「メタンハイドレート」の版間の差分
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[[Image:Burning hydrate inlay US Office Naval Research.jpg|right|frame| メタンと水に分離し燃えるメタンハイドレート。左上にクラスレートの構造を示す。 (University of Göttingen, GZG. Abt. Kristallographie)<br />出典: [[アメリカ地質調査所]]。]] |
[[Image:Burning hydrate inlay US Office Naval Research.jpg|right|frame| メタンと水に分離し燃えるメタンハイドレート。左上にクラスレートの構造を示す。 (University of Göttingen, GZG. Abt. Kristallographie)<br />出典: [[アメリカ地質調査所]]。]] |
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'''メタンハイドレート'''({{lang-en-short|methane hydrate}}) |
'''メタンハイドレート'''({{lang-en-short|methane hydrate}})は、低温かつ高圧の条件下で[[メタン]][[分子]]が[[水]][[分子]]に囲まれた、[[網]]状の[[結晶]][[構造]]をもつ[[包接水和物]]の[[固体]]<ref>{{citation |publisher=U.S. Geological Survey |url=http://woodshole.er.usgs.gov/project-pages/hydrates/what.html |date=31 August 2009 |accessdate=28 December 2014 |title=Gas Hydrate: What is it? |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120614141539/http://woodshole.er.usgs.gov/project-pages/hydrates/what.html |archivedate=2012年6月14日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>。およその[[比重]]は<span lang="en">0.9 g/cm<sup>3</sup></span>で、[[堆積物]]に固着して海底に大量に埋蔵されている<ref name=Max>{{Cite book |
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| last = Max |
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| first = Michael D. |
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| title = Natural Gas Hydrate in Oceanic and Permafrost Environments |
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| publisher = Kluwer Academic Publishers |
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| year = 2003 |
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| page =62 |
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| url = https://books.google.co.jp/books?id=fd8QFKwcSskC&printsec=frontcover&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q |
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| isbn = 0-7923-6606-9 }}。 |
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</ref>。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分のため、地球温暖化対策としても有効な[[新エネルギー]]源であるとされる([[天然ガス]]も参照)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。[[化石燃料]]の一種であるため、[[再生可能エネルギー]]には含まれない。'''メタン水和物'''ともいわれる。 |
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</ref>。 |
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メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であり、大気汚染の主な原因物質である[[硫黄]]をまったく含まず、燃焼しても二酸化炭素以外は水しか出さないため、メタンハイドレートは[[地球温暖化]]対策としてクリーンかつ有効な[[新エネルギー]]源として期待されている([[天然ガス]]も参照。)。後述のようにメタンには非常に高い温暖化効果があるため、使えば使うほど温暖化を抑制できる唯一の資源でもある。 |
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現在のところメタンハイドレートは生物由来の[[化石燃料]]の一種とする意見が主流だが、メタンは[[火星]]、[[木星]]、[[海王星]]、[[天王星]]、[[土星]]とその衛星[[タイタン]]など、生物がいないとされる天体にも広く存在するため、化石燃料ではなく大気や[[マグマ]]に含有される[[炭素]]と[[水素]]から生成される非生物由来資源の可能性が高まっている。実際に2005年の[[カッシーニ (探査機)]]の調査により、土星の衛星タイタンのメタンが生物由来でないことが強く推測されている。 |
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*かつては有機物=生物、無機物=非生物とされていたが、現在では有機物=炭素を含み燃焼すると二酸化炭素を出す化合物、無機物=有機物以外の物質と定義されるため、本項ではメタン成因を生物と非生物に分類する。 |
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メタンは[[火山ガス]]であり、メタンハイドレートは世界有数の火山帯である日本とその近海に大量に賦存することが世界的に知られている。また、後述の[[メタンプルーム]]から自噴しているメタンハイドレートの量に変動が無いことから、日本では太古から継続的に一定量のメタンハイドレートが放出され続けていることが推測されている。そのため、本来は同じくマグマ由来の[[地熱]]のように[[再生可能エネルギー]]に含めるべきだが、現行の行政では含まれていない。 |
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== 性状 == |
== 性状 == |
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見た目は氷に似ている。1 m |
見た目は氷に似ている。1 m<sup>3</sup>のメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164 m<sup>3</sup>のメタンガスと水に変わる<ref name="jgeography.118.43">松本良、奥田義久、蛭田明宏 ほか、[https://doi.org/10.5026/jgeography.118.43 日本海東縁,上越海盆の高メタンフラックス域におけるメタンハイドレートの成長と崩壊] 地学雑誌 2009年 118巻 1号 p.43-71, {{doi|10.5026/jgeography.118.43}}</ref>。解凍する前のメタンはメタンハイドレートの重量の15%に過ぎず、他の85%は水である。[[分子式]]は CH{{sub|4}}·5.75H{{sub|2}}O と表され、密度は0.910g/cm<sup>3</sup>である。火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。 |
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水分子で構成される立体網状構造の間隙中にガス分子が位置して安定な固体結晶となっている氷状の物質は[[包接水和物]]、ガスハイドレート、あるいは、クラスレートと呼ばれる構造になっている。 |
水分子で構成される立体網状構造の間隙中にガス分子が位置して安定な固体結晶となっている氷状の物質は[[包接水和物]]、ガスハイドレート、あるいは、[[クラスレート]]と呼ばれる構造になっている。 |
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ガスハイドレートには、ガスが失われると残された立体網状構造である「包接格子」だけでは格子構造を維持できないもの(ガスハイドレート、クラスレート)と、包接格子だけでも格子構造を維持出来るものがある。メタンハイドレートは「包接化合物」とも呼ばれるクラスレートであり、骨格となる水分子間の5-6 Å([[オングストローム]]、1 Å = 100 [[ピコメートル|pm]])程度の隙間に入り込んだガスが出て行くと格子は壊れる。メタンで飽和したメタンハイドレート(structure I hydrate)は、2つの十二面体と6つの十四面体構造をなす46の水分子からなるユニットが8分子のメタンを包接している{{Sfn|松本ほか|1994|pp=39-43}}。 |
ガスハイドレートには、ガスが失われると残された立体網状構造である「包接格子」だけでは格子構造を維持できないもの(ガスハイドレート、クラスレート)と、包接格子だけでも格子構造を維持出来るものがある。メタンハイドレートは「包接化合物」とも呼ばれるクラスレートであり、骨格となる水分子間の5-6 Å([[オングストローム]]、1 Å = 100 [[ピコメートル|pm]])程度の隙間に入り込んだガスが出て行くと格子は壊れる。メタンで飽和したメタンハイドレート(structure I hydrate)は、2つの十二面体と6つの十四面体構造をなす46の水分子からなるユニットが8分子のメタンを包接している{{Sfn|松本ほか|1994|pp=39-43}}。 |
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=== 生成過程 |
=== 生成過程 === |
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メタンハイドレートを構成するメタンの炭素[[同位体]]比は比較的小さい値([[炭素13|<sup>13</sup>C]] が少ない)を示すデータもあり、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。 |
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;火山ガス(非生物由来) |
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メタンは[[マグマ]]を原料とする[[火山ガス]]であり、もっとも単純な炭化水素である。実際にメタンハイドレートは[[環太平洋火山帯]]に多く分布し、特に地震の多い火山帯の日本に集中していることが知られる。メタンは他の天体にも広く存在する物質であり、それらは大気や地中の炭素と水素から生成された非生物由来である。日本近海のメタンプルームの自噴量が変動していないことからも、火山活動によってメタンが継続的に生成されるとする説が補強されている。これらの炭素同位体比は、硫酸還元帯にみられる有機体と比べ大差がない(近似値を示す)特徴がある。 |
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;生物生成メタン |
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:メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布しており、大陸から遠く離れた海洋の深部に有意な発見はない。それら分布領域における表層[[堆積物]]の特徴は、長い運搬過程を経た粒度の小さい[[砕屑物]]や[[鉱物]]粒子、[[火山灰]]などの他に[[有機物]]や[[有孔虫]]などの生物遺骸が含まれる海底泥質堆積物である。その海底面(表層)では生物活動による土壌が作られ、土壌の上に新たな堆積物が積み重なり海水の比率が減少するとともに堆積物の[[続成作用]]が働く環境となる。堆積作用により表層から埋没後しばらくは[[硫酸還元菌]](例えば ''[[アーキオグロバス属|Archaeoglobus]]''、''Desulforudis'' など)の活動が続き、この活動している地層を硫酸還元帯という。活動時間が長い深部になるほど炭素同位体比(<sup>12</sup>C : <sup>13</sup>C)は大きい値を示す。硫酸塩の枯渇などにより硫酸還元菌の活動が終わると、[[メタン菌]]の活動が活発になり、メタンと[[炭酸水素イオン]]が生成される。ここでは地層深部の圧密作用を受けメタンや炭酸水素イオンを含む水が上層へ移動し、一定の条件下で水分子のかご構造にメタンが入り込みメタンハイドレートとして蓄積される。このメタン醗酵が発生する層では [[炭素13|<sup>13</sup>C]] が[[炭酸水素イオン]]に濃縮されるため、メタンの炭素同位体比は軽く(<sup>13</sup>C が少なく)なる<ref name=japt.72.585>早稲田周、岩野裕継、[https://doi.org/10.3720/japt.72.585/ ガス炭素同位体組成による貯留層評価] 石油技術協会誌 2007年 72巻 6号 p.585-593 , {{DOI|10.3720/japt.72.585}}</ref>。例えば、地球深部探査船「ちきゅう」が[[南海トラフ]]海域で採集したボーリングコア・サンプルの分析では、メタン生成菌由来であるとされている<ref>天羽美紀、[https://doi.org/10.14862/geochemproc.62.0_285 バイオマーカー分析による東部南海トラフメタンハイドレート含有堆積物中のメタン生成活動の評価] 2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集 セッションID:3P04, {{doi|10.14862/geochemproc.62.0_285}}</ref>。 |
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: [[熱水噴出孔]]などでこれらのメタン産生菌の活動を垣間見ることができる。例えば ''[[メタノパイラス属|Methanopyrus]]'' や''Methanocaldococcus'' は地底で発生する水素と二酸化炭素からメタンを合成する。この他 ''Methanocalculus'' などのメタン産生菌が油田から得られている。 |
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;熱分解起源メタン |
;熱分解起源メタン |
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:地層中深部の高温環境では、有機物が非生物的に分解する。量的には熱分解ガスの方が多いとされ、プレート境界や油田地帯では熱分解起源の天然ガスハイドレートが確認されている。上越沖では、海底下数kmに由来する熱分解起源のメタン由来のメタンハイドレートが海底表面に露出、あるいは海底下百数十mの堆積物中に密集して生成していると推定されている。海底にはメタンプルームがあり、噴出口から数10cm上昇するうちにメタンハイドレートが生成することや大規模な化学合成生物群集が確認されており、メタンプルーム探査がメタンハイドレート資源探査に有効であるとされている<ref>{{Cite press release|url= |
:地層中深部の高温環境では、有機物が非生物的に分解する。量的には熱分解ガスの方が多いとされ、プレート境界や油田地帯では熱分解起源の天然ガスハイドレートが確認されている。上越沖では、海底下数kmに由来する熱分解起源のメタン由来のメタンハイドレートが海底表面に露出、あるいは海底下百数十mの堆積物中に密集して生成していると推定されている。海底にはメタンプルームがあり、噴出口から数10cm上昇するうちにメタンハイドレートが生成することや大規模な化学合成生物群集が確認されており、メタンプルーム探査がメタンハイドレート資源探査に有効であるとされている<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070302/pr20070302.html#e1|title=新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見|date=2007-03-02|publisher=[[産業技術総合研究所]]}}</ref>。 |
