民であるか、売買がカリフォルニア州で行われた場合は、その売買代金の5%相当を売り主から著作者に支払う義務が第986条で規定されている[212]。なお、美術作品の売買代金の一部を著作者が受け取れる仕組みを「追及権」と呼ぶ。2013年時点で世界76か国が追及権制度を導入済であり、特に欧州連合 (EU) は2001年に追及権指令を成立させたことから、EU加盟国すべてが追及権を国の著作権法などで保障している[213]。
近接する各種連邦法との関係
[編集]連邦法だけをとってみても、著作権とは知的財産権の一種であることから、以下のように著作権の姉妹にあたる法律が複数存在する[214]。
これら姉妹法と著作権法は補完関係にあるわけだが、何らかの権利侵害が起こった時に具体的にどの法律が適用されるのかを切り分ける必要が出てくる。この問題は米国に限らず世界共通的に「アイディア・表現二分論」の法理に基づき、切り分けを行っている。しかしながら、著作権法以外の各法の守備範囲も各国で異なることから、同じ法理を用いても著作権法で保護される対象が国によって大きく異なることがある[注 66]。
米国著作権法では著作者人格権の保護対象が狭い、と他国から批判を受けている。しかしこれに対し米国は、著作者人格権のうち、ベルヌ条約が求めている同一性保持権 (著作者に無断で内容を改変されない権利) と氏名表示権 (著作物を発行する際に、実名・変名・無名など著作者名の表記を選択できる権利) の2点については[注 67]、米国内では著作権法ではなく、ランハム法で保護されていると解されている[218]。ランハム法とは、商標法に不正競争防止法の要素を足した法律であるが[注 68]、純粋な産業財だけでなく、文化寄りの作品にも適用される[220]。著作権法とランハム法の両方が問われた裁判として、アイゼンハワー大統領による戦争回想録のテレビ番組を巡る「ダスター対20世紀フォックス裁判」も参照のこと。
また、著作権と意匠権 (米国連邦特許法 合衆国法典第35編第171条) の関係を巡っては、応用美術 (工業デザイン) の領域で多くの判例が存在し、また法学的にも議論がなされてきた。このトピックにおけるリーディング・ケースが先述の「メイザー対ステイン裁判」である。このケースでは、卓上ランプという機能的な日用品には著作権上の表現性はないが、芸術表現性が認められるダンサー像がランプに飾られており、ダンサー像のデザインを物理的に分離可能であることから、この卓上ランプの模倣が著作権侵害に当たると連邦最高裁によって判示された。メイザー判決以前は、このような応用美術が意匠特許法だけでしか保護されないのか、それとも著作権法でも二重保護されうるのか判然としなかったが、メイザー判決によって二重保護が認められるようになった[221]。
合衆国憲法との関係
[編集]主に合衆国憲法と著作権法の関係が問われるのは、特許・著作権条項 (合衆国憲法 第1条第8項第8条)、州際取引条項 (合衆国憲法 第1条第1項第3号)、表現の自由 (憲法修正第1条) の3点である。
- 州際取引条項
- 表現の自由
- これらの主張の背景には、米国が著作権保護にあたって「産業政策理論」を採っていることが挙げられる。産業政策理論とは、著作権によって一定期間に限って著作者や発明者を動機づけし、保護期間終了後は、その成果物を公衆が利用することで、公共の利益を達成しようとする考え方である。つまり、連邦議会が著作権者に与える独占的権利は、無制限でもなければ私的恩恵を与える目的でもない。競争の自由を阻害する市場独占権は悪であり、これに対する強い警戒心が米国の根底に流れていると指摘されている[20]。
著作権管理サービス
[編集]著作権者 (創作者) が排他的な権利を有したままでは著作物の社会利用の妨げになることから、著作権者と利用者を仲介する機能が求められる。この仲介を公的に果たしているのがアメリカ合衆国著作権局 (略称: USCO) であり、米国著作権法によってその役割が規定されている (合衆国法典第17編第7章)。主な業務は著作物の収集と登録、権利移転 (名義書き換え) である。これにより、誰がどの著作物の権利を有しているのかが可視化できる。著作権は財産の一部であることから、土地・建物のように自由に著作権を相続・売却・貸与できるため、移転の処理件数は多く発生している。
また、民間の仲介機能としては著作権管理団体の存在が大きい。
合衆国著作権局
[編集]USCOはアメリカ議会図書館の一部局であり、議会図書館は連邦議会 (つまり立法府) の一組織である[注 69]。これは元々、議会図書館が世の中の著作物を広く収集し、新たな法律の作成・改正の際の調査分析に役立てるために存在しているからである[230]。著作権者の名義登録が不要になった現在でも、著作物の納付が義務付けられているのはこのためである。2018年度の実績報告によると[注 70]、議会や行政機関および一般からの議会図書館に対する問い合わせ件数は100万件を超える。また同年度のUSCOによる著作物の登録処理件数は56万件超、著作権者の移転処理件数は2万件超、著作物の登録申請のうち、96%は電子申請システム経由で提出されている。登録料収入は年3800万ドルに達している[231][230]。
ベルヌ条約の批准に伴い、無方式主義を米国も採用するようになったことから[154]、著作権保護の観点ではUSCOへの著作物の登録は必須ではなくなった[注 71]。その反動で、著作物を利用したくとも許諾を求める相手が不明な著作物 (orphan works、直訳は孤児著作物) が増加し、著作物の社会利用が妨げられるジレンマを抱えるようになった[232]。
さらにUSCOの責務は単なる管理業務に留まらず、著作権法のあり方に関して連邦議会に提言する立場にある[231]。特に20世紀最大と言われる1976年の改正法は、USCO局長だったバーバラ・リンガーが立役者と言われ[233][234]、草案作成から議会へのロビイング、そして可決まで21年を費やしたとされる[235][233][234]。
またデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づき、ノーティス・アンド・テイクダウン手続がインターネット事業者の免責として定められているが、その通報先と通報窓口担当者をUSCOのデータベースに電子登録する仕組みを2016年12月より導入した[236]。このようにUSCOは著作権者と利用者の利害調整として広範な役割を果たしている。
著作権管理団体
[編集]著作権管理団体は著作権者に代わって著作物の利用ライセンスを販売したり、ライセンス料を徴収・分配する集中管理・決済機能を果たしており、音楽や映画、出版など業界別に複数の団体が米国に存在する[217]。単にUSCOに登録しただけでは、著作権者と利用者はN対Nの関係のままであり、利用許諾や利用料の徴収業務が多数発生して煩雑化してしまう。そこで、著作権管理団体が著作権者および著作隣接権者の窓口を担うことで、これが1対Nの関係となり、効率性が増す[237][238]。ただし、著作権管理団体は巨額のライセンス権を取り扱うことから、司法省の監督の元で反トラスト法 (米国の独占禁止法) の規制が一部掛かっている[217]。
