「賭博黙示録カイジ」の版間の差分
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上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日、金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることを知らされる。遠藤に誘われるままカイジは、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、[[フランス語]]で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。 |
上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日、金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることを知らされる。遠藤に誘われるままカイジは、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、[[フランス語]]で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。 |
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そこで行われるのは、カード12枚を使った「[[#限定ジャンケン|限定ジャンケン]]」。大手金融業者の「帝愛グループ<ref group="注">実在する[[特定非営利活動法人]]の[https://web.archive.org/web/20140429080045/http://www.hyogo-vplaza.jp/event/group_detail.php?ID=4434 帝愛](2014年4月29日時点の[[インターネット |
そこで行われるのは、カード12枚を使った「[[#限定ジャンケン|限定ジャンケン]]」。大手金融業者の「帝愛グループ<ref group="注">実在する[[特定非営利活動法人]]の[https://web.archive.org/web/20140429080045/http://www.hyogo-vplaza.jp/event/group_detail.php?ID=4434 帝愛](2014年4月29日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])とは別。</ref>」が裏で取り仕切るそのギャンブルは、うまく勝てば帝愛からの借金は帳消しだが、負ければ命の保障はないというものだった。カイジは幾度となく煮え湯を飲まされながらも、土壇場での閃きと思考を駆使して、生き残りを賭けた勝負に身を投じる。 |
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=== 第2章「絶望の城」 === |
=== 第2章「絶望の城」 === |
2017年9月5日 (火) 02:45時点における版
この項目には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれています。 |
カイジ | |
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ジャンル | ギャンブル漫画・青年漫画 |
漫画:賭博黙示録カイジ | |
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
レーベル | ヤンマガKC |
発表号 | 1996年11号 - 1999年36号 |
巻数 | 全13巻 |
話数 | 全158話 |
漫画:賭博破戒録カイジ | |
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
レーベル | ヤンマガKC |
発表号 | 2000年22号 - 2004年9号 |
巻数 | 全13巻 |
話数 | 全134話 |
漫画:賭博堕天録カイジ | |
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
レーベル | 同上 |
発表号 | 2004年28号 - 2008年8号 |
巻数 | 全13巻 |
話数 | 全131話 |
漫画:賭博堕天録カイジ 和也編 | |
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
レーベル | 同上 |
発表号 | 2009年27号 - 2012年11号 |
発表期間 | 2009年6月1日 - 2012年2月13日 |
巻数 | 全10巻 |
話数 | 全97話 |
漫画:賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編 | |
作者 | 福本伸行 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊ヤングマガジン |
レーベル | 同上 |
発表号 | 2013年22・23合併 - |
発表期間 | 2013年4月27日 - |
巻数 | 既刊12巻 (2016年10月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
Template:漫画 は 廃止されました |
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『賭博黙示録カイジ』(とばくもくしろくカイジ)は、福本伸行による日本の漫画。『週刊ヤングマガジン』(講談社)で1996年から連載された。
続編として『賭博破戒録カイジ』(とばくはかいろくカイジ)、『賭博堕天録カイジ』(とばくだてんろくカイジ)、『賭博堕天録カイジ 和也編』が同誌に連載され、2013年からは『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』と題して3勤1休のペースで連載。なお、同誌目次では全シリーズ一貫して『カイジ』となっている。
本項では直接ストーリーが繋がっている続編であり、「賭博黙示録」と合わせて『カイジ』という一つの作品を構成している計5編、そしてこれらを原典として製作された複数の別メディア作品(アニメ・ゲーム・パチスロ機・実写映画)についても解説する。
概要
自堕落な日々を過ごしていた主人公“伊藤開司”が、友人の保証人となって多額の負債を抱えたことをきっかけに、様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。命を賭けた極限の勝負の中での人間の思考・生き様が描かれており、作品独自のギャンブルと、「ざわ‥ざわ‥」の擬音やモブキャラの「黒服」などの福本作品独自の表現が特徴である。
元々は前後編の読み切りの予定だったが、福本がヤングマガジン編集部に限定ジャンケンのプロットを話したところで連載が決まり[1]、その後、福本の最大のヒット作品になった。第22回(1998年(平成10年)度)講談社漫画賞一般部門を受賞。発行部数は『賭博堕天録カイジ 和也編』既刊10巻時点では4シリーズ累計2000万部を超えている。
『逆境無頼カイジ』のタイトルで日本テレビでテレビアニメ化され、2007年(平成19年)10月に第1シーズンが、2011年(平成23年)4月から第2シーズンが放送された。また、2009年(平成21年)10月、『カイジ 人生逆転ゲーム』のタイトルで実写映画化もされた。2011年(平成23年)11月に『カイジ2 人生奪回ゲーム』のタイトルでシリーズ2作目が公開された(日本テレビ製作、東宝配給)。
ストーリー
第1章「希望の船」
- 収録:『賭博黙示録カイジ』
上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日、金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることを知らされる。遠藤に誘われるままカイジは、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、フランス語で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。
そこで行われるのは、カード12枚を使った「限定ジャンケン」。大手金融業者の「帝愛グループ[注 1]」が裏で取り仕切るそのギャンブルは、うまく勝てば帝愛からの借金は帳消しだが、負ければ命の保障はないというものだった。カイジは幾度となく煮え湯を飲まされながらも、土壇場での閃きと思考を駆使して、生き残りを賭けた勝負に身を投じる。
第2章「絶望の城」
- 収録:『賭博黙示録カイジ』
エスポワールから辛くも生還したカイジだったが、借金返済はならず、その総額は600万円以上に膨れ上がっていた。4ヶ月後、アルバイト生活に戻っていたカイジの前に、再び遠藤が現れ、新たなギャンブルを持ちかける。今度こそ勝つと決意したカイジは会場である「スターサイドホテル」へと向かい、決死の勝負「鉄骨渡り」に挑む。
多くの人間が転落死していく中、2度の鉄骨渡りをカイジは唯一成し遂げるが、途中でギブアップを要請したことを(結局受け入れられなかったにもかかわらず)、揚げ足を取るような形で主催者側にあとから指摘され、賞金を得る権利を剥奪される。激昂するカイジの前に主催者である帝愛グループの会長・兵藤が現れ、「もう一度チャンスをやろう」とこれまでのギャンブルを仕切っていた大幹部・利根川と「Eカード」で対決することになる。
カイジは極限の死闘を制すが、帝愛から簡単に切り捨てられた利根川の姿を見て、真に倒すべき存在は兵藤会長であることを痛感させられる。カイジは自身と鉄骨渡りで死んでいった仲間達の無念を晴らすため、自ら兵藤に「ティッシュ箱くじ引き」を挑み宣戦布告する。
第3章「欲望の沼」
- 収録:『賭博破戒録カイジ』
スターサイドホテルの勝負で兵藤に敗れ、さらに借金を約1000万円に増やすことになり、逃亡生活を送っていたカイジは遠藤に再びギャンブルを紹介するよう依頼する。しかし規定によりギャンブルは紹介されず、逆に拉致されたカイジは帝愛グループの地下施設で強制労働をさせられることになった。カイジは一日外出券を得るために金を貯めようとするが、所属するE班の班長・大槻の巧みな篭絡により金を使い果たす。大槻はさらにカイジに給料を前貸しし、自身の主催する「地下チンチロリン」に誘い込む。大槻に大敗を喫してさらなる借金生活に追い込まれるも、カイジは大槻のイカサマに気づき、自分と同じ境遇にある通称「45組」の5人と団結し、打倒大槻のために決起する。
カイジら6人は協力して3ヶ月の貧窮生活を耐え凌ぎ、地下チンチロで大勝負を仕掛け、カイジの奇策により大槻を倒し、外出に必要な資金を得たが、45組の仲間達はそれをカイジに託し、6人全員の借金返済に必要な6千万円を得ることを依頼した。単独で80万円の現金を持ち、地下から20日間の一時外出をしたカイジは裏カジノを巡ってチャンスを探す。
やがてカイジは偶然出会った男・坂崎と、帝愛グループの裏カジノに置かれた1玉4,000円のパチンコ「沼」で一攫千金を目指すことになる。坂崎はカイジをサポート役にして、自身の計画と資金によって「沼」に挑むが、裏カジノの店長・一条が仕込んだ妨害により惨敗。八方塞がりの状況になるが、カイジは「沼」の攻略法を閃き、計画を練り上げ、利根川失脚のあおりを受けて負債を抱えた遠藤をも仲間に引き入れる。そしてカイジの最後の地上滞在日に、カイジ・坂崎・遠藤の3人は再び「沼」に挑む。
第4章「渇望の血」
- 収録:『賭博堕天録カイジ』・『賭博堕天録カイジ 和也編』・『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』
「沼」での勝利から半年後。借金を完済し地下施設から解放されたカイジは、「沼」で共闘した坂崎の家に居候し、働かず堕落しきった日々を送っていた。そんなカイジに愛想を尽かした坂崎は手切れ金として300万円を渡し、追い出そうとする。その時カイジは地下で仲間だった三好・前田と再会し、彼らが勤める裏カジノの社長・村岡からギャンブルで巻き上げられた給料を取り返すよう依頼される。カイジは必ず返すと約束して坂崎から300万円を受け取り、村岡が考案した変則麻雀「17歩」で勝負する。
思いかけず再び孤立無援の死闘となった「17歩」で、カイジは4時間に及ぶ乱戦の末に村岡を下し、4億8千万円の大金を得る。そして勝負の立会人となっていた兵藤会長の息子・和也に勝負を申し込まれ承諾する。カイジは帝愛グループ傘下のレストランへ案内され、小説家という和也の目標と、その「取材」のためにたびたび危険なギャンブルを企画し、多くの人命を奪ったその所業を知る。土壇場で裏切るのが人間の真実と言う和也を、カイジは全否定。その言い合いを契機に、友情確認ゲーム「救出」による人間性の実験、カイジと和也の勝負が始まった。
疑念と保身、友愛と自己愛を巡る死闘の末、光山の裏切りによって「救出」は終了。カイジは敗者となったマリオ・チャンの7045万円の負債を肩代わりし二人を救命、さらに仲間に引き入れる。しかし和也は似非の友情と決めつけ激怒、カイジらを潰すため、新たなギャンブル「ワン・ポーカー」を提案。カイジVS和也の対決の火蓋が切られた。