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;非生物起源説 |
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一方、メタンハイドレートを構成するメタンの炭素[[同位体]]比は比較的小さい値([[炭素13|<sup>13</sup>C]] が少ない)を示すデータもあり、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。 |
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:メタンは[[マグマ]]を原料とする[[火山ガス]]であり、もっとも単純な炭化水素である。近年、議論が活発になりつつある説。日本国内で産出するメタンを、この説において有力な鉱床となるプレート境界上にあるものとして考えることも可能である{{Sfn|石川|2013|pp=166-176 §付録 石油無機起源説による国産資源論}}。 |
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;生物生成メタン |
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:メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布しており、大陸から遠く離れた海洋の深部に有意な発見はない。それら分布領域における表層[[堆積物]]の特徴は、長い運搬過程を経た粒度の小さい[[砕屑物]]や[[鉱物]]粒子、[[火山灰]]などの他に[[有機物]]や[[有孔虫]]などの生物遺骸が含まれる海底泥質堆積物である。その海底面(表層)では生物活動による土壌が作られ、土壌の上に新たな堆積物が積み重なり海水の比率が減少するとともに堆積物の[[続成作用]]が働く環境となる。堆積作用により表層から埋没後しばらくは硫酸還元菌(例えば [[アーキオグロバス属|''Archaeoglobus'']]、''Desulforudis'' など)の活動が続き、この活動している地層を硫酸還元帯という。活動時間が長い深部になるほど炭素同位体比は大きい値を示す。硫酸塩の枯渇などにより硫酸還元菌の活動が終わると、[[メタン生成菌]]の活動が活発になり、メタンと[[炭酸水素イオン]]が生成される。ここでは地層深部の圧密作用を受けメタンや炭酸水素イオンを含む水が上層へ移動し、一定の条件下で水分子のかご構造にメタンが入り込みメタンハイドレートとして蓄積される。このメタン醗酵が発生する層では [[炭素13|<sup>13</sup>C]] が[[炭酸水素イオン]]に濃縮されるため、メタンの炭素同位体比は軽く(<sup>13</sup>C が少なく)なる。 |
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: [[熱水噴出孔]]などでこれらのメタン菌の活動を垣間見ることができる。例えば [[メタノパイラス属|''Methanopyrus'']] や''Methanocaldococcus'' は地底で発生する水素と二酸化炭素からメタンを合成する。この他 ''Methanocalculus'' などのメタン菌が油田から得られている。 |
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=== 安定条件 === |
=== 安定条件 === |
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地表の条件では、[[分解]]して[[吸熱反応]]を起こす。この時生成される水は[[氷]]の薄膜を形成するため、メタンハイドレートは常圧下-20 {{℃}}程度でも長く保存できる自己保存性を持つ。 |
地表の条件では、[[分解]]して[[吸熱反応]]を起こす。この時生成される水は[[氷]]の薄膜を形成するため、メタンハイドレートは常圧下-20 {{℃}}程度でも長く保存できる自己保存性を持つ。 |
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[[ファイル:Gas hydrates 1996.svg|thumb|350px|[[1996年]]の[[アメリカ地質調査所]]の調査によるハイドレートの分布図<br />黄色の点がガスハイドレートを示す。]] |
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== 埋蔵域 == |
== 埋蔵域 == |
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[[ファイル:Gas hydrates 1996.svg|thumb|350px| |
[[ファイル:Gas hydrates 1996.svg|thumb|350px|1996年の[[アメリカ地質調査所]]の調査によるハイドレートの分布図<br />黄色の点がガスハイドレートを示す。]] |
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状況によって異なるがおおむね、[[大陸棚]]が海底へとつながる、海底斜面内の水深500-1000 m<ref>{{Cite |
状況によって異なるがおおむね、[[大陸棚]]が海底へとつながる、海底斜面内の水深500-1000 m<ref>{{Cite journal |1=和書 |title=メタンハイドレートの採掘と生産について |author=市川祐一郎 |url=http://www.gsj.jp/Pub/News/pdf/1997/02/97_02_07.pdf |journal=地質ニュース |issue=510 |publisher=産業技術総合研究所・地質調査総合センター |date=1997-02 |pages=3-58 |accessdate=2012-08-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20111021032855/http://www.gsj.jp/Pub/News/pdf/1997/02/97_02_07.pdf |archivedate=2011年10月21日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref><ref name="tennen">石井彰 『天然ガスが日本を救う』 日経BP社 2008年9月22日、183-185頁 ISBN 9784822247027</ref>(2000mまでとする研究もある)<ref>{{Cite web|和書|title = メタンハイドレート開発計画について|url = http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/e20205bj.pdf|publisher = 経済産業省資源エネルギー庁石油・天然ガス課|date = 2001-07-19|accessdate = 2012-08-14}}</ref>での、地下数十から数百m<ref name=tennen />に存在し、メタンガス層の上部境目に存在するとされている。通常は高圧下でありながら、凍った水分子の篭状の結晶構造に封じ込められている。 |
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=== 日本近海の埋蔵域 === |
=== 日本近海の埋蔵域 === |
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2008年現在、日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つとされる。[[本州]]、[[四国]]、[[九州]]といった西日本地方の南側の |
2008年現在、日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つとされる。[[本州]]、[[四国]]、[[九州]]といった西日本地方の南側の南海トラフ<ref name=tennen />に最大の推定埋蔵域を持ち、北海道周辺と新潟県沖<ref name="jgeography.118.43"/>、南西諸島沖にも存在する<ref name=tennen />。また、日本海側には海底表面に純度が高く塊の状態で存在していることが[[独立総合研究所]]<ref>[https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680511498368 日本海東縁,直江津沖に巨大メタンプリュームと海底メタンハイドレートの発見(8.海洋地質)] 日本地質学会学術大会講演要旨 112, 85, 2005-09-10</ref>、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、[[海洋研究開発機構]]などの調査よりわかっている。日本の近海には、現在の天然ガス消費量に換算して約100年間供給できるとされる、7兆立法メートルのメタンガスが埋蔵されていると推定されている<ref>{{Cite magazine|title = [[ニューズウィーク]]日本版(2013年4月9日号) |chapter = 日本がエネルギー大国へ?「燃える氷」に熱い期待 |newspaper = |publisher = 阪急コミュニケーションズ |date = 2013-04-02 |page=20}}</ref>。 |
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新潟、秋田、京都など日本海沿岸の12府県による「[[海洋エネルギー資源開発促進日本海連合]]」は、「日本海側では、一部の地域における学術的な調査の実施にとどまり、開発に向けた本格的な調査・産出試験が実施されていない」として、日本海のメタンハイドレートの開発に向け、[[経済産業省]][[資源エネルギー庁]]に予算の確保を要請している<ref>{{PDFlink|[http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/48/950/youbousyo.pdf 『日本海側の海洋エネルギー資源開発促進に関する要望』]}} 新潟県、2012年10月3日</ref>。[[海洋基本法]]に合わせて海洋政策の指針とする2018年度「海洋基本計画」では2020年代後半の民間企業主導の商業化を目指している<ref>{{Cite web|url=海洋基本計画(平成30年5月15日閣議決定)|title=https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/plan/plan03/pdf/plan03.pdf|accessdate=2021年8月16日|publisher=内閣府}}</ref>。2024年、経済産業省は2030年までの間に民間主導の商業化プロジェクトスタートさせる計画を発表<ref>{{Cite web |url=https://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/strategy/pdf/report2403.pdf |title=(1)砂層型メタンハイドレート |access-date=2024年11月27日 |publisher=経済産業省}}</ref>。 |
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また2013年6月には、千島列島と北方領土の大陸棚に最大でガス87兆立方メートル相当のメタンハイドレートが埋蔵されている可能性が高いとして、ロシアの国立研究機関であるロシア科学アカデミー極東地質学研究所露もロシア国営石油大手「ロスネフチ」に開発検討を提案している<ref>{{Cite web|title = 千島列島にメタンハイドレート 露の研究機関が開発提唱|url =http://sankei.jp.msn.com/world/news/130619/erp13061920460005-n1.htm|publisher = 産経新聞|date = 2003-06-19|accessdate = 2013-08-15}}</ref>。また中国では青海地区で350億トンの油に相当するメタンハイドレートが見つかっており、南シナ海には680億トン相当のメタンハイドレートがあるとされており、2013年の6月から9月には、中国国土資源部が広東沿海の珠江口盆地東部の海域で初めて高純度のメタンハイドレート採掘に成功。1000億から1500億立方メートルの天然ガスに相当する資源を確認しており、2030年の商用化を目指していると発表している<ref>{{Cite web|title = メタンハイドレートの採掘に成功した中国、照準は「2030年の商用化」―中国メディア|url =http://www.asahi.com/business/xinhuajapan/CXINHUA369293.html|publisher = 朝日新聞|date = 2013-12-21|accessdate = 2013-12-23}}</ref>。 |
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また2013年6月には、千島列島と北方領土の大陸棚に最大でガス87兆立方メートル相当のメタンハイドレートが埋蔵されている可能性が高いとして、ロシアの国立研究機関であるロシア科学アカデミー極東地質学研究所もロシア国営石油大手「ロスネフチ」に開発検討を提案している<ref>{{Cite web|和書|title =千島列島にメタンハイドレート 露の研究機関が開発提唱|url =http://sankei.jp.msn.com/world/news/130619/erp13061920460005-n1.htm|publisher =産経新聞|date =2003-06-19|accessdate =2013-08-15|archiveurl =https://web.archive.org/web/20130809224352/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130619/erp13061920460005-n1.htm|archivedate =2013-08-09|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref>。 |
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[[ファイル:Methane hydrate around Japan Ilands.PNG|thumb|220px|2008年までに調査された(民間等による一部の調査は除く)日本周辺海域におけるメタンハイドレート推定埋蔵域]] |
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中国では青海地区で350億トンの油に相当するメタンハイドレートが見つかっており、南シナ海には680億トン相当のメタンハイドレートがあるとされており、2013年の6月から9月には、中国国土資源部が広東沿海の珠江口盆地東部の海域で初めて高純度のメタンハイドレート採掘に成功。1000億から1500億立方メートルの天然ガスに相当する資源を確認しており、2030年の商用化を目指していると発表している<ref>{{Cite web|和書|title = メタンハイドレートの採掘に成功した中国、照準は「2030年の商用化」―中国メディア|url =http://www.asahi.com/business/xinhuajapan/CXINHUA369293.html|publisher = 朝日新聞|date = 2013-12-21|accessdate = 2013-12-23}}</ref>。 |
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[[ファイル:Methane hydrate around Japan Ilands.PNG|thumb|日本周辺におけるメタンハイドレート推定埋蔵域<br/>(2009年、[http://www.mh21japan.gr.jp/pdf/BSR_2009.pdf MH21]による)]] |
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=== 日本近海の埋蔵量 === |
=== 日本近海の埋蔵量 === |
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資源開発として期待されている東部南海トラフの資源量評価量は393.86億㎥とされている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mh21japan.gr.jp/search.html |title=メタンハイドレート探査と資源量評価 |access-date=2023年1月4日}}</ref>。また採取可能なメタンハイドレートは一年に使用される天然ガスの数倍から10倍ほどと見られている<ref name=":0">{{Cite web|和書|url=https://emira-t.jp/ace/413/ |title=「燃える氷」メタンハイドレートは本当に日本を変えるのか |access-date=2023年1月4日}}</ref>。 |