インターネットの普及に伴い、この構図が1対Nから1対1の関係にシフトする傾向が生まれた。つまり、権利者側の窓口が著作権管理団体なのに対し、利用者側の窓口をインターネットサービス事業者や携帯電話などの通信事業者が務める構図である[237]。音楽業界を例にとると、Amazon MusicやSpotifyなどが著作権利用料込みで一般ユーザに課金し、それを一括して著作権管理団体に支払うマネーフローである。これらインターネットサービス事業者の市場における存在感が増すにつれ、著作権者や著作権管理団体との利害衝突も発生している。これに関しては米国よりも欧州連合 (EU) が先行しており、2019年4月可決・同年6月施行の「デジタル単一市場における著作権に関する指令」に基づき、EU加盟国は国内法を整備する義務を負い、権利者サイドとインターネットサービス事業者サイドの利害調整と域内統一を目指している[239]。
法改正の歴史
[編集]米国内法の主な改正点
[編集]米国の著作権法は、世界初の本格的な著作権の制定法とも言われる英国のアン法の流れを汲み[240][241]、独自の米国連邦法としては初めて1790年に著作権法 (Copyright Act of 1790) が制定された[注 72]。その後、時代の変遷に合わせて多くの改正が重ねられているが、主な改正点は以下の通りである[注 73][注 74]。
- 1790年の著作権制定法 (Copyright Act of 1790) - 初の米国連邦法[243]。著作権保護期間を14年 + 更新延長14年に設定[244]
- 1891年の国際著作権改正法 (International Copyright Act of 1891またはThe Chase Act) - 米国外の著作物を対象とした米国内での権利保護を初めて規定[注 75]
- 1909年の著作権改正法 (Copyright Act of 1909) - 1790年法を全面改正。保護要件として発行と著作権表示を明文化した[注 76]。著作権保護期間を28年 + 更新延長28年に改正[249]
- 1976年の著作権改正法 (Copyright Act of 1976) - 20世紀最大の改正。著作権保護期間を75年または著作者の死後から50年に改正。未発行の著作も保護対象化[250][251]
- 1988年のベルヌ条約実施法 (Berne Convention Implementation Act of 1988またはBCIA)[注 56] - 国際条約に合わせた米国内の著作権法改正 (無方式主義の採用など)[252]
- 1990年の視覚芸術家権利法 (Visual Artists Rights Act of 1990またはVARA) - 視覚芸術著作物 (visual arts) に限定して著作者人格権の保護を初めて明文化[253][29][30]
- ソニー・ボノ法 (Copyright Term Extension ActまたはSonny Bono Act)[注 77] - 1998年制定。著作権保護期間を出版から95年または創作から120年、または著作者の没後70年に改正[255]
- デジタルミレニアム著作権法 (Digital Millennium Copyright ActまたはDMCA) - 1998年制定。WIPO著作権条約およびWIPO実演・レコード条約に則して、デジタル著作物に関する著作権侵害の罰則と免責を明確化[255]
国際化とデジタル化への対応
[編集]1790年の米国著作権法では、その権利保護の対象は米国籍の著作者であり、米国内に流通する著作物に限定されていた[257][243]。米国内では米国外の著作物が盛んに無断で複製され、その著作者に印税やライセンス料が入らない事態が発生していたことから、1800年から1860年代までは海賊版出版時代 (The Great Age of Piracy) と呼ばれていた。1870年代後半から大手出版社らが国際著作権保護支持に転じ、1891年に国際著作権改正法 (通称: チェース法) が成立した[258]。なお、同時期の1887年にはベルヌ条約が発効しているが、米国は欧州への外交不干渉 (いわゆるモンロー主義) の立場から、原加盟を見送っている[43][注 14]。
20世紀最大の改正と言われるのが、1976年制定・1978年施行の改正法である。これにより国際水準からの遅れを取り戻し、1988年にベルヌ条約批准に至っている[250]。この背景には、1970年代から80年代にかけての米国の貿易赤字問題がある。著作権や特許権などの知的財産権を国際水準で保護することで、米国企業の国際競争力を回復させる必要性があった[259]。また、1984年に米国がUNESCOから脱退[260]したことも、ベルヌ条約批准と関係している[261][262]。当時の米国は万国著作権条約に加盟していたが、この条約がUNESCO管理 (寄託) であったことから、UNESCO脱退後に代替となる著作権条約に加盟し、著作権政策の国際的な発言権を維持・強化する必要があった[261]。
その後1990年代には、インターネットの普及に呼応する形で、国際社会がデジタル著作物の法的保護に取り組み始めた。1996年署名のWIPO著作権条約およびWIPO実演・レコード条約を履行する目的で、米国ではいち早く1998年にデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) を成立させ、デジタル著作物に関する罰則と免責条件が明文化している[56][263]。しかし著作権侵害が不明瞭でも「とりあえず削除」のインセンティブをインターネット事業者に与えうるとして批判は根強い。DMCA成立以降もデジタル著作物に関連する法案は連邦議会に多数提出されているが、2016年時点までに提出された主なデジタル著作権改正法案は全て廃案となった[217]。
DMCA以来の大型法改正としては20年ぶりにあたる2018年10月、音楽著作物に限定する形で音楽近代化法 (Music Modernization Act、略称: MMA) が制定されている。MMA成立の背景には、音楽ストリーミング配信サービスの普及に伴い、楽曲の権利者とストリーミング配信事業者との間で訴訟に発展するケースが増えたことが挙げられる[93]。
著作権侵害と紛争解決
[編集]著作権侵害を巡って、米国では毎年多数の訴訟が発生している。訴訟の場合は他の連邦法と同様、連邦著作権法も第1審の連邦地方裁 (全国94か所)、第2審の連邦控訴裁 (全国12地域の巡回区、および連邦巡回区)、第3審の連邦最高裁によって裁かれる[264]。
また訴訟以外の手段としては、裁判外紛争解決手続 (通称: ADR) があり、米国以外の企業が著作権侵害の当事者の場合、ADRの国際仲裁が選ばれることもある[265]。
国 | 訴訟内容 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
米国 [12][14] |
著作権 | 3,930 | 3,199 | 2,178 | 2,387 | 2,627 | 3,432 | 3,976 | 4,304 | 5,161 | 約4,000 | -- |
特許権 | 2,776 | 2,576 | 2,549 | 2,770 | 3,572 | 5,461 | 6,128 | 5,085 | 5,823 | -- | -- | |
商標権 [注 78] | 3,696 | 3,877 | 3,987 | 4,236 | 4,098 | 3,911 | 3,713 | 4,341 | 3,594 | -- | -- | |
