「フクロウ」の版間の差分
編集の要約なし |
m 外部リンクの修正 http:// -> https:// (www.pref.oita.jp) (Botによる編集) |
||
(100人を超える利用者による、間の174版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{Otheruseslist| |
{{Otheruseslist|鳥|ミミズク等の近縁種を含む概説|フクロウ目|その他の用法|フクロウ (曖昧さ回避)}} |
||
{{出典の明記|date=2017年9月}}<!-- 出典は多いが、未出典の箇所も非常に多い --> |
|||
{{生物分類表 |
{{生物分類表 |
||
|省略 = 鳥綱 |
|省略 = 鳥綱 |
||
|名称 = フクロウ |
|名称 = フクロウ |
||
|画像=[[ファイル:Strix uralensis |
|画像=[[ファイル:Strix uralensis, Kotka, Finland 1.jpg|250px|フクロウ]] |
||
|画像キャプション = '''フクロウ''' ''Strix uralensis'' |
|画像キャプション = '''フクロウ''' ''Strix uralensis'' |
||
|status = LC |
|||
|目 = [[フクロウ目]] {{Sname||Owl|Strigiformes}} |
|||
|status_ref = <ref name="cites">[https://www.cites.org/eng/app/appendices.php Appendices I, II and III]<https://cites.org/eng>(Accessed 26/11/2017) |
|||
|科 = [[フクロウ科]] {{Sname||Typical_owl|Strigidae}} |
|||
</ref><ref name="species+">UNEP (2017). [https://www.speciesplus.net/#/taxon_concepts/9642/legal ''Strix uralensis'']. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: [https://www.speciesplus.net www.speciesplus.net]. (Accessed 26/11/2017)</ref><ref name="iucn">BirdLife International. 2016. ''[https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22689108A93218506.en Strix uralensis]''. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22689108A93218506. {{doi|10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22689108A93218506.en}} Downloaded on 26 November 2017.</ref> |
|||
|属 = [[フクロウ属]] {{Snamei||Strix_(genus)|Strix}} |
|||
|目 = [[フクロウ目]] [[w:Owl|Strigiformes]] |
|||
|科 = [[フクロウ科]] [[w:Typical owl|Strigidae]] |
|||
|属 = [[フクロウ属]] [[w:Strix (genus)|''Strix'']] |
|||
|種 = '''フクロウ''' ''S. uralensis'' |
|種 = '''フクロウ''' ''S. uralensis'' |
||
|学名 = ''{{sname||Strix uralensis}}'' <br>[[ピーター・シモン・パラス|Pallas]], [[1771年|1771]]<ref name="iucn" /><ref name="gill_donsker">[http://www.worldbirdnames.org/bow/owls/ Owls], Gill F & D Donsker (Eds). 2017. IOC World Bird List (v 7.3). {{doi|10.14344/IOC.ML.7.3}} (Retrieved 22 November 2017)</ref><ref name="osj">日本鳥学会「フクロウ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、[[日本鳥学会]]、2012年、211-2頁</ref> |
|||
|学名 = ''Strix uralensis''<br />[[ピーター・シモン・パラス|Pallas]], [[1771年|1771]] |
|||
|和名 = フクロウ |
|和名 = フクロウ |
||
|英名 = [[:en:Ural owl|Ural owl]]<ref name="iucn" /><ref name="gill_donsker" /><ref name="osj" /><ref name="clements">Clements, J. F., T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, D. Roberson, T. A. Fredericks, B. L. Sullivan, and C. L. Wood. 2016. The eBird/Clements checklist of birds of the world: v2016. Downloaded from http://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/ (Retrieved 22 November 2017)</ref> |
|||
|英名 = [[w:Ural_Owl|Ural owl]] |
|||
|生息図=[[ファイル:Strix uralensis distr..png|250px|分布域]] |
|||
}} |
}} |
||
[[File:Strix uralensis distr..png|thumb|フクロウの生息域]] |
|||
'''フクロウ'''(梟、鴞、''Strix uralensis'')は、[[動物|動物界]][[脊索動物|脊索動物門]][[鳥類|鳥綱]][[フクロウ目]][[フクロウ科]][[フクロウ属]]に分類される鳥類。 |
|||
'''フクロウ'''(梟、鴞、''Strix uralensis'')は、[[鳥類|鳥綱]][[フクロウ目]][[フクロウ科]][[フクロウ属]]に分類される鳥類である。別名ウラルフクロウ。 |
|||
[[夜行性]]であるため、人目に触れる直接の機会は多くないが、その知名度は高く<ref name="樋口 (2007)、22頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、22頁]]</ref>、「[[森林|森]]の物知り博士」、「森の[[哲学者]]」などとして[[人間]]に親しまれている<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、70頁]]</ref>。木の枝で待ち伏せて音もなく飛び、獲物に飛び掛かることから「森の[[忍者]]」と称されることもある<ref name="樋口 (2007)、17頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、17頁]]</ref>。 |
|||
== 分布 == |
== 分布 == |
||
[[スカンジナビア半島]]から[[日本]]にかけて[[ユーラシア大陸]]北部に帯状に広く分布する<ref name="樋口 (2007)、22頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、22頁]]</ref>。[[温帯]]から[[亜寒帯]]にかけての[[針葉樹林]]、[[混交林]]、[[湿地]]、[[牧草地]]、[[農耕地]]などに生息し、[[留鳥]]として定住性が強い<ref name="樋口 (2007)、22頁" />。 |
|||
[[ユーラシア大陸]]北部 |
|||
* ''S. u. fuscescens'' キュウシュウフクロウ |
|||
[[日本]]([[本州]]南部、[[四国]]、[[九州]]) |
|||
* ''S. u. hondoensis'' ホンドフクロウ |
|||
日本(本州北部) |
|||
* ''S. u. momiyamae'' モミヤマフクロウ |
|||
日本(本州中部) |
|||
日本では、[[九州]]以北から、[[四国]]、[[本州]]、[[北海道]]にかけて分布する[[留鳥]]で、[[平地]]から低山、[[亜高山帯針葉樹林|亜高山帯]]にかけての[[森林]]、農耕地、[[草原]]、[[里山]]<ref name="樋口 (2007)、22頁" />などに生息する<ref name="中川 (2010)、147頁">[[#ひと目でわかる野鳥|中川 (2010)、147頁]]</ref><ref name="叶内 (2006)、358-359頁">そのほか、トウホクフクロウという亜種も存在する。<br /></ref><ref name="小海途 (2011)、84頁">[[#巣と卵図鑑|小海途 (2011)、84頁]]</ref>。[[巨樹|大木]]がある[[鎮守の森|社寺林]]や[[公園]]で見られることがある<ref name="中川 (2010)、147頁" />。 |
|||
== |
== 基本情報 == |
||
全長 |
全長は50-62 [[センチメートル|cm]]<ref name="樋口 (2007)、22頁" />、[[翼幅|翼開長]]は94-110 cm、尾長は22-25 cm<ref name="福田 (1986)、44頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、44頁]]</ref>。日本の[[フクロウ類]]では[[シマフクロウ]](全長約71 cm<ref>[[#ひと目でわかる野鳥|中川 (2010)、143頁]]</ref>)、[[ワシミミズク]]、[[シロフクロウ]](全長約58 cm<ref>[[#山溪ハンディ図鑑7日本の野鳥|叶内 (2006)、355頁]]</ref>)に次いで大きく<ref name="中川 (2010)、147頁" />、[[ハシボソガラス]](全長約50 cm<ref>[[#ひと目でわかる野鳥|中川 (2010)、230頁]]</ref>)と同じ程の大きさ<ref name="高木 (2000)、24頁">[[#野山の鳥|高木 (2000)、24頁]]</ref><ref name="国松 (1995)、104頁">[[#名前といわれ 日本の野鳥図鑑1|国松 (1995)、104頁]]</ref>。体重はオスが500-950 [[グラム|g]]、メスが570-1,300 g<ref name="樋口 (2007)、22頁" />。尾羽は12枚あり、褐色の横斑があり<ref>[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、21頁]]</ref>、やや長く扇形<ref name="高木 (2000)、24頁" />。上面は[[茶色|褐色]]の[[羽毛]]で覆われ、濃褐色や[[灰色]]、白い斑紋が入る。下面は白い羽毛で被われ、褐色の縦縞が入る。[[顔]]は灰褐色の羽毛で被われ、顔を縁取る羽毛(顔盤)はハート型。[[翼]]は短く、幅広い<ref name="真木 (2012)、150頁" />。翼下面は淡褐色の羽毛で被われ、黒い横縞が入る。雌雄同色<ref name="中川 (2010)、147頁" />。 |
||
<!--{{要検証範囲|-->平たい[[仮面|お面]]のような顔で<ref name="真木 (2012)、150頁">[[#名前がわかる野鳥大図鑑|真木 (2012)、150頁]]</ref>、頭は丸くて大きい<ref name="高木 (2000)、24頁" />。目は大きく暗闇でも物がよく見えるように[[眼球]]が大きく発達し、眼球と[[まぶた]]の間に半透明の[[瞬膜]]があり、日中は眼球を覆い[[網膜]]を保護する<ref name="福田 (1986)、46頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、46頁]]</ref>。[[角膜]]は大きく盛り上がり、網膜細胞が発達している<ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、16頁]]</ref>。目は、他の種類の鳥が頭部の側面にあるのに対して、人間と同じように頭部の前面に横に並んでいる<ref name="福田 (1986)、47頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、47頁]]</ref>。[[虹彩]]は[[黒]]や暗褐色<ref name="中川 (2010)、147頁" />。[[くちばし|嘴]]は先端が鋭く、視野の邪魔にならないように短く折れ曲がっていて<ref name="福田 (1986)、46頁" />、色彩は[[緑]]がかった黄褐色。[[趾 (鳥類)|趾]]は羽毛で被われ<ref name="高木 (2000)、24頁" />、指が前後2本ずつに分かれていて<ref name="福田 (1986)、46頁" />、大きな指の先に鋭いかぎ状の[[爪]]が付いている<ref name="福田 (1986)、6頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、6頁]]</ref><ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、6頁]]</ref>。[[ミミズク]]にある羽角はなく<ref name="福田 (1986)、44頁" /><ref name="高木 (2000)、24頁" />、[[耳]]は目の横にあり、顔盤の羽毛で隠れている<ref name="福田 (1986)、47頁" />。 |
