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「神 (神道)」の版間の差分

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Aitok I (会話 | 投稿記録)
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== 神名 ==
== 神名 ==
{{独自研究|section=1|date=2014年8月}}
{{独自研究|section=1|date=2014年8月}}
神道の神の名前である神名は、大きく3つの部分に分けられる。例えば[[アメノウズメ|アメノウズメノミコト]]の場合
神道の神の名前である神名は、大きく2つの部分に分けられる。例えば[[アメノウズメ]]の場合
#「あめ」の
#「あめ」の
#「うずめ」
#「うずめ」
#「みこと」
となる。
となる。


この他に、その神の神得を賛える様々な文言が付けられることがある。例えば、通常「[[ニニギ]]」と呼ばれる神正式な神名は「アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギノミコト」である。
この他に、その神の神得を賛える様々な文言が付けられることがある。例えば、通常「[[ニニギ]]」の名は「アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギ」である。


神名は、1.の部分を省略して呼ぶことがある。また、[[民俗学]]・[[神話学]]など学術的な場面では神号(3.の部分)を略すことが多い
神名は、1.の部分を省略して呼ぶことがある。


=== 属性部分 ===
1.はその神の属性を示す。たとえば「あめ」「あま」(天)は[[天津神]]であることを示す場合が多い。ただし、天・[[高天原]]に関係のある[[国津神]]に付される場合もある(例:[[天之冬衣神]])。「クニ」(国)は国津神を表すこともあるが、多くは天を表す「アメ」のつく神と対になって地面もしくは国に関係のあることを示す。「ヨモツ〜」(黄泉)は黄泉の国の神であることを示す。この部分が神名にない神も多い。
1.はその神の属性を示す。たとえば「あめ」「あま」(天)は[[天津神]]であることを示す場合が多い。ただし、天・[[高天原]]に関係のある[[国津神]]に付される場合もある(例:[[天之冬衣神]])。「クニ」(国)は国津神を表すこともあるが、多くは天を表す「アメ」のつく神と対になって地面もしくは国に関係のあることを示す。「ヨモツ〜」(黄泉)は黄泉の国の神であることを示す。この部分が神名にない神も多い。


2.はその神の名前である。これもよく見ると、末尾が同じ音である神が多くいることが分かる。例えば「チ」「[[ミミおよびミ|ミ]]」「ヒ」「ムツ」「ムチ」「[[ヌシ]]」「ウシ」「ヲ」「メ」「[[ヒコ]]」「[[ヒメ]]」などである。 「チ」「ミ」「ヒ」(霊)は自然神によく付けられ、精霊を表す([[カグツチ]]、[[オオヤマツミ]]など。ツは「の」の意味)。「ウシ」(大人)、「ヌシ」(主。「〜の大人(うし)」の略称。)、「ムチ」(貴)等は位の高い神につけられる(オオヒルメノムチ([[天照大神|アマテラス]]の別名)、[[大国主|オオクニヌシ]]など)。「キ」(子)「ヲ」(男)「コ」(子)「ヒコ」(彦)は男神、「ミ」(女)「メ」(女)「ヒメ」(媛・姫)は女神に付けられるものである。 「コ」は元は男性を表したが、藤原氏が女性名として独占し、近世までは皇后など一部の身分の高い女性しか名乗れなかった事から、現代では女性名として定着した。
=== 名前部分 ===
2.はその神の名前に当たる。これもよく見ると、末尾が同じ音である神が多くいることが分かる。例えば「チ」「[[ミミおよびミ|ミ]]」「ヒ」「ムツ」「ムチ」「[[ヌシ]]」「ウシ」「ヲ」「メ」「[[ヒコ]]」「[[ヒメ]]」などである。 「チ」「ミ」「ヒ」(霊)は自然神によく付けられ、精霊を表す([[カグツチ]]、[[オオヤマツミ]]など。ツは「の」の意味)。「ウシ」(大人)、「ヌシ」(主。「〜の大人(うし)」の略称。)、「ムチ」(貴)等は位の高い神につけられる(オオヒルメノムチ([[天照大神|アマテラス]]の別名)、[[大国主|オオクニヌシ]]など)。「キ」(子)「ヲ」(男)「コ」(子)「ヒコ」(彦)は男神、「ミ」(女)「メ」(女)「ヒメ」(媛・姫)は女神に付けられるものである。 「コ」は元は男性を表したが、藤原氏が女性名として独占し、近世までは皇后など一部の身分の高い女性しか名乗れなかった事から、現代では女性名として定着した。


以上の他に、後代には[[明神]](みょうじん)、[[権現]](ごんげん)などの号を持つ神も表れた。
=== 尊称部分 ===
3.は尊称である。代表的なのは「かみ」(神)と「みこと」(命・尊)である。 {{要出典範囲|「みこと」の語源は「御言」とされ、命令を意味する。|date=2018年3月}}その他、『古事記』では特定の神格についてはそれぞれ神(かみ)なのか命(みこと)なのか決まっている場合がほとんどで、きっちり使い分けされているが、『[[日本書紀]]』では全て「みこと」で統一した上で、特に貴い神に「尊」、それ以外の神に「命」の字を用いている。

貴い神には大神(おおかみ)・大御神(おおみかみ)の神号がつけられる。また、後の時代には[[明神]](みょうじん)、[[権現]](ごんげん)などの号も表れた。


== 「神」という言葉 ==
== 「神」という言葉 ==

2018年8月9日 (木) 14:51時点における版

神道における(かみ)とは、自然現象などの信仰や畏怖の対象である。「八百万の神」(やおよろずのかみ)と言う場合の「八百万」(やおよろず)は、数が多いことの例えである。