日本 [266][267][268] |
著作権 | 129 | 119 | -- | -- | -- | -- | 136 | 112 | 119 | 139 | 337 |
特許権 | 156 | 147 | -- | -- | -- | -- | 164 | 182 | 154 | 142 | 158 | |
商標権[注 78] | 78 | 88 | -- | -- | -- | -- | 81 | 77 | 107 | 78 | 83 | |
不正競争防止[注 78] | 92 | 92 | -- | -- | -- | -- | 119 | 129 | 122 | 117 | 88 | |
中国 [269] |
知的財産権全体 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | 約110,000 | 約140,000 | 201,039 |
著作権 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | 137,267 | |
特許権 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | 16,010 | |
商標権 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | 37,946 | |
その他 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | 9,816 |
フェアユース採用の評価
[編集]米国著作権法の第107条では、著作物を無断で利用しても著作権侵害に当たらないケースを抽象的・一般的な基準で定めたフェアユースの法理が採用されている[注 79]。一方、米国以外の国々では、米国型のフェアユースとは異なり、個別ケースを具体的に列挙する方式をとることも多く、米国との比較を通じて、フェアユース導入の是非が議論されている[271]。たとえば欧州連合 (EU) の場合、2001年のEU情報社会指令により個別列挙を21ケースに限定し、さらにEU加盟国の国内法でこの21ケース以外を追加規定することを禁じている[272][注 80]。しかし、フェアユースを導入している米国よりも、導入していない欧州の方が、インターネットを介した著作権侵害の件数が多いとの指摘がなされ (2013年時点での比較)、フェアユースの効用を評価する意見もある[271]。その一方で、たとえばGoogleサジェスト機能 (オートコンプリート機能) が著作権法上の複製権侵害に該当するかについて、欧州各国の司法判断は分かれており[274]、社会的な公平性の観点からもフェアユース導入の是非が論じられている[275]。
フェアユースの法理を採用するかは、法的な安定性と柔軟性のどちらを重視するかに依存する。EUのように限定列挙すれば、著作権者にとっては著作財産権の価値が高まると同時に、著作物の創作のための投資と回収の見通しが立ちやすくなる。一方で米国のように一般的な基準を設け、個別判断は裁判所に任せることで、著作物の内容や流通経路といった社会的・技術的な変化にも対応しやすくなるメリットが考えられる[276]。日本においても、過去にはフェアユース導入に否定的だったが、現代のインターネットによる著作権侵害の技術的複雑化を受け、司法判断に委ねるべきだと見解を翻す識者がいる[276]。その一方で、著作権侵害のリスクをとっても起業し、問題が起これば事後的に司法で解決する米国のスタイルは、リスクテイクに慎重な日本の企業文化に馴染まないとして、日本版フェアユース導入への慎重論も根強い[277]。
判例
[編集]米国著作権法には多くの判例が存在するが、その一部を紹介する。特にフェアユース関連の判例が多い。
- フェアユース関連
フェアユース関連で世界的に注目された大規模裁判が、「全米作家協会他対Google裁判」である。Googleブックスが著作者に無断・無償で書籍をデジタルスキャンして、インターネット上に公開する行為が著作権侵害かが問われた。当初は当事者間で和解交渉が進められていたが、和解によって逆にGoogleの電子書籍市場における独占が強まる恐れがあり、反トラスト法 (独占禁止法) への抵触が指摘された。さらにGoogleブックスのスキャンした書籍が世界各地におよんでいたことから、諸外国の政府からも批判を受け、一時は外交・国際司法の問題も孕んでいた。裁判所も当初は著作権侵害を認めていたが一転し、最終的にGoogleのフェアユースを認める判決で11年後の2016年に終局した[278]。
また、「Oracle対Google裁判」もフェアユースの動向を探るうえで注目されている。企業買収により、OracleがJava APIの権利を獲得したが、Java APIがGoogle製のモバイル用OSであるAndroidに利用されており、OracleがGoogleを提訴している[279][280]。Oracleは特許権と著作権侵害あわせて88億米ドル (約1兆円) の損害賠償を求めている。二審では原告Oracle有利の判示が出ているが[279][280]、Googleは2019年1月、二度目の最高裁への上告受理申立て (certiorari) を行っている[281]。
- 国際的な準拠法関連
交通、通信、人の移動などが活発化することで、ユビキタス性を有する知的財産を国際的に保護する必要性が叫ばれるようになった[282]。ユビキタス性とは、誰でもどこでもいつでも利用できる性質である[283]。
このユビキタス性を象徴する判例として、一連の「ウルトラマン裁判」がある。特撮作品の『ウルトラシリーズ』の原作者・円谷英二が設立した円谷プロダクションが、同作品の独占的利用権を1976年にタイ企業のチャイヨー・プロダクションに譲渡していたかが問われた[157]。譲渡書は日本国外すべての地域を対象としていることから、著作権の準拠法における不法行為地の観点から、訴訟が世界各国で展開された。日本の最高裁は2004年、譲渡書の筆跡鑑定などを行わないまま、原告の円谷プロダクション敗訴を下している。中国においても、円谷の敗訴。しかしタイ最高裁は2008年、譲渡書のサインが異なることから偽物だと判定し、円谷の勝訴となっていた。2018年、米国カリフォルニア州中央区地方裁は譲渡書が偽物だとして、円谷の勝訴となっている[158][159][284]。
- 消尽論関連
消尽論関連では、2013年最高裁判決の「カートサン対ワイリー裁判」が知られている。タイ人留学生が、米国とタイで販売される同一の教科書の価格差に着目し、タイから逆輸入してオークションサイトのeBayで転売した事件である[285]。2013年、二審の判決を覆す形で、最高裁はカートサン無罪の判決を下した。この判決により、米国の著作物が米国外で複製印刷・販売され、再び米国内に逆輸入した際にも、米国著作権法 第109条が定める消尽論が適用されることが判示された[217]。
- 著作者人格権関連
米国内での保護水準が低いとされる著作者人格権に関しては、勝訴のレアケースとして「モンティ・パイソン対ABC裁判」が挙げられる[286]。イギリスを代表するコメディ・グループによるテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』(英国BBCにて放送) が、米国ABCでも放送された際に一部内容が改変されたことから、原著作物の同一性保持権侵害が問われた裁判である。二審は1976年、編集カットによってモンティ・パイソンのブランドが毀損するとして原告勝訴の判決を下した[287][288]。なお、著作者人格権は狭義の視覚芸術著作物に限定する形で、1989年に米国著作権法上で明文化されている。仮にこの改正以降に提訴していた場合、著作者人格権はテレビ番組には適用不可と判断され、敗訴していた可能性も指摘されている[288]。