|||
[[眼]]はやや小型で、[[虹彩]]は[[黒]]や暗褐色。[[くちばし|嘴]]の色彩は[[緑]]がかった黄褐色。[[趾 (鳥類)|趾]]は羽毛で被われる。 |
|||
幼鳥は全身が白い羽毛で被われる。 |
|||
幼鳥は全身が白い羽毛で被われる<ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、17頁]]</ref>。 |
|||
<gallery> |
|||
Длиннохвостая несыть в Краеведческом музее Мурманска.JPG|[[剥製]] |
|||
Strix uralensis head.JPG|ハート型の顔盤の頭部 |
|||
File:Dugorepa sova (Strix uralensis), kandže; Ural Owl claws.jpg|鋭さを持った爪 |
|||
</gallery> |
|||
== 分類 == |
== 分類 == |
||
日本にはエゾフクロウ、トウホクフクロウ、ウラルフクロウ、モミヤマフクロウ、キュウシュウフクロウの5亜種が分布し、北の亜種ほど体色が白っぽく、南の亜種ほど暗色である<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" /><!-- 本種に限らず日本産鳥類広範の問題だが亜種は非連続的な地理変異であり、連続的な地理変異は亜種とはなりえない -->。 |
|||
* ''Strix uralensis fuscescens'' [[コンラート・ヤコブ・テミンク|Temminck]] & [[ヘルマン・シュレーゲル|Schlegel]], [[1850年|1850]] キュウシュウフクロウ |
|||
* ''Strix uralensis hondoensis'' (A. H. Clark, 1907) ホンドフクロウ |
|||
* ''Strix uralensis japonica'' (A. H. Clark, 1907) エゾフクロウ |
|||
* ''Strix uralensis momiyamae'' Taka-Tsukasa, [[1931年|1931]] モミヤマフクロウ - など |
|||
* ''Strix uralensis uralensis'' Pallas, 1771 |
|||
分類は諸説あり例としてIOC World Birdlist(v7.3)では10亜種を認めている<ref name="gill_donsker" />。一方でClements Checklists ver. 2016では亜種''S. u. daurica''と亜種モミヤマフクロウ<!-- Clementsの分布から判断すると亜種フクロウのシノニムか -->を認めずに8亜種を認めている<ref name="clements" />。日本産鳥類目録 改訂第7版でも少なくとも日本産の亜種間でも分布の境目は不明瞭で、検討が必要としている<ref name="osj" />。以下の分類・分布はIOC World Birdlist(v7.3)に、和名・日本産亜種の分布は日本産鳥類目録 改訂第7版に従う<ref name="gill_donsker" /><ref name="osj" />。 |
|||
[[ファイル:Video of ural owl (Strix Uralensis) on the lookout and hunting.webm|サムネイル|フクロウ]] |
|||
; ''Strix uralensis uralensis'' Pallas, 1771 |
|||
:ヨーロッパロシア東部、シベリア西部 |
|||
; ''Strix uralensis daurica'' Stegmann, [[1929年|1929]] |
|||
:シベリア中南部から[[モンゴル国|モンゴル]]北東部・シベリア南東部・中華人民共和国北東部にかけて |
|||
; ''Strix uralensis fuscescens'' [[コンラート・ヤコブ・テミンク|Temminck]] & [[ヘルマン・シュレーゲル|Schlegel]], [[1850年|1850]] キュウシュウフクロウ |
|||
:本州南部、四国、九州 |
|||
; ''Strix uralensis hondoensis'' (Clark, 1907) フクロウ |
|||
:本州北部。以前はトウホクフクロウと呼ばれていた<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" />。 |
|||
; ''Strix uralensis liturata'' Lindroth, [[1788年|1788]] |
|||
:[[ポーランド]]北部から[[スカンジナビア半島]]・[[ロシア]]北西部にかけて |
|||
; ''Strix uralensis macroura'' Wolf, [[1810年|1810]] |
|||
:ヨーロッパ中部および南東部 |
|||
; ''Strix uralensis momiyamae'' Taka-Tsukasa, [[1931年|1931]] モミヤマフクロウ |
|||
:本州中部 |
|||
; ''Strix uralensis nikolskii'' Buturlin, [[1907年|1907]] |
|||
:中華人民共和国北東部、[[朝鮮半島]]、シベリア南東部、[[樺太|サハリン]] |
|||
; ''Strix uralensis japonica'' (Clark, 1907) エゾフクロウ |
|||
:北海道、[[千島列島]]南部 |
|||
; ''Strix uralensis yenisseensis'' Buturlin, [[1915年|1915]] |
|||
:シベリア中央部と北東部から[[モンゴル高原]]北西部 |
|||
== 生態 == |
== 生態 == |
||
{{正確性|date=2017年9月|section=1|フクロウ類広範に共通する内容が多く含まれ本種ではなくフクロウ類の説明になっているのではないか。}} |
|||
平地から山地にかけての[[森林]]に生息する。[[夜行性]]で、昼間は[[樹洞]]や木の茂み内などで休む。渡りは行わない。 |
|||
[[ファイル:Strix uralensis looking back s2.JPG|200px|サムネイル|右|首を約180度回して振り向くフクロウ]] |
|||
{{要検証範囲|単独またはつがいで行動し<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" />、[[渡り]]は行わない<ref name="中川 (2010)、147頁" />|date=2017年11月|title=日本ではそうかもしれないが日本産以外では季節的移動を行う可能性がある。論文確認中}}。[[夜行性]]で昼間は[[樹洞]]や木の横枝などでほとんど動かず目を閉じて休息している<ref name="中川 (2010)、147頁" />。夕方から活動を始めるが、日中に行動することもある<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" />。冬場の獲物が少ない時<ref name="富士元 (1998)、9頁">[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、9頁]]</ref>や強風や雨天が続いた場合は昼間でも狩りを行ったり、保存した獲物を食べる。日中木の枝でじっとしている時に[[カケス]]などの他の鳥に騒ぎ立てられて、他の場所へ逃げ出すこともある<ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、9頁]]</ref>。{{要検証範囲|森林内の比較的開けた空間や林縁部などの樹上で獲物を待ち伏せて<ref name="樋口 (2007)、22頁" />、首を回しながら小動物の立てる物音を察知し獲物を見つけると羽音を立てずに<ref group="注釈">フクロウ類は[[羽毛]]が非常に柔らかく初列[[風切羽]]の先が細かく裂けていることから羽音を立てずに飛行することができる。</ref>軽やかにふわふわと直飛し獲物に近づく<ref name="中川 (2010)、147頁" /><ref name="叶内 (2006)、358-359頁" /><ref name="福田 (1986)、6頁" />。足の指を広げて獲物の背中に突き立て、獲物を押さえつけて締め殺す<ref name="樋口 (2007)、17頁" /><ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、2-4頁]]</ref>。目は人間の10-100倍ほどの感度があるとみられていて<ref name="福田 (1986)、6頁" />、目で遠近感をつかめる範囲は60-78[[度 (角度)|度]]と広いが、視野は約110度と狭く<ref group="注釈">他の種類の鳥は視野は約340度と広いが、遠近感をつかめる範囲は約24度と狭い。</ref><ref name="福田 (1986)、47頁" />、これを補うために[[首]]は上下左右約180度回り<ref name="真木 (2012)、150頁" />、真後ろを見ることができる<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、7頁]]</ref>。体を動かさずに首だけで約270度回すことができる<ref name="福田 (1986)、47頁" />。発達した顔盤は小さな音を聞く[[アンテナ]]としての機能があり<ref name="真木 (2012)、150頁" />。左右の耳は大きさが異なり位置も上下にずれているため、音源の位置の方向と距離を立体的に認識することができる<ref name="福田 (1986)、47頁" /><ref name="小宮 (2011)、32頁">[[#里山の野鳥ハンドブック|小宮 (2011)、32頁]]</ref>。[[聴覚]]が発達しており、音により獲物の位置を特定し、雪の下にいるノネズミ<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、5頁]]</ref>や地上付近のトンネル内を移動しているモグラやミミズを仕留めることができる<ref name="樋口 (2007)、24頁" />|date=2017年11月|title=多くが本種に限った内容ではなくフクロウ類広範あるいは不特定の内容}}。 |
|||
=== 食性 === |
|||
食性は動物食で、主に[[ネズミ]]や[[モモンガ]]といった小型[[哺乳類]]を食べるが、小型の鳥類、[[昆虫]]なども食べる。 強風や雨天が続いた場合は昼間でも狩りを行ったり、保存した獲物を食べる。 |
|||
ヨーロッパ北部で行われた[[ペリット]]の内容物調査では主に小型哺乳類、鳥類、両生類が検出され、昆虫が含まれることは2%未満でまれという報告例がある<ref name="hongo_kaneda">[[本郷儀人|Yoshihito Hongo]], [[金田大|Hiroshi Kaneda]], "[[doi:10.3312/jyio.40.90|Field Observations of Predation by the Ural Owl ''Strix uralensis'' upon the Japanese Horned Beetle ''Trypoxylus dichotomus septentrionalis''<!-- 野外におけるフクロウによるカブトムシの捕食 -->]]," [[山階鳥類学雑誌|''Journal of the Yamashina Institute for Ornithology'']], [[山階鳥類研究所|Yamashina Institute for Ornithology]], 2009, Pages 90-95.</ref>。2000年に発表された北海道での同一個体のペレットの内容物調査では主に[[タイリクヤチネズミ]]が検出され(81%)、次いで[[アカネズミ]]6.8%、[[ヒメネズミ]]4%、鳥類3.6%、[[シマリス]]1.4%、[[ハントウアカネズミ]]・[[ドブネズミ]]・[[ヒメヤチネズミ]]''Clethrionomys rutius''が0.4%ずつという報告例がある<ref>只野慶子 「[https://doi.org/10.18987/jjwrs.25.26.0_95 ペリットの内容物分析によるフクロウの食性(予報)]」『森林野生動物研究会誌』第25・26巻、森林野生動物研究会、2000年、95-98頁。</ref><!-- 学名から阿部(2008)などを確認したうえで出典とは和名を変更している(出典も亜種ではなく種として扱っているようだったので) ヤチネズミ→タイリクヤチネズミ、カラフトアカネズミ→ハントウアカネズミ、ミカドネズミ→ヒメヤチネズミ -->。日本でも昆虫を食べることはまれとされていたが、2009年に発表された上賀茂試験地での調査では6 - 8月にかけて本種の周辺に[[カブトムシ]]の成虫の死骸が多く散乱し、実際に飛翔中のカブトムシを本種が捕える様子が確認されたという報告例もある<ref name="hongo_kaneda" />。この報告例ではメスの死骸の発見率が高く、卵を持ち高栄養価のメスを選択的に捕食していた可能性が示唆されている<ref name="hongo_kaneda" />。