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神像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

神像(しんぞう)は、

  1. 信仰の対象となるカミをかたどった彫像、画像。多くの宗教において見られる。仏教仏像や、キリスト教イコンもこれに当たる。
  2. 特に神道において、信仰の対象となる彫像、画像。仏像に対置する語である。本項で記述する。

神像(しんぞう)は、日本神道におけるカミをかたどった像。神道では、古くは鏡、玉、剣がカミの依り代として崇敬されてきたが、仏教が広まると仏像の影響により、神像が制作されるようになった。ただし、仏像とは異なる特徴を持つにいたる[1]。また、一部に道教由来の神の像も見られる。

神像は木彫の坐像が多く、男神像の髪型はみずらまたは冠をかぶった衣冠装束が多く、女神像は十二単を着用しているものもある。神社に安置される神像は「ご神体」とされて一般に公開されることはあまりなく、寺院における仏像とは対照的である。

史料上の初見は、『多度神宮寺伽藍縁起資財帳』(延暦20年(801年))である。『多度神宮寺伽藍縁起資財帳』によると、天平宝字7年(763年)に神託により、満願が作ったとある。現存最古のものは、奈良・薬師寺の鎮守・休岡八幡宮の神像、あるいは、京都・松尾大社の神像と言われている。いずれも平安時代前期の9世紀のものである。

日本における作例

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彫像

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玉依姫命像
赤穴八幡宮 息長足姫 像
  • 僧形八幡神像(国宝) – 東大寺勧進所八幡殿 建仁元年(1201年快慶作。もと手向山八幡宮の神体。八幡神に菩薩の号を与え、僧形にあらわしたもの。
  • 玉依姫命像(国宝) – 奈良・吉野水分神社 建長3年(1251年)作。十二単をまとい、黒髪を垂れ、ほおにえくぼをつくり、眼は玉眼とする。
  • 僧形八幡神像・神功皇后像・仲津姫命像(国宝) – 奈良・薬師寺休岡八幡神社平安時代前期作。
  • 僧形八幡神像・女神像2体(国宝) – 京都・東寺鎮守八幡宮 平安時代前期作。
  • 男神像2体・女神像(重要文化財) – 京都・松尾大社 平安時代前期作。
  • 熊野速玉大神像・夫須美神像・家津御子大神像・国常立命像(国宝) – 和歌山・熊野速玉大社。平安時代作。
  • 八幡神・息長足姫・比売神像(重要文化財) – 島根・赤穴八幡宮嘉暦元年(1326年)作。衣冠束帯姿の男神と宋服姿の女神。

画像

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  • 男女神像 - 永仁3年(1295年)。薬師寺休岡八幡神社。男神は衣冠束帯。

参考文献

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  • 伊藤聡『神道とは何か』中央公論新社中公新書〉、2012年。ISBN 978-4-12-102158-8 
  • 景山春樹『神像 - 神々の心と形』法政大学出版局〈ものと人間の文化史 28〉、1978年。ISBN 4-588-20281-2 

脚注

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  1. ^ 当初八幡神像は僧侶の姿で表されたが、次第に古代の貴人の姿で表現されるようになる。矢島新『日本美術の核心』ちくま新書、2022年、229頁。

関連項目

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芸術表現