裁判外紛争解決手続 (ADR)
[編集]裁判所への提訴ではなく、仲裁を選択したケースとしては、「IBM対富士通事件」が知られている[265]。
1970年代当時の富士通は、IBMの互換機を安価に販売して業績を伸ばし、1979年頃には富士通が日本IBMを抜いて、日本のコンピュータ部門で売上トップになっていた。1982年、米国FBIのおとり捜査の結果、日本の日立製作所と三菱電機社員が逮捕される「IBM産業スパイ事件」が発生している。この事件後の1983年、富士通はIBMとの間でメインフレーム用OSに関する秘密協定を締結した。その内容は一部報道によると、協定前に富士通が出荷したIBMのOSは、富士通が高額の和解金と使用料を支払うことで出荷を継続すること、そして協定後に出荷するソフトウェアはIBMの権利に触れるものは認められず、富士通独自開発に限る、という2点だとされている。しかし協定締結後にもかかわらず、富士通の出荷にIBMの著作権に触れるものが含まれていたことから、1985年中頃、IBMは米国仲裁協会 (American Arbitration Association、略称: AAA) に仲裁を申し立てた。これに対し富士通側は、日本商事仲裁協会に仲裁の申し立てを行っている。その後、両社はAAAの仲裁委員会に紛争解決を付託し、1987年9月15日、AAAの仲裁委員会は仲裁命令の形で和解案を提示した。その内容は、富士通がIBMに対して和解金3億9593万ドルを支払ったうえで、免責・免除を受けるものであった[265][289]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 映画を例にとると、米国における映画館のスクリーン数は1975年頃を境に急激に増加しており、ハリウッド映画業界の転換期とされている[2]。またIT業界では、マイクロソフト社の前身であるTraf-O-Data社が1972年に[3]、Apple Computer社が1976年にそれぞれ創業している[4]。
- ^ 著作物の創作、複製、販売、実演などに直接関与する業界を「狭義」の著作権市場とした場合の米国年間市場規模[5]。
- ^ さらに周辺産業を加えた広義の著作権市場では、2.2兆米ドル (対GDP比11.59%) に達する[5]。
- ^ 米国著作権法は特にデジタル著作物に関連する法改正が頻繁に発生しており、1998年10月28日から2014年12月4日の約16年間を例にとると、この期間に可決・制定された著作権の改正立法は計20本以上に上る[6]。
- ^ もっとも、米国のコモンローでは法律文面上 (成文法上) ではなく、判例で柔軟に保護を与えていることから[11]、実質的にどこまで米国著作権法の保護水準が低いかは検証の余地がある。著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)も参照のこと。
- ^ アダルト映画製作Malibu Mediaの1社だけで2012年から2016年の間に計5000件以上提訴していることから、この5年間の総件数の上振れ特殊要因となっているが[13]、「年平均3000件前後」の数値からはMalibu Mediaの特殊要因を排除している。
- ^ 例として、全米作家協会他対Google裁判が挙げられる。Googleブックスによる書籍のデジタルスキャンが世界的に行われていた結果、当裁判にはフランスやドイツ当局からも意見書が提出されている[15][16][17]。
- ^ a b 大陸法系諸国では著作権は 英語: short や 仏: droit d'auteur と呼ばれ、著作者の精神に基づいて創作される「行為主体・態様」に対して保護を与えている。そのため、著作者人格権を積極的に認める傾向がある。これに対し英米法諸国では 英: copyright と呼ばれるように、著作物を独占的にコピー (複製) できる著作財産権を重視した保護を保障している。したがって誰がその創作者であるかよりも、著作物という「成果物・行為結果」に重きをおいた制度設計となっている。その結果、大陸法では著作物を創作した者 (著作者、狭義の著作権の権利者) と、その著作物を伝達する者 (著作隣接権者) を分けて制度が運営されている。このような「人」に着目した分け方をしない英米法では、著作隣接権という概念がそもそも存在せず、必要に応じて (狭義の) 著作権制度の中で著作隣接権者も保護される可能性はある[19]。
- ^ 大陸法の国々では、著作物とは著作者の人格を投影した成果物であることから、他の誰でもない著作者の所有物であり (人格理論)、著作物の創作にかかる労力に見合った利益を享受する権利がある (労働理論) とも考えられる自然権的な思想に基づいている。一方の米国においては、著作権は産業・文化の振興政策として付与されるものだとする「産業政策理論」ないし「功利主義」に立脚している[20][21][19]。人格理論についてはドイツの法哲学者ヘーゲルを、労働理論についてはイギリスの哲学者ロックの政府二論を下敷きにしている[20][21][19]。その一方で、米国著作権法はイギリスのアン法を模倣しており、英米ともに、あくまで公共の学問・学術を奨励することが目的であり、その手段として著作権保護があると捉えられている[22]。その結果、著作権は英語ではCopyright (コピーする権利) と表現されるように、著作者以外に無断で複製させず、著作者の財産を守る権利だと狭義に捉えられてきた[23][19]。ただし、米国連邦著作権法の法源と言える合衆国憲法の特許・著作権条項 (1788年発効) は、文言上は功利主義ではあるものの、起草者たちに大陸法的な自然権の思想や意図がなかったわけではない点に注意が必要である[24][19]。
- ^ 2001年、日本政府から米国政府に対し、著作権の改善要求6項目が公式に提出されている。その内訳は、インターネット対応の送信可能化権の明記、未固定の著作物の保護、放送事業者の著作隣接権の保護、実演者の権利拡大、著作者人格権の権利拡大、貸与権 (レンタル) の権利拡大である[27]。
- ^ 欧州連合 (EU) からはWTO協定違反であると指摘されている[23]。ただし著作隣接権者のうち、レコード製作者のみは著作者本人として米国ではみなされており、作詞・作曲家らと並んでレコード製作者は共同著作者の扱いとなっている[28]。詳細は「#国内業界への政治的な配慮」も参照のこと。
- ^ 米国同様に英米法系の英国でも、著作者人格権の保護水準が低いと指摘されている[31]。一方、大陸法系のフランスでは、著作財産権よりも著作者人格権が優先すると解されており[32]、著作者人格権の中でも特に尊重権 (同一性保持権を含む広い権利概念) については、著作者有利の判決も多く、手厚く保護されている[33]。詳細は著作権法 (フランス)#著作者人格権も参照のこと。