2007年に発表された富士河口湖町での人工巣内でのビデオ撮影および獲物の残骸から主にアカネズミ・ヒメネズミ・[[スミスネズミ]]といったネズミ類(約79.7 %)、[[ヤマネ]]、[[アズマモグラ]]・[[ヒミズ]]・[[ジネズミ]]といった[[真無盲腸目|真無盲腸類]]、[[ニホンノウサギ]](哺乳類全体で約87.9%)、[[昆虫]](約7.8%)、[[コガラ]]・[[コジュケイ]]・[[コルリ]]などの鳥類(約1.7%)を捕食したという報告例があり、鳥類の比率が小さいのは夜行性の本種とは活動する時間帯が重複しないためだと考えられている<ref>白石浩隆・北原正彦 「富士山北麓における人工巣を利用したフクロウの繁殖生態と給餌食物の調査」『富士山研究』第1巻、山梨県環境科学研究所、2007年、17-23頁。</ref>。[[食性]]は[[肉食動物|動物食]]で、主にネズミや小型の鳥類<ref group="注釈">雛へ給餌するために運ばれる鳥類として、[[アカゲラ]]、[[アリスイ]]、[[オオルリ]]、[[カッコウ]]、[[カワセミ]]、[[カワラバト]]、[[カワラヒワ]]、[[カラ類]]、[[キジバト]]、[[クロジ]]、[[コマドリ]]、[[サシバ]]、[[スズメ]]、[[ツグミ科|ツグミ類]]、[[ツツドリ]]、[[ヒヨドリ]]、[[ホオジロ科|ホオジロ類]]、[[ムクドリ]]、[[モズ]]などが確認されている。</ref><ref name="樋口 (2007)、24頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、24頁]]</ref><ref group="注釈">[[キジ]]、[[コジュケイ]]、[[ヤマドリ]]などのかなり大きなものまで食べる。</ref><ref name="福田 (1986)、48頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、48頁]]</ref>を食べるが、[[モグラ]]やヒミズなどの[[真無盲腸目|トガリネズミ目]]<ref name="樋口 (2007)、23頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、23頁]]</ref>、[[モモンガ]]、リスといった小型の[[哺乳類]]<ref group="注釈">大きなものとしては、ノウサギを巣に運び込もこともある。</ref><ref name="樋口 (2007)、22頁" />、[[カエル]]などの[[両生類]]、[[爬虫類]]、カブトムシや[[セミ]]などの[[昆虫]]なども食べる<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" /><ref>[[#飯綱高原のフクロウの巣|滝沢 (2013)、86頁]]</ref>。最も多く捕食しているものが、丸呑みし易い[[ハタネズミ亜科|ハタネズミの仲間]]の[[ノネズミ|野ネズミ]]<ref name="樋口 (2007)、23頁" />。ハタネズミは体長が約10cm、体重が30-40g程度で、アカネズミやヒメネズミなどと比較して[[敏捷性]]が劣る<ref name="樋口 (2007)、23頁" />。[[日齢]]が2-45日の巣立ち前のヒナの1日当たりの食餌量は50-200g、日齢46 - 66日の巣立ち後の幼鳥の食餌量は約200g、日齢66以上の若鳥を含む成鳥の食餌量は約100g<ref>[[#野生疾病鳥の収容と診断|風間 (2004)、79頁]]</ref>。捕獲した獲物を丸呑みし[[消化]]し、[[骨]]や[[羽毛]]などの消化できないものを塊([[ペリット]])として吐き出す<ref name="樋口 (2007)、22頁" /><ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、28頁]]</ref>。[[市街地]]近くの森林の少ない場所で巣営するものは、周辺をねぐらとするカワラバトやスズメを捕食したり、民家の屋根裏をねぐらとする[[アブラコウモリ]]、飲食店付近ではドブネズミ、夜間に[[電灯]]や[[自動販売機]]の[[照明]]に集まる大型の昆虫などを捕食することもある<ref name="樋口 (2007)、24頁" />。秋にはたくさんのノネズミを捕獲して[[脂肪組織|皮下脂肪]]に蓄えて冬に備える<ref name="富士元 (1998)、9頁" />。11月から翌年の2月までにフクロウが食べた物の種類とその割合の調査結果を下表に示す<ref name="福田 (1986)、49頁">[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、49頁]]</ref>。 |
|||
{| class="wikitable" |
|||
繁殖形態は[[卵生]]。主に大木の樹洞に巣を作るが、神社の軒下や巣箱、他の鳥類の古巣などを利用することもある。 |
|||
|+フクロウの食べ物の調査結果の一例<ref group="注釈">鳥獣調査報告第12号(11月から翌年の2月までにフクロウが食べた物の調査結果、[[農林水産省]])</ref> |
|||
! [[綱 (分類学)|分類]] |
|||
! 食べ物 |
|||
! 割合(%) |
|||
|- |
|||
|rowspan="4"|[[哺乳類]] |
|||
|[[ネズミ科]] |
|||
|style="text-align:right"|58 |
|||
|- |
|||
|[[モグラ科]] |
|||
|style="text-align:right"|19 |
|||
|- |
|||
|[[トガリネズミ科]] |
|||
|style="text-align:right"|7 |
|||
|- |
|||
|ウサギ、リス、モモンガ |
|||
|style="text-align:right"|3 |
|||
|- |
|||
|colspan="2"|[[鳥類]] |
|||
|style="text-align:right"|11 |
|||
|- |
|||
|colspan="2"|[[昆虫]] |
|||
|style="text-align:right"|2 |
|||
|} |
|||
=== 繁殖 === |
|||
繁殖様式は卵生。主に大木の[[樹洞]]に[[巣]]を作るが、木の根元の地上、地上の穴、[[屋根裏]]、[[神社]]の軒下や[[巣箱]]、他の鳥類の古巣などを利用することもある<ref name="叶内 (2006)、358-359頁" />。フクロウが利用した巣穴には[[毛 (動物)|獣毛]]が混じったペリットが残っていることが多い<ref name="小海途 (2011)、84頁" />。2-4月頃に、巣営地付近で夜になると雌雄で盛んに鳴き交わす<ref name="小海途 (2011)、84頁" />。3-4月頃に、巣穴に巣材を使わず直接産卵を行う<ref name="小海途 (2011)、84頁" />。白色の卵を1-3日おきに2-4個産み28-35日の期間メスが胸の羽根を開いて40度の体温で抱卵する<ref name="樋口 (2007)、24頁" />。[[卵]]は[[楕円|長径]]約5.1cm、短径4.2cm、質量50gほど<ref name="樋口 (2007)、24頁" />で、白色無斑<ref name="小海途 (2011)、84頁" />。卵が転がりやすい形状であるため、巣に小さな窪みを彫って産座を設ける<ref name="樋口 (2007)、24頁" />。抱卵の期間に、オスは1日に1-2個体の獲物を捕獲し鳴きながら巣の近くまで来てメスに獲物を受け渡す<ref name="樋口 (2007)、25頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、25頁]]</ref>。メスは獲物を丸呑みしてすぐに巣に戻る<ref name="樋口 (2007)、25頁" />。雛へはオスとメスの両方がネズミなどを給餌する。メスは雛へ丁寧に餌を給餌し、雛たちは温厚で互いに争うことなく、35-40日ほどで巣立つ<ref name="樋口 (2007)、24頁" />。雛は[[孵化]]して2週間ほどで羽毛が生えそろって体温調整ができるようになり、餌を丸呑みできるようになる<ref name="樋口 (2007)、25頁" />。この期間にオスが巣へ運ぶ餌の量が急激に多くなり、メスも巣内に留まり、餌を食いちぎって雛へ給餌を行い、巣内のヒナの[[糞]]を食べる<ref name="樋口 (2007)、25頁" />。孵化して約2週間後には雛の餌の量が増えるため、メスも巣を離れて獲物を捕獲するようになる<ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、20頁]]</ref>。孵化して1か月ほどで巣立ち、2-3か月両親から狩りの訓練を受けたり飛ぶ練習などを行い、その年の9-11月頃に親から離れて独り立ちする<ref name="樋口 (2007)、25頁" />。雛は一度巣から出ると、もう巣には戻らない<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、20頁]]</ref>。雛に餌をちぎって与えるのはメスが行い、オスは獲物をメスに渡すとまた獲物を捕りに出かける<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、24-25頁]]</ref>。巣立ち後約50日ごろに羽毛が生え揃い若鳥となる<ref>[[#エゾフクロウ|富士元 (1998)、40頁]]</ref>。通常[[一夫一妻制]]で<ref name="樋口 (2007)、27頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、27頁]]</ref>、繁殖に成功したつがいは翌年同じ巣を利用する傾向が強い<ref name="樋口 (2007)、24頁" /><ref>[[#フクロウ(科学のアルバム)|福田 (1986)、11頁]]</ref>。メスの[[平均寿命]]は約8年<ref group="注釈">20年もしくはそれ以上生きるフクロウの個体がいることが知られている。</ref>、3-4年目から繁殖を始めることが多く、5年ほど繁殖を続ける<ref name="樋口 (2007)、27頁" />。 |
|||
<gallery> |
|||
Uralka juv3.jpg|[[巨樹|大木]]の[[樹洞]]の巣から顔を出す雛 |
|||
Длиннохвостая неясыть в совятнике.JPG|[[巣箱]]に巣営することがある |
|||
Strix uralensis-egg.jpg|[[卵]] |
|||
Strix uralensis-chick.jpg|雛 |
|||
</gallery> |
|||
=== 鳴き声 === |
|||
[[File:DM550173 Ural owl male and female territorial calls.ogg|thumb|right|フクロウの縄張りを主張するオスとメスの鳴き声]] |
|||
種類は成鳥が14種類、幼鳥が4種類<ref>[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|大庭 (2007)、22頁]]</ref>存在し、鳴き声は数キロメートル先まで届くことがある。 |
|||
オスは十数秒おきに[[イヌ|犬]]が吠えるような低い音で<ref name="梓川鳥類生態研究会 (1993)、78頁">[[#日本アルプスの鳥|梓川鳥類生態研究会 (1993)、78頁]]</ref>物悲しく鳴くことから、不吉な鳥とされることもある<ref name="小宮 (2011)、32頁" />。 |
|||
==== さえずり ==== |
|||
オスは「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」と透き通った良く通る声で鳴き、メスは低くかすれたあまり響かない同様な声で鳴く<ref name="樋口 (2007)、22頁" /><ref name="叶内 (2006)、358-359頁" />。 |
|||
鳴き声を[[日本語]]に置き換えた表現([[聞きなし]])としては「五郎助奉公」<ref name="真木 (2012)、150頁" />や「ボロ着て奉公」<ref name="国松 (1995)、104頁" />、「糊付け干せ」などがあるが、「糊付け干せ」に関しては「フクロウの染め物屋」という昔話が存在する。 |
|||
:'''フクロウの染め物屋(要約)''' |
|||
{{Quotation| |
|||
昔々、あるところにフクロウが経営する染め物屋がありました。 |
|||
そこに[[カラス]]が目立つ色に着物を染めて欲しいとやってきたので全身を真っ黒に染めてあげたところ、予想外の色にカラスは激怒し以降フクロウを見るなり追いかけまわすようになりました。 |
|||
平地で暮らしていたフクロウはカラスを避けるため、誰にも見られないよう夜の森の奥深くでひっそりと「ホーホ、糊付け干せ」と鳴きながら営業をしているそうです。 |
|||
}} |
|||
==== 地鳴き ==== |
|||
オスは「ホッ、ホッ、ホッ、ホッ……」、メスは「ギャーッ!、ギャーッ!」と鋭く濁った鳴き声で鳴く。 |
|||
== 名前の由来 == |
|||
学名の[[属 (分類学)|属]]名(''Strix'')はフクロウを意味し、[[学名#属名と種小名|種小名]]の(''uralensis'')は[[ウラル連邦管区|ウラル地方]]を意味する<ref name="国松 (1995)、104頁" />。 |
|||
[[和名]]は、毛が膨れた鳥であることに由来する、鳴き声に由来する、昼隠居(ひるかくろふ)から転じたなどの説がある<ref name="国松 (1995)、104頁" />。異名として、不孝鳥、猫鳥、ごろすけ、ほろすけ、ほーほーどり、ぼんどりなどがある<ref name="国松 (1995)、104頁" />。古語で飯豊(いひとよ)と呼ばれていた。日本と[[中国]]では、梟は母親を食べて成長すると考えられていた為「不孝鳥」と呼ばれる<ref name="小宮 (2011)、32頁" />。[[日蓮]]は著作において何度もこの点を挙げている<ref>[http://www.asahi-net.or.jp/~ia8d-tkmr/subcontents28.html 要伝寺_親子観]</ref>。 |