登場人物
記事の体系性を保持するため、 |
登場ギャンブル
限定ジャンケン
大型客船エスポワール内で開催された「第3回クリエイティブクルーズ」で行われたギャンブル。参加者それぞれに、星3つと星を貼り付けるマジックテープ、グー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られる。カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をし、勝つと相手の星を1つもらえる(あいこは星の移動はなし)。勝負のやり方は、まず自力で対戦相手を探し、承諾を得たら船内にあるボックスを挟んで1対1で向かい合う。次に「チェック」で自分が出すカードを確かめ、「セット」で伏せて提出(この時点でもう変更はできない)。そして「オープン」で同時にカードを公開。使ったカードは結果に関係なくボックスに開いている穴に投入、即座に集計される。船内の電光掲示板には「残り時間」と、「グー、チョキ、パー、それぞれあと何枚ずつ残っているか」がリアルタイムで表示される。すべてのカードを使い切った時点で、初参加者は星を3つ、リピーターは4つ維持できれば勝ちとなる。
負けとなった場合、残るカードおよび星は没収。別室送りとされ、数字が書かれた焼印を付けられる。負けとなる条件は次の通り。
- 星がなくなった時
- 制限時間である4時間(映画では30分)終了時にカードを使いきれていなかった時
- 制限時間終了後の星の売買タイム(10分間)が終わっても星が規定未満の時
- その他禁止行為(カード廃棄、暴力行為など)を行った時
勝てばその参加者の借金を主催者が全額肩代わりする(ただし、後述する「船内での借金」は別)。さらに、勝ち抜けた時点で星が余っていれば、主催者が1つにつき400万円で買い取る。
別室送りになった者はその後、エスポワールに乗ったままどこかへ連行される。船井が聞いた噂によれば、「新薬の実験台にされ、廃人にされる」「ホモへの売春を強要される」といった過酷な運命が待ち受けているという。ただし、売春は年齢制限がある[注 2]。
カードを使い切った時点で星が規定に届いていなくても即座に負けとはならず、他の参加者からカードを手に入れて勝負を続行することが可能。また、最後に行う星の売買で別室にいる者に規定数の星を与えて救出することも認められている。
勝負での使用、失格による没収以外でカードを破棄することはルール上禁止とされているが、参加者全員を監視するのは物理的に不可能という都合上、参加者間での合意に基づく星とカードの譲渡と売買、仲間を組んであいこを繰り返すことでカードをノーリスクで消費すること、双方の合意があれば規定数である1個を超える数の星を賭けることなど、黙認されていることも多い。
また、勝負前に全参加者へ最低100万円、最高1,000万円(30歳以上は最高500万円)が貸し付けられる。利率は1.5%だが10分複利なので、勝負が4時間いっぱいまでかかった場合、最大約4割増し(勝負途中で勝ち上がれば、勝負開始からその時点までの時間で計算される)という暴利である[注 3]。しかし、この船に乗っているのは、いずれも多額の債務を背負っている者ばかりであるため、借金一括返済というチャンスを考えれば「良心的金利」であると主催者は語っている。なお、この金の使い方は一切自由とされている。また、あまりに借金が多い場合は参加を断られる場合がある。実際、岡林は他の人物にもいくらか背負ってもらい、一人あたまの借金額を減らしてようやく参加できた。
「参加者全員に星が3つずつ配られている」という点と「星を3つ確保すれば勝ち」という点から、一瞬「全員あいこを繰り返せば、全員助かる」と錯覚しがちだが、「最後にある星の売買のために、必ず裏切る者が出る」「余った星は主催者が買い取る」「リピーターは星4つ必要」といった要素があるため、必ず「別室送り」になる者が出る仕組みになっている。
また、星の売買は制限時間内に規定数の星を集められなかった者を少しでも救うために認めていると主催者は語っているが、真の理由は別室送りになる者を増やすためである。星の売買を認めない場合、星の数が1つもしくは2つの者達は彼ら同士で勝負せざるを得ないが、この場合半数が星がなくなり別室送り、残りの半数が星3つ集めてクリアとなる。しかし星の売買を認めることにより皆リスクのある勝負を避けて星の売買に賭けようとするが、実際に星の売買で規定数星を集められる者はほとんどおらず、より多くの者が別室送りとなる。
作者は株価の高騰・暴落などの相場の変動を表現したかったと語っている[1]。
実写映画版では、以下の変更がある。劇場限定商品として、このゲームに使われるカードと星のセットが販売された。
- 制限時間が30分
- 星を1個100万円(計300万円)で買ってエントリーする。現金そのものの貸付はなし。星の購入資金は借金として扱われ、利率1%の1分複利が付く。ゲーム終了後に星は1個100万円で買い戻すことを明言している
- 原作での掛け声「チェック・セット・オープン」が「ジャン・ケン・ポン」に変更。また、「ケン」の部分で選択したカードを伏せる設定がなくなっている
- 別室送りにされた者はそのまま地下帝国の強制労働施設(後述)へ送られる
- ゲーム終了後にカードを使い切れずに負けた者は原作にはいなかったが、実写映画版ではカイジと石田がカードを1枚余らせて別室送りになった。(カイジは石田と協力してカードを減らしていたが、制限時間ギリギリでカイジ自身はカードを使い切れていたが、石田もカードを使い切れたと思いきや、ポケットの中身にカードが1枚残っていたことにより石田は別室送りにされたのだが、カイジが石田をかばって自ら石田と一緒に別室に行く)
- ゲーム終了後の星売買のシーンがない。
鉄骨渡り
人間競馬
スターサイドホテルで行われたギャンブル。通称勇者達の道(ブレイブ・メン・ロード)。挑戦者同士のギャンブル対決ではなく、パーティーに参加した富豪がレース結果に賭け、その寺銭とパーティー参加費から賞金が支払われる人間競馬である。
ホテル内に設置された数本の鉄の一本橋(作中では4本。四角い棒状で全長25メートル。渡り始めは足の幅より少し広い程度の太さだが、先へ進むほど少しずつ細くなる)を参加者に渡らせ、参加者は渡り終えると順位に応じ大金を手にすることができる引換券を貰える。ただし参加者が地面や橋に手をつくか、橋から落ちた場合、失格となる。さらに引換券を貰うためには、他の橋の参加者を含めて決められた順位以内に入り渡り終えてしまわねばならない。作中では1回の参加者12人(3人に対し1本の計算で鉄骨が割り当てられていた)の内、1位に2,000万、2位に1,000万の券が渡された(エントリーしていたのは全部で60人、従って5レース行われた)。落下した場合、橋の下には薄いマットが敷いてあるだけの上、8mないし10mの高さがあるため、打ち所によっては負傷や死の可能性もある。なお、負傷した場合はギャンブル終了後に病院まで連れて行かれ治療を受けることができるものの、治療費は負債に加算される。
橋は4本しかないため必然的に複数人で同じ橋を渡ることになるが、横を通って追い抜くことはできないため、大金を手にするために前に出るには後ろの者は前の人間を落とさなければならない(他の参加者を押して落下させる行為は、ルール上許されている。実際、観客から「押せっ」のシュプレヒコールがかかることも多く、このギャンブル最大の見所と言える)。一方先頭に立つ者はそのようなことをする必要はないが、先に進むにつれ橋が細くなるためたやすく渡りきることは不可能であり、よほど差がない限りいつか追い付かれるという危険性を秘めている。
作者は限定ジャンケンとは逆に直接体を張るギャンブルにしたかったと語っている[1]。
電流鉄骨渡り
無事引換券を手にしたとしても、その後には券を換金する部屋へと行くための最後の橋が待っている。この橋は幅や長さは人間競馬とほぼ同じだが、地上74メートルに位置するため落下したら即死であり、また落ちることを恐れて橋にしがみつく行為を防ぐため(利根川は「鉄骨に手を突いて渡るというぶざまな姿を客人たちに見せないため」と言っている)、橋には電流が流され、手を触れると感電のショックで橋には留まることができず転落するという、失格=即死の戦いである。なお人間競馬で失格になった者も、失格者多数で余った券や権利放棄者の券を受け取るチャンスが存在する。実写映画版では、後述の「地下強制労働施設」から抜ける唯一の方法とされており、囚人が自ら志願して参加することも可能である。
最後の橋はさらに上のランクのパーティー参加者に向けた見世物であるが、ギャンブルの対象とはならない。またこれはあくまで引き替えに付随する作業であるため、引換券に切られた制限時間を過ぎない限り、渡り切るのに有した時間や挑戦者間の順位は賞金に何ら関係しない。
Eカード
2人対戦用カードゲーム。「皇帝」(1枚)「市民」(8枚・各4枚1セットで、一枚ずつ微妙にイラストが異なる)「奴隷」(1枚)の3種類(計10枚)のカードを使用する。これらのカードにはジャンケン同様三すくみの関係があり、「皇帝側(「皇帝」1枚,「市民」4枚)」と「奴隷側(「奴隷」1枚,「市民」4枚)」に分かれ、時間差で1枚ずつ出し合って勝敗を決める。三者の関係については、「皇帝」>「市民」そして「市民」>「奴隷」である。「皇帝」は「市民」に勝ち(「皇帝」は「市民」を支配する権限を持っているため)、「市民」は「奴隷」に勝つ(「市民」は「奴隷」より地位や生活が担保されているため)という意味である。ここで、「奴隷」と「皇帝」の関係については「奴隷はどうしようもないクズであり、その執念で皇帝を撃つ」という考え方から、「奴隷」は「皇帝」に勝つ(「奴隷」>「皇帝」)とされている。兵藤曰く、「Eカードは社会の縮図だが、現実そのままでは味気なさ過ぎるので、若干だが夢を持たせた」とある。
EカードのEは皇帝 (Emperor) から来ている。このカードはニンテンドーDS用ソフト『逆境無頼カイジ Death or Survival』の予約特典として存在し、実際にプレイすることができる。過去に一般販売され、ペリカも付属していた。
通常のジャンケンと異なる最大の特徴は、両者が所持するカードの構成が平等ではないことである。前述した通り、「皇帝側」は「皇帝」カードを1枚と「市民」カードを4枚、「奴隷側」は「奴隷」カードを1枚、「市民」カードを4枚持つ。最も多い「市民」同士であればあいこになるだけなので、事実上「皇帝」もしくは「奴隷」による1勝で決まる。3戦ごとに「皇帝側」と「奴隷側」を入れ替えて再スタートし、計12戦を行う(映画では3本勝負)。
「奴隷側」は、「皇帝側」のたった1枚の「皇帝」に合わせて1枚の「奴隷」を出さなければならないが、「皇帝側」は4/5を占める「市民」のどれかに合わせて「皇帝」を1枚だけ出せれば勝てる上、「市民」を出しているうちに「奴隷側」が読みを誤り、「奴隷」を出して自滅するという勝ちパターンもあるため、「皇帝側」がルール上有利になっている。この格差を埋め合わせるため、「奴隷側」で勝利した場合の報酬は通常の5倍(映画では10倍)とされている。ただし、カイジの場合は「皇帝側」で負けても針が5倍の距離進むことはないと設定された。
カードを提出する順番は、1、3ターン目の提出は「皇帝側」が先出し、2、4ターン目は「奴隷側」が先出しとなる。カードは1ターンにつき5分以内に伏せた状態で出すが、後出し側は自分がカードを出す前に先出し側の顔色をうかがうことが可能である。また、両者ともカードを出す際は、無作為なカードの選出を行ってはならない。最低一度はカードの表を見てからカードを出さなければ反則となる。これはあくまでEカードは心理戦を主とするゲームであり、運で勝敗を決めるものではないからという理由で説明される。
5枚あるカードを1枚ずつ出して行くため理論上は5ターンまであるが、勝ち負けが発生するのは「皇帝」や「奴隷」のカードが出された回のみであり、4ターン連続で「市民」同士になった場合、残ったカードは「皇帝」と「奴隷」だけになるため、最大で4ターンで勝敗が確定し1戦が終了となる。
本来は大金を賭けて勝負するが、無一文の場合は目もしくは耳を賭ける。リモコン操作で針が進むという装置を目や耳に取り付けて1ミリ単位で賭け、30ミリ分負けると針が眼球や鼓膜に到達する(このゲームは「聴力を賭けた勝負」とされるが、鼓膜は破れても自然と再生するので、聴力を失うのは一時的なものであって、致命的な影響はない)。この装置は一旦装着すると専用の工具を使わない限り外せず、無理に外そうとするとリモコンのアラームが鳴る。
勝った時にもらえる金額のレートは1ミリにつき「皇帝側」なら10万円で「奴隷側」なら50万円。30ミリ分負けて針が器官に到達すれば12回戦行っていなくてもその時点でゲームオーバーとなり終了するが、実はこの装置は別の箇所にも使用できるようになっており、針は最大45ミリまで伸びる。
実写映画版では、以下の変更がある。劇場限定商品として、このゲームに使われるカードのセットが販売された。
- 勝負は12勝負ではなく、3回勝負。よってカードの交換はない。
- 原作では聴力をかけていたが、映画では普通に現金をかけている。
- 奴隷側で勝った場合もらえる額は賭けた金の10倍。
- カードの提出は常に奴隷の先出しとなっている。
- 利根川が敗北した際、焼き土下座ではなく、地下帝国の永住権はく奪、そして地下で永遠の労働が科せられた(正確には扱いは他の地下労働者と同じだが、優秀さを買われ地上で働く工作員となっている)。