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== 採取方法とその課題 == |
== 採取方法とその課題 == |
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日本では1990年代より太平洋でメタンハイドレートの調査や試掘を実施している<ref name="japt.69.214">中水勝、並川貴俊、落合浩志 ほか、[https://doi.org/10.3720/japt.69.214 資源化を目指すメタンハイドレート探査 基礎試錐「南海トラフ」の概要と今後の研究開発計画] 石油技術協会誌 2004年 69巻 2号 p.214-221, {{doi|10.3720/japt.69.214}}</ref>。しかし、2002年にアメリカ・ドイツ・カナダ等と共同で実施したカナダ北西準州のマッケンジーデルタでの産出試験や、2014年に経産省所管の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が2年間の準備期間を経て実施した愛知県沖での産出試験でも商業化に繋がるような方策は得ることができておらず<ref>[https://doi.org/10.3720/japt.74.270 メタンハイドレート資源量評価と陸上産出試験] 石油技術協会誌 2009年 74巻 4号 p.270-279, {{doi|10.3720/japt.74.270}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title = 「メタンハイドレート商業化は無理」の声が噴出 資源大国という壮大な幻|url = https://megalodon.jp/2014-0617-1307-58/dot.asahi.com/news/domestic/2014061600084.html|publisher = 東洋経済|date = 2014-06-16|accessdate = 2015-08-08}}</ref>、20年以上経過した2017年時点においても有効な採掘方法の確立には至っていない<ref name=":0" />。 |
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陸上から採掘する方法と、直接海中で採掘する方法に大別される<ref>[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.118.913 山本晃司:メタンハイドレートの生産手法とフィールド産出試験] 地学雑誌 Vol.118 (2009) No.5 P913-934</ref>。 |
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2002年、日本・カナダ・インド・米国・ドイツの共同研究でカナダ北西準州のマッケンジーデルタにおいて実施した陸上産出試験(温水循環による熱刺激法)では商業生産に結びつく日量には至らなかった<ref>[http://dx.doi.org/10.3720/japt.74.270 メタンハイドレート資源量評価と陸上産出試験] 石油技術協会誌 Vol.74 (2009) No.4 P270-279</ref>。 |
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日本での陸上からの採掘は、[[青山繁晴]]により、新潟県上越市の直江津港沖(佐渡島の南西沖)の熱起源メタンハイドレートを、従来の海底炭鉱と同じ方式で採掘する方法が、[[AGU]](アメリカ地球物理学連合、英語: American Geophysical Union)(2014年12月15-19日)で提案されている。 |
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政府が1990年代より試掘を行なっている御前崎沖南海トラフの海底地下メタンハイドレート鉱床<ref name="japt.69.214">[http://dx.doi.org/10.3720/japt.69.214 資源化を目指すメタンハイドレート探査 基礎試錐「南海トラフ」の概要と今後の研究開発計画] 石油技術協会誌 Vol.69 (2004) No.2 P214-221</ref>では、現有する採掘技術を使用して採掘・生産しても現時点では経済的には全く引き合わないため、商業生産に向けた民間レベルでの採掘計画は少なく、研究用以外の目的では採掘されていない。 |
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日本海沿岸では、表層型と呼ばれる海底表面に露出したメタンハイドレート鉱床が発見されているがこの表層型に関しては調査が進み、より効率的な採掘方法が模索されている<ref>{{Cite web|title = 夢の国産エネ獲得へ-メタンハイドレート、日本近海に100年分|url = http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720130813eaaf.html|publisher = [[日刊工業新聞]]|date = 2013年08月13日|accessdate = 2013-09-04}}</ref><ref>{{Cite web|title = 日本海でもメタンハイドレートの調査開始、海底の浅い部分にある「表層型」|url = http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/11/news017.html|publisher = [[ITmedia]]・スマートジャパン |date = 2013年06月11日|accessdate = 2013-09-04}}</ref>。今まで[[東京大学]]、[[海洋研究開発機構]]、[[産業技術総合研究所]]、[[独立総合研究所]]などにより調査が行われてきたが<ref name=aist>{{Cite web|title = 新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見|url = http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070302/pr20070302.html|publisher = 東京大学・海洋研究開発機構・[[東京家政学院大学]]・独立総合研究所・産業技術総合研究所|date = 2007-03-02|accessdate = 2012-08-14}}</ref><ref name="rosyutu">{{Cite web|title = 新潟県上越市沖の海底に露出した熱分解起源メタンハイドレートを確認、採取に成功|author = 松本良|url = http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2006/03.html |publisher = 東京大学・海洋研究開発機構・[[東京家政学院大学]]・独立総合研究所・産業技術総合研究所|date = 2006-02-28|accessdate = 2012-08-14}}</ref>、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムによる調査は行われていない。日本海側については主に[[独立総合研究所]]を中心に一部の学者や民間が独自に調査を続けてきたものの、政府による本格的な調査は後回しにされていたが、2012年9月に日本海沿岸の10府県により設立された「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」が広範囲の調査を国に求め<ref name="fuken">「[http://money.jp.msn.com/news/toyokeizai-online/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B5%B7%E5%81%B4%E3%81%A7%E3%82%82%E6%9C%AC%E6%A0%BC%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%B8-%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%AE%E5%9B%BD%E7%94%A3%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E8%B3%87%E6%BA%90%E3%80%81%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E3%81%AF%E7%94%9F%E7%94%A3%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E4%BD%8E%E6%B8%9B-1 メタンハイドレート、日本海側でも本格調査へ 期待の国産エネルギー資源、課題は生産コスト低減]」産経新聞、2013年3月22日。{{リンク切れ|date=2015年1月}}</ref>、その結果、政府の総合海洋政策本部が日本海側について、明治大学、国の委託を受けた独立行政法人産業技術総合研究所と学者のチームにより佐渡沖と石川県・能登半島沖で母船からのケーブルなしで航行できる自動の自立型巡航探査機を使い、2013年度から2015年度までの3年程度で音波を使って地質探査、海底地形、海底下での構造データ等の海底調査を行い、資源量把握に向け集中的に調査すると同時に、調査データの分析を踏まえたうえで試掘実施地点を絞り込み、表層型メタンハイドレートの試掘を実施する方針を打ち出した<ref name="fuken" /><ref>「[http://jp.wsj.com/article/JJ10957818147071284800020424136032886763067.html 15年度までに資源量調査=表層型メタンハイドレートで—政府]」時事通信社、2013年4月1日。</ref><ref name="sadooki">「[http://sankei.jp.msn.com/science/news/130409/scn13040912540000-n2.htm 佐渡沖資源中旬に調査 メタンハイドレートも計画、確認できれば国内最大規模]」産経新聞、2013年4月9日。</ref>。調査はチャンバーで海底のメタンハイドレートの塊を砕き、その衝撃と水圧の低下で解離したメタンを採取する方法を用いる<ref>{{Cite web|title = メタンハイドレート、日本海側でも本格調査へ|url = http://toyokeizai.net/articles/-/13375?page=2|publisher = 東洋経済|date = 2013-3-22|accessdate = 2012-08-20}}</ref>。調査予定海域には、メタンハイドレートの存在がこれまでに確認されている佐渡沖、能登半島沖、秋田・山形沖、隠岐周辺が2013年夏に行われる他、2014年度は秋田県・山形県沖と島根県の隠岐島周辺、2015年度はオホーツク海の北海道網走沖周辺も候補に入っている<ref name="sadooki" /><ref name="fuken" /><ref>{{Cite news|title = 新潟・石川沖8日から調査 日本海メタンハイドレート|url = http://sankei.jp.msn.com/life/news/130608/trd13060808110002-n1.htm|newspaper = 産経新聞|date = 2013-06-08|accessdate = 2013-06-09}}。</ref><ref>{{Cite news|title = 新潟沖でメタンハイドレート=埋蔵量の調査開始-経産省|url = http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013060800061|newspaper = 時事通信|date = 2013-06-08|accessdate = 2013-06-09}}。</ref>。佐渡沖ではピストンコアリングと呼ばれる一般的な調査方法でも容易にメタンハイドレートの結晶を試掘できる<ref name="rosyutu" />。[[ファイル:Seafloor mounds.jpg|thumb|240px|メタンガス(気泡)を放出するメタンハイドレート塊]] |
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2012年も兵庫県や和歌山県などと連携して日本海側の調査が行われ<ref>{{Cite news|title = メタンハイドレート 県、独自調査を開始 和歌山・潮岬沖|url = http://sankei.jp.msn.com/region/news/131127/wky13112702070002-n1.htm|newspaper = 産経新聞|date = 2013-11-27|accessdate = 2013-12-23}}。</ref>、兵庫では水深が1000mから1500mになる沖合約100kmから150kmにおける4カ所の海底でメタンハイドレートが存在する可能性が高いことが判明したほか<ref>「[http://sankei.jp.msn.com/region/news/130511/hyg13051102000002-n1.htm 香美沖4カ所で可能性 県、メタンハイドレート調査 兵庫]」『産経新聞』、2013年5月11日。</ref>、2013年7、8月にも兵庫県が詳細な調査を実施する方針を打ち出している<ref>「[http://www.nikkei.com/article/DGXNZO54556730R00C13A5LDA000/ 兵庫県、メタンハイドレート「存在の可能性高まる」]」『日本経済新聞』、2013年5月1日。</ref><ref>「[http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20130508ddlk30010413000c.html メタンハイドレート:串本−すさみ予備調査の結果発表 地形に「存在」可能性、県が調査継続へ]」『毎日新聞』、2013年5月8日。</ref>。 |
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=== 探査方法 === |
=== 探査方法 === |
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メタンハイドレートの探索に関しては、超音波等を用いた反射法地震探査により海底疑似反射面(BSR)を捉えることが主流な手法であるが{{Sfn|松本ら|1994|pp=73-100}}、BSR以外に上越沖のような背斜構造やプレート境界、メタンシープ・メタンプルームを手がかりにする方法も提案されている{{Sfn|松本|2009|pp=73-100}}。 |
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和歌山県は青山千春に太平洋側でのメタンハイドレート探査を依頼し、2013年11月26日に太平洋側でのメタンプルーム発見に成功。太平洋側にも表層型の高純度メタンハイドレートが賦存していることが、ほぼ確実となった。 |
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===メタンの回収方法 === |
===メタンの回収方法 === |
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考案されているメタン回収方法には以下のような方法がある<ref>{{Cite news |last = |first = |author-link = |last2 = |first2 = |author2-link = |title = Giant dome fails to fix Deepwater Horizon oil disaster |date = May 10, 2010 |publisher = Nature.com |url = http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2010/05/_giant_dome_fails_to_fix_deepw.html |accessdate = 10 May 2010 | postscript = <!--None--> }}</ref><ref>US Geological Survey, [http://web.archive.org/web/20120614141539/http://woodshole.er.usgs.gov/project-pages/hydrates/what.html Gas hydrate: What is it?], accessed 21 March 2013.</ref><ref>{{Cite journal| title=Old Gas, New Gas | author=Roald Hoffmann | journal=[[American Scientist]] | volume=94 | issue=1 | pages=16–18 | year=2006| doi=10.1511/2006.57.3476}}</ref>。 |