|||
{{Quotation|譬へば幼稚の父母をのる、父母これをすつるや。梟鳥(きょうちょう)が母を食、母これをすてず。[[ムジナ|破鏡(はけい)]]父をがいす、父これにしたがふ。[[畜生]]すら猶かくのごとし|[[日蓮]][[開目抄]]}} |
|||
「梟雄」という古くからの言葉も、親殺しを[[下克上]]の例えから転じたものに由来する。あるいは「フクロウ」の名称が「不苦労」または「福老」に通じるため縁起物とされることもある。広義にフクロウ目の仲間全体もフクロウと呼ばれている<ref name="樋口 (2007)、22頁" />。 |
|||
== 種の保全状況評価 == |
|||
1979年にフクロウ目単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている<ref name="species+" />。2009年現在は岡山県レッドデータブックで絶滅危惧II類と判定されている<ref>丸山健司・山田信光 「フクロウ」『岡山県版レッドデータブック2009 絶滅のおそれのある野生生物』、岡山県、2009年、79頁。</ref>。2010年現在は東京都レッドデータブックにおいて区部で絶滅危惧IA類・北多摩および南多摩で絶滅危惧IB類・西多摩で絶滅危惧II類と判定されている<ref>「鳥類(本土部)」『東京都の保護上重要な野生生物種 (本土部) 東京都レッドリスト 2010年版』、東京都、2010年、45-51<!-- 49頁 -->頁。</ref>。2011年現在は埼玉県レッドデータブックで繁殖個体群が地域別危惧、越冬個体群が準絶滅危惧と判定されている<ref>「フクロウ」『埼玉県レッドデータブック2008 動物編』埼玉県環境部みどり自然課編、埼玉県、2011年、98頁。</ref>。2011年現在千葉県レッドデータブックでは重要保護生物と判定されている<ref>高木武・桑原和之 「フクロウ」『千葉県の保護上重要な野生生物種 千葉県レッドデータブック 動物編 2011年改訂版』、千葉県、2011年、89頁。</ref>。2015年現在は三重県レッドデータブックで準絶滅危惧と判定されている<ref>前澤昭彦 「フクロウ」『三重県版レッドデータブック2015 三重県の絶滅のおそれのある野生生物』、三重県、2015年、75頁。</ref>。 |
|||
; ''S. u. hondoensis'' フクロウ |
|||
:2010年現在青森県レッドデータブックではランクCと判定されている<ref>小山信行 「フクロウ」『青森県の希少な野生生物 青森県レッドデータブック(2010年改訂版)』、青森県、2010年、207頁。</ref> |
|||
繁殖に適した洞穴がある森林伐採により、個体数が減少している<ref name="中川 (2010)、147頁" /><ref name="国松 (1995)、104頁" /><ref name="梓川鳥類生態研究会 (1993)、78頁" />。1971年10月から2001年3月までの31年間に[[新潟県]]愛鳥センターで保護収容されたフクロウは288羽で、その後[[放鳥]]されたものは130羽であった<ref name="風間 (2004)、74頁">[[#野生疾病鳥の収容と診断|風間 (2004)、74頁]]</ref>。5月に幼鳥が多く収容されている<ref name="風間 (2004)、74頁" />。[[仙台市八木山動物公園]]が[[1982年]]に日本国内で初めて繁殖に成功し、[[繁殖賞]]を受賞した。 |
|||
<!-- こうしたものがリンク切れしやすいといった問題はひとまず置いておいて。地方自治体のサイトはリンクを貼った場合、担当者への事後通告を推奨しているところが多いですが、以下はそれをクリアされているのでしょうか? --> |
|||
日本では以下の多くの[[都道府県]]でレッドリストの指定を受けている<ref>{{Cite web|和書|url=http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=02130010280 |title=日本のレッドデータ検索システム「フクロウ」 |publisher=(エンビジョン環境保全事務局)|accessdate=2014-02-13}} - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。{{出典無効|date=2017年11月}}</ref>。 |
|||
* 絶滅危惧IA類(CR)- [[東京都区部]]<ref group="注釈">{{要検証範囲|[[東京都]]の北多摩と南多摩では絶滅危惧IB類(EN)、西多摩では準絶滅危惧(NT)。|date=2017年11月}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/animals_plants/attachement/2010-06R2.pdf |title=東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版 |publisher=東京都 |format=PDF |pages=49 |date=2010 |accessdate=2013-12-21}}</ref><!-- 西多摩は絶滅危惧II類 --> |
|||
* 重要保護生物(B) - [[千葉県]]<ref group="注釈">千葉県のカテゴリー「重要保護生物(B)」は、[[環境省]]の絶滅危惧IB類(EN)相当。</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-2011re/rdb-201104tori.pdf |title=千葉県レッドデータブック動物編(2011年改訂版) |publisher=千葉県 |format=PDF |pages=89 |date=2011 |accessdate=2013-12-21}}</ref> |
|||
* 絶滅危惧II類(VU) - [[大阪府]]、[[和歌山県]]、[[岡山県]]<ref name="okayama">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/sizen/reddatabook/other_pdf/d_06_02_02.pdf |title=岡山県版レッドデータブック2009 |publisher=岡山県 |format=PDF |pages=79 |date=2009 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[大分県]]<ref name="oita">{{Cite web|和書|url=https://www.pref.oita.jp/10550/reddata2011/05/ch058.html |title=レッドデータブックおおいた2011 |publisher=大分県 |date=2011 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[宮崎県]] |
|||
* 準絶滅危惧(NT) - [[栃木県]]<ref name="tochigi">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.tochigi.lg.jp/shizen/sonota/rdb/detail/12/0047.html |title=レッドデータブックとちぎ・フクロウ |publisher=栃木県 |date=2011-03 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[埼玉県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/351262.pdf |title=埼玉県レッドデータブック2008動物編 |publisher=埼玉県 |format=PDF |page=98 |date=2008 |accessdate=2013-12-21 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130706044058/http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/351262.pdf |archivedate=2013-07-06 |url-status=dead|url-status-date=2017-09}}</ref>、[[神奈川県]]、[[山梨県]]、[[長野県]]、[[岐阜県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.gifu.lg.jp/kankyo/shizen/red-data-1/cho-rui/cho015.html |title=岐阜県レッドデータブック(初版)・フクロウ |publisher=岐阜県 |date=2002 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[静岡県]]、[[愛知県]]<ref name="aichi">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/yasei/rdb/cyourui/animals_167.pdf |title=レッドデータブックあいち2009・フクロウ |publisher=愛知県 |format=PDF |pages=167 |date=2009 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[三重県]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pref.mie.lg.jp/MIDORI/HP/shizen/88859000001.htm |title=三重県レッドデータブック2015・フクロウ |publisher=三重県 |date=2015 |accessdate=2020-09-24}}</ref>、[[京都府]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/bird0087.html |title=京都府レッドデータブック・フクロウ |publisher=京都府 |date=2002 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[鳥取県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/311860/www_pref_tottori_lg_jp_secure_281886_a-08.pdf |title=レッドデータブックとっとり(動物) |publisher=鳥取県 |format=PDF |pages=61 |date=2012 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[島根県]]<ref name="shimane">{{Cite web|和書|url=http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/rdb/rdb2/cnt/cnt58a.html |title=しまねレッドデータブック・フクロウ |publisher=島根県 |date=2004 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、[[山口県]]<ref name="yamaguchi">{{Cite web|和書|url=http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/02/020078.html |title=レッドデータブックやまぐち・フクロウ |publisher=山口県 |date=2002 |accessdate=2013-12-21}}</ref>、福島県 |
|||
** 希少野生生物(Cランク) - [[青森県]]<ref group="注釈">青森県のカテゴリー「希少野生生物(Cランク)」は、環境省の準絶滅危惧(NT)相当。</ref><ref name="aomori">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/shizen/files/2010-0326-1201.pdf |title=青森県レッドデータブック(2010年改訂版) |publisher=青森県 |format=PDF |pages=207 |date=2010 |accessdate=2013-12-21}}</ref> |
|||
** 希少種 - [[奈良県]]<ref group="注釈">奈良県のカテゴリー「希少種」は、環境省の準絶滅危惧(NT)相当。</ref> |
|||
* その他 |
|||
** Dランク - [[岩手県]] |
|||
** 希少種 - [[滋賀県]] |
|||
[[韓国]]では本種が[[大韓民国指定天然記念物]]に選定されている。 |
|||
== 人間との関係 == |
== 人間との関係 == |
||
[[ファイル:Habichtskauz.jpg|200px|サムネイル|右|イラスト]] |
|||
*茨城県[[つくば市]]の、市の鳥に指定されている。 |
|||
ギリシャ神話において、フクロウは女神アテーナーの象徴であるとされる。知恵の女神[[アテーナー]]の象徴であることから転じて知恵の象徴とされることも多い<!-- アテナと関連があるとされるのは別属のコキンメフクロウ -->。[[ミネルヴァのフクロウ]]もその一例である。[[民話]]や[[童話]]においては、森林の長老や知恵袋の役割としてフクロウがしばしば登場する。 |
|||
*鳴き声を日本語に置き換えた表現(聞きなし)としては「五郎助奉公」や「ボロ着て奉公」、「糊付け干せ」などがある。 |
|||