ティッシュ箱くじ引き
Eカードで勝利したカイジが兵藤との勝負をするために考え出したギャンブル。空にしたティッシュ箱にペーパータオルで作ったくじ(○を書いた当たりくじ1枚とはずれくじ数十枚)を入れ、交互にくじを引いて先に○を引いた方が勝ちという単純なもの。カイジは当たりくじをあらかじめティッシュ箱の側面に仕込んでおくという不正を考えていた。
兵藤はカイジとの勝負を受ける条件として、以下のことを要求した。
- イカサマ防止のため、団子状に丸めた当たりクジは無効とする。引く時は腕まくりし、直前に指の股を開いて互いにチェックする。
- 兵藤から先にクジを引く。
- 兵藤が負ければカイジに1億円を支払い、カイジが負ければEカードで得た2,000万円を兵藤に払った上で、自らの片手の指4本(指1本につき2000万)を切断される。
地下チンチロリン
地下王国での事情を加味した特別ルールを付け足したチンチロリン。1人が親でそれ以外が子となり、出目の強弱を子1人1人が個別に親と比べ合い、勝った方が賭け金を役に決められた倍数で受け取ることができる(賭け金は子が決める)。なお役目は456(シゴロ)が2倍づけ、2 - 6ゾロが3倍づけ、1(ピン)ゾロが5倍づけ、123(ヒフミ)が2倍払いである[注 4]。また、地下オリジナルルールとして、
- 親の目に関係なく子も振ることができる(親の総取り・総払いなし)。
- 親をスルーすることも可能。
- 親の連続はどんなに勝っても2回まで。ただし、1回目に親が1の目・目なし・123・ションベンを出したらそこで親は終了。それ以外は必ず2回目の親をする。
- 賭け金の上限は2万ペリカである。ただし、親と子の間で合意があれば上限を撤廃、青天井とすることも可能。
これらの特殊ルールについては、大槻により「大きな勝ちも負けもなくして、金のない地下でゆるゆるだらだら勝負を楽しむため」という説明が成された。
「1日外出録ハンチョウ」では「班長特権」で特例として認められていることが判明。
パチンコ「沼」
一条が店長を務めるカジノに存在する等価交換の一発台パチンコ。一玉4,000円に設定されているため通常の1,000倍のギャンブル性を持つパチンコである(このカジノには1玉400円や1玉40円のパチンコも存在し、これらはデジパチ)。挑戦するためには300万円(750発)・500万円(1,250発)・1,000万円(2,500発)のいずれかのパッキーカードを買って使うことになる。
第一の関門は異常な数で並ぶ釘の森であり、釘の設定は基本的に100発中1発がチューリップの手前に届くように設定してある(この通常時は設定Cといって、他にも月1回30発中1発が届く設定Aの日や、月5日ほど60発中1発が届く設定Bの日もある)。第二の関門は、電動チューリップ上部に配置されている可動役物で、ランダムな動きで玉を弾く。第三の関門が内部の3段クルーンで、1段目のクルーンには3つの穴、2段目には4つ、3段目には5つの穴が空いている。1段目・2段目の手前穴1つずつは下段に落ちる穴であり、回転しながら順に通過して3段目で奥の当り穴に玉が入ると、ジャックポットとなる。ジャックポットは、その時点でストックされている玉すべてを獲得できる。ジャックポット以外に当り穴はなくすべてアウト玉となる。この台のストックはアウト玉の蓄積であり、ストックがない時には最低3億円(75,000発)分を店が保証する。
上記のことから、理論上のジャックポット確率は、1/30・1/60・1/100(それぞれ前述の設定A・B・Cの場合の釘ゾーン)×1/3(可動役物)×1/60(3段クルーン)=1/5,400(2160万円分の玉に一発)・1/10,800(同4320万円分)・1/18,000(同7200万円分)になるが、実際は様々な場所に挑戦者に告知されていない鉄壁の防御が施されており、通常のプレイでは攻略することはできない。
電動チューリップ上の可動役物は、店側から遠隔操作でタイミングを計って閉じてしまうことが可能(通称「ブロック」)。ここを乗り越えたとしても、「クルーン自体」・「パチンコ台本体」・「台周辺のプレイスペース」と3系統に分散した手前への傾斜(リモコン操作で奥に傾けることも可能)に加え、3段目の奥にある当たりの穴の外側に透明なコブが存在し、通常考え得る形での入賞の可能性を潰している。さらに、通常は「あからさま過ぎる」として没になっているが、緊急時には店側の操作によって、3段目の当たり穴の周囲から空気が噴出できる装置も存在する。また客が台を打つ前には身体・荷物の検査や磁気チェックを行い、さらに台周辺は24時間モニタリングし、遊技には常に店員が立ち会う。またゴトを防止するため、磁石に反応しない真鍮製の弾を不定期に使用している。
カイジたちの前にも多くの者が挑戦したが、実際にジャックポットを出した人物(「達成者」と呼ばれる)は、カジノ側の接待(帝愛サイドによる賞金の回収)によって出した利根川と兵藤だけであった。なお、前述の通りこの台は等価交換で、原則としてジャックポットを出せなかった者のつぎ込んだ玉が丸々次の挑戦者への賞金として積み立てられていくため、(いずれジャックポットを出される前提である以上は)理論上、いつまでも店には儲けが出ない。そればかりか、こちらも前述の通りどんなにジャックポットが貯まってなくても3億円分は店が保障するので、そこまで貯まらないうちにジャックポットを出されようものなら3億円に満たない分店の損失になってしまう。しかし帝愛の人間に対し接待を行うことで、積み立てられた賞金を回収する意味合いを持つと同時に、表向きには「確率は限りなく低いが当たりはある」とアピールすることによって、挑戦者が後を絶たない状況、ひいては「沼」が店の象徴として君臨する状況を生み出している。
なお、原作では通常のパチンコ機の1.5倍程度の大きさ(坂崎の台詞より)で描かれているのに対し、実写映画版ではカジノの壁一面を占める「巨大モンスターマシーン」として描写されている。
地雷ゲーム「17歩」
手作りの過程を省略した変則二人麻雀。全自動麻雀卓で山を作り、先手と後手を決める(初回のみ決め方は自由で、以降は勝ったほうが次回の先手となる)。そして先手が左右の2山から好きな牌を1牌めくってドラを決めてスタート。互いに自分の目の前のツモ山1列分(34牌)を使って、3分の制限時間で13枚を選び出し聴牌状態の手牌を作る。手牌ができたらゲームをスタートし、手牌として使わなかった残りの21枚の牌を先手の者から17巡終えて流局するまで順に切っていく。
性質上ツモがないので、和了る時は必然的に相手からのロンのみとなる。捨て牌が21なのに対し攻防は17巡のため、相手のロン牌を5つ以上捨て牌の中に抱えてしまうと、(先に相手が振り込むか、フリテン扱いにならない限り)必ず負けてしまうことになる。
振り込んで決着した場合は賭け金(両者の合意に基づく)を相手に渡さなければならないが、渡す金額は完成された役によって満貫を1単位とした倍率に基づき、跳満なら1.5倍、倍満なら2倍、三倍満なら3倍、役満なら4倍、ダブル役満なら8倍となる。両者とも振り込まないまま17巡を消化すると流局となり、賭け金を倍にして次戦に持ち越す。
その他通常の麻雀と異なる点は次の通り。
- 満貫縛りであること。
- フリテンに関するルールは基本的には通常の麻雀と同じ。
- 複数の和了形を持つ手役において、満貫以上になる待ちとそうでない待ちがある場合、満貫にならない方のロン牌を先に切られた場合ロンできないが、その後に満貫以上になる待ちのロン牌を切られてもフリテン扱いとなるため和了ることはできない。
- 自分で自分のロン牌を切ってしまった場合もフリテン扱いとなる。
- ゲーム開始時に聴牌していなくても、立直はしなければならないが、アガリ放棄として続行し流局になった場合でもノーテン立直は問われない[注 6](といっても34枚の牌であればほぼ確実に聴牌形を作ることができる)。
- 天和・地和・海底摸月・門前自摸和・ダブル立直・人和・嶺上開花・槍槓・三槓子・四槓子・流し満貫はない。
- 河底撈魚は、最後の捨て牌を捨てるのは必ず後手番なので必然的に先手番のときしかできない。
- 常に場風牌は東、門風牌は先手番・後手番に関係なく西で固定[注 7]。2人だけの麻雀でいちいち変化するのが面倒というのが理由。
- 親と子の制度もない。和了得点の格差により、レートアップをしていきにくいのが理由。
- なお、四暗刻単騎待ちや国士無双十三面待ち等はダブル役満扱いなのかどうか、先手が最初の捨て牌で(後手がリーチ宣言をする前に)振り込んだ場合、立直を和了役に加えるのかどうかなどは劇中では触れられなかった。
愛よりも剣
兵藤和也が執筆した小説(作中作)『愛よりも剣』内に登場するギャンブル。実はこの小説は、和也が実際に執行した制裁を基にしたものである(設定や役名は変更してあり、表向きにはフィクションということになっている)。
金を持ってヤクザの組長から逃げようとした男女2人に組長(本来は和也)が課した刑。足部分に2箇所、胴部分に5箇所剣を刺す穴のある箱2つ、鉄板9枚、剣9本を使ったギャンブル。まず、2人がそれぞれの箱の中に入り、剣を刺す穴を2人交互に指定し、その穴に剣を刺していく。このとき、自分の方の穴を指定する必要はなく、相手の方の穴を指定してもよい。なお、計14箇所の穴のうち、9箇所は鉄板が入っており、そこに剣を刺しても鉄板で止まり体には刺さらないようになっているため、9本の剣全てを鉄板入りの穴を指定することができれば2人とも無傷で終わる。しかし、残りの5箇所には鉄板は入っておらず、そこに剣を刺すと体に刺さり、足の場合は大ケガ、胴の場合は即死するとは限らないが死亡が確定する。9本の剣を刺したら終了。ただし片方が絶命しても剣が残っていたら続行、死亡してからは残りは生き残った方が全て指定する。この場合でも死亡した相手の箱にまだ剣を刺していない穴が残っていればそこを指定することもできる。9本全て刺し終わった時点で生き残っていれば、その後はヤクザ達からの干渉から解放される。
「救出」
B型肝炎持ちの負債者とその仲間2人に兵藤和也が課した友情確認ゲーム。
挑戦者は特殊な構造のヘルメットを装着して、くじ引きで決めた順に座り(前から順に「3・2・1」となっていて、後ろほど高い位置になる。席の構造上、1番席は2番・3番の様子が分かり、2番席は3番の様子のみ分かり、3番席は誰の様子も分からない)、ベルトで体を固定する。そしてルーレット(ヘルメットのランプが点滅)により、1人の「救出者」と2人の「人質」を決める。なお、実際には同じ人が連続して「救出者」に選ばれることはなく、「救出者」になった人は次のラウンドは必ず「人質」となる(言い換えれば、「人質」になった者は次のラウンドは2分の1の確率で「救出者」になることになり、さらに言い換えれば「救出者」になった次のラウンドは必ず「人質」になるが、その次のラウンドもしくはそのまた次のラウンドのどちらかで「救出者」になれる確率は4分の3もあるとも言える。なお、この設定はラウンド13をクリアした後のインターバルで公表された)。ヘルメットには大音量の音楽が流れているため、周りの声は一切聞こえない。もちろん自分のランプが点灯しているかどうかもわからない。無論、振り向いて他のランプを見ることも禁止。1ラウンド終了ごと、前方に設置された時計に「人質解放ボタン」を押した時点でのタイムが表示される(ゲーム中は表示されない)。
「救出者」に選ばれた者は、自力でそのことに気付き、スタートして30秒以上1分1秒未満の間(ゲーム中挑戦者にはタイマーが見えない)に席にある「ベルト解除ボタン」で自分のベルトを外し、前にある「人質解放ボタン」を押せばクリア。クリアするごとに賭け金が倍々ゲームで増えていき、1億円を突破すれば挑戦者の勝利、1億円をもらえる(今回の挑戦者は所持金が2,150円だったため、1億を突破するには16回連続でクリアしなければならない。なお、16ラウンドをクリアした場合、本来の賞金額は140,902,400円になるが、最終的な金額は1億円でストップされる)。クリアした後は、そのときボタンを押したのがスタートしてから何秒後(ただし秒未満は切り捨て)だったかが全員に知らされた上で、もう一度くじ引きで席をシャッフルして続行する。
ただし、スタートしてから30秒未満のうちに救出者が人質解放ボタンを押した場合は失格。全員命は助かるが、賭け金は没収されてこの後の挑戦権も失う。救出者が人質解放ボタンを押さないまま1分1秒経ったり、人質が人質解放ボタンを押した場合は救出失敗。「人質」2人のヘルメットの中敷がリモコン操作により膨張して、頭蓋骨や脳を1分と時間をかけて圧迫・粉砕し、人質2人は死亡する(「00422974」と入力してから解除ボタンを押せばこの操作を止めることができるが、この番号は和也しか知らないので教えてもらう必要がある。また、止めた人は人質を見殺しにした救出者への賞金を和也の代わりに払わなければならない)。また、ベルト解除ボタンは最初に押されたものだけが有効であるため、誤って「人質」がベルト解除ボタンを押してベルトを解除した場合、その後に救出者がいくらボタンを押しても救出者のベルトは解除されないため、その時点で救出失敗・人質の死亡が確定する。なお、救出失敗の場合生き残った救出者を勝者とみなし、クリアの場合と同様に賭け金を倍にした状態でゲームそのものは終了。その賭け金は救出者が独り占めとする(言い換えれば「人質2人を見殺しにすれば、賞金を独り占めできる」ともいえ、さらには「早く人質を見殺しにして賞金を独り占めしないと逆に見殺しにされる恐れがある」ともいえる)。このルールはラウンド9をクリアした後のインターバルで、ルール確認のために告げられる(「最初のルール説明の時に、詳しく聞かれなかったのでスルーした」と和也は語っている)。