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以前は採掘の際にメタンハイドレートの存在する地層の温度を上昇させ、メタンハイドレートを溶解させてメタンを回収する加熱法が検討されていたが、この方法はエネルギー効率が低いという問題があった。近年では採掘の際にメタンハイドレートの存在する地層の圧力を低下させ、メタンハイドレートを溶解させてメタンを回収する減圧法が検証・実験の対象として進められている<ref>{{Cite web|和書|title = メタンハイドレートからのガス生産|url = http://www.mh21japan.gr.jp/mh/05-2/|publisher = http://www.mh21japan.gr.jp/mh/05-2/|date = 2014-11-21|accessdate = 2015-08-08}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title = できるか、日本近海のメタハイ資源開発|url = http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121009/237857/?ST=pc|publisher = 日経ビジネス|date = 2012-10-10|accessdate = 2015-08-08}}</ref>。減圧法による採取はいくつかの成果も出始めているが<ref>{{Cite web|和書|title = アラスカCO2置換ガス回収実証プロジェクトの現地試験終了|url = http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2012/newsrelease_120502.pdf|publisher = 石油天然ガス・金属鉱物資源機構|date = 2012-05-02|accessdate = 2012-08-14|archiveurl = https://web.archive.org/web/20121209003414/http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2012/newsrelease_120502.pdf|archivedate = 2012-12-09|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref>、この方法にも、減圧によって周辺海底の土砂が崩壊し、回収用のパイプが目詰まりを起こす課題<ref>{{Cite web|和書|title = 「メタンハイドレート商業化は無理」の声が噴出 資源大国という壮大な幻|url = https://megalodon.jp/2014-0617-1307-58/dot.asahi.com/news/domestic/2014061600084.html|publisher = 東洋経済|date = 2014-06-16|accessdate = 2015-08-08}}</ref>があった。だが、原因が特定され、対策が機能することが確認<ref>{{Cite web|和書|url = http://www.mh21japan.gr.jp/result_report/forum2018doc/|title = メタンハイドレートフォーラム 2018 | publisher = [[メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム]] | date = 2019-01-23 | accessdate = 2019-03-03 }}</ref>されている。加熱法、減圧法以外にもメタンハイドレートの地層で化学反応を起こしメタンを取り出す方法<ref>{{Cite news|url = http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20110523/news20110523460.html|title = CO2抑え水素抽出 愛媛大・野村教授らが開発|newspaper = [[愛媛新聞]]|date = 2011-05-23|accessdate=2011-05-24}}{{リンク切れ|date=2012年8月}}</ref>など様々な提案がされているが、いずれの方法にも解決しなければならない数々の問題が存在する<ref>{{Cite journal | last = Wang | first = Zhiyuan | authorlink = | coauthors = Sun Baojiang | title = Annular multiphase flow behavior during deep water drilling and the effect of hydrate phase transition | journal = Petroleum Science | volume = 6 | issue = | pages = 57–63 | publisher = | location = | year = 2009 | url = | doi = 10.1007/s12182-009-0010-3 | id = }}</ref><ref>{{Cite news |last = |first = |author-link = |last2 = |first2 = |author2-link = |title = Giant dome fails to fix Deepwater Horizon oil disaster |date = May 10, 2010 |publisher = Nature.com |url = http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2010/05/_giant_dome_fails_to_fix_deepw.html |accessdate = 10 May 2010 | postscript = <!--None--> }}</ref><ref>US Geological Survey, [https://web.archive.org/web/20120614141539/http://woodshole.er.usgs.gov/project-pages/hydrates/what.html Gas hydrate: What is it?], accessed 21 March 2013.</ref><ref>{{Cite journal| title=Old Gas, New Gas | author=Roald Hoffmann | journal=[[American Scientist]] | volume=94 | issue=1 | pages=16–18 | year=2006| doi=10.1511/2006.57.3476}}</ref>。 |
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; 海底炭鉱手法 |
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従来の[[海底炭鉱]]と同じ方式で採掘する。陸地で縦穴を掘り、そこから横に海底を掘り進める。日本の炭鉱では一般的な採掘方法であり、[[軍艦島]]や[[池島炭鉱]]が有名。日本の炭鉱技術は非常に高く、日本が炭鉱を閉鎖した後も、中国をはじめとするアジア諸国からの要望により技術研修が継続されている。そのため現在の所、最も実現可能性の高い採掘方法とされ、特に新潟県上越市、直江津港沖のメタンハイドレート鉱脈は水深も浅く、この海底炭鉱手法なら回収できる可能性は非常に高いとされている。 |
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===増進回収法 === |
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国内では減圧法などと組み合わせ、生産性や回収率を向上させることで経済性を上げるため、[[増進回収法]]と呼ばれる生産を支援する技術の研究<ref>{{Cite web|和書| url = https://unit.aist.go.jp/rief/mhpu/csmh9.html | title = 第9回メタンハイドレート総合シンポジウム(CSMH-9) | publisher = [[産業技術総合研究所]] | date = 2018-10-27 | accessdate = 2019-03-03 }}</ref>も進められている。増進回収法としては、基本的に加熱法に分類される次のような方法が研究されている。①メタンハイドレートの分解(吸熱反応)で対象層が氷点下以下になるまで減圧を行うととで地下水が凍り(発熱反応)、0℃に昇温する強減圧法、②地層内の有機物を強酸などで酸化(発熱反応)させる部分酸化法、③水と二酸化炭素(CO2)を微細混合したエマルションを用いて、CO2ハイドレートの生成(発熱反応)で10℃程に加温させる方法などが研究されている。 |
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海底から自噴するメタンハイドレート(メタンプルーム)を海中にパイプを降ろしてメタンガスごと回収する。加熱や海底から引き上げる作業が必要がないため他の手法よりも安価であり、自然に湧き出しているメタンハイドレートを回収するだけなので環境への影響も少ない。[[海洋エネルギー資源開発促進日本海連合]]のメタンハイドレート採掘技術アイデアコンテストにおいてもこの手法が多い<ref>{{Cite web|title = 「メタンハイドレート採掘技術アイデアコンテスト」入賞者の決定について|url =http://www.nihonkairengou.jp/%E3%80%8C%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E6%8E%A1%E6%8E%98%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9-2.html|publisher = 海洋エネルギー資源開発促進日本海連合|date = 2016-6-16|accessdate = 2014-11-26}}</ref>。 |
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; 土木的手法 |
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メタンハイドレートを土木的に海底から回収する。特に日本海の純度の高いメタンハイドレート結晶の回収に効果があるとされる。[[港湾空港技術研究所]]では水深6000メートル以上の深海から固体の[[レアアース]]を回収する技法を土木的手法で開発中であり、同じ固体資源でより浅い水深1000メートル前後に賦存するメタンハイドレート回収にも応用可能である。海底から固体のメタンハイドレートを引き上げた場合、タンクに常温で放置するだけでメタンを取り出せるため、非常に簡単かつ安価に発電などに利用できるのが特徴である。なお土木的な手法は海底面に何度も衝撃を与えるためブローアウトを引き起こす可能性があるとする説があるが<ref>{{Cite journal | last = Wang | first = Zhiyuan | authorlink = | coauthors = Sun Baojiang | title = Annular multiphase flow behavior during deep water drilling and the effect of hydrate phase transition | journal = Petroleum Science | volume = 6 | issue = | pages = 57–63 | publisher = | location = | year = 2009 | url = | doi = 10.1007/s12182-009-0010-3 | id = }}</ref>、これも衝撃を与えない手法によって回避可能である。 |
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; 加熱法 |
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温水注入や発電などで海底の温度を上げることでメタンハイドレートからメタンを取り出す。低温の海底でメタンハイドレートが溶けてメタンガスになるほど海底の温度を引き上げるには膨大なエネルギーを要する。 |
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; 減圧法 |
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海底の圧力を下げメタンハイドレートからメタンを取り出す。海底の圧力を広範囲に下げるにはかなりのエネルギーが必要である。圧力を低下に伴う[[吸熱反応]]により、さらに温度が低下してパイプが凍って詰まりやすいという課題がある。 |
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; 化学的手法 |
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分解促進剤や分子置換材の注入により化学反応でメタンハイドレートからメタンを取り出す。上記の手法に比べエネルギー効率は格段に良いが、注入した物質や、化学反応後の残留生成物による海水汚染の可能性がある。 |
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[[2011年]]に[[愛媛大学]]大学院理工学研究科のグループは、液中[[プラズマ]]でメタンハイドレートを分解し、[[水素]]として採取する技術を発表した<ref>{{Cite news|url = http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20110523/news20110523460.html|title = CO2抑え水素抽出 愛媛大・野村教授らが開発|newspaper = [[愛媛新聞]]|date = 2011-05-23|accessdate=2011-05-24}}{{リンク切れ|date=2012年8月}}</ref>。 |
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[[2012年]]には[[アメリカ合衆国エネルギー省]]と[[石油天然ガス・金属鉱物資源機構]]が採掘・生産試験を共同で実施。3月4日から4月10日に、地層の中にあるメタンハイドレート層へ二酸化炭素を圧入して二酸化炭素の圧力をメタンハイドレートが溶解する圧力に保ちながら減圧法を使用することにより、メタンハイドレートを二酸化炭素ハイドレートへ置換する生産試験を行い、成功させた<ref>{{Cite web|title = アラスカCO2置換ガス回収実証プロジェクトの現地試験終了|url = http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2012/newsrelease_120502.pdf|publisher = 石油天然ガス・金属鉱物資源機構|date = 2012-05-02|accessdate = 2012-08-14}}</ref>。 |
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=== 輸送技術として === |
=== 輸送技術として === |
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2010年4月には三井造船が世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究を完了している。これは固体のメタンハイドレートをペレット状にして輸送する方式で、 |
2010年4月には三井造船が世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究を完了している。これは固体のメタンハイドレートをペレット状にして輸送する方式で、[[LNG]]に比べて常温付近で製造が可能で、大気圧下-20℃で安定であるため、設備全体を簡便にすることが期待されている<ref>{{Cite press release | 和書 | url = http://www.mes.co.jp/press/2010/20100419.html | title = 世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究が完了 | publisher = [[三井造船]] | date = 2010-04-19 | accessdate = 2013-05-15 }}</ref>。 |
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== メタンハイドレートに関する議論 == |
== メタンハイドレートに関する議論 == |
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=== コストパフォーマンスに関して === |
=== コストパフォーマンスに関して === |
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日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのは、 |