*日本と中国では、梟は母親を食べて成長すると考えられていた為「不孝鳥」と呼ばれる。[[日蓮]]は著作に於いて何度もこの点を挙げている<ref>[http://www.asahi-net.or.jp/~ia8d-tkmr/subcontents28.html 要伝寺_親子観]</ref>。 |
|||
**[[開目抄]] 譬へば幼稚の父母をのる、父母これをすつるや。梟鳥が母を食、母これをすてず。破鏡父をがいす、父これにしたがふ。畜生すら猶かくのごとし |
|||
*[[武則天]]は政敵を貶める目的から政敵の遺族の姓を「蟒」(ウワバミ、蛇の一種)と「梟」に変えさせている。 |
|||
*「梟帥(たける)」は地域の長を意味する。「梟雄 (きょうゆう)」は荒々しい人、盗賊の頭を意味する。 |
|||
*[[獄門]]の別名を梟首(きょうしゅ)と言う。 |
|||
一方東洋では、フクロウは成長した雛が母鳥を食べるという言い伝えがあり、転じて「親不孝者」の象徴とされている。唐朝の[[武則天]]は政敵を貶める目的から政敵の遺族の姓を「蟒」(ウワバミ、蛇の一種)と「梟」に変えさせている。「梟帥(きょうすい)」や「梟雄(きょうゆう)」は荒々しい人、盗賊の頭目を意味する(『[[日本書紀]]』は朝廷に従わない地域の長を意味する「タケル」に「梟帥」の字をあてている)。[[獄門]]の別名を梟首(きょうしゅ)と言う。 |
|||
その一方で前述のように縁起物とされ、フクロウの置物も存在する。また[[ことわざ]]の一つに「フクロウの宵鳴き、糊すって待て」というものがある。宵にフクロウが鳴くと明日は晴れるので洗濯物を干せという意味<ref name="国松 (1995)、104頁" />。 |
|||
普段は穏やかでおとなしい気質であるため人間から非常に親しまれている鳥であるが、繁殖期には雛を守るため巣に近づく人間に対して攻撃的になる<ref name="樋口 (2007)、22-23頁">[[#フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす|樋口 (2007)、22-23頁]]</ref>。巣に近づく人間に向かって飛びかかり、鋭い[[爪]]で目を攻撃して[[失明]]させたり、耳を引きちぎったりする事例が[[ヨーロッパ]]では広く認知されている<ref name="樋口 (2007)、22-23頁" />。 |
|||
=== 飼育 === |
|||
日本の場合、一定の大きさ以内であれば、個人が飼うには届け出等は不要であるが、[[肉食]]であること、飼育場所は常に清潔を保たなくてはいけないこと、飛ぶことのできる相応の広さを確保しなくてはならないことなどを留意すべきである。正しく飼育すれば20年ほど生きる。[[イギリス]]では、『[[ハリー・ポッター]]』の相棒としてフクロウが映画に登場したことから、ペットとしてフクロウを飼う者が一時増えたが、清掃等が思った以上に面倒なこと、飼育費用がかさむことなどから、不法に野に放つ者が続出し、社会問題になっている。同国では、6か月の懲役刑もしくは[[罰金]]5000ポンドが課される。こうしたことから、個人で飼うことより、良好な飼育が確保されている組織や施設を支援することでフクロウと接することが推奨されている。<ref>[http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/hundreds-of-pet-owls-abandoned-after-840299 Hundreds of pet owls abandoned after Harry Potter craze fade, DailyMirror, 20 May 2012]</ref> |
|||
フクロウの主食が[[ノネズミ]]であることから、日本では[[江戸時代]]から[[畑]]に[[杭]]を打ってフクロウの止まり木を提供しノネズミの駆除に利用し、[[東南アジア]]では田畑や[[果樹園]]の横に巣営場所を提供しノネズミ駆除に利用している<ref name="樋口 (2007)、23頁" />。 |
|||
初列風切羽の外弁の縁ギザギザの鋸歯状の構造(セレーション、serration)には消音効果があり<ref>{{Cite web |和書|url=https://engineer.fabcross.jp/archeive/201218_small-finlets.html |title=無音で飛行するフクロウの羽根の構造を解析――飛行機の騒音低下のヒントに - fabcross for エンジニア |access-date=2023-12-06 |date=2020-12-22 |website=fabcross for エンジニア - エンジニアのためのキャリア応援マガジン}}</ref>、[[新幹線500系電車]]の[[翼型パンタグラフ]]に取り付けられた[[乱流翼|ボルテックスジェネレーター]]は、このフクロウの羽根の構造を参考にして開発されている<ref name="樋口 (2007)、17頁" /> |
|||
<gallery> |
|||
ファイル:大地開戸遺跡出土 縄文土器 動物形把手 (フクロウ).JPG|[[縄文土器]]のフクロウ把手 |
|||
</gallery> |
|||
=== 日本 === |
|||
日本の場合、一定の大きさ以内であれば個人が飼うには届け出等は不要である。[[肉食]]であること、飼育場所は常に清潔を保たなくてはいけないこと、飛ぶことのできる相応の広さを確保しなくてはならないことなどを留意すべきである。雛の頃から育てたとしても必ずしも懐く訳ではなく、飼ってから後悔しないように、よくよく検討してから購入するべきである。正しく飼育すれば20年ほど生きる。 |
|||
==== 自治体指定の鳥 ==== |
|||
以下の日本の自治体で指定の鳥とされている。 |
|||
{{div col|cols=8}} |
|||
*北海道石狩郡[[当別町]] |
|||
*北海道釧路郡[[釧路町]](エゾフクロウ)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.town.kushiro.lg.jp/introduction/ |title=釧路町の概要 |publisher=[[釧路町]] |accessdate=2020-09-24}}</ref> |
|||
*青森県[[青森市]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.aomori.aomori.jp/somu/shiseijouhou/aomorishi-konnamati/symbol/01.html |title=市の木・花・鳥・昆虫(平成17年4月27日指定)/青森市 |publisher=[[青森市]] |date=2005-04-27 |accessdate=2015-04-12}}</ref> |
|||
*岩手県[[花巻市]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.hanamaki.iwate.jp/shisei/hanamakicity/introduction/1002457.html |title=花・鳥・木 |publisher=[[花巻市]] |date=2019-01-18 |accessdate=2020-09-24}}</ref> |
|||
*茨城県[[つくば市]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/14278/14279/758/000177.html |title=つくば市のプロフィール「市の花・鳥・木」 |publisher=[[つくば市]] |date=2013-04-01 |accessdate=2013-12-22}}</ref> |
|||
*茨城県[[取手市]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.toride.ibaraki.jp/index.cfm/11,4788,37,337,html |title=市の木・市の花・市の鳥をご紹介します |publisher=[[取手市]] |date=2011-05-06 |accessdate=2013-12-22}}{{リンク切れ|date=2017年11月}}</ref> |
|||
*千葉県[[松戸市]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.matsudo.chiba.jp/profile/logo/tree-flower-bard.html |title=市の木・花・鳥 |publisher=[[松戸市]] |date=2013-11-25 |accessdate=2013-12-22}}</ref> |
|||
*東京都[[豊島区]] |
|||
*山梨県[[北杜市]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/docs/1159.html |title=市のシンボル(花・木・鳥・昆虫・小動物) |publisher=[[北杜市]] |date=2017-12-18 |accessdate=2020-09-24}}</ref> |
|||
*静岡県[[袋井市]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/kurashi/shiseijoho/gaiyo/1425447055443.html |title=市の木・花・鳥 |publisher=[[袋井市]] |date=2010-05-16 |accessdate=2020-09-24}}</ref> |
|||
{{div col end}} |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{脚注ヘルプ}} |
|||
<references /> |
|||
=== 注釈 === |
|||
{{Notelist|30em}} |
|||
=== 出典 === |
|||
{{Reflist|25em}} |
|||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* {{Cite book|和書 |author=梓川鳥類生態研究会 |date=1993-06 |title=日本アルプスの鳥 |publisher=[[信濃毎日新聞]] |isbn=4784093087 |ref=日本アルプスの鳥}} |
|||
* 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、[[山と渓谷社]]、[[2008年]]、282頁 |
|||
* |
* 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、[[山と渓谷|山と溪谷社]]、[[2008年]]、282頁 |
||
* |
* 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、[[文一総合出版]]、[[2004年]]、96-97頁。 |
||
* {{Cite journal |和書 |author=風間辰夫 |title=野生疾病鳥の収容と診断,治療,保護飼育,野生復帰の方法 |journal=山階鳥類学雑誌 |volume=36 |number=1 |naid=40006460341 |date=2004-09 |publisher=[[山階鳥類研究所]] |format=PDF |url=https://doi.org/10.3312/jyio.36.72 |ref=野生疾病鳥の収容と診断|doi=10.3312/jyio.36.72}} |
|||
* 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、[[日本野鳥の会]]、[[2007年]]、2007年、188-189頁。 |
|||
* {{Cite book|和書 |author=叶内拓哉、安部直哉 |date=2006-10-01 |title=山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635070077 |edition=第2版 |ref=山溪ハンディ図鑑7日本の野鳥}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=国松俊英|authorlink=国松俊英 |date=1995-04 |title=名前といわれ 日本の野鳥図鑑1 野山の鳥 |publisher=[[偕成社]] |isbn=4035293601 |ref=名前といわれ 日本の野鳥図鑑1}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=小海途銀次郎 |date=2011-09-06 |title=決定版 日本の野鳥「巣と卵」図鑑 |publisher=[[世界文化社]] |isbn=978-4418119004 |ref=巣と卵図鑑}} |
|||
* {{Cite book|和書 |editor=小宮輝之(監修) |date=2011-05-06 |title=里山の野鳥ハンドブック |publisher=[[NHK出版]] |isbn=978-4140113004 |ref=里山の野鳥ハンドブック}} |
|||
* 『小学館の図鑑NEO 鳥』、[[小学館]]、[[2002年]]、74頁。 |
|||
* {{Cite book|和書 |author=高木清和 |date=2000-08 |title=フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635063313 |ref=野山の鳥}} |
|||
* 高野伸二編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と溪谷社、[[1985年]]、346-347頁。 |
|||
* 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、[[日本野鳥の会]]、[[2007年]]、188-189頁。 |