前もってゲーム参加者3人が打ち合わせなどできないように、ルールや攻略法の説明は1人ずつ個別に行われる。何より時計も持たずプレイヤーの体内時計による感覚という曖昧なものと、プレイヤー間での意志の疎通ができない状況のため、「救出者」がより下の段の者であるほど、その難易度は格段に上がる。
1ゲーム終わるごとに救出者がボタンを押した秒数を全員が確認することができる時計が設置されている。また合図等は原則として禁止ではあるが、これは予めゲーム前に相談などで決めることを禁止している側面からゲーム中に開発した「以心伝心システム」の手首の小さな上げ下げなどは黙認されている。しかし、ルールそのものが「人質を見殺しにすれば、賭け金は倍になった上で独り占めできるが、それをやらないでいると逆に見殺しの危険に晒される」という、裏切りを扇動する構造になっているため、実際には3人での完全制覇は困難を極める。また、実は操作で救出者を意図的に決定したり、ベルトの開閉を可能にしたり不能にしたりすることも可能な作りになっているため、1番席を救出者にしてベルトの開閉を制限時間ギリギリまで不能にすることによって、1番席の者および見ているカイジや和也から見れば明らかに不具合が発生していたのが分かるが、2番席と3番席の者からしたら救出者である1番席の者が自分たちを見殺しにして賞金を独り占めしようとしたように思わせることができる。このとき、操作によってベルトの開閉が不可能になっていたことなどは一切説明されない。なお、和也曰く、3人の運命は1本の鎖で繋がれた犬のようなものであり、誰かが賞金を独り占めするのはすなわち自分が死んでしまう時であるため、賭け金が誰かにとって救いになる金額に達していたら、それが自分にとって救いになる金額ではなくても死ぬよりはマシと思い、他の2人を見殺しにして賞金を独り占めしようと思ってもおかしくないらしい。
和也は「愛よりも剣」同様、(裏切りの発生を前提に)このゲームの一部始終を小説の題材にしようともくろんでいる。そのため、途中経過のプレイヤーの心境を彼の任意のタイミングでルールの説明時同様に個別にインタビューを受けるなどして、裏切りをするようプレイヤーを誘導している。
ワン・ポーカー
このゲーム専用の装置「マザー・ソフィー」(和也曰く、「一度電源を入れたらどちらかが破滅するまで止まらない神聖な怪物」)に座って行われる2人用のポーカー。タイトルどおり互いに1枚のカードを使って勝負する(戦争に近い)。マザー・ソフィー自体は帝愛所有の倉庫内にあるタワーの頂上に存在する。全てが機械仕掛けであり、対戦する二人の資金を除けばおそらく(和也が把握する限りでは)完全公平なギャンブルマシーン。
まず、ジョーカーを抜いたトランプ3セットを入念にシャッフルし、1つの山を作る。そこにどちらか一人が「カッティングカード」と呼ばれるプラスチックの板を差し込み、そこより上のカードを破棄し、残った分を「神の手」と呼ばれるカード分配装置にセットする。そして、椅子に座りベルトを装着することで電源を入れる。その後、タッチパネルで名前と所持ライフ(後述)を入力して準備完了となる。はじめに両者ともに2枚ずつ手札が配られ、その2枚を自分の目の前にあるカード提示ボックスに表向きに置く(もちろん相手からは見えない)。するとその手札をカメラが読み取り、手札の内容がUP (A - 8) かDOWN (7 - 2) をランプで相手に知らせる。
UPが2つ点灯すれば2枚ともA - 8、DOWNが2つ点灯すれば2枚とも7 - 2、両方が1つずつ点灯すれば1枚はA - 8、もう1枚は7 - 2となる。これを踏まえた上で、2枚のうち1枚を裏向きに提出、その後通常のポーカーと同様にライフ(後述)を積み合い、賭け金が折り合ったらカードをオープンして勝負。数字の大きさで判定し、Aが最も強く、2が最も弱い。ただし、Aと2がぶつかった場合に限り2の勝ちとなる(和也曰く、Eカードで奴隷が皇帝に勝つのと同じらしい)。同じ数字同士の場合はスートに関係なく引き分け。1ゲームが終わるごとに使ったカードは捨て、また1枚ずつ手札を補充する。カードを配る順番は、直前のラウンドで勝った方から先に配られる。ただし、最初の手札2枚はタッチパネルのそばにあるボタンを押した方(話し合いによって決める)から先に配られる。なお、使用しなかった方のカードは手元に残る。そのため、負ける確率が高いからと言ってDOWNを出さずにいると、いずれ両方DOWNというどうしようもない状況になりかねないため、敗北覚悟か相手の裏をかくかでDOWNを破棄する駆け引きが必要となってくる。また、ダブルUPvsダブルDOWNという状況になった場合、ダブルUP側の勝ちがどちらの側から見ても明らかであるため(但しAもしくは2を出した場合はこの限りではない)どちらも2枚のカードのうち弱い方を出すのがセオリーであるが、あえて強い方を出すことによってもう1枚はさらに強いカードであると思わせる駆け引きもある。
作中でカイジと和也が勝負する時のミニマムベットは1ライフ(それ以前の勝負では不明)。なお、「ライフ」は世間一般のサラリーマン正社員の生涯賃金とほぼ同じ2億円を1とするお金の単位である(作中では金色の人形で表現されていて、サイドテーブルに置いて管理する)。これは、和也曰く「理想主義のカイジと現実主義の俺、どっちの考え方が強いか白黒つけるため」だと語っている。 カイジは4億円(2ライフ)を賭け、和也は20億円(10ライフ)を賭ける。金を借りることは一切できない。負けた場合、失ったライフの分だけ座席が押し込まれ(逆に勝てば押し込む)3連敗で端まで到達するが、さらに負けた場合は動きはなし。端に空いた穴から落ちるわけではなく、形勢の優劣を分かりやすく見せるための仕掛けである(ただし後述する「赤ライフ」を賭けた場合、話は別となる)。
通常のポーカーと同様に、ライフのレイズ(上乗せ)も可能。カードを出した後、お互いにソフィーから「コール or レイズ?」と尋ねられるので、レイズを宣言したい場合、手持ちのライフから任意の数を場に追加する。相手は「レイズ or ドロップ?」と尋ねられるので、ドロップ(降り)をしないならライフを相手と同じ数だけ上乗せしてコールするか、また相手よりも上乗せして逆レイズする。この時に相手がコールボタンを押して勝負を求めても、再度レイズを仕掛けることも可能である。この手順を繰り返して最終的に両者がコールボタンを押すか、ライフが両者の釣り合う数である天井(例えば片方の手持ちが5つ、もう片方が3つなら最大3つ)まで達したらコールとなる。コール前にドロップで決着が付いた場合は、ドロップした側が賭けていたライフを失い、カードは勝負とは関係なく開いてお互いに見せる。
どちらかがライフをすべて失い「バンクラプシー」(破産)となった時点でゲームセット。その際、サイドテーブルの引き出しを開けるように促される。中には1つだけ赤い人形が入っていて、本人が希望すればこれ(即ち自分の生命)を賭けてゲームを続行できる(賭けると発光し、赤ライフ用のプログラムが起動)。もしこれを失った場合、「敗者処刑システム」が作動。椅子がさらに後退し、椅子ごと逆さまに吊るされた状態でベルトが解除・収納され頭から落下、確実に即死となる。ただし救済チャンス(和也は「ちょっとした慈悲」と呼んでいる)として、「22.5°に設定された網がルーレットのように回転しているのをスイッチ(お互いの引き出しに入っている)で止めてそれにしがみつけたら助かる」と和也は説明している。しかし、網の中心を捉えなければ弾かれて結局落下となってしまう。和也がマネキンで試した結果、満足にセーフな位置で止められなかった上に、止められたとしてもバウンドして落下してしまうなど、その成功率は限りなく絶望的で(但しバウンドして落下してしまうのはマネキンだからであり、生身の人間だったら網にしがみつくので助かるらしい)、真の目的は「何が何でも助かろうと悪あがきをして醜態を晒す様が見たい」和也の愉悦を満たすためである。なお、このスイッチを5秒間以上押し続けると処刑が中止される(曰く、「マザー(母親)」故に子供のわがままを一度だけ聞いてくれるとのことだが、元来この機能は「和也自身が赤ライフを賭けて負けた場合」のために用意してあり、もしこうなった場合ライフは赤も含め全て相手に渡っており和也は命だけは何とか助かった状態であるためさらにギャンブルを続けることはないため二度使うことは通常だったらあり得ないため一度しか使えないようにしている)。ここで勝った場合、その後赤ライフを賭けるかどうかは自由であり、次の終了は通常のライフがなくなった時点とすることもできる。和也曰く、本来だったらカイジの命に2億の価値はないため、命の賭けどころとしては最適であるらしい。但し一度でも赤ライフを賭けてしまうとレイズの上限も相手の「赤ライフも含めた」ライフ数となるため、自分の通常ライフ数を超えるライフまでレイズされたら赤ライフを賭けるかそれが嫌ならドロップするしかなくなる。また、本体に「隠しスイッチ」が存在し、押すと中からAが3枚入った「隠しボックス」が出現する。
姫と奴隷
実写映画版「カイジ2」に登場するオリジナルギャンブル。原作未登場ではあるが、映画の脚本にも参加した原作者の福本が考案した。元々は『姫と虎』という名前にする予定だったが虎が調達できずライオンに変更された為名前も変わった[2]。元ネタはフランク・ストックトンの小説『女か虎か』[1]。
一条が支配人を務める裏カジノで行われているアトラクションで、鉄骨渡りに代わる「新ブレイブ・メン・ロード」である。
奴隷(多額の負債を負った挑戦者)が、3つの檻を前にした逃げ場の無い空間に足を枷で繋がれた状態で閉じ込められる。奴隷は3つのボタンのいずれか1つだけを押せ、ボタンを押すとそれに連動した檻が1つ開く。その内1つの姫(挑戦者の仲間)が入った檻を開ければ賞金3000万を手にして解放されるが、他の2つの檻にはライオンが入っており開けると襲われ死ぬ。
どのボタンが当たりであるかはその場で姫に通知され姫は奴隷に教えても構わない。ただし姫は奴隷が死ねば単独で300万が手に入るため当たりボタンを教えてくれる保証は無い。奴隷は姫の発言の真偽を正しく見抜けなければ命の危険に晒される。得られる金額的に姫が裏切る理由は無いように見えるが、奴隷は多額の負債を負った者から選ばれるようになっており、3000万円を手に入れても負債の返済でほぼ無くなる事が前提になっている。
その他の用語
- 帝愛グループ
- 消費者金融を主体とする日本最大規模のコンツェルン。『賭博破戒録』第一話の時点で創立40周年を迎えた。
- 会長である兵藤和尊が握る絶対的な権力の下、裏で負債者の人権・命を奪う拷問じみた凶悪なギャンブルを行わせている。幹部以外の部下達は全員サングラスと黒スーツ姿で「黒服」と呼ばれている。
- 『賭博堕天録』では、傘下の企業に対して多額の上納金を課していることが発覚する。また、『中間管理録トネガワ』では、入社試験の採用条件が厳しい様子が描かれた。
- 焼き土下座
- 「金を借りても期日までに返さない人間は、約束を破ることに抵抗を感じていない人間で、例え土下座で懇願してもそれは表面的なだけで根底から謝罪している訳ではない。心からの誠意と謝罪があれば例え焼けた鉄板の上でも土下座ができるはず」という兵藤の考えから考案された「謝罪」方法。
- 高温に焼けた鉄板の上で膝を付き、額と手を鉄板に付けた状態から10秒の間連続して土下座させられる。執行側はストップウォッチで正確に計測しているが、土下座する側は言うまでもなく計測器具を一切見られない上、カウントダウン等の告知もないため、独自の目安でおおよその時間を計るしかない。土下座の時間がたとえ0.001秒でも10秒に満たなければ、10秒やり遂げるまでたとえ焼死体になろうが何回もやり直しをさせられる。膝と額と手に受ける火傷は皮が溶け肉が焼け、高熱は骨まで届く程に想像を絶し、ためらう者は「土下座強制器具」なるもので拘束して強制的に土下座させるが、それでもためらう場合は耐熱手袋を着けた黒服たちが人力で強引に全身を押しつける。大人しく土下座をして耐えれば額と手の火傷だけで済むが、暴れるものならば体全体を焼かれながら悶絶、全身火だるまという地獄の苦痛を味わうこととなる。過去に土下座強制器具なしでこれを成し遂げた者は利根川のみ。
- 「中間管理録 トネガワ」では、なぜか焼き土下座用鉄板が帝愛の保養施設「億兆荘」に保管されており、その用途を知らない利根川と部下の黒服たちがバーベキューに使用した。
- 地下王国
- 「地下」または「王国」と呼ばれている、王を自称する兵藤を始めとする帝愛幹部(例外的だが外部の人間も含む)のための超豪勢な地下核シェルター。場所は極秘にされている。グループの中でも、大きな貢献をした人物にのみその場所が知らされ、居住権が与えられる。正式名称は不明で原作では1度「地下王国」と記述されていたが、映画では「地下帝国」とされている。アニメ『破戒録編』では「帝愛王国」とも表現された(原作の該当個所では単に「帝愛の王国」となっている)。
- 「地下強制労働施設」(いわゆるタコ部屋)が併設されており、多額の債務を背負った者たちを拉致して拡張工事が行われている。懲役年数の目安は1000万円の負債で15年。地下に送られた「囚人」達は利子の支払いを免除され、計算上は働くたびに確実に元本を減らせることになっている。しかし、強制労働における日当は3500円ではあるものの借金返済分及び食費・施設利用料の名目で9割天引きされ、手取りは350円=3500ペリカ(後述)で、1ヶ月(週休1日で26日)で9100円=9万1千ペリカとなっており、事実上暴利が強制労働に形を変えただけである。