- ^ 州法の著作権法で未固定の著作物も保護される場合がある点に注意が必要である。たとえば口述インタビューやジャズの即興演奏などが未固定の例として挙げられる[37]。なお、この固定要件は米国著作権法の特徴の一つとして挙げられることが多いが[38]、同じく英米法系の英国でも著作権法第3条 (2) に従い、言語著作物・演劇著作物・音楽著作物に関しては媒体に固定されていることを著作権保護の要件としている (美術著作物は固定要件の対象から除く)[39]。また大陸法の流れを汲む日本国著作権法[40]でも、映画の著作物に関しては固定要件が一部適用されている (第2条第3項)[38]。
- ^ a b ベルヌ条約の批准が大幅に遅れた理由は、著作物を審査・登録せずとも著作権を自動的に認める「無方式主義」である。米国は方式主義を採用していたため、ベルヌ条約批准には国内法の整備調整に時間を要した[42]。しかしこの無方式主義がベルヌ条約に採用されたのは、原条約の署名から22年後の1908年ベルリン改正時であり、かつ米国はベルヌ条約の原条約交渉の場には出席していた。したがって、ベルヌ条約に最初から原加盟しなかったのは、無方式主義の問題とは関係なく、外交政策上のモンロー主義 (他国への不干渉政策) が理由だとされている[43]。なお、米国同様に英米法系の英国はベルヌ条約に原加盟しており、英国本国だけでなく、その植民地や保護国にまでベルヌ条約を適用している[44]。
- ^ さらに米国では多国間による国際条約ではなく、二国間条約あるいは地域協定を通じ、相手国に対して知的財産権保護の義務を課す方針が特徴的と言える。2010年までに米国は少なくとも17本の自由貿易協定 (FTA) を締結している。米国が締結したFTAの中で最も初期かつ重要な位置づけが、NAFTAである。NAFTAにおいても米国による著作者人格権の無保護が免責される条項を含んでいる。このような米国の戦略は「TRIPSプラス基準」(TRIPS-plus norm) とも呼ばれている[47]。
- ^ 日米で比較すると、日本国憲法第41条 - 第64条が「国会」に関する記述であるが、主に国会の運営方法について定められており、国会が有する権限 (なすべき役割) として著作権あるいはその上位概念の知的財産権保護という文言は登場しない[48]。日本以外の多くの国でも、著作権の文言が直接憲法にまで遡ることはない山本隆司 2008, p. 8[49]。間接的には、たとえばドイツ憲法の第1条 (1) および第2条 (2) に基づいて、著作権には著作者人格権も包含すると解されているほか、第14条 (1) は私有財産権の保障を謳っており、これを法源として著作財産権を一定の条件下で認めると解されている。フランスについては、憲法ではなくフランス革命期に出された1789年のフランス人権宣言を法源として、その第17条にて著作者の権利は人権であるとの根拠を見出すことができる[49]。
- ^ 知的財産権は特許権などの産業財産権 (アイディアの発明) と著作権 (アイディアの表現) に分けられる。合衆国憲法の第1条第8項第8節は、略称として「著作権条項」(Copyright Clause) と呼ばれることもあるが[50]、著作権と産業財産権の双方を包含した知的財産権全般を指している条項であることから、正確には「特許・著作権条項」と表記される[51][52][53]。
- ^ もっとも、連邦議会への法案提出は他国と比較して容易であるため、著作権法に限らず全体的に廃案が多い。1973年1月 - 2019年1月の会期を通算すると、著作権法を含むすべての法案 (Bill) および両院合同決議 (Joint resolution) の可決率合計は1割前後である[54]。
- ^ 詳細は著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国) を参照のこと。
- ^ フェアユースは第107条を、その他個別の例外規定は第108 - 122条を参照のこと。
- ^ 詳細はアイディア・表現二分論 も参照のこと。
- ^ 1971年のパリ改正版加盟国を記載[41]。
- ^ 一部は条約の水準を満たしておらず他国から条約違反が指摘されている[59]。
- ^ WTOに加盟すると自動的にTRIPS協定の遵守義務を負う[66]。
- ^ 著作財産権のうち、映画などの固定著作物については、複製権・頒布権・貸与権・公表権の4種を、ライブ実演などの未固定著作物については、公衆送信権、公表権、および著作物の固定化の3種を認めており、固定と未固定で対応が異なる[73]。
- ^ a b c 1910年当初の署名国はアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、米国、ウルグアイ、ベネズエラの20か国である[76]。その後国内での批准をキューバ、エルサルバドルとベネズエラの3か国が行わず、署名時には参画していなかったボリビアが後に批准したため、ブエノスアイレス条約の加盟国は計18か国となっている[77]。
- ^ ローマ条約未加盟の理由として、合衆国憲法の特許・著作権条項 (Copyright Clause) に基づき、未固定の著作物は保護しない方針だったことから、実演や放送著作物の保護を見送ったとの説もあるが、不確実性を残した表現に留まっている[82]。
- ^ a b C言語やJavaなど、人間が判読可能なプログラミング言語で記述されたものがソースコードであり、そこから機械読み取りのために0と1の二進法に翻訳されたもの (人間には判読不能なもの) がオブジェクトコードである。著作権法上では判読不能な表現であるオブジェクトコードも言語著作物として法的保護を与えている[117]。
- ^ ソースコードやオブジェクトコードといった言語的な著作物としてのコンピュータ・プログラム以外に、その主たる目的、アルゴリズム (どのようなロジックで処理するか)、機能、プログラム構造 (アプリケーション・アーキテクチャとも呼ばれる)、データ構造が著作権 (表現) と産業財産権 (アイディア) のどちらで保護されるのか、内容によって判断される[84]。
- ^ 著作物の利用者は、著作物を知覚してアイディアを学ぶことは許されており、著作権侵害にはならない。しかしコンピュータ・プログラムの場合、端末にプログラムをインストールする (またはインストールされたサーバーにアクセスする) ことでしか知覚できない。このインストールの行為が、著作権法上の複製権 (著作権者が他者に無断でコピーされない権利) の対象に該当することから、コンピュータ・プログラムも著作権で保護されるという法的ロジックになっている[87]。
- ^ 条文内の専門用語は、アメリカ合衆国著作権局 (USCO) による定義解説に準拠する[89]。各種用語の日本語訳は、公益社団法人著作権情報センターの表記を一部参照しつつ[6]、日本国著作権法で多用される一般的な著作権用語に一部置き換えている。
- ^ 例えば20世紀に入ってから世に登場した半導体チップ製品は、その著作権について第9章[90]にまとめて追記されている。その一方で、衛星放送によるテレビ番組の遠隔二次放送に関しては、第1章の第119条[91]に規定されている。この第119条には章名に呼応した著作権保護の範囲だけでなく、著作権侵害発生時の救済手段、放送コンテンツの使用許諾の手続やUSCOへの支払明細書の送付方法など、他章に横断する委細が記述されている。