側面

神道の神々は人と同じような姿や人格を有する記紀神話に見られるような「人格神」であり、現世の人間に恩恵を与える「守護神」であるが、祟る性格も持っている。祟るからこそ、神は畏れられたのである。神道の神は、この祟りと密接な関係にある。

神々は、いろいろな種類があり、発展の段階もさまざまなものが並んで存在している[1]

神名

神道の神の名前である神名は、大きく2つの部分に分けられる。例えばアメノウズメの場合

  1. 「あめ」の
  2. 「うずめ」

となる。

この他に、その神の神得を賛える様々な文言が付けられることがある。例えば、通常「ニニギ」の全名は「アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギ」である。

神名は、1.の部分を省略して呼ぶことがある。

1.はその神の属性を示す。たとえば「あめ」「あま」(天)は天津神であることを示す場合が多い。ただし、天・高天原に関係のある国津神に付される場合もある(例:天之冬衣神)。「クニ」(国)は国津神を表すこともあるが、多くは天を表す「アメ」のつく神と対になって地面もしくは国に関係のあることを示す。「ヨモツ〜」(黄泉)は黄泉の国の神であることを示す。この部分が神名にない神も多い。

2.はその神の名前である。これもよく見ると、末尾が同じ音である神が多くいることが分かる。例えば「チ」「」「ヒ」「ムツ」「ムチ」「ヌシ」「ウシ」「ヲ」「メ」「ヒコ」「ヒメ」などである。 「チ」「ミ」「ヒ」(霊)は自然神によく付けられ、精霊を表す(カグツチオオヤマツミなど。ツは「の」の意味)。「ウシ」(大人)、「ヌシ」(主。「〜の大人(うし)」の略称。)、「ムチ」(貴)等は位の高い神につけられる(オオヒルメノムチ(アマテラスの別名)、オオクニヌシなど)。「キ」(子)「ヲ」(男)「コ」(子)「ヒコ」(彦)は男神、「ミ」(女)「メ」(女)「ヒメ」(媛・姫)は女神に付けられるものである。 「コ」は元は男性を表したが、藤原氏が女性名として独占し、近世までは皇后など一部の身分の高い女性しか名乗れなかった事から、現代では女性名として定着した。

以上の他に、後代には明神(みょうじん)、権現(ごんげん)などの号を持つ神も表れた。

「神」という言葉

他言語との関係

日本語における「神」という言葉は、元々は神道の神を指すものであった。ただし『日本書紀』にはすでに仏教の尊格を「蕃神」とする記述が見られる。16世紀にキリスト教が日本に入ってきた時、キリスト教で信仰の対象となるものは「デウス」「天主」などと呼ばれ、神道の神とは(仏教の仏とも)別のものとされた。しかし、明治時代になってそれが「神」と訳された。

語源

「カミ(神)」という語は、日本の神霊的存在の総称として定着した[2]

現代日本語では「神」と同音の言葉に「」がある。「神」と「上」の関連性は一見する限りでは明らかであり、この2つが同語源だとする説は古くからあった。しかし江戸時代に上代特殊仮名遣が発見されると、「神」はミが乙類 (kamï) 、「上」はミが甲類 (kami) と音が異なっていたことがわかり、昭和50年代に反論がなされるまでは俗説として扱われていた。

ちなみに「身分の高い人間」を意味する「長官」「守」「皇」「卿」「頭」「伯」等(現代語でいう「オカミ」)、「龗」(神の名)、「狼」も、「上」と同じくミが甲類(kami)であり、「髪」「紙」も、「上」と同じくミが甲類(kami)である。

「神 (kamï)」と「上 (kami)」音の類似は確かであり、何らかの母音変化が起こったとする説もある。

カムヤマトイワレヒコカムアタツヒメなどの複合語で「神」が「カム」となっていることから、「神」は古くは「カム」かそれに近い音だったことが推定される。大野晋森重敏などは、ï の古い形として *ui と *oi を推定しており、これによれば kamï は古くは *kamui となる。これらから、「神」はアイヌ語の「カムイ (kamui)」と近い音であったことが分かる。

「カム」には「カモ(賀茂、鴨)」という派生形があり、賀茂氏という氏族もある。

現時点では、本居宣長が『古事記伝』のなかで「迦微(かみ)と申す名の義はいまだ思い得ず」といっているように、語源についての明確な定説はない[2]

神と霊

神道において、特に有力な人物や恨みを残して亡くなった人物を神として祀り、祟りを避けようとした例は数多い。中でも菅原道真を祀る天満宮は亡くなった人間を神として扱う顕著な例である。 これに対して近代に興った靖国神社は国家のために戦死した不特定多数を神として祀っており、特定単数を神として祀る先述の例と一線を画している。 これらのことから、神社から慰霊碑、(神仏習合における)墓に至るまで規模は違えど本質的に同じものであり、神(祀れば恩恵をもたらし、ないがしろにすれば祟るもの)と霊(人間が死んだ後に残るとされる霊魂)とは明確に区別されていないといえる。

出典

  1. ^ 岡田精司 2011年 10ページ
  2. ^ a b 伊藤聡 2012年

参考文献

  • 伊藤聡『神道とは何か』中央公論新社中公新書〉、2012年。ISBN 978-4-12-102158-8 
  • 岡田精司『新編 神社の古代史』学生社、2011年。ISBN 978-4-311-20302-2 

関連項目