|||
* {{Cite journal |和書 |author=滝沢和彦、堀田昌伸、草間由紀子、草間理恵子 |title=飯綱高原のフクロウの巣から発見された絶滅危惧種シラホシハナムグリとその他の昆虫 |journal=長野県環境保全研究所報告 |volume=9 |date=2013 |publisher=長野県環境保全研究所 |format=PDF |url=http://www.pref.nagano.lg.jp/kanken/johotekyo/kenkyuhokoku/hozen/documents/9-14.pdf |ref=飯綱高原のフクロウの巣}} |
|||
* 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、[[学研ホールディングス|学習研究社]]、[[1984年]]、56、58、62、219頁。 |
* 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、[[学研ホールディングス|学習研究社]]、[[1984年]]、56、58、62、219頁。 |
||
* {{Cite book|和書 |editor=中川雄三(監修) |date=2010-01 |title=ひと目でわかる野鳥 |publisher=成美堂出版 |isbn=978-4415305325 |ref=ひと目でわかる野鳥}} |
|||
* 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、[[平凡社]]、[[2000年]]、373頁。 |
|||
* {{Cite book|和書 |author=福田俊司|authorlink=福田俊司 |date=1986-04 |title=フクロウ |publisher=[[あかね書房]] |series=科学のアルバム |isbn=4251033647 |ref=フクロウ(科学のアルバム)}} |
|||
* 『小学館の図鑑NEO 鳥』、[[小学館]]、[[2002年]]、74頁。 |
|||
* {{Cite book|和書 |editor=BIRDER編集部 |date=2007-11-15 |title=フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす |publisher=文一総合出版 |isbn=978-4829910115 |ref=フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=富士元寿彦 |date=1998-12 |title=エゾフクロウ |publisher=[[北海道新聞社]] |isbn=4893632434 |ref=エゾフクロウ}} |
|||
* {{Cite book|和書 |author=真木広造 |date=2012-04-10 |title=名前がわかる野鳥大図鑑 |publisher=[[永岡書店]] |isbn=978-4522430866 |ref=名前がわかる野鳥大図鑑}} |
|||
* 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、[[平凡社]]、[[2000年]]、373頁。 |
|||
== 関連書籍 == |
|||
* 『ふくろう』 パイインターナショナル、2014年、{{ISBN2|978-4-7562-4512-0}} |
|||
* 横田雅博 『えぞふくろうのきもち』 [[北海道新聞社]]、2016年、{{ISBN2|978-4-89453-823-8}} |
|||
* [[♪鳥くん]]『かわいいふくろう』[[エムディエヌコーポレーション]]発行、[[インプレス]]発売、2017年12月21日、{{ISBN2| 978-4-8443-6727-7}} |
|||
* [[大橋弘一]]監修 『もふもふ もふもふ~ ふくろうの赤ちゃん』、講談社ビーシー/[[講談社]]、2018年、 {{ISBN2|978-4-06-513122-0}} |
|||
== |
== 外部リンク == |
||
{{Sisterlinks|梟 |
|||
{{Commons|Strix_uralensis}} |
|||
| wikt = ふくろう |
|||
{{Wikispecies|Strix_uralensis}} |
|||
| b = no |
|||
* [[フクロウ属]] |
|||
| n = no |
|||
* [[新幹線500系電車#集電装置|ボルテックスジェネレーター]] - [[新幹線500系電車]]に取り付けられた[[ボルテックスジェネレーター]]は、フクロウの羽根を参考にしたことで知られている。 |
|||
| v = no |
|||
| species = Strix uralensis |
|||
}} |
|||
* [http://www.koueki-suntory-aityou.jp/topics/1211.html フクロウの耳はどこにある?] ([[サントリー]]世界愛鳥基金) |
|||
* {{Kotobank}} |
|||
{{Bird-stub}} |
|||
{{Normdaten}} |
|||
== 外部リンク == |
|||
* [http://www.cites.org/ CITES homepage] |
|||
** [http://www.cites.org/eng/app/appendices.shtml Appendices I, II and III] |
|||
* [http://www.iucnredlist.org/The IUCN Red List of Threatened Species] |
|||
** BirdLife International 2009. [http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/143251 ''Strix uralensis'']. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2. |
|||
{{Good article}} |
|||
{{DEFAULTSORT:ふくろう}} |
{{DEFAULTSORT:ふくろう}} |
||
{{Bird-stub}} |
|||
{{Link GA|de}} |
|||
[[Category:フクロウ目]] |
[[Category:フクロウ目]] |
||
[[Category:ワシントン条約附属書II]] |
[[Category:ワシントン条約附属書II]] |
||
[[Category:冬の季語]] |
2024年8月22日 (木) 15:29時点における最新版
フクロウ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フクロウ Strix uralensis
| |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Strix uralensis Pallas, 1771[3][4][5] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
フクロウ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ural owl[3][4][5][6] | |||||||||||||||||||||||||||
フクロウ(梟、鴞、Strix uralensis)は、鳥綱フクロウ目フクロウ科フクロウ属に分類される鳥類である。別名ウラルフクロウ。
夜行性であるため、人目に触れる直接の機会は多くないが、その知名度は高く[7]、「森の物知り博士」、「森の哲学者」などとして人間に親しまれている[8]。木の枝で待ち伏せて音もなく飛び、獲物に飛び掛かることから「森の忍者」と称されることもある[9]。
分布
[編集]スカンジナビア半島から日本にかけてユーラシア大陸北部に帯状に広く分布する[7]。温帯から亜寒帯にかけての針葉樹林、混交林、湿地、牧草地、農耕地などに生息し、留鳥として定住性が強い[7]。
日本では、九州以北から、四国、本州、北海道にかけて分布する留鳥で、平地から低山、亜高山帯にかけての森林、農耕地、草原、里山[7]などに生息する[10][11][12]。大木がある社寺林や公園で見られることがある[10]。
基本情報
[編集]全長は50-62 cm[7]、翼開長は94-110 cm、尾長は22-25 cm[13]。日本のフクロウ類ではシマフクロウ(全長約71 cm[14])、ワシミミズク、シロフクロウ(全長約58 cm[15])に次いで大きく[10]、ハシボソガラス(全長約50 cm[16])と同じ程の大きさ[17][18]。体重はオスが500-950 g、メスが570-1,300 g[7]。尾羽は12枚あり、褐色の横斑があり[19]、やや長く扇形[17]。上面は褐色の羽毛で覆われ、濃褐色や灰色、白い斑紋が入る。下面は白い羽毛で被われ、褐色の縦縞が入る。顔は灰褐色の羽毛で被われ、顔を縁取る羽毛(顔盤)はハート型。翼は短く、幅広い[20]。翼下面は淡褐色の羽毛で被われ、黒い横縞が入る。雌雄同色[10]。
平たいお面のような顔で[20]、頭は丸くて大きい[17]。目は大きく暗闇でも物がよく見えるように眼球が大きく発達し、眼球とまぶたの間に半透明の瞬膜があり、日中は眼球を覆い網膜を保護する[21]。角膜は大きく盛り上がり、網膜細胞が発達している[22]。目は、他の種類の鳥が頭部の側面にあるのに対して、人間と同じように頭部の前面に横に並んでいる[23]。虹彩は黒や暗褐色[10]。嘴は先端が鋭く、視野の邪魔にならないように短く折れ曲がっていて[21]、色彩は緑がかった黄褐色。趾は羽毛で被われ[17]、指が前後2本ずつに分かれていて[21]、大きな指の先に鋭いかぎ状の爪が付いている[24][25]。ミミズクにある羽角はなく[13][17]、耳は目の横にあり、顔盤の羽毛で隠れている[23]。
幼鳥は全身が白い羽毛で被われる[26]。
-
ハート型の顔盤の頭部
-
鋭さを持った爪
分類
[編集]日本にはエゾフクロウ、トウホクフクロウ、ウラルフクロウ、モミヤマフクロウ、キュウシュウフクロウの5亜種が分布し、北の亜種ほど体色が白っぽく、南の亜種ほど暗色である[11]。
分類は諸説あり例としてIOC World Birdlist(v7.3)では10亜種を認めている[4]。一方でClements Checklists ver. 2016では亜種S. u. dauricaと亜種モミヤマフクロウを認めずに8亜種を認めている[6]。日本産鳥類目録 改訂第7版でも少なくとも日本産の亜種間でも分布の境目は不明瞭で、検討が必要としている[5]。以下の分類・分布はIOC World Birdlist(v7.3)に、和名・日本産亜種の分布は日本産鳥類目録 改訂第7版に従う[4][5]。
- Strix uralensis uralensis Pallas, 1771
- ヨーロッパロシア東部、シベリア西部
- Strix uralensis daurica Stegmann, 1929
- シベリア中南部からモンゴル北東部・シベリア南東部・中華人民共和国北東部にかけて
- Strix uralensis fuscescens Temminck & Schlegel, 1850 キュウシュウフクロウ
- 本州南部、四国、九州
- Strix uralensis hondoensis (Clark, 1907) フクロウ
- 本州北部。以前はトウホクフクロウと呼ばれていた[11]。
- Strix uralensis liturata Lindroth, 1788
- ポーランド北部からスカンジナビア半島・ロシア北西部にかけて
- Strix uralensis macroura Wolf, 1810
- ヨーロッパ中部および南東部
- Strix uralensis momiyamae Taka-Tsukasa, 1931 モミヤマフクロウ
- 本州中部
- Strix uralensis nikolskii Buturlin, 1907
- 中華人民共和国北東部、朝鮮半島、シベリア南東部、サハリン
- Strix uralensis japonica (Clark, 1907) エゾフクロウ
- 北海道、千島列島南部
- Strix uralensis yenisseensis Buturlin, 1915
- シベリア中央部と北東部からモンゴル高原北西部
生態
[編集]この節の正確性に疑問が呈されています。 |
単独またはつがいで行動し[11]、渡りは行わない[10][要検証 ]。夜行性で昼間は樹洞や木の横枝などでほとんど動かず目を閉じて休息している[10]。夕方から活動を始めるが、日中に行動することもある[11]。冬場の獲物が少ない時[27]や強風や雨天が続いた場合は昼間でも狩りを行ったり、保存した獲物を食べる。日中木の枝でじっとしている時にカケスなどの他の鳥に騒ぎ立てられて、他の場所へ逃げ出すこともある[28]。森林内の比較的開けた空間や林縁部などの樹上で獲物を待ち伏せて[7]、首を回しながら小動物の立てる物音を察知し獲物を見つけると羽音を立てずに[注釈 1]軽やかにふわふわと直飛し獲物に近づく[10][11][24]。足の指を広げて獲物の背中に突き立て、獲物を押さえつけて締め殺す[9][29]。目は人間の10-100倍ほどの感度があるとみられていて[24]、目で遠近感をつかめる範囲は60-78度と広いが、視野は約110度と狭く[注釈 2][23]、これを補うために首は上下左右約180度回り[20]、真後ろを見ることができる[30]。体を動かさずに首だけで約270度回すことができる[23]。発達した顔盤は小さな音を聞くアンテナとしての機能があり[20]。左右の耳は大きさが異なり位置も上下にずれているため、音源の位置の方向と距離を立体的に認識することができる[23][31]。聴覚が発達しており、音により獲物の位置を特定し、雪の下にいるノネズミ[32]や地上付近のトンネル内を移動しているモグラやミミズを仕留めることができる[33][要検証 ]。