- 労働時間外の囚人には食事やシャワー、ベッドと睡眠時間など最低限の環境は与えられてはいるが、重労働と劣悪な環境(工事の関係で大量の粉塵が舞い上がる上に、高温の密閉空間で換気が悪い)から体を壊してしまい、治療を受けたり薬を手に入れるにも高額のペリカを支払う必要があるため、借金に相当する年数働く前に再起不能となる者も多い。ちなみに黒崎の秘書らしい男が言うには、カイジが送られた場所よりもさらに苛酷な地下労働施設も存在するらしい。
- 囚人達には厳しい規律があり、本来はペリカによる博打も禁じられている。しかし、班長が「金の貸し借りや人間関係のいざこざを含め全責任を負う」という条件で許可を得ることもできるが、それができる人材は多くはない。
- カイジは地下テニス場となる場所の工事を受け持つE班に配置された。カイジによって「沼」を攻略されたため帝愛グループに約7億の損失を与えたとされた一条も送られ、借金がそのままだと1050年働かされることになった。また、B型肝炎を患う光山も地下送りで身体を壊すまで働かされそうになっていたが、和也によって身柄を買われ、地下送りを免れている。
- 実写版では「囚人=奴隷」という意味で肩に焼印を押され、万が一脱獄する場合も考慮して焼印の部分に捜索用のマイクロチップが埋め込まれている。
- 「1日外出録ハンチョウ」では兵藤の誕生日に1度だけ黒服が地下カレーの炊き出しを囚人達に振る舞っている。
- ペリカ
- 地下王国の通貨でスペルは「Perica」。兵藤和尊の肖像が描かれた紙幣が使われ、100・1000・1万の3種類の額面がある。相場は円ペッグ制であり、1円が10ペリカに相当するが、地下では高額販売が横行している(缶ビール一本が5000ペリカ=500円など)ため、実質企業スクリップの一種であり、事実上相場よりも低い価値しかない。この通貨で嗜好品(酒・つまみ・タバコ・菓子など)や薬など、物資を購入できる。さらに勤労奨励オプションとして、多額のペリカを払えば「一日外出券(50万、後述)」「一日個室券(15万)」「フルコースディナー(10万)」(和・洋・中の3種類がある)「サービスランチ(1・2・3万)」が得られる。
- 一日外出券
- 地下における勤労奨励オプションとしては最高レベルのもの。「一日」とあるが、24時間単位でカウントされる。購入者自身が指定した地域のどこかに(眠った状態で)移動され、目を覚ました時点でカウントダウンスタート。専用の腕時計に表示される滞在可能時間がゼロになった時点で帝愛の者に身柄を拘束されるというシステム。移動範囲は日本国内に限られ(ただし、何度も外出をしたことのある大槻はハワイに行く構想をしていた)、その居場所は腕時計を通じて常に帝愛に監視される。腕時計を外そうとしたり壊そうとすると、その情報が発信され、時間内でも強制的に地下へ収容される。価格は50万ペリカで、必要な日数分を購入することで連泊が可能。必要な場合は手持ちのペリカを日本円に換金できる。なお、このオプションについては帝愛の審査を経たうえで承認が出ない限り購入はできず、また、収容されて1年未満の者は「時期尚早」とみなされ、通常の状況においては承認は出ない方針となっている。
- 45組(ヨンゴーぐみ)
- 地下王国の強制労働では上記の通り1ヶ月あたり9万1千ペリカの報酬がある。地下チンチロの借金などで月給を前借した場合、その際手引きをした班長は、「手数料」として一定額を天引き(ピンハネ)できるようになっている。その結果、1ヶ月先の前借りなら給料は3万を差し引かれて6万ペリカ、2ヶ月先の前借りは半額を差し引かれた4万5千ペリカの報酬にしかならない。
- 本来なら給料日を迎えるたびにひと月分の前借りが帳消しになるはずであるが、多くの者は無報酬の労働に耐えきれず、給料日に班長から新たな前借りを受け取りつづける。その結果、2ヶ月分の前借を重ねた者は2ヶ月先の前借りすなわち4万5千ペリカが実質的な報酬として続くことから、そのような者たちを「45組」と称した。
- 45組のメンバーはリーダーのカイジ、仲間の三好智広、前田、横井、北川、橋本の6人。カイジ、三好、前田の3人は物語に目立つのに対し、横井、北川、橋本の3人はカイジ達と対照的に物語であまり目立たなかった。
既刊一覧
- 賭博黙示録カイジ
- 1996年ISBN 978-4-06-336608-2 9月 3日発売
- 1996年10月ISBN 978-4-06-336623-5 2日発売
- 1996年12月ISBN 978-4-06-336640-2 3日発売
- 1997年 4月 1日発売 ISBN 97-4-06-336659-4
- 1997年ISBN 978-4-06-336674-7 7月 1日発売
- 1997年12月ISBN 978-4-06-336709-6 3日発売
- 1998年ISBN 978-4-06-336726-3 3月 3日発売
- 1998年ISBN 978-4-06-336745-4 7月 2日発売
- 1998年10月ISBN 978-4-06-336762-1 1日発売
- 1998年12月24日発売 ISBN 978-4-06-336776-8
- 1999年ISBN 978-4-06-336804-8 6月 1日発売
- 1999年ISBN 978-4-06-336825-3 9月 3日発売
- 1999年10月ISBN 978-4-06-336832-1 4日発売
- 講談社プラチナコミックス 全6巻
- 弱肉強食編 ISBN 978-4-06-374049-3
- 権謀術数編 ISBN 978-4-06-374051-6
- 人間競馬編 ISBN 978-4-06-374053-0
- 高層綱渡り編 ISBN 978-4-06-374062-2
- 常勝皇帝編 ISBN 978-4-06-374076-9
- 逆襲奴隷編 ISBN 978-4-06-374084-4
- 賭博破戒録カイジ
- 2000年11月ISBN 4-06-336910-2 1日発売
- 2001年ISBN 4-06-336936-6 3月 5日発売
- 2001年ISBN 4-06-336960-9 7月 4日発売
- 2001年11月ISBN 4-06-336994-3 1日発売
- 2002年ISBN 4-06-361025-X 3月 1日発売
- 2002年ISBN 4-06-361047-0 6月 3日発売
- 2002年10月ISBN 4-06-361076-4 2日発売
- 2002年12月24日発売 ISBN 4-06-361097-7
- 2003年ISBN 4-06-361122-1 4月 2日発売
- 2003年ISBN 4-06-361160-4 9月 2日発売
- 2003年12月22日発売 ISBN 4-06-361191-4
- 2004年ISBN 4-06-361213-9 3月 2日発売
- 2004年ISBN 4-06-361222-8 4月 1日発売
- 講談社プラチナコミックス 全6巻
- 『地獄チンチロ』 (1) 地下強制労働編 ISBN 978-4-06-374096-7
- 『地獄チンチロ』 (2) 地下施設脱出編 ISBN 978-4-06-374104-9
- 『人食いパチンコ』 (1) 1000倍台“沼”編 ISBN 978-4-06-374126-1
- 『人食いパチンコ』 (2) 銀玉無間地獄編 ISBN 978-4-06-371644-3
- 『人食いパチンコ』 (3) 必勝“沼”攻略編 ISBN 978-4-06-371647-4
- 『人食いパチンコ』 (4) 逆襲大解放編 ISBN 978-4-06-371654-2
- 賭博堕天録カイジ
- 2004年11月ISBN 978-4-06-361280-6 1日発売
- 2005年ISBN 978-4-06-361317-9 3月 2日発売
- 2005年ISBN 978-4-06-361346-9 6月 1日発売
- 2005年10月ISBN 978-4-06-361376-6 4日発売
- 2005年12月28日発売 ISBN 978-4-06-361415-2
- 2006年ISBN 978-4-06-361437-4 4月 3日発売
- 2006年ISBN 978-4-06-361457-2 7月 3日発売
- 2006年11月ISBN 978-4-06-361494-7 2日発売
- 2007年ISBN 978-4-06-361524-1 2月 6日発売
- 2007年ISBN 978-4-06-361553-1 6月 6日発売
- 2007年ISBN 978-4-06-361587-6 9月 6日発売
- 2007年12月28日発売 ISBN 978-4-06-361631-6
- 2008年ISBN 978-4-06-361648-4 4月 4日発売
- 講談社プラチナコミックス 全6巻
- 地雷ゲーム『17歩』 (1) 覚醒討伐編 ISBN 978-4-06-374593-1
- 地雷ゲーム『17歩』 (2) 猛攻鉄槌編 ISBN 978-4-06-374601-3
- 地雷ゲーム『17歩』 (3) 迷走四暗刻編 ISBN 978-4-06-374610-5
- 地雷ゲーム『17歩』 (4) 臥薪嘗胆編 ISBN 978-4-06-374618-1
- 地雷ゲーム『17歩』 (5) 弾劾闘牌編 ISBN 978-4-06-374627-3
- 地雷ゲーム『17歩』 (6) 逆転大和了編 ISBN 978-4-06-374636-5
- 賭博堕天録カイジ 和也編
- 2009年10月ISBN 978-4-06-361845-7 6日発売
- 2010年ISBN 978-4-06-361870-9 2月 5日発売
- 2010年ISBN 978-4-06-361903-4 6月 4日発売
- 2010年10月ISBN 978-4-06-361947-8 6日発売
- 2011年ISBN 978-4-06-361996-6 2月 4日発売
- 2011年ISBN 978-4-06-382037-9 6月 6日発売
- 2011年10月28日発売 ISBN 978-4-06-382093-5
- 2012年ISBN 978-4-06-382145-1 3月 6日発売
- 2012年ISBN 978-4-06-382192-5 7月 6日発売
- 2013年ISBN 978-4-06-382319-6 7月 5日発売
- 賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編
- 2013年11月ISBN 978-4-06-382358-5 6日発売
- 2013年12月20日発売 ISBN 978-4-06-382390-5
- 2014年ISBN 978-4-06-382469-8 5月 2日発売
- 2014年ISBN 978-4-06-382523-7 9月 5日発売
- 2014年12月ISBN 978-4-06-382540-4 5日発売
- 2015年ISBN 978-4-06-382581-7 3月 6日発売
- 2015年ISBN 978-4-06-382615-9 6月 5日発売
- 2015年ISBN 978-4-06-382676-0 9月 4日発売
- 2015年12月ISBN 978-4-06-382720-0 4日発売
- 2016年ISBN 978-4-06-382747-7 3月 4日発売
- 2016年ISBN 978-4-06-382803-0 6月 6日発売
- 2016年10月ISBN 978-4-06-382865-8 6日発売
テレビアニメ
アニメ:逆境無頼カイジ(第1期) 逆境無頼カイジ 破戒録篇(第2期) | |
---|---|
原作 | 福本伸行 |
監督 | 佐藤雄三 |
シリーズ構成 | 高屋敷英夫 |
キャラクターデザイン | 高田晴仁 |
アニメーション制作 | マッドハウス |
製作 | 逆境無頼カイジ製作委員会(第1期) 日本テレビ、バップ(第2期) |
放送局 | 放送局参照 |
放送期間 | 第1期:2007年10月2日 - 2008年4月1日 第2期:2011年4月5日 - 9月27日 |
話数 | 第1期:全26話 第2期:全26話 |
その他 | ハイビジョン制作 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』(ぎゃっきょうぶらいカイジ ウルティメイト・サバイバー)のタイトルで、2007年10月2日から2008年4月1日まで日本テレビほかにて放送された。全26話。内容は原作第1シリーズ『賭博黙示録カイジ』に相当する。2005年から2006年に同局にて放送されたアニメ『闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜』の主要声優やスタッフが多数参加している。
原作における過激な言動や行為はテレビ局の自主規制などにより若干抑えられた描写になっているが、ほぼ原作を忠実になぞっている。また、福本作品の特徴的な演出である「ざわ…」は効果音やBGM・背景に多用されている。