日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのは、南海トラフであった。この海域では、海底油田の採掘方法を応用して1999年から2000年にかけて試掘が行われ、調査範囲における分布状況が判明し、総額500億円を費やしたが商業化には至っていない。これは、南海トラフなど太平洋側のメタンハイドレートは、分子レベルで深海における泥や砂の中に混溜しており、探索・採取が困難を極めているからであるとされている<ref name="japt.69.214"/>。 |
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1990年代に設立されたエネルギー総合工学研究所の、太平洋側で砂層型メタンハイドレートの調査を行ったメタンハイドレート調査委員会で初代調査委員長を務めた石井吉徳は「採掘以外にもメタンハイドレートからメタンを取り出すためにもエネルギーが必要であり、最終的に1のエネルギーを使ってメタンハイドレートから得られるエネルギーは1に満たない。<!--メタンハイドレート採掘は旨みを享受できる政府機関や関連企業、鉱山閉鎖で食い扶持を失った企業のための公共事業と化している-->」と主張している<ref>{{Citation|和書|author=石井吉徳|date=2013-04-13|title=『メタンハイドレートにダマされるな』週刊文春2013年4月4日号|journal=[http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/ 地球は有限、資源は質が全て]|url= |
1990年代に設立されたエネルギー総合工学研究所の、太平洋側で砂層型メタンハイドレートの調査を行ったメタンハイドレート調査委員会で初代調査委員長を務めた石井吉徳は「採掘以外にもメタンハイドレートからメタンを取り出すためにもエネルギーが必要であり、最終的に1のエネルギーを使ってメタンハイドレートから得られるエネルギーは1に満たない。<!--メタンハイドレート採掘は旨みを享受できる政府機関や関連企業、鉱山閉鎖で食い扶持を失った企業のための公共事業と化している-->」と主張している<ref>{{Citation|和書|author=石井吉徳|date=2013-04-13|title=『メタンハイドレートにダマされるな』週刊文春2013年4月4日号|journal=[http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/ 地球は有限、資源は質が全て]|url=https://oilpeak.exblog.jp/20280892/}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title = 「メタンハイドレートは資源ではない」石井吉徳・元国立環境研究所長|url = http://www.alterna.co.jp/7097/5|publisher = [[オルタナ (雑誌)]] |date = 2011-10-9|accessdate = 2013-09-17}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title = 海洋資源大国は「幻」 質を見ねば国を誤る|url = http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130805-00000301-facta-nb|publisher = YAHOO!ニュースBusiness 月刊FACTA|date = 2013-04-19|accessdate = 2013-08-28|archiveurl = https://web.archive.org/web/20130913073832/http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130805-00000301-facta-nb|archivedate = 2013-09-13|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref>。 |
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現在では上述の海底炭鉱方式や、メタンプルームから自噴しているメタンハイドレートを回収する方式も提案されており、安価な開発手法の実現可能性も高まっている。 |
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=== 地球温暖化 === |
=== 地球温暖化 === |
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{{main|北極圏メタンガス放散}} |
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大気中のメタンは二酸化炭素の20倍超もの[[温室効果]]があると言われており<ref name="NorthPole" />、メタンハイドレートは放置したままでも海水温の変化や海流の影響で僅かずつメタンを乖離し、そのメタンは自然と海中から大気中に放出されてしまうため、積極的に開発し、利用して温暖化効果を抑制すべきだとする意見が存在する。このメタンによる温室効果は最終的には数千兆円もの損害を与える可能性が指摘されている<ref name="NorthPole">{{Cite web|title = 北極温暖化でメタン放出、さらに加速し6千兆円損害「時限爆弾」と研究チーム|url = http://sankei.jp.msn.com/science/news/130730/scn13073011470001-n1.htm|publisher = 産経新聞|date = 2013-07-30|accessdate = 2013-08-15}}</ref><ref name="dollar">{{Cite web|title = 永久凍土が溶けたときの被害額は何と60兆ドル!?|url =http://wired.jp/2013/08/31/gas-disaste/|publisher = WIRED|date = 2013-08-31|accessdate = 2013-09-27}}</ref>。 |
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[[アメリカ地質調査所]]等はメタンハイドレート開発によって発生するメタンのうち回収しきれずに大気中に放出されるメタンが気候変動にさらに大きな影響をもたらす可能性があることを警告している<ref>{{Cite web|title = Japan's 'frozen gas' is worthless if we take climate change seriously|url = http://www.theguardian.com/environment/georgemonbiot/2013/mar/14/japan-gas-climate-change|publisher = ガーディアン|date = 2013-03-14|accessdate = 2013-08-17}}</ref><ref>[http://worldoceanreview.com/en/wor-1/ocean-chemistry/climate-change-and-methane-hydrates/ Climate change impacts on methane hydrates] - world ocean review</ref>が、前述のように開発せずに放置した場合の弊害も大きいとされる。[[アメリカ合衆国エネルギー省]]国立エネルギー研究所メタンハイドレート開発技術マネージャーのレイ・ボズウェルは特に表層型のメタンハイドレートは回収不能なメタン放出の危険性が高く、安易に開発を進めることは好ましくないとしており<ref>[http://www.greeningofoil.com/post/Methane-hydrate-a-future-clean-energy-source.aspx Methane hydrate: a future clean energy source?] - greening of oil</ref>、これはメタンハイドレートを温度を下げずに回収する仕組みを考案することで回避可能である。なおメタンの大気中の滞留期間は12年程度、二酸化炭素は5年から200年と解析方法によって差がある<ref>{{Cite web|title = |
大気中のメタンは二酸化炭素の20倍超もの[[温室効果]]があると言われており<ref name="NorthPole" />、メタンハイドレートは放置したままでも海水温の変化や海流の影響で僅かずつメタンを乖離し、そのメタンは自然と海中から大気中に放出されてしまうため、積極的に開発し、利用して温暖化効果を抑制すべきだとする意見が存在する。このメタンによる温室効果は最終的には数千兆円もの損害を与える可能性が指摘されている<ref name="NorthPole">{{Cite web|和書|title = 北極温暖化でメタン放出、さらに加速し6千兆円損害「時限爆弾」と研究チーム|url = http://sankei.jp.msn.com/science/news/130730/scn13073011470001-n1.htm|publisher = 産経新聞|date = 2013-07-30|accessdate = 2013-08-15|archiveurl = https://web.archive.org/web/20130803160036/http://sankei.jp.msn.com/science/news/130730/scn13073011470001-n1.htm|archivedate = 2013-08-03|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref><ref name="dollar">{{Cite web|和書|title = 永久凍土が溶けたときの被害額は何と60兆ドル!?|url =http://wired.jp/2013/08/31/gas-disaste/|publisher = WIRED|date = 2013-08-31|accessdate = 2013-09-27}}</ref>。 |
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[[アメリカ地質調査所]]等はメタンハイドレート開発によって発生するメタンのうち回収しきれずに大気中に放出されるメタンが気候変動にさらに大きな影響をもたらす可能性があることを警告している<ref>{{Cite web|title = Japan's 'frozen gas' is worthless if we take climate change seriously|url = http://www.theguardian.com/environment/georgemonbiot/2013/mar/14/japan-gas-climate-change|publisher = ガーディアン|date = 2013-03-14|accessdate = 2013-08-17}}</ref><ref>[http://worldoceanreview.com/en/wor-1/ocean-chemistry/climate-change-and-methane-hydrates/ Climate change impacts on methane hydrates] - world ocean review</ref>が、前述のように開発せずに放置した場合の弊害も大きいとされる。[[アメリカ合衆国エネルギー省]]国立エネルギー研究所メタンハイドレート開発技術マネージャーのレイ・ボズウェルは特に表層型のメタンハイドレートは回収不能なメタン放出の危険性が高く、安易に開発を進めることは好ましくないとしており<ref>[http://www.greeningofoil.com/post/Methane-hydrate-a-future-clean-energy-source.aspx Methane hydrate: a future clean energy source?] - greening of oil</ref>、これはメタンハイドレートを温度を下げずに回収する仕組みを考案することで回避可能である。なおメタンの大気中の滞留期間は12年程度、二酸化炭素は5年から200年と解析方法によって差がある<ref>{{Cite web|和書|title =大気・海洋環境観測報告>二酸化炭素|url =http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/2_1.html|publisher =気象庁|accessdate =2013-10-21|archiveurl =https://web.archive.org/web/20130827181535/http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/2_1.html|archivedate =2013-08-27|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title =大気・海洋環境観測報告>メタン|url =http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/2_2.html|publisher =気象庁|accessdate =2013-10-21|archiveurl =https://web.archive.org/web/20130926094000/http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/2_2.html|archivedate =2013-09-26|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}</ref><ref>{{Cite book |author = [[鳥海光弘]] |coauthors = 田近英一 |date = 1996年 |title = 地球システム科学 |publisher = 岩波書店 |page = 22-37 |isbn = 4-00-010722-4}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title = メタンとは何か?|url = http://www.mh21japan.gr.jp/mh/01-2/|publisher = メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム|accessdate = 2013-09-17}}</ref>。温暖化ガスに地震で放出されるメタンも考慮すべきとの論もある<ref name="Leakage">{{cite news|title = 地震で海底地層中のメタンガス漏出する可能性、研究|url = https://www.afpbb.com/articles/-/2958735?pid=11102587|publisher = AFPBB News|date = 2013年7月29日| accessdate = 2013年8月15日}}</ref>。 |
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また、[[地球温暖化]]が進むと海水温がさらに上昇し、やがてこれまでは海底で安定状態にあったメタンハイドレートからメタンが乖離され大気中に放出される。するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンが吐き出される悪循環を起こすことが予測されている。2億5千万年前の[[P-T境界]]では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたという説もある<ref>[[NHKスペシャル]] [[地球大進化]]〜46億年・人類への旅〜第4集。</ref>。松本良は、地球環境の変動はメタンハイドレートの安定性に大きく支配されているとした「ガスハイドレート仮説」を提唱している{{Sfn|松本|2009|pp=72-75}}<ref>{{Cite journal|和書|author=松本良|year=1996|title=炭酸塩の炭素同位体組成異常の要因と新しいパラダイム『ガスハイドレート仮説』|journal=地質学雑誌|vol=101|pages=902-924}}</ref>。 |
また、[[地球温暖化]]が進むと海水温がさらに上昇し、やがてこれまでは海底で安定状態にあったメタンハイドレートからメタンが乖離され大気中に放出される。するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンが吐き出される悪循環を起こすことが予測されている。2億5千万年前の[[P-T境界]]では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたという説もある<ref>[[NHKスペシャル]] [[地球大進化]]〜46億年・人類への旅〜第4集。</ref>。[[青山千春]]は、氷期の海退による水圧減がメタンハイドレートの分解をもたらし、間氷期に移行するきっかけになっていることが最近の研究で明らかになっているとしており{{Sfn|青山|2013|pp=106-107}}、松本良は、地球環境の変動はメタンハイドレートの安定性に大きく支配されているとした「ガスハイドレート仮説」を提唱している{{Sfn|松本|2009|pp=72-75}}<ref>{{Cite journal|和書|author=松本良|year=1996|title=炭酸塩の炭素同位体組成異常の要因と新しいパラダイム『ガスハイドレート仮説』|journal=地質学雑誌|vol=101|pages=902-924}}</ref>。 |