- ^ 2018年10月制定の音楽近代化法 (Music Modernization Act、略称: MMA) によって追加された条項のため[92][93]、2018年9月発行のCRICによる日本語訳には第14章が含まれていない。
- ^ このExclusive rightは、合衆国憲法の特許・著作権条項でも用いられている表現である[94]。同様にフランス著作権法でも第111条 (最初の条) で "droit de propriété incorporelle exclusif" (排他的で無体の所有権) と表現されている[95]。
- ^ 著作権者の支分権はもともと5種類だったが、録音物に対しては実演権が与えられていなかったことから、放送局との既得権益との妥協を経て、1995年制定の著作権法改正 (デジタル実演権法、The Digital Performance Right in Sound Recordings Act of 1995) が成立し、6種類目としてデジタル実演権が追加された[96][97]。
- ^ 現在の8種類に分類し直したのは1976年の改正時である[29]。それ以前の分類方法については、著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)の「著作物の保護対象の拡大」も参照のこと。
- ^ 英語の derivative works は日本国著作権法の用語に従って「二次的著作物」と訳されることも多いが、二次的に創作されたものだけでなく幅広い定義であることから、米国著作権法では「派生的著作物」の訳語を当てるケースもある。これは、たとえばモノクロ映画をカラー化した場合でも創作性の要件を満たせば別個の著作物として米国著作権法で認められるためである[98]。
- ^ 探偵小説『マルタの鷹』に登場する探偵キャラクターのサム・スペードを巡る裁判のため、「サム・スペード判決」とも呼ばれる[101]。この判例では、小説や戯曲といった言語著作物におけるキャラクターやタイトルは著作権保護の対象にならないとしている。しかし、1930年に第2巡回区控訴裁が下した「ニコルズ対ユニバーサル・ピクチャーズ裁判」と比較して、キャラクター保護の制限が厳格であり、ワーナー対CBS裁判で示された基準を満たせる言語著作物のキャラクターはほぼ存在しないことから、後の判例や法学者から広く支持されてはいないとの指摘もある[102][103]。ワーナー対CBSから32年後の Shaw v. Lindheim, 919 F.2d 1353 (9th Cir. 1990) などから、第9巡回区控訴裁ではワーナー対CBSの厳格な保護基準を採用していないとの意見もある[103]。
- ^ フランスの場合、その題名が汎用的で一般的な用語の場合、判例では著作権保護の対象外と判示されており、題名における創作性の具体的な線引きは司法判断に任されている。たとえば、小説『アンジェリク』は主人公女性の名前から付けられた題名だが、著作権保護の対象となっている[106]。また、題名は商標登録できる場合があり、このようなケースでは商標権と著作権で二重保護される[106]。なおEUでは、加盟国すべてに通用する商標登録制度である欧州連合商標 (略称: EUTM、旧称: 欧州共同体商標 (CTM)) がある。登録先はスペインにある欧州連合知的財産庁 (略称: EUIPO、旧称: 共同体商標意匠庁 (OHIM)) である。したがって、フランスのみで通用する国内商標登録以外に、EU全域での一括商標登録の方法も選択できる[107]。
- ^ 審美性を著作物の保護要件に含めない考え方は、米国に限らず世界で一般的である。ところが米国では過去に審美性を保護要件としていた時期があり、1903年の最高裁判決「ブライシュタイン対ドナルドソン・リトグラフィング裁判」188 U.S. 239, 251 (1903) によって覆され、審美性が不要とされるようになった。ただし、当判決では実用品デザインについては例外扱いとしており、主観的な審美性が問われる余地を残している[113]。
- ^ E.C. Design Protection Directive (1993年のデザイン保護指令) に基づき、イタリアは著作権法を改正しており、第2条 (4) を廃止している[115]。
- ^ イギリスについては米国に類似点もあるものの、ハイブリッド型のアプローチをとっている。デザインと機能性が物理的に分離可能であれば、米国同様に著作権保護の対象内としているが、米国と異なり、イギリスでは概念的に分離可能な場合は保護対象外としている[116]。
- ^ 駐日アメリカ合衆国大使館でも合衆国憲法の日本語訳を公開している。大使館訳では「排他的権利」ではなく「独占的権利」の訳語を当てている[126]。英語原文も併せて参照のこと。
- ^ Originalityは一般的な日本語訳として「独創性」や「斬新さ」が充てられるが[129][130]、米国を含む各国の法律では、発明といった新規性は特許法などで審査・保護されており、著作権法上では絶対的な新規性の有無は問われない。偶然にも著作物の表現が似通ってしまったとしても、Originalityはあるとして著作権保護される[131](詳細は「アイディア・表現二分論も参照」)。したがって、著作権法上のOriginalityの訳語には「独創性」[132][133]よりも「創作性」[134][127][135][136]が充てられることが多い。
- ^ ケーキ箱のラベルはKitchens of Sara Lee, Inc. v. Nifty Food Corp., 266 F.2d 541, 545 (2d Cir. 1959)、プラスチックの花はPrestige Floral S.A. v. California Artificial Flower Co., 201 F.Supp. 287 (S.D.N.Y. 1962) を参照のこと[140]。
- ^ 州法法令集の著作権を巡っては、ジョージア州対マラムッド裁判などが起こっている。2015年7月、ジョージア州はPublic.Resource.Orgの創設者でありオープンコンテンツ推進の活動家でもあるカール・マラムッドを相手取り、著作権侵害でアトランタの連邦裁判所に提訴した。訴状によると、注釈付きのジョージア州法をマラムッド自身のウェブサイトに掲載した著作権侵害は「テロ行為」(terrorism) だとジョージア州は糾弾しているものの、両者の主張は対立している[144][145]。
- ^ 旧法では未発行の著作物、および既発行でも著作権表示や延長更新手続を怠った著作物は、著作権法の保護対象外であった。詳細は#著作権保護の手続も参照のこと。
- ^ a b 下表の解説対象は未発行または米国内で初めて発行された著作物 (但し録音物および建築物を除く) に限る。録音物、建築物、ないし米国外で初めて発行された著作物の保護期間については、コーネル大学ロースクールのホームページがまとめているため、あわせて参照のこと。
- ^ 1976年制定の改正法が1978年1月1日より施行され、未発行著作物も保護対象となった他、著作権表示や登録などの手続が保護要件から外されたほか、著作権保護期間が全般的に延伸した。またソニー・ボノ著作権延長法によりさらに期間が延伸し、下表の状況に至る。詳細は著作権法の歴史 (アメリカ合衆国) も参照のこと。
- ^ Copyright Act of 1976 (1976年制定の改正法) が1978年1月1日より施行、Berne Convention Implementation Act of 1988 (1988年制定のベルヌ条約実施法) が1989年3月1日より施行。