食性
[編集]ヨーロッパ北部で行われたペリットの内容物調査では主に小型哺乳類、鳥類、両生類が検出され、昆虫が含まれることは2%未満でまれという報告例がある[34]。2000年に発表された北海道での同一個体のペレットの内容物調査では主にタイリクヤチネズミが検出され(81%)、次いでアカネズミ6.8%、ヒメネズミ4%、鳥類3.6%、シマリス1.4%、ハントウアカネズミ・ドブネズミ・ヒメヤチネズミClethrionomys rutiusが0.4%ずつという報告例がある[35]。日本でも昆虫を食べることはまれとされていたが、2009年に発表された上賀茂試験地での調査では6 - 8月にかけて本種の周辺にカブトムシの成虫の死骸が多く散乱し、実際に飛翔中のカブトムシを本種が捕える様子が確認されたという報告例もある[34]。この報告例ではメスの死骸の発見率が高く、卵を持ち高栄養価のメスを選択的に捕食していた可能性が示唆されている[34]。2007年に発表された富士河口湖町での人工巣内でのビデオ撮影および獲物の残骸から主にアカネズミ・ヒメネズミ・スミスネズミといったネズミ類(約79.7 %)、ヤマネ、アズマモグラ・ヒミズ・ジネズミといった真無盲腸類、ニホンノウサギ(哺乳類全体で約87.9%)、昆虫(約7.8%)、コガラ・コジュケイ・コルリなどの鳥類(約1.7%)を捕食したという報告例があり、鳥類の比率が小さいのは夜行性の本種とは活動する時間帯が重複しないためだと考えられている[36]。食性は動物食で、主にネズミや小型の鳥類[注釈 3][33][注釈 4][37]を食べるが、モグラやヒミズなどのトガリネズミ目[38]、モモンガ、リスといった小型の哺乳類[注釈 5][7]、カエルなどの両生類、爬虫類、カブトムシやセミなどの昆虫なども食べる[11][39]。最も多く捕食しているものが、丸呑みし易いハタネズミの仲間の野ネズミ[38]。ハタネズミは体長が約10cm、体重が30-40g程度で、アカネズミやヒメネズミなどと比較して敏捷性が劣る[38]。日齢が2-45日の巣立ち前のヒナの1日当たりの食餌量は50-200g、日齢46 - 66日の巣立ち後の幼鳥の食餌量は約200g、日齢66以上の若鳥を含む成鳥の食餌量は約100g[40]。捕獲した獲物を丸呑みし消化し、骨や羽毛などの消化できないものを塊(ペリット)として吐き出す[7][41]。市街地近くの森林の少ない場所で巣営するものは、周辺をねぐらとするカワラバトやスズメを捕食したり、民家の屋根裏をねぐらとするアブラコウモリ、飲食店付近ではドブネズミ、夜間に電灯や自動販売機の照明に集まる大型の昆虫などを捕食することもある[33]。秋にはたくさんのノネズミを捕獲して皮下脂肪に蓄えて冬に備える[27]。11月から翌年の2月までにフクロウが食べた物の種類とその割合の調査結果を下表に示す[42]。
分類 | 食べ物 | 割合(%) |
---|---|---|
哺乳類 | ネズミ科 | 58 |
モグラ科 | 19 | |
トガリネズミ科 | 7 | |
ウサギ、リス、モモンガ | 3 | |
鳥類 | 11 | |
昆虫 | 2 |
繁殖
[編集]繁殖様式は卵生。主に大木の樹洞に巣を作るが、木の根元の地上、地上の穴、屋根裏、神社の軒下や巣箱、他の鳥類の古巣などを利用することもある[11]。フクロウが利用した巣穴には獣毛が混じったペリットが残っていることが多い[12]。2-4月頃に、巣営地付近で夜になると雌雄で盛んに鳴き交わす[12]。3-4月頃に、巣穴に巣材を使わず直接産卵を行う[12]。白色の卵を1-3日おきに2-4個産み28-35日の期間メスが胸の羽根を開いて40度の体温で抱卵する[33]。卵は長径約5.1cm、短径4.2cm、質量50gほど[33]で、白色無斑[12]。卵が転がりやすい形状であるため、巣に小さな窪みを彫って産座を設ける[33]。抱卵の期間に、オスは1日に1-2個体の獲物を捕獲し鳴きながら巣の近くまで来てメスに獲物を受け渡す[43]。メスは獲物を丸呑みしてすぐに巣に戻る[43]。雛へはオスとメスの両方がネズミなどを給餌する。メスは雛へ丁寧に餌を給餌し、雛たちは温厚で互いに争うことなく、35-40日ほどで巣立つ[33]。雛は孵化して2週間ほどで羽毛が生えそろって体温調整ができるようになり、餌を丸呑みできるようになる[43]。この期間にオスが巣へ運ぶ餌の量が急激に多くなり、メスも巣内に留まり、餌を食いちぎって雛へ給餌を行い、巣内のヒナの糞を食べる[43]。孵化して約2週間後には雛の餌の量が増えるため、メスも巣を離れて獲物を捕獲するようになる[44]。孵化して1か月ほどで巣立ち、2-3か月両親から狩りの訓練を受けたり飛ぶ練習などを行い、その年の9-11月頃に親から離れて独り立ちする[43]。雛は一度巣から出ると、もう巣には戻らない[45]。雛に餌をちぎって与えるのはメスが行い、オスは獲物をメスに渡すとまた獲物を捕りに出かける[46]。巣立ち後約50日ごろに羽毛が生え揃い若鳥となる[47]。通常一夫一妻制で[48]、繁殖に成功したつがいは翌年同じ巣を利用する傾向が強い[33][49]。メスの平均寿命は約8年[注釈 7]、3-4年目から繁殖を始めることが多く、5年ほど繁殖を続ける[48]。
-
巣箱に巣営することがある
-
雛
鳴き声
[編集]種類は成鳥が14種類、幼鳥が4種類[50]存在し、鳴き声は数キロメートル先まで届くことがある。 オスは十数秒おきに犬が吠えるような低い音で[51]物悲しく鳴くことから、不吉な鳥とされることもある[31]。
さえずり
[編集]オスは「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」と透き通った良く通る声で鳴き、メスは低くかすれたあまり響かない同様な声で鳴く[7][11]。
鳴き声を日本語に置き換えた表現(聞きなし)としては「五郎助奉公」[20]や「ボロ着て奉公」[18]、「糊付け干せ」などがあるが、「糊付け干せ」に関しては「フクロウの染め物屋」という昔話が存在する。
- フクロウの染め物屋(要約)
昔々、あるところにフクロウが経営する染め物屋がありました。
そこにカラスが目立つ色に着物を染めて欲しいとやってきたので全身を真っ黒に染めてあげたところ、予想外の色にカラスは激怒し以降フクロウを見るなり追いかけまわすようになりました。
平地で暮らしていたフクロウはカラスを避けるため、誰にも見られないよう夜の森の奥深くでひっそりと「ホーホ、糊付け干せ」と鳴きながら営業をしているそうです。
地鳴き
[編集]オスは「ホッ、ホッ、ホッ、ホッ……」、メスは「ギャーッ!、ギャーッ!」と鋭く濁った鳴き声で鳴く。
名前の由来
[編集]学名の属名(Strix)はフクロウを意味し、種小名の(uralensis)はウラル地方を意味する[18]。
和名は、毛が膨れた鳥であることに由来する、鳴き声に由来する、昼隠居(ひるかくろふ)から転じたなどの説がある[18]。異名として、不孝鳥、猫鳥、ごろすけ、ほろすけ、ほーほーどり、ぼんどりなどがある[18]。古語で飯豊(いひとよ)と呼ばれていた。日本と中国では、梟は母親を食べて成長すると考えられていた為「不孝鳥」と呼ばれる[31]。日蓮は著作において何度もこの点を挙げている[52]。
「梟雄」という古くからの言葉も、親殺しを下克上の例えから転じたものに由来する。あるいは「フクロウ」の名称が「不苦労」または「福老」に通じるため縁起物とされることもある。広義にフクロウ目の仲間全体もフクロウと呼ばれている[7]。
種の保全状況評価
[編集]1979年にフクロウ目単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]。2009年現在は岡山県レッドデータブックで絶滅危惧II類と判定されている[53]。2010年現在は東京都レッドデータブックにおいて区部で絶滅危惧IA類・北多摩および南多摩で絶滅危惧IB類・西多摩で絶滅危惧II類と判定されている[54]。2011年現在は埼玉県レッドデータブックで繁殖個体群が地域別危惧、越冬個体群が準絶滅危惧と判定されている[55]。2011年現在千葉県レッドデータブックでは重要保護生物と判定されている[56]。2015年現在は三重県レッドデータブックで準絶滅危惧と判定されている[57]。
- S. u. hondoensis フクロウ
- 2010年現在青森県レッドデータブックではランクCと判定されている[58]
繁殖に適した洞穴がある森林伐採により、個体数が減少している[10][18][51]。1971年10月から2001年3月までの31年間に新潟県愛鳥センターで保護収容されたフクロウは288羽で、その後放鳥されたものは130羽であった[59]。5月に幼鳥が多く収容されている[59]。仙台市八木山動物公園が1982年に日本国内で初めて繁殖に成功し、繁殖賞を受賞した。
日本では以下の多くの都道府県でレッドリストの指定を受けている[60]。
- 絶滅危惧IA類(CR)- 東京都区部[注釈 8][61]
- 重要保護生物(B) - 千葉県[注釈 9][62]
- 絶滅危惧II類(VU) - 大阪府、和歌山県、岡山県[63]、大分県[64]、宮崎県
- 準絶滅危惧(NT) - 栃木県[65]、埼玉県[66]、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県[67]、静岡県、愛知県[68]、三重県[69]、京都府[70]、鳥取県[71]、島根県[72]、山口県[73]、福島県
- その他
韓国では本種が大韓民国指定天然記念物に選定されている。
人間との関係
[編集]ギリシャ神話において、フクロウは女神アテーナーの象徴であるとされる。知恵の女神アテーナーの象徴であることから転じて知恵の象徴とされることも多い。ミネルヴァのフクロウもその一例である。民話や童話においては、森林の長老や知恵袋の役割としてフクロウがしばしば登場する。
一方東洋では、フクロウは成長した雛が母鳥を食べるという言い伝えがあり、転じて「親不孝者」の象徴とされている。唐朝の武則天は政敵を貶める目的から政敵の遺族の姓を「蟒」(ウワバミ、蛇の一種)と「梟」に変えさせている。「梟帥(きょうすい)」や「梟雄(きょうゆう)」は荒々しい人、盗賊の頭目を意味する(『日本書紀』は朝廷に従わない地域の長を意味する「タケル」に「梟帥」の字をあてている)。獄門の別名を梟首(きょうしゅ)と言う。 その一方で前述のように縁起物とされ、フクロウの置物も存在する。またことわざの一つに「フクロウの宵鳴き、糊すって待て」というものがある。宵にフクロウが鳴くと明日は晴れるので洗濯物を干せという意味[18]。
普段は穏やかでおとなしい気質であるため人間から非常に親しまれている鳥であるが、繁殖期には雛を守るため巣に近づく人間に対して攻撃的になる[75]。巣に近づく人間に向かって飛びかかり、鋭い爪で目を攻撃して失明させたり、耳を引きちぎったりする事例がヨーロッパでは広く認知されている[75]。
フクロウの主食がノネズミであることから、日本では江戸時代から畑に杭を打ってフクロウの止まり木を提供しノネズミの駆除に利用し、東南アジアでは田畑や果樹園の横に巣営場所を提供しノネズミ駆除に利用している[38]。
初列風切羽の外弁の縁ギザギザの鋸歯状の構造(セレーション、serration)には消音効果があり[76]、新幹線500系電車の翼型パンタグラフに取り付けられたボルテックスジェネレーターは、このフクロウの羽根の構造を参考にして開発されている[9]
-
縄文土器のフクロウ把手
日本
[編集]日本の場合、一定の大きさ以内であれば個人が飼うには届け出等は不要である。肉食であること、飼育場所は常に清潔を保たなくてはいけないこと、飛ぶことのできる相応の広さを確保しなくてはならないことなどを留意すべきである。雛の頃から育てたとしても必ずしも懐く訳ではなく、飼ってから後悔しないように、よくよく検討してから購入するべきである。正しく飼育すれば20年ほど生きる。
自治体指定の鳥
[編集]以下の日本の自治体で指定の鳥とされている。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ フクロウ類は羽毛が非常に柔らかく初列風切羽の先が細かく裂けていることから羽音を立てずに飛行することができる。
- ^ 他の種類の鳥は視野は約340度と広いが、遠近感をつかめる範囲は約24度と狭い。
- ^ 雛へ給餌するために運ばれる鳥類として、アカゲラ、アリスイ、オオルリ、カッコウ、カワセミ、カワラバト、カワラヒワ、カラ類、キジバト、クロジ、コマドリ、サシバ、スズメ、ツグミ類、ツツドリ、ヒヨドリ、ホオジロ類、ムクドリ、モズなどが確認されている。
- ^ キジ、コジュケイ、ヤマドリなどのかなり大きなものまで食べる。
- ^ 大きなものとしては、ノウサギを巣に運び込もこともある。
- ^ 鳥獣調査報告第12号(11月から翌年の2月までにフクロウが食べた物の調査結果、農林水産省)
- ^ 20年もしくはそれ以上生きるフクロウの個体がいることが知られている。
- ^ 東京都の北多摩と南多摩では絶滅危惧IB類(EN)、西多摩では準絶滅危惧(NT)。[要検証 ]
- ^ 千葉県のカテゴリー「重要保護生物(B)」は、環境省の絶滅危惧IB類(EN)相当。
- ^ 青森県のカテゴリー「希少野生生物(Cランク)」は、環境省の準絶滅危惧(NT)相当。
- ^ 奈良県のカテゴリー「希少種」は、環境省の準絶滅危惧(NT)相当。
出典
[編集]- ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed 26/11/2017)
- ^ a b UNEP (2017). Strix uralensis. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 26/11/2017)
- ^ a b c BirdLife International. 2016. Strix uralensis. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22689108A93218506. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22689108A93218506.en Downloaded on 26 November 2017.