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== その他 == |
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一方、[[青山千春]]は、氷期の海退による水圧減がメタンハイドレートの分解をもたらし、間氷期に移行するきっかけになっていることが最近の研究で明らかになっている、としている{{Sfn|青山|2013|pp=106-107}}。 |
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*メタンハイドレートが溶解したことにより発生するメタンプルームの湧出口付近にはカニの群集が見られる傾向がある、との報告がある{{Sfn|松本|2009|pp=55-56}}{{Sfn|青山|2013|pp=101-104}}。 |
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== メタンハイドレートの調査・採取事例年表 == |
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{| class="wikitable" |
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|+ メタンハイドレートの調査・採取事例年表 |
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! style="width:10em" | 時期 !! 事柄 |
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| [[1930年代]] |
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| シベリアなどの寒地において、[[天然ガス]]の[[パイプライン輸送|パイプライン]]内にできるガスハイドレート(周辺構造は、メタンハイドレートとほぼ同じ)という現象や物質自体は確認されていた。 |
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| [[1960年代]] |
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| 永久凍土内で、天然ハイドレートの堆積層が発見された。 |
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| [[1967年]] |
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| 天然ガスハイドレート岩石資料が世界で初めてシベリアのヤクーチャの[[永久凍土]]地帯で採取された。 |
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| [[1970年代]] |
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| 海底において大量に存在する可能性が予測され、実際に計測が行われた。 |
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| [[1974年]] |
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| カナダのマッケンジー・デルタで、天然のメタンハイドレートが浅い砂質層に埋蔵されている事が発見された。 |
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| [[1980年]] |
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| 南海トラフ周辺でメタンハイドレートを発見。 |
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| [[1989年]] |
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| [[奥尻海嶺]]でサンプル回収。 |
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| [[1990年]] |
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| 四国沖でサンプル回収。 |
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| [[1996年]] |
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| [[アメリカ合衆国]]内の海底において発見され、具体的研究が進められる。 |
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| [[2000年]] |
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| [[南海トラフ]]でメタンハイドレートの存在を確認。 |
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| 2000年 |
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| 経済産業省に開発検討委員会設置。 |
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| [[2001年]]~[[2002年]] |
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| カナダでメタンハイドレートから世界初のガス産出。 |
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| 2002年 |
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| 日本・[[カナダ]]・アメリカ・[[ドイツ]]・[[インド]]の国際共同研究として、カナダのマッケンジー・デルタ Mallik 5L-38号井において、世界で初めて地下のメタンハイドレート層から地上へのメタンガス回収に成功した。 |
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| [[2004年]][[7月]] |
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| 日本海側の[[新潟県]][[上越市]][[直江津港]](佐渡島の南西沖)の、海底の深くではなく海底表面にメタンハイドレートが露出している海域で、[[東京大学]]と[[独立総合研究所]]の共同調査が実施され、ピストンコアリングにより日本海側で初めてメタンハイドレートの天然結晶サンプルの採取に成功<ref name="niigata">{{Cite web|title = 新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見|url = http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2007/x6.html = 東京大学 独立総合研究所||date = 2007-03-05|accessdate = 2014-12-25}}</ref><ref name="saguru">{{Cite web|title = 日本海に新エネルギー資源、メタンハイドレートを探る|url = http://www.sof.or.jp/jp/news/101-150/131_1.php|publisher = 海洋政策研究財団|publisher = ニューズレター131号|date = 2006-01-20|accessdate = 2012-08-14}}</ref>。海底面上にあるのを発見したのは東アジア周辺海域では初。 |
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| [[2005年]] |
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| 2004年に続き、新潟県上越市沖で海底に露出した試料を取得<ref name="rosyutu" />。[[東京大学]]や[[海洋研究開発機構]]の研究グループにより新潟県上越市、直江津港の沖合30km付近に海底上(水深約900メートル)に露出しているメタンハイドレートを確認。 |
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| [[2008年]][[3月]] |
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| [[独立行政法人]]の[[石油天然ガス・金属鉱物資源機構]]が、[[カナダ]]北西部の[[ボーフォート海]]沿岸陸上地域での国際コンソーシアムに参加して、[[カナダ]]天然資源省との共同研究で陸上験実を行い、永久凍土の地下1100mのメタンハイドレート層から減圧法によってメタンガスを連続的に産出することに成功。投入した30倍のエネルギーを採集。これを受けて同機構は、[[2018年]]頃にメタンハイドレート事業を商業化すると発表。 |
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| 2008年[[8月]] |
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| [[清水建設]]、[[北海道大学]]、[[北見工業大学]]、[[ロシア科学アカデミー]]は共同で[[バイカル湖]]湖底のメタンハイドレートの採取を実施。[[ウォータージェット]]で湖底を攪拌、ガスを湖水に溶け込ませて引き揚げる手法により14 m{{sup|3}}のガスを採取した。表層のメタンハイドレートからガスを採取した事例としては世界初。 |
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| [[2010年]] |
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| 新潟県上越沖で試料採取。 |
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| [[2011年]]~[[2012年]] |
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| 明治大学、北見工業大学の研究・知財戦略機構を拠点に、東京大学などの研究者などが参加して構成している研究共同体・表層ガスハイドレート研究コンソーシアムが、網走沖での深さ約900メートルの海底や、秋田~山形沖、網走沖で試料を採取した<ref name="meiji_kitami" />。 |
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| [[2012年]][[2月14日]] |
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| [[愛知県]][[渥美半島]]沖から志摩半島南方沖(紀伊半島三重県東紀州沖の熊野灘)の深海でメタンハイドレート掘削試験を日本が開始<ref name=yo>{{cite news|title =メタンハイドレート、渥美沖で採掘へ…海底は初 |url = http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120214-OYT1T00353.htm|newspaper = [[読売新聞]]|date = 2012-02-14|accessdate = 2012年2月14日}}{{リンク切れ|date=2012年8月}}</ref>。海底での採掘は世界初の試みとなる<ref name=yo />。 |
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| [[2012年]][[2月]] |
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| [[石油天然ガス・金属鉱物資源機構]] (JOGMEC) は、メタンハイドレートから天然ガスを取り出す海洋産出試験に着手すると発表<ref name=jog>{{cite web|title =メタンハイドレートの海洋産出試験の開始について |url = http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2011/newsrelease_120203.pdf|publisher = 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 プレス説明会資料|date = 2012-02-03| accessdate = 2012-08-14}}</ref>。世界初としている<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012020200459 メタンハイドレート、今月中旬掘削=愛知沖、深海底で世界初] 時事通信 2012年2月2日{{リンク切れ|date=2012年8月}}。</ref>。事業主は[[経済産業省]]、作業地点は[[愛知県]]沖(第二渥美海丘)<ref group="†">実際の海域は、紀伊半島三重県東紀州沖の熊野灘・志摩半島南方沖の深海。</ref>で[[2012年]]2月中旬に試掘を始め、[[2013年]]の1~3月の期間に産出試験(フローテスト)を予定・計画している<ref name=jog />。商業生産に向けた技術基盤の整備は、2016~2018年度を予定として進める。 |
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| [[2012年]][[6月4日]]~[[6月6日|6日]] |
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| 兵庫県と独立総合研究所が共同で県の漁業調査船「たじま」と魚群探知機を使用して、香住沖約百数十キロの海域にて埋蔵域を調査するため2度に渡り予備調査を実施<ref>『[http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005254272.shtml メタンハイドレートで研究会設置へ、兵庫県が検討]』、神戸新聞、2012年7月31日。</ref><ref>『[http://sankei.jp.msn.com/science/news/120723/scn12072308030002-n1.htm メタンハイドレートの謎解明へ、八戸沖を掘削調査]』、産経新聞、2012年7月23日。</ref>。 |
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| 2012年 |
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| 秋田~山形沖、網走沖で試料取得<ref name="meiji_kitami">{{Cite news|title = 日本海・オホーツク海にメタンハイドレート 明治大など、浅い海底で確認|url = http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2902L_Z21C12A0EA2000/|newspaper = 日本経済新聞|date = 2012-10-29|accessdate = 2013-06-09}}</ref> |
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| [[2013年]][[3月12日]] |