- ^ ここでの「最初の保護期間」であるが、1976年制定の著作権改正法以前は、保護期間が28年 + 更新延長28年の2段階方式に設定されており、「最初」は前者を指している。最初の保護期間が満了した時点で著作者が生存していれば、更新延長が可能であった。
- ^ publishは「発行」や「公表」以外に「発表」の日本語訳が充てられることがあるが、いずれにしてもどのような媒体・手段かは特に限定されない。
- ^ 第101条の原文は"Publication" is the distribution of copies or phonorecords of a work to the public by sale or other transfer of ownership, or by rental, lease, or lending. The offering to distribute copies or phonorecords to a group of persons for purposes of further distribution, public performance, or public display, constitutes publication. A public performance or display of a work does not of itself constitute publication.である[149]。
- ^ ただし個別ケースの判断においてはUSCOのCircular (手引書) を参照するよう推奨している。Circular 66では、ウェブサイトおよびそのコンテンツに関する著作権登録について記述されている[152]。
- ^ ベルヌ条約加盟国で最初に発行された著作物については、USCOへの登録は米国裁判所への出訴要件ではない[153]。
- ^ a b Implementationは実施ではなく履行の訳があてられ、「ベルヌ条約履行法」[154]や「ベルヌ条約執行法」[155]と記述されることもある。本項ではLeaffer著・牧野監訳の表記に従った[156]。
- ^ 職務著作のことを「法人著作」と呼ぶこともあるが[160]、有限責任会社 (LLC) などは法人ではなく組合であるため、法人以外の雇用主も包含する場合は、職務著作と呼ぶ。また、必ずしも正社員として雇用契約を交わしている関係ではなく、派遣社員や業務委託などのケースでも、職務著作が適用されうることから、法人著作よりも職務著作の方が広義である。
- ^ たとえば、日本の著作権法では第15条の規定に基づき、委託や注文は除して、(派遣社員を含む雇用契約の関係にある) 従業員著作物のみを職務著作と定義している[161]。またフランスでは、原則は個人 (自然人) のみ著作者として認められる (L113条-1)[162]。そのため、著作物の創作を指示した雇用主あるいは発注主が著作権を有するには、個別の譲渡契約が必要となる (L111条-3、L131条-3)[95][163]。ただし、1993年の判例でこの原則がフランスで覆され、法人も著作者として認める判決が出ている[164]。
- ^ なお、WIPO著作権条約の第7条、およびRIPS協定の第11条と第14条第4項では、レコードとコンピュータに加えて映画の著作物についても貸与権を著作者に認めている。つまり、第三者が無断で貸与してはならないことを意味する。しかしながら米国著作権法上では、映画の著作物に関する貸与権の規定は存在しない[169]。
- ^ 用語の定義が記された第101条において、"The terms "including" and "such as" are illustrative and not limitative." (includingやsuch asといった表現は例示であり、例以外を排除するものではない) と記されている[149]。
- ^ 「侵害者が知らずに」の例として、第107条[174]のフェアユースが挙げられている。侵害者は自らの行為がフェアユースだと信じていて、かつその侵害者が非営利の教育機関、図書館、資料館、あるいは公共放送事業者であった場合、減額される (第504条[175])。
- ^ 代理法についてはアメリカ法律協会 (ALI) が発行する第3次リステイトメントに詳細定義されているため、参照されたい[188]:1。
- ^ 法学におけるセーフハーバー (safe harbor、安全な港) とは、ある一定条件下での行為であれば違法ではないとする例外規定のことである。例えば土地の所有者に対して、土地面積を計測して報告する義務を課す州法が新たに成立したとする。後に報告された面積が実態と乖離していたら、罰金を科すのを原則とする。ただしこの乖離が計測器の不備や外部委託業者の不手際で生じた場合、土地所有者に対する罰金は免ぜられる。このような免責をセーフハーバー条項と呼ぶ[193]。
- ^ DMCAのnotice and takedown (take down、またはnotice-takedown-putbackと綴ることも) は「ノーティスアンドテイクダウン手続」(日本の総務省)[194][195]、「DMCA通知」(Amazon Web Services)[196]、「DMCA通告」(オンラインメディア TechCrunch)[197]などがあり、呼称は統一されていない。
- ^ 「最高法規条項」とも呼ばれる[207]
- ^ たとえば応用美術・実用品デザインにおいて、意匠法 (意匠特許) など別の法律で保護する、あるいは著作権法と二重で保護する米国に対し、フランスでは著作権法で保護される実用品デザインの幅が広い[115]。
- ^ 著作者人格権の一部である同一性保持権と氏名表示権については、ベルヌ条約発効時の原条約には含まれていなかったものの、1928年のローマ改正時に追加となっている[218]。
- ^ 米国の商標保護は州法の不正競争法 Unfair competition law から発展した経緯がある。連邦法としての商標法は合衆国法典の第15編に収録されており、不正競争法の要素を含んでいる[219]。
- ^ 日本の類似機能としては、文化庁著作権課 (前身は文部省文化局) がこれに該当するが、文化庁著作権課が行政府の一機能であるのに対し、USCOは組織定義上は立法府の一機関という差異がある。
- ^ 米国政府のfiscal yearは暦年とは一致しておらず、2018年度とは2017年10月 - 2018年9月を指す。
- ^ ただし著作権侵害などで訴訟を起こす際には、米国籍の著作者あるいは米国で発行された著作物に限り、USCOへの著作物の事前登録が必要となる[154]。
- ^ 1790年以前もマサチューセッツ州、ペンシルベニア州、ニューハンプシャー州、コネチカット州、メリーランド州といった一部の州では州法レベルで著作権を成文化していた[242]。
- ^ "Act of 西暦年"となっているがこれらは法律の制定年であり、施行年ではない。例えばCopyright Act of 1976は1976年に連邦議会で可決されて制定されたものの、施行は1978年1月1日である。