番組の最後には作中から主な台詞を紹介する「カイジ箴言」というコーナーが設けられた。第2期では台詞を紹介する「カイジ箴言リターンズ」か関連商品を紹介する「カイジ宣伝」のいずれか。題字は福本が担当した。
第1期最終回の「カイジ箴言」にて、2年後(つまり2010年4月ごろ)をめざして第2期を制作・放送することが公表され、実際の第2期は2011年4月から9月まで、『逆境無頼カイジ 破戒録篇』(ぎゃっきょうぶらいカイジ はかいろくへん)のタイトルで放送された。全26話。また、『破戒録篇』のエンディングアニメで『賭博堕天録カイジ』冒頭のデートシーンも映像化されている。
日テレオンデマンドでも配信されている。ただし、「カイジ箴言」と「カイジ箴言リターンズ」はカットされている。
2014年からはファミリー劇場で『闘牌伝説アカギ』と共に再放送されている。
2015年にはコロプラとのタイアップで、織田信成が特殊メイクでカイジに扮する『東京カジノプロジェクト』のテレビCMが放送された[3]。
キャスト
- 第1期・第2期主要
- →詳細は「賭博黙示録カイジの登場人物」を参照
- 第1期
- 第2期
スタッフ
- 監督 - 佐藤雄三
- シリーズ構成 - 高屋敷英夫
- キャラクターデザイン - 高田晴仁
- 美術監督 - 横松紀彦(第1期)、上野秀行(第2期)
- 色彩設計 - 大野春恵
- 撮影監督 - Oh Seong ha(第1期)、Lee Suk bum(第1期)、畑中宏信(第2期)
- 編集 - 寺内聡
- 音楽 - タニウチヒデキ
- 音響監督 - 本田保則
- プロデューサー - 中谷敏夫、田村学、岩佐直樹(第2期第17話 - )
- アニメーションプロデューサー - 高橋亮平(第1期)、三田圭志(第2期)
- アニメーション制作 - マッドハウス
- 製作著作 -
- 第1期 - 逆境無頼カイジ製作委員会(日本テレビ、D.N.ドリームパートナーズ、バップ、マッドハウス)
- 第2期 - 日本テレビ、バップ
主題歌
- 第1期
-
- オープニングテーマ「未来は僕等の手の中」(第1話 - 第26話)
- 歌 - カイジwithレッどぼんチリーず
- エンディングテーマ「負け犬たちのレクイエム」(第1話 - 第26話)
- 作詞・作曲・歌 - 白竜
- 第2期
-
- オープニングテーマ「Chase the Light!」(第2話 - 第24話)
- 歌 - Fear, and Loathing in Las Vegas
- 第20話 - 第24話はEDのスタッフロールがOPで出ている。
- エンディングテーマ「CからはじまるABC」(第1話 - 第19話)
- 歌 - 忘れらんねえよ
- エンディングテーマ「未来は僕等の手の中」(第26話)
- 歌 - カイジwithレッどぼんチリーず
各話リスト
- 第1期
話数 | 副題 | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
bet.1 | 出航 | 高屋敷英夫 | 大久保富彦 | 佐々木奈々子 | 張喜圭 | 高田晴仁 | 2007年 10月2日 |
bet.2 | 火蓋 | 佐藤雄三 | 中村亮介 | 濱田邦彦 | 10月9日 | ||
bet.3 | 勝負 | 広田光毅 | 池田重隆 | 金東俊 | 高田晴仁 張喜圭 |
10月16日 | |
bet.4 | 破綻 | ふでやすかずゆき | 池田重隆 | 朴湊景 | 李炫姃 權赫正 |
濱田邦彦 | 10月23日 |
bet.5 | 決死 | 岩城忠雄 | 細田雅弘 | 菅野智之 | 10月30日 | ||
bet.6 | 興亡 | 高屋敷英夫 | 大久保富彦 | 金敏宣 | 李延吉 | 金東湜 | 11月6日 |
bet.7 | 喝破 | 広田光毅 | 佐々木奈々子 | 日向正樹 | 高田晴仁 | 11月13日 | |
bet.8 | 鉄槌 | ふでやすかずゆき | 黒津安明 | 末田宜史 | 張吉容 | 濱田邦彦 | 11月20日 |
bet.9 | 回生 | 高屋敷英夫 | 青山弘 | 川村賢一 | 李炫姃 權赫正 |
金東湜 | 11月27日 |
bet.10 | 使者 | 広田光毅 | 新留俊哉 | 田中洋之 | 張吉容 | 濱田邦彦 | 12月4日 |
bet.11 | 狂宴 | ふでやすかずゆき | 池田重隆 | 金東俊 | 金東湜 | 12月11日 | |
bet.12 | 転落 | 高屋敷英夫 | 大久保富彦 | 細田雅弘 | 青井清年 | 濱田邦彦 | 12月18日 |
bet.13 | 怪物 | 広田光毅 | 中村亮介 | 細居美恵子 | 12月25日 | ||
bet.14 | 亡霊 | ふでやすかずゆき | 荒木哲郎 | 末田宜史 | 張喜圭 | 高田晴仁 | 2008年 1月8日 |
bet.15 | 天空 | 高屋敷英夫 | 佐々木奈々子 | 張吉容 | 金東湜 | 1月15日 | |
bet.16 | 怒髪 | 岩城忠雄 | 金敏宣 | 李炫姃 權赫正 |
濱田邦彦 | 1月22日 | |
bet.17 | 会話 | 広田光毅 | 新留俊哉 | 川村賢一 岩城忠雄 |
金東俊 | 高田晴仁 金東湜 |
1月29日 |
bet.18 | 翻弄 | ふでやすかずゆき | 坂田純一 | おゆなむ | 梅原隆弘 | - | 2月5日 |
bet.19 | 限界 | 吉野智美 | 細田雅弘 | 菅野智之 | 高田晴仁 金東湜 |
2月12日 | |
bet.20 | 鬼神 | 高屋敷英夫 | 末田宣史 | 細居美恵子 | 濱田邦彦 | 2月19日 | |
bet.21 | 心血 | 広田光毅 | 林秀夫 | 張吉容 | 金東湜 | 2月26日 | |
bet.22 | 執行 | ふでやすかずゆき | 田中洋之 | 張喜圭 | 高田晴仁 | 3月4日 | |
bet.23 | 邪道 | 吉野智美 | 佐々木奈々子 | 禹勝旭 金東俊 張吉容 |
濱田邦彦 | 3月11日 | |
bet.24 | 条件 | 広田光毅 | 後藤圭二 | 金敏宣 | 李炫姃 | 金東湜 | 3月18日 |
bet.25 | 蒼白 | ふでやすかずゆき | 中村亮介 | 末田宜史 | 張吉容 | 濱田邦彦 | 3月25日 |
bet.26 | 残光 | 高屋敷英夫 | 佐藤雄三 | 佐藤雄三 岩城忠雄 |
高田晴仁 金東湜 |
- | 4月1日 |
- 第2期
話数 | 副題 | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Bet.1 | 地の獄 | 高屋敷英夫 | 佐藤雄三 | 高田晴仁 梅原隆弘 |
- | 2011年 4月5日 | |
Bet.2 | 勝負の鉄則 | 広田光毅 | 川尻善昭 | Hong Hun-pyo | Kim Dong-sik | 梅原隆弘 | 4月12日 |
Bet.3 | 強運の欠片 | 高屋敷英夫 | Kim Min-sun | Kim Dong-jun | 4月19日 | ||
Bet.4 | 逆襲の糸口 | 広田光毅 | 松村政輝 | 阿比留隆彦 | 高田晴仁 | 4月26日 | |
Bet.5 | 虐待と忍耐 | 高屋敷英夫 | 藤山智美 | Woo Seung-wook | Jang Kil-yong Kang Ill-gu |
梅原隆弘 | 5月3日 |
Bet.6 | 熱風の到来 | 広田光毅 | 川村賢一 | Lee Hyun Joung | 5月10日 | ||
Bet.7 | 魔法の賽 | 高屋敷英夫 | 神志那弘志 | 矢嶋哲生 | 森智子 | 高田晴仁 | 5月17日 |
Bet.8 | 因果応報 | 広田光毅 | 浅香守生 | Hong Hun-pyo | Kim Dong-sik | 梅原隆弘 | 5月24日 |
Bet.9 | 喝采、そして… | 高屋敷英夫 | 川尻善昭 | Kim Min-sun | Kim Dong-jun | 5月31日 | |
Bet.10 | 最後の博奕 | 広田光毅 | 松村政輝 | 阿比留隆彦 | 高田晴仁 | 6月7日 | |
Bet.11 | 歓喜と嘆声 | 高屋敷英夫 | 川尻善昭 | Woo Seung-wook | Jang Kil-yong Kang Ill-gu |
- | 6月14日 |
Bet.12 | 破天・破漢 | 広田光毅 | 川村賢一 | 中川淳 村岡朋美 |
Lee Hyun Joung | 梅原隆弘 | 6月21日 |
Bet.13 | 攻略の糸口 | 高屋敷英夫 | 矢嶋哲生 | 森智子 | 高田晴仁 | 6月28日 | |
Bet.14 | 無頼の軌跡(総集編) | 佐藤雄三 | - | 7月5日 | |||
Bet.15 | 虚仮の一心 | 広田光毅 | 川尻善昭 | Hong Hun-pyo | Kim Dong-sik | - | 7月12日 |
Bet.16 | 決戦の幕開け | 高屋敷英夫 | Kim Min-sun | Jang Hee-kyu | 梅原隆弘 | 7月19日 | |
Bet.17 | 不毛な貫徹 | 広田光毅 | 松村政輝 | 阿比留隆彦 | 高田晴仁 | 7月26日 | |
Bet.18 | 鉄壁の門 | 高屋敷英夫 | 川尻善昭 | Woo Seung-wook | Jang Kil-yong | - | 8月2日 |
Bet.19 | 奇跡の軌道 | 広田光毅 | 中川淳、村岡朋美 | Lee Boo-hee | 梅原隆弘 | 8月9日 | |
Bet.20 | 宿運の差 | 高屋敷英夫 | 矢嶋哲生 | 森智子 | 高田晴仁 | 8月16日 | |
Bet.21 | 確実な勝利 | 広田光毅 | 川村賢一 | Hong Hun-pyo | Kim Dong-sik | - | 8月23日 |
Bet.22 | 諭吉の威光 | 高屋敷英夫 | 田中洋之 | Kim Min-sun | Jang Hee-kyu | 梅原隆弘 | 8月30日 |
Bet.23 | 風前の灯火 | 広田光毅 | 松村政輝 | 阿比留隆彦 | 高田晴仁 | 9月6日 | |
Bet.24 | 徘徊する銀玉 | 高屋敷英夫 | 佐藤雄三 | Woo Seung-wook | Jang Kil-yong 高田晴仁 |
- | 9月13日 |
Bet.25 | 怨嗟の涙 | 広田光毅 | 川村賢一 | 梅原隆弘 Jang Kil-yong |
9月20日 | ||
Bet.26 | 未来は僕らの… | 高屋敷英夫 | 佐藤雄三 | 佐藤雄三 中川淳 村岡朋美 |
Kim Dong-sik 阿比留隆彦 高田晴仁 梅原隆弘 |
9月27日 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第1期 | |||||
関東広域圏 | 日本テレビ | 2007年10月2日 - 2008年4月1日 | 火曜 24:59 - 25:29 | 日本テレビ系列 | 製作委員会参加 |
中京広域圏 | 中京テレビ | 2007年10月17日 - 2008年4月16日 | 水曜 26:09 - 26:39 | ||
近畿広域圏 | 読売テレビ | 2007年10月29日 - 2008年2月11日 2008年2月18日 - 5月12日 |
月曜 26:29 - 26:59 月曜 25:59 - 26:29 |
MONDAY PARK 枠 | |
福岡県 | 福岡放送 | 2007年11月5日 - 2008年5月12日 | 月曜 25:29 - 25:59 | ||
日本全域 | 日テレプラス[注 11] | 2008年1月10日 - 7月3日 | 木曜 22:30 - 23:00 | CS放送 | リピート放送あり |
鹿児島県 | 鹿児島読売テレビ | 2008年1月11日 - 7月4日 | 金曜 25:50 - 26:20 | 日本テレビ系列 | |
広島県 | 広島テレビ | 2008年10月14日 - 2009年4月14日 | 火曜 24:59 - 25:29 | ||
日本全域 | アニマックス | 2009年8月4日 - 2010年2月2日 | 火曜 22:00 - 22:30 | CS放送 | LEVEL22枠 リピート放送あり |
第2期 | |||||
関東広域圏 | 日本テレビ | 2011年4月5日 - 9月27日 | 火曜 24:59 - 25:29 | 日本テレビ系列 | 製作局 |
近畿広域圏 | 読売テレビ | 2011年4月11日 - 6月27日 2011年7月4日 - 10月3日 |
月曜 26:19 - 26:49[注 12] 月曜 26:44 - 27:14 |
MONDAY PARK 枠 | |
北海道 | 札幌テレビ | 2011年4月22日 - 11月11日 | 金曜 25:58 - 26:28 | 1期は未放送 | |
中京広域圏 | 中京テレビ | 2011年4月22日 - 6月24日 2011年7月1日 - 10月14日 |
金曜 26:27 - 26:59 金曜 26:12 - 26:44 |
||
福岡県 | 福岡放送 | 2011年4月24日 - 10月2日 2011年10月22日 - 10月29日[注 13] |
日曜 25:20 - 25:50 土曜 25:51 - 26:51 |
||
日本全域 | 日テレプラス | 2011年5月12日 - 11月10日 | 木曜 24:00 - 24:30 | CS放送 | リピート放送あり |
石川県 | テレビ金沢 | 2011年7月9日 - 2012年1月 | 土曜 26:51 - 27:20[注 14] | 日本テレビ系列 | 1期は未放送 |