- ^ a b c d Owls, Gill F & D Donsker (Eds). 2017. IOC World Bird List (v 7.3). doi:10.14344/IOC.ML.7.3 (Retrieved 22 November 2017)
- ^ a b c d 日本鳥学会「フクロウ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、211-2頁
- ^ a b Clements, J. F., T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, D. Roberson, T. A. Fredericks, B. L. Sullivan, and C. L. Wood. 2016. The eBird/Clements checklist of birds of the world: v2016. Downloaded from http://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/ (Retrieved 22 November 2017)
- ^ a b c d e f g h i j k 樋口 (2007)、22頁
- ^ 富士元 (1998)、70頁
- ^ a b c 樋口 (2007)、17頁
- ^ a b c d e f g h i 中川 (2010)、147頁
- ^ a b c d e f g h i そのほか、トウホクフクロウという亜種も存在する。
- ^ a b c d e 小海途 (2011)、84頁
- ^ a b 福田 (1986)、44頁
- ^ 中川 (2010)、143頁
- ^ 叶内 (2006)、355頁
- ^ 中川 (2010)、230頁
- ^ a b c d e 高木 (2000)、24頁
- ^ a b c d e f g 国松 (1995)、104頁
- ^ 樋口 (2007)、21頁
- ^ a b c d e 真木 (2012)、150頁
- ^ a b c 福田 (1986)、46頁
- ^ 福田 (1986)、16頁
- ^ a b c d e 福田 (1986)、47頁
- ^ a b c 福田 (1986)、6頁
- ^ 富士元 (1998)、6頁
- ^ 福田 (1986)、17頁
- ^ a b 富士元 (1998)、9頁
- ^ 福田 (1986)、9頁
- ^ 福田 (1986)、2-4頁
- ^ 富士元 (1998)、7頁
- ^ a b c 小宮 (2011)、32頁
- ^ 富士元 (1998)、5頁
- ^ a b c d e f g h 樋口 (2007)、24頁
- ^ a b c Yoshihito Hongo, Hiroshi Kaneda, "Field Observations of Predation by the Ural Owl Strix uralensis upon the Japanese Horned Beetle Trypoxylus dichotomus septentrionalis," Journal of the Yamashina Institute for Ornithology, Yamashina Institute for Ornithology, 2009, Pages 90-95.
- ^ 只野慶子 「ペリットの内容物分析によるフクロウの食性(予報)」『森林野生動物研究会誌』第25・26巻、森林野生動物研究会、2000年、95-98頁。
- ^ 白石浩隆・北原正彦 「富士山北麓における人工巣を利用したフクロウの繁殖生態と給餌食物の調査」『富士山研究』第1巻、山梨県環境科学研究所、2007年、17-23頁。
- ^ 福田 (1986)、48頁
- ^ a b c d 樋口 (2007)、23頁
- ^ 滝沢 (2013)、86頁
- ^ 風間 (2004)、79頁
- ^ 福田 (1986)、28頁
- ^ 福田 (1986)、49頁
- ^ a b c d e 樋口 (2007)、25頁
- ^ 福田 (1986)、20頁
- ^ 富士元 (1998)、20頁
- ^ 富士元 (1998)、24-25頁
- ^ 富士元 (1998)、40頁
- ^ a b 樋口 (2007)、27頁
- ^ 福田 (1986)、11頁
- ^ 大庭 (2007)、22頁
- ^ a b 梓川鳥類生態研究会 (1993)、78頁
- ^ 要伝寺_親子観
- ^ 丸山健司・山田信光 「フクロウ」『岡山県版レッドデータブック2009 絶滅のおそれのある野生生物』、岡山県、2009年、79頁。
- ^ 「鳥類(本土部)」『東京都の保護上重要な野生生物種 (本土部) 東京都レッドリスト 2010年版』、東京都、2010年、45-51頁。
- ^ 「フクロウ」『埼玉県レッドデータブック2008 動物編』埼玉県環境部みどり自然課編、埼玉県、2011年、98頁。
- ^ 高木武・桑原和之 「フクロウ」『千葉県の保護上重要な野生生物種 千葉県レッドデータブック 動物編 2011年改訂版』、千葉県、2011年、89頁。
- ^ 前澤昭彦 「フクロウ」『三重県版レッドデータブック2015 三重県の絶滅のおそれのある野生生物』、三重県、2015年、75頁。
- ^ 小山信行 「フクロウ」『青森県の希少な野生生物 青森県レッドデータブック(2010年改訂版)』、青森県、2010年、207頁。
- ^ a b 風間 (2004)、74頁
- ^ “日本のレッドデータ検索システム「フクロウ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2014年2月13日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。[出典無効]
- ^ “東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版” (PDF). 東京都. pp. 49 (2010年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “千葉県レッドデータブック動物編(2011年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 89 (2011年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 79 (2009年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックおおいた2011”. 大分県 (2011年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックとちぎ・フクロウ”. 栃木県 (2011年3月). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “埼玉県レッドデータブック2008動物編” (PDF). 埼玉県. p. 98 (2008年). 2013年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月21日閲覧。
- ^ “岐阜県レッドデータブック(初版)・フクロウ”. 岐阜県 (2002年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックあいち2009・フクロウ” (PDF). 愛知県. pp. 167 (2009年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “三重県レッドデータブック2015・フクロウ”. 三重県 (2015年). 2020年9月24日閲覧。
- ^ “京都府レッドデータブック・フクロウ”. 京都府 (2002年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックとっとり(動物)” (PDF). 鳥取県. pp. 61 (2012年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “しまねレッドデータブック・フクロウ”. 島根県 (2004年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックやまぐち・フクロウ”. 山口県 (2002年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ “青森県レッドデータブック(2010年改訂版)” (PDF). 青森県. pp. 207 (2010年). 2013年12月21日閲覧。
- ^ a b 樋口 (2007)、22-23頁
- ^ “無音で飛行するフクロウの羽根の構造を解析――飛行機の騒音低下のヒントに - fabcross for エンジニア”. fabcross for エンジニア - エンジニアのためのキャリア応援マガジン (2020年12月22日). 2023年12月6日閲覧。
- ^ “釧路町の概要”. 釧路町. 2020年9月24日閲覧。
- ^ “市の木・花・鳥・昆虫(平成17年4月27日指定)/青森市”. 青森市 (2005年4月27日). 2015年4月12日閲覧。
- ^ “花・鳥・木”. 花巻市 (2019年1月18日). 2020年9月24日閲覧。
- ^ “つくば市のプロフィール「市の花・鳥・木」”. つくば市 (2013年4月1日). 2013年12月22日閲覧。
- ^ “市の木・市の花・市の鳥をご紹介します”. 取手市 (2011年5月6日). 2013年12月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “市の木・花・鳥”. 松戸市 (2013年11月25日). 2013年12月22日閲覧。
- ^ “市のシンボル(花・木・鳥・昆虫・小動物)”. 北杜市 (2017年12月18日). 2020年9月24日閲覧。
- ^ “市の木・花・鳥”. 袋井市 (2010年5月16日). 2020年9月24日閲覧。
参考文献
[編集]- 梓川鳥類生態研究会『日本アルプスの鳥』信濃毎日新聞、1993年6月。ISBN 4784093087。
- 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、282頁
- 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2004年、96-97頁。
- 風間辰夫「野生疾病鳥の収容と診断,治療,保護飼育,野生復帰の方法」(PDF)『山階鳥類学雑誌』第36巻第1号、山階鳥類研究所、2004年9月、doi:10.3312/jyio.36.72、NAID 40006460341。
- 叶内拓哉、安部直哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。ISBN 4635070077。
- 国松俊英『名前といわれ 日本の野鳥図鑑1 野山の鳥』偕成社、1995年4月。ISBN 4035293601。
- 小海途銀次郎『決定版 日本の野鳥「巣と卵」図鑑』世界文化社、2011年9月6日。ISBN 978-4418119004。
- 小宮輝之(監修) 編『里山の野鳥ハンドブック』NHK出版、2011年5月6日。ISBN 978-4140113004。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、74頁。
- 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313。
- 高野伸二編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と溪谷社、1985年、346-347頁。
- 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、188-189頁。
- 滝沢和彦、堀田昌伸、草間由紀子、草間理恵子「飯綱高原のフクロウの巣から発見された絶滅危惧種シラホシハナムグリとその他の昆虫」(PDF)『長野県環境保全研究所報告』第9巻、長野県環境保全研究所、2013年。
- 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、56、58、62、219頁。
- 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325。
- 福田俊司『フクロウ』あかね書房〈科学のアルバム〉、1986年4月。ISBN 4251033647。
- BIRDER編集部 編『フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす』文一総合出版、2007年11月15日。ISBN 978-4829910115。
- 富士元寿彦『エゾフクロウ』北海道新聞社、1998年12月。ISBN 4893632434。
- 真木広造『名前がわかる野鳥大図鑑』永岡書店、2012年4月10日。ISBN 978-4522430866。
- 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、373頁。
関連書籍
[編集]- 『ふくろう』 パイインターナショナル、2014年、ISBN 978-4-7562-4512-0
- 横田雅博 『えぞふくろうのきもち』 北海道新聞社、2016年、ISBN 978-4-89453-823-8
- ♪鳥くん『かわいいふくろう』エムディエヌコーポレーション発行、インプレス発売、2017年12月21日、ISBN 978-4-8443-6727-7
- 大橋弘一監修 『もふもふ もふもふ~ ふくろうの赤ちゃん』、講談社ビーシー/講談社、2018年、 ISBN 978-4-06-513122-0
外部リンク
[編集]- フクロウの耳はどこにある? (サントリー世界愛鳥基金)
- 『フクロウ』 - コトバンク