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| 日本の[[独立行政法人]][[石油天然ガス・金属鉱物資源機構]](JOGMEC)と[[産業技術総合研究所]]が愛知県と三重県の沖合で、世界で初めて海底からのメタンガスの採取に成功したと発表した<ref name="jiji312">{{cite news|title = メタンハイドレート、産出を確認=政府|url = http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013031200398|publisher = [[時事通信社]]|date = 2013年3月12日| accessdate = 2013年3月12日}}</ref><ref name="nhk312">{{cite news|title = メタンハイドレート採取成功|url = http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130312/j68680410000.html|publisher =[[日本放送協会|NHK]]|date = 2013年3月12日| accessdate = 2013年3月12日}}</ref>。このことについてMH21プロジェクトリーダーの増田昌敬は「陸上試験の結果から推して1日5000m{{sup|3}}出れば御の字だと思っていた。2万m{{sup|3}}は画期的な量。北米のシェールガスだって最初は数千m{{sup|3}}程度だった」と評しており<ref>{{Cite web|title = メタンハイドレートは「厄介もの」から時代の「寵児」へ|url = http://president.jp/articles/-/10311?page=3|publisher = プレジデント|date = 2001-08-15|accessdate = 2012-09-03}}</ref>、2013年時点においてメタンハイドレートの濃集帯を推定する技術で日本は他の国々を大きく引き離している<ref>{{Cite web|title = メタンハイドレート「2万m3」採掘の衝撃||url = http://president.jp/articles/-/10520|publisher = プレジデント|date = 2001-08-31|accessdate = 2012-09-03}}</ref>。 |
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| [[2013年]][[7月25日]] |
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| [[鳥取県]]の平井伸治知事が定例記者会見で日本海側の資源量を調査する採掘調査が、明治大学を中心とした関連大学共同学術研究チームにより2013年8月から10月にかけ上越沖2海域、秋田山形沖1海域、隠岐東方2海域の計15地点で行われ、このうち1海域が2013年9月下旬に隠岐東方の鳥取県沖で1週間程度行われることを発表した<ref name="sankei20130725">{{cite news|title =メタンハイドレート 9月にも試掘調査 鳥取沖|url =http://sankei.jp.msn.com/region/news/130726/ttr13072602240000-n1.htm|publisher = [[産経新聞]]|date = 2013年7月26日| accessdate = 2013年7月26日}}</ref><ref name="nikkei20130725">{{cite news|title =鳥取沖でメタンハイドレート調査 9月下旬にも、県は研究会 |url =http://www.nikkei.com/article/DGXNZO57754140V20C13A7LC0000/|publisher = [[日本経済新聞]]|date = 2013年7月26日| accessdate = 2013年7月26日}}</ref><ref name="nihonumi20130725">{{cite news|title =鳥取沖で試掘調査 メタンハイドレート|url =http://www.nnn.co.jp/news/130726/20130726011.html|publisher = [[日本海新聞]]|date = 2013年7月26日| accessdate = 2013年7月26日}}</ref><ref name="sankei20130725"/><ref name="nikkei20130725"/><ref name="nihonumi20130725"/>。日本海洋掘削社長の市川祐一郎は、データが揃っていないため詳細は分からないと前置きした上で、鳥取沖の海底にメタンハイドレートが存在する可能性が高いことを示唆する見解を述べている<ref>{{Cite web|title = 鳥取市の講演会で鳥取沖にメタンハイドレートが存在する可能性を示唆|url = http://www.excite.co.jp/News/science/20130819/Fujiyama_water_4769.html|publisher = 世界の水事情|date = 2013-8-19|accessdate = 2012-08-23}}</ref>。 |
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| [[2013年]][[9月23日]]-[[9月26日|26日]] |
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| [[独立総合研究所]]と[[兵庫県]]が[[香住港]]沖で[[第七開洋丸]]によりメタンハイドレートの存在確認を共同調査。メタンガスの湧出地点と見られる窪み(ポックマーク pockmark)を50か所程度発見することに成功した。ピストンコアリングによるメタンハイドレートの採取にも成功したが、兵庫県職員のミスにより船上で直射日光下に放置されたため蒸発。パイプ内にメタンハイドレートが存在したことを[[青山千春]]博士が確認していたことが、2013年10月2日の[[関西テレビ]]「[[FNNスーパーニュースアンカー]]」で[[青山繁晴]]により報道された。 |
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| [[2014年]][[6月21日]]~[[7月10日]] |
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| [[資源エネルギー庁]]が2013年度に実施した広域調査の結果等を踏まえ、有望地点と考えられる上越沖、秋田・山形沖において、調査船を用いたメタンハイドレートを含む地質サンプル取得を実施<ref name="keisan20140623">[http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140623003/20140623003.html 経済産業省>お知らせ>ニュースリリース>2014年度一覧>表層型メタンハイドレートの掘削調査を開始します~国による初めての本格的な地質サンプル取得作業の実施~]</ref>。経済産業省による初の表層型メタンハイドレートの本格的な地質サンプル取得作業となる<ref name="keisan20140623"/>。 |
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| [[2014年]][[9月19日]] |
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| 和歌山県が串本町の潮岬沖で2014年度のメタンハイドレート調査を2015年2月までの期間で実施<ref name="kii20140919">{{cite news|title =メタンハイドレートの調査開始 潮岬沖で和歌山県|url =http://sankei.jp.msn.com/region/news/130726/ttr13072602240000-n1.htm|publisher = [[紀伊民報]]|date = 2014年9月19日| accessdate = 2014年10月3日}}</ref>。 |
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| [[2014年]][[10月1日]] |
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| 日本メタンハイドレート調査株式会社(Japan Methane Hydrate Operating Co., Ltd.)設立。[[石油資源開発]]など11社が出資。砂層型メタンハイドレート開発に関する中長期の海洋産出試験等に参画することを目指し、オールジャパンの組織体制にて効率的、効果的及び円滑に業務遂行する<ref>[https://www.eng.nssmc.com/news/uploaded/2_945398549.pdf 砂層型メタンハイドレート資源開発研究に関する事業への参画に向けた新会社の設立について](新日鉄住金エンジニアリング株式会社)2014-10-01</ref><ref name="nikkankougyou20141002">{{cite news|title =エンジニアリング会社など11社、メタンハイドレート実用化で調査会社設立|url =http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820141002agbe.html|publisher = [[日刊工業新聞]]|date = 2014年10月2日| accessdate = 2014年10月3日}}</ref>。 |
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| [[2014年]][[11月6日]] |
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| [[経済産業省]]は「メタンハイドレート」の開発で米国と協力し、米[[アラスカ州]]で産出試験を進める方針を明らかにした<ref name="sankei20141107">{{cite news|title =メタンハイドレート、アラスカで産出試験 日米、商業化へ技術開発|url =http://sankei.jp.msn.com/life/news/131107/trd13110709170009-n1.htm|publisher = [[産経新聞]]|date = 2014年11月7日| accessdate = 2014年11月29日}}</ref>。産出試験は2015年度ごろまでに1~3ヵ月程度かけて実施する方向で調整するとしている<ref name="sankei20141107"/>。 |
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| [[北見工業大学]]が北海道十勝沖で80キロの海域に、「メタンハイドレート」が存在する可能性が高いと発表<ref name="asahi20141211">{{cite news|title =北海道)メタンハイドレートか、十勝沖に可能性|url =http://www.asahi.com/articles/ASGDB5KNCGDBIIPE01Z.html|publisher = [[産経新聞]]|date = 2014年12月11日| accessdate = 2014年12月23日}}</ref><ref name="hokkaidou20141211">{{cite news|title =十勝沖にメタンハイドレート 北見工大、存在の可能性高いと発表|url =http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/579449.html|publisher = [[北海道新聞]]|date = 2014年12月11日| accessdate = 2014年12月23日}}</ref><ref name="47NEWS20141210">{{cite news|title =「十勝沖にメタンハイドレート」 存在の可能性と北見工業大|url =http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014121001001919.html|publisher = [[47NEWS]]|date = 2014年12月10日| accessdate = 2014年12月23日}}</ref>。調査は2014年11月22~25日、北大水産学部の練習船「[[おしょろ丸]]」を使って、十勝沖約80キロ、水深約1000メートルの海域で実施した<ref name="asahi20141211"/><ref name="hokkaidou20141211"/><ref name="47NEWS20141210"/>。海底から噴出するメタンプルーム(柱状のメタンの気泡塊)を約20ヵ所で観測し、付近で採取した海底堆積物からもメタンの分解過程で生じる炭酸塩の採取に成功<ref name="asahi20141211"/><ref name="hokkaidou20141211"/><ref name="47NEWS20141210"/>。その反面、調査で他者の特許を無許可で使用し、違法状態での調査となっている問題も報道された。 |
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| 経済産業省が、新潟県の上越沖と秋田・山形の沖合で採掘調査を行い、メタンハイドレートを含む地質サンプルを(政府の調査としては)「日本海側では初めて採取」した<ref name="keisan20141225">[http://www.qsr.mlit.go.jp/s_top/yosan/140225/06_H26d_hensei_miyazakiken.pdf 経産省公式サイト>お知らせ>ニュースリリース>2014年度一覧>表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました~掘削調査により表層型メタンハイドレートを含む地質サンプルを取得~]</ref><ref name="nikkei20141225">{{cite news|title =メタンハイドレート、新たに4海域746カ所で確認 経産省 |url =http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF25H0P_V21C14A2EAF000/|publisher = [[日本経済新聞]]|date = 2014年12月25日| accessdate = 2014年12月27日}}</ref><ref name="nhk20141225">{{cite news|title =メタンハイドレート 日本海側で初採取|url =http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141225/t10014268891000.html|publisher = [[日本放送協会|NHK]]|date = 2014年12月25日| accessdate = 2014年12月27日}}</ref>。 |
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国内においては、和歌山県御坊市の日高港新エネルギーパークにおいてメタンハイドレートの紹介が行われており<ref>{{Cite web|title = 日高港新エネルギーパーク|url = http://www.city.gobo.wakayama.jp/0410ka/eepark/eepark.html|publisher = 御坊市|accessdate = 2012-08-14}}</ref>、事前に予約した一定数以上の団体客は、シャーレに乗せられた人工的に造りだしたメタンハイドレートに触れることができたり、燃焼実験を見ることが可能となっている。 |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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*{{Cite book|和書|title=エネルギー革命 メタンハイドレート|author=松本良|year=2009|publisher=飛鳥新社|isbn=978-4870319288|ref={{SfnRef|松本|2009}} }} |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.mh21japan.gr.jp/mh/02-2/ メタンハイドレートとは何か?] メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム |
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* [http://www.ecosci.jp/special/methanehydrate.html メタンハイドレート] Webサイト「生活環境化学の部屋」 |
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2024年11月29日 (金) 12:01時点における最新版
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メタンハイドレート(英: methane hydrate)は、低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体[1]。およその比重は0.9 g/cm3で、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている[2]。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分のため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。メタン水和物ともいわれる。
性状