広島県 | 広島テレビ | 2011年8月2日 - 2012年2月 | 火曜 25:04 - 25:34 | ||
日本全域 | アニマックス | 2012年11月8日 - | 月曜 - 金曜 24:00 - 24:30 | BS/CS放送 | リピート放送あり |
福井県 | 福井放送 | 2014年10月15日 - | 水曜 25:40 - 26:10 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
1期は未放送 |
日本テレビ 火曜24:59枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
逆境無頼カイジ
|
||
逆境無頼カイジ 破戒録篇
|
映画
カイジ 人生逆転ゲーム(第1作)
カイジ 人生逆転ゲーム | |
---|---|
監督 | 佐藤東弥 |
脚本 | 大森美香 |
製作総指揮 | 奥田誠治 |
出演者 |
藤原竜也 天海祐希 香川照之 |
音楽 | 菅野祐梧 |
主題歌 | YUI「It's all too much」 |
撮影 | 柳島克己 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2009年10月10日 |
上映時間 | 129分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 未発表 |
興行収入 | 22.5億円[5] |
映画第1作は『カイジ 人生逆転ゲーム』(カイジ じんせいぎゃくてんゲーム)のタイトルで、日本テレビ製作、東宝配給により2009年10月10日に公開された。講談社や東宝をふくむ十数社の共同による製作委員会方式だが、プロダクション業務をはじめ日本テレビグループや系列局が中心になっている。佐原誠役の松山ケンイチは、2006年に藤原と『デスノート』で共演していたため友情出演という形で出演している。なお、佐原は、地下労働やブレイブ・メン・ロードでカイジと共にメインで登場する役でカメオ出演的なものではない。また、作者の福本が黒服の一人として特別出演している。ストーリーは『賭博黙示録カイジ』と『賭博破戒録カイジ』の一部を基にしている。
キャッチコピーは、「ようこそ クズの皆様」・「考えろ、裏をかけ。そして未来を手に入れろ。」。公開時には『人は勝たなきゃ嘘だ』『俺は生きてるぞ!』と劇中の台詞が書かれた箸『ブレイブ・メン・ロード箸』や、カイジの名前が書かれた『カイジの給料袋』という封筒(ペリカを象ったメモ帳91枚入り)などといった劇場限定グッズが発売された。
2010年10月15日に『金曜ロードショー』25周年企画として地上波初放送された。
キャスト(第1作)
- 伊藤開司:藤原竜也
- 遠藤凛子:天海祐希
- 利根川幸雄:香川照之
- 船井譲次:山本太郎
- 石田光司:光石研
- 大槻太郎:松尾スズキ
- 兵藤和尊:佐藤慶
- 佐原誠:松山ケンイチ(友情出演)
- 黒服:福本伸行(ゲスト出演)[注 15]
- 屋形船の女将:もたいまさこ(友情出演)
- 石田裕美:吉高由里子
- 黒服:鈴木亮平
- カップルの男性:遠藤要
- 帝愛グループのCMイメージガール:谷澤恵里香
- ブレイブメンロードの参加者:チョウソンハ
- 太田(ブレイブメンロードの参加者):中村靖日
- 宇多(クルーズの参加者):村田充
- 北見(クルーズの参加者):聡太郎
- 高田(クルーズの参加者):丸山智己
- 藤間宇宙
- カップルの女:松本亜希
- 石和謙介:載寧龍二
- 間島悟:尚玄
- 黒服:両國宏
- 篠田光亮
- 鈴木雄貴
- 赤塚篤紀
スタッフ(第1作)
- 原作:福本伸行
- 監督:佐藤東弥
- 脚本:大森美香
- 音楽:菅野祐悟
- 主題歌:YUI「It's all too much」(STUDIOSEVEN Recordings / Sony Music Records)
- 劇中歌:YUI「Never say die」(STUDIOSEVEN Recordings / Sony Music Records)
- 製作:堀越徹、堀義貴、島谷能成、村上博保、平井文宏、阿佐美弘恭、入江祥雄、山口雅俊
- エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
- Co.エグゼクティブプロデューサー:菅沼直樹、神蔵克
- プロデューサー:藤村直人、北島和久、山口雅俊
- 協力プロデューサー:中谷敏夫
- 企画・脚本協力:株式会社ヒント
- 撮影:柳島克己 (JSC)
- 照明:鈴木康介
- 録音:和久井良治
- 音響効果:谷口広紀
- 美術:小池寛
- VFXスーパーバイザー:西村了
- 音楽プロデューサー:志田博英
- 企画制作:日本テレビ放送網
- 制作プロダクション:日テレアックスオン
- 配給:東宝
- 製作:「カイジ」製作委員会(日本テレビ放送網、ホリプロ、東宝、読売テレビ放送、バップ、D.N.ドリームパートナーズ、講談社、ヒント / STV・MMT・SDT・CTV・HTV・FBS)
ソフト化
2010年4月9日発売。発売・販売元はバップ。
- カイジ 人生逆転ゲーム DVD通常版(1枚組)
- カイジ 人生逆転ゲーム DVD豪華版(2枚組)
- ディスク1:本編DVD
- ディスク2:特典DVD
- ドキュメント・オブ・カイジ 藤原竜也 一年に渡る挑戦
- 特報・劇場予告編・TVスポット集
- 封入特典
- 皇帝!市民!奴隷!!勝たなきゃクズだ!!! 壮絶な心理戦を体感せよ。Eカードセット
- 原作者:福本伸行からの"熱き"メッセージ付 スペシャルカード
- 劇場用宣伝プレス・レプリカ仕様 (16P)
- デジパック仕様
- カイジ 人生逆転ゲーム ブルーレイ版(本編BD+特典DVDの2枚組)
- ディスク1:本編BD
- ディスク2:特典DVD(DVD豪華版と同様)
備考
カイジ2 人生奪回ゲーム(第2作)
カイジ2 人生奪回ゲーム | |
---|---|
監督 | 佐藤東弥 |
脚本 |
福本伸行 山崎淳也 大口幸子 |
出演者 |
藤原竜也 伊勢谷友介 吉高由里子 生瀬勝久 香川照之 |
音楽 | 菅野祐梧 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2011年11月5日 |
上映時間 | 133分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 16.1億円[6] |
前作 | カイジ 人生逆転ゲーム |
映画第2作は『カイジ2 人生奪回ゲーム』(カイジツー じんせいだっかいゲーム)のタイトルで、2011年11月5日に公開された。キャッチコピーは「おかえり、クズの皆様。」・「ダマして、奪え。俺たちの未来を取り戻せ。」。
脚本には原作者である福本も参加し、共同執筆した。「チンチロ」「沼」編をベースにしつつも、ストーリーは原作を大幅にアレンジしている。さらに、福本の発案によるオリジナルギャンブル「姫と奴隷」が追加された。本編に登場した沼パチンコは、パチンコカイジシリーズを販売しているパチンコメーカーの高尾が製作協力をしている。また、公式サイトでは実際に沼パチンコを楽しむフラッシュゲームがあり、3段クルーンをクリアすると先着5名に撮影で使用された小道具をプレゼントする企画も行われた。
全国316スクリーンで公開され、2011年11月5、6日の初日2日間で興収3億4,967万7,200円、動員26万429人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった[7]。
キャスト(第2作)
- 伊藤カイジ:藤原竜也
- 一条聖也:伊勢谷友介
- 石田裕美:吉高由里子
- 利根川幸雄:香川照之
- 坂崎孝太郎:生瀬勝久
- 大槻太郎:松尾スズキ
- 村上保:柿澤勇人
- 石田光司:光石研
- 黒崎義裕:嶋田久作
- 船井譲次(奴隷):山本太郎
- 三好智広:白石隼也
- 石和謙介:菊田大輔
- 鐘森(沼に敗れた男):山本浩司
- 一人目の姫:菜葉菜
ほか
スタッフ(第2作)
- 原作:福本伸行
- 監督:佐藤東弥
- 助監督:大津是
- 脚本:福本伸行、山崎淳也、大口幸子
- 音楽:菅野祐悟
- 製作指揮:宮崎洋、神蔵克
- 協力プロデューサー:中谷敏夫
- 制作プロデューサー:渡邉浩仁
- 企画プロデュース:藤村直人、山口雅俊
- 協力プロデューサー:中谷敏夫
- エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
- 撮影:藤石修
- 照明:鈴木康介
- 録音:横野一氏工
- 音響効果:谷口広紀
- 美術:内田哲也
- VFXスーパーバイザー:西村了
- 配給:東宝
- 製作:「カイジ2」製作委員会(日本テレビ放送網、ホリプロ、東宝、読売テレビ放送、バップ、D.N.ドリームパートナーズ、講談社、ヒント / STV・MMT・SDT・CTV・HTV・FBS)
ソフト化
2012年4月25日発売。発売・販売元はバップ。全商品共通で本編ディスクには劇場公開版本編の他、未公開シーンを追加した長尺版本編を収録。トップメニュー画面から未公開シーンのみを選択して再生することも可能。
- カイジ2 人生奪回ゲーム DVD通常版(1枚組)
- カイジ2 人生奪回ゲーム DVD豪華版(2枚組)
- ディスク1:本編DVD
- ディスク2:特典DVD
- イベント映像集 ドキュメント・オブ・カイジ2
- 「カイジ2」公開記念! 超豪華!カイジ2の舞台裏見せちゃうぞSP 〜藤原竜也×伊勢谷友介×吉高由里子インタビュー〜
- 特報・劇場予告編・TVスポット集
- 封入特典
- ブックレット (20P)
- 給料袋付100ペリカ札レプリカ
- 魅惑の"言葉責め"シール
- 特製スリーブケース付きデジパック仕様
- カイジ2 人生奪回ゲーム ブルーレイ版(本編BD+特典DVDの2枚組)
- ディスク1:本編BD
- ディスク2:特典DVD(DVD豪華版と同様)
原作との相違点
第1作、および第2作共通
- カイジの年齢が26歳に上がっている。
- 両作品共に、ストーリーの展開やギャンブルのルールに多少のアレンジや省略、統合がある。
- 原作では石田光司の家族にパチンコ屋に勤める妻と借金漬けの息子(後にカイジによって救済された)がいたが、映画ではパチンコ屋で働く一人娘のみになっている(この変更はアニメ版を踏襲している)。次作ではカイジと手を組む展開となっている。
- 原作ではカイジが地下帝国で初めて飲むビールに「犯罪的に旨い」と言うが、映画版では第1作で遠藤との祝勝会で飲むビールに「悪魔的に旨い」と言い、第2作でも地下帝国から出たあとに炊き出しの汁物を食べて「悪魔的に旨い」と言っている。
第1作
- 遠藤の性別が女性に変更され、名も「遠藤凛子」となっている。帝愛での序列も、原作での利根川派閥一員から、冒頭の帝愛幹部一斉招集までは利根川とほぼ互角という設定に変更された。また、カイジに10分で3割複利の高利で金を貸したのが「沼」から「Eカード」に変更された。
- 第1章「希望の船」→第2章「絶望の城」→第3章「欲望の沼」ではなく、第1章「希望の船」→第3章「欲望の沼」(地下施設強制労働まで)→第2章「絶望の城」という展開順序に変更された。第3章「欲望の沼」での地下チンチロリンは登場せず、カイジ自らがスターサイドホテル鉄骨渡りを志願(通常は地下工事素行不良者が制裁のために強制参加させられていた)するという形で第2章「絶望の城」の展開へと繋がるようにされた。なお、人間競馬のシーンはカットされ直接鉄骨渡りのシーンになっている。
- 「希望の船」で古畑と安藤は登場せず、カイジは石田と組んでいる。原作ではカイジと石田はエスポワールから生還を果たすが、映画では最後に石田がカードを1枚余らせてしまい、カイジは石田とともに地下で強制労働となった。
- カイジに付けられた焼印が、原作では数字だったのに対し、映画では帝愛の社章に変わりマイクロチップが埋め込まれている。
- 原作では佐原の下の名前は不明だが、「誠」という下の名前を追加。また、原作でのカイジがエスポワールを降りた後にコンビニでアルバイトをする描写がカットされ、さらに佐原は地下帝国の作業員という設定になっており、彼がカイジに初対面する場所は地下帝国になっている。
- 原作では大槻の下の名前は不明だが、「太郎」という下の名前を追加。
- 原作では中山の下の名前は不明だが、「正彦」という下の名前を追加。
- ツインタワー形状の超高層建築物であるスターサイドホテル建物デザインについて、原作およびアニメ版では尖塔部分が東京都庁舎第一本庁舎建物デザインに酷似しているが、映画では聖路加タワーに良く似たデザインとなっている。
- 原作では利根川にEカードで勝利したあと会長と勝負して敗北・勝ち金を失うが、映画では利根川に勝利したあと遠藤に勝ち金を持ち逃げされる。
第2作
- カイジが2度目の地下帝国での強制労働を余儀なくされる。
- 班長が地下チンチロリンでイカサマサイコロを使用していた期間が約半年間に縮小され、カイジに見破られ暴露されるまでの経過も殆ど省略された。班長が不法に貯め込んだ大金の奪取も、主人公版イカサマサイコロによる再勝負での勝ち分としてではなく、トリックを見破った時点で償い金として行なっている。
- 原作では黒崎とカイジの初対面は地下チンチロ勝利直後だが、映画版では地上外出直前である。