- ^ 「1976年制定の著作権法 (Copyright Act of 1976) が現行法である」との記述が一部見受けられるが、これは誤りである。1790年の初回立法以外はほぼ部分修正・加筆の改訂法であり、1976年制定の改正法もその後一部が上書きされている。米国連邦法は、まず連邦議会に法案 (Bill) が提出され、可決・承認されると制定法 (Act) になり、現行法に修正・加筆がなされて更新されるプロセスを経る。したがって、著作権法の現行法全量は主に合衆国法典第17編のことを指し、Copyright Act of 1976など初回立法以外のActには改正の差分しか含まれていない。
- ^ ただし米国内で外国著作物が保護されるには、米国内で製造されていることを要件としていた。これを「製造条項」(manufacturing clause) と呼ぶ[245]。この製造条項は「悪名の高い」規定とも評されている[246]。製造条項は1909年に一部緩和され、英語の著作物については米国外で製造されていても一定の要件を満たせば暫定的に5年間の保護を米国内でも受けられるようになった。続く1952年の万国著作権条約加盟に伴い、同盟国の国民が創作した著作物については製造条項とは関係なく米国内で保護されるようになった。1976年法の第601条にも製造条項は残るが、英語で書かれた言語著作物 (演劇関連を除く) は米国あるいはカナダで製造されていることを求めている。その効力は1986年7月1日までに限定され、かつ著作者が米国民ないし米国内居住者ではない場合は、この製造条項は適用除外となっている[247]。
- ^ 1909年法によって発行を要件としたことから、以降は未発行は州法のコモンローで、発行済著作物は連邦法で保護する二元的制度が明文化された[248]。
- ^ 他にSonny Bono Copyright Term Extension Actとも呼ばれる。略称はCTEAだが、日本語では「ソニー・ボノ法」の方が広く使われている模様である[254]。
- ^ a b c 米国のランハム法は日本の商標法と不正競争防止法の要素を兼ね合わせた法律であることから[220]、比較対象を揃えるため、日本の統計値にのみ不正競争防止の項目欄を表示している。
- ^ 米国同様に英米法系の英国やインド、カナダなどでは、フェアユースに類似のフェアディーリングを採用している。ただし、米国型フェアユースのように抽象的・一般的な基準ではなく、フェアディーリングは適用される利用目的が限定的な点に違いがある[270]。
- ^ 2019年6月に発効したDSM著作権指令により、新たに3ケースが追加された[273]。
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- 木棚照一『国際知的財産法』(第1版)日本評論社、2009年。ISBN 978-4-535-51678-6 。 - 著作権以外に特許権や商標権など、知的財産権を包含して世界主要国の法制度と歴史を分析
- 作花文雄『詳解 著作権法』(第5版)ぎょうせい、2018年。ISBN 978-4-324-10427-9 。 - 日本中心ながら米国、フランス、ドイツなど先進国の判例を用いた解説が充実
- 白鳥綱重『アメリカ著作権法入門』信山社、2004年。ISBN 978-4-535-51678-6 。 - 文部科学省高等教育局私学部私学行政課所属 (執筆当時)、ワシントン大学ロースクール 知的財産法専攻 (IP LL.M.) 修了。同大学 Center for Advanced Study and Research on Intellectual Property の研究に依拠した執筆
- 松川実『アメリカ著作権法の形成』日本評論社〈青山学院大学法学叢書 第2巻〉、2014年。ISBN 978-4-535-52052-3。 - 米国のイギリス植民地時代から1790年の連邦初の米国著作権法成立までの歴史と思想を解説
- 山本隆司『アメリカ著作権法の基礎知識』(第2版)太田出版、2008年。ISBN 978-4-7783-1112-4 。 - 米国と日本の知的財産法に通じた弁護士の著作で、米国著作権法の逐条解説や判例の日米比較など広範にカバー
- Goldstein, Paul; Hugenholtz, P. Bernt (2013) (英語). International copyright: principles, law, and practice [国際著作権法: 法理、実定法と実務] (3 ed.). Oxford University Press. ISBN 9780199794294
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- 補完的文献 (50音・アルファベット順)
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- 井奈波朋子「フランス著作権制度の概要とコンテンツの法的保護」(PDF)一般社団法人 デジタルコンテンツ協会が2005年11月24日に開催したセミナー議事録の加筆版、龍村法律事務所、2006年。 - 英米法と対極にある大陸法系のフランス著作権法の解説
- 奥田百子『なるほど図解 商標法のしくみ』(第3版)中央経済社、2014年。ISBN 978-4-502-12081-7。 - 著作権法と商標法の関係説明に使用
- 小泉直樹『知的財産法入門』岩波書店〈岩波新書 (新赤版) 1266〉、2010年。ISBN 978-4-00-431266-6。
- 小泉直樹・田村善之・駒田泰土・上野達弘「著作権判例百選」『別冊ジュリスト』、有斐閣、2019年、ISBN 978-4-641-11542-2。 - 日本の判例のみ収録。著作権の準拠法の観点で一部引用
- 玉井克哉「知的財産に関する新たな国際的枠組の発足」『ジュリスト』第1071号、有斐閣、1995年7月。
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- 中山信弘『著作権法』(第2版)有斐閣、2014年。ISBN 978-4-641-14469-9 。
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関連項目
[編集]- 著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)
- 著作権 - 世界各国共通の法的概念を解説
- 著作権法 - 日本の著作権法に特化した詳細解説
- 著作権法 (欧州連合) - すべてのEU加盟国に義務付けられている著作権法改正のEU指令概説
- 欧州連合の電子商取引指令、日本のプロバイダー責任法 - 二次侵害に関するセーフハーバー条項を設ける
外部リンク
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- 米国著作権法の条文日本語訳 - 公益社団法人著作権情報センターが2022年10月閲覧現在、2021年5月時点で発行 (それ以降制定の訳は含まれていない)
- フェアユース関連判例検索データベース (英語) - USCO(著作権局)公式運営で、著作物のジャンル別に判例の検索が可能
- 著作物検索データベース (英語、アメリカ議会図書館) - USCO登録済著作物のオンライン検索
- 米国著作権法の詳細手引書『Circulars』 (英語) - USCO発行
- 米国著作権法の用語定義 (英語) - USCO発行のよくある質問 (FAQ)