[編集]見た目は氷に似ている。1 m3のメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164 m3のメタンガスと水に変わる[3]。解凍する前のメタンはメタンハイドレートの重量の15%に過ぎず、他の85%は水である。分子式は CH4·5.75H2O と表され、密度は0.910g/cm3である。火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
水分子で構成される立体網状構造の間隙中にガス分子が位置して安定な固体結晶となっている氷状の物質は包接水和物、ガスハイドレート、あるいは、クラスレートと呼ばれる構造になっている。
ガスハイドレートには、ガスが失われると残された立体網状構造である「包接格子」だけでは格子構造を維持できないもの(ガスハイドレート、クラスレート)と、包接格子だけでも格子構造を維持出来るものがある。メタンハイドレートは「包接化合物」とも呼ばれるクラスレートであり、骨格となる水分子間の5-6 Å(オングストローム、1 Å = 100 pm)程度の隙間に入り込んだガスが出て行くと格子は壊れる。メタンで飽和したメタンハイドレート(structure I hydrate)は、2つの十二面体と6つの十四面体構造をなす46の水分子からなるユニットが8分子のメタンを包接している[4]。
生成過程
[編集]メタンハイドレートを構成するメタンの炭素同位体比は比較的小さい値(13C が少ない)を示すデータもあり、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。
- 生物生成メタン
- メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布しており、大陸から遠く離れた海洋の深部に有意な発見はない。それら分布領域における表層堆積物の特徴は、長い運搬過程を経た粒度の小さい砕屑物や鉱物粒子、火山灰などの他に有機物や有孔虫などの生物遺骸が含まれる海底泥質堆積物である。その海底面(表層)では生物活動による土壌が作られ、土壌の上に新たな堆積物が積み重なり海水の比率が減少するとともに堆積物の続成作用が働く環境となる。堆積作用により表層から埋没後しばらくは硫酸還元菌(例えば Archaeoglobus、Desulforudis など)の活動が続き、この活動している地層を硫酸還元帯という。活動時間が長い深部になるほど炭素同位体比(12C : 13C)は大きい値を示す。硫酸塩の枯渇などにより硫酸還元菌の活動が終わると、メタン菌の活動が活発になり、メタンと炭酸水素イオンが生成される。ここでは地層深部の圧密作用を受けメタンや炭酸水素イオンを含む水が上層へ移動し、一定の条件下で水分子のかご構造にメタンが入り込みメタンハイドレートとして蓄積される。このメタン醗酵が発生する層では 13C が炭酸水素イオンに濃縮されるため、メタンの炭素同位体比は軽く(13C が少なく)なる[5]。例えば、地球深部探査船「ちきゅう」が南海トラフ海域で採集したボーリングコア・サンプルの分析では、メタン生成菌由来であるとされている[6]。
- 熱水噴出孔などでこれらのメタン産生菌の活動を垣間見ることができる。例えば Methanopyrus やMethanocaldococcus は地底で発生する水素と二酸化炭素からメタンを合成する。この他 Methanocalculus などのメタン産生菌が油田から得られている。
- 熱分解起源メタン
- 地層中深部の高温環境では、有機物が非生物的に分解する。量的には熱分解ガスの方が多いとされ、プレート境界や油田地帯では熱分解起源の天然ガスハイドレートが確認されている。上越沖では、海底下数kmに由来する熱分解起源のメタン由来のメタンハイドレートが海底表面に露出、あるいは海底下百数十mの堆積物中に密集して生成していると推定されている。海底にはメタンプルームがあり、噴出口から数10cm上昇するうちにメタンハイドレートが生成することや大規模な化学合成生物群集が確認されており、メタンプルーム探査がメタンハイドレート資源探査に有効であるとされている[7]。
- 非生物起源説
- メタンはマグマを原料とする火山ガスであり、もっとも単純な炭化水素である。近年、議論が活発になりつつある説。日本国内で産出するメタンを、この説において有力な鉱床となるプレート境界上にあるものとして考えることも可能である[8]。
安定条件
[編集]ハイドレートの網状構造を維持するためには、環境が低温かつ高圧であることが求められる。地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100-1000 mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物は海底直下では低温だが、地中深くなるにつれて地温が高くなるため、海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない。また、圧力と温度の関係から同じ地温を成す大陸斜面であれば、深くなるほどメタンハイドレートの含有層は厚くなる。これらの場所では、大量の有機物を含んだ堆積物が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
地表の条件では、分解して吸熱反応を起こす。この時生成される水は氷の薄膜を形成するため、メタンハイドレートは常圧下-20 °C程度でも長く保存できる自己保存性を持つ。
埋蔵域
[編集]状況によって異なるがおおむね、大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内の水深500-1000 m[9][10](2000mまでとする研究もある)[11]での、地下数十から数百m[10]に存在し、メタンガス層の上部境目に存在するとされている。通常は高圧下でありながら、凍った水分子の篭状の結晶構造に封じ込められている。
日本近海の埋蔵域
[編集]2008年現在、日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つとされる。本州、四国、九州といった西日本地方の南側の南海トラフ[10]に最大の推定埋蔵域を持ち、北海道周辺と新潟県沖[3]、南西諸島沖にも存在する[10]。また、日本海側には海底表面に純度が高く塊の状態で存在していることが独立総合研究所[12]、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、海洋研究開発機構などの調査よりわかっている。日本の近海には、現在の天然ガス消費量に換算して約100年間供給できるとされる、7兆立法メートルのメタンガスが埋蔵されていると推定されている[13]。
新潟、秋田、京都など日本海沿岸の12府県による「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」は、「日本海側では、一部の地域における学術的な調査の実施にとどまり、開発に向けた本格的な調査・産出試験が実施されていない」として、日本海のメタンハイドレートの開発に向け、経済産業省資源エネルギー庁に予算の確保を要請している[14]。海洋基本法に合わせて海洋政策の指針とする2018年度「海洋基本計画」では2020年代後半の民間企業主導の商業化を目指している[15]。2024年、経済産業省は2030年までの間に民間主導の商業化プロジェクトスタートさせる計画を発表[16]。
また2013年6月には、千島列島と北方領土の大陸棚に最大でガス87兆立方メートル相当のメタンハイドレートが埋蔵されている可能性が高いとして、ロシアの国立研究機関であるロシア科学アカデミー極東地質学研究所もロシア国営石油大手「ロスネフチ」に開発検討を提案している[17]。
中国では青海地区で350億トンの油に相当するメタンハイドレートが見つかっており、南シナ海には680億トン相当のメタンハイドレートがあるとされており、2013年の6月から9月には、中国国土資源部が広東沿海の珠江口盆地東部の海域で初めて高純度のメタンハイドレート採掘に成功。1000億から1500億立方メートルの天然ガスに相当する資源を確認しており、2030年の商用化を目指していると発表している[18]。
日本近海の埋蔵量
[編集]資源開発として期待されている東部南海トラフの資源量評価量は393.86億㎥とされている[19]。また採取可能なメタンハイドレートは一年に使用される天然ガスの数倍から10倍ほどと見られている[20]。
採取方法とその課題
[編集]日本では1990年代より太平洋でメタンハイドレートの調査や試掘を実施している[21]。しかし、2002年にアメリカ・ドイツ・カナダ等と共同で実施したカナダ北西準州のマッケンジーデルタでの産出試験や、2014年に経産省所管の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が2年間の準備期間を経て実施した愛知県沖での産出試験でも商業化に繋がるような方策は得ることができておらず[22][23]、20年以上経過した2017年時点においても有効な採掘方法の確立には至っていない[20]。
探査方法
[編集]メタンハイドレートの探索に関しては、超音波等を用いた反射法地震探査により海底疑似反射面(BSR)を捉えることが主流な手法であるが[24]、BSR以外に上越沖のような背斜構造やプレート境界、メタンシープ・メタンプルームを手がかりにする方法も提案されている[25]。
メタンの回収方法
[編集]以前は採掘の際にメタンハイドレートの存在する地層の温度を上昇させ、メタンハイドレートを溶解させてメタンを回収する加熱法が検討されていたが、この方法はエネルギー効率が低いという問題があった。近年では採掘の際にメタンハイドレートの存在する地層の圧力を低下させ、メタンハイドレートを溶解させてメタンを回収する減圧法が検証・実験の対象として進められている[26][27]。減圧法による採取はいくつかの成果も出始めているが[28]、この方法にも、減圧によって周辺海底の土砂が崩壊し、回収用のパイプが目詰まりを起こす課題[29]があった。だが、原因が特定され、対策が機能することが確認[30]されている。加熱法、減圧法以外にもメタンハイドレートの地層で化学反応を起こしメタンを取り出す方法[31]など様々な提案がされているが、いずれの方法にも解決しなければならない数々の問題が存在する[32][33][34][35]。
増進回収法
[編集]国内では減圧法などと組み合わせ、生産性や回収率を向上させることで経済性を上げるため、増進回収法と呼ばれる生産を支援する技術の研究[36]も進められている。増進回収法としては、基本的に加熱法に分類される次のような方法が研究されている。①メタンハイドレートの分解(吸熱反応)で対象層が氷点下以下になるまで減圧を行うととで地下水が凍り(発熱反応)、0℃に昇温する強減圧法、②地層内の有機物を強酸などで酸化(発熱反応)させる部分酸化法、③水と二酸化炭素(CO2)を微細混合したエマルションを用いて、CO2ハイドレートの生成(発熱反応)で10℃程に加温させる方法などが研究されている。
輸送技術として
[編集]2010年4月には三井造船が世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究を完了している。これは固体のメタンハイドレートをペレット状にして輸送する方式で、LNGに比べて常温付近で製造が可能で、大気圧下-20℃で安定であるため、設備全体を簡便にすることが期待されている[37]。
メタンハイドレートに関する議論
[編集]コストパフォーマンスに関して
[編集]日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのは、南海トラフであった。この海域では、海底油田の採掘方法を応用して1999年から2000年にかけて試掘が行われ、調査範囲における分布状況が判明し、総額500億円を費やしたが商業化には至っていない。これは、南海トラフなど太平洋側のメタンハイドレートは、分子レベルで深海における泥や砂の中に混溜しており、探索・採取が困難を極めているからであるとされている[21]。
1990年代に設立されたエネルギー総合工学研究所の、太平洋側で砂層型メタンハイドレートの調査を行ったメタンハイドレート調査委員会で初代調査委員長を務めた石井吉徳は「採掘以外にもメタンハイドレートからメタンを取り出すためにもエネルギーが必要であり、最終的に1のエネルギーを使ってメタンハイドレートから得られるエネルギーは1に満たない。」と主張している[38][39][40]。
地球温暖化
[編集]大気中のメタンは二酸化炭素の20倍超もの温室効果があると言われており[41]、メタンハイドレートは放置したままでも海水温の変化や海流の影響で僅かずつメタンを乖離し、そのメタンは自然と海中から大気中に放出されてしまうため、積極的に開発し、利用して温暖化効果を抑制すべきだとする意見が存在する。このメタンによる温室効果は最終的には数千兆円もの損害を与える可能性が指摘されている[41][42]。 アメリカ地質調査所等はメタンハイドレート開発によって発生するメタンのうち回収しきれずに大気中に放出されるメタンが気候変動にさらに大きな影響をもたらす可能性があることを警告している[43][44]が、前述のように開発せずに放置した場合の弊害も大きいとされる。アメリカ合衆国エネルギー省国立エネルギー研究所メタンハイドレート開発技術マネージャーのレイ・ボズウェルは特に表層型のメタンハイドレートは回収不能なメタン放出の危険性が高く、安易に開発を進めることは好ましくないとしており[45]、これはメタンハイドレートを温度を下げずに回収する仕組みを考案することで回避可能である。なおメタンの大気中の滞留期間は12年程度、二酸化炭素は5年から200年と解析方法によって差がある[46][47][48][49]。温暖化ガスに地震で放出されるメタンも考慮すべきとの論もある[50]。
また、地球温暖化が進むと海水温がさらに上昇し、やがてこれまでは海底で安定状態にあったメタンハイドレートからメタンが乖離され大気中に放出される。するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンが吐き出される悪循環を起こすことが予測されている。2億5千万年前のP-T境界では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたという説もある[51]。青山千春は、氷期の海退による水圧減がメタンハイドレートの分解をもたらし、間氷期に移行するきっかけになっていることが最近の研究で明らかになっているとしており[52]、松本良は、地球環境の変動はメタンハイドレートの安定性に大きく支配されているとした「ガスハイドレート仮説」を提唱している[53][54]。
その他
[編集]脚注
[編集]- ^ Gas Hydrate: What is it?, U.S. Geological Survey, (31 August 2009), オリジナルの2012年6月14日時点におけるアーカイブ。 28 December 2014閲覧。
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- ^ a b 松本良、奥田義久、蛭田明宏 ほか、日本海東縁,上越海盆の高メタンフラックス域におけるメタンハイドレートの成長と崩壊 地学雑誌 2009年 118巻 1号 p.43-71, doi:10.5026/jgeography.118.43
- ^ 松本ほか 1994, pp. 39–43.
- ^ 早稲田周、岩野裕継、ガス炭素同位体組成による貯留層評価 石油技術協会誌 2007年 72巻 6号 p.585-593 , doi:10.3720/japt.72.585
- ^ 天羽美紀、バイオマーカー分析による東部南海トラフメタンハイドレート含有堆積物中のメタン生成活動の評価 2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集 セッションID:3P04, doi:10.14862/geochemproc.62.0_285
- ^ 『新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見』(プレスリリース)産業技術総合研究所、2007年3月2日 。
- ^ 石川 2013, pp. 166-176 §付録 石油無機起源説による国産資源論.
- ^ 市川祐一郎「メタンハイドレートの採掘と生産について」『地質ニュース』第510号、産業技術総合研究所・地質調査総合センター、1997年2月、3-58頁、 オリジナルの2011年10月21日時点におけるアーカイブ、2012年8月14日閲覧。
- ^ a b c d 石井彰 『天然ガスが日本を救う』 日経BP社 2008年9月22日、183-185頁 ISBN 9784822247027
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- ^ 青山 2013, pp. 101–104.
参考文献
[編集]- 松本良、奥田義久、青木豊『メタンハイドレート―21世紀の巨大天然ガス資源』日経サイエンス、1994年。ISBN 978-4532520298。
- 松本良『エネルギー革命 メタンハイドレート』飛鳥新社、2009年。ISBN 978-4870319288。
- 青山千春、青山繁晴『希望の現場 メタンハイドレート』ワニ・プラス、2013年。ISBN 978-4847091636。
- 石川憲二『海洋資源大国を目指す日本プロジェクト! 海底油田探査とメタンハイドレートの実力』角川新書、2013年9月25日。ISBN 978-4-04-731615-7。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
- メタンハイドレート研究センター(産業技術総合研究所)
- 経済産業省
- 総合海洋政策本部
- メタンハイドレート Webサイト「生活環境化学の部屋」