- 原作で沼の情報や助言をカイジに流す遠藤の立場を、1作目で失脚し本作で再登場する利根川が代行。
- 原作では利根川が「Eカード」でカイジに敗れた後の消息は不明だが、本作では4000万円の負債を背負い地下帝国送り(頭脳明晰なため地上労働に配置転換、ただし地下で労働していたのかは不明)となっている。そしてスラム街でカイジと再会、その後手を組む展開になっている。
- 地下帝国から救出する仲間が、作業班全員に拡大。
- 原作では一条は高校卒業後に帝愛に就職をしているが、本作では連帯保証人になったのが原因で地下帝国送りとなっており、のちに鉄骨渡りに参加・生還して這い上がってきた設定になっている。
- 石田光司の実子(原作では息子、映画版では娘)の所在について、原作では地下帝国に送られていたが、本作では帝愛裏カジノの従業員(一条の部下)として働いている。カイジに対する態度も、頼りにならない父から尊敬・畏敬されていた(ただし、実子はその人物評価に懐疑的)人物であったが、本作では上司である一条に騙され、鉄骨渡りで父親を突き落として死に至らしめた仇と見ている。他、原作で坂崎におとり情報を流す従業員の役割も本作で担っている。
- 第1作では判り辛かったが、利根川と黒崎の年齢が原作に比べ若くなっている。
- 裏カジノに特殊なATMがあり常連客と従業員だけに与えられているカードを使うことで1000万円まで借りることができる(ただし、その日の営業時間終了までに返済できなければ地下送りになる)。
- パチンコ「沼」に、「ブロック」の仕掛けがない。
- パチンコ「沼」攻略で5000万円を使い果たした後の追加資金は、原作では遠藤(1000万円)・坂崎(2000万円)が現金で用意。映画版ではカイジ(100万円)・坂崎(200万円)・利根川(1000万円、ATMカード)・石田の娘(1000万円、ATMカード)が用意。
- 映画オリジナル・ギャンブル「姫と奴隷」の挿入。他、「Eカード」(利根川の手作り品使用)が再度登場する。
- 一条の髪型が、長髪から短髪に変更。他、黒崎の容姿に口髭が追加されている。
- 主人公がパチンコ「沼」での(仲間救出分費用を抜いた)取り分の殆どを組んだ相手(原作では遠藤、本作では利根川)に奪われる設定について、原作では法外な利子支払いで騙し取られ、映画では最後の一勝負の最中に謀略で騙し取られる。
- 主人公が地下帝国から救出した仲間達との祝勝会参加費について、原作では監視黒服の一人による奢りだったが、本作では利根川が負担。
- 優しいおじさんは映画では直接登場しないが、製品版で追加されたシーンで三好が「優しいおじさん」という発言をしている。
サウンドコミック
2011年11月1日よりBeeTVでシリーズ第1作『賭博黙示録カイジ』がサウンドコミックとして配信されている。これは漫画の絵にパンなどの画面効果を加えた映像に声優が声をあてたラジオドラマで、第1部『希望の船』が配信中である。『絶望の城』以降の配信は不明。
キャスト
主題歌
- 「ピストル」
その他
- 漫画
- 1997年に『ヤングマガジン赤BUTA』、2006年にe-mangaにて、パラレルワールドとして描かれる番外編「カイジ外伝」が掲載・配信された。ギャグ色が強められた展開で、エスポワール号に乗らなかったカイジがマカオのカジノで借金返済を目指し、大小に翻弄される姿が描かれている。2011年発売の『圧倒的オフィシャルガイド カイジ×カイジ×カイジ』に収録された。
- ゲーム
- エスポワールでの限定ジャンケンを再現したプレイステーション用ソフト『賭博黙示録カイジ』(講談社)が2000年5月25日に発売された。このゲームは原作の「人生にやり直しなどない」「勝負に後戻りはない」というテーマ性を現実的な観点で引き継いだために、「リセット」という操作を行うと強制労働(という名のミニゲーム)を受けさせられ、断った場合はセーブデータを抹消され、一からやり直しとなるというハードな設定となっている。
- ということが度々攻略サイト等に記載されているが厳密には事実ではなく、実際にはセーブルームでセーブを行った後にのみ起こるイベントであり、シナリオの事前に行うセーブについてはこのイベントが発生しない。また強制労働を断っても、セーブが抹消されるのではなく、こまめに行うことができる各章の事前に行うセーブまで戻されるだけなので、ほぼ被害がない。強制労働をこなすことでセーブルームで行ったセーブまで戻ることができる。
- 2008年9月25日にはコンパイルハートからニンテンドーDS用ソフト「逆境無頼カイジ Death or Survival」が発売された(対象年齢 (CERO) :17歳以上 (D))[8]。エスポワールでの限定ジャンケンからティッシュ箱くじ引きまでを再現した内容となっている。利根川の焼き土下座はニンテンドーDSの機能を利用し、上画面を10秒間以上閉じることが条件となっており、10秒以下及びあまりにもDSを閉じた時間が長いと、ゲームオーバー。また、ティッシュ箱くじ引きでの勝利時に逆境値というゲージが高ければ、兵頭会長は原作そのままのセリフで引き下がるが、逆境値が低い状態では激怒し「こんな運のないやつに…とっととワシの前から消えろ!!」と珍しく悔しがる様を見ることができる。焼き土下座は再現しているが、指切断はカットされている。
- 2003年にはコミゲーi講談社にてスペースアウトにより携帯電話アプリミニゲームをリリース[9]。
- 2004年にはタイトーが携帯電話アプリゲームをリリースしている[10]。
- 2011年7月19日、フォアキャストコミュニケーションズによりMobageのソーシャルゲームとして『逆境無頼カイジ 電網遊戯篇』がリリースされる[11]。
- 2013年2月7日、リテールコムからGREEのソーシャルゲームとして、『カイジ〜最強博徒伝説〜』がリリースされる[12]。同タイトルは同年6月6日にぽすれんによりMobageにも対応した。
- オンラインゲームの777town.netには、本作に登場したギャンブルをプレイできる「帝愛カジノ」が設置されている。
- 東京カジノプロジェクト(2015年、コロプラ) カジノリゾートシミュレーションゲーム。ゲーム内の期間限定企画としてカイジとコラボレーションしている。
- モンスターハンター フロンティアGとのコラボレーションが2016年に行われている。
- テレビ番組
- CS放送フジテレビ721では、限定ジャンケンを基にした『カイジGAME1』を放送していた。
- テレビ朝日系列『雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!』の『福本伸行先生にシビれた芸人っ……!』の回では、「救出」に芸人が挑戦(失敗した場合は電気ショック)。成功し福本のサインを獲得した。
- パチンコ
- CR弾球黙示録カイジ(2007年、高尾)
- CR弾球黙示録カイジ沼(2009年、高尾)[注 16]
- CR弾球黙示録カイジ2(2011年、高尾)
- CR弾球黙示録カイジ沼2(2013年、高尾)
- パチスロ
- 雀球
- 手打ち雀球伝道録カイジ(2012年、サミー)
- おもちゃ
- カイジ×人狼〜疑心暗鬼編〜(2014年、バンダイ)通信販売サイトプレミアムバンダイでのみ販売。汝は人狼なりや?をカイジの世界観に合わせてアレンジしたボードゲーム。利根川が進行役を務め、「人狼を嗅ぎわける力を持った者」もしくは「生き残った人狼」(なぜならその力をコントロールできれば有用な人材となるから)を選別し、勝者を帝愛に雇う設定。大きな変更点は以下の通り。
- 役割を表すコインが2枚配られる。市民か人狼かの「正体」とさまざまな「能力」があり、能力は1日ごとに回収・チェンジされる。
- 各自にペリカ札が配られている。使い方は以下の通り。
- 能力を発動するためのコスト
- 投票前にやり取りして買収
- 処刑が決まった際、それを回避する保釈金
スピンオフ作品
本作の登場人物を主人公としたスピンオフ作品。
- 中間管理録 トネガワ - 登場人物の1人・利根川幸雄を主人公としたスピンオフ作品。
- 1日外出録ハンチョウ - 登場人物の1人・大槻(地下労働施設E班の班長)を主人公としたスピンオフ作品。
- 1日個室録ヌマカワ - 登場人物の1人・沼川(地下労働施設E班の班長・大槻の側近)を主人公としたスピンオフ作品。
脚注
注釈
- ^ 実在する特定非営利活動法人の帝愛(2014年4月29日時点のアーカイブ)とは別。
- ^ 第3章「欲望の沼」でカイジが遠藤に拘束された際、カイジの問いかけに遠藤は売春は年齢制限があると告げていた。ISBN 978-4-06-361280-6 賭博破戒録カイジ第1巻
- ^ 日本の法律では支払う義務はないが、公海上の他国船籍船内であれば日本の法律が適用されるとは限らない。なお、1000万円借りたカイジの借金は1429万5000円、200万借りた安藤の借金は285万9000円となっていたため、100円以下は切り捨てていた模様。
- ^ ヒフミに対してシゴロ、ゾロ目が出た場合の倍率は、本編では触れられていないが、777town.netの帝愛カジノでは両者が乗算され、シゴロが4倍づけ、2 - 6ゾロが6倍づけ、ピンゾロが10倍づけとなっている。
- ^ あるいは30符4翻の切り上げ満貫とも解釈できる。
- ^ モバイル版ゲームではノーテン罰符1000点がある。
- ^ 作中では特に場風牌・門風牌の区別はないが、麻雀における西家の立場と説明されている。
- ^ 矢尾はアニメに先立って製作されたパチスロ機『回胴黙示録カイジ』においてカイジの声を担当していた。
- ^ アルバム『THE BLUE HEARTS』に収録。
- ^ 原作者及びカイジ役の萩原聖人はブルーハーツの大ファンであり、原作やアニメ第1話の冒頭でもカイジの自室に「未来は僕らの手の中」と曲のタイトルが書かれた紙が貼られているのが確認できる。また、本作品で佐原を演じた甲本雅裕は、ボーカリスト甲本ヒロトの実弟である。
- ^ 放送開始に先駆け『日テレプラス限定版!「逆境無頼カイジ」放送直前まるわかりSP』を2007年12月27日 22:00 - 23:00 ほかに放送。
- ^ 初回の放送は27:29 - 27:59。
- ^ 2011年10月22日は23・24話、10月29日は25・26話の2話連続放送。
- ^ 初回の放送は27:06 - 27:33。
- ^ 鉄骨渡りのシーンに出演。
- ^ 賭博破戒録カイジの劇中に登場したパチンコ「沼」が基になっている。
出典
- ^ a b c 『創ったヒト』2010年3月6日 - 3月13日放送分、福本伸行出演時
- ^ オトナファミ 2011 12月号 秋のガチ映画キーマンに訊くスペシャル
- ^ "織田信成さんが特殊メイクで"カイジ"に扮する『東京カジノプロジェクト』のテレビCMを7月1日(水)より放映開始!" (Press release). コロプラ. 29 June 2015. 2015年7月27日閲覧。
- ^ “萩原聖人「カイジ」で歌手デビュー”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2007年9月20日). オリジナルの2007年10月11日時点におけるアーカイブ。 2007年12月16日閲覧。
- ^ 2009年度興収10億円以上番組(日本映画製作者連盟 2010年1月発表)
- ^ 2011年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ 『ステキな金縛り』V2で早くも100万人突破!『カイジ』初登場2位!『モテキ』150万人突破!東宝作品強し!シネマトゥデイ 2011年11月9日
- ^ “逆境無頼カイジ Death or Survival”. コンパイルハート. 2008年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月25日閲覧。
- ^ “「コミゲーi講談社」にカイジの“限定ジャンケン”が登場”. ケータイWatch. Impress. 2003年7月14日閲覧。
- ^ “賭博黙示録カイジ”. タイトー. 2009年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月16日閲覧。
- ^ “『逆境無頼カイジ 電網遊戯篇』Mobageにて巻き起こる究極の賭博サバイバルゲーム”. ファミ通.com. KADOKAWA DWANGO. 2017年2月21日閲覧。
- ^ “カイジ 〜最強博徒伝説〜”. ぽすれん. 2013年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月10日閲覧。
外部リンク
- 日本テレビ
- カイジ 人生逆転ゲーム - 金曜ロードSHOW!
- カイジ2 〜人生奪回ゲーム〜 - 金曜ロードSHOW!
- カイジ 携帯ゲーム 株式会社タイトー - ウェイバックマシン(2010年4月13日アーカイブ分)
- ニンテンドーDS用ソフト「逆境無頼カイジ Death or Survival」公式サイト - ウェイバックマシン(2013年10月2日アーカイブ分)
- カイジ 人生逆転ゲーム - allcinema
- カイジ 人生逆転ゲーム - KINENOTE
- カイジ 人生逆転ゲーム - IMDb
- カイジ2 人生奪回ゲーム - allcinema
- カイジ2 人生奪回ゲーム - KINENOTE